JP2014084750A - 船舶用排ガス浄化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】排ガス中のPMを触媒により燃焼することで、エコノマイザーの熱効率の低下を抑制した船舶用排ガス浄化システムを提供する。
【解決手段】ディーゼルエンジンの排ガスによりエコノマイザーで温水を製造する船舶用排ガス浄化システムにおいて、前記ディーゼルエンジンと前記エコノマイザーの間を排気管で接続し、前記排気管と前記エコノマイザーの間の排ガスの接触部分に排ガスの粒子を燃焼する燃焼部を配置し、前記燃焼部の内部に燃焼触媒を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ディーゼルエンジンの排ガスによりエコノマイザーで温水を製造する船舶用排ガス浄化システムにおいて、前記ディーゼルエンジンと前記エコノマイザーの間を排気管で接続し、前記排気管と前記エコノマイザーの間の排ガスの接触部分に排ガスの粒子を燃焼する燃焼部を配置し、前記燃焼部の内部に燃焼触媒を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、船舶用のディーゼルエンジン排ガスに含まれる微粒子を燃焼除去するガス浄化装置及びガス浄化システムに関する。
本技術分野の背景技術として、特開2005−240698号公報(特許文献1)がある。この公報には、「ディーゼルエンジン11等からの排ガス12中の微粒子(微粒子物質(PM)とも呼ばれる。)13を捕集する捕集部14を配した捕集室15と、前記捕集部14に触媒水16を供給し、微粒子の表面に触媒水を付着させる触媒水供給装置17と、前記捕集部14に還元剤18を供給する還元剤供給装置19とを具備するものである」と記載されている。
また、特開2005−241219号公報(特許文献2)には「エンジン1の回転数を上げて強制的に排ガス温度を上昇させることにより、フィルタ15bに捕集したPMを安定的に燃焼除去させることができ、フィルタ15bの目詰まりや排気熱交換器16の性能低下を防ぐことができる」と記載されている。
特許文献1、2では、排ガス中の微粒子を捕集する捕集部、もしくはフィルタを設置している。このため、重油などの灰分が多い燃料を用いる場合、PMにより捕集部やフィルタが閉塞して圧力損失が増大し、最終的にエンジンが停止する恐れがある。
特許文献2では、排ガス中の微粒子を燃焼除去するためにエンジンの回転数を上げて排ガス温度を上昇させている。しかし、燃焼除去すべきPMがフィルタに付着している状態であるため、完全に燃焼しきれない問題があり、また船舶用の大型ディーゼルエンジンは、乗用車用と比較して、きめ細かいエンジン制御がしにくいこと、常用回転数と最大回転数の差が小さく、回転数を上げて昇温する効果が小さいことからこれらの適用が難しい。
また、従来からDFP(Diesel Particulate Filter)内に酸化触媒を塗布して熱交換を行い、DFPでの熱伝導を改善するものもあるが、熱交換により温度が低下するためPMを充分燃焼出来ない問題がある。このためDFP内のフィルタでPMの目詰まりを起こし、特許文献1、2と同様に圧力損失が増大し、最終的にエンジンが停止する恐れがある。
大型船舶では船内の生活用温水や暖房に供する温水の需要があり、エンジン排ガス中に設置したエコノマイザーで常温の水を温めて製造している。大型船舶では、重油を燃料としたディーゼルエンジンを用いている。排ガスには灰分を含むPMが含まれ、エコノマイザーに付着し、熱効率の低下、圧力損失の増加を引き起こしている。そのため、エコノマイザーを定期的に清掃する必要があった。この清掃は、エンジンを停止して行うため、船の利用効率の低下を招いていた。
本発明は、上記従来の問題点にかんがみ、排ガス中のPMを触媒により燃焼することで、エコノマイザーの熱効率の低下を抑制した船舶用排ガス浄化システムを提供するものである。
上記問題を解決するため本発明は、ディーゼルエンジンの排ガスによりエコノマイザーで温水を製造する船舶用排ガス浄化システムにおいて、
前記ディーゼルエンジンと前記エコノマイザーの間を排気管で接続し、前記排気管内または、前記エコノマイザーの排ガスとの接触部分に排ガスの粒子を燃焼する燃焼部を設け、前記燃焼部の内部に燃焼触媒を設けたことを特徴とする。
前記ディーゼルエンジンと前記エコノマイザーの間を排気管で接続し、前記排気管内または、前記エコノマイザーの排ガスとの接触部分に排ガスの粒子を燃焼する燃焼部を設け、前記燃焼部の内部に燃焼触媒を設けたことを特徴とする。
また、上記に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、前記燃焼部は貫通孔を有するハニカム、平均細孔径20μmより大きい網体、または平均細孔径20μmより大きい繊維からなることを特徴とする。
また、上記に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、前記エコノマイザーは温水が流通する温水パイプを備え、この温水パイプの排ガスとの接触面に燃焼触媒を塗布した事を特徴とする。
また、上記に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、前記排気管の内面を燃焼部とし、その内面に燃焼触媒を塗布した事を特徴とする。
また、上記に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、前記排気管に拡管部を設けて燃焼部とし、その拡管部の内面に燃焼触媒を塗布した事を特徴とする。
また、上記に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、前記燃焼触媒は、セシウムとセリウムとプラセオジムの混合酸化物、またはセシウムとセリウムとビスマスの混合酸化物からなることを特徴とする。
また、上記に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、前記燃焼部は、400℃以下で排ガスの粒子を燃焼することを特徴とする。
本発明によれば、エコノマイザーに付着するPMを低減でき、エコノマイザーの熱効率の低下を抑制する事が出来る。その結果、エンジン停止を伴うエコノマイザーの清掃間隔を延ばすことができ、船の利用効率を高めることができる。
以下、図面を用いて実施例について説明する。
(実施例1)
ディーゼルエンジンとエコノマイザーを備えた船舶における、排ガスの流れと燃焼部の配置を図1に示す。1はディーゼルエンジン、2はエコノマイザーの上流側に設けられた燃焼部、3は海水または水から温水を作るエコノマイザー、4はエコノマイザー3に設けられた排気口、5はディーゼルエンジン1とエコノマイザー3を接続する排気管である。6はエコノマイザーの上流側となる排気管の一部の断面積を広げた拡大部で、内部に燃焼部2を設け、燃焼部に排ガスの含まれる微粒子(PM)の燃焼を促進する燃焼触媒7が担時されている。
(実施例1)
ディーゼルエンジンとエコノマイザーを備えた船舶における、排ガスの流れと燃焼部の配置を図1に示す。1はディーゼルエンジン、2はエコノマイザーの上流側に設けられた燃焼部、3は海水または水から温水を作るエコノマイザー、4はエコノマイザー3に設けられた排気口、5はディーゼルエンジン1とエコノマイザー3を接続する排気管である。6はエコノマイザーの上流側となる排気管の一部の断面積を広げた拡大部で、内部に燃焼部2を設け、燃焼部に排ガスの含まれる微粒子(PM)の燃焼を促進する燃焼触媒7が担時されている。
8はエコノマイザー3に設けられた温水パイプで、海水または水が流入して温水となって流出する。温水パイプ8は、その外周が排気管5を流れる排ガスと接触するようにエコノマイザー3に配置され、流入した海水または水を排ガスの温度によって比較的低温の生活用温水に昇温する。
上記燃焼部2は、図5、図6に示す貫通孔10を有するハニカム体9で構成され、ハニカム体9を構成する壁11の表面に塗布することにより燃焼触媒7が担時される。このように構成すると、排ガスの流れ方向に長い壁11の表面に担持された燃焼触媒とPMとの接触時間を長く保つことができ、PMの燃焼効率を高めることができる。また、燃焼部2は、図7、図8に示すように燃焼触媒を担時した網体12や13によって構成されても良い。図8の網体13は折り曲げ構造にして排ガスとの接触面積を大きくしている。網体は平均細孔径20μmより大きい網目を有し、複数枚で構成されても良い。
排ガス中のPMの形態は、数十nmの粒子が結合した鎖状になっていると推測されており、上記したように燃焼部5では、ハニカム体9ではPMが壁11の燃焼触媒7に接触してガス化され、網体12、13ではPMが網体表面の燃焼触媒7に接触してガス化され、ガス化が不完全なPMは網目の上記平均細孔径からその網目を通過して奥の網目の燃焼触媒7に接触してガス化され、PMで目詰まりを起こすことが無い。すなわち、ガス化が不完全なPMは、粒径が縮小されて網目を通過し易くなる。従って、PMが燃焼部5を通過するときに、担持された燃焼触媒に何度も接触して燃焼が促進されガス化の効率が高めることができる。
また、燃焼部2は、エコノマイザー3より上流側に配置されるので、エンジンから排気された直後のより温度の高いガスによって高温状態にあるため、前記貫通孔10や網体12,13の網目を通過するとき、PMの燃焼が一層促進されガス化される。
更に、燃焼部2が排気管の一部の拡大部6に配置されているので、排ガスの流速が下がり、排ガスと燃焼触媒の接触時間が長くなり、排ガスのPMの燃焼が一層促進される。
燃焼部2は、図9に示すように燃焼触媒を担持した繊維14の両端を網体16で挟んで構成しても良い。繊維14は、例えば図10に示すように、数μm〜数十μmの径の繊維単体15の周囲に厚さ数μm〜数百μmの燃焼媒体7をコーテングして担持させて構成される。この触媒が担持された繊維14は、前記網体12、13と同様に、繊維間の隙間が20μmより十分大きい隙間を有し、しかも担持された燃焼触媒と排ガスとの接触面積が極めて大きくなるので、PMの燃焼が一層促進される。
上記のようにして燃焼部2で排ガスに含まれるPMが完全にガス化されることにより、下流に配置されたエコノマイザー3にPMが付着することが無くなるので、エコノマイザー3の熱効率の低下を抑制することができる。
本実施例のように、燃焼部2をエコノマイザー3の上流に設置した場合、エコノマイザー下流に設置する場合と比較して、排ガス温度が相対的に高くなる。また、排ガス中のPMの形態は、数十nmの粒子が結合した鎖状になっており、気流中でその結合が進行すると推測されている。そのため、PMの粒径は、エンジン出口が最も小さく、下流ほど大きくなることが予想される。エコノマイザー3の上流に燃焼部2を配置すると、比較的小径のPMを燃焼することになる。小径の粒子径では、大径の粒子と比較して短時間で燃焼する事が出来るため、触媒量を減らすことができる。
上記のように、排ガスの流路内に設置する燃焼触媒の形態は、粒状、貫通孔に触媒をコートしたハニカム体、触媒をコートした繊維などが適用できる。低圧力損失を求める場合、ハニカム体、繊維などへの触媒をコートすることが望ましい。
(実施例2)
図2により実施例2を説明する。図1と同等部分を同一符号で示す。本実施例2では、燃焼部2をエコノマイザー3に形成したものである。すなわち、エコノマイザー3の温水パイプ8の排ガスとの接触する外周に燃焼触媒7を塗布して燃焼部2を形成したものである。温水パイプ8は排ガスの流れ方向に交差するように配置され、排ガスとの接触効率を高めるように構成される。
図2により実施例2を説明する。図1と同等部分を同一符号で示す。本実施例2では、燃焼部2をエコノマイザー3に形成したものである。すなわち、エコノマイザー3の温水パイプ8の排ガスとの接触する外周に燃焼触媒7を塗布して燃焼部2を形成したものである。温水パイプ8は排ガスの流れ方向に交差するように配置され、排ガスとの接触効率を高めるように構成される。
この構成によれば、排気管5に燃焼部が配置されないので、排気管5の長さを短くしてシステムをコンパクトで安価に構成することができる。また、PMが燃焼触媒7に接触して燃焼するのが、エコノマイザー3の温水パイプ8の外周面で行なわれるので、排ガスの熱に加えてその燃焼熱を利用することで、海水又は水の昇温効率を高めることができる。さらに、エコノマイザー3内にはフィルタ等がないので、目詰まりを起こすことが無い。
上記のように触媒をエコノマイザーに塗布した場合、従来技術で説明したエコノマイザーの効率低下を引き起こすPMは温水パイプ8の表面の触媒に付着することになる。付着したPMは触媒で燃焼され、燃焼速度が遅くても触媒と接触していれば徐々に燃焼して減少する。PMが触媒に接触せずエコノマイザーの下流に流れていく場合、エコノマイザーは詰ることなく効率は低下しない。
また、本実施例では、エコノマイザー3の径が排気管5より大きく設定されているので、排気管5を流れた排ガスの流速が急激に低下するので、排ガスと温水パイプ8の外周の燃焼触媒7との接触時間が長くなり、排ガスのPMの燃焼を促進することができる。
(実施例3)
図3により実施例3を説明する。図1と同等部分を同一符号で示す。本実施例3では、燃焼部2を排気管5の内周面に形成したものである。すなわち、排気管の排ガスが通過する内周面に燃焼触媒7を塗布して燃焼部2を形成したものである。
図3により実施例3を説明する。図1と同等部分を同一符号で示す。本実施例3では、燃焼部2を排気管5の内周面に形成したものである。すなわち、排気管の排ガスが通過する内周面に燃焼触媒7を塗布して燃焼部2を形成したものである。
本実施例3では、ディーゼルエンジン出口からエコノマイザー3の間の排気管内面に燃焼部触媒7を塗布しているので、エンジン直下に燃焼触媒7を配置することになる。この位置では、排ガス温度が最も高く、かつPMの粒径も小さいため、触媒が効率良くPMを燃焼する事が出来る。また、排気管の内周面に燃焼触媒が塗布されるので、排ガスの流通抵抗が極めて少なくて済む。
図4で実施例3の変形例を説明する。本実施例では、排気管5の一部に断面積を広げた拡大部6を設け、この内周面に燃焼媒体7を塗布して燃焼部2を構成している。この変形例によれば、燃焼部2が排気管の一部の拡大部6に配置されているので、排ガスの流速が下がり、排ガスと燃焼触媒の接触時間が長くなる。したがって、排ガスのPMの燃焼が一層促進される。
上記各実施例では、燃焼触媒は、エコノマイザー3に塗布する(実施例2)か、その上流に配置される(実施例1、3)。しかし、ディーゼルエンジンとエコノマイザー3の間には燃焼触媒以外の機器が配置されていてもかまわない。しかし、排ガス温度の低下を避けるため、設置する機器は熱容量が小さいことが望ましい。
また上記各実施例では、触媒を使用時のSV条件(触媒体積と単位時間当たりに触媒を通過するガス体積の比)は、SVが低いほど触媒への負荷が小さくなり好ましい。具体的には、本発明の排浄化システムが適用できるのはSV100000/h以下で、望ましくはSV30000/h以下、更に望ましくはSV1000/h以下である。
触媒をエコノマイザーあるいはディーゼルエンジンとエコノマイザーの間の排気管内面にコートする場合は、触媒を溶媒に分散させたスラリー状にし、刷毛などで塗る方法、スラリーを空気などの気体で押し出し、スプレーする方法を用いることができる。排気管の内面には、スラリーを流し込む方法、スラリーを貯めた槽に排気管を浸漬する方法でコートできる。溶媒は、水の他、アルコール類、ヘキサン類などの非水系溶媒も使用できる。設備やコストの点では水系の溶媒が望ましいが、分散性を求める場合は非水系溶媒を選択できる。スラリーは、らいかい機、遠心ボールミル、振動ミルなどの粉砕機器を用いて作製できる。スラリーには、結合材としてゾルや高分子材を含んでもよい。ゾルは、アルミナ、シリカ、セリアなどの酸化物が、高分子材にはポリビニールアルコールなどが適している。ハニカム体、繊維などに触媒をコートする場合も、同様にスラリー化した触媒を使用できる。
触媒は、錯体重合法で作製できる。錯体重合法は、原料を錯体化して結晶の粗大化を防止することで微細な化合物が得られる手法である。原料の硝酸塩あるいは水和物を水に溶かし、エチレングリコール、クエン酸を加える。200℃で5時間乾燥後、大気中350℃で2時間仮焼きし、その後、大気中850℃で5時間焼成した。この手法以外の、酸化物を混合する手法、酸化物に硝酸塩を含浸する手法などでも作製できる。
(実施例4)
燃焼触媒のPM燃焼性能を測定した。実施例4の燃焼触媒は、セシウムとセリウムとプラセオジムの混合酸化物を用いた。触媒は錯体重合法で作製した。ビーカに精製水9.0gを秤量し、約50℃に加熱しながら、CsNO3を1.46g、Ce(NO3)2・6H2Oを3.26g、そして、Pr(NO3)3・5H2Oを6.25g溶かし、スタラーで撹拌混合した。エチレングリコールを9.31g加えた後、クエン酸を28.82g加えた。溶液が透明になったことを確認し、混合溶液のビーカを、オイルバスに入れ、混合溶液の液分が蒸発するまで200℃で5時間加熱した。ビーカから粉末をかき出し、るつぼに入れ替えて、空気中350℃で2時間焼成した。その後、粉砕し空気中850℃で5時間焼成した。
燃焼触媒のPM燃焼性能を測定した。実施例4の燃焼触媒は、セシウムとセリウムとプラセオジムの混合酸化物を用いた。触媒は錯体重合法で作製した。ビーカに精製水9.0gを秤量し、約50℃に加熱しながら、CsNO3を1.46g、Ce(NO3)2・6H2Oを3.26g、そして、Pr(NO3)3・5H2Oを6.25g溶かし、スタラーで撹拌混合した。エチレングリコールを9.31g加えた後、クエン酸を28.82g加えた。溶液が透明になったことを確認し、混合溶液のビーカを、オイルバスに入れ、混合溶液の液分が蒸発するまで200℃で5時間加熱した。ビーカから粉末をかき出し、るつぼに入れ替えて、空気中350℃で2時間焼成した。その後、粉砕し空気中850℃で5時間焼成した。
燃焼触媒は、船舶用のディーゼルエンジンの排ガス温度250〜400℃で作動する必要がある。触媒の燃焼温度を示差熱分析計で測定した。触媒と模擬PM物質のカーボンブラック(トーカブラック7350F)を重量比95:5で混合した。乾燥空気80ml/minの気流中10℃/minで900℃まで昇温した。カーボンブラックは燃焼すると発熱する。その最大発熱温度を比較した。
図12に、A重油を用いたディーゼルエンジンから排出された排ガスのPMと、模擬PM物質のカーボンブラックの示差熱を示す。PMは複数の燃焼ピークが見られ、高温側発熱ピーク温度581℃であった。一方、カーボンブラックの最大発熱温度691℃であった。PMの燃焼温度は、触媒とカーボンブラックの混合物の最大燃焼温度より低かった。
燃焼触媒を用いた時のカーボンブラックの最大発熱温度(最大燃焼温度)を図11に示す。セシウムとセリウムとプラセオジムの混合酸化物は、377℃であった。このように、排ガス温度400℃以下で燃焼する触媒を用いることで、排ガス中のPMを燃焼除去できる。実施例1〜3の装置構成の排ガス浄化システムに、この実施例4の触媒を適用することで船舶用のディーゼルエンジンを用いた場合のエコノマイザーの汚損を削減でき、清掃間隔を延ばすことができる。
(実施例5)
実施例5の燃焼触媒は、セシウムとセリウムとビスマスの混合酸化物を用いた。触媒は錯体重合法で作製した。ビーカに精製水9.0gを秤量し、 約50℃に加熱しながら、CsNO3を1.46g、 Ce(NO3)2 ・6H2Oを3.26g、そして、Bi(NO3)3・5H2O を6.34g溶かし、スタラーで撹拌混合した。エチレングリコールを9.31g加えた後、クエン酸を28.82g加えた。以下実施例4と同様に乾燥、仮焼き、焼成を行った。
(実施例5)
実施例5の燃焼触媒は、セシウムとセリウムとビスマスの混合酸化物を用いた。触媒は錯体重合法で作製した。ビーカに精製水9.0gを秤量し、 約50℃に加熱しながら、CsNO3を1.46g、 Ce(NO3)2 ・6H2Oを3.26g、そして、Bi(NO3)3・5H2O を6.34g溶かし、スタラーで撹拌混合した。エチレングリコールを9.31g加えた後、クエン酸を28.82g加えた。以下実施例4と同様に乾燥、仮焼き、焼成を行った。
セシウムとセリウムとビスマスの混合酸化物のカーボンブラックの最大燃焼温度は、398℃であった(図11)。このように、排ガス温度以下で燃焼する触媒を用いることで排ガス中のPMを燃焼除去できる。従って、この組成の触媒で実施例1〜3の装置構成で、船舶用のディーゼルエンジンの400℃以下の排ガスの浄化システムを構成することで、エコノマイザーの汚損を確実に削減でき、清掃間隔を延ばすことができる。
触媒はPtを担持したアルミナを用いた。触媒は含浸法で作製した。ジニトロジアンミン白金硝酸液(Pt濃度4.5%)水溶液2.22gを精製水9.38gで希釈した液をベーマイト10gに含浸し、120℃で1時間乾燥後、大気中600℃で1時間焼成し、1wt%のPtを担持したアルミナ触媒を得た。
Pt担持アルミナのカーボンブラックの最大燃焼温度は618℃であった(図11)。Pt担持アルミナでは排ガス温度(400℃)でPMの燃焼はほとんど起きないと予想される。
1…ディーゼルエンジン、2…燃焼部、3…エコノマイザー、4…排気口、5…排気管、6…拡管部、7…燃焼触媒、8…温水パイプ、9…ハニカム、10…貫通孔、12、13…網体、14…繊維。
Claims (8)
- ディーゼルエンジンの排ガスによりエコノマイザーで温水を製造する船舶用排ガス浄化システムにおいて、
前記ディーゼルエンジンと前記エコノマイザーの間を排気管で接続し、前記排気管内または、前記エコノマイザーの排ガスとの接触部分に排ガスの粒子を燃焼する燃焼部を設け、前記燃焼部の内部に燃焼触媒を設けたことを特徴とする船舶用排ガス浄化システム。 - 請求項1に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、
前記排気管の前記エコノマイザーの上流側に拡管部を設けて燃焼部とし、この燃焼部に燃焼触媒を担時したことを特徴とする船舶用排ガス浄化システム。 - 請求項1または2に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、
前記燃焼部は貫通孔を有するハニカム、平均細孔径20μmより大きい網体、または平均細孔径20μmより大きい繊維からなることを特徴とする船舶用排ガス浄化システム。 - 請求項1に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、
前記エコノマイザーは温水が流通する温水パイプを備え、この温水パイプの排ガスとの接触面に燃焼触媒を塗布した事を特徴とする船舶用排ガス浄化システム。 - 請求項1に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、
前記排気管の内面を燃焼部とし、その内面に燃焼触媒を塗布した事を特徴とする船舶用排ガス浄化システム。 - 請求項5に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、
前記排気管に拡管部を設けて燃焼部とし、その拡管部の内面に燃焼触媒を塗布した事を特徴とする船舶用排ガス浄化システム。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、
前記燃焼触媒は、セシウムとセリウムとプラセオジムの混合酸化物、またはセシウムとセリウムとビスマスの混合酸化物からなることを特徴とする船舶用排ガス浄化システム。 - 請求項7に記載の船舶用排ガス浄化システムにおいて、
前記燃焼部は、400℃以下で排ガスの粒子を燃焼することを特徴とする船舶用排ガス浄化システム。
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