JP2014083725A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロール体から巻き解かれた媒体の給送とロール体側への媒体の送り戻しとを適切に行うことができる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射装置11は、長尺状の用紙Sがロール状に巻き重ねられたロール体Rから巻き解かれた用紙Sに対してインクを噴射する液体噴射部50と、第1回転方向に回転することで用紙Sを液体噴射部50に向かう給送方向に給送する一方、第1回転方向の逆方向となる第2回転方向に回転することで用紙Sを給送方向と逆方向に送り戻す搬送ローラー40aと、搬送ローラー40aが第1回転方向に回転する場合には用紙Sを給送方向に給送するために回転する一方、搬送ローラー40aが第2回転方向に回転する場合には送り戻される用紙Sの移動に従動して回転する中間ローラー43と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロール紙などの長尺状の媒体に対して液体を噴射する液体噴射装置に関する。
従来から、液体を噴射する液体噴射装置として、円筒状に巻かれたロール紙(以下、ロール体という)を保持するとともに、そのロール体から巻き解かれた用紙に対してインクを噴射することで印刷を行うインクジェット式のプリンターがある。
こうしたプリンターには、給紙ローラーでロール体から巻き解かれた用紙を給送したり、ロール体を保持する回転ドラムを給送時とは逆方向に回転させることで、巻き解かれた用紙をロール体に巻き戻したりするものがある(例えば、特許文献1)。
特開2002−226103号公報
上述のようなプリンターにおける用紙の搬送経路には、2つ以上の給紙ローラーが配置されることが多いが、これら給紙ローラーは、その配置によって回転速度や材質等を変更することで用紙の搬送力を異ならせている場合がある。そして、こうした搬送力の違いは用紙を給送する場合を想定して設定されているため、用紙を送り戻す場合には、給紙ローラー間において用紙がたるんだり、用紙に過度な張力がかかったりするという問題が発生する虞がある。
なお、こうした課題は、ロール紙に対してインクを噴射するプリンターに限らず、ロール体から巻き解かれた媒体の給送と媒体の送り戻しとを行う液体噴射装置においては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロール体から巻き解かれた媒体の給送とロール体側への媒体の送り戻しとを適切に行うことができる液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、長尺状の媒体がロール状に巻き重ねられたロール体から巻き解かれた前記媒体に対して液体を噴射する液体噴射部と、第1回転方向に回転することで前記媒体を前記液体噴射部に向かう給送方向に給送する一方、前記第1回転方向の逆方向となる第2回転方向に回転することで前記媒体を前記給送方向と逆方向に送り戻す搬送ローラーと、該搬送ローラーが前記第1回転方向に回転する場合には前記媒体を前記給送方向に給送するために回転する一方、前記搬送ローラーが前記第2回転方向に回転する場合には送り戻される前記媒体の移動に従動して回転する給送ローラーと、を備える。
この構成によれば、媒体を液体噴射部に向けて給送する場合には、搬送ローラー及び給送ローラーが回転するので、適切な搬送力を確保することができる。また、媒体を送り戻す場合には、搬送ローラーが第2回転方向に回転する一方で給送ローラーは従動回転するので、媒体をたるませたり、媒体に過度な張力をかけたりすることなく、搬送ローラーによって媒体を適切に送り戻すことができる。したがって、ロール体から巻き解かれた媒体の給送とロール体側への媒体の送り戻しとを適切に行うことができる。
上記液体噴射装置は、前記搬送ローラーが前記第2回転方向に回転する場合に、前記媒体を前記ロール体側に巻き戻す巻き戻し方向に前記ロール体を回転させる回転部と、前記搬送ローラーが前記第1回転方向に回転する場合には該搬送ローラーとの間に前記媒体を挟持する一方、前記搬送ローラーが前記第2回転方向に回転する場合には前記媒体の搬送経路から離間した退避位置に移動する従動ローラーと、をさらに備え、前記給送ローラーは、前記搬送ローラーよりも前記給送方向における上流側に配置されている。
この構成によれば、搬送ローラーよりも給送方向における上流側に配置された給送ローラーが従動回転することで、ロール体と搬送ローラーとの間において媒体をたるませたり、媒体に過度な張力をかけたりすることなく、媒体を適切に巻き戻すことができる。また、媒体を送り戻す場合には従動ローラーが退避位置に移動するので、搬送ローラーと従動ローラーとによる媒体の挟持が解除される。したがって、回転部の回転によってロール体側に巻き戻される媒体の移動を妨げることなく、媒体を送り戻すことができる。
上記液体噴射装置は、常時は前記媒体の通過によって変位可能な状態で前記媒体と接触可能な検出位置に配置される一方、前記搬送ローラーが前記第2回転方向に回転する場合には前記検出位置から前記媒体の搬送経路から離間した非検出位置に変位する変位レバーと、前記媒体の通過に伴う前記変位レバーの変位を検出することで前記媒体の端部を検出する検出部と、をさらに備える。
この構成によれば、搬送ローラーが第2回転方向に回転する場合には、変位レバーが検出位置から非検出位置に変位するので、送り戻される媒体が変位レバーに引っかかるのを抑制することができる。
上記液体噴射装置は、前記搬送ローラーが前記第2回転方向に回転する場合に回転する回転軸をさらに備え、該回転軸が回転することで、前記搬送ローラーが前記第1回転方向に回転する場合には該搬送ローラーとの間に前記媒体を挟持する従動ローラーを前記媒体の搬送経路から離間した退避位置に移動させるとともに、前記変位レバーを前記非検出位置から前記検出位置に変位させる。
この構成によれば、回転軸の回転によって従動ローラーを退避位置に移動させるとともに変位レバーを非検出位置に変位させることができるので、従動ローラーの移動と変位レバーの変位とを同期させることができる。
上記液体噴射装置は、第1方向に駆動することで前記搬送ローラーを前記第1回転方向に回転させるとともに、第2方向に駆動することで前記搬送ローラーを前記第2回転方向に回転させる駆動源と、該駆動源が前記第1方向に駆動した場合には該駆動源の駆動力を前記給送ローラーに回転力として伝達する一方、前記駆動源が前記第2方向に駆動した場合には前記給送ローラーに前記駆動力を伝達しない動力伝達機構と、をさらに備える。
この構成によれば、駆動源が第1方向に駆動した場合には、動力伝達機構が駆動源の駆動力を給送ローラーに回転力として伝達するので、搬送ローラーと給送ローラーとを同じ駆動源で回転させることができる。
上記液体噴射装置において、前記動力伝達機構は、前記駆動源からの駆動力によって回転する太陽歯車と、該太陽歯車と噛合した状態で前記太陽歯車の回転中心を中心として周回移動可能な遊星歯車と、該遊星歯車を保持した状態で前記太陽歯車の回転中心を中心として回動可能な回動部材と、前記遊星歯車の回転を前記給送ローラーに伝達するための駆動歯車と、を有し、前記回動部材は、前記駆動源が前記第1方向に駆動した場合に前記遊星歯車を前記駆動歯車と噛合させる方向に回転する一方で、前記駆動源が前記第2方向に駆動した場合に前記遊星歯車の前記駆動歯車との噛合を解除させる方向に回転する。
この構成によれば、駆動源が第1方向に駆動した場合には、回動部材が遊星歯車を駆動歯車と噛合させる方向に回転するので、媒体の給送時には給送ローラーに回転力を伝達することができる。一方で、駆動源が第2方向に駆動した場合には回動部材が遊星歯車の駆動歯車との噛合を解除させる方向に回転するので、給送ローラーに回転力を伝達することなく、媒体を送り戻すことができる。
上記液体噴射装置において、前記搬送ローラーが前記第1回転方向に回転する場合に、前記給送ローラーは前記搬送ローラーよりも遅い回転速度で回転する。
この構成によれば、搬送ローラーが第1回転方向に回転する場合に給送ローラーは搬送ローラーよりも遅い回転速度で回転するので、媒体を給送するときに、搬送ローラーと給送ローラーとの間で媒体がたるむのを抑制することができる。
上記液体噴射装置は、前記給送ローラーよりも前記給送方向における上流側に配置される駆動ローラーと、前記給送ローラーよりも前記駆動ローラーの回転速度が遅くなるように、前記給送ローラーの回転を前記駆動ローラーに伝達するための歯車列と、をさらに備える。
この構成によれば、駆動ローラーと給送ローラーとの間には歯車列が介在しているので、駆動源が第2方向に駆動する場合には、給送ローラーから駆動ローラーに回転が伝達されない。そのため、媒体をたるませたり、媒体に過度な張力をかけたりすることなく、搬送ローラーの第2回転方向への回転によって媒体を適切に送り戻すことができる。また、歯車列は給送ローラーよりも駆動ローラーの回転速度が遅くなるように給送ローラーの回転を駆動ローラーに伝達するので、媒体を給送するときに、給送ローラーと駆動ローラーとの間で媒体がたるむのを抑制することができる。
一実施形態の液体噴射装置の斜視図。 保持フレームを引き出した液体噴射装置の斜視図。 液体噴射装置の概略構成を示す断面図。 搬送機構の構成を示す斜視図。 用紙を給送する場合の搬送機構を示す断面図。 用紙を送り戻す場合の搬送機構を示す断面図。 支持機構の構成を示す斜視図。 用紙が給送される前の支持機構を示す断面図。 用紙を給送する場合の支持機構を示す断面図。 用紙を送り戻す場合の支持機構を示す断面図。
以下、液体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置11は、略矩形箱状の筐体部12を備えている。筐体部12は、第1収容部13と、第1収容部13の上側に配置された第2収容部14と、第1収容部13の後側に配置された第3収容部15とを備えている。なお、本実施形態においては、重力方向に沿う上下方向Zと交差(本実施形態では直交)する第2収容部14と第3収容部15との並び方向を前後方向Yとする。また、上下方向Z及び前後方向Yと交差(本実施形態では直交)する第1収容部13及び第2収容部14の長手方向を幅方向Xとする。
第1収容部13には、保持フレーム16が引き出し可能に収容される。また、第1収容部13の前面側には、保持フレーム16の前端面16aと、前端面16aの上側に着脱可能に取り付けられた前面カバー17と、幅方向Xにおいて保持フレーム16の両側に回動可能に取り付けられた開閉カバー18とが露出している。
開閉カバー18は下端側に設けられた図示しない回動軸を中心に上端側が回動することで、図1に示す閉位置と、上端部が前方へ回動して内部が露出する開位置と開位置に配置される。そして、開閉カバー18が開位置に配置されると、液体の一例としてのインクを収容するインクカートリッジ19が着脱可能に装着されるカートリッジホルダー(図示略)が露出する。また、第2収容部14の前面側には、排出口20が形成されている。
図2に示すように、保持フレーム16には、媒体の一例としての長尺状の用紙Sが円筒状に巻き重ねられたロール体Rを、ロール体Rの軸心を中心とする回転が可能な状態で保持する媒体保持部22が設けられている。なお、媒体保持部22には複数の異なるサイズのロール体Rが交換可能に装填される。
媒体保持部22は、ロール体Rを支持するための支持軸22aと、支持軸22aに支持されたロール体Rの軸線方向(本実施形態では幅方向X)における端部を挟持した状態で支持軸22aと一体回動可能な一対のフランジ部23とを有している。なお、支持軸22aは、対をなす保持フレーム16の側壁部16bに回動自在に支持されている。また、対をなすフランジ部23のうち、幅方向Xにおける第1端側(図2では左側)のフランジ部23aは、支持軸22aに沿って幅方向Xに移動可能となっている。
ロール体Rを媒体保持部22にセットする場合には、図2に示すように筐体部12から前面カバー17を取り外した上で、保持フレーム16を筐体部12から前方に引き出す。そして、ロール体Rを支持軸22aに挿通するとともに、第1端側のフランジ部23aを第2端側(図1では右側)に移動させて、ロール体Rの両端側を第2端側のフランジ部23b(回転部の一例)との間に挟持する。
なお、本実施形態においては、媒体保持部22から第2収容部14側に向けて用紙Sを搬送することを「給送する」といい、媒体保持部22側から第2収容部14側に向かう用紙Sの搬送方向のことを「給送方向」、媒体保持部22から給送方向に延びる用紙Sの搬送経路のことを「給送経路」ということがある。
図3に示すように、保持フレーム16には、用紙Sを第2収容部14側に向けて給送するための給送機構24が保持されている。給送機構24は、駆動源である給送モーター26と、給送モーター26の駆動力を伝達するための動力伝達機構27と、用紙Sを挟持して給送する搬送ローラー対28,29とを備えている。また、保持フレーム16に設けられた用紙の搬送経路(給送経路)において、搬送ローラー対29の給送方向下流側には、搬送ローラー対30が配置されている。
搬送ローラー対28は、給送モーター26の駆動力によって回転する搬送ローラー28aと、搬送ローラー28aとの間に用紙Sを挟持する従動ローラー28bとによって構成されている。搬送ローラー対29は、給送モーター26の駆動力によって回転する搬送ローラー29aと、搬送ローラー29aとの間に用紙Sを挟持する従動ローラー29bとによって構成されている。そして、2つの搬送ローラー対28,29は、用紙Sの給送方向に沿って所定の間隔を有した状態で並ぶように設けられている。
用紙Sを第2収容部14側に給送する場合には、給送モーター26が第1方向に回転駆動することで、搬送ローラー28a,29aが図3における時計方向となる第1回転方向に回転する。そして、搬送ローラー28a,29aは、第1回転方向に回転することで、ロール体Rから用紙Sを巻き解かせて、第2収容部14側に向けて給送する。なお、用紙Sの給送時には、給送モーター26が間欠駆動することで、搬送ローラー対29と搬送ローラー対30との間において用紙Sはたるんだ状態が保持される。
一方、給送モーター26が第1方向と逆方向となる第2方向に回転駆動することで、搬送ローラー28a,29aが図3における反時計方向となる第2回転方向に回転して、用紙Sを給送方向と逆方向に送り戻す。なお、給送モーター26が第2方向に回転駆動する場合には、給送モーター26の駆動力がフランジ部23bにも伝達され、ロール体Rが図3における反時計方向に回転されることで、送り戻された用紙Sがロール体Rに巻き取られる。
第2収容部14には、用紙Sを排出口20に向けて搬送するための搬送機構34と、搬送機構34によって搬送される用紙Sにインクを噴射することで記録を行う記録部35と、インクが付着した用紙Sを乾燥させるためのヒーター36と、用紙Sを切断するためのカッター37とが収容されている。
搬送機構34は、駆動源の一例としての搬送モーター38と、搬送モーター38の駆動力を伝達するための動力伝達機構39と、用紙Sを挟持して搬送する搬送ローラー対30,40,41,42と、中間ローラー43と、排出ローラー44とを備えている。なお、中間ローラー43及び排出ローラー44は、搬送モーター38の駆動力によって回転可能な構成となっている。
搬送ローラー対30は、搬送ローラー30aと、搬送ローラー30aと対をなす従動ローラー30bとによって構成されている。また、搬送ローラー30aは駆動軸30cに支持されている。
搬送ローラー対40は、搬送ローラー40aと、搬送ローラー40aと対をなす従動ローラー40bとによって構成されている。なお、搬送ローラー40aは、用紙Sに当接するローラー部と駆動軸とが一体形成されたスマップローラーである。
搬送ローラー対41は、搬送ローラー41aを有しているとともに、搬送ローラー41aは駆動軸41cに支持されている。また、搬送ローラー対42は、搬送ローラー42aを有しているとともに、搬送ローラー42aは駆動軸42cに支持されている。
排出ローラー44は、駆動軸44cに支持されている。また、中間ローラー43は、駆動軸43cに支持されているとともに、その径が搬送ローラー30a,40a,41a,42a及び排出ローラー44よりも大きく形成されている。そして、搬送ローラー40a及び駆動軸30c,41c,42c,43c,44cは、搬送モーター38の駆動力によって回転可能な構成となっている。
なお、搬送機構34においては、搬送ローラー40aの回転速度は中間ローラー43の回転速度よりも速くなるように設定されているとともに、中間ローラー43の回転速度は搬送ローラー30aの回転速度よりも速くなるように設定されている。すなわち、動力伝達機構39は、搬送ローラー40a、中間ローラー43、搬送ローラー30aの順に回転速度が速くなるように、搬送モーター38の駆動力を回転力として搬送ローラー40a及び駆動軸30c,43cに伝達する。
用紙Sの搬送経路沿いには、用紙Sの搬送方向において中間ローラー43と搬送ローラー対40との間となる位置に、幅方向Xに延びる支持機構31が配置されている。支持機構31には、用紙Sの端部を検出するための変位レバー32が回動可能に支持されている。また、支持機構31には、変位レバー32の回動を検出するための検出部33が設けられている。
変位レバー32は、常時は用紙Sの通過によって変位可能な状態で用紙Sと接触可能な検出位置に配置される。また、搬送機構34によって中間ローラー43側から搬送ローラー対40側に向けて搬送される用紙Sの先端が変位レバー32の下端側を押圧することで、変位レバー32を図3における反時計方向に回転させる。そして、用紙Sの通過に伴う変位レバー32の変位を検出部33が検出することで、用紙Sの端部が検出される。
記録部35は、幅方向Xに沿って延びるガイドレール45と、幅方向Xに往復移動可能な状態でガイドレール45に保持されたキャリッジ46と、キャリッジ46をガイドレール45に沿って移動させるための駆動源であるキャリッジモーター47とを備えている。
さらに、記録部35は、幅方向Xに所定距離を離れて配置された一対のプーリー48(図3では一方のみ図示)と、一対のプーリー48に巻き掛けられた無端状のタイミングベルト49とを備えている。また、一方のプーリー48は、キャリッジモーター47の出力軸に連結されている。そして、キャリッジモーター47が正逆転駆動されることにより、タイミングベルト49の一部に固定されたキャリッジ46がガイドレール45に沿って往復移動する。
キャリッジ46の下部には、ロール体Rから巻き解かれた用紙Sに対してインクを噴射可能な液体噴射部50が保持されている。液体噴射部50の下面側には、複数の液体噴射ノズル50aが開口している。また、キャリッジ46の下方には、搬送経路に沿って配置された搬送ローラー対40と搬送ローラー対41との間に、用紙Sを支持するための支持部材51が配置されている。
支持部材51の前後方向Yにおける一定範囲は印刷領域とされている。また、用紙Sの先端位置が検出部33によって検出されると、用紙Sは印刷領域単位で搬送機構34によって間欠的に搬送される。そして、支持部材51上に停止した用紙Sに対して、往復移動するキャリッジ46に保持された液体噴射部50の液体噴射ノズル50aからインクが噴射されることで、用紙Sに印刷が施される。
なお、媒体保持部22に保持されたロール体Rから用紙Sが全て巻き解かれ、用紙Sの後端が変位レバー32を通過すると、変位レバー32は図3における時計方向に回転して検出位置に戻る。そして、検出部33が変位レバー32の変位を検出することで、用紙Sの後端位置が検出される。また、検出部33が用紙Sの後端位置を検出すると、印刷が停止される。
記録部35において記録(印刷)が施された用紙Sは、板状のヒーター36の上面に沿って搬送されることで乾燥される。なお、ヒーター36の上方には、用紙Sを押さえるための押圧ローラー52と排出ローラー44とが設けられている。
ヒーター36上を通過した乾燥後の用紙Sは、記録が施された部分が単位長さ毎にカッター37によって切断されることで、単票紙CPとなる。また、記録が完了した単票紙CPは排出口20を通じて筐体部12外に排出される。
次に、動力伝達機構39の構成について説明する。
動力伝達機構39は、搬送機構34の幅方向Xにおける第1端側に配置されている。
図4に示すように、搬送モーター38の出力軸38aには第1ベルト車38bが固定されているとともに、搬送ローラー40aの幅方向Xにおける第1端側には第2ベルト車82が固定されている。
第1ベルト車38b及び第2ベルト車82には、ベルト83が巻き掛けられている。そして、搬送モーター38の駆動に伴って出力軸38a及び第1ベルト車38bが回転すると、ベルト83が周回移動することで第2ベルト車82が回転される。
駆動軸30cの端部には駆動歯車30dが、搬送ローラー40aの端部付近には駆動歯車40dが、駆動軸41cの端部には駆動歯車41dが、駆動軸42cの端部付近には駆動歯車42d,42eが、駆動軸43cの端部付近には駆動歯車43dが、駆動軸44cの端部には駆動歯車44dがそれぞれ固定されている。
第2ベルト車82の外周部には、歯部82aが形成されている。第2ベルト車82の歯部82a及び駆動歯車42eには第1中継歯車84が噛合している。また、駆動歯車42d及び駆動歯車41dには第2中継歯車85が噛合している。そして、第2ベルト車82の回転は第1中継歯車84及び駆動歯車42eを介して駆動軸42cに伝達されるとともに、駆動軸42cの回転は駆動歯車42d、第2中継歯車85及び駆動歯車41dを介して駆動軸41cに伝達される。
駆動歯車42eには、第1複合歯車86の大径歯部86aが噛合しているとともに、第1複合歯車86の小径歯部86bには、駆動歯車44dと噛合する第3中継歯車87が噛合している。そして、駆動軸42cの回転は、駆動歯車42e、第1複合歯車86、第3中継歯車87及び駆動歯車44dを介して駆動軸44cに伝達される。そのため、搬送モーター38が駆動すると、搬送ローラー40a,41a,42a及び排出ローラー44が回転する。
動力伝達機構39は、搬送ローラー40aの回転を駆動軸43cに伝達可能な遊星歯車機構88を備えている。遊星歯車機構88は、駆動歯車40dに噛合する第4中継歯車89と、第4中継歯車89と噛合する太陽歯車90と、遊星歯車91と、第1端側に遊星歯車91を支持して太陽歯車90の周りを公転させる回動部材92とを備えている。
遊星歯車91は、太陽歯車90に設けられた小径歯部90aと噛合している。また、第4中継歯車89には、回動部材92の回動を規制するための円筒状の規制部89aが突設されている。そして、回動部材92の第2端側には、規制部89aに当接可能な第1突部92aと第2突部92bとが形成されている。
搬送モーター38からの駆動力によって太陽歯車90が回転すると、回動部材92は遊星歯車91を保持した状態で、太陽歯車90の回転中心を中心として回転する。また、遊星歯車91は、回動部材92の回転に伴って、太陽歯車90と噛合した状態で太陽歯車90の回転中心を中心として周回移動する。そして、回動部材92の第1突部92aまたは第2突部92bが第4中継歯車89の規制部89aに当接すると、回動部材92の回転が規制される。
駆動歯車43dと駆動歯車30dとの間には、歯車列93が介在している。歯車列93は、平歯車94,95と、第2複合歯車96と、回動軸97に支持された歯車97a,97bと、歯車97b及び駆動歯車30dに噛合する第5中継歯車98とによって構成されている。平歯車94は駆動歯車43d及び平歯車95に噛合している。また、第2複合歯車96の小径歯車96aは平歯車95に噛合しているとともに、第2複合歯車96の大径歯車96bは歯車97aに噛合している。
そして、回動部材92の第1突部92aが第4中継歯車89の規制部89aに当接することで回動部材92の回転が規制された状態で太陽歯車90が回転すると、遊星歯車91が駆動歯車43dに噛合した状態で回転(自転)する。
また、遊星歯車91が駆動歯車43dに噛合した状態で回転すると、中間ローラー43が回転するとともに、歯車列93を介して駆動歯車43dの回転が駆動歯車30dに伝達されることで、搬送ローラー30aが回転する。すなわち、駆動歯車43dは、遊星歯車91の回転を中間ローラー43に伝達する。なお、歯車列93は、中間ローラー43よりも搬送ローラー30aの回転速度が遅くなるように、中間ローラー43の回転を搬送ローラー30aに伝達する。
次に、動力伝達機構39の動作について説明する。
図5に示すように、用紙の搬送経路(給送経路)において、搬送ローラー30aと中間ローラー43との間となる位置には、用紙Sの待機位置P1が設定されている。そして、用紙Sを給送方向Fに搬送(給送)する場合には、搬送モーター38が正方向となる第1方向に回転駆動する。一方で、印刷が終了した場合などには、搬送モーター38が第1方向と逆方向となる第2方向に回転駆動することで用紙Sが送り戻され、用紙Sの先端が待機位置P1に配置される。
まず、搬送モーター38が第1方向に回転駆動した場合には、第2ベルト車82及び搬送ローラー40aが図5に矢印で示す第1回転方向D1(図5における反時計方向)に回転する。また、搬送ローラー40aの回転が第1中継歯車84及び駆動歯車42eを介して駆動軸42cに伝達されることで、搬送ローラー42aが第1回転方向D1(図5における反時計方向)に回転する。
続いて、駆動軸42cの回転が駆動歯車42d、第2中継歯車85及び駆動歯車41dを介して駆動軸41cに伝達されることで、搬送ローラー41aが第1回転方向D1(図5における反時計方向)に回転する。また、駆動軸42cの回転が第1複合歯車86、第3中継歯車87及び駆動歯車44dを介して駆動軸44cに伝達されることで、排出ローラー44が第1回転方向D1(図5における時計方向)に回転する。
さらに、搬送ローラー40aとともに駆動歯車40dが第1回転方向D1に回転すると、第4中継歯車89を介して回転力が伝達された太陽歯車90が図5において反時計方向となる方向に回転する。すると、太陽歯車90の回転に伴って、回動部材92が一端側に保持した遊星歯車91を駆動歯車43dと噛合させる方向(図5における反時計方向)に回転する。
図5における反時計方向に回転した回動部材92は、第1突部92aが規制部89aに当接することで、その回転が規制される。このとき、遊星歯車91は駆動歯車43dと噛合した状態になる。そして、駆動歯車43dと噛合した状態で遊星歯車91が回転することで、中間ローラー43が第1回転方向D1(図5における反時計方向)に回転する。また、駆動歯車43dの回転が歯車列93及び駆動歯車30dを介して駆動軸30cに伝達されることで、搬送ローラー30aが第1回転方向D1(図5における反時計方向)に回転する。
このように、搬送モーター38が第1方向に回転駆動した場合には、搬送ローラー30a、中間ローラー43、搬送ローラー40a,41a,42a及び排出ローラー44が第1回転方向D1に回転することで、用紙Sを給送方向Fに搬送する。
次に、搬送モーター38が第2方向に回転駆動した場合について説明する。
図6に示すように、搬送モーター38が第2方向に回転駆動した場合には、第2ベルト車82及び搬送ローラー40aが第2回転方向D2(図6における時計方向)に回転する。なお、第2回転方向D2は、図5に示す第1回転方向D1の逆方向となる。また、搬送ローラー40aの回転が第1中継歯車84及び駆動歯車42eを介して駆動軸42cに伝達されることで、搬送ローラー42aが第2回転方向D2(図6における時計方向)に回転する。
続いて、駆動軸42cの回転が駆動歯車42d、第2中継歯車85及び駆動歯車41dを介して駆動軸41cに伝達されることで、搬送ローラー41aが第2回転方向D2(図6における時計方向)に回転する。また、駆動軸42cの回転が第1複合歯車86、第3中継歯車87及び駆動歯車44dを介して駆動軸44cに伝達されることで、排出ローラー44が第2回転方向D2(図6における反時計方向)に回転する。
さらに、搬送ローラー40aとともに駆動歯車40dが第2回転方向D2に回転すると、第4中継歯車89を介して回転力が伝達された太陽歯車90が図6において時計方向となる方向に回転する。すると、太陽歯車90の回転に伴って、回動部材92が一端側に保持した遊星歯車91を駆動歯車43dとの噛合を解除させる方向(図6における時計方向)に回転する。
図6における時計方向に回転した回動部材92は、第2突部92bが規制部89aに当接することで、その回転が規制される。このとき、遊星歯車91は駆動歯車43dとの噛合が解除された状態になる。そして、遊星歯車91の駆動歯車43dとの噛合が解除されると、搬送モーター38の駆動力は中間ローラー43及び搬送ローラー30aには伝達されなくなる。
このように、回動部材92は、搬送モーター38が第1方向に駆動した場合に遊星歯車91を駆動歯車43dと噛合させる方向に回転する一方で、搬送モーター38が第2方向に駆動した場合に遊星歯車91の駆動歯車43dとの噛合を解除させる方向に回転する。
そのため、搬送モーター38が第2方向に回転駆動した場合には、搬送ローラー40a,41a,42a及び排出ローラー44が第2回転方向D2に回転することで用紙Sを送り戻す。このとき、搬送ローラー30a及び中間ローラー43は搬送モーター38の駆動力によっては回転せず、搬送ローラー40a等によって送り戻される用紙Sの移動に従動して回転する。
次に、支持機構31の構成について説明する。
図7に示すように、支持機構31は、変位レバー32を回動可能な状態で支持する固定支持部100と、従動ローラー40bを回動可能な状態で支持する可動支持部101とを備えている。なお、図7においては、変位レバー32の構成を明示するために、固定支持部100に設けられた変位レバー32を支持するためのレバー支持部の図示を省略している。
固定支持部100は、図示しない駆動源によって回転される回転軸102を回転可能な状態で支持している。なお、図7においては、回転軸102の構成を明示するために、固定支持部100に設けられた回転軸102を支持するための回転軸支持部の図示を省略している。
変位レバー32の回転軸部32aは、回転軸102と軸線方向が一致するように配置されている。また、変位レバー32の上端側には、検出部33と対応する位置に検出突部32bが突設されている。
変位レバー32の回転軸部32aには、変位レバー32の下端側を検出位置に向かう方向に向けて付勢するための第1付勢部材103が取り付けられている。そして、変位レバー32は外力を受けない状態においては、第1付勢部材103の付勢力によって検出位置に配置されている。なお、本実施形態の第1付勢部材103は、コイル部103a並びにコイル部103aから延びる第1の腕部103b及び第2の腕部103cを有するねじりコイルばねである。
第1付勢部材103のコイル部103aは回転軸部32aに挿貫されているとともに、第1の腕部103bは図示しないレバー支持部に係止されている。また、第1付勢部材103のコイル部103aから延びる第2の腕部103cは、変位レバー32に設けられた係止突部32cに係止されている。
回転軸102には、カム部材104が一体回転可能に取り付けられている。また、回転軸102の幅方向Xにおける第2端側には、第2付勢部材105と係止部材106とが取り付けられている。なお、本実施形態の第2付勢部材105は、コイル部105a並びにコイル部105aから延びる第1の腕部105b及び第2の腕部105cを有するねじりコイルばねである。
第2付勢部材105のコイル部105aは回転軸102に挿貫されている。また、第2付勢部材105の第1の腕部105bは、回転軸102の幅方向Xにおける端部に取り付けられた係止部材106に係止されている一方、第2付勢部材105の第2の腕部105cは、変位レバー32に設けられた係止部32dに係止されている。
可動支持部101は、図示しない支持部によって軸部101aを中心に回動自在な状態で支持されている。可動支持部101には、前後方向Yにおける第1端側(給送方向Fにおける下流側)に、従動ローラー40bを支持するローラー支持部101bが設けられている。また、可動支持部101の上側には、可動支持部101の上面側に重なるように押圧板107が配置されている。
可動支持部101には、前後方向Yにおいて軸部101aとローラー支持部101bとの間となる位置に、押圧板107を係止する係止突部101dが突設されている。また、可動支持部101には変位レバー32を挿通するための第1挿通孔101cが形成されている。
押圧板107には、変位レバー32を挿通するための第2挿通孔107aが形成されている。また、押圧板107には、前後方向Yにおける第1端側(給送方向Fにおける下流側)に、可動支持部101のローラー支持部101bと係合する係合部107bが形成されている。
可動支持部101と固定支持部100との間には、第3付勢部材108が設けられている。なお、本実施形態の第3付勢部材108は、コイル部108a並びにコイル部108aから延びる第1の腕部108b及び第2の腕部108cを有するねじりコイルばねである。
第3付勢部材108のコイル部108aは押圧板107の上側に配置されている。また、第3付勢部材108の第1の腕部108bは固定支持部100に係止されている一方、第3付勢部材108の第2の腕部108cは可動支持部101のローラー支持部101b及び押圧板107の係合部107bに係合している。そして、第3付勢部材108は可動支持部101及び押圧板107の前後方向Yにおける第1端側(給送方向Fにおける下流側)を下方に向けて付勢している。
押圧板107には、第3付勢部材108のコイル部108aと対応する位置に、貫通孔107cが形成されている。そして、押圧板107は、前後方向Yにおいて貫通孔107cと係合部107bとの間の板状をなす部分が第1端側に向けて低くなるように傾斜している一方で、係合部107bは前後方向Yにおける第1端側に向けて高くなるように傾斜している。また、押圧板107は前後方向Yにおける第2端側(給送方向Fにおける上流側)の端部が回転軸102に取り付けられたカム部材104と対応する位置に配置されている。
次に、支持機構31の動作について説明する。
図8に示すように、可動支持部101及び押圧板107は、第3付勢部材108によって前後方向Yにおける第1端側(図8における右端側)が下方に向けて付勢されている。そのため、可動支持部101の第1端側に支持された従動ローラー40bは、常時は搬送ローラー40aとの間に用紙Sを挟持可能な位置に配置されている。
また、変位レバー32は、第1付勢部材103の付勢力によって図8に示す検出位置に配置されている。この状態において、検出部33は変位レバー32の検出突部32bを検出している。
そして、図9に示すように、搬送モーター38が第1方向に回転駆動して用紙Sが給送方向Fに給送されると、用紙Sの先端が変位レバー32の下端側を押圧して回転させる。すると、変位レバー32の検出突部32bが検出部33によって検出されなくなる。すなわち、検出部33が検出突部32bの検出状態から非検出状態への変化を検出することで、用紙Sの先端位置が検出される。
また、用紙Sの印刷が終了すると、用紙Sを給送方向Fと逆方向に送り戻すために、搬送モーター38が第2方向に回転駆動する。そして、搬送モーター38が第2方向に回転駆動するときには、回転軸102が図示しない駆動源の駆動力によって図9における反時計方向に回転される。
そして、図10に示すように回転軸102が回転すると、回転軸102とともに回転するカム部材104が押圧板107の前後方向Yにおける第2端側(図10における左端側)の端部を押圧する。すると、押圧板107は前後方向Yにおける第1端側(図10における右側)に向けて移動して、係合部107bが可動支持部101のローラー支持部101bに乗り上げる。
このとき、第3付勢部材108の第2の腕部108cが押圧板107の係合部107bに押し上げられることで、可動支持部101は軸部101aを中心に図10における反時計方向に回転する。これにより、可動支持部101のローラー支持部101bに支持された従動ローラー40bが用紙Sの搬送経路から離間した退避位置(図10に示す位置)に移動する。
また、回転軸102が回転すると、回転軸102に取り付けられた係止部材106が第2付勢部材105を介して変位レバー32の係止部32dを押圧する。すると、変位レバー32は図10における反時計方向に回転して、下端側が用紙Sの搬送経路から離間した非検出位置(図10に示す位置)に配置される。
次に、以上のように構成された液体噴射装置11の作用について説明する。
搬送モーター38は、第1方向に駆動することで搬送ローラー40aを第1回転方向D1に回転させる。そして、搬送ローラー40aは、第1回転方向D1に回転することで用紙Sを液体噴射部50に向かう給送方向Fに給送する。
また、動力伝達機構39は、搬送モーター38が第1方向に駆動した場合には搬送モーター38の駆動力を中間ローラー43に回転力として伝達する。そのため、中間ローラー43及び搬送ローラー30aは、搬送ローラー40aが第1回転方向D1に回転する場合には用紙Sを給送方向Fに給送するために回転する。
なお、用紙Sの給送時には、給送モーター26が間欠駆動されることで、搬送ローラー対29と搬送ローラー対30との間において用紙Sがたるんだ状態で保持される。また、搬送ローラー40aが第1回転方向D1に回転する用紙Sの給送時に、中間ローラー43は搬送ローラー40aよりも遅い回転速度で回転するとともに、搬送ローラー30aは中間ローラー43よりも遅い回転速度で回転する。そのため、搬送ローラー対30と搬送ローラー対40との間において、用紙Sは適度に張力が付与された状態で、液体噴射部50側に向けて給送される。
一方、搬送モーター38は第2方向に駆動することで搬送ローラー40aを第2回転方向D2に回転させる。そして、搬送ローラー40aは、第1回転方向D1の逆方向となる第2回転方向D2に回転することで用紙Sを給送方向Fと逆方向に送り戻す。
なお、搬送ローラー40aが第2回転方向D2に回転する場合には、搬送ローラー28a,29aが第2回転方向に回転して用紙Sを媒体保持部22側に送り戻すとともに、フランジ部23bが用紙Sをロール体R側に巻き戻す巻き戻し方向にロール体Rを回転させて、用紙Sを巻き取る。
また、動力伝達機構39は、搬送モーター38が第2方向に駆動した場合には中間ローラー43に駆動力を伝達しない。そのため、中間ローラー43及び搬送ローラー30aは、搬送ローラー40aが第2回転方向に回転する場合には送り戻される用紙Sの移動に従動して回転する。
ここで、中間ローラー43は搬送ローラー40aよりも給送方向Fにおける上流側に配置されているとともに、搬送ローラー30aは中間ローラー43よりも給送方向Fにおける上流側に配置されている。すなわち、中間ローラー43及び搬送ローラー30aは、用紙Sを送り戻すときに給送モーター26の駆動力によって回転する搬送ローラー29aと搬送モーター38の駆動力によって回転する搬送ローラー40aとの間に配置されている。
そのため、用紙Sを送り戻すときに中間ローラー43及び搬送ローラー30aが搬送モーター38の駆動力によって搬送ローラー40aよりも遅い回転速度で回転した場合には、用紙Sを送り戻す妨げになってしまう虞がある。その点、本実施形態においては、用紙Sを送り戻すときに中間ローラー43及び搬送ローラー30aが従動回転するので、用紙Sの搬送を妨げない。
なお、用紙Sは中間ローラー43に巻き掛けられるような態様で搬送される。そのため、用紙Sを送り戻す場合に中間ローラー43が搬送モーター38の駆動力によって搬送ローラー40aと異なる回転速度で回転すると、特に用紙Sの搬送を妨げる虞がある。その点、本実施形態においては、中間ローラー43が従動回転することで、用紙Sの送り戻しをスムーズに行うことが可能になる。
また、印刷が終了した場合に用紙Sの先端を待機位置P1まで送り戻しておくので、中間ローラー43に巻き掛けられた状態で保持されることによって用紙Sに巻きぐせが付くことが抑制される。さらに、用紙Sの先端を第1収容部13内の待機位置P1まで送り戻しておくことで、用紙Sに負荷をかけることなく保持フレーム16を引き出すことが可能になる。
また、搬送ローラー40aと対をなす従動ローラー40bは、搬送ローラー40aが第1回転方向D1に回転する場合には搬送ローラー40aとの間に用紙Sを挟持する一方、搬送ローラー40aが第2回転方向D2に回転する場合には用紙Sの搬送経路から離間した退避位置に移動する。そのため、用紙Sを給送する場合には搬送力を適切に確保する一方で、用紙Sを第1収容部13側に送り戻す場合には用紙Sの挟持を解除して、給送機構24によって巻き取られる用紙Sの移動を妨げないようにすることが可能になる。
さらに、搬送ローラー40aが第2回転方向D2に回転する場合には、搬送経路上に配置された変位レバー32が検出位置から非検出位置に変位する。そのため、送り戻される用紙Sが変位レバー32に引っかかりにくい。
なお、搬送ローラー40aが第2回転方向D2に回転する場合には、回転軸102が回転することで、従動ローラー40bを退避位置に移動させるとともに、変位レバー32を非検出位置から検出位置に変位させる。
このとき、従動ローラー40bはカム部材104、押圧板107、可動支持部101及び第3付勢部材108を介して移動する一方で、変位レバー32は係止部材106及び第2付勢部材105を介して変位する。そのため、用紙Sの通過時には従動ローラー40bを移動させることなく変位レバー32を変位させることができるとともに、用紙Sを送り戻す場合には従動ローラー40bの移動と変位レバー32の変位とを同期させることが可能になる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)用紙Sを液体噴射部50に向けて給送する場合には、搬送ローラー40a及び中間ローラー43が回転するので、適切な搬送力を確保することができる。また、用紙Sを送り戻す場合には、搬送ローラー40aが第2回転方向D2に回転する一方で中間ローラー43は従動回転するので、用紙Sをたるませたり、用紙Sに過度な張力をかけたりすることなく、搬送ローラー40aによって用紙Sを適切に送り戻すことができる。したがって、ロール体Rから巻き解かれた用紙Sの給送とロール体R側への用紙Sの送り戻しとを適切に行うことができる。
(2)搬送ローラー40aよりも給送方向Fにおける上流側に配置された中間ローラー43が従動回転することで、ロール体Rと搬送ローラー40aとの間において用紙Sをたるませたり、用紙Sに過度な張力をかけたりすることなく、用紙Sを適切に巻き戻すことができる。また、用紙Sを送り戻す場合には従動ローラー40bが退避位置に移動するので、搬送ローラー40aと従動ローラー40bとによる用紙Sの挟持が解除される。したがって、フランジ部23bの回転によってロール体R側に巻き戻される用紙Sの移動を妨げることなく、用紙Sを送り戻すことができる。
(3)搬送ローラー40aが第2回転方向D2に回転する場合には、変位レバー32が検出位置から非検出位置に変位するので、送り戻される用紙Sが変位レバー32に引っかかるのを抑制することができる。
(4)回転軸102の回転によって従動ローラー40bを退避位置に移動させるとともに変位レバー32を非検出位置に変位させることができるので、従動ローラー40bの移動と変位レバー32の変位とを同期させることができる。
(5)搬送モーター38が第1方向に駆動した場合には、動力伝達機構39が搬送モーター38の駆動力を中間ローラー43に回転力として伝達するので、搬送ローラー40aと中間ローラー43とを同じ搬送モーター38で回転させることができる。
(6)搬送モーター38が第1方向に駆動した場合には、回動部材92が遊星歯車91を駆動歯車43dと噛合させる方向に回転するので、用紙Sの給送時には中間ローラー43に回転力を伝達することができる。一方で、搬送モーター38が第2方向に駆動した場合には回動部材92が遊星歯車91の駆動歯車43dとの噛合を解除させる方向に回転するので、中間ローラー43に回転力を伝達することなく、用紙Sを送り戻すことができる。
(7)搬送ローラー40aが第1回転方向D1に回転する場合に中間ローラー43は搬送ローラー40aよりも遅い回転速度で回転するので、用紙Sを給送するときに、搬送ローラー40aと中間ローラー43との間で用紙Sがたるむのを抑制することができる。
(8)搬送ローラー30aと中間ローラー43との間には歯車列93が介在しているので、搬送モーター38が第2方向に駆動する場合には、中間ローラー43から搬送ローラー30aに回転が伝達されない。そのため、用紙Sをたるませたり、用紙Sに過度な張力をかけたりすることなく、搬送ローラー40aの第2回転方向D2への回転によって用紙Sを適切に送り戻すことができる。また、歯車列93は中間ローラー43よりも搬送ローラー30aの回転速度が遅くなるように中間ローラー43の回転を搬送ローラー30aに伝達するので、用紙Sを給送するときに、中間ローラー43と搬送ローラー30aとの間で用紙Sがたるむのを抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・従動ローラーと対をなす搬送ローラーや中間ローラーの数や配置は任意に変更することができる。
・中間ローラー43の回転速度を搬送ローラー30aと同じにしてもよいし、搬送ローラー30aの回転速度を搬送ローラー40aと同じにしてもよい。
・第1付勢部材103、第2付勢部材105及び第3付勢部材108はねじりコイルばねでなくてもよく、板ばねやゴム部材など、任意の付勢部材に変更することができる。
・用紙Sの給送時に、給送モーター26の駆動力によってフランジ部23bが回転するようにしてもよい。
・従動ローラー40bが退避位置に移動しない構成としてもよい。
・変位レバー32を備えない構成としてもよい。
・変位レバー32が非接触位置に変位しない構成としてもよい。
・変位レバー32を変位させるための駆動源を、従動ローラー40bを移動させるための駆動源とは別に設けてもよい。
・搬送ローラー30aと搬送ローラー40aを別の駆動源の駆動力によって回転させるようにしてもよいし、搬送ローラー40aと中間ローラー43を別の駆動源の駆動力によって回転させるようにしてもよい。
・動力伝達機構39が遊星歯車機構88を備えない構成としてもよい。この場合には、遊星歯車機構88の代わりにクラッチ機構を備えて、クラッチの切り替えによって中間ローラー43への回転力の伝達状態の切り替えを行うようにしてもよい。
・媒体保持部22は、支持軸22a(スピンドル)を備えず、フランジ部23でロール体Rを回動可能に保持するスピンドルレスの方式を採用してもよい。
・駆動源はモーターに限らず、熱機関などの原動機の駆動によって回転力を得るようにしてもよい。
・保持フレーム16が筐体部12から引き出し可能な構成でなくてもよい。
・媒体保持部22と液体噴射部50とが筐体部12の同じ収容部内に収容される構成としてもよい。
・用紙Sの搬送経路の形状は任意に変更することができる。
・上記各実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
11…液体噴射装置、23b…回転部の一例としてのフランジ部、30a…駆動ローラーの一例としての搬送ローラー、32…変位レバー、33…検出部、38…駆動源の一例としての搬送モーター、39…動力伝達機構、40a…搬送ローラー、40b…従動ローラー、43…給送ローラーの一例としての中間ローラー、43d…駆動歯車、50…液体噴射部、90…太陽歯車、91…遊星歯車、92…回動部材、93…歯車列、102…回転軸、D1…第1回転方向、D2…第2回転方向、F…給送方向、R…ロール体、S…媒体の一例としての用紙。

Claims (8)

  1. 長尺状の媒体がロール状に巻き重ねられたロール体から巻き解かれた前記媒体に対して液体を噴射する液体噴射部と、
    第1回転方向に回転することで前記媒体を前記液体噴射部に向かう給送方向に給送する一方、前記第1回転方向の逆方向となる第2回転方向に回転することで前記媒体を前記給送方向と逆方向に送り戻す搬送ローラーと、
    該搬送ローラーが前記第1回転方向に回転する場合には前記媒体を前記給送方向に給送するために回転する一方、前記搬送ローラーが前記第2回転方向に回転する場合には送り戻される前記媒体の移動に従動して回転する給送ローラーと、
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記搬送ローラーが前記第2回転方向に回転する場合に、前記媒体を前記ロール体側に巻き戻す巻き戻し方向に前記ロール体を回転させる回転部と、
    前記搬送ローラーが前記第1回転方向に回転する場合には該搬送ローラーとの間に前記媒体を挟持する一方、前記搬送ローラーが前記第2回転方向に回転する場合には前記媒体の搬送経路から離間した退避位置に移動する従動ローラーと、をさらに備え、
    前記給送ローラーは、前記搬送ローラーよりも前記給送方向における上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 常時は前記媒体の通過によって変位可能な状態で前記媒体と接触可能な検出位置に配置される一方、前記搬送ローラーが前記第2回転方向に回転する場合には前記検出位置から前記媒体の搬送経路から離間した非検出位置に変位する変位レバーと、
    前記媒体の通過に伴う前記変位レバーの変位を検出することで前記媒体の端部を検出する検出部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記搬送ローラーが前記第2回転方向に回転する場合に回転する回転軸をさらに備え、
    該回転軸が回転することで、前記搬送ローラーが前記第1回転方向に回転する場合には該搬送ローラーとの間に前記媒体を挟持する従動ローラーを前記媒体の搬送経路から離間した退避位置に移動させるとともに、前記変位レバーを前記非検出位置から前記検出位置に変位させることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
  5. 第1方向に駆動することで前記搬送ローラーを前記第1回転方向に回転させるとともに、第2方向に駆動することで前記搬送ローラーを前記第2回転方向に回転させる駆動源と、
    該駆動源が前記第1方向に駆動した場合には該駆動源の駆動力を前記給送ローラーに回転力として伝達する一方、前記駆動源が前記第2方向に駆動した場合には前記給送ローラーに前記駆動力を伝達しない動力伝達機構と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記動力伝達機構は、前記駆動源からの駆動力によって回転する太陽歯車と、該太陽歯車と噛合した状態で前記太陽歯車の回転中心を中心として周回移動可能な遊星歯車と、該遊星歯車を保持した状態で前記太陽歯車の回転中心を中心として回動可能な回動部材と、前記遊星歯車の回転を前記給送ローラーに伝達するための駆動歯車と、を有し、
    前記回動部材は、前記駆動源が前記第1方向に駆動した場合に前記遊星歯車を前記駆動歯車と噛合させる方向に回転する一方で、前記駆動源が前記第2方向に駆動した場合に前記遊星歯車の前記駆動歯車との噛合を解除させる方向に回転することを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 前記搬送ローラーが前記第1回転方向に回転する場合に、前記給送ローラーは前記搬送ローラーよりも遅い回転速度で回転することを特徴とする請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  8. 前記給送ローラーよりも前記給送方向における上流側に配置される駆動ローラーと、
    前記給送ローラーよりも前記駆動ローラーの回転速度が遅くなるように、前記給送ローラーの回転を前記駆動ローラーに伝達するための歯車列と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
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