JP2014084318A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】なめらかでべたつきのない使用性を有し、なおかつ上塗りされるパウダリーファンデーションの仕上がりを美しくできる化粧下地として用いられる油中水型乳化化粧料を提供する。
【解決手段】(a)ポリメタクリル酸メチル粉末及びシリコーン粉末を含む球状樹脂粉末;(b)ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン;(c)疎水化処理微粒子酸化チタンと揮発性油とから調製されるペースト;及び(d)ミリスチン酸イソプロピルを含む油分を含有することを特徴とする油中水型乳化化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、油中水型乳化化粧料に関する。特に、なめらかでべたつきがなく、その上に適用されるファンデーションの仕上がりを良好にする化粧下地として用いるのに適した化粧料に関する。
化粧下地は、クレンジング(洗浄)後に化粧水、美容液などで肌を整えた後に使用される化粧料であり、一般にファンデーションの肌へののりやのびを良好にして皮膚への塗布を容易にすることで化粧仕上がりを美しくして、さらには化粧持ちを良好にする等の目的の「プレメーク」手段として広く用いられている(特許文献1)。化粧下地の上には、粉末成分を主とする化粧料(おしろい、粉体に油分を少量配合した粉末固形状ファンデーション(パウダリータイプ、ケーキタイプなど)等)を重ね付けして仕上げるのが一般的である。
化粧下地には、シワや肌のしみ、くすみの補正や紫外線防御等を目的として酸化チタン等の粉末成分、これら粉末成分の凝集を防止するための界面活性剤等が配合される場合が多い。
例えば、特許文献2には、透明感のある仕上がりが得られ、従来の界面活性剤によるべたつきを生じない油中水型のベースメーキャップ化粧料として、揮発性油分、疎水性粉末、及び両親媒性会合性増粘剤(疎水変性ポリエーテルウレタン)を配合した化粧料が開示されている。
特許文献3には、隠蔽力を高めるために顔料級酸化チタンを多配合し、その重い使用感を所定値以下の動粘度を有するジメチルシリコーンオイルを配合したことが記載されている。
しかしながら、配合する成分の種類や量によっては、べたつきを生じたり、上塗りされるパウダリーファンデーション等の仕上がりに問題を生ずる場合があった。
特開平9−95431号公報 特開2010−111634号公報 特開2012−126660号公報
よって本発明の目的は、なめらかでべたつきのない使用性を有し、なおかつ上塗りされる粉末固形状ファンデーション(パウダリータイプ、ケーキタイプなど)等)の仕上がりを美しくできる化粧下地として用いられる油中水型乳化化粧料を提供することである。
上記の課題を解決すべく、本発明者等は鋭意研究を行った結果、2種類の球状樹脂粉末と特定の界面活性剤との組み合わせにより、なめらかさ、べたつきのなさを向上させることができ、さらに疎水化処理微粒子酸化チタンと揮発性油から調製されるペーストを配合することにより仕上がりを改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(a)ポリメタクリル酸メチル粉末及びシリコーン樹脂粉末を含む球状樹脂粉末;
(b)ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン;
(c)疎水化処理微粒子酸化チタンと揮発性油とから調製されるペースト;及び
(d)ミリスチン酸イソプロピルを含む油分
を含有することを特徴とする、油中水型乳化化粧料を提供する。
本発明の油中水型乳化化粧料は、ポリメタクリル酸メチル球状粉末とシリコーン樹脂球状粉末という2種類の球状粉末を用い、特定の非イオン性界面活性剤及び特定の油分と組み合わせて配合することにより、なめらかでべたつきのない使用感が得られる。また、疎水化処理微粒子酸化チタンと揮発性油から予め調製したペーストを配合することにより、ファンデーションのひっかかりがなく、美しい仕上がりを得ることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料に配合される球状樹脂粉末(成分a)は、ポリメタクリル酸メチル球状粉末及びシリコーン樹脂球状粉末を含む。
ポリメタクリル酸メチル球状粉末(「a1成分」ともいう)は、架橋型ポリメタクリル酸(PMMA)を主成分とする球状粉末であり、数質量%以下の他の成分、例えばシリカ等を含んでいてもよい。
本発明では、ポリメタクリル酸メチル球状粉末として市販品を用いてもよく、例えば、ガンツパールGMX−0810(ガンツ化成社製)、マイクロスフェアー M−330(松本油脂製薬社製)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
シリコーン樹脂球状粉末(「a2成分」ともいう)は、シリコーン骨格が3次元的に架橋された構造を有する球状粉末である。具体的には、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーやジメチコン/フェニルジメチコンクロスポリマー、ポリオルガノシルセスキオキサン等が挙げられる。
市販品としては、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉末(トスパール2000B;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、架橋型シリコーン末(トレフィルE−506 東レ・ダウコーニング社製)等があり、これらの1種又は2種以上の混合物を使用することもできる。
本発明に用いる球状樹脂粉末の平均粒径は、特に限定されないが、通常は0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜20μm程度のものが用いられる。
本発明の化粧料におけるポリメタクリル酸メチル球状粉末(a1成分)及びシリコーン樹脂球状粉末(a2成分)の配合量は、各々、0.1〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜4質量%である。ただし、ポリメタクリル酸メチル球状粉末(a1成分)及びシリコーン樹脂球状粉末(a2成分)の合計配合量が30質量%を越えると、なめらかさに欠けるようになる場合がある。
ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(成分b)は、シリコーン系の非イオン性界面活性剤として知られており、化粧料等にも用いられているものである。
本発明の化粧料におけるラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(成分b)の配合量は、1〜5質量%、好ましくは2〜5質量%、より好ましくは3〜5質量%である。配合量が1質量%未満であるとなめらかな使用性が得られず、5質量%を越えて配合するとべたつきを生じる場合がある。
本発明の化粧料には、疎水化処理微粒子酸化チタンと揮発性油とから調製されるペースト(成分c)が配合される。
このペースト(成分c)としては、好ましくは、表面疎水化処理された微粒子酸化チタンをビーズミルを用いて揮発性油に分散させて得られるペーストが用いられる。
ペーストの調製に用いられる微粒子酸化チタンとしては、例えば、一次粒子の平均粒径が100nm以下、さらには80nm以下のものが好ましく用いられる。
微粒子酸化チタンの表面処理は、例えば、アルミニウムステアレートやジンクミリステートなどによる脂肪酸石鹸処理、キャンデリラロウやカルナバロウなどによるワックス処理、メチルポリシロキサン、環状シリコーンオイルなどによるシリコーン処理、パルミチン酸デキストリンなどによる脂肪酸デキストリン処理、ミリスチン酸、ステアリン酸などによる脂肪酸処理などが挙げられる。
上記のように表面疎水化処理された微粒子酸化チタンを揮発性油に分散させる方法としては、例えば、シリコーン油に界面活性剤を溶解し、これに表面疎水化処理微粒子酸化チタンを添加して、強力な機械的せん断力により分散させればよい。分散処理としては、例えば、メディアに径が0.3mm以下のジルコニアビーズを使用したペイントシェーカー処理やビーズミル処理などにより行うことができる。ディスパーやホモミキサーなどの通常の乳化分散機で調製した場合は本発明の効果が十分に発揮されない。
ここで用いられる揮発性油は、常圧における沸点が60〜260℃の範囲である油分を意味するものとする。本発明で用いられる揮発性油としては、揮発性のシリコーン油および炭化水素油等が挙げられる。
揮発性シリコーン油として、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、またはカプリリルメチコン等が例示される。
また、本発明に用いられる揮発性の炭化水素油として、直鎖状、分岐状のいずれのものを用いてもよい。このような揮発性の炭化水素ベース油としては、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン等のC8−C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)等が例示される
調製されるペーストに含まれる表面疎水化処理微粒子酸化チタンは、ペースト全量の1〜70質量%、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜50質量%である。
本発明の化粧料における前記ペースト(成分c)の配合量は、1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%、より好ましくは10〜16質量%である。配合量が1質量%未満であると美しい仕上がりが得られ難く、30質量%を越えて配合すると使用性が低下する傾向がある。
本発明の化粧料は、ミリスチン酸イソプロピルを含む油分(成分d)を含んでいる。油分に含まれるミリスチン酸イソプロピルの配合量は、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、より好ましくは1〜5質量%である。配合量が0.1質量%未満であると、なめらかさに欠けるようになり、10質量%を越えて配合するとべたつきを生じ、仕上がりの美しさが得られない場合がある。
成分dに含まれる他の油分としては、化粧料等に通常配合されている油分であればよく、特に限定されるものではない。
例えば、揮発性油分としては、常温で揮発性を有する油分であって、低沸点(常圧での沸点が260℃以下)の、イソパラフィン系炭化水素油やシリコーン油等が好ましく用いられる。
低沸点イソパラフィン系炭化水素油(軽質イソパラフィン)としては、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。市販品としてアイソパーA、同C、同E、同G、同H、同K、同L、同M(以上、いずれもエクソン社製)、シェルゾール71(シェル社製)、ソルトロール100、同130、同220(以上、いずれもフィリップ社製)等が挙げられ、これらを用いることができる。
低沸点シリコーン油としては、例えば下記式(I)で表される鎖状シリコーン油、下記式(II)で表される環状シリコーン油(シクロメチコン)等が挙げられる。
(式中、pは0〜3の整数を表す)
(式中、qは3〜7の整数を表す)
上記式(I)で示される鎖状シリコーン油として、具体的には、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン等が例示される。
上記式(II)で示される環状シリコーン油(シクロメチコン)として、具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン〔例えば、「エキセコールD−4」(信越シリコーン社製)、「SH244」、「SH344」(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、デカメチルシクロペンタシロキサン(例えば、「エキセコールD−5」(信越シリコーン社製)、「SH245」、「DC345」(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(例えば、「DC246」(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製))、テトラデカメチルシクロヘプタシロキサン等が挙げられる。
不揮発性の油分としては、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル油、シリコーン油等が挙げられる。
本発明の油中水型乳化化粧料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、化粧料等に通常使用されている他の任意成分を配合してもよい。
他の任意成分としては、例えば、有機変性粘度鉱物などの増粘剤、イソステアリンサンなどの分散剤、水溶性高分子、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、保湿剤、色剤、粉末(ただし、上記成分a、c以外)、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等が挙げられる。
その他にも、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等を配合することもできる。
本発明の油中水型乳化化粧料は、常法により調製することができる。例えば、水相(内相)と油相(外相)を、各々70℃程度に加温し、加温した水相を油相に徐々に添加して、乳化機で乳化し、その後、室温まで放冷する等の方法が挙げられるが、これに限定されるものでない。
本発明の油中水型乳化化粧料は、下地化粧料として用いるのが好ましいが、例えば、同様の使い方で用いられるリキッドタイプのファンデーションやサンスクリーンとして提供することもできる。即ち、洗浄した皮膚に本発明の油中水型乳化化粧料を塗布し、その上から粉末を主成分とする化粧料(おしろい、パウダリーファンデーションなど)を重ねてメーキャップの仕上げをするといった態様で使用するのに特に適している。
以下、具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明の技術的範囲を何ら限定するものではない。なお、以下の実施例等における配合量は特記しない限り質量%である。
下記表1〜4に掲げた組成で油中水型乳化化粧料(化粧下地)を調製した。具体的には、各表における油相に増粘剤(ジステアルジモニウムヘクトライト)を分散させ、粉末を分散させて油相部とし、別途調製した水相部を、前記油相部に徐々に添加しながらホモミキサーを用いて乳化させた。
各例で得られた化粧下地について専門パネル10名によって実使用試験を実施した。具体的には、各例の化粧下地を各パネルの顔に塗布し、なめらかさ、べたつきの無さを下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:優れていると評価したのが10名中7名以上。
○:優れていると評価したのが10名中5名以上7名未満
△:優れていると評価したのが10名中3名以上5名未満
×:優れていると評価したのが2名以下
次いで、前記各パネルにパウダリーファンデーションを重ね塗りしてもらい、その仕上がりの美しさを以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:仕上がりが美しいと評価したのが10名中7名以上。
○:仕上がりが美しいと評価したのが10名中5名以上7名未満
△:仕上がりが美しいと評価したのが10名中3名以上5名未満
×:仕上がりが美しいと評価したのが2名以下
上記で得られた評価結果を各表に併せて示す。
なお、各表におけるペースト等の組成は次の通りである。
・ペースト(1):疎水化処理微粒子酸化チタン(4質量%):揮発性油分(シクロメチコン)(8.5質量%):PEG−10ジメチコン(0.5質量%)を、ビーズミルを用いて分散させて調製したペースト(ペースト中の酸化チタンの割合:約31質量%)。
・ペースト(2):疎水化処理微粒子酸化チタン(6質量%):揮発性油分(シクロメチコン)(8.5質量%):PEG−10ジメチコン(0.5質量%)を、ビーズミルを用いて分散させて調製したペースト(ペースト中の酸化チタンの割合:約46質量%)。
・ペースト(3):揮発性油分(シクロメチコン)(8.5質量%):PEG−10ジメチコン(0.5質量%)の混合物(酸化チタンを含まない)。
・ペースト(4):疎水化処理微粒子酸化チタン(4質量%):不揮発性油分(セバシン酸ジイソプロピル)(8.5質量%):PEG−10ジメチコン(0.5質量%)を、ビーズミルを用いて分散させて調製したペースト(ペースト中の酸化チタンの割合:約31質量%)。
表1に示した結果より、ポリメタクリル酸メチル球状粉末(a1成分)又はシリコーン樹脂粉末(a2成分)のいずれか一方しか配合しない場合には、べたつきが抑制できず、パウダリーファンデーションによる仕上がりが劣っていた(比較例1、2)。また、ポリメタクリル酸メチル球状粉末(a1成分)及びシリコーン樹脂粉末(a2成分)の合計配合量が多すぎると、なめらかさに欠け、パウダリーファンデーションによる仕上げの美しさも十分ではなかった(比較例3)。一方、ポリメタクリル酸メチル球状粉末(a1成分)及びシリコーン樹脂粉末(a2成分)を適切な量で配合した実施例1及び2は、なめらかでべたつきが無く、パウダリーファンデーションでの仕上がりも極めて美しいものとなった。
表2に示した結果より、疎水化処理微粒子酸化チタンをビーズミルを用いて揮発性油に分散させて調製したペーストを配合した実施例1及び3では、評価した全ての項目で満足できる結果であった。しかし、疎水化処理微粒子酸化チタンを含まない比較例4では、特にパウダリーファンデーションによる美しい仕上がりが得られず、揮発性油ではなく不揮発性油にビーズミルを用いて分散させて調製したペーストを配合した比較例5では、全ての評価項目で満足できる結果が得られず、特にべたつきの抑制が不十分であった。
表3に示した結果より、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンをPEG−10ジメチコンに置換した比較例6ではなめらかな使用性が得られない。また、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンの配合量が5質量%を越える比較例7ではべたつきを生じ、パウダリーファンデーションによる仕上げの美しさも十分ではなかった。一方、ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを適切な量で配合した実施例1及び4では評価した全ての項目で満足できる結果が得られた。
表4に示した結果より、油分中にミリスチン酸イソプロピルを含まない比較例8ではなめらかさが劣り、その配合量が10質量%を越える比較例9ではべたつきを生じるとともにパウダリーファンデーションでの仕上げの美しさも得られなかった。それに対して、ミリスチン酸イソプロピルを適切な量で配合した実施例1では、全ての評価項目で満足できる結果が得られた。
以下に、本発明の油中水型乳化日焼け止め化粧料の処方例を実施例として示す。配合量は全て化粧料全量に対する質量%で表し、上記と同様の方法に従い調製した。
実施例5:油中水型乳化日焼け止め化粧料(サンスクリーン)
(配合成分) (質量%)
(1)水 残余
(2)エタノール 5
(3)グリセリン 5
(4)EDTA−3Na 0.2
(5)ジステアルジモニウムヘクトライト 1.5
(6)シリコーン油(*1) 15
(7)(d)ミリスチン酸イソプロピル 2
(8)(b)ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3.5
(9)イソステアリン酸 0.5
(10)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
(11)(c)ペースト(1) 13
(12)疎水化処理酸化亜鉛 6.5
(13)疎水化処理酸化鉄 1
(14)(a2)シリコーン樹脂球状粉末(*2) 5
(15)(a1)ポリメタクリル酸メチル球状粉末(*3) 5
(*1)エキセコールD−5(信越シリコーン社製)
(*2)トスパール2000B(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
(*3)ガンツパールGMX−0810(ガンツ化成社製)とマイクロスフェアー M−330(松本油脂製薬社製)の混合物

Claims (5)

  1. (a)ポリメタクリル酸メチル粉末及びシリコーン粉末を含む球状樹脂粉末;
    (b)ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン;
    (c)疎水化処理微粒子酸化チタンと揮発性油とから調製されるペースト;及び
    (d)ミリスチン酸イソプロピルを含む油分
    を含有することを特徴とする、油中水型乳化化粧料。
  2. 前記(c)ペーストが、疎水化処理微粒子酸化チタンをビーズミルを用いて揮発性油に分散させて調製されるペーストである、請求項1に記載の化粧料。
  3. 前記(a)ポリメタクリル酸メチル粉末及びシリコーン粉末を含む球状樹脂粉末の配合量が各々0.1〜20質量%であり、両者の合計配合量が30質量%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. 前記(b)ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンの配合量が、1〜5質量%であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧料。
  5. 前記ミリスチン酸イソプロピルの配合量が0.1〜10質量%であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧料。
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