JP2014083056A - 遊技機の基板ケース - Google Patents

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Abstract

【課題】 シールカバーを外す際の操作がスムーズに行える遊技機の基板ケースを提供すること。
【解決手段】 回路基板18を収容する基板ケースAを、ケース本体10の本体側突出片13とケースカバー20のカバー側突出片22との間に、切断部材31と、回転押圧部材32とを設置するとともに、本体側突出片13とカバー側突出片22とに封印シール35を掛け渡して貼り付け、その状態の封印シール35をシールカバー37で覆って構成した。また、シールカバー37に、回転押圧部材32の先端部に係合する係合部38を設けて、シールカバー37を取り外すときに、回転押圧部材32が回転して、切断部材31を本体側突出片13とカバー側突出片22との間から外部に押し出して、封印シール35を切断するようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、遊技機を制御するための回路基板を収容する遊技機の基板ケースに関する。
パチンコ機等の遊技機は、回路基板に備わった記憶部に記憶されたプログラムやデータに基づいてゲームが進行するようになっており、この回路基板は基板ケースの中に収容されて遊技機の内部に設置されている。また、記憶部には法律により定められた当たりの確率を決定するデータも記憶されており、これを、勝手に変更することは違法になる。このため、基板ケースには、封印部材が設けられ、基板ケースを開いた場合には、封印部材の状態により、封印を解除したことが分かるようになっている。この基板ケースは、各遊技機ごとに設置されているため、封印が解除されているか否かを確認する検査を目視によって行うことは作業が極めて煩雑なものになる。このため、従来から、専用の読み取り装置を用いて非接触による検査が行われている(例えば、特許文献1参照)。
この基板ケースは、ベース側貼付部を備えたボックスベースと、カバー側貼付部を備えたボックスカバーとを備えており、ベース側貼付部とカバー側貼付部との間に切断部材が挿入されている。そして、ベース側貼付部とカバー側貼付部を跨いで、ICチップ、アンテナ部および接続部を備えた封印シールを貼着し、その上にシールカバー体を被せて封印シールを覆っている。また、切断部材の両側には、シールカバー体の両内側面に係合する係止爪が設けられており、シールカバー体をスライドさせてベース側貼付部とカバー側貼付部から外すと、切断部材がシールカバー体と一緒に移動して、封印シールの切断部を切断する。これによって、ICチップに記憶されたデータが読み取り不能になって、封印が解除されたことを認識できる。
特開2010−115222号公報
しかしながら、前述した基板ケースでは、切断部材の両側に設けられた係止爪が、シールカバー体の両内側面に係合するため、シールカバー体を取り外す際に、シールカバー体を、傾けた状態でスライドさせると、切断部材の一方のみがシールカバー体に引っ掛かってガタついたり、スライドさせ難くなったりすることがある。このため、従来の基板ケースでは、シールカバー体をベース側貼付部とカバー側貼付部とに対して真っ直ぐにスライドさせるように移動させなければならず、操作性がよいものではなかった。
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、シールカバーを外す際の操作がスムーズに行える遊技機の基板ケースを提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明に係る遊技機の基板ケースの構成上の特徴は、ケース本体(10)と、ケース本体に着脱可能なケースカバー(20)とを備え、内部に回路基板(18)が収容される遊技機の基板ケース(A)において、ケース本体の一方の端部に形成された本体側突出片(13)と、本体側突出片に対向するようにしてケースカバーの一方の端部に形成されたカバー側突出片(22)と、本体側突出片とカバー側突出片との間と、その一方側の外部との間で移動可能に設置された切断部材(31)と、本体側突出片とカバー側突出片との間に位置する基端部(32a)を中心に回転可能に配置され、回転して先端側部分(32b)が本体側突出片とカバー側突出片との間から一方の外部側に移動するときに、切断部材を押圧して外部に突出させる回転押圧部材(32)と、シール部材(35a)に、ICチップ(36a)と、アンテナ部(36b)と、ICチップとアンテナ部とを接続する接続部(36c)とからなるICタグ(36)を設けて構成され、本体側突出片とカバー側突出片との一方側の端部に掛け渡されて貼り付けられて、切断部材が本体側突出片とカバー側突出片との間から外部に突出するときに、接続部が切断される封印シール(35)と、本体側突出片とカバー側突出片とを封印シールとともに覆ってケース本体とケースカバーとを分離不能にした状態から、切断部材の移動方向と同じ方向に沿って一方側に移動することにより、回転押圧部材の先端部(33b)に係合して回転押圧部材を回転させて切断部材を外部に突出させるシールカバー(37)とを備えたことにある。
本発明に係る遊技機の基板ケースでは、回路基板を収容するケース本体とケースカバーとのそれぞれの一方側の端部に、本体側突出片とカバー側突出片とが対向して形成されている。そして、本体側突出片とカバー側突出片との間に、切断部材と回転押圧部材が配置され、切断部材は、基端部を中心に回転する回転押圧部材に押圧されて、本体側突出片とカバー側突出片との間から一方側の外部に突出する。また、回転押圧部材の先端部は、シールカバーに係合するように構成されている。このためシールカバーが本体側突出片とカバー側突出片とを封印シールとともに覆った状態から、シールカバーを一方側にスライドさせて取り外すと、回転押圧部材が回転して、切断部材は外部に突出する。
この場合、回転押圧部材は、シールカバーの一方側にだけ係合するため、シールカバーが多少傾いた状態で移動しても、回転押圧部材はスムーズに回転して、切断部材を本体側突出片とカバー側突出片との間から外部に突出させて封印シールを切断することができる。このため、シールカバーを取り外す際に、傾き具合に注意しながらシールカバーを引っ張る必要がなくなり、操作性が向上する。また、切断部材は、回転押圧部材の押圧によって移動するが、切断部材とシールカバーとの移動方向が同じ方向になるため、シールカバーの移動に追従して切断部材はスムーズに移動するようになる。また、回転押圧部材の先端部は可撓性を備えていることが好ましい。これによると、シールカバーの一方側への移動に追従して、回転押圧部材が回転する際に、回転押圧部材の先端部に無理な力が加わることを防止できる。
また、本発明に係る遊技機の基板ケースの他の構成上の特徴は、本体側突出片またはカバー側突出片にレール部(14)が形成され、切断部材がレール部に沿って移動可能になっていることにある。本発明によると、切断部がレール部に沿った正確な軌道で移動するようになるため、接続部の適正部分を確実に切断することができる。
また、本発明に係る遊技機の基板ケースのさらに他の構成上の特徴は、切断部材が、レール部に支持されて移動する支受部(31a)と、回転押圧部材に押圧される被押圧部(31c)と、支受部と被押圧部との間に位置する刃部(31b)とで構成されていることにある。本発明によると、切断部材が、レール部に支持されて一方側に移動する支受部と、回転押圧部材に押圧されて一方側に移動する被押圧部とを備えているため、支受部と被押圧部とが平行して一方側に移動するようになる。そして、刃部が支受部と被押圧部との間に位置するため、刃部は傾いたりぶれたりすることなく安定した状態で移動するようになり、接続部の適正部分を正確に切断することができる。
また、本発明に係る遊技機の基板ケースのさらに他の構成上の特徴は、本体側突出片とカバー側突出片との間に支軸(15)が設置され、回転押圧部材の基端部が、支軸に回転可能に組み付けられていることにある。本発明によると、回転押圧部材を正確な軌道で回転可能にすることができる。
また、本発明に係る遊技機の基板ケースのさらに他の構成上の特徴は、ケース本体またはケースカバーに、シールカバーを切断部材の移動方向と同じ方向に移動させるガイド部(23,24)が設けられていることにある。本発明によると、シールカバーを取り外すときのシールカバーの移動方向と切断部材が移動する方向とが同じになるため、シールカバーと切断部材とが平行して移動するようになる。このため、シールカバーを操作する際に、切断部材に係る抵抗が少なくなり、切断部材がスムーズに移動するようになる。
本発明の一実施形態に係る基板ケースを示した斜視面である。 基板ケースの分解斜視図である。 封印シールを示した正面図である。 封印シールが貼り付けられた本体側突出片とカバー側突出片とにシールカバーを取り付ける状態を示した斜視図である。 図4を上方から見た状態を示した断面図である。 封印シールが貼り付けられた本体側突出片とカバー側突出片とにシールカバーを取り付けた状態を示した斜視図である。 図6を上方から見た状態を示した断面図である。 封印シールが貼り付けられた本体側突出片とカバー側突出片からシールカバーを取り外す状態を示した斜視図である。 図8を上方から見た状態を示した断面図である。 シールカバーを取り外して封印シールを切断した状態を示した斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る遊技機の基板ケースを図面を用いて説明する。図1は同実施形態に係る基板ケースAを示しており、図2は基板ケースAを分解した状態を示している。この基板ケースAは、ケース本体10と、ケース本体10に着脱可能なケースカバー20とを備えており、内部に、回路基板18が収容されている。この基板ケースAは、パチンコ機(図示せず)に組み込まれるもので、回路基板18にはパチンコ機に備わっている各装置を制御するためのプログラムや、当たりの確率を決定するためのデータ等が記憶された記憶部を含む回路や電子部品が備わっている。
ケース本体10は、一方の端面および上面が開放された箱状部11の内部に基板収容部12を形成するとともに、一方の端部の中央部分に本体側突出片13を形成して構成されている。以下、前述した一方の端面側や一方の端部側を前部として説明する。箱状部11は、矩形の底部11aと、底部11aの左右の縁部から上方に延びる側壁部11b,11cと、底部11aの後部の縁部から上方に延びる後壁部11dとで構成されており、側壁部11b,11cの前端部は、底部11aの前端部よりも前方に延びている。
基板収容部12は、底部11aの上面における側壁部11b,11cの近傍に、それぞれ側壁部11b,11cと平行する仕切り壁12a(一方しか図示せず)を形成するとともに、底部11aの上面における前端に、両仕切り壁12aの前端を連結する仕切り壁12bを形成することによって構成されている。仕切り壁12aは、それぞれ側壁部11b,11cよりも高さが低くなっており、底部11aの前端から後端にかけて形成されている。また、仕切り壁12bは、仕切り壁12aよりも高さが僅かに低くなっており、その左右方向の中央部分は、両側部分よりもさらに低くなった段違いの壁部で構成されている。
仕切り壁12a,12bと後壁部11dとで囲まれる部分は、回路基板18を設置できる大きさに設定されており、底部11aの上面における基板収容部12の四隅の近傍部分には、上方に延びる円筒状の固定用突起12cがそれぞれ形成されている。一方、回路基板18は基板収容部12の形状に合った矩形に形成されており、その四隅の近傍部分には、固定用突起12cが挿通できる挿通穴18aが形成されている。回路基板18は、挿通穴18aに固定用突起12cを挿通させ、固定用突起12cの上部にねじ(図示せず)を螺合させることによって基板収容部12に設置されている。
本体側突出片13は、仕切り壁12bの中央の低くなった部分の上縁部から前方に突出しており、前後よりも左右に長い板状の突出部で構成されている。この本体側突出片13の前端部は、側壁部11b,11cの前端部と同じ程度の前方位置まで延びている。また、本体側突出片13の左右両側および前部の縁部からは上方に延びる低い壁部13aが形成されており、その左右両側部分の前部側部分と前部とは、左右両側部分の後部側部分よりも低くなった低壁部13bで構成されている。そして、低壁部13bの左右両側面の前部側部分には、後方から前方に行くほど低壁部13bの左右両側の幅が小さくなるようにする傾斜面13cが形成されている。
また、低壁部13bの前部における左右方向の中央よりもやや左側に一部切欠かれた部分が形成され、その部分に平行して後方に延びる一対の突条からなるレール部14が形成されている。さらに、本体側突出片13の上面における左右方向の中央の前部側部分に、上方に延びる円筒状の支軸15が形成されている。また、基板収容部12の仕切り壁12bの前面両側における側壁部11b,11cの近傍には、回路基板18をパチンコ機に備わっている他の機器に接続するための一対のコネクタ16a,16bが取り付けられている。このコネクタ16a,16bは、後部よりも前部が高くなるように前後方向の中央に段差が形成されることによって段違いに形成され、低くなった後部が仕切り壁12bを貫通して回路基板18に接続されている。
ケースカバー20は、ケース本体10の基板収容部12を覆うことのできる蓋部21の前端中央からカバー側突出片22を前方に向かって突出させるとともに、蓋部21の前端両側から一対のガイド突出部23,24を前方に向かって突出させて構成されている。ガイド突出部23,24は、本発明に係るガイド部を構成する。蓋部21は、天井部21aと、天井部21aの外周縁部からそれぞれ下方に延びる前壁部21bと、左右の側壁部21c(一方しか図示せず)と、後壁部(図示せず)とで構成されている。天井部21aは、前部と右側部分とに細長い水平面部分が形成され、後端に左右両側に延びる高さの高い壁状部分が形成され、前部、右側部分および後部を除いた大部分に後端の壁状部分よりも僅かに低い台状部分が形成された異形の段違い状に構成されている。
前壁部21bは、蓋部21の前端におけるガイド突出部23,24が位置する部分を除いた部分に形成されており、その左右方向の中央の下部側部分が切り欠かれて、コ字状に形成されている。そして、前壁部21bの前面左側部分におけるガイド突出部24の近傍には、上下に延びる位置決め用の細い突起25が形成されている。側壁部21cと、後壁部とは、箱状部11の内部に嵌合できる大きさに形成されており、側壁部21cのそれぞれの後端部と後壁部の左右両端部との間には、仕切り壁12aを挿入できるスリット(図示せず)が形成されている。また、側壁部21cの前後方向の中央よりもやや後方部分には、下縁部から上方に延びたのちに、屈曲して前方に延びるL形の溝21dがそれぞれ形成されている。
カバー側突出片22は、前壁部21bの左右方向の中央部分の下縁部から前方に突出しており、前後よりも左右に長い板状の突出部で構成されている。このカバー側突出片22の左右両側および前部の縁部からは下方に延びる低い壁部22aが形成されており、その前面部の下縁部における左右方向の中央よりもやや右側部分に切欠き部22bが形成されている。そして、壁部22aの左右両側面の前部側部分には、後方から前方に行くほど壁部22aの左右両側の幅が小さくなるようにする傾斜面22cが形成されている。また、カバー側突出片22の左右方向の中央の前部側部分には上下に貫通するねじ挿通穴15aが形成されている。
ガイド突出部23,24は、それぞれ蓋部21の前端両側部分を前方に向かって延ばした箱状に形成されており、前面下部にコネクタ支持枠23a,24aが形成され、下面におけるコネクタ支持枠23a,24aの後方部分は開放されている。コネクタ支持枠23a,24aは、前後に貫通し左右に長い貫通孔を備えた短い筒状に形成されており、コネクタ支持枠23aは、コネクタ16aの前部側部分を挿通させて支持することができ、コネクタ支持枠24aは、コネクタ16bの前部側部分を挿通させて支持することができる。
このように構成されたケースカバー20は、蓋部21の側壁部21cを、側壁部11b,11cと仕切り壁12aとの間に挿入し、後壁部の左右両端に形成されたスリットに仕切り壁12aを挿入させてケース本体10に組み付けられる。なお、図示は省略しているが、ケース本体10の側壁部11b,11cの内面における前後方向の中央よりもやや後方部分には、ケースカバー20の溝21dに係合する突起がそれぞれ形成されている。このため、ケース本体10の上方にケースカバー20を位置させ、突起に溝21dの開放側部分を合わせるようにして、ケースカバー20を下降させて突起に溝21dを係合させたのちに、ケース本体10に対してケースカバー20を後方にスライドさせることにより、ケース本体10にケースカバー20を組み付けることができる。
この場合、コネクタ支持枠23a,24aの後部側から前方に向かってコネクタ16a,16bの前部が挿し込まれ、コネクタ16a,16bの前端部はコネクタ支持枠23a,24aの前端から露出する。この場合、ケースカバー20の前壁部21bは、ケース本体10の仕切り壁12bの前面に重なる。また、本体側突出片13の上方にカバー側突出片22が重なり、本体側突出片13とカバー側突出片22との境界部分の前部には、本体側突出片13の壁部13aに低壁部13bを形成したことによる隙間が形成される。さらに、本体側突出片13の上面に設けられた支軸15の上方には、カバー側突出片22に設けられたねじ挿通穴15aが位置するようになる。
また、基板ケースAには、切断部材31、回転押圧部材32、封印シール35およびシールカバー37も備わっている。切断部材31は、支受部31a、刃部31bおよび被押圧部31cからなっており、支受部31aをレール部14に沿わせることによって、前後方向に移動可能になっている。支受部31aは、左右の幅よりも高さ方向の長さが長くなって前後方向に延びる棒状に形成されており、下部がレール部14内に位置している。
刃部31b(図5参照)は、支受部31aの右側面の前部側上部から右方向に延びており、前端部が左右に凹部と凸部とが並んだ薄い鋭利な縁部で構成されている。また、被押圧部31cは、刃部31bの右端側に連続して形成されており、前後よりも左右に長くなっている。そして、被押圧部31cの平面視による中央には左右に長い長円形の長穴31dが上下に貫通しており、これによって被押圧部31cは環状に形成されている。また、刃部31bの後縁部は湾曲した凹状に形成され、被押圧部31cの後縁部の左側には、左側が前方に位置し右側が後方に位置する傾斜部が設けられている。この切断部材31は、支受部31aがレール部14に沿って移動することにより、刃部31bと被押圧部31cを、本体側突出片13とカバー側突出片22との間と、その前方の外部との間で移動させる。
回転押圧部材32は、基端部32aと、押圧部32bと、先端係合部33と、中央係合部34とで構成されている。基端部32aは、内部に支軸15を挿入できる円筒形に形成されており、回転押圧部材32が回転する際に、回転の中心となる部分である。また、前述した切断部材31の刃部31bの後縁部は、基端部32aの前部側部分が入り込める形状に形成されており、切断部材31が基端部32aに当接する位置が切断部材31の最も後方の位置となる。このように、切断部材31の凹部に基端部32aを位置させることにより、本体側突出片13とカバー側突出片22との前後方向の長さを短くすることができる。
押圧部32b(図5参照)は、基端部32aの下部後側部分から右側に向かって延びる平面視が略くの字状の細長い板状に形成されており、基端部32aから右側やや後方に延び先細りになったのちに、屈曲して幅を広げながら右前方に延びている。この押圧部32bの前縁部中央部分は、回転することにより被押圧部31cの後縁部を前方に押すことのできる傾斜部で構成されている。また、押圧部32bの右側部分は、被押圧部31cの右側部を覆うように屈曲しており、その後縁部は、回転押圧部材32が後方に位置したときに、本体側突出片13の壁部13aの段部の近傍に位置するように形成されている。
先端係合部33は、押圧部32bの右端側に形成されており、平面視による形状が開放側を後方に向けたコ字状になっている。この先端係合部33は、本体側突出片13とカバー側突出片22との右側外部に突出しており、前後方向に真っ直ぐに延びるガイド片33aと、ガイド片33aと略平行して配置された可撓片33bと、ガイド片33aと可撓片33bとの前端部を連結する連結片33cとからなっている。また、可撓片33bは、前端からガイド片33aにやや近づきながら後方に延びたのちに幅を広げながら右側に屈曲している。このため、可撓片33bの右縁部は、後端部が右側に突出し、その前部側に滑らかに傾斜しながら左側に窪んだ凹部が形成された曲線状に形成されている。
中央係合部34(図5参照)は、基端部32aの上部から押圧部32bの上面で押圧部32bと一体になって右方向に延びており、細長い連結片34aと、連結片34aの先端に形成された板状の取付部34bと、取付部34bの下面に形成されたガイド突起34c(図1参照)とで構成されている。連結片34aは、基端部32aから押圧部32bの前縁部に沿って右方向に延びており、取付部34bは連結片34aの先端から前方に延びる左右よりも前後に長い板状に形成されている。
この取付部34bは押圧部32bの左右方向の中央部分から前方に向かって突出しており、その前端は、押圧部32bの右側部分の前端よりも僅かに後方に位置している。そして、ガイド突起34cは、切断部材31の長穴31dに上方から入り込んで、長穴31dの左右方向に移動可能になっている。このため、回転押圧部材32の先端部分が後方に位置した状態(図5参照)から、回転押圧部材32が支軸15を中心として回転して先端部分が前方に移動すると、切断部材31は、押圧部32bに押されて前方に移動して刃部31bは本体側突出片13とカバー側突出片22との間から前方の外部に突出する。
この場合、切断部材31は、支受部31aがレール部14に沿うことによって、刃部31bを進行方向に直交させた状態で前進する。また、ガイド突起34cは、長穴31d内の右側から左側に向かって移動し、これによって、回転押圧部材32は回転可能になる。すなわち、回転押圧部材32は、ガイド突起34cが、長穴31dの右端に当接する位置と左端に当接する位置との間で移動できる範囲に応じて回転できる。また、先端係合部33は円弧を描くように前方に移動して、その後端部が本体側突出片13とカバー側突出片22との前端程度に位置するまで前進できる。さらに、取付部34bの左右の幅および厚みは、切欠き部22bを通過できる長さに設定されており、取付部34bは、切欠き部22bから外部に突出できる。
このように構成された切断部材31および回転押圧部材32を、本体側突出片13とカバー側突出片22との間に取り付ける場合には、まず、ケースカバー20が組み付けられていない状態のケース本体10の本体側突出片13におけるレール部14に支受部31aを取り付けることによって切断部材31を本体側突出片13の上面前部側に設置する。ついで、基端部32a内に支軸15合わせるとともに、ガイド突起34cを長穴31d内に合わせるようにして、回転押圧部材32を上方から下降させて、切断部材31に組み付けた状態で本体側突出片13に設置する。このとき、切断部材31の後部が基端部32aに当接するようにする。
つぎに、前述した方法で、ケース本体10にケースカバー20を組み付ける。そして、カバー側突出片22に形成されたねじ挿通穴15aに、ねじ15bを通し、そのねじ15bを支軸15の上部に螺合することにより、切断部材31と回転押圧部材32とが設置されたケース本体10と、ケースカバー20とが組み付けられる。そして、ケース本体10とケースカバー20との前端で互いに対向する本体側突出片13とカバー側突出片22との上面、前面および下面にわたって封印シール35を貼り付ける。
この封印シール35は、図3に示したように、略矩形のシール部材35aに、ICタグ36を埋め込んで構成されている。シール部材35aは、可撓性を有する樹脂フィルムからなるベースフィルムの裏面に粘着層を形成して構成されており、この粘着層にICタグ36が埋め込まれている。ICタグ36は、ICチップ36aと、アンテナ36bと、ICチップ36aとアンテナ36bとを接続する接続部36cとで構成されている。そして、ICチップ36aは、記憶部を備えた集積回路からなっており、記憶部には識別情報が記憶されている。この識別情報は、アンテナ36bから電波として発信され、読み取り装置で受信することにより、非接触で読み取ることができる。
また、接続部36cを切断することにより、ICチップ36aとアンテナ36bとの接続が遮断されて電波の発信ができなくなる。このICタグ36は、ICチップ36aをシール部材35aの中央に位置させて、シール部材35aに対して斜めに傾斜した状態で配置されている。そして、図2に示したように、側方から見た状態でコ字状になるように折り曲げて、本体側突出片13とカバー側突出片22とに貼り付けられる。図4に示したように、封印シール35を本体側突出片13とカバー側突出片22とに貼り付けるときには、接続部36cが、本体側突出片13とカバー側突出片22との隙間の前端を横切るようにする。これによって、切断部材31が前方に移動したときに、刃部31bによって接続部36cは切断される。
シールカバー37は、後面が開放された左右に長い箱形に形成されており、封印シール35が貼り付けられた本体側突出片13とカバー側突出片22とを前方から覆ってケースカバー20のガイド突出部23,24間に挿入できる大きさに形成されている。すなわち、シールカバー37は、図4および図5に示したように、前面部37a、前面部37aの上下の縁部から対向して後方に延びる天井部37bと底面部37c、および、前面部37aの左右の縁部から対向して後方に延びる側面部37d,37eで構成されている。また、シールカバー37の前部の左右両側には、それぞれ上下に延びる凹部37f,37gが形成されている。
そして、側面部37dの上下方向の中央部分には、上下に間隔を保って、後端から前部側に延びる一対のスリット38a,38bが形成されており、側面部37dにおけるスリット38a,38bで挟まれた部分の内面後端に、突起からなる係合部38が形成されている。この係合部38は、上方から見た状態(図5の状態)で、後方から前方に行くほど左右の幅が大きくなるように左側の縁部が傾斜しており、前面は側面部37dに直交する平面で構成されている。そして、この係合部38は、シールカバー37が本体側突出片13とカバー側突出片22とを覆ったときに、可撓片33bの後端部に係合する。
すなわち、このシールカバー37を、封印シール35が貼り付けられた本体側突出片13とカバー側突出片22とに取り付ける場合には、図4および図5に示した状態から、シールカバー37をガイド突出部23,24間に押し込んで、図6および図7に示した状態にする。この場合、シールカバー37は、ガイド突出部23,24の内面に沿って移動していき、係合部38が回転押圧部材32の可撓片33bに当接すると可撓片33bがガイド片33a側に撓んで、シールカバー37は、さらに後方に移動できる。そして、係合部38が可撓片33bの後端部を越えたときに、可撓片33bは元の状態に復元して係合部38と可撓片33bの後端部とが係合する。また、シールカバー37の側面部37eの内面後端部は、突起25に当接することによって、適正位置に位置決めされる。これによって、図1に示した基板ケースAが得られる。
つぎに、基板ケースAを開封するときの動作について説明する。この場合、図6および図7に示した状態から、シールカバー37を前方に引っ張って、図8および図9に示した状態にする。このとき、シールカバー37の左右両側には、ガイド突出部23,24が位置しているため、シールカバー37は、ガイド突出部23,24の内面にガイドされ、傾くことなく真っ直ぐに前方に移動する。また、シールカバー37の係合部38に可撓片33bの後端部が係合しているため、回転押圧部材32は、支軸15を中心として、平面視で時計周り方向に回転する。この回転押圧部材32の回転によって、切断部材31は前方に押圧されて、本体側突出片13とカバー側突出片22との隙間の前部から外部に突出する。また、回転押圧部材32の取付部34bは、切欠き部22bから外部に突出する。
さらに、回転押圧部材32の先端係合部33は、本体側突出片13とカバー側突出片22との隙間の右側から前側に回り込んで前方側の外部に突出する。これによって、封印シール35は、刃部31bによって接続部36cを切断され、取付部34bによって一部を貫通され、先端係合部33によって右縁部側を引き裂かれて、図10に示した状態になる。これによって、ICチップ36aに記憶された識別情報は読み取り不可になる。また、封印シール35を、さらに、本体側突出片13とカバー側突出片22との隙間に沿って切断することにより、ケース本体10からケースカバー20が取り外し可能になる。
以上のように、本実施形態に係る基板ケースAでは、本体側突出片13とカバー側突出片22との間に、レール部14に沿って移動する切断部材31と、支軸15を中心に回転することにより切断部材31を押圧する回転押圧部材32とが配置されている。また、回転押圧部材32の先端に設けられた可撓片33bは、封印シール35が貼り付けられた本体側突出片13とカバー側突出片22とを覆うシールカバー37の係合部38に係合する。このため、シールカバー37を前方にスライドさせて本体側突出片13とカバー側突出片22とから外すと、回転押圧部材32が回転して、切断部材31が外部に突出することにより、封印シール35の接続部36cが切断される。
このように、回転押圧部材32は、シールカバー37の一方側にだけ係合するため、シールカバー37が多少傾いた状態で移動しても、回転押圧部材32はスムーズに回転して、切断部材31を本体側突出片13とカバー側突出片22との間から外部に突出させて封印シール35の接続部36cを切断することができる。このため、シールカバー37を取り外す際に、傾き具合に注意しながらシールカバー37を引っ張る必要がなくなり、操作性が向上する。また、回転押圧部材32の可撓片33bが可撓性を備えているため、シールカバー37の取り外しができなくなったり、無理な力が加わって可撓片33bが破損したりすることを防止できる。
また、切断部材31がレール部14に沿って移動するため、封印シール35の接続部36cを確実に切断することができる。さらに、回転押圧部材32は、支軸15を中心に回転するため正確な軌道で回転するようになり、これによって切断部材31の押圧が正確になる。また、シールカバー37を取り外す際に、シールカバー37は、ガイド突出部23,24にガイドされて真っ直ぐに前方に移動するため、がたつくことなくスムーズに取り外すことができる。さらに、切断部材31に長穴31dを設け、回転押圧部材32に長穴31dに係合するガイド突起34cを設けたため、回転押圧部材32が回転できる角度を適正角度に制限することができる。
また、本発明に係る遊技機の基板ケースは、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更することができる。例えば、前述した実施形態では、レール部14を本体側突出片13に設けているが、このレール部14はカバー側突出片22に設けてもよい。また、前述した実施形態では、回転押圧部材32を支軸15に組み付けているが、回転押圧部材32と支軸15とを一体に形成して、本体側突出片13とカバー側突出片22との間に回転可能に取り付けてもよい。また、本発明に係る遊技機の基板ケースのそれ以外の部分の構成についても本発明の技術的範囲内で適宜変更して実施することが可能である。
10…ケース本体、13…本体側突出片、14…レール部、15…支軸、18…回路基板、20…ケースカバー、22…カバー側突出片、23,24…ガイド突出部、31…切断部材、31a…支受部、31b…刃部、31c…被押圧部、32…回転押圧部材、32a…基端部、33…先端係合部、33b…可撓片、35…封印シール、35a…シール部材、36…ICタグ、36a…ICチップ、36b…アンテナ、36c…接続部、37…シールカバー、38…係合部、A…基板ケース。

Claims (5)

  1. ケース本体と、前記ケース本体に着脱可能なケースカバーとを備え、内部に回路基板が収容される遊技機の基板ケースにおいて、
    前記ケース本体の一方の端部に形成された本体側突出片と、
    前記本体側突出片に対向するようにして前記ケースカバーの一方の端部に形成されたカバー側突出片と、
    前記本体側突出片と前記カバー側突出片との間と、その一方側の外部との間で移動可能に設置された切断部材と、
    前記本体側突出片と前記カバー側突出片との間に位置する基端部を中心に回転可能に配置され、回転して先端側部分が前記本体側突出片と前記カバー側突出片との間から一方の外部側に移動するときに、前記切断部材を押圧して外部に突出させる回転押圧部材と、
    シール部材に、ICチップと、アンテナ部と、ICチップとアンテナ部とを接続する接続部とからなるICタグを設けて構成され、前記本体側突出片と前記カバー側突出片との一方側の端部に掛け渡されて貼り付けられて、前記切断部材が前記本体側突出片と前記カバー側突出片との間から外部に突出するときに、前記接続部が切断される封印シールと、
    前記本体側突出片と前記カバー側突出片とを前記封印シールとともに覆って前記ケース本体と前記ケースカバーとを分離不能にした状態から、前記切断部材の移動方向と同じ方向に沿って一方側に移動することにより、前記回転押圧部材の先端部に係合して前記回転押圧部材を回転させて前記切断部材を外部に突出させるシールカバーと
    を備えたことを特徴とする遊技機の基板ケース。
  2. 前記本体側突出片または前記カバー側突出片にレール部が形成され、前記切断部材が前記レール部に沿って移動可能になっている請求項1に記載の遊技機の基板ケース。
  3. 前記切断部材が、前記レール部に支持されて移動する支受部と、前記回転押圧部材に押圧される被押圧部と、前記支受部と前記被押圧部との間に位置する刃部とで構成されている請求項2に記載の遊技機の基板ケース。
  4. 前記本体側突出片と前記カバー側突出片との間に支軸が設置され、前記回転押圧部材の基端部が、前記支軸に回転可能に組み付けられている請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載の遊技機の基板ケース。
  5. 前記ケース本体または前記ケースカバーに、前記シールカバーを前記切断部材の移動方向と同じ方向に移動させるガイド部が設けられている請求項1ないし4のうちのいずれか一つに記載の遊技機の基板ケース。
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