JP2014084356A - プリプレグ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、主剤である硬化性樹脂と反応性化合物の反応が抑制され、長期間の保存安定性に優れたプリプレグを提供することである。
【解決手段】本発明のプリプレグは、強化繊維基材とフィルムと硬化性樹脂と硬化性樹脂を硬化させる反応性化合物からなるプリプレグであって、前記硬化性樹脂の少なくとも一部が、フィルムによって反応性化合物と隔離されていることを特徴とするプリプレグである。本発明のプリプレグは多層構造を有するプリプレグであり、強化繊維基材と反応性化合物からなる強化繊維層、フィルムからなるフィルム層と、硬化性樹脂からなる樹脂層とを順に有するプリプレグであることが好ましい。また、本発明のプリプレグで使用するフィルムは、40℃以上で前記硬化性樹脂に溶解するフィルムであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、強化繊維基材と樹脂からなる保存安定性に優れたプリプレグに関する。
強化繊維と樹脂とからなる繊維強化複合材料は、軽量かつ強度が高い等の理由により、航空機、スポーツ・レジャー、一般産業等に広く利用されている。繊維強化複合材料は、強化繊維と樹脂とが予め一体化されているプリプレグを経由して製造されることが多い。このプリプレグに要求される性能としては、得られる繊維強化複合材料が機械物性等に優れることはもちろんであるが、室温での保存安定性に優れ、取扱い性に優れること、つまり適当なタック(粘着性)やドレープ性(柔軟性)を有することも大きな要求性能である。
プリプレグを構成する樹脂には、主に硬化性樹脂が使用されている。強化繊維と硬化性樹脂からなるプリプレグは、一般的に、硬化性樹脂(主剤)と、その硬化性樹脂を硬化させる硬化剤や反応開始剤などの反応性化合物を予め混合した樹脂組成物を、樹脂が硬化しない条件で強化繊維に含浸させる方法で得られる。
しかし、このようにして得られるプリプレグは、主剤と反応性化合物が混合されているため、長期間の保存に充分耐えうるものではなく、主剤と反応性化合物は室温においても反応性があることから、プリプレグの重要な性質であるタック性すなわち粘着性や、柔軟性すなわちドレープ性が経時的に低下する。そのためにプリプレグを冷凍庫内で保管したり、成形の前にも室温に放置する時間を短くしたりするなどの工夫をして使用されているのが現状である。このような状況から、保存安定性の優れたプリプレグの開発が望まれている。
プリプレグの保存安定性を改善する方法として、反応性化合物として、反応活性化エネルギーの高い反応性化合物や、マイクロカプセル化された反応性化合物などを用い、一定の温度条件などで硬化反応をする樹脂組成物を用いる方法が開示されている。(例えば特許文献1)
しかし、このようなプリプレグでは、用いることのできる主剤や反応性化合物の種類、繊維強化複合材料の製造条件が限定されてしまう。また、主剤と反応性化合物が接触しているため、両者の反応が完全には抑制できず、プリプレグの長期間の保存安定性は不十分であった。
特開2004−75914号公報
本発明の目的は、主剤である硬化性樹脂と反応性化合物の反応が抑制され、長期間の保存安定性に優れたプリプレグを提供することである。
上記課題を解決する本発明のプリプレグは、強化繊維基材とフィルムと硬化性樹脂と硬化性樹脂を硬化させる反応性化合物からなるプリプレグであって、前記硬化性樹脂の少なくとも一部が、フィルムによって反応性化合物と隔離されていることを特徴とするプリプレグである。
本発明のプリプレグは多層構造を有するプリプレグであり、強化繊維基材と反応性化合物からなる強化繊維層、フィルムからなるフィルム層と、硬化性樹脂からなる樹脂層とを順に有するプリプレグであることが好ましい。
本発明のプリプレグで使用するフィルムは、40℃以上で前記硬化性樹脂に溶解するフィルムであることが好ましい。
本発明のプリプレグは、フィルムにより硬化性樹脂と反応性化合物が隔離されているため、硬化性樹脂と反応性化合物の反応が抑制され、長期間の保存安定性に優れている。
本発明のプリプレグは、強化繊維基材とフィルムと硬化性樹脂と硬化性樹脂を硬化させる反応性化合物からなるプリプレグであって、前記硬化性樹脂の少なくとも一部が、フィルムによって反応性化合物と隔離されたプリプレグである。
本発明においては、プリプレグに含まれる硬化性樹脂の少なくとも一部、好ましくは30〜100質量%、さらに好ましくは硬化性樹脂の全量が、硬化性樹脂を硬化させる反応性化合物からフィルムにより隔離されている。
硬化性樹脂の少なくとも一部が反応性化合物から隔離されることで、硬化性樹脂と反応性化合物の反応が抑制される。つまり、熱硬化性樹脂と反応性化合物を隔離することによりその反応性を調整することができるのである。そして、硬化性樹脂が反応性化合物から隔離され反応性が調整されているため、本発明のプリプレグは長期間の保存安定性に優れている。
本発明において硬化性樹脂の全量が、反応性化合物から隔離されていない場合には、反応性化合物から隔離されていない硬化性樹脂は、通常の硬化性樹脂組成物に含まれるよりも多量の反応性化合物と接触する。しかし、硬化性樹脂が多量の反応性化合物と接触した場合、反応性化合物が過剰であるためかえって、硬化性樹脂の架橋反応による樹脂組成物の硬化が抑えられる。そのため、本発明のプリプレグは硬化性樹脂の全量が、反応性化合物から隔離されていない場合でも、長期間の保存安定性に優れている。
また、硬化性樹脂の全量が、反応性化合物から隔離ない場合、プリプレグ中の反応性化合物と接触している硬化性樹脂を、フィルムが損傷しない条件において、反応性化合物と予め反応させることにより、成形硬化後のマトリクス樹脂の分子構造を制御することもできる。
本発明においては、硬化性樹脂の少なくとも一部がフィルムにより反応性化合物から隔離されていれば、その形態に制限はなく、たとえば、反応性化合物を含む層と硬化性樹脂の一部を含む層をフィルムからなる層で隔離した多層構造を有する形態、反応性化合物または硬化性樹脂の一部を袋状のフィルムで覆い隔離した形態、反応性化合物をフィルムの内層に封入した形態などを用いることができる。
これらの中でも、反応性化合物を含む層と硬化性樹脂の一部を含む層をフィルムからなる層で隔離した多層構造を有するプリプレグとすることが、プリプレグの取扱い性の点から好ましく、強化繊維基材と反応性化合物からなる強化繊維層、フィルムからなるフィルム層と、硬化性樹脂からなる樹脂層とを順に有するプリプレグとすることがプリプレグのタック性に優れることからより好ましい。
本発明で用いるフィルムは、特に制限はないが、厚さ1〜30μmのフィルムであることが好ましく、5〜10μmのフィルムであることがより好ましい。フィルムの厚さが1μmより薄い場合は、プリプレグを取り扱う際にフィルムが破損しやすくなり、保存安定性が低下しやすい傾向がある。一方、フィルムの厚さが30μmを超えると、プリプレグのドレープ性が低下しやすい傾向がある。
フィルムの材質としては、高分子化合物、金属、黒鉛フィルムなどを好適に用いることができる。中でも、高分子化合物を用いると、プリプレグを成形し、繊維強化複合材料とした際に、フィルム成分が複合材料の靭性強化剤として働き、得られる複合材料の物性が向上するため好ましい。また、金属または黒鉛フィルムを用いた場合、プリプレグを成形し、繊維強化複合材料とした際に、フィルム成分が複合材料の導電性部位として働くため、得られる複合材料の導電性が向上する。
本発明において、フィルムが40℃以上、好ましくは60〜200℃、更に好ましくは80℃〜180℃で硬化性樹脂に溶解するフィルムであると、常温で保管する際には硬化性樹脂と反応性化合物を安定して隔離できる一方、プリプレグを成形する際に、温度条件を調節することで簡便に硬化性樹脂と反応性化合物を接触させられるため好ましい。フィルムが40℃より低い温度で硬化性樹脂に溶解するフィルムであると、常温での保存安定性が低下しやすい傾向がある。フィルムが200℃以下で硬化性樹脂に溶解するフィルムであれば、通常のプリプレグの成形条件においてフィルムが硬化性樹脂に溶解し、簡便に硬化性樹脂と反応性化合物を接触させることができる。
40℃以上で硬化性樹脂に溶解するフィルムとしては、例えば、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどが挙げられる。
本発明で用いる硬化性樹脂としては、特に限定はないが、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、硬化性ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノール樹脂など、熱、エネルギー線などにより硬化する樹脂が挙げられる。硬化性樹脂は、適時選択して1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
中でも、硬化性樹脂として好ましいのはエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。これらの中でも、芳香族基を含有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシジルアミン構造、グリシジルエーテル構造のいずれかを含有するエポキシ樹脂が特に好ましい。また、脂環族エポキシ樹脂も好適に用いることができる。具体的には、以下に例示されるものを用いることができる。
グリシジルアミン構造を含有するエポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−3−メチル−4−アミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体が例示される。
グリシジルエーテル構造を含有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が例示される。
これらのエポキシ樹脂は、芳香族環構造などに、非反応性置換基を有していても良い。非反応性置換基としては、メチル、エチル、イソプロピルなどのアルキル基、フェニルなどの芳香族基、アルコキシル基、アラルキル基、塩素や臭素などのようなハロゲン基が例示される。
これらのエポキシ樹脂は単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
本発明の硬化性樹脂は、硬化性樹脂の粘度調節や靭性向上などを目的として、熱可塑性樹脂を含んでいても良い。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリアラミド、ポリエーテルニトリル、ポリベンズイミダゾールが例示される。これらの中でも、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリカーボネートは、硬化性樹脂に溶解しやすく樹脂粘度を調節しやすいため好ましい。また、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドは、靭性及び耐熱性が高いため好ましい。ポリアミドやポリイミドは、複合材料に対する靭性向上効果が特に優れている。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても良い。また、これらの共重合体を用いることもできる。
熱可塑性樹脂は、その全部又は一部を予め硬化性樹脂に溶解させてから配合することもできるし、硬化性樹脂に溶解させずに分散粒子として配合することもできる。熱可塑性樹脂の配合量は、硬化性樹脂量100質量部に対して、5〜60質量部が好ましく、15〜40質量部がより好ましい。5質量部未満の場合、このプリプレグを用いて作製する複合材料の耐衝撃性が不十分になる場合がある。60質量部を超える場合、粘度が著しく高くなり、硬化性樹脂の取扱い性が悪化する場合がある。
熱可塑性樹脂の形態は、特に限定されないが、粒子状であることが好ましい。粒子状の熱可塑性樹脂は、硬化性樹脂中に均質に配合することができる。また、得られるプリプレグの成形性が高い。熱可塑性樹脂の平均粒子径は、1〜50μmであることが好ましく、3〜30μmであることが特に好ましい。1μm未満である場合、硬化性樹脂の粘度が著しく増粘する。そのため、硬化性樹脂に十分な量の熱可塑性樹脂を添加することが困難となる場合がある。50μmを超える場合、エポキシ樹脂組成物をシート状に加工する際、均質な厚みのシートが得られ難くなる場合がある。
本発明において硬化性樹脂は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、硬化促進剤、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を含有することができる。
本発明のプリプレグにおいて、硬化性樹脂の含有率は、10〜90質量%、好ましくは15〜60質量%、更に好ましくは20〜45質量%である。
本発明において反応性化合物は、硬化性樹脂と硬化反応を行う化合物を、硬化性樹脂組に応じて、適宜選択して用いることができる。反応性化合物としては、光などのエネルギー線や熱などにより、硬化性樹脂と反応する化合物が好ましい。中でも熱により硬化性樹脂と硬化反応する化合物が好ましい。
硬化性樹脂にエポキシ樹脂を用いる場合、反応性化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、芳香族アミン系硬化剤の各種異性体、アミノ安息香酸エステル類が挙げられる。ジシアンジアミドは、プリプレグの保存安定性に優れるため好ましい。また、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン化合物及びこれらの非反応性置換基を有する誘導体は、耐熱性が高い硬化物を得ることができるため、特に好ましい。さらに、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンは、得られる硬化物の靭性が高いため最も好ましい。
また、反応性化合物として、少なくとも200℃以下で加熱することで溶融し粘性のある液状になるもの、好ましくは常温において粘性のある液状体であるものを用いると、本発明の好ましい形態である強化繊維基材と反応性化合物からなる強化繊維層、フィルムからなるフィルム層と、硬化性樹脂からなる樹脂層とを順に有するプリプレグを製造する際に、反応性化合物を糊剤として強化繊維層とフィルム層を接着することができるため好ましい。
本発明において、プリプレグに含まれる反応性化合物の量は、プリプレグに含まれる硬化樹脂を硬化させるのに適した量であり、用いる硬化性樹脂や反応性化合物の種類に応じて適宜調節される。例えば、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を、反応性化合物として芳香族ジアミン化合物を用いる場合、全エポキシ樹脂量100質量部に対して、芳香族ジアミン化合物が25〜55質量部であることが好ましい。
本発明に用いる強化繊維基材は、強化繊維を各種形状に加工した基材である。強化繊維基材は、シート状の形態であることが好ましい。強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエステル繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維及びスラッグ繊維が使用できる。これらの強化繊維の中でも、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましい。比強度及び比弾性率が高く、軽量かつ高強度の複合材料が得られるため、炭素繊維が特に好ましく、引張強度が高いPAN系炭素繊維が最も好ましい。
炭素繊維としては、引張弾性率が170〜600GPaであることが好ましく、220〜450GPaであることが特に好ましい。また、炭素繊維の引張強度は3500MPa以上であることが好ましい。このような炭素繊維を用いることにより、複合材料の機械的性質を特に向上できる。
シート状の強化繊維基材としては、多数本の強化繊維を一方向に引き揃えたシートや、平織や綾織などの二方向織物、多軸織物、不織布、マット、ニット、組紐、強化繊維を抄紙した紙などが挙げられる。シート状物の厚さは、0.01〜3mmが好ましく、0.1〜1.5mmがより好ましい。
本発明のプリプレグの製造方法は、特に限定されないが、例えば、強化繊維基材に反応性化合物を付着させた後、強化繊維基材の片面または両面にフィルムを積層し、さらにフィルムの強化繊維基材に接触していない面に、硬化性樹脂を塗布する方法や、強化繊維基材に反応性化合物を含まない硬化性樹脂を含浸させた後、強化繊維基材の片面または両面にフィルムを積層し、さらにフィルムの強化繊維基材に接触していない面に、反応性化合物付着させる方法が挙げられる。
また、片面に反応性化合物を、反対面に反応性化合物を含まない硬化性樹脂をそれぞれ付着させたフィルムを、強化繊維基材の片面または両面に積層する方法によっても、本発明のプリプレグを得ることができる。
強化繊維基材またはフィルムに反応性化合物を付着させる方法としては、例えば、反応性化合物を溶剤に溶解させた溶液を強化繊維基材またはフィルムに塗布した後、溶剤を揮発させる方法や、反応性化合物をバインダー樹脂に混合し、バインダー樹脂とともに強化繊維基材またはフィルムに塗布する方法、反応性化合物をその融点以上に加熱し融解させ、反応性化合物自身を糊剤として強化繊維基材またはフィルムに付着させる方法などが挙げられる。
反応性化合物を溶解させる溶剤としては、アセトン、エタノール、メタノール、ジエチルエーテル、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセタミドなど、公知の有機溶媒を用いる反応性化合物の溶解性に応じて使用することができる。中でも取り扱いやすく塗布後に揮発させやすいアセトン、エタノール、ジエチルエーテルが好ましい。バインダー樹脂としては、粘性を有する樹脂であれば、公知の樹脂を使用することができるが、プリプレグに用いる硬化性樹脂と同一の樹脂を用いることが好ましい。
上述した本発明のプリプレグは、フィルムにより硬化性樹脂と反応性化合物が隔離されているため、硬化性樹脂と反応性化合物の反応が抑制され、長期間の保存安定性に優れている。
本発明のプリプレグは、繊維強化複合材料の成形材料として、スポーツ用途、レジャー用途、一般産業用途、航空・宇宙用途、自動車用途などに広く利用できる。
本発明のプリプレグを使用した繊維強化複合材料は、従来公知の方法により製造することができる。繊維強化複合材料の製造方法としては、例えば、マニュアルレイアップ、自動テープレイアップ(ATL)、自動繊維配置、真空バギング、オートクレーブ硬化、オートクレーブ以外の硬化、流体援用加工、圧力支援プロセス、マッチモールドプロセス、単純プレス硬化、プレスクレーブ硬化、又は連続バンドプレスを使用する方法が適用される。
本発明のプリプレグは、フィルムにより硬化性樹脂と反応性化合物が隔離されている。そのため、本発明のプリプレグを用いて繊維強化複合材料を製造する場合には、硬化性樹脂と反応性化合物を接触させる必要がある。硬化性樹脂と反応性化合物を接触させる方法としては、例えば金属針などの尖端を有する器具や刃物を用いて、両者を隔離しているフィルムに穿孔する方法や、加熱などの方法でフィルムを溶解または融解させる方法が挙げられる。フィルムが、40〜200℃で硬化性樹脂に溶解するフィルムである場合には、フィルムは通常の加熱成形条件において溶解するため、硬化性樹脂と反応性化合物を接触させるために、特段の作業を行う必要はない。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。本実施例、比較例において使用する成分や試験方法は以下の通りである。
〔成分〕
(強化繊維基材)
強化繊維基材には、引張強度3800MPa、引張弾性率235GPaの炭素繊維(東邦テナックス社製、テナックス(登録商標)HTA40、フィラメント数:3000本)の繻子織物(織物重量:200g/m)を用いた。
(フィルム)
・PEIフィルム:ポリエーテルイミド(PEI、SABIC社製、Ultem(商品名))を溶融押出法により製膜した、厚さ8μm(10g/m)のポリエーテルイミドフィルム
・PEフィルム:DNPテクノフィルム社製、DTL(商品名)、厚さ12μm(18.6g/m2)のポリエチレンフィルム
(硬化性樹脂)
・アラルダイトMY0600(商品名)(以後、「MY0600」と記載する):ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製のグリシジルアミン型エポキシ樹脂
(熱可塑性樹脂)
・Ultem(商品名):SABIC社製のポリエーテルイミド(以後、「PEI」と記載する)
(反応性化合物)
・3、3’−DAS(商品名):三井化学ファイン社製の3,3’−ジアミノジフェニルスルホン
・Matrimid 5292B(商品名):チバガイギー社製のジアリルビスフェノールA
・アミンアダクト:スリーボンド社製のポリアミンエポキシ樹脂アダクト Three BOND 2102(商品名)
〔試験方法〕
(保存安定性)
プリプレグの保存安定性は、タック性の経時変化を用いて評価した。プリプレグのタック性は、タッキング試験装置 TAC−II(RHESCA CO., LTD.)を用いて以下の方法により測定した。試験方法として、27℃に保持された試験ステージにプリプレグをセットし、27℃に保持されたφ5のタックプローブで初期荷重100gfの荷重をかけて、10mm/secの試験速度で引き抜いた際の最大の荷重を求めた。
製造直後のプリプレグと、温度26℃、湿度55%に1ヶ月間保存したプリプレグに、それぞれタックプローブ試験を実施した。評価結果は以下の基準(○〜×)で表した。
○:1ヶ月間保存後のタック保持率が100%−50%
△:1ヶ月間保存後のタック保持率が50%−25%
×:1ヶ月間保存後のタック保持率が25%−0%
<実施例1>
先ず、硬化性樹脂(MY0600)100質量部に対しPEI 30質量部を、攪拌機を用いて80℃で30分間混合して、硬化性樹脂組成物を調製した。硬化性樹脂組成物を、フィルムコーターを用いて離型フィルム上に塗布し、硬化性樹脂フィルム(樹脂目付:40g/m)を得た。
次いで、強化繊維基材に、3,3’−DASの10質量%アセトン溶液を塗布した後、常温で風乾し、強化繊維基材1mに対して反応性化合物である3,3’−DASを38.8g付着させた。
3、3’−DASを付着させた強化繊維基材を180℃のホットプレートで加熱し3,3’−DASを融解させ、3,3’−DASを糊材として強化繊維基材の両面にPEIフィルムを貼り合せた。
PEIフィルムを張り合わせた強化繊維基材の両面に、さらに硬化性樹脂フィルムを張り合わせ、硬化性樹脂組成物を強化繊維基材の両面に転写させた。これにより、強化繊維基材と反応性化合物からなる強化繊維層を最内層とし、強化繊維層の外層にフィルム層、さらに最外層として硬化性樹脂からなる樹脂層とを順に有するプリプレグを得た。
得られたプリプレグを、温度26℃、湿度55%に1ヶ月間保存し、プリプレグのタック性の変化を観察した。1ヶ月間保存した後もプリプレグのタック性は、製造直後とほとんど変化がなく、保存安定性に優れたものであった。
1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、180℃で、0.5MPaの圧力を加え、10分間の硬化条件でプレス成形を行ったところ、PEIフィルムが硬化性樹脂に溶解し、硬化性樹脂が強化繊維基材に含浸、硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
また、1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、通常の真空オートクレーブ成形法を用い、0.59MPaの圧力下、180℃、10分間の条件で成形したところ、プリプレグは硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
<実施例2>
強化繊維基材に、3,3’−DASとMatrimid 5292Bが10質量%ずつ溶解したアセトン溶液を塗布し、強化繊維基材1mに対して反応性化合物である3,3’−DASおよびMatrimid 5292Bを21.7gずつ付着させた強化繊維基材を用いた以外は実施例1と同様にしてプリプレグを得た。
得られたプリプレグを、温度26℃、湿度55%に1ヶ月間保存し、プリプレグのタック性の変化を観察した。1ヶ月間保存した後もプリプレグのタック性は、製造直後とほとんど変化がなく、保存安定性に優れたものであった。
1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、180℃で、0.5MPaの圧力を加え、15分間の硬化条件でプレス成形を行ったところ、プリプレグは硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
また、1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、通常の真空オートクレーブ成形法を用い、0.59MPaの圧力下、180℃、15分間の条件で成形したところ、プリプレグは硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
<実施例3>
強化繊維基材に、Matrimid 5292Bの30質量%アセトン溶液を塗布し、強化繊維基材1mに対して反応性化合物であるMatrimid 5292Bを75.4g付着させた強化繊維基材を用いた以外は実施例1と同様にしてプリプレグを得た。
得られたプリプレグを、温度26℃、湿度55%に1ヶ月間保存し、プリプレグのタック性の変化を観察した。1ヶ月間保存した後もプリプレグのタック性は、製造直後とほとんど変化がなく、保存安定性に優れたものであった。
1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、180℃で、0.5MPaの圧力を加え、20分間の硬化条件でプレス成形を行ったところ、プリプレグは硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
また、1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、通常の真空オートクレーブ成形法を用い、0.59MPaの圧力下、180℃、20分間の条件で成形したところ、プリプレグは硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
<実施例4>
強化繊維基材に、粘性のある液状の反応性化合物であるアミンアダクトを原液のまま塗布し、強化繊維基材1mに対して反応性化合物であるアミンアダクトを63.8g付着させた強化繊維基材を用い、アミンアダクトを糊材として加熱することなく常温で強化繊維基材の両面にPEIフィルムを貼り合せた以外は実施例1と同様にしてプリプレグを得た。
得られたプリプレグを、温度26℃、湿度55%に1ヶ月間保存し、プリプレグのタック性の変化を観察した。1ヶ月間保存した後もプリプレグのタック性は、製造直後とほとんど変化がなく、保存安定性に優れたものであった。
1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、180℃で、0.5MPaの圧力を加え、20分間の硬化条件でプレス成形を行ったところ、プリプレグは硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
また、1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、通常の真空オートクレーブ成形法を用い、0.59MPaの圧力下、180℃、20分間の条件で成形したところ、プリプレグは硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
<比較例1>
先ず、実施例1と同様にして硬化性樹脂フィルム(樹脂目付:40g/m)を得た。
次いで、強化繊維基材に、3,3’−DASの10質量%アセトン溶液を塗布した後、常温で風乾し、強化繊維基材1mに対して反応性化合物である3,3’−DASを38.8g付着させた。
PEIフィルムを張り合わせていない強化繊維基材の両面に、硬化性樹脂フィルムを張り合わせ、硬化性樹脂組成物を強化繊維基材の両面に転写させた。これにより、硬化性樹脂組成物が、強化繊維基材と反応性化合物からなる強化繊維層に含浸したプリプレグが得られた。
得られたプリプレグを、温度26℃、湿度55%に1ヶ月間保存し、プリプレグのタック性の変化を観察した。このプリプレグは、保存開始後わずか2週間で、タックがなくなってしまい、保存安定性の悪いプリプレグであった。
<実施例5>
フィルムとしてPEフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、強化繊維基材と反応性化合物からなる強化繊維層を最内層とし、強化繊維層の外層にフィルム層、さらに最外層として硬化性樹脂からなる樹脂層とを順に有するプリプレグを得た。
得られたプリプレグを、温度26℃、湿度55%に1ヶ月間保存し、プリプレグのタック性の変化を観察した。1ヶ月間保存した後もプリプレグのタック性は、製造直後とほとんど変化がなく、保存安定性に優れたものであった。
1ヶ月保存した後のプリプレグに、1cm辺り4回の割合でプリプレグを貫通するように直径1mmの金属針を用いて孔を空けた。その後、かかるプリプレグを4層積層した後、180℃で、0.5MPaの圧力を加え、10分間の硬化条件でプレス成形を行ったところ、硬化性樹脂が強化繊維基材に含浸、硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
また、同様に孔を空けたプリプレグを4層積層した後、通常の真空オートクレーブ成形法を用い、0.59MPaの圧力下、180℃、10分間の条件で成形したところ、プリプレグは硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
<実施例6>
先ず、硬化性樹脂(MY0600)100質量部に対しPEI 30質量部を、攪拌機を用いて80℃で30分間混合して、硬化性樹脂組成物を調製した。硬化性樹脂組成物を、フィルムコーターを用いて離型フィルム上に塗布し、表層用硬化性樹脂フィルム(樹脂目付:20g/m)を得た。
次いで、硬化性樹脂(MY0600)100質量部に対しPEI 30質量部、3,3’−DAS 130質量部を、攪拌機を用いて80℃で30分間混合して、硬化性樹脂組成物を調製した。硬化性樹脂組成物を、フィルムコーターを用いて離型フィルム上に塗布し、含浸用硬化性樹脂フィルム(樹脂目付:40g/m)を得た。
強化繊維基材の両面に、反応性化合物を含む含浸用硬化性樹脂フィルムを張り合わせ、ホットメルト法により、樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させた後、樹脂を含浸させた強化繊維基材の両面にPEIフィルムを貼り合せた。
PEIフィルムを張り合わせた強化繊維基材の両面に、さらに反応性化合物を含まない表層用硬化性樹脂フィルムを張り合わせ、硬化性樹脂組成物を強化繊維基材の両面に転写させた。これにより、強化繊維基材と硬化性樹脂および反応性化合物からなる強化繊維層を最内層とし、強化繊維層の外層にフィルム層、さらに最外層として反応性化合物を含まない硬化性樹脂からなる樹脂層とを順に有するプリプレグを得た。かかるプリプレグは、反応性化合物を含まない硬化性樹脂層の硬化性樹脂(プリプレグに含まれる硬化性樹脂の全体量に対して50%)が、PEIフィルムにより反応性化合物から隔離されている。
得られたプリプレグを、温度26℃、湿度55%に1ヶ月間保存し、プリプレグのタック性の変化を観察した。1ヶ月間保存した後もプリプレグのタック性は、製造直後とほとんど変化がなく、保存安定性に優れたものであった。
1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、180℃で、0.5MPaの圧力を加え、10分間の硬化条件でプレス成形を行ったところ、プリプレグは均一に硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
また、1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、通常の真空オートクレーブ成形法を用い、0.59MPaの圧力下、180℃、10分間の条件で成形したところ、プリプレグは均一に硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
<実施例7>
先ず、硬化性樹脂(MY0600)100質量部に対しPEI 30質量部、3,3’−DAS 130質量部を、攪拌機を用いて80℃で30分間混合して、硬化性樹脂組成物を調製した。硬化性樹脂組成物を、フィルムコーターを用いて離型フィルム上に塗布し、表層用硬化性樹脂フィルム(樹脂目付:20g/m)を得た。
次いで、硬化性樹脂(MY0600)100質量部に対しPEI 30質量部を、攪拌機を用いて80℃で30分間混合して、硬化性樹脂組成物を調製した。硬化性樹脂組成物を、フィルムコーターを用いて離型フィルム上に塗布し、含浸用硬化性樹脂フィルム(樹脂目付:40g/m)を得た。
強化繊維基材の両面に、反応性化合物を含まない含浸用硬化性樹脂フィルムを張り合わせ、ホットメルト法により、樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させた後、樹脂を含浸させた強化繊維基材の両面にPEIフィルムを貼り合せた。
PEIフィルムを張り合わせた強化繊維基材の両面に、さらに反応性化合物を含む表層用硬化性樹脂フィルムを張り合わせ、硬化性樹脂組成物を強化繊維基材の両面に転写させた。これにより、強化繊維基材と硬化性樹脂からなり、反応性化合物を含まない強化繊維層を最内層とし、強化繊維層の外層にフィルム層、さらに最外層として反応性化合物を含む硬化性樹脂からなる樹脂層とを順に有するプリプレグを得た。かかるプリプレグでは、強化繊維層の硬化性樹脂(プリプレグに含まれる硬化性樹脂の全体量に対して50%)が、PEIフィルムにより反応性化合物から隔離されている。
得られたプリプレグを、温度26℃、湿度55%に1ヶ月間保存し、プリプレグのタック性の変化を観察した。1ヶ月間保存した後もプリプレグのタック性は、製造直後とほとんど変化がなく、保存安定性に優れたものであった。
1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、180℃で、0.5MPaの圧力を加え、10分間の硬化条件でプレス成形を行ったところ、プリプレグは均一に硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
また、1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、通常の真空オートクレーブ成形法を用い、0.59MPaの圧力下、180℃、10分間の条件で成形したところ、プリプレグは均一に硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
<実施例8>
離型紙の上に、1mに対して38.8gの3,3’−DASを、均等に散布した。3、3’−DASを散布した離型紙を180℃のホットプレートで加熱し3,3’−DASを融解させ、3,3’−DASをPEIフィルムの片面に貼り合せ、片面に3,3’−DASが付着したPEIフィルムを得た。
硬化性樹脂(MY0600)100質量部に対しPEI 30質量部を、攪拌機を用いて80℃で30分間混合して、硬化性樹脂組成物を調製した。硬化性樹脂組成物を、フィルムコーターを用いて離型フィルム上に塗布し、含浸用硬化性樹脂フィルム(樹脂目付:40g/m)を得た。
強化繊維基材の両面に、反応性化合物を含まない含浸用硬化性樹脂フィルムを張り合わせ、ホットメルト法により、樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させた後、樹脂を含浸させた強化繊維基材の両面に、片面に3,3’−DASが付着したPEIフィルムを、3,3’−DASが付着していない面が強化繊維基材に接触するようにして貼り合せた。
これにより、強化繊維基材と硬化性樹脂からなり、反応性化合物を含まない強化繊維層を最内層とし、強化繊維層の外層にフィルム層、さらに最外層として反応性化合物とを順に有するプリプレグを得た。
得られたプリプレグを、温度26℃、湿度55%に1ヶ月間保存し、プリプレグのタック性の変化を観察した。1ヶ月間保存した後もプリプレグのタック性は、製造直後とほとんど変化がなく、保存安定性に優れたものであった。
1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、180℃で、0.5MPaの圧力を加え、10分間の硬化条件でプレス成形を行ったところ、プリプレグは均一に硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
また、1ヶ月保存した後のプリプレグを4層積層した後、通常の真空オートクレーブ成形法を用い、0.59MPaの圧力下、180℃、10分間の条件で成形したところ、プリプレグは均一に硬化し、強化繊維複合材料を得ることができた。
Figure 2014084356

Claims (3)

  1. 強化繊維基材とフィルムと硬化性樹脂と硬化性樹脂を硬化させる反応性化合物からなるプリプレグであって、
    前記硬化性樹脂の少なくとも一部が、フィルムによって反応性化合物と隔離されていることを特徴とするプリプレグ。
  2. 多層構造を有するプリプレグであり、強化繊維基材と反応性化合物からなる強化繊維層、フィルムからなるフィルム層と、硬化性樹脂からなる樹脂層とを順に有する請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記フィルムが、40℃以上で前記硬化性樹脂に溶解するフィルムである請求項1または2に記載のプリプレグ。
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