JP2014080468A - 冷蔵庫 - Google Patents

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崇 井関
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正良 古橋
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Abstract

【課題】ポリウレタンフォーム原料の流動性を確保し、狭隙部に充分な量のポリウレタンフォームが充填されるようにして断熱性能を向上した冷蔵庫を提供することにある。更に、スキン層の発生を抑制し、薄肉部の断熱性能を向上した冷蔵庫を提供することにある。
【解決手段】イソシアネートと、水酸基価100〜450mgKOH/g、酸価0.5〜1.5、粘度1000〜17000mPasのポリエステルポリオールを10〜20重量%と、これ以外の2種類以上のポリオールと、水とシクロペンタンを含む発泡剤、反応触媒、整泡剤を少なくとも含むポリウレタン原料を断熱箱体内で反応させてポリウレタンフォームを形成した。ポリウレタンフォーム原料の流動性が改善され、狭隙部に充分な量のポリウレタンフォームが充填されることで断熱性能を向上できるようになる。
【選択図】図3

Description

本発明は食料品や飲料を冷蔵、或いは冷凍する冷蔵庫に係り、特に断熱箱体にポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫に関するものである。
地球温暖化を防止する社会の取り組みとして、二酸化炭素(CO)の排出抑制を図るため様々な分野で省エネルギー化が推進されている。例えば、近年の電気製品、特に冷熱関連の家電製品である冷蔵庫においても、消費電力量を低減する観点から断熱性能を向上した冷蔵庫が主流になってきている。そのためには、冷蔵庫内部の冷気が冷蔵庫の外部に逃げない構造が不可欠である。
冷蔵庫は冷蔵庫本体である断熱箱体と、その断熱箱体に設けられる貯蔵室の前面開口部を開閉する扉とで構成されている。そして、冷蔵庫内部の冷気が冷蔵庫の外部に逃げないようにするためには断熱箱体や断熱扉の断熱性能を向上することが有効である。このため断熱箱体や断熱扉にポリウレタンフォームを充填すると共に、このポリウレタンフォーム内部に真空断熱材を配置して熱の移動を抑制するようにしている。
一般的に、冷蔵庫の断熱箱体は鉄板で作られた外箱と合成樹脂で作られた内箱とで構成され、外箱と内箱の空間に気泡を有するポリウレタンフォームを用いた断熱材が充填されている。このポリウレタンフォームは、ポリオール成分とイソシアネート成分を発泡剤、触媒、及び整泡剤の存在下で反応させることにより得られるものである。
このポリウレタンフォームの発泡剤として広く使われてきたCFC−11は日本、及び米国において1995年末に全廃とされ、またHCFC−141cは2003年末までに全廃となった。これに伴い、オゾン層破壊の恐れがないノンフロン系発泡剤は欧州を中心に炭化水素系化合物への代替えが活発となり、日本でもシクロペンタンのような発泡剤が冷蔵庫の断熱材であるポリウレタンフォームに使用されてきた。
しかし、シクロペンタンはフロン系発泡剤に比べてガスの熱伝導率が高く断熱性能が大きく劣るという問題があった。また、シクロペンタン処方のポリウレタンフォームは高密度で流動性が劣るため、ポリウレタン充填量を多く使用しなければ、細部までポリウレタンが充填されず、断熱性能および強度の確保が十分でないという問題があった。この問題に対し、発泡剤としてシクロペンタンと併用する水の配合量を多くし、低密度および高強度の特性が両立できるシクロペンタン処方が開発された。
シクロペンタンを用いたポリウレタンフォームの例として、本出願人が出願した特開2004−27074号公報(特許文献1)には、熱伝導率の低減(断熱性能の向上)と寸法安定性を向上したポリウレタンフォームの組成が開示されている。
特開2004−27074号公報
ところで、近年では更に断熱性能を向上した冷蔵庫が要請され、この要請に応えるために真空断熱材を厚くする設計が検討されている。しかしながら、真空断熱材を厚くすると断熱箱体内部のポリウレタンフォーム原料が流動する空間が狭くなり、ポリウレタンフォームを充分に充填するのが難しくなる現象が発現した。同様に、冷蔵庫の省スペース化の要求等により断熱箱体内の空間の狭隙化、及び複雑形状化が発生して断熱箱体内部のウレタンフォーム原料が流動する空間が狭くなり、ポリウレタンフォームを充分に充填するのが難しくなる現象が発現した。つまり、ポリウレタンフォーム原料の流動する空間が狭くなるとポリウレタンフォーム原料の流動速度が遅くなり、この間にポリウレタンフォーム原料が発泡、硬化して反応が進行してしまい、この分だけポリウレタンフォーム原料が狭い空間に届かなくなるからである。
昨今の断熱箱体においては、真空断熱材の占有面積を大きくして断熱性能を向上することが行われており、もはや真空断熱材を設置する場所がほとんど無くなっている。このため、厚み方向への拡大として真空断熱材の厚板化、真空断熱材の積層化での対応や、少しでも真空断熱材の占有面積を増加させるために、通常は四辺形である真空断熱材を多角形化して、冷蔵庫内のホットガスパイプを跨ぐことが可能な形状にすること等で対応している。
いずれにおいても、真空断熱材と箱体との間の狭隙化がポリウレタン原料の流動の阻害要因となることで、ポリウレタンフォームの断熱特性のばらつき、ポリウレタンフォームの未充填、密度ばらつき等が発生し、これに対する改善を行う必要があった。特許文献1に記載のポリウレタンフォームの組成においてはポリウレタンフォーム原料の流動性については対応できておらず、上述したような真空断熱材と箱体との間の狭隙化によって、ポリウレタンフォームの断熱特性のばらつき、ポリウレタンフォームの未充填、密度ばらつき等の発生が懸念されるものであった。このように、ポリウレタン原料が狭くなった流動空間を円滑に流動するためには、ポリウレタンフォーム原料自体の流動性を向上させることが重要である。
また、真空断熱材の配置によって外箱と内箱の壁面との間が狭くなり、この部分でポリウレタンフォームの厚みが薄肉化してスキン層(発泡が不十分でポリウレタンフォームが高密度化してしまう層)が発生する現象が確認された。スキン層の発生は反応性、特に硬化時間に依存する傾向にあり、このスキン層は通常の厚みが確保されている箇所のポリウレタンフォームの熱伝導率と比較して大幅に悪化する。このスキン層の生成を抑制するためには硬化時間を短くすることが重要である。
本発明の目的は、ポリウレタンフォーム原料の流動性を確保し、狭隙部に充分な量のポリウレタンフォームが充填されるようにして断熱性能を向上した冷蔵庫を提供することにある。
本発明の更なる目的は、上記した主たる目的に加えてスキン層の発生を抑制し、薄肉部の断熱性能を向上した冷蔵庫を提供することにある。
本発明の特徴は、イソシアネートと、水酸基価100〜450mgKOH/g、酸価0.5〜1.5、粘度1000〜17000mPasのポリエステルポリオールを10〜20重量%と、これ以外の2種類以上のポリオールと、水とシクロペンタンを含む発泡剤、反応触媒、整泡剤を少なくとも含むポリウレタン原料を断熱箱体内で反応させてポリウレタンフォームを形成した、ところにある。
本発明の更なる特徴は、上記の特徴に加えて反応触媒としてジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N、N-ジメチルドデシルアミンを用いる、ところにある。
本発明によれば、ポリウレタンフォーム原料の流動性が改善され、狭隙部に充分な量のポリウレタンフォームが充填されることで断熱性能を向上できるようになる。
本発明によれば、上記の効果に加えて、ポリウレタンフォーム原料の硬化時間を短縮できるようになりスキン層の発生を抑制できるようになる。
冷蔵庫の断熱箱体にポリウレタンフォームを充填する充填方法を説明する説明図である。 実施例1と比較例の硬化時間と誘電分極値の関係を説明するグラフ図である。 本発明のポリウレタンフォーム原料と従来のポリウレタンフォーム原料の組成とその諸特性を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
先ず真空断熱材が使用される冷蔵庫のポリウレタンフォームの充填方法について説明する。尚、この図では簡略化のため不要な機器は省略している。図1において、冷蔵庫の断熱箱体3は外箱4と、これに内蔵された内箱5とより構成されている。更に外箱4と内箱5の間には真空断熱材6が配置されている。断熱箱体3は断熱扉が取り付けられる側を下にしてポリウレタンフォーム原料がポリウレタン注入ヘッド1から、断熱箱体3に設けたポリウレタン注入口2の上方側から4箇所で注入される。注入されたポリウレタンフォーム原料は外箱4と内箱5の間の空間を流動、移動していき、その後に順次反応を行って硬化していくものである。
そして、外箱4と内箱5との間に充填されるポリウレタンフォーム原料の組成は以下のようになっている。次に本発明になるポリウレタンフォーム原料の組成ついて詳細に説明する。
イソシアネートと混合されるプレミックスポリオールは、ポリオール、整泡剤、触媒、水とシクロペンタンを含む発泡剤とよりなるプレミックスポリオール組成物である。更にこのプレミックスポリオール組成物は、水酸基数4〜8個の多価アルコール1種または2種以上を含む混合物にアルキレンオキシドを付加した化合物をポリオールに対して不完全溶解でありエステル基を有する多価アルコールを1種または2種以上含む混合物を添加し、且つ温度依存性の小さい活性を有するアミン系の触媒を有するプレミックスポリオールである。
水酸基数4〜8の多価アルコールとしては次のものが考えられる。4価アルコールとしてはジグリセリン、ペンタエリスリトール、メチルグルコシド等があり、5価アルコールとしてはグルコース、マンノース、フルクトース等の単糖類があり、6価アルコールとしてはジペンタエリスリトール、ソルビトール等があり、7〜8価アルコールとしてはシュークローズ、ラクトース等の糖類およびその誘導体、フェノール類等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いても差し支えないが、好ましくはシュークローズを用いると良い。
また、水酸基数4〜8の多価アルコール1種または2種以上を含む混合物に付加するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等を用いることができる。このうち、いずれかのオキシド1種を用いてもよく、2種以上のオキシドを併用しても差し支えない。2種以上のオキシドを併用する場合、これらを順次反応させてもよく、またはこれらを混合して反応させてもよい。
用いることができるポリオールの粘度は、2000〜6000mPasであり、好ましくは3000〜5000mPasである。また、当該ポリオールの重量平均分子量は600〜1300であり、好ましくは重量平均分子量が800〜1000のポリオールが良い。重量平均分子量(Mw)が600よりも小さなポリオールを用いた場合、ポリオールの粘度は低下し流動性は向上するが、強度が低下する。一方、重量平均分子量(Mw)が1300よりも大きなポリオールを用いると、粘度が上昇し、流動性が著しく悪化するので好ましくない。
エステル基を有する多価アルコールとしては、水酸基価100〜450mgKOH/g、酸価0.5〜1.5、粘度1000〜17000mPas、官能基数2〜3であり、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、セバシン酸、リンゴ酸等の多価カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコールとの縮合反応で得られるポリエステルポリオールとする。
本発明においては、反応触媒として反応性が周囲温度に対する依存性の少ない触媒を用いている。すなわち、泡化アミン触媒や樹脂化アミン触媒に加えて温度依存性の少ないアミン触媒を混合して用いている。例えばN、N-ジメチルドデシルアミンを含むものを主成分とし、ライズ特性を調整するためにペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N、N、N′−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N、N−ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエチルシクロヘキシルアミン、トリエチレンジアミン、N、N、N′、N′−テトラメチルヘキサンジアミン、N、N、N′、N′−テトラメチルプロピレンジアミン、N、N、N′、N′−テトラメチルエチレンジアミン、N、N′、N′′−トリス(3-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、N、N′、N′′−トリス(3-ジエチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン等を用いることができる。
また、本発明に使用されるポリイソシアネートは、従来から使用されているものであれば良く特に限定するものではない。例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とその誘導体、これらは単独で使用しても、混合して使用しても差し支えない。また、トリレンジイソシアネート(TDI)とその誘導体としては、例えば、2、4−TDIと2、6−TDIの混合物、TDIの末端イソシアネートプレポリマー誘導体等を挙げることができる。また、MDIとその誘導体としては、例えば、MDIとその重合体のポリフェニルポリメチレンジイソシアネートの混合体、末端イソシアネート基をもつジフェニルメタンジイソシアネート誘導体等を挙げることができるので、これらを適切に用いればよいものである。
以上のような組成において、具体的なポリウレタンフォーム原料の実施例について説明する。
本実施例においてポリオール成分は三種類を使用しており、第1のポリオール成分(1)としてシュークローズ系ポリオールを70%、第2のポリオール成分(2)としてトルエンジアミンを20%、第3のポリオール成分(3)として水酸基価240mgKOH/g、酸価2.5、粘度3000mPasのポリエステルポリオールを10%とし、これらを混合したポリオール成分100重量部を用いている。
発泡剤として水およびシクロペンタンを使用し、反応触媒としてペンタメチルジメチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N、N−ジメチルドデシルアミンを使用し、整泡剤として有機シリコーンを使用し、イソシアネート成分としてポリメチレンポリフェニルジイソシアネートを使用している。
これらを混合したポリウレタンフォーム原料を外箱4と内箱5の間に流し込んで発泡させてポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫箱体を作製した。
冷蔵庫の断熱箱体3内のポリウレタンフォーム原料の発泡工程について説明すると、図1にあるように鋼板からなる外箱4と樹脂の成形品からなる内箱5を予め温調する。その後、断熱箱体3の前面を下側にし、断熱箱体3の背面が上側になるようにして発泡治具にセットする。この場合発泡治具も予め温調してある。そして、規定量のポリウレタンフォーム原料(3種類のポリオール混合物および水とシクロペンタンよりなる発泡剤、反応触媒、整泡剤をプレミックスしたプレミックスポリオール混合組成物とイソシアネート)を空隙部分に注入する。注入に際しては、ポリウレタンフォーム原料であるプレミックスポリオール混合組成物とイソシアネートを注入ヘッド内で衝突混合させることで化学反応を促進させ、発泡圧力により加圧して外箱4と内箱5の間にポリウレタンフォーム充填され断熱箱体3が完成する。
ポリウレタンフォームを充填した断熱材の物性、及び特性の測定結果を図3に示している。尚、図3にある各物性や特性は下記のようにして測定した。
(1)熱伝導率は、ポリウレタンフォーム原料を発泡、充填を行った断熱箱体3を形成した冷蔵庫のうち、ポリウレタンフォームの厚さが35mmの厚肉部A(この部分は真空断熱材が存在しない場所である)と、ポリウレタンフォームの厚さが15mmの薄肉部B(この部分は真空断熱材が存在する場所である)での熱伝導率をそれぞれ測定し、測定値の差を算出した。測定サンプルは、所定の幅、長さ、厚みのポリウレタンフォームを切り出し、英弘精機社製HC−073型(熱流計法、平均温度10℃)にて評価した。図3においては、ポリウレタンフォームの厚み15mmの熱伝導率とポリウレタンフォームの厚み35mmの熱伝導率との差分で表している。
(2)密度は、ポリウレタンフォームの厚さが35mmの場所A(この部分は真空断熱材が存在しない場所である)と、ポリウレタンフォームの厚さが15mmの場所B(この部分は真空断熱材が存在する場所である)の位置から、所定の幅、長さ、厚みのポリウレタンフォームを切り出し、その質量と体積から密度を算出している。図3においては、ポリウレタンフォームの厚み15mmの密度とポリウレタンフォームの厚み35mmの密度との差分で表している。
(3)箱体熱漏洩量は、ポリウレタンフォーム原料を発泡、充填を行った断熱箱体3を形成した冷蔵庫に、冷凍サイクル部品(圧縮機/コンデンサ/エバポレータ)を組み込んで箱体内部からの熱漏洩量を測定した。図3では、従来例の熱漏洩量を100とした場合の比率で表している。
(4)硬化時間は、ポリウレタンフォームの硬化時間を検証するために、FOAMATシステムを用いて時間と誘電分極値の関係を測定している。誘電分極値が最下限で安定し始める時間を硬化時間として測定した。
これらの物性、及び特性は他の実施例とまとめて後で詳細に説明する。
本実施例においてポリオール成分は三種類を使用しており、第1のポリオール成分(1)としてシュークローズ系ポリオールを70%、第2のポリオール成分(2)としてトリエタノールアミンを10%、第3のポリオール成分(3)として水酸基価315mgKOH/g、酸価2.5、粘度2800mPas、のポリエステルポリオールを20%とし、これらを混合したポリオール成分100重量部を用いている。
発泡剤として水およびシクロペンタンを使用し、反応触媒としてペンタメチルジメチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N、N−ジメチルドデシルアミンを使用し、整泡剤として有機シリコーンを使用し、イソシアネート成分としてポリメチレンポリフェニルジイソシアネートを使用した。これらの混合物を実施例1と同様にして外箱4と内箱5の間にポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫の断熱箱体3を作製した。ポリウレタンフォームを充填した断熱材の物性、及び特性は実施例1と同様にして測定した。
本実施例においてポリオール成分は4種類を使用しており、第1のポリオール成分(1)としてシュークローズ系ポリオールを60%、第2のポリオール成分(2)としてトルエンジアミンを20%、第3のポリオール成分(3)としてトリエタノールアミンを10%、第4のポリオール成分(4)として水酸基価300mgKOH/g、酸価2.0、粘度7000mPas、のポリエステルポリオールを10%とし、これらを混合したポリオール成分100重量部を用いている。
発泡剤として水およびシクロペンタンを使用し、反応触媒としてペンタメチルジメチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N、N−ジメチルドデシルアミンを使用し、整泡剤として有機シリコーンを使用し、イソシアネート成分としてポリメチレンポリフェニルジイソシアネートを使用した。これらの混合物を実施例1と同様にして外箱4と内箱5の間にポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫の断熱箱体3を作製した。ポリウレタンフォームを充填した断熱材の物性、及び特性は実施例1と同様にして測定した。
本実施例においてポリオール成分は3種類を使用しており、第1のポリオール成分(1)としてシュークローズ系ポリオールを70%、第2のポリオール成分(2)としてペンタエリスリトールを20%、第3のポリオール成分(3)として水酸基価240mgKOH/g、酸価2.5、粘度3000mPas、のポリエステルポリオールを10%とし、これらを混合したポリオール成分100重量部を用いている。
発泡剤として水およびシクロペンタンを使用し、反応触媒としてペンタメチルジメチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N、N−ジメチルドデシルアミンを使用し、整泡剤として有機シリコーンを使用し、イソシアネート成分としてポリメチレンポリフェニルジイソシアネートを使用した。これらの混合物を実施例1と同様にして外箱4と内箱5の間にポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫の断熱箱体3を作製した。ポリウレタンフォームを充填した断熱材の物性、及び特性は実施例1と同様にして測定した。
本実施例においてポリオール成分は3種類を使用しており、第1のポリオール成分(1)としてシュークローズ系ポリオールを70%、第2のポリオール成分(2)としてペンタエリスリトールを10%、第3のポリオール成分(3)として水酸基価315mgKOH/g、酸価2.5、粘度2800mPas、のポリエステルポリオールを20%とし、これらを混合したポリオール成分100重量部を用いている。
発泡剤として水およびシクロペンタンを使用し、反応触媒としてペンタメチルジメチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N、N−ジメチルドデシルアミンを使用し、整泡剤として有機シリコーンを使用し、イソシアネート成分としてポリメチレンポリフェニルジイソシアネートを使用した。これらの混合物を実施例1と同様にして外箱4と内箱5の間にポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫の断熱箱体3を作製した。ポリウレタンフォームを充填した断熱材の物性、及び特性は実施例1と同様にして測定した。
本実施例においてポリオール成分は3種類を使用しており、第1のポリオール成分(1)としてシュークローズ系ポリオールを60%、第2のポリオール成分(2)としてトルエンジアミンを20%、第3のポリオール成分(3)としてペンタエリスリトールを10%、ポリオール成分(4)として水酸基価300mgKOH/g、酸価2.0、粘度7000mPas、のポリエステルポリオールを10%とし、これらを混合したポリオール成分100重量部を用いている。
発泡剤として水およびシクロペンタンを使用し、反応触媒としてペンタメチルジメチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N、N−ジメチルドデシルアミンを使用し、整泡剤として有機シリコーンを使用し、イソシアネート成分としてポリメチレンポリフェニルジイソシアネートを使用した。これらの混合物を実施例1と同様にして外箱4と内箱5の間にポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫の断熱箱体3を作製した。ポリウレタンフォームを充填した断熱材の物性、及び特性は実施例1と同様にして測定した。
[比較例]
硬化時間の比較のため反応触媒の種類を変えて比較サンプルを作製した。このサンプルは基本的に実施例1と同等であるが、その反応触媒が異なっているものである。
比較サンプルにおいてポリオール成分は三種類を使用しており、第1のポリオール成分(1)としてシュークローズ系ポリオールを70%、第2のポリオール成分(2)としてトルエンジアミンを20%、第3のポリオール成分(3)として水酸基価240mgKOH/g、酸価2.5、粘度3000mPasのポリエステルポリオールを10%とし、これらを混合したポリオール成分100重量部を用いている。
発泡剤として水およびシクロペンタンを使用し、反応触媒としてペンタメチルジメチレントリアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ヒドロキシプロピル、2-トリ蟻酸メチルアンモニウムを使用し、整泡剤として有機シリコーンを使用し、イソシアネート成分としてポリメチレンポリフェニルジイソシアネートを使用した。これらの混合物を実施例1と同様にして外箱4と内箱5の間にポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫の断熱箱体3を作製した。ポリウレタンフォームを充填した断熱材の物性、及び特性は実施例1と同様にして測定した。
この比較例では反応触媒としてヒドロキシプロピル、2-トリ蟻酸メチルアンモニウムが使用されている点が実施例1と異なっている。
[従来例]
また、上述した実施例と比較例を評価するために従来から使用されているポリウレタンフォーム原料を使用して従来サンプルを作製した。
この従来サンプルにおいてポリオール成分は二種類を使用しており、第1のポリオール成分(1)としてシュークローズ系ポリオールを70%、第2のポリオール成分(2)としてトルエンジアミンを30%としとし、これらを混合したポリオール成分100重量部を用いている。
また、触媒として、例えば特開2003−042653号公報に示されている、ジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヌレート触媒としてN、N´、N´´-トリス(3-ジエチルアミノプロピル)ヘキサドロ-s-トリアジンを使用し、他の触媒、整泡剤、イソシアネート成分は実施例1と同様とした。従来のポリウレタンフォームを充填した断熱材の物性、及び特性は実施例1と同様にして測定した。
以上において、各実施例、比較例、従来例の物性、及び特性を図3に示している。図3の結果からわかるように、実施例1乃至実施例6において、全体のポリオール成分100%に対して、水酸基価100〜450mgKOH/g、酸価0.5〜1.5、粘度1000〜17000mPasの範囲内のポリエステルポリオールを10%以上20%以下で使用し、且つジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミンとN、N-ジメチルドデシルアミンを用いたポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫から採取したポリウレタンフォームのサンプルは、厚肉部A(35mm)と薄肉部B(15mm)の熱伝導率の差が従来例に対して30〜40%少なくなり、ウレタンフォームの密度差も24〜33%低減した。
つまり、これらの実施例によると、薄肉部Bでもスムースに流動することによりポリウレタンフォームを低密度で充填可能となり、そのため薄肉部の熱伝導率(断熱度合い)も改善していることが分かる。
また、薄肉部Bでの熱伝導率が改善していることから、冷蔵庫箱体の熱漏洩量が4〜5%改善していることが分かる。
ここで、比較例は実施例1の組成を基に反応触媒のうちN、N-ジメチルドデシルアミンをヒドロキシプロピル、2-トリ蟻酸メチルアンモニウムに変更したポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫から採取したウレタンフォームの物性測定値である。熱伝導率、密差、熱漏洩量は各実施例と遜色ないが、反応性のうちポリウレタンフォームが硬化するまでの時間に大きな差があることが分かった。この硬化時間の差はスキン層の発生に関与しているものと推測される。
図2に実施例6と比較例の硬化時間と誘電分極値の関係を示している。誘電分極値はポリウレタンフォームのウレタン反応が終結して硬化するまでの時間の指標として考えられる。図3にあるように、誘電分極値がほぼ一定に落ち着いて硬化が終了したと判断できるまでの時間が実施例6に比べて比較例は長くなっている。同様に図3からわかるように実施例1乃至実施例5に比べても硬化時間が長くなっている。この理由は反応触媒としてヒドロキシプロピル、2-トリ蟻酸メチルアンモニウムを用いているために硬化時間が長くなっていると考えられる。
実施例1乃至実施例6では反応触媒としてN、N-ジメチルドデシルアミンを用い、比較例ではヒドロキシプロピル、2-トリ蟻酸メチルアンモニウムを用いている。N、N-ジメチルドデシルアミン、及びヒドロキシプロピル、2-トリ蟻酸メチルアンモニウムは感温性の触媒であり、反応が進行していく過程で発生する反応熱によって活性が高まる触媒である。図2にあるように、ヒドロキシプロピル、2-トリ蟻酸メチルアンモニウムは2段階に活性が生じており、これが硬化時間を長くする原因と考えられる。一方、N、N-ジメチルドデシルアミンも反応熱によって活性が高まる触媒であるが、1段階で活性が終了していることからポリウレタンのスキン層が成長し難くなって薄肉部Bでのスキン層の発生による熱伝導率の悪化を低減することができるようになっている。
また、ポリウレタンフォームの硬化までの時間が長いということは、品質を安定化させるには脱型までのキュア時間を長くする必要があり、生産性を大きく損なうという課題も併せ有することである。これに対して、本実施例になるポリウレタンフォームでは硬化時間が短くなるので生産性を向上することができるという副次的な効果も期待できるものである。
また、本実施例になるプレミックスポリオールを用いれば、流動性が向上しているので狭隙部に円滑に流れていくようになり、少ない充填量で断熱性能を向上できるという効果も期待できるものである。
本発明を総括すれば、本発明ではイソシアネートと、水酸基価100〜450mgKOH/g、酸価0.5〜1.5、粘度1000〜17000mPasのポリエステルポリオールを10〜20重量%と、これ以外の2種類以上のポリオールと、水とシクロペンタンを含む発泡剤、反応触媒、整泡剤を少なくとも含むポリウレタン原料を断熱箱体内で反応させてポリウレタンフォームを形成した。これによってポリウレタンフォーム原料の流動性が改善され、狭隙部に充分な量のポリウレタンフォームが充填されることで断熱性能を向上できるようになる。
更に、反応触媒としてジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N、N-ジメチルドデシルアミンを用いるようにした。これによれば、上記の効果に加えて、ポリウレタンフォーム原料の硬化時間を短縮できるようになりスキン層の発生を抑制できるようになる。
1…ポリウレタン注入ヘッド、2…ポリウレタン注入口、3…断熱箱体、4…外箱、5…内箱、6…真空断熱材。

Claims (4)

  1. 外箱と内箱の間に真空断熱材を配置すると共に、前記断熱箱体の前記外箱と前記内箱の間にポリウレタンフォームを充填した冷蔵庫において、
    前記ポリウレタンフォームは、イソシアネートと、水酸基価100〜450mgKOH/g、酸価0.5〜1.5、粘度1000〜17000mPasのポリエステルポリオールを10〜20重量%と、これ以外の2種類以上のポリオールと、水とシクロペンタンを含む発泡剤と、反応触媒と、整泡剤を少なくとも含むポリウレタン原料を断熱箱体内で反応させて形成されることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 請求項1に記載の冷蔵庫において、
    前記2種類以上のポリオールは少なくともシュークローズとトルエンジアミンであり、前記シュークローズは主たるポリオールとしてその量が決められていることを特徴とする冷蔵庫。
  3. 請求項1に記載の冷蔵庫において、
    前記反応触媒として泡化アミン触媒や樹脂化アミン触媒と、温度依存性の少ないアミン触媒を混合して用いることを特徴とする冷蔵庫。
  4. 請求項3に記載の冷蔵庫において、
    前記反応触媒として、ジメチルシクロヘキシルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N、N-ジメチルドデシルアミンを用いることを特徴とする冷蔵庫。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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