以下、図を参照して、本実施の形態に係る物品管理装置、物品管理システムおよびプログラムについて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本実施の形態の物品管理システムのシステム図を示すもので、レーン1〜レーンnまでのn個のレーン1(1−1〜1−n)が並列的に並んで配置されている。各レーン1はベルトコンベアで構成されており、物品を箱詰めした箱2を矢印3の方向に搬送する。
コード読取装置4は、ベルトコンベア1の側面に配置され、検品対象の箱2内に箱詰めされた物品のコードを光学的に読み取る。ここで、物品のコードは、当該物品を識別するための情報を保持したバーコードや2次元コード等であり、物品自体に付加されているものとする。コード読取装置4は、回線6を介して管理サーバ100と通信可能に接続されており、コード読取装置4を用いた検品作業による各レーンでの検品データは、回線6を介して管理サーバ100に送信される。
プリンタ5は、コード読取装置4で読み取った物品のコードに対応する物品情報や後述する梱包ID(Idenntity)、ユーザID、カメラID等を印字したラベルを発行する。図1において、箱2Aは検品する前の箱であり、箱2Bは検品中の箱であり、箱2Cは検品が終了した箱である。各レーン1(1−1〜1−n)のコード読取装置4には、後述する支柱52の最上部に、カメラ7がそれぞれ設置されている。
管理サーバ100は、各レーン1のコード読取装置4から送信される検品データを、箱2毎に記憶・管理する。検索サーバ200は、各レーン1のカメラ7で撮影された検品作業の映像データを記憶・管理する。また、検索サーバ200は、管理サーバ100から入力される検索条件に該当する映像データを読み出し、管理サーバ100に提供する。
図2は、レーン1における物品の流れを横側から見た側面図である。レーン1は駆動ローラ11と従動ローラ12とに巻回されたベルトコンベア13とで構成されており、ベルトコンベア13上に乗せられた箱2を矢印3の方向に搬送する。図2において、箱2Aは検品がされておらず、箱2Bが現在検品中であり、箱2Cは検品が終了している。
コード読取装置4は、コードリーダ41とハンディコードリーダ42とを備える。コードリーダ41は、レーン1に対して、図示しない操作者(図2ではベルトコンベア13の手前側)と反対側(図2ではベルトコンベア13より奥側)に設置されている。表示部45は、コードリーダ41の上部に表示面が角度可変可能に取り付けられており、表示部45の表示面には、後述する、操作することで検品の開始を宣言する開始キー43と、操作することで検品の終了を宣言する終了キー44とを備える。また、コードリーダ41は、コード読取部46とを備えている。コード読取部46は、操作者に向けた垂直な立設面に設けられている。
表示部45は、種々の指示や検品結果を表示する。表示部45の表示面には、図示しないタッチパネルが設けられており、この表示面に開始キー43と終了キー44が表示される。そして、開始キー43と終了キー44の表示に対応する位置のタッチパネルをタッチすることで開始キー43と終了キー44が操作される。コード読取部46は、物品に付されたコード(本実施の形態ではバーコードである)を読み取る。本実施の形態では、コード読取部46は赤外線レーザを使用したスキャナ41であり、物品に付されたコードで反射したレーザ光によってコード化された商品コードや部品コードを読み取る。読み取ったコードは物品を表すデータとして取得される。
コードリーダ41の背面側からは、支柱52が上方に伸出しており、この支柱52の最上部には、カメラ7が設けられている。このカメラ7は、各レーンでの操作者の検品作業を動画で撮影するものであり、コード読取装置4付近での操作者の検品作業を上部から下方に向けて撮影する。各カメラ7で撮影された映像のデータ(以下「映像データ」という)は、回線8を介して検索サーバ200に送信される。
ハンディコードリーダ42は、スキャナ41と有線又は無線により接続されている。本実施の形態では、ハンディコードリーダ42はCCD等の撮像素子で撮像された画像からコードを読み取るハンディスキャナ42である。操作者は、ハンディスキャナ42を箱2や物品に付されたバーコードに当てることで物品のデータ(以下「物品データ」という)を取得する。
上記したコード読取装置4の構成において、スキャナ41やハンディスキャナ42を使用して物品の検品を開始する際には開始キー43を操作することで、後述する開始計時手段411により検品開始時刻(以降「開始時刻」という)が取り込まれる。物品の検品を終了する際には終了キー44を操作することで、後述する終了計時手段412により検品終了時刻(以降「終了時刻」という)が取り込まれる。
プリンタ5は、コード読取装置4と有線又は無線により接続されており、スキャナ41やハンディスキャナ42で読み取られた物品データや梱包ID、ユーザID、また予め定められたカメラID等をバーコードとして印字したラベル22を発行口51から発行する。ここで、梱包IDは各箱2に付され、その箱2を特定するためのID(箱特定情報)である。ユーザIDは、操作者を特定するためのID(操作者特定情報)であり、例えば操作者が身に着けている社員証にバーコードで印字されており、このバーコードをハンディスキャナ42で読み取ることで取得する。カメラIDは、レーン1に設置されたカメラを特定するためのIDであり、レーン1毎に固有のIDとして固定されてコード読取装置4に記憶されている。本実施形態では、各レーンに1台のカメラが設置されていることから、カメラIDを使用して、レーン1を特定することもできる。なお、レーン1毎に固有のIDが付されている場合には、このID(レーンID)をカメラIDの代わりに記憶する形態としてもよい。
検品終了後の箱2Cに付された、ラベル21は、この箱2Cを特定する梱包IDや物品コード等がバーコード等のコード化された状態で印字されたラベルである。このラベル21は、箱2がレーン1に乗せられるときにすでに貼付されている。ラベル21に印字されたデータは、例えば顧客に物品を納品するための納品伝票等のデータに基づいて印字される。
箱2は、物品が箱2に入れられた状態で、ベルトコンベア13によって箱2Aの位置から箱2Bの位置に搬送されると、操作者は、まず開始キー43を操作して検品の開始を宣言する。ここで、開始キー43の操作に応じて、ベルトコンベア13の搬送動作を停止する形態としてもよい。
次に操作者は、箱2に貼付されているラベル21のバーコードを、ハンディスキャナ42で読み取って、梱包IDや物品データ等を取得する。次に操作者は、箱2に収納された各物品に付されているバーコードをコード読取部46にかざして読み取る。コード読取装置4の後述する制御部400は、ラベル21から読み取られた物品データと、コード読取部46で読み取られた物品データとを比較し、全ての物品について一致が確認されれば、ラベル21に印字された物品が箱2に収納されていると判断する。この場合、操作者は、終了キー44を操作して検品の終了を宣言して検品を終了する。検品が終了すると、コード読取装置4は、プリンタ5と協働することで、検品した物品データ、ラベル21から読み取った梱包ID、入力されたユーザID、検品の開始時刻、検品の終了時刻等をラベル22に印字し、発行口51から発行する。発行されたラベル22は、操作者により箱2のラベル21の近くに貼付される。ラベル22が貼付された箱2は、ベルトコンベア13によって箱2Bの位置から箱2Cの位置に搬送される。
図3は、コード読取装置4のハードウェアを示すブロック図である。図3において、コード読取装置4は、制御主体となるCPU(Central Processing Unit)401、各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)402、各種データを展開するRAM(Random Access Memory)403、各種プログラム等を記憶するハードディスク等のメモリ部404等を備えている。CPU401、ROM402、RAM403、メモリ部404は、互いにデータバス405を介して接続されている。CPU401とROM402とRAM403とメモリ部404が、制御部400を構成する。すなわち、制御部400は、CPU401がROM402やメモリ部404に記憶されたプログラムに従って動作し、各プログラムや各種データをRAM403に展開することによって、後述する制御処理を実行する。
また、表示部45、キーボード46、スキャナ41、ハンディスキャナ42が、それぞれI/F406を介してデータバス405に接続されている。キーボード46には、検品の開始を宣言する開始キー43と検品の終了を宣言する終了キー44が設けられている。
図4は、コード読取装置4のRAM403又はメモリ部404に保持されるメモリマップの一例を示す図である。図4において、梱包ID部403aには、検品の対象となった箱2の梱包IDが記憶される。ユーザID部403bには、検品を行った操作者のユーザIDが記憶される。開始時刻部403cには、検品の開始時刻が記憶される。終了時刻部403dには、検品の終了時刻が記憶される。検品データ部403eには、検品時に読み取られた物品データが記憶される。梱包ID部403aに記憶された梱包ID、ユーザID部403bに記憶されたユーザID、開始時刻部403cに記憶された開始時刻、終了時刻部403dに記憶された検品終了時刻、検品データ部403eに記憶された物品データは、それぞれ互いに対応付けて記憶されている。
図5は、管理サーバ100のハードウェアを示すブロック図である。図5において、管理サーバ100は、制御主体となるCPU101、各種プログラムを記憶するROM102、各種データを展開するRAM103、各種プログラムを記憶するハードディスク等のメモリ部104等を備えている。CPU101、ROM102、RAM103、メモリ部104は、互いにデータバス106を介して接続されている。CPU101とROM102とRAM103とメモリ部104が、制御部105を構成する。すなわち、制御部105は、CPU101がROM102やメモリ部104に記憶されたプログラムに従って動作し、各プログラムや各種データをRAM103に展開することによって、後述する制御処理を実行する。
また、ハンディスキャナ107、キーボード109が、それぞれI/F108を介してデータバス106に接続されている。また、コード読取装置4が回線6とI/F108を介してデータバス106に接続されている。
図6は、管理サーバ100のRAM103又はメモリ部104に保持されるメモリマップの一例を示す図である。図6において、梱包ID部103aには、検品が終了した箱2の梱包IDが記憶される。カメラID部103bには、検品時に撮像を行ったカメラのカメラIDが記憶される。ユーザID部103cには、検品を行った操作者のユーザIDが記憶される。開始時刻部103dには、検品の開始時刻が記憶される。終了時刻部103eには、検品の終了時刻が記憶される。梱包ID部103aに記憶された梱包ID、カメラID部103bに記憶されたカメラID、ユーザID部103cに記憶されたユーザID、開始時刻部103dに記憶された開始時刻、終了時刻部103eに記憶された終了時刻は、互いに対応付けて記憶されている。
図7は、物品管理装置である検索サーバ200のハードウェアを示すブロック図である。図7において、検索サーバ200は、制御主体となるCPU201、各種プログラムを記憶するROM202、各種データを展開するRAM203、各種プログラムを記憶するハードディスク等のメモリ部204等を備えている。CPU201、ROM202、RAM203、メモリ部204は、互いにデータバス206を介して接続されている。CPU201とROM202とRAM203とメモリ部204が、制御部205を構成する。すなわち、制御部205は、CPU201がROM202やメモリ部204に記憶されたプログラムに従って動作し、各プログラムや各種データをRAM203に展開することによって、後述する制御処理を実行する。また、カメラ7が回線8とI/F207を介してデータバス206に接続されている。
図8は、検索サーバ200の映像記憶部203aであるRAM203又はメモリ部204に保持されるメモリマップの一例を示す図である。。カメラ7で撮影された映像は、どのカメラで撮影されたかを特定することが可能なカメラIDとともに、所定のタイミングでカメラ7から検索サーバ200に回線8を介して送信される。また撮影を実施した時刻(例えば1秒単位の時刻情報)が映像データに付されて送信される。検索サーバ200は、受信した映像データおよび実施時刻を、カメラIDに対応付けて映像記憶部203aに記憶する。この際、撮影した映像と撮影を実施した時刻とを対応付けて記憶する。
また、検索サーバ200では、管理サーバ100から、カメラIDと撮影時間(開始時刻と終了時刻)とを指定する検索条件を受け付けると、この検索条件に該当する映像データを映像記憶部203aから特定する。本実施の形態では、レーン1〜レーンnの各々に対応してn台のカメラが設置されているため、カメラIDは001〜00nまで存在する。そのため、映像記憶部203aには、各カメラIDに対応付けて映像データとその撮影時刻とが記憶される。例えば、カメラIDが001と、開始時刻10時と、終了時刻11時とを検索条件として入力した場合、検索サーバ200は、映像記憶部203aから、カメラID:001に対応するカメラ7で10時から11時迄の時間に撮像された映像データが存在するかを検索し、存在した場合その映像データを取得する。
図9は、コード読取装置4の機能を示す機能ブロック図である。図9において、制御部400がROM402やメモリ部403に記憶された各種プログラムに従うことで、開始計時手段411、終了計時手段412及び第1の時刻送信手段413を実現させる。開始計時手段411と終了計時手段412とで計時手段を構成する。
開始計時手段411は、物品の検品開始時刻を計時する機能を備えている。終了計時手段412は、物品の検品終了時刻を計時する機能を備えている。計時手段は、開始計時手段411と終了計時手段412の上位概念として位置づけられ、検品作業の対象となった各物品の検品開始時刻及び検品終了時間を計時する。第1の時刻送信手段413は、計時された検品開始時刻と検品終了時刻とを含む検品結果を前記管理サーバに送信する機能を備えている。なお、開始時刻及び終了時刻の計時は、コード読取装置4が備えるRTC(Real Time Clock)等の計時手段(図示せず)で計時される時刻を基に行うものとする。
次に、図10を用いて、コード読取装置4における制御処理の概要について説明する。コード読取装置4の制御部400が以下の制御を実行する。
まず、制御部400は、表示部45に検品の開始キー43の操作を促す表示をする(ステップSP11)。検品を実施する操作者は、この表示にしたがって、検品開始を開始する開始キー43を操作する。制御部400は、開始キー43が操作されたかを判断し(ステップSP12)、操作されるまで待機する(ステップSP12のNo)。開始キー43が操作されたと判断した場合は(ステップSP12のYes)、制御部400(開始計時手段411)は、開始キー43が操作された時刻を開始時刻として取得する(ステップSP13)。そして、制御部400は、計時した開始時刻をRAM403の開始時刻部403cに記憶する(ステップSP14)。
次に制御部400は、操作者のIDであるユーザIDの入力を促す表示を表示部45にする(ステップSP15)。操作者は、この表示にしたがって、例えば自己が胸に着用しているネームプレートにバーコードとして印字されたユーザIDにハンディスキャナ42を当てて、ユーザIDを読み取って入力する。
制御部400は、ユーザIDが入力されるまで待機する(ステップSP16のNo)。ユーザIDが入力されたと判断した場合(ステップSP16のYes)、制御部400は次に、検品する物品を収納する箱2を特定する梱包IDの読み取りを促す表示を表示部45にする(ステップSP17)。この梱包IDは、例えば物品の納品伝票に基づいてすでに箱2に貼付されたラベル21に、バーコードとして印字されており、このバーコードをハンディスキャナ42で読み取って入力する。制御部400は、梱包IDが入力されるまで待機し(ステップSP18のNo)、入力されたと判断した場合には(ステップSP18のYes)、箱2に貼付されたラベル21にバーコードで印字された検品物品の物品データの入力を促す表示を表示部45にする(ステップSP19)。
ここで、図11は、ラベル21の一例を示す模式図である。図11において、ラベル21には、梱包ID421と物品データ423がバーコードとして印字されている。また、物品の名称422も印字されている。
操作者は、ラベル21に印字されたすべての物品の物品データを、ハンディスキャナ42で読み取って入力する。制御部400は、ラベル21に印字された物品の検品データが入力されたかを判断する(ステップSP20)。入力されるまで待機し(ステップSP20のNo)、入力されたと判断した場合は(ステップSP20のYes)、制御部400は、梱包IDとユーザIDと物品データを、それぞれRAM403の、梱包ID部403a、ユーザID部403b、検品データ部403eに記憶する(ステップSP21)。
次に操作者は、箱2に収納されている物品を箱2から取り出して、箱2に付されたバーコードをスキャナ41に当てて物品データを読み取って入力する。制御部400は、物品データが入力されたかを判断する(ステップSP22)。すべての物品の物品データが入力されるまで待機し(ステップSP22のNo)、入力されたと判断した場合は(ステップSP22のYes)、制御部400は、入力された物品データを記憶する(ステップSP23)。
続いて制御部400は、検品データ部403eに記憶された検品データと、ステップSP22で入力された物品データとを比較する(ステップSP24)。この比較の結果、全ての物品について検品データと物品データとが一致した場合は(ステップSP25のYes)、制御部400は、表示部45に、検品を終了する終了キー44の入力を促す表示をする(ステップSP26)。次いで制御部400は、終了キー44が操作されるまで待機する(ステップSP27のNo)。ここで終了キー44が操作されたと判断すると(ステップSP27のYes)、制御部400(終了計時手段412)は、終了キーが操作された時刻を終了時刻として取得し(ステップSP28)、RAM403の終了時刻部403dに記憶する(ステップSP29)。また、検品データ部403eに、検品を実施した物品の物品データを記憶する。
次に制御部400(第1の時刻送信手段413)は、梱包ID部403aに記憶された梱包ID、ユーザID部403bに記憶されたユーザID、開始時刻部403cに記憶された開始時刻、終了時刻部403dに記憶された終了時刻を、予めRAM403に記憶された当該レーン1を撮影するカメラ7のカメラIDとともに、検品結果として管理サーバ100に送信する(ステップSP30)。次に制御部400は、プリンタ5を制御し、当該箱2の梱包ID、ユーザID、物品の名称、開始時刻、終了時刻を印字したラベル22を発行する(ステップSP31)。
図12は、ラベル22の模式図である。ラベル22には、ユーザID426、梱包ID421、カメラID427、開始時刻428、終了時刻429がバーコードとして印字される。また、物品の名称422も印字される。
発行されたラベル22は、当該箱2の検品が終了した後に操作者によって当該箱2に貼付される。なお、検品データと物品データとが一致しなかった場合は(ステップSP25のNo)、ラベル22に印字された物品と箱2に収納されている物品とが一致していない可能性があるとして、エラー処理を実行する(ステップSP32)。エラー処理された箱2は、納品伝票等を精査して物品を確認する。なお、操作者により検品作業が行われている間、その作業風景がレーン1に設けられたカメラ7により撮影される。
図13は、管理サーバ100の機能を示す機能ブロック図である。図13において、制御部105がROM102やメモリ部104に記憶された各種プログラムに従うことで、検品記憶手段121、第2の時刻送信手段122及び映像出力手段123を実現させる。
検品記憶手段121は、計時手段で計時された前記各物品の検品開始時刻及び検品終了時刻を記憶する機能を備える。第2の時刻送信手段122は、特定のカメラID、検品開始時刻及び検品終了時刻等を含む検索条件を、検索サーバに送信する機能を備える。映像出力手段123は、後述する映像抽出手段213によって抽出された映像を表示可能に出力する機能を備える。
次に、図14フローチャートを用いて、管理サーバ100における制御処理の概要について説明する。管理サーバ100の制御部105が以下の制御を実行する。
制御部105は、コード読取装置4から検品結果を受信したかを判断する(ステップSP41)。この判断は、上述したステップSP30でコード読取装置4から送信された検品結果(梱包ID、ユーザID、開始時刻、終了時刻、カメラIDのデータ)を受信したか否かで判断する。受信したと判断した場合は(ステップSP41のYes)、制御部105(検品記憶手段121)は、受信したデータをRAM103又はメモリ部104に記憶する(ステップSP42)。すなわち制御部105(検品記憶手段121)は、図7に示したように、梱包ID部103aに梱包IDを記憶し、カメラID部103bにカメラIDを記憶し、ユーザID部103cにユーザIDを記憶し、開始時刻部103dに開始時刻を記憶し、終了時刻部103eに終了時刻を記憶する。
ステップSP41において、コード読取装置4からのデータ受信ではないと判断した場合(ステップSP41のNo)、制御部105は、映像による検証の指示があったかを判断する(ステップSP51)。この検証の指示は、例えば、顧客との間で購入した物品の見解に相違があり確認したい場合、あるいは、ユーザによる検品作業の実態を確認したい場合等に出され、管理装置のキーボード109から指示が入力されたり、図示しない上位装置から受信したりする。
ステップSP51において、検証の指示があったと判断した場合(ステップSP51のYes)、制御部105は、検証対象を特定するための特定条件の入力を待機する。ここで、特定条件として検証の対象となる梱包IDが入力されたと判断した場合(ステップSP52のYes)、制御部105は、その入力された梱包IDがRAM103又はメモリ部104の梱包ID部103aに記憶されているかを判断する(ステップSP53)。記憶されていると判断した場合(ステップSP53のYes)、制御部105は、当該梱包IDに対応して記憶されたカメラIDと開始時刻と終了時刻とを、それぞれカメラID部103b、開始時刻部103d、終了時刻部103eから読み出す(ステップSP54)。そして、制御部105(第2の時刻送信手段)は、読み出したカメラID、開始時刻及び終了時刻を検索条件として検索サーバ200に送信する(ステップSP55)。なお、梱包IDの入力は、例えば、ラベル21またはラベル22の梱包ID421をハンディスキャナ107で読み取ることで行われるものとする。
また、特定条件として検証の対象となる時間(開始時刻及び終了時刻)が入力された場合(ステップSP52のNo→ステップSP61のYes)、制御部105は、入力された開始時刻と終了時刻がRAM103の開始時刻部103dと終了時刻部103eに記憶されているかを判断する(ステップSP62)。記憶されていると判断した場合(ステップSP62のYes)、当該開始時刻、終了時刻とともに、当該開始時刻と終了時刻と対応されてカメラID部103bに記憶されているカメラIDを読み出す(ステップSP63)。そして、制御部105(第2の時刻送信手段)は、読み出したカメラID、開始時刻及び終了時刻を検索条件として検索サーバ200に送信する(ステップSP64)。なお、開始時刻と終了時刻との入力は、例えば、入力手段であるキーボード109を介して行われるものとする。
また、特定条件として検証の対象となるユーザIDが入力されたと判断した場合(ステップSP52のNo→ステップSP61のNo→ステップSP71のYes)、制御部105は、入力されたユーザIDがユーザID部103cに記憶されているかを判断する(ステップSP72)。記憶されていると判断した場合は(ステップSP72のYes)、制御部105は、当該ユーザIDと対応して記憶されているカメラIDと開始時刻と終了時刻とを、それぞれカメラID部103b、開始時刻部103d、終了時刻部103eから読み出す(ステップSP73)。同一のユーザIDが複数個所に存在する場合は、すべての当該ユーザIDに対応した開始時刻と終了時刻をそれぞれを組で読み出す。そして、制御部105(第2の時刻送信手段)は、読み出したカメラID、開始時刻及び終了時刻を、検索条件として検索サーバ200に送信する(ステップSP74)。なお、ユーザIDの入力は、例えば、ラベル22のユーザID426をハンディスキャナ107で読み取ることで行われるものとする。
なお、梱包ID、時間(開始時刻、終了時刻)及びユーザIDの何れもが入力されないと判断した場合には(ステップSP52のNo→ステップSP61のNo→ステップSP71のNo)、制御部105は、そのまま処理を終了する。
次に、ステップSP55、ステップSP64、ステップSP74においてカメラIDと開始時刻と終了時刻を送信した後、映像データによる検証の指示ではないと判断した場合は(ステップSP51のNo)、制御部105は、検索サーバ200から映像データを受信したかを判断する(ステップSP81)。検証の指示がなかった場合(ステップSP51のNo)も同様である。受信したと判断した場合は(ステップSP81のYes)、制御部105は受信した映像データをRAM103に記憶する(ステップSP82)。っ制御部105は、記憶した映像は、キーボード109のキー操作によって図示しない表示器に表示する(映像出力手段)。また、制御部105は、映像データの受信ではないと判断した場合は(ステップSP81のNo)、制御部105は、所定時間が経過したかを判断し(ステップSP91)、経過するまでデータの受信を待機する(ステップSP91のNo)。所定時間を経過したと判断した場合は(ステップSP91のYes)、所定時間以内に映像データを受信しなかったとして、dらー処理を実行する(ステップSP92)。
なお、入力された梱包IDが記憶されていない場合や(ステップSP53のNo)、入力された開始時刻及び終了時刻が記憶されていない場合や(ステップSP62のNo)、入力されたユーザIDが記憶されていない場合も(ステップSP72のNo)、エラー処理を実行して(ステップSP94)処理を終了する。
図15は、検索サーバ200の機能を示す機能ブロック図である。図15において、制御部205がROM202やメモリ部204に記憶された各種プログラムに従うことで、映像記憶手段211、受信手段212、映像抽出手段213及び映像送信手段214を実現させる。
映像記憶手段211は、カメラ7により撮影された検品作業の映像を当該検品作業の実施時刻と対応付けて記憶する機能を有する。具体的には、映像記憶手段211は、カメラ7で撮影された検品作業の映像データを当該検品作業の実施時刻と対応付けて映像記憶部203aに記憶する機能を有する。受付手段は、検品作業の対象となった特定の物品についての検品開始時刻及び検品終了時刻の指定を受け付ける機能を有する。受信手段212は、管理サーバ100から、検索条件を受信する機能を有する。映像抽出手段213は、受付手段が受け付けた前記検品開始時刻及び前記検品終了時刻と、映像に対応付けられた実施時刻とに基づいて、当該検品開始時刻と検品終了時刻との間に撮影された映像を映像記憶手段から抽出する機能、または検品記憶手段が記憶した検品開始時刻及び検品終了時刻と、映像に対応付けられた実施時刻とに基づいて、当該検品開始時刻と検品終了時刻との間に撮影された映像を映像記憶手段から抽出する機能を有する。受信手段によって受信した検索条件に該当する映像データを、映像記憶部203aから抽出する機能を有する。映像出力手段は、映像抽出手段によって抽出された映像を出力する機能、または映像抽出手段によって抽出された映像を表示可能に出力する機能を有する。映像送信手段214は、映像抽出手段213によって抽出された映像データを管理サーバ100に送信する機能を有する。検品記憶手段215は、第1の時刻送信手段によって前記コード読取装置から送信された検品開始時刻と検品終了時刻とを記憶する機能を有する。
次に、図16フローチャートを用いて、検索サーバ200における制御処理の概要について説明する。検索サーバ200の制御部205が以下の制御を実行する。
制御部205(映像記憶手段211)は、カメラ7から映像データを受信したか否かを判断する(ステップSP101)。受信したと判断した場合は(ステップSP101のYes)、制御部205(映像記憶手段211)は、受信した、カメラID、映像データと映像を撮影を実施した時刻(例えば1秒単位で対応付ける)とを対応付けて記憶する(ステップSP102)。
カメラ7からのデータでないと判断した場合は(ステップSP101のNo)、次に制御部205(受診手段212)は、管理サーバ100から検索条件(カメラID、開始時刻、終了時刻)を受信したか否かを判断する(ステップSP111)。ここで、検索条件を受信したと判断した場合(ステップSP111のYes)、制御部205は、検索条件に含まれたカメラID、開始時刻及び終了時刻を記憶する(ステップSP112)。続いて、制御部205(映像抽出手段213)は、ステップSP112で記憶されたカメラID、開始時刻及び終了時刻の条件に該当する映像データを、映像記憶部203aから検索する(ステップSP113)。具体的には、制御部205(映像抽出手段213)は、カメラIDと対応付けて記憶された映像データの中に、受信した開始時刻と終了時刻との間の時間に撮影された映像データが存在するか否かを判断する。該当する映像データがあることを判断した場合(ステップSP114のYes)、制御部205(映像送信手段214)は、該当した映像データの部分を映像記憶部203aから抽出し(ステップSP115)、抽出した映像データを管理サーバ100に送信する(ステップSP116)。
映像データの送信は、梱包IDやユーザIDの単位で行う。例えば、梱包ID「234 456 789」に対応付けて1つの映像データを送信するしたり、ユーザID「Z000001」に対応付けて映像データを送信する。「Z000001」に対応して1つの映像データがある場合は1個の映像データを送信し、「Z000001」に対応して2個の映像データがある場合は2個の映像データを送信する。
検索した結果該当する映像データがない場合は(ステップSP114のNo)、制御部205は、エラー処理を実行し(ステップSP117)処理を終了する。また、管理サーバ100からデータ受信がない場合は(ステップSP111のNo)、処理を終了する。
以上のように、本実施の形態によれば、検索条件として指定された開始時刻と終了時刻とによって映像データを絞り込み、検証映像データとして出力(送信、表示出力)することができるため、箱詰ミスが発生した場合での原因究明を容易に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、計時した開始時刻と終了時刻とを、箱を特定する情報に対応して出力するようにしたため、箱を特定する情報を入力することで開始時刻と終了時刻を特定することができる。
また、本実施の形態によれば、計時した開始時刻と終了時刻とを、操作者を特定する情報に対応して出力するようにしたため、操作者を特定する情報を入力することでその操作者が検品したすべての検品作業の開始時刻と終了時刻を特定することができる。
なお、本実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば本実施の形態では、開始時刻と終了時刻ではさまれた映像データを抽出するために、梱包IDから抽出する、ユーザIDから抽出する、あるいは入力された開始時刻と終了時刻から抽出するようにしたが、この中のいずれか1つ、あるいはこの中の2つのうちのいずれか1つを用いて抽出するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、カメラIDを用いて検索したが、カメラIDは必ずしも必要ではなく、複数レーンが存在する場合であっても、開始時刻と終了時刻とで検索してもよい。また、本実施の形態では、複数のレーンと複数のカメラを配置した例としたが、レーンまたはカメラIDは1つ以上であればいくつであってもよい。
また、本実施の形態では、検品終了後にラベル22を出力し箱2に貼付する形態としたが、これに限らず、ラベル22の出力を行わない形態としてもよい。なお、この形態を再採用する場合には、ラベル21の梱包IDを用いて、検証映像の検索を行うものとする。
また、本実施の形態では、コード読取装置4の制御部400において、ラベル21から読み取られた物品データと、コード読取部46で読み取られた物品データとの一致確認を行う形態としたが、これに限らず、ハンディスキャナ42上において行う形態としてもよい。この形態を採用する場合、操作者は、ハンディスキャナ42を用いることで箱2内の物品から物品データを読み取る。ハンディスキャナ42の図示しない制御部では、ラベル21から読み取られた物品データと、自装置で読み取った物品データとを逐次比較し、全ての物品について一致が確認できた場合に、ラベル21に印字された物品が箱2に収納されていると判断する。なお、ハンディスキャナ42には、確認対象の物品のリストや一致確認の結果を表示するための表示部、当該結果を音声で報知するための音声出力部を備えることが好ましい。
また、本実施の形態では、確認対象の物品(物品データ)のリストをラベル21から取得することとしたが、これに限らず、外部装置(例えば、管理サーバ100等)から取得する形態としてもよい。具体的には、各箱2の梱包IDと、当該箱2内に収容されるべき物品の物品データとを対応付けた物品リストデータを管理サーバ100等の外部装置に格納しておき、ハンディスキャナ42によりラベル21から読み取った梱包IDに基づき、この梱包IDに対応付けられた物品データのリストを、外部装置から取得する形態としてもよい。なお、物品データの取得は、コード読取装置4が行ってもよいし、ハンディスキャナ42が通信部を備える場合には、ハンディスキャナ42が行ってもよい。また、この形態を採用する場合には、ラベル21から物品の名称422、物品データ423の表記を取り除く形態としてもよい。
また、本実施の形態では、コード読取装置4が検品を実施した物品データを記憶・管理することとしたが、これに限らず、管理サーバ100や検索サーバ200が物品データを記憶・管理する形態としてもよい。
また、本実施の形態では、管理サーバ100と検索サーバ200とを設けて説明したが、管理サーバと検索サーバとは物理的に分かれている必要はなく、一体となった一つのサーバであってもよい。
また、本実施の形態では、ネットスーパー等のパッキング時の検品について説明したが、例えばカメラの本体とレンズや付属部品の検品、といった、本体と部品の検品作業の分野でも適用可能である。
なお、本実施の形態の物品管理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施の形態の物品管理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の物品管理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
また、本実施の形態の物品管理装置で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。