JP2014084694A - 鉄筋コンクリート建物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレースにより耐震性能を向上できるとともに柱の耐力低下を防止できる鉄筋コンクリート建物を提供する。
【解決手段】本発明の鉄筋コンクリート建物1は、ブレース2の端部3が取付手段4を介して梁5にのみ取付けられた。また、取付手段4は、梁5を上下から挟み込んで板面同士が向かい合うように配置された一対の板材41;42と、梁5を上下から挟み込んだ状態に一対の板材41;42を連結する第1の連結手段10と、ブレース2の端部3と板材41;42とを連結する第2の連結手段20とを備えた。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の鉄筋コンクリート建物1は、ブレース2の端部3が取付手段4を介して梁5にのみ取付けられた。また、取付手段4は、梁5を上下から挟み込んで板面同士が向かい合うように配置された一対の板材41;42と、梁5を上下から挟み込んだ状態に一対の板材41;42を連結する第1の連結手段10と、ブレース2の端部3と板材41;42とを連結する第2の連結手段20とを備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブレース(斜材)が取付けられた鉄筋コンクリート建物に関する。
鉄筋コンクリート柱及び梁に取付手段を用いてブレースが取付けられた構造の鉄筋コンクリート建物が知られている(非特許文献1;2等参照)。
「22614 RC造建物に鋼材系制震ダンパーを組み込んだハイブリッド架構の構造性能に関する研究(その1 実験計画と結果の概要)」、日本建築学会大会学術講演梗概集(北海道)2004年8月。
「23317 RC構造と座屈拘束ブレースとの接合部に関する実験的研究」、日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)2012年9月。
しかしながら、上述した鉄筋コンクリート建物では、ブレースの端部が柱に連結固定されているため、ブレースの端部の柱への取付部によって柱が拘束されて柱が短スパンになり、柱の変形できる部分が短くなるので、地震時等において柱が壊れやすくなる可能性があった。
本発明は、ブレースにより耐震性能を向上できるとともに柱の耐力低下を防止できる鉄筋コンクリート建物を提供する。
本発明は、ブレースにより耐震性能を向上できるとともに柱の耐力低下を防止できる鉄筋コンクリート建物を提供する。
本発明に係る鉄筋コンクリート建物は、ブレースの端部が取付手段を介して梁にのみ取付けられたので、鉄筋コンクリート建物の柱が短スパンになってしまうことを防止できる。従って、ブレースにより耐震性能を向上できるとともに柱の耐力低下を防止できる。
前記取付手段は、梁を上下から挟み込んで板面同士が向かい合うように配置された一対の板材と、梁を上下から挟み込んだ状態に一対の板材を連結する第1の連結手段と、ブレースの端部と板材とを連結する第2の連結手段とを備えたので、ブレースにより耐震性能を向上できるとともに、柱の耐力低下を防止できる鉄筋コンクリート建物を簡単に構築できる。
前記第1の連結手段は、前記梁の上下方向に延長して梁の上面と下面とに開口するように梁に形成された第1の貫通孔と、梁を上下から挟み込むように配置された一対の板材にそれぞれ形成された第2の貫通孔と、第1の貫通孔及び第2の貫通孔に挿入された棒体と、第2の貫通孔より突出する棒体の端部に形成されたねじ部に締結される締結部材と、を備え、締結部材を締め付けることにより、一対の板材が梁を上下から挟み込むように固定されたので、締結部材を締結して締め付けることによりブレースの端部を梁に簡単に取付けることができ、施工が容易となる。
前記第1の連結手段は、梁を上下から挟み込むように配置された一対の板材にそれぞれ形成された貫通孔と、梁の外に配置されて両方の端部が各板材の貫通孔を貫通するように設けられた棒体と、貫通孔より突出する棒体の端部に形成されたねじ部に締結される締結部材と、を備え、締結部材を締め付けることにより、一対の板材が梁を上下から挟み込むように固定されたので、締結部材を締結して締め付けることによりブレースの端部を梁に簡単に取付けることができ、施工が容易となる。
前記取付手段は、梁内に埋め込まれた埋込体を備えたので、ブレースの端部と梁との連結力が強固となり、ブレースによる耐震性能を向上できる。
前記取付手段は、梁を上下から挟み込んで板面同士が向かい合うように配置された一対の板材と、梁を上下から挟み込んだ状態に一対の板材を連結する第1の連結手段と、ブレースの端部と板材とを連結する第2の連結手段とを備えたので、ブレースにより耐震性能を向上できるとともに、柱の耐力低下を防止できる鉄筋コンクリート建物を簡単に構築できる。
前記第1の連結手段は、前記梁の上下方向に延長して梁の上面と下面とに開口するように梁に形成された第1の貫通孔と、梁を上下から挟み込むように配置された一対の板材にそれぞれ形成された第2の貫通孔と、第1の貫通孔及び第2の貫通孔に挿入された棒体と、第2の貫通孔より突出する棒体の端部に形成されたねじ部に締結される締結部材と、を備え、締結部材を締め付けることにより、一対の板材が梁を上下から挟み込むように固定されたので、締結部材を締結して締め付けることによりブレースの端部を梁に簡単に取付けることができ、施工が容易となる。
前記第1の連結手段は、梁を上下から挟み込むように配置された一対の板材にそれぞれ形成された貫通孔と、梁の外に配置されて両方の端部が各板材の貫通孔を貫通するように設けられた棒体と、貫通孔より突出する棒体の端部に形成されたねじ部に締結される締結部材と、を備え、締結部材を締め付けることにより、一対の板材が梁を上下から挟み込むように固定されたので、締結部材を締結して締め付けることによりブレースの端部を梁に簡単に取付けることができ、施工が容易となる。
前記取付手段は、梁内に埋め込まれた埋込体を備えたので、ブレースの端部と梁との連結力が強固となり、ブレースによる耐震性能を向上できる。
実施形態1
図1に示すように、鉄筋コンクリート建物1は、ブレース2の端部3が取付手段4を介して梁5にのみ取付けられた構成を備える。6は柱、7はスラブである。
取付手段4は、梁5を上下から挟み込んで板面同士が向かい合うように配置された一対の板材41;42と、梁5を上下から挟み込んだ状態に一対の板材41;42を連結する第1の連結手段10と、ブレース2の端部3と板材41又は板材42とを連結する第2の連結手段20とを備えた構成である。
図1に示すように、鉄筋コンクリート建物1は、ブレース2の端部3が取付手段4を介して梁5にのみ取付けられた構成を備える。6は柱、7はスラブである。
取付手段4は、梁5を上下から挟み込んで板面同士が向かい合うように配置された一対の板材41;42と、梁5を上下から挟み込んだ状態に一対の板材41;42を連結する第1の連結手段10と、ブレース2の端部3と板材41又は板材42とを連結する第2の連結手段20とを備えた構成である。
図3に示すように、第1の連結手段10は、梁5の上下方向に延長して梁5の上面51と下面52とに開口するように梁5に形成された複数の第1の貫通孔53と、梁5を上下から挟み込むように配置された一対の板材41;42にそれぞれ形成された複数の第2の貫通孔43と、複数の第1の貫通孔53及び第2の貫通孔43にそれぞれ挿入された複数の棒体11と、梁5を上下から挟み込むように配置された一対の板材42;42にそれぞれ形成された第2の貫通孔43;43より突出する棒体11の端部12;13(棒体11の両端部(図4(a)参照))に形成された図外のねじ部に締結される締結部材としてのナット14とを備える。
従って、梁5の上面51に板材41の板面を接触させるとともに梁5の下面52に板材42の板面を接触させ、第1の貫通孔53の中心軸線と第2の貫通孔43の中心軸線とが一致するように各孔を合わせた後に、棒体11を、板材41の第2の貫通孔43、梁5の第1の貫通孔53、板材42の第2の貫通孔43に通し、第2の貫通孔43;43より突出する棒体11の端部12;13の図外のねじ部にナット14;14を締め付けることにより、一対の板材41;42が当該第1の連結手段10により連結されて、一対の板材41;42が梁5を上下から挟み込むように固定される(図2;図4参照)。
従って、梁5の上面51に板材41の板面を接触させるとともに梁5の下面52に板材42の板面を接触させ、第1の貫通孔53の中心軸線と第2の貫通孔43の中心軸線とが一致するように各孔を合わせた後に、棒体11を、板材41の第2の貫通孔43、梁5の第1の貫通孔53、板材42の第2の貫通孔43に通し、第2の貫通孔43;43より突出する棒体11の端部12;13の図外のねじ部にナット14;14を締め付けることにより、一対の板材41;42が当該第1の連結手段10により連結されて、一対の板材41;42が梁5を上下から挟み込むように固定される(図2;図4参照)。
第2の連結手段20は、板材41又は板材42の板面と図外の溶接又はボルト、ナット等の固定手段で連結されたガセットプレートと呼ばれる連結板71(図1参照)と、当該連結板71とブレース2の端部3とに掛け渡される継ぎ板73と、継ぎ板73を連結板71とブレース2の端部3とに連結するためのボルト74と、ボルト74を通すために連結板71、ブレース2の端部3、継ぎ板73にそれぞれ形成された貫通孔75と、貫通孔75に通されたボルト74の先端に形成された図外のねじ部に締結される締結部材としてのナット76とを備える。尚、板材41又は板材42と連結板71とが一体成形された一体物を用いてもよい。
連結板71、及び、ブレース2の端部3は、それぞれ、連結部を備える。当該連結部は、例えば断面十字形状の棒状部72に形成され、当該棒状部72の中心軸線77より延長して互いに90度隔てて設けられた4つの板材には棒状部72の中心軸線77に沿った方向に並ぶように複数の貫通孔75が形成されている。
継ぎ板73は、図2に示すように、連結板71及びブレース2の端部3の各棒状部72の十字状の先端面同士が対向して付き合わされ、連結板71及びブレース2の端部3の各棒状部72の各4つの板材の板面が同一平面上に位置された状態において、連結板71及びブレース2の端部3の各棒状部72に跨がる長さに形成される。
従って、連結板71及びブレース2の端部3の各棒状部72の同一平面上に位置する一対の板材毎に、一対の板材の板面の両面にそれぞれ継ぎ板73を当てて一対の板材を挟み込み、一対の板材に形成されている貫通孔75と各継ぎ板73の貫通孔75とを合致させた状態で、これら貫通孔75にボルト74を通し、ボルト74の先端側からナット76を締結することにより、連結板71とブレース2の端部3とが第2の連結手段20によって連結される。
連結板71、及び、ブレース2の端部3は、それぞれ、連結部を備える。当該連結部は、例えば断面十字形状の棒状部72に形成され、当該棒状部72の中心軸線77より延長して互いに90度隔てて設けられた4つの板材には棒状部72の中心軸線77に沿った方向に並ぶように複数の貫通孔75が形成されている。
継ぎ板73は、図2に示すように、連結板71及びブレース2の端部3の各棒状部72の十字状の先端面同士が対向して付き合わされ、連結板71及びブレース2の端部3の各棒状部72の各4つの板材の板面が同一平面上に位置された状態において、連結板71及びブレース2の端部3の各棒状部72に跨がる長さに形成される。
従って、連結板71及びブレース2の端部3の各棒状部72の同一平面上に位置する一対の板材毎に、一対の板材の板面の両面にそれぞれ継ぎ板73を当てて一対の板材を挟み込み、一対の板材に形成されている貫通孔75と各継ぎ板73の貫通孔75とを合致させた状態で、これら貫通孔75にボルト74を通し、ボルト74の先端側からナット76を締結することにより、連結板71とブレース2の端部3とが第2の連結手段20によって連結される。
以上のように、梁5を上下から挟み込んで板面同士が向かい合うように配置された一対の板材41と板材42とが第1の連結手段10によって梁5に連結固定され、さらに、板材41又は板材42と溶接等の固定手段で連結された連結板71(ガセットプレート)とブレース2の端部3とが第2の連結手段20によって連結されることよって、図1に示すように、ブレース2の端部3が梁5にのみ取付けられた鉄筋コンクリート建物1が構成される。
また、ブレース2の端部3が取付けられた梁5の端部に地震時において塑性降伏ヒンジが生じないように、ヒンジリロケーションを用いてブレース2の端部3が取付けられた梁端部から外れた位置にヒンジ位置を形成した。即ち、図4に示すように、ブレース2の端部3が取付手段4によって取付けられた梁5の一端側から梁の他端側まで連続して延長する梁主筋35(図4(b)参照)の他に、ブレース2の端部3が取付手段4によって取付けられた梁5の一端側から梁5の他端側まで連続せずに梁5の一端側からブレース2の端部3が取付けられた一対の板材41及び板材42と梁5との連結部分を通過した直後の位置まで連続する梁主筋のカットオフ筋31を設けることにより、このカットオフ筋31の自由端32の位置に新しい降伏ヒンジ位置を設定するようにした(図4(a)参照)。即ち、少なくとも複数の梁主筋35と複数の梁主筋35を取り囲むように一定の間隔で設けられた複数の帯筋36とが配筋された梁5内にカットオフ筋31を設けて梁5の端部から離れた位置に降伏ヒンジ位置を設けるようにしたことで、梁端部での曲げ降伏ヒンジの発生を抑止するようにした。
実施形態1によれば、ブレース2の端部3が梁5にのみ取付けられた鉄筋コンクリート建物1としたので、鉄筋コンクリート建物1の柱6が短スパンにならない。従って、ブレース2により耐震性能を向上できるとともに柱6の耐力低下を防止できる。
また、ナット14やナット76を締結して締め付けることによりブレース2の端部3を梁5に簡単に取付けることができる取付構造であるので、施工が容易となる。
また、ヒンジリロケーションを用いてブレース2の端部3が取付けられた梁端部から外れた位置にヒンジ位置を形成したので、ブレース2の端部3が取付けられた梁5の端部での曲げ降伏ヒンジの発生を抑止でき、当該梁端部のひび割れによる変形を軽減できる。
また、ナット14やナット76を締結して締め付けることによりブレース2の端部3を梁5に簡単に取付けることができる取付構造であるので、施工が容易となる。
また、ヒンジリロケーションを用いてブレース2の端部3が取付けられた梁端部から外れた位置にヒンジ位置を形成したので、ブレース2の端部3が取付けられた梁5の端部での曲げ降伏ヒンジの発生を抑止でき、当該梁端部のひび割れによる変形を軽減できる。
尚、実施形態1の構成では、新築施工時においては、梁施工時に型枠設置の際に、棒体11を挿入するための梁5の貫通孔53を形成するためのスリーブ等を設置しておいて梁5の貫通孔53を形成すればよい。また、耐震補強施工(後施工)時においては、梁5内の鉄筋の位置を鉄筋レーダー探知等で確認して鉄筋を避けるようにドリル等で梁5に貫通孔53を開けるようにすればよい。
実施形態2
図5に示すように、梁5を上下から挟み込んだ状態に一対の板材41A;42Aを連結する第1の連結手段10として、梁5を上下から挟み込むように配置された一対の板材41A;42Aにそれぞれ形成された貫通孔43Aと、梁5の外に配置されて両方の端部12A;13Aが各41A;42Aに形成された貫通孔43Aを貫通するように設けられた棒体11Aと、貫通孔43A;43Aより突出する棒体11Aの端部12A;13Aに形成された図外のねじ部に締結される締結部材としてのナット14Aと、を備え、ナット14Aを締め付けることにより、一対の板材41A;42Aが梁5を上下から挟み込むように固定された構成としてもよい。
尚、一対の板材41A;42Aは梁5の外で互いに棒体11A及びナット14で連結されるため、ナット14Aの締結力で一対の板材41A;42Aが曲がらないように、梁幅に沿った側縁より立ち上がる補強立ち上がり片41a;42aを備えた板材41A;42Aを用いることが好ましい。例えば、一枚の板材の一端縁側を垂直に折曲することで補強立ち上がり片41a;42aを備えた板材41A;42Aを形成すればよい。
図5に示すように、梁5を上下から挟み込んだ状態に一対の板材41A;42Aを連結する第1の連結手段10として、梁5を上下から挟み込むように配置された一対の板材41A;42Aにそれぞれ形成された貫通孔43Aと、梁5の外に配置されて両方の端部12A;13Aが各41A;42Aに形成された貫通孔43Aを貫通するように設けられた棒体11Aと、貫通孔43A;43Aより突出する棒体11Aの端部12A;13Aに形成された図外のねじ部に締結される締結部材としてのナット14Aと、を備え、ナット14Aを締め付けることにより、一対の板材41A;42Aが梁5を上下から挟み込むように固定された構成としてもよい。
尚、一対の板材41A;42Aは梁5の外で互いに棒体11A及びナット14で連結されるため、ナット14Aの締結力で一対の板材41A;42Aが曲がらないように、梁幅に沿った側縁より立ち上がる補強立ち上がり片41a;42aを備えた板材41A;42Aを用いることが好ましい。例えば、一枚の板材の一端縁側を垂直に折曲することで補強立ち上がり片41a;42aを備えた板材41A;42Aを形成すればよい。
実施形態2の場合、図5には図示していないが、スラブ7(図1参照)に棒体11Aを貫通させるための図外の貫通孔が必要となる。従って、実施形態2の構成では、新築施工時においては、スラブ施工時の型枠設置の際に、棒体11Aを挿入するためのスラブ7の貫通孔を形成するためのスリーブ等を設置しておいてスラブ7の貫通孔を形成すればよい。また、耐震補強施工(後施工)時においては、スラブ7内の鉄筋の位置を鉄筋レーダー探知等で確認して鉄筋を避けるようにドリル等でスラブ7に貫通孔を開けるようにすればよい。
実施形態2によれば、実施形態1と同じ効果が得られる他、耐震補強施工の際においては、実施形態1のように梁5に貫通孔53を形成する場合と比べてスラブ7に貫通孔を形成することの方が容易であるので、特に耐震補強施工の場合において実施形態1と比べて施工が簡単となる。
実施形態3
図6に示すように、梁5の上面51又は下面52と板面が密着して一体化されるベース板41Bと、ベース板41Bより延長するように図外の溶接又はボルト、ナット等の固定手段によってベース板41Bに連結されて梁5内に埋め込まれる埋込体41Cと、ブレース2の端部3とベース板41Bとを連結する連結手段20Aと、を備えた取付手段4Aを用いて、ブレース2の端部3が梁5にのみ取付けられた構成の鉄筋コンクリート建物1としてもよい。
埋込体41Cは、例えば、梁5の上下方向に延在する埋込板45と、埋込板45の板面から突出する突出体46とを備えた構成とした。
連結手段20Aは、前述した第2の連結手段20と同じ構成でよいが、この場合、ガセットプレートと呼ばれる連結板71が図外の溶接又はボルト、ナット等の固定手段によってベース板41Bの板面に固定された構造の一体物を用いる。尚、ベース板41Bと連結板71とが一体成形された一体物を用いてもよい。
図6に示すように、梁5の上面51又は下面52と板面が密着して一体化されるベース板41Bと、ベース板41Bより延長するように図外の溶接又はボルト、ナット等の固定手段によってベース板41Bに連結されて梁5内に埋め込まれる埋込体41Cと、ブレース2の端部3とベース板41Bとを連結する連結手段20Aと、を備えた取付手段4Aを用いて、ブレース2の端部3が梁5にのみ取付けられた構成の鉄筋コンクリート建物1としてもよい。
埋込体41Cは、例えば、梁5の上下方向に延在する埋込板45と、埋込板45の板面から突出する突出体46とを備えた構成とした。
連結手段20Aは、前述した第2の連結手段20と同じ構成でよいが、この場合、ガセットプレートと呼ばれる連結板71が図外の溶接又はボルト、ナット等の固定手段によってベース板41Bの板面に固定された構造の一体物を用いる。尚、ベース板41Bと連結板71とが一体成形された一体物を用いてもよい。
実施形態3の場合、新築施工時において、梁施工時の型枠設置の際に、ベース板41Bと埋込体41Cと連結板71とが一体となった一体物を型枠に設置して梁5を形成することにより、埋込体41Cが梁5内に埋め込まれ、ベース板41Bの板面が梁5の上面51又は下面52と密着して一体化される。その後、ブレース2の端部3と連結板71とを連結手段20Aで連結することによって、ブレース2の端部3が梁5にのみ取付けられた構成の鉄筋コンクリート建物1を構築できる。
実施形態3によれば、実施形態1と同じ効果が得られる他、梁5内に埋め込まれた埋込体41Cによってブレース2の端部3が梁5に連結されるので、ブレース2の端部3と梁5との連結力が強固となり、ブレース2による耐震性能を向上できる。
また、梁5の上面51又は下面52と板面が密着して一体化されたベース板41Bを備えたので、梁5に対する取付容易性、及び、梁5に対する取付安定性が増す。
また、梁5の上面51又は下面52と板面が密着して一体化されたベース板41Bを備えたので、梁5に対する取付容易性、及び、梁5に対する取付安定性が増す。
実施形態3においては、ベース板41Bを備えずに、連結板71(ガセットプレート)と埋込体41Cとを備えた構成であってもよい。即ち、梁5内に埋め込まれた埋込体と、埋込体とブレース2の端部3とを連結する連結手段としての連結板71とを備えた構成の取付手段4Aとしてもよい。
また、埋込体41Cの形態は特に限定されず、梁5からの引き抜き力に抵抗できる抵抗部を備えていればよい。
また、埋込体41Cの形態は特に限定されず、梁5からの引き抜き力に抵抗できる抵抗部を備えていればよい。
図5(a);図6(a)に示すように、実施形態2;3においても、前述したヒンジリロケーションを用いてブレース2の端部3が取付けられた梁端部から外れた位置にヒンジ位置を形成することにより、ブレース2の端部3が取付けられた梁の端部での曲げ降伏ヒンジの発生を抑止でき、当該梁端部のひび割れによる変形を軽減できる。
尚、図1乃至図6においては、ブレース2として座屈拘束ブレースを用いた場合を図示している。当該座屈拘束ブレースは、例えば、両端部が断面十字形状に形成された長尺鋼材により構成された中心鋼材と座屈拘束材とを備えた構成である。座屈拘束材は、中心鋼材が貫通する鋼管と、当該鋼管と中心鋼材との間に充填されたモルタルとを備えた構成である。当該座屈拘束ブレースは、中心鋼材の断面十字形状の両端部が鋼管の両端より突出するように構成され、かつ、中心鋼材とモルタルとの間に緩衝材(アンボンド材)が設けられていて、中心鋼材の軸力が座屈拘束材に加わらないように構成されており、制振ダンパーとして機能する。
ブレース2はどのような構成のものであってもよいが、ブレース2として前記座屈拘束ブレースを用いた場合、地震時のエネルギーを安定的に吸収することができる。特に、ヒンジリロケーションを用いて座屈拘束ブレースの端部3が取付けられた梁端部から外れた位置にヒンジ位置が形成された場合、ブレースの端部が取付けられた梁の端部での曲げ降伏ヒンジの発生を抑止でき、当該梁の端部のひび割れによる変形を軽減できるので、当該座屈拘束ブレースにより地震時にエネルギーを安定に吸収できるようになる。尚、ブレース2として、座屈拘束ブレース以外の例えば一般的な鋼材ブレース等を用いてもよい。
ブレース2はどのような構成のものであってもよいが、ブレース2として前記座屈拘束ブレースを用いた場合、地震時のエネルギーを安定的に吸収することができる。特に、ヒンジリロケーションを用いて座屈拘束ブレースの端部3が取付けられた梁端部から外れた位置にヒンジ位置が形成された場合、ブレースの端部が取付けられた梁の端部での曲げ降伏ヒンジの発生を抑止でき、当該梁の端部のひび割れによる変形を軽減できるので、当該座屈拘束ブレースにより地震時にエネルギーを安定に吸収できるようになる。尚、ブレース2として、座屈拘束ブレース以外の例えば一般的な鋼材ブレース等を用いてもよい。
実施形態1の棒体11、及び、実施形態2の棒体11Aはどのような構成のものであってもよいが、これら棒体としてPC鋼棒を用い、当該PC鋼棒を緊張させて貫通孔に設置することでプレストレスを導入すれば、梁5の曲げ補強効果やブレース2の取付安定性がより向上するので好ましい。尚、棒体11;11Aとしては、両端にナット14;14Aを締結するためのねじ部を備えた構成であれば、どのような材質や形態の棒体を用いてもよい。即ち、ナット14;14Aによる締結によって、梁5を上下から挟み込むように一対の板材41;42,41A;42Aを固定できる構成であればよい。
尚、本発明の鉄筋コンクリート建物1は、ブレース2が互いに上下に隣り合う上下の梁5;5間の空間に配置され、図1に示すように、ブレース2の一方の端部3が上の梁5の端部に取付けられてブレース2の他方の端部3が下の梁5の端部に取付けられた構成としてもよいし、ブレース2の一方の端部3が上又は下の梁5の端部に取付けられてブレース2の他方の端部3が上又は下の梁5の端部以外(例えば梁の両端部の間の梁中央側)に取付けられた構成であってもよい。
1 鉄筋コンクリート建物、2 ブレース、3 ブレースの端部、4 取付手段、
5 梁、10 第1の連結手段、11;11A 棒体、
14;14A ナット(締結部材)、20 第2の連結手段、
41C 埋込体、41;42 板材、43 第2の貫通孔、
43A 貫通孔、51 梁の上面、52 梁の下面、53 第1の貫通孔。
5 梁、10 第1の連結手段、11;11A 棒体、
14;14A ナット(締結部材)、20 第2の連結手段、
41C 埋込体、41;42 板材、43 第2の貫通孔、
43A 貫通孔、51 梁の上面、52 梁の下面、53 第1の貫通孔。
Claims (5)
- ブレースの端部が取付手段を介して梁にのみ取付けられたことを特徴とする鉄筋コンクリート建物。
- 前記取付手段は、梁を上下から挟み込んで板面同士が向かい合うように配置された一対の板材と、梁を上下から挟み込んだ状態に一対の板材を連結する第1の連結手段と、ブレースの端部と板材とを連結する第2の連結手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート建物。
- 前記第1の連結手段は、前記梁の上下方向に延長して梁の上面と下面とに開口するように梁に形成された第1の貫通孔と、梁を上下から挟み込むように配置された一対の板材にそれぞれ形成された第2の貫通孔と、第1の貫通孔及び第2の貫通孔に挿入された棒体と、第2の貫通孔より突出する棒体の端部に形成されたねじ部に締結される締結部材と、を備え、
締結部材を締め付けることにより、一対の板材が梁を上下から挟み込むように固定されたことを特徴とする請求項2に記載の鉄筋コンクリート建物。 - 前記第1の連結手段は、梁を上下から挟み込むように配置された一対の板材にそれぞれ形成された貫通孔と、梁の外に配置されて両方の端部が各板材の貫通孔を貫通するように設けられた棒体と、貫通孔より突出する棒体の端部に形成されたねじ部に締結される締結部材と、を備え、
締結部材を締め付けることにより、一対の板材が梁を上下から挟み込むように固定されたことを特徴とする請求項2に記載の鉄筋コンクリート建物。 - 前記取付手段は、梁内に埋め込まれた埋込体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート建物。
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