JP2014079924A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送経路に挿入された長尺状の媒体の先端及び該媒体の後端を正確に検出して、媒体の搬送不良を抑制することができる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射装置11は、ロール体Rを回転可能な状態で保持する媒体保持部22と、ロール体Rから巻き解かれた用紙Sの先端を挿入するための挿入部22cと、用紙Sに対してインクを噴射する液体噴射部50と、挿入部22cから液体噴射部50側に向かう給送方向に延びる搬送経路に配置された第1搬送ローラー対28と、第1搬送ローラー対28よりも挿入部22c側となる給送方向上流側に配置され、用紙Sの後端を検出する第1検出部31と、第1搬送ローラー対28よりも給送方向下流側に配置され、用紙Sの先端を検出する第2検出部32と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、ロール紙などの長尺状の媒体に対して液体を噴射する液体噴射装置に関する。
従来から、液体を噴射する液体噴射装置として、円筒状に巻かれたロール紙(以下、ロール体という)を保持するとともに、そのロール体から巻き解かれた用紙に対してインクを噴射することで印刷を行うインクジェット式のプリンターがある。
こうしたプリンターにおいては、ロール体を装置本体に装填した後に、そのロール体から巻き解いた用紙の先端部分を挿入部から手差しで差し込むことで、用紙を搬送経路にセットするのが一般的である。そのため、挿入部の奥側に用紙の端部を検出するためのセンサーを設けて、挿入部から差し込まれた用紙の先端をセンサーが検出した後に、用紙の給送を開始するプリンターがある(例えば、特許文献1)。また、こうしたセンサーは、用紙の後端を検出することで、用紙切れを検出することにも用いられることがある。
特開2010−137367号公報
ところで、上述のようなプリンターは、用紙を挟持した状態で回転することで用紙を搬送する搬送ローラー対を備えることがある。また、ロール紙のような長尺状の用紙に印刷を行う場合には、用紙の先端部分に印刷を施した後、その印刷部分を切断するとともに、切断によって生じた新たな先端部分を送り戻した上で、再度印刷開始位置まで用紙を送って次の印刷を行うことが多い。
そして、用紙の端部を検出するためのセンサーが搬送ローラー対よりも挿入部側となる給送方向上流側に配置されている場合には、用紙の先端がセンサーに検出された後に、用紙が搬送ローラー対に衝突して挟持され損ね、搬送不良が生じることがある。
一方、センサーが搬送ローラー対よりも奧側となる給送方向下流側に配置されていると、用紙切れを検出する場合に、用紙の後端が搬送ローラー対の挟持から外れた後に、センサーが用紙の後端を検出することになる。そのため、搬送経路上に残った用紙を送り戻すときに用紙の後端が搬送ローラー対に衝突して、搬送不良が生じることがある。
なお、こうした課題は、ロール紙に対してインクを噴射するプリンターに限らず、ロール体から巻き解かれた媒体の給送と媒体の送り戻しとを行う液体噴射装置においては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送経路に挿入された長尺状の媒体の先端及び該媒体の後端を正確に検出して、媒体の搬送不良を抑制することができる液体噴射装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、媒体がロール状に巻き重ねられたロール体を回転可能な状態で保持する媒体保持部と、該媒体保持部に保持された前記ロール体から巻き解かれた前記媒体の先端を挿入するための挿入部と、前記ロール体から巻き解かれた前記媒体に対して液体を噴射する液体噴射部と、前記挿入部から前記液体噴射部側に向かう給送方向に延びる搬送経路に配置され、前記媒体を搬送する搬送ローラー対と、前記搬送ローラー対よりも前記挿入部側となる給送方向上流側に配置され、前記媒体の後端を検出する第1検出部と、前記搬送ローラー対よりも給送方向下流側に配置され、前記媒体の先端を検出する第2検出部と、を備える。
この構成によれば、第1検出部は搬送経路において搬送ローラー対よりも挿入部側に配置されているので、媒体が搬送ローラー対の挟持から外れる前にその後端を検出することができる。一方、第2検出部は搬送経路において搬送ローラー対よりも給送方向下流側に配置されているので、媒体が搬送ローラー対に挟持された後にその先端を検出することができる。したがって、挿入部を通じて搬送経路に挿入された長尺状の媒体の先端及び該媒体の後端を正確に検出して、媒体の搬送不良を抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記搬送ローラー対は前記搬送経路に沿って少なくとも2つ以上設けられ、前記第1検出部は、前記給送方向において最も上流側に位置する第1搬送ローラー対と前記挿入部との間に配置され、前記第2検出部は、前記給送方向において前記第1搬送ローラー対よりも給送方向下流側に配置された第2搬送ローラー対と前記第1搬送ローラー対との間において、前記第1搬送ローラー対寄りとなる位置に配置されている。
この構成によれば、第1検出部は第1搬送ローラー対と挿入部との間に配置されているので、媒体が第1搬送ローラー対に挟持された状態のときに、媒体保持部に保持されたロール体がなくなったことを検出することができる。また、第2検出部は第1搬送ローラー対と第2搬送ローラー対との間において第1搬送ローラー対寄りとなる位置に配置されているので、挿入部から挿入された媒体の先端が第1搬送ローラー対に挟持されたか否かを正確に検出することができる。
上記液体噴射装置において、前記搬送経路は、前記挿入部側から前記媒体保持部の下方に向けて延びている。
この構成によれば、搬送経路は挿入部側から媒体保持部の下方に向けて延びているので、挿入された媒体の先端が搬送ローラー対に挟持されたか否かを視認しにくいが、第2検出部によって媒体の先端が搬送ローラー対に挟持されたことを正確に検出することができる。
上記液体噴射装置は、前記第2検出部が前記媒体の先端を検出した場合に、その旨を報知するための報知部をさらに備える。
この構成によれば、第2検出部が媒体の先端を検出した場合には報知部が報知を行うので、媒体が搬送ローラー対に挟持され損なった状態で給送が開始されることを抑制できる。したがって、媒体が確実に搬送ローラー対に挟持された後に媒体の給送を開始することができる。
上記液体噴射装置は、前記液体噴射部を収容する筐体部と、該筐体部に引き出し可能な状態で収容される保持フレームと、をさらに備え、前記媒体保持部、前記挿入部、前記搬送ローラー対、前記第1検出部、前記第2検出部及び前記報知部は前記保持フレームに保持され、前記報知部は、前記第2検出部が前記媒体の先端を検出した場合に消灯状態から点灯状態に変化する報知灯である。
この構成によれば、報知灯は媒体保持部等を保持する保持フレームに保持されているので、保持フレームを筐体部から引き出して媒体の先端を挿入部に挿入するときに、報知灯の点灯状態を容易に視認することができる。
上記液体噴射装置において、前記搬送ローラー対は、第1回転方向に回転することで前記媒体を前記給送方向に給送するとともに前記第1回転方向の逆方向となる第2回転方向に回転することで前記媒体を前記給送方向と逆方向に送り戻す駆動ローラーと、該駆動ローラーとの間に前記媒体を挟持する従動ローラーとを有している。
この構成によれば、搬送ローラー対は駆動ローラーと対をなす従動ローラーを有しているので、搬送ローラー対の挟持から外れた媒体が送り戻されると、回転しない従動ローラーに衝突して搬送不良が生じる虞がある。その点、第1検出部は媒体が搬送ローラー対の挟持から外れる前にその後端を検出するので、搬送不良の発生を抑制することができる。
一実施形態の液体噴射装置の斜視図。 保持フレームを引き出した液体噴射装置の斜視図。 液体噴射装置の概略構成を示す断面図。
以下、液体噴射装置の実施形態について、図を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射装置11は、略矩形箱状の筐体部12を備えている。筐体部12は、第1収容部13と、第1収容部13の上側に配置された第2収容部14と、第1収容部13の後側に配置された第3収容部15とを備えている。なお、本実施形態においては、重力方向に沿う上下方向Zと交差(本実施形態では直交)する第2収容部14と第3収容部15との並び方向を前後方向Yとする。また、上下方向Z及び前後方向Yと交差(本実施形態では直交)する第1収容部13及び第2収容部14の長手方向を幅方向Xとする。
第1収容部13には、保持フレーム16が引き出し可能な状態で収容される。また、第1収容部13の前面側には、保持フレーム16の前端面16aと、前端面16aの上側に着脱可能に取り付けられた前面カバー17と、幅方向Xにおいて保持フレーム16の両側に回動可能に取り付けられた開閉カバー18とが露出している。
開閉カバー18は下端側に設けられた図示しない回動軸を中心に上端側が回動することで、図1に示す閉位置と、上端部が前方へ回動して内部が露出する開位置と開位置に配置される。そして、開閉カバー18が開位置に配置されると、液体の一例としてのインクを収容するインクカートリッジ19が着脱可能に装着されるカートリッジホルダー(図示略)が露出する。
第2収容部14の前面側には、幅方向Xにおける中央付近に排出口20が形成されている。また、第2収容部14の前面側には、幅方向Xにおける第1端端側(図1では左側)に操作部21が設けられている。なお、操作部21は、メニュー画面等を表示するための表示部(例えば液晶ディスプレイ)や操作ボタンなどを備えている。
図2に示すように、筐体部12から前面カバー17を取り外すと、保持フレーム16に設けられた取手部16bが露出する。また、保持フレーム16には、媒体の一例としての長尺状の用紙Sを円筒状に巻き重ねたロール体Rを、ロール体Rの軸心を中心とする回転が可能な状態で保持する媒体保持部22が設けられている。なお、媒体保持部22には複数の異なるサイズのロール体Rが交換可能に装填される。
媒体保持部22は、ロール体Rを回動可能に支持する支持軸22aと、支持軸22aと一体回動する一対のフランジ22bとを有している。対をなすフランジ22bのうち、幅方向Xにおける第1端側(図2では左側)のフランジ22bは、支持軸22aに沿って幅方向Xに移動可能となっている。
また、保持フレーム16には、幅方向Xにおいて取手部16bと並ぶ位置に報知部の一例としての報知灯23が設けられている。なお、報知灯23は、例えば発光ダイオードなどを備えて発光可能な構成とすることができる。さらに、保持フレーム16において取手部16b及び報知灯23の後側には、媒体保持部22に保持されたロール体Rから巻き解かれた用紙Sの先端を挿入するための挿入部22cが設けられている。
ロール体Rを媒体保持部22にセットする場合には、図2に示すように筐体部12から前面カバー17を取り外した上で、取手部16bに手を掛けて保持フレーム16を筐体部12から前方に引き出す。そして、ロール体Rを支持軸22aに挿通するとともに、第1端側のフランジ22bを第2端側(図1では右側)に移動させて、ロール体Rの両端側をフランジ22bで挟持する。
なお、本実施形態においては、媒体保持部22から第2収容部14側に向けて用紙Sを搬送することを「給送する」といい、媒体保持部22側から第2収容部14側に向かう用紙Sの搬送方向のことを「給送方向」、媒体保持部22から給送方向に延びる用紙Sの搬送経路のことを「給送経路」ということがある。
そして、媒体保持部22に保持されたロール体Rから巻き解いた用紙Sの先端を給送経路の給送方向における上流端に位置する挿入部22cに正しく挿入すると、報知灯23が点灯する。したがって、報知灯23が消灯状態から点灯状態に変化した場合には、保持フレーム16を筐体部12の第1収容部13に収容する。
なお、保持フレーム16における用紙Sの給送経路(搬送経路)は、挿入部22c側から媒体保持部22の下方に向けて延びている。そのため、用紙Sを挿入部22cに挿入する場合には、用紙Sの先端を下方に向けて手差しする態様となる。
図3に示すように、保持フレーム16には、用紙Sを第2収容部14側に向けて給送するための給送機構24が保持されている。給送機構24は、駆動源である給送モーター26と、給送モーター26の駆動力を伝達するための動力伝達機構27と、用紙Sを挟持しつつ回転して搬送するために搬送経路に沿って配置された2つの搬送ローラー対28,29とを備えている。
用紙Sの給送方向において最も上流側に位置する第1搬送ローラー対28は、給送モーター26の駆動力によって回転する駆動ローラー28aと、駆動ローラー28aとの間に用紙Sを挟持する従動ローラー28bとを有している。給送方向において第1搬送ローラー対28よりも給送方向下流側に配置された搬送ローラー対29は、給送モーター26の駆動力によって回転する駆動ローラー29aと、駆動ローラー29aとの間に用紙Sを挟持する従動ローラー29bとを有している。また、媒体保持部22のフランジ22bは、給送モーター26の駆動力によって回転する。
搬送経路において第1搬送ローラー対28よりも挿入部22c側となる給送方向上流側には、用紙Sの後端を検出するための第1検出部31が配置されている。第1検出部31は、例えば発光ダイオードなどを有する発光部31aと、例えばフォトダイオードなどを有する受光部31bとを備えている。
また、搬送経路において第1搬送ローラー対28よりも給送方向下流側には、第1搬送ローラー対28と第2搬送ローラー対29との間であって、第1搬送ローラー対28寄りとなる位置に、用紙Sの先端を検出するための第2検出部32が配置されている。第2検出部32は、例えば発光ダイオードなどを有する発光部32aと、例えばフォトダイオードなどを有する受光部32bとを備えている。なお、第1検出部31及び第2検出部32は、異なる幅の用紙Sに対応するために、幅方向Xにおける第2端側寄りに配置されている。
発光部31a,32aは用紙Sの第1面S1側に配置されている一方、受光部31b,32bは用紙Sの第2面S2側に配置されている。また、受光部31b,32bは発光部31a,32aが発する光を受光可能な位置に配置されている。なお、本実施形態において、用紙Sの第1面S1はインクが噴射される表面である一方、用紙Sの第2面S2はインクが噴射されない裏面である。
そして、第1検出部31は用紙Sの通過によって生じる遮光状態から受光状態への変化位置を検出することで、用紙Sの後端を検出する。一方、第2検出部32は用紙Sの通過によって生じる受光状態から遮光状態への変化位置を検出することで、用紙Sの先端を検出する。なお、報知灯23は、第2検出部32が用紙Sの先端を検出した場合に、その旨を報知するために、消灯状態から点灯状態に変化する。
第2収容部14には、用紙Sを排出口20に向けて搬送するための搬送機構34と、搬送機構34によって搬送される用紙Sにインクを噴射することで記録を行う記録部35と、インクが付着した用紙Sを乾燥させるためのヒーター36と、用紙Sを切断するためのカッター37とが収容されている。
搬送機構34は、駆動源である搬送モーター38と、搬送モーター38の駆動力を伝達するための動力伝達機構39と、用紙Sを挟持して搬送する搬送ローラー対30,40,41,42と、中間ローラー43と、排出ローラー44とを備えている。なお、中間ローラー43及び排出ローラー44は、搬送モーター38の駆動力によって回転する。また、搬送ローラー対30は、第1収容部13側に配置されている。
記録部35は、幅方向Xに沿って延びるガイドレール45と、幅方向Xに往復移動可能な状態でガイドレール45に保持されたキャリッジ46と、キャリッジ46をガイドレール45に沿って移動させるための駆動源であるキャリッジモーター47とを備えている。
さらに、記録部35は、幅方向Xに所定距離を離れて配置された一対のプーリー48(図3では一方のみ図示)と、一対のプーリー48に巻き掛けられた無端状のタイミングベルト49とを備えている。また、一方のプーリー48は、キャリッジモーター47の出力軸に連結されている。そして、キャリッジモーター47が正逆転駆動されることにより、タイミングベルト49の一部に固定されたキャリッジ46がガイドレール45に沿って往復移動する。
キャリッジ46の下部には、ロール体Rから巻き解かれた用紙Sに対してインクを噴射する液体噴射部50が保持されている。液体噴射部50の下面側には、複数の液体噴射ノズル50aが開口している。また、キャリッジ46の下方には、搬送経路に沿って配置された搬送ローラー対40と搬送ローラー対41との間に、用紙Sを支持するための支持部材51が配置されている。
そして、記録部35において記録(印刷)が施された用紙Sは、板状のヒーター36の上面に沿って搬送されることで乾燥される。なお、ヒーター36の上方には、用紙Sを押さえるための押圧ローラー52と排出ローラー44とが設けられている。
ヒーター36上を通過した乾燥後の用紙Sは、記録が施された部分が単位長さ毎にカッター37によって切断されることで、単票紙CPとなる。また、記録が完了した単票紙CPは排出口20を通じて筐体部12外に排出される。
次に、用紙Sの給送及び送り戻しについて説明する。
用紙Sを第2収容部14側に給送する場合には、給送モーター26が第1方向に回転駆動することにより、駆動ローラー28a,29aが第1回転方向(図3における時計方向)に回転する。そして、駆動ローラー28a,29aは、第1回転方向に回転することでロール体Rから用紙Sを巻き解かせて、その巻き解かれた用紙Sを液体噴射部50側に向けて給送方向に給送する。
ここで、第1収容部13内における用紙の搬送経路(給送経路)の下流端付近には、用紙Sの待機位置P1が設定されている。そして、液体噴射装置11において印刷を行う場合には、用紙Sが第1収容部13側から第2収容部14側に給送される一方で、印刷が終了した場合などには、用紙Sの先端側が待機位置P1まで送り戻される。
用紙Sを送り戻す場合には、給送モーター26が第1方向と逆方向となる第2方向に回転駆動することにより、駆動ローラー28a,29aが第1回転方向の逆方向となる第2回転方向(図3における反時計方向)に回転する。これにより、用紙Sは駆動ローラー28a,29aによって給送方向と逆方向に送り戻される。
なお、給送モーター26が第2方向に駆動した場合には、その駆動力が回転力として媒体保持部22のフランジ22bにも伝達される。そして、給送モーター26の駆動力によってフランジ22bが巻き戻し方向(図3における反時計方向)に回転すると、駆動ローラー28a,29aによって送り戻された用紙Sがロール体Rに巻き取られる。
次に、以上のように構成された液体噴射装置11の作用について説明する。
媒体保持部22、挿入部22c、搬送ローラー対28,29、第1検出部31及び第2検出部32は保持フレーム16に保持されている。そのため、新しいロール体Rをセットする場合には、保持フレーム16を筐体部12から引き出して、ロール体Rを媒体保持部22に装填した後に、ロール体Rから巻き解いた用紙Sの先端を挿入部22cに手差しにて挿入する。
このとき、挿入部22cから液体噴射部50側に向けて延びる用紙Sの搬送経路は、挿入部22c側から媒体保持部22の下方に向けて延びているとともに、媒体保持部22の後方で上方に向かうように形成されている。そのため、用紙Sの先端を下方に向けて挿入部22cに挿入したときに、先端が第1搬送ローラー対28に挟持されたか否かを視認することができない。
その点、本実施形態では、報知灯23は第2検出部32が用紙Sの先端を検出した場合に消灯状態から点灯状態に変化するので、用紙Sが第1搬送ローラー対28に挟持され損ねた状態で給送が開始されるという事態が発生しにくい。すなわち、使用者は、報知灯23が点灯状態になったことを視認することで、用紙Sが単に挿入されただけでなく、搬送ローラー対28に確実に挟持されたことを確認することが可能である。
また、用紙Sが全て巻き解かれて、第1検出部31が用紙Sの後端を検出すると、印刷が停止されるとともに給送モーター26が第2方向に駆動して、搬送経路上に残っている用紙Sが給送方向と逆方向に送り戻される。そして、送り戻された用紙Sは挿入部22cから排出される。
ここで、本実施形態においては、第1検出部31が用紙Sの後端を検出したときに用紙Sは搬送ローラー対28,29に挟持された状態になっているので、搬送ローラー対28,29の第2回転方向への回転によって用紙Sを送り戻すことができる。したがって、用紙Sが搬送ローラー対28の挟持から外れ、送り戻される用紙Sが搬送ローラー対28に衝突して挿入部22cから取り出せなくなるという事態が発生しにくい。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1検出部31は搬送経路において第1搬送ローラー対28よりも挿入部22c側に配置されているので、用紙Sが第1搬送ローラー対28の挟持から外れる前にその後端を検出することができる。一方、第2検出部32は搬送経路において第1搬送ローラー対28よりも給送方向下流側に配置されているので、用紙Sが第1搬送ローラー対28に挟持された後にその先端を検出することができる。したがって、挿入部22cを通じて搬送経路に挿入された長尺状の用紙Sの先端及び用紙Sの後端を正確に検出して、用紙Sの搬送不良を抑制することができる。
(2)第1検出部31は第1搬送ローラー対28と挿入部22cとの間に配置されているので、用紙Sが第1搬送ローラー対28に挟持された状態のときに、媒体保持部22に保持されたロール体Rがなくなったことを検出することができる。また、第2検出部32は第1搬送ローラー対28と第2搬送ローラー対29との間において第1搬送ローラー対28寄りとなる位置に配置されているので、挿入部22cから挿入された用紙Sの先端が第1搬送ローラー対28に挟持されたか否かを正確に検出することができる。
(3)搬送経路は挿入部22c側から媒体保持部22の下方に向けて延びているので、挿入された用紙Sの先端が第1搬送ローラー対28に挟持されたか否かを視認しにくいが、第2検出部32によって用紙Sの先端が第1搬送ローラー対28に挟持されたことを正確に検出することができる。
(4)第2検出部32が用紙Sの先端を検出した場合には報知灯23が報知を行うので、用紙Sが第1搬送ローラー対28に挟持され損なった状態で給送が開始されることを抑制できる。したがって、用紙Sが確実に第1搬送ローラー対28に挟持された後に用紙Sの給送を開始することができる。
(5)報知灯23は媒体保持部22等を保持する保持フレーム16に保持されているので、保持フレーム16を筐体部12から引き出して用紙Sの先端を挿入部22cに挿入するときに、報知灯23の点灯状態を容易に視認することができる。
(6)第1搬送ローラー対28は駆動ローラー28aと対をなす従動ローラー28bを有しているので、第1搬送ローラー対28の挟持から外れた用紙Sが送り戻されると、回転しない従動ローラー28bに衝突して搬送不良が生じる虞がある。その点、第1検出部31は用紙Sが第1搬送ローラー対28の挟持から外れる前にその後端を検出するので、搬送不良の発生を抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・例えば、異なるロール体Rを保持する媒体保持部22が2つ以上設けられる場合などには、第1の媒体保持部22から延びる給送経路の途中に、第2の媒体保持部22に保持されたロール体Rの用紙Sを挿入するための挿入部22cを設けてもよい。また、この場合には、第1の媒体保持部22から延びる給送経路の途中であって、挿入部22cよりも給送方向上流側となる位置にも、第1の媒体保持部22から給送される用紙Sを搬送するための搬送ローラー対が配置されていてもよい。
・搬送ローラー対28が2つの対をなす駆動ローラー28aによって構成されてもよい。
・搬送ローラー対28,29の数や配置は任意に変更することができる。また、搬送経路において、給送方向において最も上流となる位置などに、従動ローラーと対をなさない駆動ローラーを配置してもよい。
・用紙Sの搬送経路は、挿入部22c側から媒体保持部22の上方に向けて延びるように形成してもよい。
・報知灯23を備えない構成としてもよい。
・報知部は報知灯23に限らず、ブザーやメロディ等の報知音や音声案内によって用紙Sが第1搬送ローラー対28に挟持されたことを報知する構成としてもよい。また、用紙Sが第1搬送ローラー対28に挟持されたことを操作部21の表示部や液体噴射装置11に接続されたホスト装置の画面などに表示することで報知を行う構成としてもよい。
・第1検出部31及び第2検出部32の構成は任意に変更することができる。例えば、第1検出部31及び第2検出部32は、用紙Sの第1面S1側または第2面S2側に発光部(例えば発光ダイオード)及び受光部(例えばフォトダイオード)を備える構成としてもよい。この場合には、受光部によって用紙Sに反射する光が検出され始めた位置を先端位置、反射する光が検出されなくなった位置を後端位置として検出することができる。また、用紙Sの通過によって変位する変位レバー等を備えて、この変位レバーの変位を検出することで用紙Sの先端または後端を検出するようにしてもよい。さらに、第1検出部31と第2検出部32とが異なる構成を備えるようにしてもよい。
・液体噴射装置11が、用紙Sの両面に対してインクを噴射することで両面印刷を行うプリンターであってもよい。
・媒体は用紙に限らず、プラスチックフィルムや板材などでもよい。あるいは、捺染装置などに用いられる布帛であってもよい。
・保持フレーム16が筐体部12から引き出し可能な構成でなくてもよい。
・媒体保持部22と液体噴射部50とが筐体部12の同じ収容部内に収容される構成としてもよい。
・上記各実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
11…液体噴射装置、12…筐体部、16…保持フレーム、22…媒体保持部、22c…挿入部、23…報知部の一例としての報知灯、28,29…搬送ローラー対、28…第1搬送ローラー対、28a,29a…駆動ローラー、28b,29b…従動ローラー、29…第2搬送ローラー対、31…第1検出部、32…第2検出部、50…液体噴射部、R…ロール体。

Claims (6)

  1. 媒体がロール状に巻き重ねられたロール体を回転可能な状態で保持する媒体保持部と、
    該媒体保持部に保持された前記ロール体から巻き解かれた前記媒体の先端を挿入するための挿入部と、
    前記ロール体から巻き解かれた前記媒体に対して液体を噴射する液体噴射部と、
    前記挿入部から前記液体噴射部側に向かう給送方向に延びる搬送経路に配置され、前記媒体を搬送する搬送ローラー対と、
    前記搬送ローラー対よりも前記挿入部側となる給送方向上流側に配置され、前記媒体の後端を検出する第1検出部と、
    前記搬送ローラー対よりも給送方向下流側に配置され、前記媒体の先端を検出する第2検出部と、
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記搬送ローラー対は前記搬送経路に沿って少なくとも2つ以上設けられ、
    前記第1検出部は、前記給送方向において最も上流側に位置する第1搬送ローラー対と前記挿入部との間に配置され、
    前記第2検出部は、前記給送方向において前記第1搬送ローラー対よりも給送方向下流側に配置された第2搬送ローラー対と前記第1搬送ローラー対との間において、前記第1搬送ローラー対寄りとなる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記搬送経路は、前記挿入部側から前記媒体保持部の下方に向けて延びていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記第2検出部が前記媒体の先端を検出した場合に、その旨を報知するための報知部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記液体噴射部を収容する筐体部と、
    該筐体部に引き出し可能な状態で収容される保持フレームと、をさらに備え、
    前記媒体保持部、前記挿入部、前記搬送ローラー対、前記第1検出部、前記第2検出部及び前記報知部は前記保持フレームに保持され、
    前記報知部は、前記第2検出部が前記媒体の先端を検出した場合に消灯状態から点灯状態に変化する報知灯であることを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置。
  6. 前記搬送ローラー対は、第1回転方向に回転することで前記媒体を前記給送方向に給送するとともに前記第1回転方向の逆方向となる第2回転方向に回転することで前記媒体を前記給送方向と逆方向に送り戻す駆動ローラーと、該駆動ローラーとの間に前記媒体を挟持する従動ローラーとを有していることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
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