JP2014084685A - 床材 - Google Patents

床材 Download PDF

Info

Publication number
JP2014084685A
JP2014084685A JP2012236498A JP2012236498A JP2014084685A JP 2014084685 A JP2014084685 A JP 2014084685A JP 2012236498 A JP2012236498 A JP 2012236498A JP 2012236498 A JP2012236498 A JP 2012236498A JP 2014084685 A JP2014084685 A JP 2014084685A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flooring
layer
resin
ionic liquid
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012236498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6175686B2 (ja
Inventor
Masakatsu Takekawa
政克 竹川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toli Corp
Original Assignee
Toli Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toli Corp filed Critical Toli Corp
Priority to JP2012236498A priority Critical patent/JP6175686B2/ja
Publication of JP2014084685A publication Critical patent/JP2014084685A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6175686B2 publication Critical patent/JP6175686B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)
  • Elimination Of Static Electricity (AREA)

Abstract

【課題】 帯電防止性及び防汚性に優れた床材を提供する。
【解決手段】 本発明の床材1は、床材本体2と、前記床材本体2の上に設けられた表層3と、を有し、前記表層3が、電離放射線硬化性樹脂と帯電防止剤とを含み、前記帯電防止剤が、イオン性液体を含む。イオン性液体としては、室温で液体のアンモニウム塩、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩などが用いられる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、帯電防止性及び防汚性に優れた床材に関する。
従来、表面の傷付きなどを防止するため、電離放射線硬化樹脂を含む表面保護層が設けられた化粧シートを床に用いることが知られている(特許文献1)。
また、床タイル、床シート等の床材において、摩擦などによって表面に静電気が生じる帯電現象が問題とされている。特に、樹脂製の床材に多く用いられる塩化ビニル樹脂は、多量の増量剤又は充填剤を含むため、静電気の発生が発生しやすい。床材に静電気が生じると、測定器、製造装置、医療機器、OA機器などの電子機器の作動に悪影響を与える虞れがある上、空気中のチリ等を付着させるために汚れの原因ともなる。このため、床材の帯電防止が重要な課題となっている。特に、クリーンルーム、コンピュータールーム、半導体製造工場などで用いられる床材は、帯電防止性に優れていることが強く求められている。
床材に帯電防止性を付与する方法としては、次のような方法が知られている(特許文献1乃至3)。
(1)床材を構成する樹脂中に、金属粉又はカーボンブラックのような導電性付与材を配合する方法。
(2)床材を構成する樹脂中に、ポリオレフィンのような非極性の高分子系材料を配合する方法。
(3)床材を構成する樹脂中に、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、あるいは非イオン界面活性剤等の帯電防止性を有する界面活性剤を配合する方法。
しかしながら、(1)の方法は、導電性付与材を床材成分中に混合すると、床材が本来必要とする強度、柔軟性、耐久性、防汚性などの物性に悪影響があるのみならず、導電性付与材の色が床材の意匠性に大きな障害となり、デザインの自由度が大きく制限されるという問題がある。
(2)の方法にあっては、十分な帯電防止効果を得ることは難しいことから、(1)の導電性付与材を併用することになり、(1)の方法と同様の問題があった。
(3)の方法に用いられる界面活性剤タイプの帯電防止剤としては、第4級アンモニウム塩、ピリジン誘導体などに代表される陽イオン界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩などに代表される陰イオン界面活性剤、多価アルコールの部分脂肪酸エステル及びそのエチレンオキサイド付加物など代表される非イオン界面活性剤、ベタイン形カルボン酸誘導体などに代表される両性界面活性剤がある。
これらの界面活性剤タイプの帯電防止剤は、それが表面にブリードし且つ空気中の湿気を吸着することによって形成される薄い水膜が電気を流すことによって帯電防止効果を発揮する。それ故、界面活性剤タイプの帯電防止剤は、本質的に表面にブリードし易く、また、表面にブリードした耐電防止剤は水洗や拭き取りなどによって除去され易いので、帯電防止効果が長期間永続し難い。また、界面活性剤タイプの帯電防止剤は、抵抗値低減の限界があり、十分な帯電防止性を得られない。また、界面活性剤タイプの帯電防止剤は、前述のように表面にブリードし易いので、床材の表面に汚れが付着し易いという問題点もある。その上、界面活性剤の帯電防止効果は、湿気の吸着を必須とするので、その効果が湿度に依存する傾向にあり、低湿度下では十分な効果を発揮できないという問題点もある。
特開2008−265301号公報 特開2004−250942号公報 特開平6−2419号公報
本発明の目的は、帯電防止性及び防汚性に優れた床材を提供することである。
本発明の床材は、床材本体と、前記床材本体の上に表層と、を有し、前記表層が、電離放射線硬化性樹脂と帯電防止剤とを含み、前記帯電防止剤が、イオン性液体を含む。
本発明の好ましい床材は、前記イオン性液体が、電離放射線硬化性樹脂となる硬化性モノマー又はオリゴマーの100質量部に対し、1質量部〜20質量部含まれている。
本発明のさらに好ましい床材は、前記イオン性液体が、室温で液体のアンモニウム塩、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の床材は、帯電防止性に優れているので、静電気による様々な悪影響を防止できる。
また、本発明の床材は、帯電防止剤が表面にブリードし難いので、表面が汚れることを軽減できる。
本発明の床材の平面図。 図1のII−II線で切断した拡大断面図。
以下、本発明について、適宜図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、ある層又は部材の「表面」は、床材を敷設する床面から遠い側の面を指し、「裏面」は、その反対側の面(床材を敷設する床面に近い側の面を指す。
本明細書において、「AAA〜BBB」という記載は、「AAA以上BBB以下」を意味する。
また、各図における、ある層及び部材の厚み及び大きさなどの寸法は、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
[床材の基本的構成]
図1は、本発明の床材の1つの実施形態を示す平面図であり、図2は、その床材を厚み方向で切断した断面図の拡大である。
図1及び図2において、本発明の床材1は、床材本体2と、前記床材本体2の上に設けられた表層3と、を有する。
必要に応じて、床材本体2と表層3の間に、化粧層24を設けてもよい。また、表層3を床材本体2に強固に接着するために、床材本体2と表層3の間に、プライマー層4を設けてもよい。
前記表層3は、電離放射線硬化性樹脂と、帯電防止剤と、を含み、前記帯電防止剤として、少なくともイオン性液体が用いられている。
図示例の床材1は、平面視長尺帯状に形成されている。長尺帯状は、一方向の長さが他方向(他方向は一方向に対して直交する方向)の長さに比して十分に長い長方形状であり、例えば、一方向の長さが他方向の長さの2倍以上、好ましくは4倍以上である。長尺帯状の床材1は、通常、ロールに巻かれて保管及び運搬に供され、施工現場において、所望の形状に裁断して使用される。もっとも、本発明の床材1は、長尺帯状に限られず、平面視正方形状などの枚葉状に形成されていてもよい(図示せず)。
(床材本体)
床材本体2は、床材1の強度及び重量を構成する主たる部分である。
本発明では、床材本体2は、主として合成樹脂から形成されている。もっとも、床材本体2は、合成樹脂以外を用いて形成することもできる。
前記床材本体2は、例えば、樹脂層22を有し、必要に応じて、前記樹脂層22の裏面に裏面層21が設けられ、さらに、前記樹脂層22内には、形状安定化層23が設けられる。
前記裏面層21は、床材本体2(床材1)の最も裏面に位置する層であって、床材1の反りを防止する作用を有する。従って、床材1を敷設した際には、裏面層21の裏面が、床面に接する。もっとも、裏面層21は、必要に応じて設けられるので、裏面層21が設けられていない場合には、樹脂層22の裏面が床面に接する。
前記裏面層21としては、樹脂製シート、不織布(フェルトを含む)、織布及び紙などが挙げられる。
前記樹脂製シートとしては、特に限定されないが、強度が高く、積層にも適していることから、塩化ビニル趣旨製シートが好ましい。
前記不織布としては、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、ケミカルボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布などが挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を併用できる。中でも、スパンボンド不織布を用いることが好ましい。
不織布及び織布を構成する繊維の材質は特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリオレフィンなどの合成樹脂繊維;ガラス、カーボンなどの無機繊維;天然繊維などが挙げられる。
前記裏面層21の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1mm〜1mmであり、好ましくは0.2mm〜0.6mmである。前記不織布の目付けは特に限定されないが、好ましくは30g/m〜50g/mである。
裏面層21の厚みが小さすぎる又は目付けが小さすぎると、床材1の反りを十分に防止できないおそれがある。
前記樹脂層22は、裏面層21の表面側に積層される。
前記樹脂層22の合成樹脂成分としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、一般的には、熱可塑性樹脂が用いられる。
前記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂;オレフィン樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル樹脂;エチレン−メタクリレート樹脂などのアクリル樹脂;アミド樹脂;エステル樹脂;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどの各種エラストマーなどの各種エラストマー;ゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で、又は2種以上を併用できる。優れた可撓性を有し、安価であることから、塩化ビニル樹脂を主成分とする樹脂層22が好ましい。塩化ビニル樹脂を主成分とする樹脂層22を有する床材1は、柔軟性に優れているので、歩行感が良好であり、さらに、湾曲させながら床面(床材1を敷設する施工面)に施工できる。
前記樹脂層22には、通常、上記樹脂以外に各種添加剤が含まれる。添加剤としては、従来公知のものを使用でき、例えば、充填剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、発泡剤、帯電防止剤などが挙げられる。
前記樹脂層22は、非発泡でもよいし、或いは、発泡されていてもよい。良好なクッション性を床材1に付与できる点から、樹脂層22は、発泡樹脂から形成されていることが好ましい。樹脂層22が発泡されている場合、その発泡倍率は特に限定されないが、好ましくは2倍〜5倍である。発泡倍率が余りに低いと、床材1に実質的にクッション性を付与できず、一方、発泡倍率が余りに高いと、床材1が柔らかくなりすぎる。
前記樹脂層22の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.3mm〜3mmであり、好ましくは0.5mm〜1mmである。
前記形状安定化層23は、経時的な収縮や膨張による床材1の寸法変化を抑制すると共に、機械的強度(寸法安定性や剛性など)を高めるための層である。形状安定化層23は、必要に応じて設けられる。
形状安定化層23は、図2に示すように、複数層設けられていてもよいし、1層だけでもよい。形状安定化層23が複層からなる場合、各層は、同一又は異なっていてもよい。
なお、形状安定化層23を設ける場合、形状安定化層23は、図示したように、樹脂層22の厚み方向中間部に設けられていてもよいし、特に図示しないが、化粧層24の裏面側に設けられていてもよい。
前記形状安定化層23としては、不織布又は織布などを用いることができる。不織布及び織布を構成する繊維の材質は特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリオレフィンなどの合成樹脂繊維;ガラス、カーボンなどの無機繊維;天然繊維などが挙げられる。床材1の寸法安定性を高めることができ、有機繊維に比べて極めて寸法変動が少ない上、樹脂との馴染みも良いことから、形状安定化層23として、ガラス繊維不織布を用いることが好ましい。さらに、形状安定化層23としてガラス繊維不織布を用い且つ裏面層21としてポリエステル繊維からなる不織布を用いると、ガラス繊維不織布が床材1全体の寸法安定性に大きく寄与し且つポリエステル繊維不織布が床材1の反りを防止するので、寸法安定性を失うことなく、施工後の反り上りも生じない、安定した床材1を得ることができる。加えて、図2に示すように形状安定化層23を複数設けた場合には、寸法変化抑制や機械強度向上効果を厚み方向に分散して高めることができるので、床材1の安定性をより向上させることができる。
前記形状安定化層23の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.05mm〜0.5mmであり、より好ましくは0.2mm〜0.4mmであり、さらに好ましくは0.25mm〜0.35mmである。形状安定化層23の厚みが小さすぎると、床材1の寸法安定性が十分に向上せず、一方、形状安定化層23の厚みが大きすぎると、床材1の使用感が低下するおそれがある。形状安定化層23を複数設ける場合、その複層の厚みの合計した値が、前記に示した形状安定化層23の厚みに相当する。例えば、0.1mmの厚みの第1安定化層231及び第2安定化層232を用いることによって、十分な寸法安定性効果と機械強度向上効果を得ることができる。
例えば、図2に示す例では、形状安定化層23は、第1安定化層231及び第2安定化層232の2層からなり、それらの安定化層231,232を挟んで第1樹脂層221、第2樹脂層222及び第3樹脂層223が積層されている。もっとも、本発明の床材1は、図2に示す層構成に限定されるものではない。
前記化粧層24は、床材1に意匠性を付与する層である。化粧層24は、床材本体2の表面に、必要に応じて設けられる。
前記化粧層24は、熱可塑性樹脂によって形成できる。熱可塑性樹脂としては、上記樹脂層22の欄で例示したようなものが挙げられ、樹脂層22に強固に密着することから、塩化ビニル樹脂を主成分とする樹脂が好ましい。前記化粧層24は、着色剤が混合された熱可塑性樹脂層から形成されていてもよいし、或いは、着色剤と着色剤の色彩以外の色を呈する樹脂チップとが混合された熱可塑性樹脂層から形成されていてもよい。また、前記化粧層24は、熱可塑性樹脂層の上面に直接印刷を施す又は印刷の施された樹脂フィルムを積層することにより形成されていてもよい。さらに、前記熱可塑性樹脂層又は樹脂フィルムなどからなる化粧層24にクリア層を設けられてもよい。
前記化粧層24の厚みは特に限定されないが、例えば、0.03mm〜1.0mmであり、好ましくは0.05mm〜0.80mmである。例えば、厚み0.05mm〜0.2mmの印刷済み樹脂フィルム(化粧層24)に、厚み0.1mm〜1.0mmのクリア層を設けたものを用いることができる。
(表層)
表層3は、床材1の最も表面側に位置する層であって、床材本体2の表面を保護する層である。
表層3は、透明又は不透明でもよいが、表層3の裏面側に設けられた化粧層24などの意匠を視認できるようにするため、透明であることが好ましい。
前記表層3は、電離放射線硬化性樹脂と帯電防止剤とを含み、必要に応じて、その他の成分を含んで形成されている。
前記表層3は、帯電防止剤を配合した電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布することによって塗膜を形成し、次いで、電離放射線を照射することによって前記塗膜を硬化させることによって形成される。
前記電離放射線硬化型樹脂組成物は、主成分となる、電離放射線硬化性モノマー及び/又はオリゴマーに加えて、添加物として帯電防止剤、及び、必要に応じてラジカル重合開始剤、電離放射線吸収剤、電離放射線安定剤などのその他の成分を含む。
前記電離放射線硬化性樹脂は、荷電粒子線又は電磁波の中でモノマーなどを架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、電子線又は紫外線などを照射することにより、架橋、硬化した樹脂を指す。電離放射線硬化性樹脂は、例えば、硬化性モノマー又はオリゴマーが電離放射線により硬化した樹脂である。
前記硬化性モノマー又はオリゴマーとしては、電離放射線によって硬化可能であれば特に限定されない。前記硬化性モノマーとしては、表層3に要求される硬度や光沢、耐汚染性などの特性を有し、塗工に適当な従来公知の単官能モノマーや2官能モノマー、3官能以上の多官能モノマーを1種単独で又は2種以上併用できる。前記硬化性オリゴマーとしては、表層3に要求される硬度や光沢、耐汚染性などの特性を有し、塗工に適当なビスフェノールA型、ノボラック型、ポリブタジエン型のエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル型のウレタン(メタ)アクリレートなどのオリゴマーを1種単独で又は2種以上併用できる。
比較的強固な表層3を形成でき且つ汎用的であることから、紫外線によって硬化する硬化性モノマー又はオリゴマーを用いることが好ましい。
硬化性モノマー又はオリゴマーとしては、分子中に(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリロイルオキシ基等の重合性不飽和結合基又はエポキシ基等を有するモノマー又はオリゴマーが挙げられる。
前記硬化性モノマーの具体例としては、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、分子中に2個以上のチオール基を有するポリオール化合物などが挙げられる。前記硬化性オリゴマーの具体例としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、コロイダルシリ力と(メタ)アクリロイルアルコキシシランを縮合して得られる有磯無機ハイブリッド(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和結合を有する単官能(メタ)アクリレートまたは多官能(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル、エポキシなどが挙げられる。
これらの中では、適度な柔軟性を有し、耐熱性、耐薬品性、耐久性に優れた床材1を形成でき、さらに、床材本体との密着性に優れていることから、ウレタン(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
前記硬化性モノマー又はオリゴマーの分子量は、特に限定されないが、例えば、200〜10000の範囲内などが挙げられる。
前記硬化性モノマー又はオリゴマーには、通常、ラジカル重合開始剤が添加される。前記ラジカル重合開始剤は、電離放射線の照射によりラジカルを生成する化合物であり、従来公知の水素引き抜き型又は光開裂型などを、1種単独で又は2種以上併用できる。このようなラジカル重合開始剤には、さらに、光増感剤を併用することも可能である。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、その他のチオキサント系化合物などが挙げられる。
前記表層3の帯電防止剤は、イオン性液体を含んでいる。帯電防止剤は、イオン性液体のみを用いてもよいし、イオン性液体と界面活性剤タイプの帯電防止剤とを併用してもよい。
前記イオン性液体は、常温溶融塩とも呼ばれ、帯電防止性(導電性)を有し、通常の塩のようにアニオン成分とカチオン成分から構成されているにもかかわらず、室温(通常、30℃)または比較的低い温度(例えば、150℃以下)で液状を呈する塩(イオン性化合物)をいう。好ましくは、室温で液状を呈する塩である。特別な性質は、この化合物の融点が低いことにあり、液体状態でポリマー膜との適合性がある。このイオン性液体の融点が低い理由としては、イオンの大きさ、及び、イオン間の静電相互作用が関係しているものと推定される。さらに、前記イオン性液体は、蒸気圧が低く、不揮発性であり、同時に、不燃性・難燃性であるという特徴も有する。これは、分子間に静電的相互作用が働くため、イオンが拘束されるためであると推測される。
本発明に用いられるイオン性液体は、イオン性液体としての一般的な物性(即ち、イオン伝導性が高い、不揮発性である、引火性・可燃性が無い、熱安定性)を有するものであれば特に制限なく使用できる。イオン性液体は、前記電離放射線硬化型樹脂組成物に微分散しやすく、前記電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化後に前記表層3に微分散状態で存在するため、局所的な抵抗値低下は発生せず均一に帯電を防止することができる。また、イオン性液体は、無色から白濁であるため、混入しても前記表層3をほぼ透明な状態に保ち、化粧層などの視認を妨げることはない。このように、表層3の中にイオン性液体を含むことで、本発明は良好な帯電防止効果を有する。
イオン性液体は、通常の有機溶媒のように一部がイオン化・解離しているのではなく、イオンのみから形成されている、すなわち液体の100質量%(全て)がイオン化していると考えられている。
前記界面活性剤タイプの帯電防止剤は、空気中の水分を吸着し、分極化することによって帯電防止性(導電性)を発揮するものをいう。
前記イオン性液体としては、現在、カチオンのクラスとアニオンの大きなクラスに分類されている。実際にイオン性液体を構成するには、それぞれのタイプのクラスから1つを選択する必要がある。化合物のためのカチオンのクラスは、アンモニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピロリジニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イソウロニウムが一置換、二置換、三置換されたものである。化合物のためのアニオンのクラスは、ハロゲン化物、硫酸塩、スルホン酸塩、アミド、イミド、メタン、ホウ酸塩、リン酸塩、アンチモン酸塩、コバルトテトラカルボニル、トリフルオロ酢酸塩、デカン酸塩などである。カチオンとアニオンの選択は、最終分子が適切な融点を持つことと、塩が溶媒および導電性ポリマーと適合性を持つことを基準にしてなされ、アンモニウム塩、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩などの有機化合物塩などを用いることができる。但し、最近は、新しいクラスが見いだされているようなので、このリストは、より多くのクラスが発見されるにつれて増やす必要がある。イオン性液体は、1種単独で又は2種以上併用できる。
イオン性液体は、前記アンモニウム塩、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩などの有機化合物塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、比較的安価で且つ帯電防止効果に優れていることから、前記アンモニウム塩がより好ましい。
前記イオン性液体のアンモニウム塩としては、例えば、ブチルトリメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、テトラブチルアンモニウム・ヘプタデカフルオロオクタンスルホナート、テトラブチルアンモニウム・ノナフルオロブタンスルホナート、テトラペンチルアンモニウム・メタンスルホナート、テトラペンチルアンモニウム・チオシアナートなどが挙げられる。
前記イオン性液体のイミダゾリウム塩としては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウム・メチルスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロエチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ブロミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムナイトレイト、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェイト、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・クロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ニトラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・トシラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・トリフルオロメタンスルホナート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・トリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・クロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・2−(2−メトキシエトキシ)エチルスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・メチルスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム・クロリド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスファート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム・クロリド、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・クロリド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスファート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラートなどが挙げられる。
前記イオン性液体のピロリジニウム塩としては、例えば、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム・ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムクロリドなどが挙げられる。
前記イオン性液体のピリジニウム塩としては、例えば、3−メチル−1−プロピルピリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−4−メチルピリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−プロピル−3−メチルピリジニウム・トリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルピリジニウム・トリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−4−メチルピリジニウム・ブロミド、1−ブチル−4−メチルピリジニウム・クロリド、1−ブチル−4−メチルピリジニウム・ヘキサフルオロホスファート、1−ブチル−3−メチルピリジニウム・テトラフルオロボラート、1−ブチル−4−メチルピリジニウム・テトラフルオロボラート、1−ブチルピリジニウム・テトラフルオロボラートなどが挙げられる。
前記イオン性液体のホスホニウム塩としては、例えば、テトラブチルホスホニウム・メタンスルホナート、テトラブチルホスホニウムニウム・p−トルエンスルホナート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・ビス(トリフルオロエチルスルホニル)イミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィナート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・ブロミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・クロリド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・デカノアート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・ヘキサフルオロホスフィナート、トリエチルテトラデシルホスホニウム・テトラフルオロボラート、トリブチルメチルホスホニウム・トシラートなどが挙げられる。
前記界面活性剤タイプの帯電防止剤としては、室温において単体で固体のポリエーテル、第4級アンモニウム塩、スルホン酸塩などが挙げられる。
前記界面活性剤タイプの帯電防止剤の具体例としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレンオキシド―エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。
前記界面活性剤タイプの帯電防止剤は、適当な溶媒に溶解されて使用される。
前記イオン性液体の配合量は、電離放射線硬化性樹脂となる硬化性モノマー又はオリゴマー100質量部に対して、1質量部〜20質量部が好ましく、さらに、1質量部を超え10質量部以下がより好ましい。イオン性液体の配合量が小さすぎると、帯電防止効果を十分に発揮できず、イオン性液体の配合量が大きすぎると、表層3の機械的強度が低下するおそれがある。
なお、前記界面活性剤タイプの帯電防止剤を配合する場合には、その配合量は、硬化性モノマー又はオリゴマー100質量部に対して、1質量部〜5質量部程度である。
また、前記表層3のその他の成分としては、溶剤、レベリング剤、微粒子、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸化防止剤、チクソトロピー化剤などが挙げられる。
前記表層3の厚みは、特に限定されないが、例えば、1μm〜100μmであり、好ましくは5μm〜70μmであり、より好ましくは10μm〜50μmである。
本発明の床材1は、帯電防止剤としてイオン性液体を用いているので、優れた帯電防止性を有する。
特に、従来の床材で用いられている、室温で固体の第4級アンモニウム塩の帯電防止剤は、低湿度環境下では、電気を逃がし難くなる(帯電防止効果が低下する)。この点、イオン性液体を用いた本発明の床材は、湿度に拘わらず、優れた帯電防止性を有する。
本発明の床材1の体積抵抗値は、温度23℃、湿度25%の環境下で、2.05×10Ω以下であり、好ましくは、1.2×10Ω以下であり、より好ましくは、1.0×10Ω以下である。
本発明の床材1の表面抵抗値は、温度23℃、湿度25%の環境下で、2.0×1010Ω以下であり、好ましくは、1.2×1010Ω以下であり、より好ましくは、1.0×1010Ω以下である。
ただし、前記体積抵抗値は、JISA1454(「高分子系張り床材試験方法」)の23の電気的特性試験に準じて測定される値である。
前記表面抵抗値は、電導床・帯電防止床の電気的な性能の評価方法が規定されているNFPA(National Fire Protection Associationの規格)99に準拠し測定される値である。
これらの抵抗値は、施工方法、条件を含む管理値として、適切なものである。
また、従来の床材で用いられている、室温で固体の第4級アンモニウム塩の帯電防止剤は、表層3の表面にブリードし、それが空気中の水分と結合して導電するが、表面にブリードした帯電防止剤が汚れと結合し、床材の表面の汚れを除去し難くなる。この点、本発明の帯電防止剤であるイオン性液体は、表面にブリードし難く、また、表面にブリードしなくても導電するので、優れた帯電防止性を有する。
[本発明の床材の製造方法]
本発明の床材は、例えば、次の工程を経て製造することができる。
(床材本体の形成工程)
床材本体の形成工程は、床材本体を形成する工程である。
例えば、樹脂層形成材料を、ペーストゾルのゲル化、又は、カレンダー成形若しくは押出成形などによって形成する。
ペーストゾルのゲル化によって樹脂層を形成する場合には、展開用フィルムなどの展開面に樹脂層形成材料を塗布して塗膜を形成する。
前記樹脂層形成材料は、前記樹脂層の欄で述べたような、熱可塑性樹脂及び添加剤からなり、好ましくは、塩化ビニル樹脂及び添加剤からなる。
化粧層を設ける場合には、前記展開用フィルムとして、上述の樹脂チップとが混合された熱可塑性樹脂層、所要の着色又は印刷の施された樹脂フィルムなどが用いられる。
形状安定化層を設ける場合には、前記樹脂層形成材料の塗膜の上に、形状安定化層となる不織布などを積層し、その上から、前記樹脂層形成材料を重ね塗布して塗膜を形成する。さらに、裏面層を設ける場合には、その塗膜の上に、裏面層となる樹脂製シートなどを積層する。
このようにして、裏面層、樹脂層、形状安定化層、樹脂層及び化粧層が順に積層された未固化の床材本体を得ることができる。
前記熱可塑性樹脂が塩化ビニル樹脂である場合には、次に、その全体を加熱することにより、樹脂層形成材料の塗膜をプリゲル化して床材本体を固化させる。加熱手段は特に限定されないが、例えば、電熱ヒーターなどが挙げられる。
加熱温度は、樹脂の種類に応じて適宜設定されるが、塩化ビニル系樹脂である場合には、好ましくは135℃〜155℃であり、より好ましくは140℃〜150℃である。
加熱時間は、樹脂の種類に応じて適宜設定されるが、塩化ビニル系樹脂である場合には、好ましくは50秒〜65秒であり、より好ましくは55秒〜60秒である。
加熱温度が低すぎる又は加熱時間が短すぎると、プリゲル化が十分に行われず、次の工程で破損するおそれがある。
(表層の形成工程)
表層の形成工程は、前記床材本体の表面に表層を形成する工程である。
例えば、表層形成材料を前記床材本体の表面(例えば、化粧層の表面)に塗布して塗膜を形成する。必要に応じて、床材本体の表面にプライマー層を形成した後に、そのプライマー層の表面上に前記表層形成材料を塗布して塗膜を形成してもよい。
表層形成材料は、前記表層の欄で述べたような、電離放射線硬化型樹脂組成物を用いることができる。
すなわち、表層形成材料は、電離放射線硬化性モノマー及び/又はオリゴマー及びイオン性液体を含む帯電防止剤を含み、必要に応じて、ラジカル重合開始剤、電離放射線吸収剤、電離放射線安定剤などのその他の成分を含む。
前記電離放射線硬化性モノマー及び/又はオリゴマーが固体状である場合には、これらは溶剤に溶解又は分散される。
前記溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタノン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;などが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用できる。
前記表層形成材料は、前記硬化性モノマー及びオリゴマーの少なくとも何れか一方、帯電防止剤及び各種添加剤を、必要に応じて溶媒を加え、それぞれ所要の割合で均質に混合することにより得ることができる。
前記表層形成材料を塗布して得られた、未硬化の塗膜を、必要に応じて乾燥する。
本発明においては、市販の電離放射線硬化樹脂塗料に、イオン性液体を含む帯電防止剤を混合することにより、前記表層形成材料を調製してもよい。
前記市販の電離放射線硬化樹脂塗料は、硬化性モノマー及びオリゴマーの少なくとも何れか一方と光重合開始剤とを含み、さらに、溶剤、レベリング剤、微粒子、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、酸化防止剤及びチクソトロピー化剤などから得らばれる少なくとも1種の添加剤が含まれている。かかる市販の塗料は、そのまま又は必要に応じて粘度調製をした上で、表層に塗布することにより、前記未硬化の塗膜を形成できる。
前記市販の塗料としては、代表的には、紫外線硬化性の樹脂組成物が挙げられ、具体的には、例えば、オーレックス(中国塗料(株)製)、アデカオプトマー(旭電化工業(株)製)、コーエイハード(広栄化学工業(株)製)、セイカビーム(大日精化工業(株)製)、EBECRYL(ダイセル・サイテック(株)製)、ユニディック(DIC(株)製)、サンラッド(三洋化成工業(株)製)などが挙げられる。
前記表層形成材料の未硬化の塗膜に対して、電離放射線を照射することにより、硬化性モノマー又はオリゴマーが重合して高分子化する。かかる重合により、未硬化の塗膜が硬化して、表層を形成できる。
電離放射線を照射する装置としては、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、窒素レーザー、電子線加速装置、放射性元素の線源などが挙げられる。電離放射線の照射量は、硬化性モノマーなどに応じて適宜設定されるが、例えば、紫外線波長365nmでの積算光量で、50〜5,000mJ/cm程度が挙げられる。
以上のようにして、床材本体の表面に表層が強固に接着した、本発明の床材を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に詳述する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
[使用材料]
(1)電離放射線硬化型樹脂組成物として、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型塗料(中国塗料株式会社製、商品名「オーレックスUV146B」)を使用した。この塗料は、ウレタンアクリレートモノマー又はオリゴマーに、微量の重合開始剤及び添加剤が配合されており(ただし、帯電防止剤は配合されていない)、それ自体、塗工可能な液状のものである。
(2)アンモニウム塩のイオン性液体として、化研産業株式会社製の製品名「PR−IL1」を使用した。これは、30℃で液体であった。
(3)イミダゾリウム塩のイオン性液体として、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩(和光純薬工業株式会社製、CAS.NO.402846−78−0)を使用した。これは、30℃で液体であった。
(4)ピリジニウム塩のイオン性液体として、1−ブチル−3−メチルピリジニウムテトラフルオロホウ酸塩(和光純薬工業株式会社製、CAS.NO.597581−48−1)を使用した。これは、30℃で液体であった。
(5)ピロリジニウム塩のイオン性液体として、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム=ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(和光純薬工業株式会社製、CAS.NO 223437−05−6)を使用した。これは、30℃で液体であった。
(6)アンモニウム塩のイオン性液体として、ブチルトリメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(和光純薬工業株式会社製、CAS.NO.258273−75−5)を使用した。これは、室温で液体であった。
(7)ホスホニウム塩のイオン性液体として、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(東京化成工業製)を使用した。これは、30℃で固体であった。
(8)界面活性剤タイプの帯電防止剤として、第4級アンモニウム塩(勝田化工株式会社製、商品名「ST55」)を使用した。この第4級アンモニウム塩自体は、30℃で固体であるが、商品名「ST55」の製品は、溶媒に第4級アンモニウム塩を溶解させた液状物である。
[実施例1]
上記電離放射線硬化型樹脂組成物100質量部に対し、帯電防止剤として上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体を5.0質量部加えて十分に混合し、表層形成材料を調製した。
この表層形成材料を、塩化ビニル製床タイル(東リ(株)製、商品名「ルースレイLLフリー500」)の上に、ナチュラルロールコート法により均一な厚みで塗布した後、直ちに空気中において有電極紫外線ランプで紫外線を照射することにより、硬化性モノマー又はオリゴマーを重合させて、厚み約30μmの表層を形成した。このようにして実施例1の床材を作製した。
[実施例2]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体の配合量を4.5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[実施例3]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体の配合量を4.0質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[実施例4]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体の配合量を3.5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[実施例5]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体の配合量を2.5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[実施例6]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体の配合量を2.0質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[実施例7]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体の配合量を1.5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[実施例8]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体に代えて、イミダゾリウム塩のイオン性液体を5質量部加えたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[実施例9]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体に代えて、ピリジニウム塩のイオン性液体を5質量部加えたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[実施例10]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体に代えて、ピロリジニウム塩のイオン性液体を5質量部加えたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[実施例11]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体に代えて、上記(6)のアンモニウム塩のイオン性液体を5質量部加えたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[実施例12]
上記(2)のアンモニウム塩のイオン性液体に代えて、ホスホニウム塩のイオン性液体を5質量部加えたこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[比較例1]
表層を形成せず、塩化ビニル製床タイル(東リ(株)製、商品名「ルースレイLLフリー500」)そのものを比較例1の床材とした。
[比較例2]
イオン性液体を配合せず、界面活性剤タイプの帯電防止剤として第4級アンモニウム塩(製品となった液状物)を5.0質量部配合したこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[比較例3]
イオン性液体を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして床材を作製した。
[表面抵抗値及び体積抵抗値の測定]
各実施例及び比較例の床材について、それぞれ表面抵抗値及び体積抵抗値を測定した。
体積抵抗値は、JISA1454(「高分子系張り床材試験方法」)の23の電気的特性試験に準じて、電導床・帯電防止床の電気的な性能の評価方法によって、金属板の上に載置したサンプル(床材)の上に電極を設け、絶縁抵抗値計(Chauvin Arnoux社製、製品名「メグオームメーター CA6541」)から500Vの電圧を30秒間印加して抵抗値を測定した。
また、表面抵抗値は、NFPA99に準拠し、床材の表面における、914mm離れた2点間の表面抵抗を前記絶縁抵抗計を用いて測定した。
体積抵抗値及び表面抵抗値は、温度23度で湿度25%環境下、及び、温度2度で湿度25%環境下のそれぞれにおいて測定した。
それらの結果を表1に示す。
Figure 2014084685
1 床材
2 床材本体
3 表層

Claims (3)

  1. 床材本体と、前記床材本体の上に設けられた表層と、を有し、
    前記表層が、電離放射線硬化性樹脂と帯電防止剤とを含み、
    前記帯電防止剤が、イオン性液体を含む、床材。
  2. 前記イオン性液体が、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対し、1質量部〜20質量部含まれている、請求項1に記載の床材。
  3. 前記イオン性液体が、室温で液体のアンモニウム塩、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、ピリジニウム塩、及びホスホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の床材。
JP2012236498A 2012-10-26 2012-10-26 床材 Active JP6175686B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012236498A JP6175686B2 (ja) 2012-10-26 2012-10-26 床材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012236498A JP6175686B2 (ja) 2012-10-26 2012-10-26 床材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014084685A true JP2014084685A (ja) 2014-05-12
JP6175686B2 JP6175686B2 (ja) 2017-08-09

Family

ID=50788029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012236498A Active JP6175686B2 (ja) 2012-10-26 2012-10-26 床材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6175686B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111734077B (zh) * 2020-07-02 2021-07-30 安徽可尔海思塑业有限公司 一种阻止有害游离物质扩散的防水地板及其生产工艺

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348194A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Jsr Corp 硬化性組成物、その硬化物及び積層体
JP2010126880A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Panasonic Electric Works Co Ltd 帯電防止床材
JP2010275504A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Achilles Corp 帯電防止性置敷マット
WO2012029155A1 (ja) * 2010-09-02 2012-03-08 リケンテクノス株式会社 床材用塗料および床材

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348194A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Jsr Corp 硬化性組成物、その硬化物及び積層体
JP2010126880A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Panasonic Electric Works Co Ltd 帯電防止床材
JP2010275504A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Achilles Corp 帯電防止性置敷マット
WO2012029155A1 (ja) * 2010-09-02 2012-03-08 リケンテクノス株式会社 床材用塗料および床材

Also Published As

Publication number Publication date
JP6175686B2 (ja) 2017-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kim et al. Rapid growing clay coatings to reduce the fire threat of furniture
TWI504707B (zh) 光學用黏著劑、光學用黏著片及附有黏著劑層之光學構件
KR101591108B1 (ko) 전도성 바닥재 및 이의 제조방법
CN102883883A (zh) 阻燃聚合物构件、阻燃性制品和阻燃化方法
JP2014105223A (ja) 光硬化性組成物
JP2015003516A (ja) 保護コート層付フィルム
JP6175686B2 (ja) 床材
JP4872620B2 (ja) 透明導電フィルムの製造方法
KR101605726B1 (ko) 점착제 조성물, 및 그것을 사용한 점착 필름, 표면 보호 필름, 광학 필름
TWI572705B (zh) A coating agent for film formation and a hardened product thereof
JP2011072878A (ja) 積層構造体の製造方法、積層構造体、光学用部材及び塗工膜の形成方法
JP6113588B2 (ja) 床材
JP3574426B2 (ja) シート状成形体
JP4592334B2 (ja) 導電性付与剤及び導電性樹脂組成物
JP7537424B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
JP2012207116A (ja) 分子遮断性を有するシート状接着剤
KR100946157B1 (ko) 이온성 액체를 포함한 자외선 경화형 대전방지 코팅 조성물
JP6442268B2 (ja) 透明不燃性シートとその製造方法
JP7537423B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
KR20220048873A (ko) 열경화 및 uv 경화형 기능성 코팅 조성물, 이를 이용한 코팅 방법 및 이를 포함하는 코팅 기재
JP2006335044A (ja) 剥離紙
JP2024010333A (ja) 床材
JP2022184037A (ja) コンバイナ、コンバイナ用のホログラム部材、感光性材料、ヘッドアップディスプレイおよび移動体
JP6379582B2 (ja) 断熱層形成用樹脂組成物、透明断熱層及び透明断熱フィルム
JP5132110B2 (ja) 導電性付与剤及び導電性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161115

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170613

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6175686

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250