JP2014081317A - トルク検出装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

トルク検出装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性の高い検出結果を得ることができるトルク検出装置、及びそのトルク検出装置を用いた電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】トルク検出装置30は、1対の検出コイルの差動に基づいてトルクを検出するメイントルク検出手段と、1個の検出コイルの出力電圧に基づいてそれぞれトルクを検出する2つのサブトルク検出手段とを備える。そして、メイントルク検出手段及びサブトルク検出手段の異常を監視し、その異常診断結果を上位ECUに出力すると共に、正常であると判断されたトルク検出手段で検出したトルクを、最終的なトルク検出値として上位ECUに出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転軸に作用するトルクを検出するトルク検出装置、及びそのトルク検出装置を備える電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、ステアリング装置として、運転者がステアリングホイールを操舵する操舵トルクに応じて電動モータを駆動することによりステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が普及している。
この種の電動パワーステアリング装置では、搭載対象車両が大型化することにより、電動パワーステアリング装置の高出力化が進み、モータトルクが増大すると共に大電流化が加速している。
このように、電動パワーステアリング装置の高出力化が進むと、電動パワーステアリング装置を停止させた状態での手動操舵時に必要な操舵トルクが大きくなって、操舵が困難となる状況となっている。
従来、操舵トルクセンサ等の異常が発生した場合、電動パワーステアリング装置を停止させて安全を確保するようにしていた。しかしながら、上述したように手動操舵に必要な操舵トルクが大きくなりすぎて操舵が困難となっているため、操舵トルクセンサ等の異常が発生した場合でも電動モータを駆動制御して操舵補助力の発生を継続することが望まれている。
そこで、複数系統の操舵トルクセンサを用意し、1系統で異常が発生しても操舵トルクの検出を継続可能にするものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、独立2系統のコイル式トルクセンサにおいて、コイル電圧と基準電圧との差動増幅により、1個のコイルからトルクを検出するものもある(例えば、特許文献2参照)。ここでは、コイルの直流バイアスにより異常を検出するようにしている。
特開2010−190674号公報 国際公開第2010/119958号
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術にあっては、操舵トルクセンサを複数系統用意しているため、サイズの増大及びコストの増大を招く。また、上記特許文献2に記載の技術にあっては、1個のコイルからの検出を基本としているため、十分な検出精度を出すことが難しい。
そこで、本発明は、信頼性の高い検出結果を得ることができるトルク検出装置、及びそのトルク検出装置を用いた電動パワーステアリング装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係るトルク検出装置の一態様は、回転軸に生じるトルクに応じて互いに逆方向にインピーダンスが変化する一対の検出コイルを備えるトルク検出装置であって、前記一対の検出コイルの出力電圧を差動増幅して、前記トルクを検出するメイントルク検出手段と、前記検出コイルの出力電圧と予め設定した基準電圧とをそれぞれ差動増幅して、前記トルクを検出する2つのサブトルク検出手段と、前記メイントルク検出手段及び前記サブトルク検出手段の異常を監視する監視手段と、前記監視手段による異常診断結果と、前記監視手段で正常であると判断されたトルク検出手段で検出したトルクを出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明に係るトルク検出装置の一態様は、回転軸に生じるトルクに応じて互いに逆方向にインピーダンスが変化する一対の検出コイルを備えるトルク検出装置であって、前記一対の検出コイルの出力電圧を差動増幅して、前記トルクを検出するメイントルク検出手段と、前記検出コイルの出力電圧を測定し、当該検出コイルの出力電圧に基づいてそれぞれ前記トルクを検出する2つのサブトルク検出手段と、前記メイントルク検出手段及び前記サブトルク検出手段の異常を監視する監視手段と、前記監視手段による異常診断結果と、前記監視手段で正常であると判断されたトルク検出手段で検出したトルクを出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
これにより、メイントルク検出手段が正常であるときはメイントルク検出手段で検出した精密なトルク検出結果を出力し、メイントルク検出手段に異常が発生しているときは正常なサブトルク検出手段のトルク検出結果を出力することができる。このように、部分的な異常が発生しても、可能な限りトルクの検出を継続することができる。また、異常診断結果を上位コントローラに伝達することができるので、コントローラは適切に異常時処理を実施することができる。
また、上記において、前記サブトルク検出手段は、前記検出コイルのインピーダンスを測定するインピーダンス測定手段を有し、前記インピーダンスの抵抗成分をX軸、リアクタンス成分をY軸とする平面座標上におけるインピーダンスベクトルの変化を示すインピーダンス変化ベクトルが、トルクを一定とし温度を変化させたときと、温度を一定としトルクを変化させたときとで異なることを用いて、前記インピーダンス測定手段で測定した前記検出コイルのインピーダンスに基づいて、前記トルクを検出するようにしてもよい。
これにより、温度変化による検出コイルのインピーダンス変化を補償したトルクを検出することができる。このように、温度変化と相対角変化との切り分けが可能となり、特別な温度補償回路を設けることなく、適切に相対角(トルク)を検出することができる。
さらに、上記において、前記一対の検出コイルのうち、一方の検出コイルを励磁し当該検出コイルの出力電圧を検出する第1の励磁回路と、他方の検出コイルを励磁し当該検出コイルの出力電圧を検出する、前記第1の励磁回路とは独立した第2の励磁回路と、を備えるようにしてもよい。
このように、励磁回路を、それぞれの検出コイルに対して励磁を行う2系統で構成する。そのため、一方の励磁回路に異常が発生した場合であっても、他方の励磁回路で検出コイルの励磁が可能となる。1つの検出コイルを正常に励磁できれば、サブトルク検出手段によりトルクの検出が可能であるため、トルク検出装置のトルク検出機能を維持することができる。
さらにまた、上記において、前記メイントルク検出手段は、前記第1の励磁回路で検出した前記一方の検出コイルの出力電圧と、前記第2の励磁回路で検出した前記他方の検出コイルの出力電圧との電圧差を信号処理して前記トルクを検出する第1の信号処理部と、前記第1の励磁回路で検出した前記一方の検出コイルの出力電圧と、前記第2の励磁回路で検出した前記他方の検出コイルの出力電圧との電圧差を、前記第1の信号処理部と同様に信号処理して前記トルクを検出する第2の信号処理部と、を備えるようにしてもよい。
このように、メイントルク検出手段を2系統で構成するため、一方のメイントルク検出手段に異常が発生した場合であっても、他方のメイントルク検出手段によって高精度なトルク検出を継続することができる。
また、上記において、前記監視手段は、前記メイントルク検出手段及び前記サブトルク検出手段による前記トルクの検出に用いる信号をAD変換するAD変換器を有し、前記AD変換器の出力に基づいて前記信号の有効性を監視することで、前記メイントルク検出手段及び前記サブトルク検出手段の異常を監視するようにしてもよい。
さらに、前記励磁回路は、定常正弦波電流を流す定電流方式にすることが好ましい。この方式とすることで、感度の向上が望めると共に、コイルの両端の電圧を0から電源電圧の範囲に収めることができる。
これにより、電源範囲で動作するAD変換器を設けるだけで各種信号の監視が可能となる。したがって、信号の有効性の監視に特別な回路処理(電源範囲外で動作する特別なAD変換器、範囲外電圧をカットするリミッタ、その他監視のためのアナログ処理回路など)を用いなくてすむ。
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置の一態様は、操舵系に運転者の操舵負担を軽減する操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置であって、ステアリング機構に入力される操舵トルクを検出する上記の何れかに記載のトルク検出装置と、少なくとも前記トルク検出装置で検出した操舵トルクに基づいて、前記操舵補助力を付与すべく前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段と、を備えることを特徴としている。
このように、信頼性の高いトルク検出装置を用いて操舵補助制御を行うことができるので、安定した操舵補助制御を行う電動パワーステアリング装置とすることができる。
本発明のトルク検出装置では、高精度測定とフォールトトレラントな2重システムを両立させることができるので、信頼性の高い検出結果を得ることができる。
したがって、上記トルク検出装置を備える電動パワーステアリング装置では、安定した操舵補助制御を行うことができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置を示す全体構成図である。 トルク検出装置の構成を示すブロック図である。 トルクセンサを構成するコイル周辺図である。 操舵トルクとインダクタンスとの関係を示す図である。 1つのコイルでトルクを測定する原理を説明する図である。 トルク検出装置の構成の別の例を示すブロック図である。 トルク検出装置の構成の別の例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置を示す全体構成図である。
図中、符号1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は後述するトルク検出装置30が備えるトルクセンサ20を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介して中間シャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、補助操舵力を出力軸2bに伝達する操舵補助機構10が連結されている。この操舵補助機構10は、出力軸2bに連結された減速ギヤ11と、減速ギヤ11に連結されて操舵系に対して補助操舵力を発生する電動モータ12とを備えている。
トルクセンサ20は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するためのもので、図示しないトーションバーで連結された入力軸2aと出力軸2bとの相対的な変位(回転変位)を、コイル対のインピーダンスの変化に対応させて検出するように構成されている。このトルクセンサ20から出力されるトルク検出値Tはコントローラ15に入力される。
コントローラ15は、車載のバッテリ17(例えば、定格電圧が12Vである)から電源供給されることによって作動する。バッテリ17の負極は接地され、その正極はエンジン始動を行うイグニッションスイッチ18を介してコントローラ15に接続されると共に、イグニッションスイッチ18を介さず直接コントローラ15に接続されている。
コントローラ15には、トルク検出値Tの他に車速センサ16で検出した車速検出値Vが入力され、これらに応じた操舵補助力を操舵系に付与する操舵補助制御を行う。具体的には、上記操舵補助力を電動モータ12で発生するための操舵補助トルク指令値を公知の手順で算出し、算出した操舵補助トルク指令値とモータ電流検出値とにより、電動モータ12に供給する駆動電流をフィードバック制御する。
次に、トルク検出装置30の構成について詳細に説明する。
図2は、トルク検出装置30の構成を示すブロック図である。トルク検出装置30は、上述したトルクセンサ20を備える。トルクセンサ20は、同一規格のコイル21a及び21bが組み合わされて構成されたコイル対を備えている。
このトルクセンサ20は、図3にそのコイル周辺図を示すように、ヨーク71と、円管部材73と、円管部材73の外周部にコイル対21a及び21bと対向するように設けられた複数の窓731と、トーションバー74と、センサシャフト75とを含んでいる。なお、トーションバー74と、センサシャフト75と、ステアリングシャフト2の入力軸2a及び出力軸2bとは、同軸に配置される。コイル21a及び21bは、図3に示すように円筒形状のヨーク71内に配置される。
センサシャフト75は、出力軸2bと一体的に構成され、トーションバー74の一端(図3の右端)は出力軸2bに固定(圧入固定またはピン固定)される。円管部材73は入力軸2aに固定され、トーションバー74の他端(図3の左端)が入力軸2aに固定される。
図4に示すように、右操舵トルクが増大するに従って、コイル21aのインダクタンスL21aは増大し、コイル21bのインダクタンスL21bは減少する。また、左操舵トルクが増大するに従って、コイル21aのインダクタンスL21aは減少し、コイル21bのインダクタンスL21bは増大する。
すなわち、コイル21a及び21bは、入力軸2aと出力軸2bとが相対回転したときにインピーダンスが対称に変化する。トーションバー74のねじれ角(入力軸2aと出力軸2bとの相対回転角。以下、単に相対角ともいう。)はトルクに比例するので、このインピーダンス変化を捉えることで操舵トルクが検出可能となる。
トルク検出装置30は、主としてコイル21aの電圧を増幅、検出する系統(以下、系統Aという)と、主としてコイル21bの電圧を増幅、検出する系統(以下、系統Bという)との2系統で構成する。系統Aは、パワーアンプ31aと、発振器32aと、抵抗R1と、信号処理部33aと、波形源34aと、差動アンプ35aと、コンデンサC1と、AD変換器36aと、出力部37aと、差動アンプ38aと、発振器39aと、AD変換器40aとで構成されている。
また、系統Bは、パワーアンプ31bと、発振器32bと、抵抗R2と、信号処理部33bと、波形源34bと、差動アンプ35bと、コンデンサC2と、AD変換器36bと、出力部37bと、差動アンプ38bと、発振器39bと、AD変換器40bとで構成されている。
そして、系統A及び系統Bは、それぞれ2個のコイル21a及び21bから操舵トルクを精密に検出するメイントルク検出手段と、自身の系統に属する1個のコイル21a又は21bから操舵トルクを検出するサブトルク検出手段とを備える。なお、ここでいう「系統」とは、物理的な検出回路を意味し、「検出手段」とは、ソフトウェアやロジックを含む検出方法を意味するものである。
系統Aのメイントルク検出手段は、2つのコイル21a及び21bの電圧差(Cv1−Cv2)を増幅する差動アンプ35aと、差動アンプ35aが出力する信号M1を処理するロジックからなる。また、系統Aのサブトルク検出手段は、コイル21aの電圧Cv1と発振器39aが出力する基準信号Sa0との電圧差を増幅する差動アンプ38aと、差動アンプ38aが出力する信号S1を処理するロジックからなる。
同様に、系統Bのメイントルク検出手段は、2つのコイル21a及び21bの電圧差(Cv1−Cv2)を増幅する差動アンプ35bと、差動アンプ35bが出力する信号M2を処理するロジックからなる。また、系統Bのサブトルク検出手段は、コイル21bの電圧Cv2と発振器39bが出力する基準信号Sb0との電圧差を増幅する差動アンプ38bと、差動アンプ38bが出力する信号S2を処理するロジックからなる。
ここで、信号S1は、系統Bを構成する回路が全く機能しなくても得られる信号である。同様に、信号S2は、系統Aを構成する回路が全く機能しなくても得られる信号である。したがって、どちらか一系統が機能すれば、機能している方のサブトルク検出手段により操舵トルクを検出可能である。
なお、系統A及びBは、独立の電源(不図示)及び独立のグランドからなり、部品の異常が系統Aから系統B、若しくは系統Bから系統Aへ伝播しないようになっている。
この独立の電源は、コントローラ15から供給される。ここで、電源電圧は、例えば5Vとする。また、独立のグランド(GND1とGND2)は、一方の系統の異常が他方の系統の異常を誘発しないよう、一点かつ高インピーダンスで結合(不図示)され、ほぼ同じ電位に保たれている。
コイル21aは、パワーアンプ31aと、発振器32aと、抵抗R1とで構成される励磁回路によって励磁され、コイル電圧Cv1が検出される。ここで、コイル21aは、パワーアンプ31aと発振器32aから出力した励磁信号E1とによって、高周波(励磁周波数10kHz程度)で励磁されるものとする。
発振器32aは、信号処理部33aからのタイミング信号Tm1を受けて波形源34aが出力する波形情報(DA変換による階段状波形など)に基づいて、歪みの少ない正弦波を生成する正弦波発生器である。すなわち、この発振器32aは、タイミング信号Tm1によって位相が定められた正弦波を発生する。
この位相の精度は、トルク検出値の精度に大きく依存する。このため、AD変換器40aを用いて電圧E1を測定し、位相を分析し、狙いの位相となるようにタイミング信号Tm1を調整する方法を用いることもできる。発振器32aの位相特性が温度に依存してしまう場合には、特に有効である。
このコイル21aの励磁回路は、いわゆる定電流回路となっていて、発振器32aが出力した励磁信号E1の電圧に比例した電流がコイル21aに流れるようになっている。このように、コイル21aには常に一定の振幅と位相の電流が流れるが、上述したように、操舵トルクの変化によってコイル21aのインダクタンスが変化するため、コイル電圧Cv1の波形は、操舵トルクによって変動する。
ここで、励磁信号E1の最大値及び最小値は、電源電圧範囲(0V〜5V)の範囲に入る波形である。さらに、この励磁信号E1と抵抗R1とは、コイル電圧Cv1の電圧が0Vから5Vの間で略目一杯振れるように設計されている。すなわち、コイル電圧Cv1の最大値及び最小値は、電源電圧範囲(0V〜5V)の間に収まり、且つ最大値は電源電圧(5V)付近で、最小値は0V付近である。
また、コイル21bも同様に、パワーアンプ31bと、発振器32bと、抵抗R2とで構成される励磁回路によって励磁され、コイル電圧Cv2が検出される。発振器32bは、信号処理部33bからのタイミング信号Tm2によって位相が定められた正弦波を発生する。
信号処理部33a,33bは、同期信号Syncを介して、タイミングが同じ2つのタイミング信号Tm1,Tm2をそれぞれ生成する。そのため、系統Aの励磁回路と系統Bの励磁回路とは、それぞれ独立の回路ではあるが、同一の波形を生成することになる。これら2系統の励磁回路は、絶縁層を介して同一半導体プロセスで製造された部品内に形成され、同一の特性を有することが望ましい。
このように、励磁回路を2系統備えるため、仮にパワーアンプ31aに異常が発生した場合であっても、パワーアンプ31bによるコイル21bの励磁を継続することができるようになっている。
また、差動アンプ35aは、コイル電圧Cv1とCv2との電圧差を増幅して信号M1として出力する。系統A及び系統Bは、それぞれ独立のグランドを基準電位とするため、コイル電圧Cv1とCv2とを直接引き算すると、直流電圧差が発生する。この直流電圧差はトルクの情報を持たないので、コンデンサC1によりこれをカットし、交流成分のみを増幅する。
信号M1は、励磁周波数と同じ周波数の正弦波であり、この信号M1の振幅と位相は、相対角によって変化する。具体的には、信号M1の振幅は、相対角に略比例して変化する。また、信号M1の位相は、励磁信号E1の位相に対し、略同相か略逆相の2種類となる。ここで、位相が同相となるか逆相となるかは、相対角の方向によって決まる。同相(逆相)になる要因は、2つのコイル21a,21bのインピーダンスが入出力軸の相対角変化に対して対称に変化するためである。
この信号M1は、AD変換器36aに入力する。AD変換器36aは、信号処理部33aからサンプル要求Sq1が送信されたタイミングで信号M1の電圧を取得し、これをサンプル結果Sr1として信号処理部33aに送信する。
ここで、信号処理部33aは、励磁に同期したタイミングで信号M1の電圧を計測するようにサンプル要求Sq1を生成し、これをAD変換器36aに送信するようになっている。
なお、信号M1は正弦波であり、1周期の中で、最低3点のサンプリングがあれば位相と振幅とを確定できるが、本実施形態では1周期に4点のデータを等間隔で計測するようにサンプル要求Sq1を生成する。但し、AD変換やロジックの処理能力を超える場合も生じるため、その場合には、3周期で4点サンプルするなど、サンプル回数を減らし、3周期の平均的な位相、振幅を算出する方法を採用してもよい。
信号処理部33aは、AD変換器36aから送信されたサンプリングデータに基づいて信号M1の振幅及び位相を算出し、これをトルクに換算した結果を、メイントルク信号として出力ライン1を介して出力部37aに送信する。
差動アンプ35a〜出力部37aまでの、信号M1を用いてメイントルク信号を出力する流れが系統Aのメイントルク検出手段に対応している。
また、系統Bのメイントルク検出手段についても、上述した系統Aのメイントルク検出手段と同様の流れとなる。系統Bのメイントルク検出手段の流れは、差動アンプ35b〜出力部37bまでの流れである。
差動アンプ35bが出力したコイル電圧Cv1とCv2との電圧差を増幅した信号M2は、AD変換器36bに出力される。そして、AD変換器36bは、信号処理部33bからサンプル要求Sq2が送信されたタイミングで信号M2の電圧を取得し、これをサンプル結果Sq2として信号処理部33bに送信する。信号処理部33bは、取得したサンプルデータに基づいて信号M2の振幅及び位相を算出し、これをトルクに換算した結果を、メイントルク信号として出力ラインO2を介して出力部37bに送信する。なお、サンプル要求Sq2は、サンプル要求Sq1と同様に生成する。
このように、コイル及びその励磁系を除くメイントルク検出手段のハードウェアは、2系統が備えられている。そして、仮に差動アンプ35aに異常が発生し系統Aのメイントルク検出手段が機能しなくなったとしても、系統Bのメイントルク検出手段によってトルク出力が継続可能となっている。
さらに、差動アンプ38aは、コイル電圧Cv1と発振器39aが出力する基準電圧Sa0との電圧差を増幅して、信号S1として出力する。ここで、基準電圧Sa0とは、基準状態(例えば20℃でトルクが0の状態)におけるコイル電圧Cv1と同じ波形の定常波であり、発振器32aが出力する励磁信号E1に対し、常に一定の位相オフセットを施した定常正弦波である。
信号S1は、励磁周波数と同じ周波数の正弦波であり、この信号S1の振幅と位相は、相対角によって変化する。この信号S1は、信号M1と同様に、AD変換器36aに入力する。そして、AD変換器36aは、信号処理部33aからサンプル要求Sq1が送信されたタイミングで信号S1の電圧を取得し、これをサンプル結果Sr1として信号処理部33aに送信する。ここでも、信号処理部33aは、1周期に4点のデータを等間隔で計測するようにサンプル要求Sq1を生成する。
信号処理部33aは、AD変換器36aから送信されたサンプリングデータに基づいて信号S1の振幅及び位相を算出し、さらにインピーダンスを測定する。そして、信号処理部33aは、測定インピーダンスに基づいて相対角を算出し、これをトルクに換算してサブトルク信号とし、出力ラインO1を介して出力部37aに送信する。
以下、サブトルク信号の算出方法について具体的に説明する。
コイルのインピーダンスは損失(銅損、渦電流損、鉄損)からなる抵抗成分(R成分)と、磁束の作用によるリアクタンス成分(L成分)とがある。トルクセンサはそもそも相対角度変化が生じたときに磁束の変化量が大きくなるよう設計されているので、相対角度変化に対してはL成分の変動が大きい。一方、損失は導体(鉄心、アルミスリーブ、電線)の電気抵抗に大きく依存し、電気抵抗は温度に依存する。したがって、温度が変化したときはR成分の変化量が大きくなる。
本実施形態では、コイルのインピーダンス成分のうちR成分とL成分とが、相対角変化時と温度変化時とで異なる変化をすることを利用して、1個のコイルの測定インピーダンスから相対角(トルク)を算出する。
ここで、図5は、コイル(1個)のインピーダンスのR成分とL成分とを平面表示したインピーダンス平面であり、直線αは、温度を予め設定した基準温度(20℃)で一定とし、相対角を−5°から+5°まで変化させたときのインピーダンスベクトルの変化(インピーダンス変化ベクトル)を示す線である。また、直線βは、相対角を予め設定した基準相対角(0°)で一定とし、温度を0℃から120℃まで変化させたときのインピーダンス変化ベクトルを示す線である。
測定インピーダンスZaに対応するトルク(相対角)を算出するには、先ず、図5の星印に示すように、測定インピーダンスZaをインピーダンス平面上にプロットする。次に、その点を、平行四辺形を描くように直線αと直線βとに投影する。このとき、直線αとの交点のインピーダンスに対応する相対角が、測定インピーダンスZaに対応する相対角θ(Za)となる。また、直線βとの交点のインピーダンスに対応する温度が、測定インピーダンスZaに対応する温度T(Za)となる。
すなわち、直線βをインピーダンス平面上において測定インピーダンスZa上にオフセットし、オフセット後の直線β´と直線αとの交点のインピーダンスを求め、基準温度(20℃)でインピーダンスが上記交点のインピーダンスとなる相対角を求める。この相対角に対応するトルクがサブトルク信号となる。このようにして、サブトルク検出手段は、1つのコイル電圧からトルク(相対角)を算出する。
差動アンプ38a〜出力部37aまでの、信号S1を用いてサブトルク信号を出力する流れが系統Aのサブトルク検出手段に対応している。
また、系統Bのサブトルク検出手段についても、上述した系統Aのサブトルク検出手段と同様の流れとなる。系統Bのサブトルク検出手段の流れは、差動アンプ38b〜出力部37bまでの流れである。
差動アンプ38bが出力したコイル電圧Cv2と発振器39bが出力する基準電圧Sb0との電圧差を増幅した信号S2は、AD変換器36bに出力される。そして、AD変換器36bは、信号処理部33bからサンプル要求Sq2が送信されたタイミングで信号S2の電圧を取得し、これをサンプル結果Sq2として信号処理部33bに送信する。信号処理部33bは、取得したサンプルデータに基づいて信号S2の振幅及び位相を算出し、さらにインピーダンスを算出する。
そして、信号処理部33bは、その測定インピーダンスから、前述の投影による温度と相対角とを切り分ける手法を用いて、相対角(トルク)を求める。信号処理部33bは、これをトルクに換算し、サブトルク信号として出力ラインO2を介して出力部37bに送信する。
さらに、トルク検出装置30は、メイントルク検出手段及びサブトルク検出手段が正常であるか否かを判定する異常検出手段を備える。出力部37a及び37bは、異常検出手段による判定結果をコントローラ15へ出力すると共に、メイントルク信号及びサブトルク信号のうち異常検出手段による判定結果に応じたトルク信号を、最終的にトルク検出装置30で検出したトルク検出値としてコントローラ15へ出力する。
トルク検出装置30は、各メイントルク検出手段及び各サブトルク検出手段のうち、正常であると判定したトルク検出手段で検出したトルク検出結果をコントローラ15へ出力する。このとき、メイントルク検出手段とサブトルク検出手段とが共に正常であると判定した場合には、メイントルク検出手段で検出したトルク検出結果を優先して、コントローラ15へ出力する。
メイントルク検出手段及びサブトルク検出手段の異常判定は、AD変換器36a,36b及びAD変換器40a,40bが出力したサンプリングデータに基づいて、信号処理部33a,33bが行う。
AD変換器40aは、励磁信号E1,E2、コイル電圧Cv1,Cv2、及び基準信号Sa0を入力し、信号処理部33aからサンプル要求Sq3が送信されたタイミングで上記各信号をサンプリングし、その結果をサンプル結果Sr3として信号処理部33aに送信する。ここで、サンプル要求Sq3は、上述したサンプル要求Sq1,Sq2と同様に、1周期に4点のデータを等間隔で計測するように生成する。
同様に、AD変換器40bは、励磁信号E1,E2、コイル電圧Cv1,Cv2、及び基準信号Sb0を入力し、信号処理部33bからサンプル要求Sq4が送信されたタイミングでサンプリングし、その結果をサンプル結果Sr4として信号処理部33bに送信する。ここで、サンプル要求Sq4は、上述したサンプル要求Sq1,Sq2と同様に、1周期に4点のデータを等間隔で計測するように生成する。
信号処理部33aは、先ず、励磁信号E1,E2及びコイル電圧Cv1,Cv2のサンプリングデータに基づいて、励磁系の異常判定を行う。励磁信号E1,E2とコイル電圧Cv1,Cv2とは、決まった周波数、振幅、位相の正弦波であるため、信号処理部33aは、これらの振幅と位相とを監視することで、各信号の有効性(正確性)を判断する。なお、コイル電圧Cv1,Cv2は、決まった周波数、振幅、位相の正弦波であるが、わずかに変動する信号である。
また、信号処理部33aは、信号M1,S1のサンプリングデータに基づいて、信号M1,S1の有効性を判定する。信号M1,S1は、励磁信号E1,E2と略同相又は略逆相の正弦波であるため、信号処理部33aは、信号M1,S1とタイミング信号Tm1との位相差を監視し、予め設定した値よりも位相がずれている場合、信号M1,S1に異常が発生していると判定する。例えば、一方のコイル21a又は21bに層間短絡が発生すると、コイル21aとコイル21bとのバランスが崩れ、位相差が設定値から外れるといった現象が生じる。
さらに、信号処理部33aは、AD変換器36aから入力した信号M1,S1の一周期あたり各4点のサンプリングデータの対称性と監視すると共に、平均値を予め設定した閾値と比較することで、信号M1,S1の異常判定を行う。通常、信号M1,S1のサンプリングデータの平均値は、電源電圧とGNDとの中間電位(2.5V)である。例えば、差動アンプ35aに異常が発生すると、信号M1が電源電圧(5V)や0Vに固定されるといった現象が生じる。信号処理部33aは、このような異常も検出する。
また、信号S1からは温度のデータも得られる。実際の温度が乱高下することはあり得ないため、温度データに急激な変動が続く場合も検出異常として扱う。
また、信号処理部33aは、基準信号Sa0のサンプリングデータに基づいて、基準信号Sa0の有効性を判定する。基準信号Sa0は、コイル電圧Cv1と同じ波形の定常波であるため、信号処理部33aは、基準信号Sa0の周波数や平均値を予め設定した閾値と比較することで、基準信号Sa0の異常判定を行う。
このように、信号処理部33aは、系統Aのメイントルク検出手段及びサブトルク検出手段のトルク検出で用いる信号をAD変換した結果に基づいて、これらの信号の有効性を判定する。
同様に、信号処理部33bは、励磁信号E1,E2及びコイル電圧Cv1,Cv2のサンプリングデータに基づいて、励磁系の異常判定を行うと共に、信号M2,S2のサンプリングデータに基づいて、信号M2,S2の有効性を判定する。さらに、信号処理部33bは、基準信号Sb0のサンプリングデータに基づいて、基準信号Sb0の有効性を判定する。
このように、信号処理部33bは、信号処理部33aと同様に、系統Bのメイントルク検出手段及びサブトルク検出手段のトルク検出で用いる信号をAD変換した結果に基づいて、これらの信号の有効性を判定する。
また、信号処理部33a,33bは、励磁系の異常判定の結果、何れか一方の系統に異常が発生していると判定した場合、タイミング信号Tm1又はTm2の送信を停止することで異常がある系統の励磁を停止し、正常側の励磁のみを行うようにする。これは、コイル間の相互インダクタンスによる検出誤差を防ぐためである。
なお、コイル21a及び21bが検出コイルに対応している。また、信号処理部33a、差動アンプ35a、コンデンサC1及びAD変換器36aがメイントルク検出手段の第1の信号処理部に対応し、信号処理部33b、差動アンプ35b、コンデンサC2及びAD変換器36bがメイントルク検出手段の第2の信号処理部に対応している。
さらに、信号処理部33a、差動アンプ38a、発振器39a及びAD変換器36aが一方のサブトルク検出手段に対応し、信号処理部33b、差動アンプ38b、発振器39b及びAD変換器36bが他方のサブトルク検出手段に対応している。
また、信号処理部33a、AD変換器36a及びAD変換器40aが監視手段に対応し、出力部37a及び37bが出力手段に対応している。さらに、信号処理部33a及びAD変換器36a、並びに信号処理部33b及びAD変換器36bがインピーダンス測定手段に対応している。また、パワーアンプ31a、発振器32a、抵抗R1及び波形源34aが第1の励磁回路に対応し、パワーアンプ31b、発振器32b、抵抗R2及び波形源34bが第2の励磁回路に対応している。
なお、インピーダンス測定手段とは、直接的にインピーダンスの値を出力しなくても、インピーダンスを確定するに十分なデータを測定し処理する手段をいう。
次に、本実施形態の動作について説明する。
トルクセンサ20の各コイル21a,21bは、入出力軸のねじれ角に従って対称にインピーダンスが変化するように設計されているため、運転者がステアリング操作をしてトーションバー74がねじれたとき、コイル電圧Cv1とコイル電圧Cv2とには相対角(操舵トルク)に応じた電圧差が生じる。
このとき、系統Aのメイントルク検出手段は、差動アンプ35aによってコイル電圧Cv1とコイル電圧Cv2との電圧差を増幅した信号M1に基づいて、メイントルク信号を検出する。また、系統Bのメイントルク検出手段は、差動アンプ35bによってコイル電圧Cv1とコイル電圧Cv2との電圧差を増幅した信号M2に基づいて、メイントルク信号を検出する。
ここで、トルク検出装置30の各要素がすべて正常である場合には、信号処理部33a,33bは、AD変換器36a,36b及びAD変換器40a,40bから送信される各サンプリングデータに基づいて、メイントルク信号の検出に用いる各信号(E1,E2,Cv1,Cv2,M1,M2)が正常であると判断する。すなわち、系統A,Bが検出したメイントルク信号は、何れも正常値であると判断する。そのため、出力部37a,37bは、異常判定の結果、すべてが正常に機能していることをコントローラ15へ送信すると共に、系統Aで検出したメイントルク信号をトルク検出装置30で検出したトルク検出値Tとして出力部37aからコントローラ15へ出力する。
すると、コントローラ15は、トルク検出装置30から入力したトルク検出値Tと、車速センサ16で検出した車速検出値Vとに基づいて、操舵補助トルク指令値を算出する。そして、この操舵補助トルク指令値に基づいて電動モータ12を駆動制御する。このようにして、トルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を操舵系に付与する操舵補助制御を行う。
この状態から、差動アンプ35aに異常が発生すると、差動アンプ35aが出力する信号M1が異常信号となる。そのため、信号処理部33aは、AD変換器36aから送信される信号M1のサンプリングデータに基づいて、信号M1に異常が発生していると判定する。すなわち、系統Aで検出したメイントルク信号は正常値ではないと判断する。そのため、出力部37a,37bは、異常判定の結果、系統Aのメイントルク検出手段に異常が発生していることをコントローラ15へ送信すると共に、系統Bで検出した正常なメイントルク信号をトルク検出装置30で検出したトルク検出値Tとして出力部37bからコントローラ15へ出力する。
これにより、コントローラ15は、系統Aで検出したメイントルク信号に代えて、系統Bで検出したメイントルク信号を用いて操舵補助制御を行うことができる。また、コントローラ15は、警報を発するなどにより、運転者に対し修理が必要であることを報知することができる。
このように、メイントルク検出手段が2系統で成り立っているため、一方のメイントルク検出手段を構成する回路やロジックに異常が発生した場合であっても、他方のメイントルク検出手段によってメイントルク信号の出力が可能である。したがって、操舵補助制御を継続することができ、信頼性の高い電動パワーステアリング装置とすることができる。
また、各メイントルク検出手段は、2個のコイルの電位差(Cv1−Cv2)に基づいてメイントルク信号を検出している。これにより、温度変化や外部電磁波の影響をキャンセルし、相対角にのみ依存する値を得ることができる。すなわち、2個のコイルの電位差をとることで、トルクセンサとしての感度を2倍にすることができる。
さらに、コイル電圧Cv1,Cv2は、0Vから電源電圧(5V)までの間で目一杯振れるように設計されているため、トルク変化によって生じるコイル電圧Cv1,Cv2の電圧変動(すなわち感度)を最大化することができ、差動アンプ35a,35b及び差動アンプ38a,38bの増幅率を下げることができる。
差動アンプ35aと差動アンプ35bは、コイル電圧Cv1とコイル電圧Cv2との電圧差をとるため、コイル21a,21b以外の励磁部(パワーアンプ31a,31b、発振器32a,32b、抵抗R1,R2)は、2系統で全く同一特性であることが望ましいが、実際には特性に多少の違いがある場合がある。しかしながら、特性に多少の違いがあったとしても、上述したように差動アンプ35a,35bの増幅率を小さく抑えることができるため、回路の特性差がトルクの検出誤差として現れにくい。また、ノイズに対しても強くなる。
これは、差動アンプ38a,38bについても同様なことがいえる。すなわち、基準電圧Sa0,Sb0の揺らぎや温度変動が、トルクの検出誤差として現れにくい。
このように、メイントルク検出手段は、相対角のみに依存するコイル電圧差をもとにトルクを算出するため、高精度である。そして、本実施形態では、そのメイントルク検出手段を2系統もった回路構成であるため、信頼性が高い。
また、トルクセンサ20を構成するコイルについては、コイル4個を備えた2重系とせず、一対のコイルしか備えていない。コイル4個を備えた2重系では、サイズの増大により乗員の衝突安全用のエネルギー吸収ストロークを犠牲にしてしまうが、本実施形態では、このような問題を回避することができる。
この差動アンプ35aに異常が発生している状態から、例えばコイル21aに異常が発生すると、2つのメイントルク検出手段が共に正常なメイントルク信号を出力できない状態となる。このような場合には、1個のコイルからトルクを検出するサブトルク検出手段を使用する。
系統Aのサブトルク検出手段は、差動アンプ38aによってコイル電圧Cv1と基準電圧Sa0との電圧差を増幅した信号S1に基づいて、サブトルク信号を検出する。また、系統Bのサブトルク検出手段は、差動アンプ38bによってコイル電圧Cv2と基準電圧Sb0との電圧差を増幅した信号S2に基づいて、サブトルク信号を検出する。
このとき、検出トルク21aに異常が発生しているため、信号処理部33a,33bは、AD変換器36a,36b及びAD変換器40a,40bから送信される各信号のうち、サブトルク信号の検出に用いる各信号(Cv1,S1)に異常が発生していると判断する。すなわち、系統Aが検出したサブトルク信号は、正常値ではないと判断する。そのため、出力部37a,37bは、異常判定の結果、2つのメイントルク検出手段と系統Aのサブトルク検出手段に異常が発生しており、系統Bのサブトルク検出手段は正常に機能していることをコントローラ15へ送信すると共に、系統Bで検出したサブトルク信号をトルク検出装置30で検出したトルク検出値Tとして出力部37bからコントローラ15へ出力する。
したがって、この場合には、コントローラ15は、系統Bのサブトルク検出手段で検出したサブトルク信号に基づいて操舵補助制御を行う。
このように、2つのコイルの電圧差からトルクを検出するメイントルク検出手段に異常が発生している場合には、サブトルク検出手段を用いて1つのコイルの電圧からトルクを検出する。したがって、仮に一方のコイルに異常が発生した場合でも、トルク検出値Tの出力を継続することができ、操舵補助制御を継続させることができる。
また、サブトルク検出手段では、インピーダンス平面座標上におけるインピーダンス変化ベクトルが、トルクを一定とし温度を変化させたときと、温度を一定としトルクを変化させたときとで異なることを用いて、測定した1個のコイルのインピーダンスに基づいてトルクを検出する。そのため、特別な温度補償回路を要せずに、1個のコイルから温度変化によるインピーダンス変化を補償したトルクを検出することができる。
このように、コイルのインピーダンス成分のうち、R成分とL成分とが、相対角変化時と温度変化時とで異なる変化をすることを利用することで、1個のコイルから適切にトルクを検出することができる。
ところで、インピーダンスは、電圧と電流の比率と位相差とを複素数表現したものであり、コイル21a,21bの電流はそれぞれ励磁電圧E1,E2に比例し、コイル21a,21bの電圧はCv1,Cv2であるので、これらを測定して比と位相差をとればインピーダンスが求まる。しかしながら、コイル電圧Cv1,Cv2と励磁電圧E1,E2とを直接測定してインピーダンスを求めるには、高精度な電圧測定器が必要となり、コストアップとなる。
そこで、本実施形態では、コイル電圧Cv1,Cv2と基準電圧Sa0,Sb0との差を増幅した信号S1,S2を利用する。信号S1,S2は、基準状態に対する差の増幅値であり、温度変動と相対角変動の情報を豊富に含んだ波形を増幅したものである。そのため、高価な測定器を用いなくても適切にインピーダンスが測定可能である。
以上のように、本実施形態のトルク検出装置30は、2個のコイル21a,21bの差動に基づいてトルクを検出するメイントルク検出手段と、1個のコイルコイル21a(又は21b)の出力電圧と基準電圧Sa0(又はSb0)との電圧差に基づいてトルクを検出するサブトルク検出手段とを有する。そして、メイントルク検出手段とサブトルク検出手段との異常を監視し、正常であると判定したトルク検出手段で検出したトルクを、最終的にトルク検出装置30のトルク検出値Tとして出力する。
したがって、正常時には、2個のコイルの差動に基づいてトルクを検出するメイントルク検出手段による高精度なトルク検出を行い、異常発生時には、1個のコイルからトルクを検出するサブトルク検出手段によるトルク検出を行うことができる。したがって、高精度測定とフォールトトレラントな2重システムを両立することができる。
(変形例)
図6は、トルク検出装置30の構成の別の例を示すブロック図である。
この図6に示すトルク検出装置30は、図2に示すトルク検出装置30に対して、励磁回路を変更したものである。
電源V1,V2はコントローラ15から供給される2系統の電源(5V)である。
コイル21aの片側端(パワーアンプ31aのマイナス端子部)は、抵抗R12及びR11の分圧比によりバイアスされており、コイル21aに流すバイアス電流を変更することが可能となっている。コイル21bについても同様である。
これにより、パワーアンプ31aは流すバイアス電流を0にする、若しくは減らすことができ、電流容量の小さいものを使うことができる。さらに、コイル21aの左端端子からグランド端子への等価インピーダンスが小さくなり、コイルの検出感度(コイルインピーダンス変化に対するコイル電圧Cv1の変化)を増大することができる。
図7は、トルク検出装置30のさらなる変形例を示すブロック図である。
この図7に示すトルク検出装置30は、図6に示すトルク検出装置30に対して、AD変換器36a,36bを高精度のAD変換器36a´,36b´に変更したものである。
この場合、Cv1=S1´、Cv2=S2´とし、信号S1´をAD変換器36a´に入力し、信号S2´をAD変換器36b´に入力する。これにより、コイル電圧Cv1,Cv2を精密に測定し、その測定したコイル電圧Cv1,Cv2から直接的にコイルのインピーダンスを求めるようにする。すなわち、図6に示すトルク検出装置30で用いていたコイル電圧と基準電圧との差の増幅信号(S1,S2)を利用せずに、コイルのインピーダンスを求める。したがって、図6に示す差動アンプ38a,38b、及び基準電圧を出力する発振器39a,39bが不要となる。
ここで、図6に示すAD変換器36a,36bとしては、12bit程度の分解能を持ったものが使用されているのに対し、このAD変換器36a´,36b´としては、16bit程度の分解能を持ったものを使用する。また、診断機能には高精度のAD変換器は過剰スペックとなるため、AD変換器40a,40bとしては中程度(12bit〜10bit)の分解能を持ったものを使用する。
このように、コイル電圧Cv1,Cv2はAD変換器36a´,36b´で精密に測定するため、AD変換器36a´,36b´よりも粗いAD変換器40a,40bでコイル電圧Cv1,Cv2を診断する必要がない。すなわち、AD変換器40aにはコイル電圧Cv1(=S1´)を入力する必要がなく、同様に、AD変換器40bにはコイル電圧Cv2(=S2´)を入力する必要がない。
以上のように、高精度AD変換器36a´,36b´を用いることで、回路構成を簡素化することができる。したがって、高精度AD変換器が普及し低コストとなれば、この方式を用いることでコスト的に有利となる。
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、10…操舵補助機構、11…減速ギヤ、12…電動モータ、15…コントローラ、16…車速センサ、17…バッテリ、18…イグニッションスイッチ、20…トルクセンサ、21a,21b…コイル、30…トルク検出装置、31a,31b…パワーアンプ、32a,32b…発振器、33a,33b…信号処理部、34a,34b…波形源、35a,35b…差動アンプ(メイン)、36a,36b…AD変換器、36a´,36b´…高精度AD変換器、37a,37b…出力部、38a,38b…差動アンプ(サブ)、39a,39b…発振器、40a,40b…AD変換器

Claims (7)

  1. 回転軸に生じるトルクに応じて互いに逆方向にインピーダンスが変化する一対の検出コイルを備えるトルク検出装置であって、
    前記一対の検出コイルの出力電圧を差動増幅して、前記トルクを検出するメイントルク検出手段と、
    前記検出コイルの出力電圧と予め設定した基準電圧とをそれぞれ差動増幅して、前記トルクを検出する2つのサブトルク検出手段と、
    前記メイントルク検出手段及び前記サブトルク検出手段の異常を監視する監視手段と、
    前記監視手段による異常診断結果と、前記監視手段で正常であると判断されたトルク検出手段で検出したトルクを出力する出力手段と、を備えることを特徴とするトルク検出装置。
  2. 回転軸に生じるトルクに応じて互いに逆方向にインピーダンスが変化する一対の検出コイルを備えるトルク検出装置であって、
    前記一対の検出コイルの出力電圧を差動増幅して、前記トルクを検出するメイントルク検出手段と、
    前記検出コイルの出力電圧を測定し、当該検出コイルの出力電圧に基づいてそれぞれ前記トルクを検出する2つのサブトルク検出手段と、
    前記メイントルク検出手段及び前記サブトルク検出手段の異常を監視する監視手段と、
    前記監視手段による異常診断結果と、前記監視手段で正常であると判断されたトルク検出手段で検出したトルクを出力する出力手段と、を備えることを特徴とするトルク検出装置。
  3. 前記サブトルク検出手段は、前記検出コイルのインピーダンスを測定するインピーダンス測定手段を有し、
    前記インピーダンスの抵抗成分をX軸、リアクタンス成分をY軸とする平面座標上におけるインピーダンスベクトルの変化を示すインピーダンス変化ベクトルが、トルクを一定とし温度を変化させたときと、温度を一定としトルクを変化させたときとで異なることを用いて、前記インピーダンス測定手段で測定した前記検出コイルのインピーダンスに基づいて、前記トルクを検出することを特徴とする請求項1又は2に記載のトルク検出装置。
  4. 前記一対の検出コイルのうち、一方の検出コイルを励磁し当該検出コイルの出力電圧を検出する第1の励磁回路と、
    他方の検出コイルを励磁し当該検出コイルの出力電圧を検出する、前記第1の励磁回路とは独立した第2の励磁回路と、を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のトルク検出装置。
  5. 前記メイントルク検出手段は、
    前記第1の励磁回路で検出した前記一方の検出コイルの出力電圧と、前記第2の励磁回路で検出した前記他方の検出コイルの出力電圧との電圧差を信号処理して前記トルクを検出する第1の信号処理部と、
    前記第1の励磁回路で検出した前記一方の検出コイルの出力電圧と、前記第2の励磁回路で検出した前記他方の検出コイルの出力電圧との電圧差を、前記第1の信号処理部と同様に信号処理して前記トルクを検出する第2の信号処理部と、を備えることを特徴とする請求項4に記載のトルク検出装置。
  6. 前記監視手段は、前記メイントルク検出手段及び前記サブトルク検出手段による前記トルクの検出に用いる信号をAD変換するAD変換器を有し、
    前記AD変換器の出力に基づいて前記信号の有効性を監視することで、前記メイントルク検出手段及び前記サブトルク検出手段の異常を監視することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のトルク検出装置。
  7. 操舵系に運転者の操舵負担を軽減する操舵補助力を付与する電動パワーステアリング装置であって、
    ステアリング機構に入力される操舵トルクを検出する前記請求項1〜6の何れか1項に記載のトルク検出装置と、
    少なくとも前記トルク検出装置で検出した操舵トルクに基づいて、前記操舵補助力を付与すべく前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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CN106394652A (zh) * 2015-07-27 2017-02-15 株式会社电装 马达控制器以及使用该马达控制器的电动助力转向装置
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