JP2014080113A - 車両開口部開閉装置及び車両開口部開閉装置の異常検出方法 - Google Patents

車両開口部開閉装置及び車両開口部開閉装置の異常検出方法 Download PDF

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Hiroki Kanezaki
宏紀 金崎
Yuko Nomura
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Abstract

【課題】車両開口部開閉装置の修理費の増加を抑制することができる車両開口部開閉装置を得ると共に、車両開口部開閉装置の異常を検出することができる車両開口部開閉装置の異常検出方法を得る。
【解決手段】バックドア開口部開閉装置10は、バックドア12を該バックドア12の閉止位置Aと全開位置Bとの間で移動させるスピンドルユニット16を備えている。また、スピンドルユニット16は、車体22の後部に取付けられた第1ブラケット18及びバックドア12に取付けられた第2ブラケット20によって支持されている。さらに、第2ブラケット20の剛性がスピンドルユニット16の剛性よりも低く設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両開口部開閉装置及び車両開口部開閉装置の異常検出方法に関する。
下記特許文献1には、バックドア開口部を開閉するバックドアを電動で作動させたパワーバックドアが開示されている。この文献に記載された技術について簡単に説明すると、バックドアを開閉させる車両開口部開閉装置(調節装置)は、バックドアにガススプリングを介して連結された基部と、モータによって回転される棒状の雄螺子部と、を有して構成されている。モータによって雄螺子部が回転し、この雄螺子部に螺合された基部が雄螺子部の軸方向に沿って移動することによって、バックドアが開閉される構成である。
実登2548517号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された車両開口部開閉装置では、バックドアとバックドア開口部との間に異物を挟みこんだ場合、車両開口部開閉装置等に過大な荷重が加わることが考えられる。この荷重によって、車両開口部開閉装置が破損した場合、修理費の増加を招く。また、車両開口部開閉装置が破損したとしても、車両のユーザーがその破損に気付かないことが考えられる。
本発明は上記事実を考慮し、車両開口部開閉装置の修理費の増加を抑制することができる車両開口部開閉装置を得ることを第1の目的とし、車両開口部開閉装置の異常を検出することができる車両開口部開閉装置の異常検出方法を得ることを第2の目的とする。
請求項1記載の本発明に係る車両開口部開閉装置は、車体と車両開口部を開閉する開閉部材との間に設けられ、作動することにより前記開閉部材を該開閉部材の閉止位置と全開位置との間で移動させるアクチュエータと、前記アクチュエータと前記車体との間及び前記アクチュエータと前記開閉部材との間の少なくとも一方に設けられ、前記アクチュエータを支持すると共に、前記アクチュエータよりも剛性が低く設定されたブラケットと、を備えている。
請求項1記載の本発明では、開閉部材を閉止位置と全開位置との間で移動させるアクチュエータが、車体と開閉部材との間に設けられている。このアクチュエータが作動することによって、開閉部材が閉止位置側へ移動している際に、車両開口部と開閉部材との間に異物を挟み込むと、アクチュエータに過大な荷重が加わることが考えられる。しかしながら、本発明では、アクチュエータを支持しているブラケットの剛性が、アクチュエータの剛性よりも低く設定されている。そのため、車両開口部と開閉部材との間に異物を挟み込むことによって、アクチュエータに荷重が加わると、ブラケットがアクチュエータよりも先に変形する。これにより、アクチュエータの変形(破損)が抑制される。また、修理をする際には、ブラケットのみの交換でよい。
請求項2記載の本発明に係る車両開口部開閉装置は、請求項1記載の車両開口部開閉装置において、前記ブラケットは前記アクチュエータと前記車体との間及び前記アクチュエータと前記開閉部材との間の双方に設けられており、前記アクチュエータは、前記アクチュエータと前記車体との間に設けられた第1ブラケット及び前記アクチュエータと前記開閉部材との間に設けられた第2ブラケットに支持されており、前記第1ブラケットの剛性が前記第2ブラケットの剛性よりも低く設定され、又は前記第2ブラケットの剛性が前記第1ブラケットの剛性よりも低く設定されている。
請求項2記載の本発明では、開閉部材を閉止位置と全開位置との間で移動させるアクチュエータが、第1ブラケット及び第2ブラケットに支持されている。ここで、本発明では、第1ブラケットの剛性が第2ブラケットの剛性よりも低く設定されている、又は第2ブラケットの剛性が第1ブラケットの剛性よりも低く設定されている。そのため、第1ブラケットの剛性が第2ブラケットの剛性よりも低く設定されている場合にあっては、アクチュエータに荷重が加わると、第1ブラケットがアクチュエータ及び第2ブラケットよりも先に変形する。また、第2ブラケットの剛性が第1ブラケットの剛性よりも低く設定されている場合にあっては、アクチュエータに荷重が加わると、第2ブラケットがアクチュエータ及び第1ブラケットよりも先に変形する。これにより、アクチュエータの変形(破損)が抑制される。また、修理をする際には、第1ブラケット又は第2ブラケットのみの交換でよい。またさらに、より大きな荷重がアクチュエータに作用すると、アクチュエータが変形(破損)する前に第1ブラケット及び第2ブラケットが変形する。これにより、アクチュエータの変形(破損)がより一層抑制される。
請求項3記載の本発明に係る車両開口部開閉装置は、請求項1又は請求項2記載の車両開口部開閉装置において、前記アクチュエータは、モータが回転することによって伸縮することが可能とされたスピンドルユニットとされている。
請求項3記載の本発明では、スピンドルユニットが伸縮することによって、開閉部材が車両開口部を開閉する。そのため、車両開口部と開閉部材との間に異物を挟み込むと、スピンドルユニットには、その軸方向への荷重が加わるが、スピンドルユニットを曲げようとする曲げ荷重は加わりにくい。その結果、スピンドルユニットの変形(破損)が抑制される。
請求項4記載の本発明に係る車両開口部開閉装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両開口部開閉装置において、前記剛性が低く設定されたブラケットには、変形起点となる脆弱部が形成されている。
請求項4記載の本発明では、変形起点となる脆弱部が、ブラケット形成されている。そのため、脆弱部の形状及び位置を適宜設定することによって、所望の荷重でブラケットを変形させることができる。これにより、アクチュエータに加わる荷重が所望の荷重に制限される。
請求項5記載の本発明に係る車両開口部開閉装置の異常検出方法は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用開口部開閉装置の異常を検出するために適用され、前記アクチュエータの作動が前記開閉部材の前記全開位置への移動完了前に停止すると共に、前記アクチュエータが前記開閉部材を前記全開位置側にそれ以上移動させることができなくなったことを検出することにより、前記ブラケットが変形し異常が発生したものと判断する。
請求項5記載の本発明では、開閉部材が全開位置側に向けて移動している際に、開閉部材が全開位置への移動完了前に停止すると共に、アクチュエータが開閉部材を全開位置側にそれ以上移動させることができなくなった場合に、ブラケットが変形したものと判断する。これにより、車両開口部開閉装置の異常が、アクチュエータが変形(破損)する前に検出される。
請求項6記載の本発明に係る車両開口部開閉装置の異常検出方法は、請求項5記載の車両開口部開閉装置の異常検出方法において、前記異常を検出したことを異常告知手段に出力する。
請求項6記載の本発明では、ブラケットが変形し異常が発生したものと判断したことが異常告知手段に出力される。これにより、車両開口部開閉装置の異常が車両のユーザーに通知される。
請求項1記載の本発明に係る車両開口部開閉装置は、車両開口部開閉装置の修理費の増加を抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両開口部開閉装置は、アクチュエータの破損をより一層抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両開口部開閉装置は、スピンドルユニットの破損を防止することができる、という優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両開口部開閉装置は、アクチュエータの破損をより一層抑制することができる、という優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車両開口部開閉装置の異常検出方法は、車両開口部開閉装置の異常を検出することができる、という優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る車両開口部開閉装置の異常検出方法は、車両のユーザーが、アクチュエータが破損する前に車両開口部開閉装置の異常を知ることができる、という優れた効果を有する。
(A)は本実施形態のバックドア開口部開閉装置を備えた車体を該車体の側方側から見た側面図であり、(B)はバックドアの閉止位置及び全開位置におけるバックドア開口部開閉装置を示す拡大側面図である。 (A)はバックドアの閉止位置におけるスピンドルユニットを示す断面図であり、(B)はバックドアの全開位置におけるスピンドルユニットを示す断面図である。 (A)は第1ブラケットを示す平面図であり(B)はその側面図である。 (A)は第2ブラケットを示す平面図であり(B)はその側面図である。 (A)はバックドアの閉止位置におけるスピンドルユニットを示す断面図であり、(B)はスピンドルユニットがロックした状態における該スピンドルユニットを示す断面図である。 (A)は第1ブラケット及び第2ブラケットに支持されたスピンドルユニットを示す側面図であり、(B)は第1ブラケット及び変形した第2ブラケットに支持されたスピンドルユニットを示す側面図である。 バックドア開口部開閉装置の異常検出方法を示すフローチャートである。
次に、図1〜図4を用いて本発明の実施形態に係る車両開口部開閉装置について説明する。なお、車両前後方向前方側を矢印FRで示し、車両上下方向上側を矢印UPで示す。また、以下の説明で、単に前後、上下の方向を示す場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下を示すものとする。
図1(A)及び(B)に示されるように、本実施形態の車両開口部開閉装置としてのバックドア開口部開閉装置10は、軸線方向に沿って伸縮することによって開閉部材としてのバックドア12を閉止位置Aと全開位置Bとの間で移動させてバックドア開口部14を開閉するスピンドルユニット16と、このスピンドルユニット16を支持する第1ブラケット18及び第2ブラケット20と、を含んで構成されている。以下、先ずバックドア開口部14及びバックドア12の概略の構成について説明し、次いでスピンドルユニット16について説明し、最後に第1ブラケット18及び第2ブラケット20について説明する。
(バックドア開口部14及びバックドア12の概略の構成)
図1(A)に示されるように、車体22の後部には、略矩形枠状の車両開口部としてのバックドア開口部14が形成されていると共に、車体22の後部には、バックドア開口部14を開閉するバックドア12が設けられている。また、バックドア12の基端側は、バックドア開口部14の上部に図示しないヒンジを介して取付けられている。また、バックドア12の先端側には、図示しないロック装置が設けられており、このロック装置がバックドア開口部14の下部に設けられた図示しないストライカに係止されることによって、バックドア開口部14がバックドア12によって閉止される(バックドア12の回動が規制される)構成である。また、バックドア12は、図示しないダンパーによって全開位置側に向けて付勢されている。
(スピンドルユニット16)
図2(A)及び(B)に示されるように、アクチュエータとしてのスピンドルユニット16は、モータ24の回転を所定の減速比で減速して出力させる減速機26を備えた減速機付モータ28と、減速機付モータ28が作動することによってその軸線回りに回転するシャフト30と、シャフト30が挿通されるシリンダ32と、を備えている。
減速機付モータ28は、筒状に形成されたケース34の内部に収容されたモータ24及び減速機26を主要な要素として構成されている。また、ケース34の内部には、モータ24の回転数を検出するためのセンサ36が設けられている。さらに、ケース34の一端には、後述する第2ブラケット20のボールジョイント52(図4参照)に接続される接続部38が設けられている。
シャフト30は、棒状に形成されていると共に、このシャフト30の基端側は減速機付モータ28の出力軸に固定されている。これにより、シャフト30が減速機付モータ28によって回転駆動される構成である。また、シャフト30の外周部には、その軸方向に沿って雄螺子部30Aが形成されており、この雄螺子部30Aには、ナット40が螺合されている。さらに、シャフト30の先端には、ブロック状のストッパ部材42が固定されている。
シリンダ32は、有底円筒状に形成されていると共に、このシリンダ32の一端には、後述する第1ブラケット18のボールジョイント48(図3参照)に接続される接続部44が設けられている。また、シリンダ32の他端(開放端部)には、シャフト30の雄螺子部30Aに螺合されたナット40が固定されている。
以上説明したスピンドルユニット16は、図示しないECUによって制御されている。このECUによってモータ24が一方向に回転すると、このモータ24の回転が減速機26によって所定の回転数に減速されてシャフト30に伝達される。これにより、シャフト30がシリンダ32内に挿入される。その結果、図2(A)に示されるように、スピンドルユニット16の全長が縮長する。これに対して、モータ24が他方向に回転すると、シャフト30がシリンダ32から延出する。その結果、図2(B)に示されるように、スピンドルユニット16の全長が伸長する構成である。また、スピンドルユニット16が伸長することによって、バックドア12が全開位置B(図1(B)参照)に移動された際には、図2(B)に示されるように、ストッパ部材42とナット40との間に所定の距離Cのクリアランスを有するように設定されている。
(第1ブラケット18)
図1(A)及び(B)に示されるように、ブラケットとしての第1ブラケット18は、スピンドルユニット16と車体22との間に設けられており、この第1ブラケット18は、スピンドルユニット16の一端を支持している。詳述すると、図3(A)及び(B)に示されるように、第1ブラケット18は、鋼板材にプレス加工が施されることによって形成されたベース46と、ベース46に取付けられたボールジョイント48と、を含んで構成されている。
ベース46は、矩形板状の基部46Aを備えている。この基部46Aには、図示しないボルトが挿通される円形状の挿通孔46B及び楕円形状の挿通孔46Cが形成されている。この基部46Aがボルトを介して車体22の後部に取付けられている。その結果、第1ブラケット18が車体22(図1参照)の後部に固定されている。
また、ベース46は、基部46Aの短手方向の一端及び長手方向の一端から該基部46Aの板厚方向に向けて屈曲して延びるフランジ部46Dを備えている。また、フランジ部46Dには、円形の貫通孔46Eが形成されており、この貫通孔46Eには、ボールジョイント48が挿入されている。さらに、ボールジョイント48の基端側にかしめ加工が施されることによって、ボールジョイント48がフランジ部46Dに固定されている。また、ボールジョイント48がフランジ部46Dに固定された状態において、ボールジョイント48の先端に形成されたボール部48Aは、基部46A及びフランジ部46Dと対向する位置に配置されている。
また、基部46A及びフランジ部46Dには、ボールジョイント48のボール部48A側へ向けて突出する凸ビード46Fが形成されている。
また、第1ブラケット18の剛性は、前述したスピンドルユニット16(図2参照)の剛性よりも低く設定されている。
(第2ブラケット20)
図1(A)及び(B)に示されるように、ブラケットとしての第2ブラケット20は、スピンドルユニット16とバックドア12との間に設けられており、この第2ブラケット20は、スピンドルユニット16の他端を支持している。図4(A)及び(B)に示されるように、第2ブラケット20は、前述した第1ブラケット18と同様に、鋼板材にプレス加工が施されることによって形成されたベース50と、ベース50に取付けられたボールジョイント52と、を含んで構成されている。
ベース50は、該ベース50の板厚方向から見て長尺矩形状に形成されており、またベース50はバックドア12に図示しないボルトを介して取付けられる第1取付部50Aを供えている。さらに、第1取付部50Aには、ボルトが挿通される円形の挿通孔50Bが形成されている。また、ベース50は、第1取付部50Aの端部から段差部50Cを介してベース50の長手方向一方側に向けて延在する第1延在部50Dを備えている。また、第1延在部50Dには、舌片状のクッション取付部50Eが設けられており、このクッション取付部50Eには、ゴム材等の弾性部材を用いて形成されたクッション54が取付けられている。
また、ベース50は、第1延在部50Dの端部(ベース50の長手方向一方側の端部)から段差部50Fを介してベース50の長手方向一方側に向けて延在する第2延在部50Gを備えている。この第2延在部50Gの中間部には、脆弱部としての矩形状の開口部50Hが形成されている。後述するボールジョイント52に所定値以上の荷重が加わった際に、第2延在部50Gにおける開口部50Hが形成された部位に応力が集中して、該部位が屈曲する(変形起点となる)構成である。
また、ベース50は、バックドア12に図示しないボルトを介して取付けられる第2取付部50Iを供えている。この第2取付部50Iには、ボルトが挿通される楕円形の挿通孔50Jが形成されている。さらに、ベース50は、第2取付部50Iの端部(ベース50の長手方向他方側の端部)及び第2延在部50Gの端部(ベース50の長手方向一方側の端部)からそれぞれ第2取付部50I及び第2延在部50Gの板厚方向に向けて傾斜して延在する傾斜壁部50K及び傾斜壁部50Lを備えている。また、ベース50は、傾斜壁部50Kの先端部と傾斜壁部50Lの先端部とを繋ぐ頂壁部50Mを備えている。この頂壁部50Mには、円形の貫通孔50Nが形成されており、この貫通孔50Nには、ボールジョイント52が挿入されている。さらに、ボールジョイント52の基端側にかしめ加工が施されることによって、ボールジョイント52が頂壁部50Mに固定されている。また、ボールジョイント52が頂壁部50Mに固定された状態において、ボールジョイント52の先端に形成されたボール部52Aは、頂壁部50M、第1取付部50A及び第2取付部50Iと離間する方向に配置されている。
以上説明した第2ブラケットの剛性は、該第2ブラケットを構成するベース50の形状及び第2延在部50Gに形成された開口部50Hによって調整されている。その結果、第2ブラケット20の剛性は、前述した第1ブラケット18の剛性よりも低く設定されている。すなわち、第1ブラケット18及び第2ブラケット20に過大な荷重が加わった際に、第1ブラケット18よりも第2ブラケット20のほうが先に変形するように設定されている。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1(A)及び(B)に示されるように、本実施形態では、バックドア12を閉止位置Aと全開位置Bとの間で移動させるスピンドルユニット16が、車体22とバックドア12との間に設けられている。このスピンドルユニット16が作動することによって、バックドア12が閉止位置A側へ移動している際に、バックドア開口部14とバックドア12との間に異物を挟み込むと、スピンドルユニット16に過大な荷重が加わることが考えられる。しかしながら、本実施形態では、スピンドルユニット16を支持している第2ブラケット20の剛性が、スピンドルユニット16の剛性よりも低く設定されている。そのため、バックドア開口部14とバックドア12との間に異物を挟み込むことによって、スピンドルユニット16に荷重が加わると、図6(A)及び(B)に示されるように、第2ブラケット20がスピンドルユニット16よりも先に変形する。これにより、スピンドルユニット16の変形(破損)が抑制される。また、修理をする際には、第2ブラケット20のみの交換でよい。すなわち、本実施形態では、高価なスピンドルユニット16の破損が抑制され、その結果、バックドア開口部開閉装置10の修理費の増加を抑制することができる。
また、本実施形態では、バックドア12を閉止位置Aと全開位置Bとの間で移動させるスピンドルユニット16が、前記構成の第1ブラケット18及び第2ブラケット20に支持されている。ここで、本実施形態では、第2ブラケット20の剛性が第1ブラケット18の剛性よりも低く設定されている。そのため、スピンドルユニット16に荷重が加わると、第2ブラケット20がスピンドルユニット16及び第1ブラケット18よりも先に変形する。これにより、スピンドルユニット16の変形(破損)が抑制される。また、修理をする際には、第2ブラケット20のみの交換でよい。またさらに、より大きな荷重がスピンドルユニット16に作用すると、スピンドルユニット16が変形(破損)する前に第1ブラケット18及び第2ブラケット20が変形する。これにより、スピンドルユニット16の変形(破損)をより一層抑制することができる。
さらに、本実施形態では、スピンドルユニット16が伸縮することによって、バックドア12がバックドア開口部14を開閉する。そのため、バックドア開口部14とバックドア12との間に異物を挟み込むと、スピンドルユニット16には、その軸方向への荷重が加わるが、スピンドルユニット16を曲げようとする曲げ荷重は加わりにくい。その結果、本実施形態では、スピンドルユニット16の変形(破損)をより一層抑制することができる。
また、本実施形態では、変形起点となる開口部50Hが、第2ブラケット20のベース50に形成されている(図4参照)。そのため、開口部50Hの形状及び位置を適宜設定することによって、所望の荷重で第2ブラケット20を変形させることができる。これにより、スピンドルユニット16に加わる荷重が所望の荷重に制限され、その結果、スピンドルユニット16の破損をより一層抑制することができる。
なお、本実施形態では、第2ブラケット20の剛性が第1ブラケット18の剛性よりも低く設定された例について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、第1ブラケット18の剛性が第2ブラケット20の剛性よりも低く設定された構成としてもよい。
また、本実施形態では、第2ブラケット20のベース50に開口部50Hを設けた例について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、開口部50Hを設けない構成としてもよい。また、脆弱部としての薄肉部等をベース50に設けることによって第2ブラケット20の剛性を調整してもよい。
さらに、本実施形態では、第1ブラケット18及び第2ブラケット20を用いてスピンドルユニット16を支持した例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スピンドルユニット16の一端を車体22又はバックドア12に直接固定すると共に、スピンドルユニット16の他端を該スピンドルユニット16よりも剛性の低いブラケットに支持させた構成としてもよい。
また、本実施形態では、前述したスピンドルユニット16を用いてバックドア12を閉止位置Aと全開位置Bとの間で移動させた例について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、バックドア12を移動させる他のアクチュエータを用いてもよい。
さらに、本実施形態では、バックドア開口部開閉装置10に本発明を適用した例について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、車体の側部に設けられたサイドドア開口部を開閉するためのサイドドア開口部開閉装置及びセダンタイプの車体の後部に設けられたトランク開口部を開閉するためのトランク開口部開閉装置に本発明を適用することもできる。
(バックドア開口部開閉装置10の異常検出方法)
次に、図7等を用いてバックドア開口部開閉装置10の異常検出方法について説明する。
図2及び図7に示されるように、ステップS001では、バックドア12のロック装置等に設けられたセンサによって、バックドア12がバックドア開口部14を閉止しているか否かが判断される。ステップS001で肯定判断されると(バックドア12がバックドア開口部14を閉止している(バックドア12が閉止位置Aに位置している)場合)、スピンドルユニット16を制御するECUは、該位置をバックドア12の原点(スピンドルユニット16の原点O)と認識する(ステップS002)。
次いで、ステップS003では、バックドア12を開放させる指令信号がECUに入力されているか否かが判断される。なお、この指令信号は、車両のユーザーがスイッチ等を操作することによってECUに入力される。ステップS003で肯定判断されると(バックドア12を開放させる指令信号が入力されている場合)、スピンドルユニット16のモータ24に通電されると共に、スピンドルユニット16のストローク量(X)が検出される(ステップS004及びS005)。なお、スピンドルユニット16のストローク量(X)は、センサ36がモータ24の回転数をカウントすることによって検出されている。
次いで、ステップS006では、スピンドルユニット16が所定のストローク量(X1)に達したか否かが判断される。なお、バックドア開口部開閉装置10に異常が生じていない状態では、スピンドルユニット16のストローク量がX1に達した時にバックドア12が全開位置Bに位置するように設定されている。ステップS006で肯定判断されると(スピンドルユニット16のストローク量がX1に達したと判断した場合)、ECUによってモータ24への通電が遮断される(ステップS007)。これに対して、ステップS006で否定判断されると(スピンドルユニット16のストローク量がX1に達していないと判断した場合)、ステップS008において、スピンドルユニット16の作動(ストローク)が停止(ロック)しているか否かが判断される。なお、この判断は、センサ36によってカウントされるモータ24の回転数の単位時間当たりの変化量等をモニタすることによって行われる。また、ステップS008で否定判断されると(スピンドルユニット16の作動が停止していない場合(スピンドルユニット16がスムーズにストロークしている場合))、モータ24への通電が維持され、再度スピンドルユニット16が所定のストローク量(X1)に達したか否かが判断される(ステップS006)。
以上説明したように、バックドア開口部開閉装置10に異常が生じていない状態では、上記のステップを経てバックドア12が閉止位置Aから全開位置Bに移動される。
次に、図6(B)に示されるように、第2ブラケット20が変形している場合(バックドア開口部開閉装置10に異常が生じている場合)について説明する。
図5及び図7に示されるように、先ず、前述したバックドア開口部開閉装置10に異常が生じていない場合と同様に、ステップS001では、バックドア12がバックドア開口部14を閉止しているか否かが判断される(ステップS001)。バックドア12がバックドア開口部14を閉止している(バックドア12が閉止位置Aに位置している)場合、スピンドルユニット16を制御するECUは、該位置をバックドア12の原点(スピンドルユニット16の原点O)と認識する(ステップS002)。図5(A)に示されるように、第2ブラケット20が変形している場合と該第2ブラケット20が変形していない場合(図2(A)参照)と比べると、原点位置にずれ(距離L)が生じている。
次いで、ステップS003において、バックドア12を開放させる指令信号がECUに入力されているか否かが判断される。バックドア12を開放させる指令信号がECUに入力されている場合、スピンドルユニット16のモータ24に通電される(ステップS004)。そして、スピンドルユニット16のストローク量(X)が検出される(ステップS005)。
次いで、ステップS006において、スピンドルユニット16が所定のストローク量(X1)に達したか否かが判断される。スピンドルユニット16のストローク量がX1に達していないと判断した場合、スピンドルユニット16の作動(ストローク)が停止(ロック)しているか否かが判断される(ステップS008)。スピンドルユニット16の作動が停止していない場合(スピンドルユニット16がスムーズにストロークしている場合)、モータ24への通電が維持される。
ここで、図5(B)に示されるように、スピンドルユニット16が所定のストローク量(X1)に達する前に、ストッパ部材42がナット40に当接すると、スピンドルユニット16は、それ以上伸長することができなくなる。すなわち、スピンドルユニット16は、バックドア12を全開位置B(図1参照)側へそれ以上移動させることができない。この状態は、ステップS008において肯定判断される(スピンドルユニット16の作動(ストローク)が停止(ロック)していると判断される)。すなわち、バックドア開口部開閉装置10に異常が生じていると判断される。この場合、モータ24への通電が遮断されると共に、異常信号が車両に設けられた表示板やブザー等の異常告知手段に出力される(ステップS009及びS010)。
以上説明したように、本実施形態では、バックドア開口部開閉装置10の異常を、該バックドア開口部開閉装置10の一部を構成するスピンドルユニット16が変形(破損)する前に検出することができる。さらに、本実施形態では、車両のユーザーがバックドア開口部開閉装置10の異常を表示板やブザー等によって知ることができる。
なお、本実施形態では、バックドア開口部開閉装置10に異常が生じていると判断された際に、異常信号が車両に設けられた表示板やブザー等の異常告知手段に出力される例について説明してきたが、当該異常告知手段を設けなくてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
10 バックドア開口部開閉装置(車両開口部開閉装置)
12 バックドア(開閉部材)
14 バックドア開口部(車両開口部)
16 スピンドルユニット(アクチュエータ)
18 第1ブラケット(ブラケット)
20 第2ブラケット(ブラケット)
22 車体
24 モータ
50H 開口部(脆弱部)
A 閉止位置
B 全開位置

Claims (6)

  1. 車体と車両開口部を開閉する開閉部材との間に設けられ、作動することにより前記開閉部材を該開閉部材の閉止位置と全開位置との間で移動させるアクチュエータと、
    前記アクチュエータと前記車体との間及び前記アクチュエータと前記開閉部材との間の少なくとも一方に設けられ、前記アクチュエータを支持すると共に、前記アクチュエータよりも剛性が低く設定されたブラケットと、
    を備えた車両開口部開閉装置。
  2. 前記ブラケットは前記アクチュエータと前記車体との間及び前記アクチュエータと前記開閉部材との間の双方に設けられており、
    前記アクチュエータは、前記アクチュエータと前記車体との間に設けられた第1ブラケット及び前記アクチュエータと前記開閉部材との間に設けられた第2ブラケットに支持されており、
    前記第1ブラケットの剛性が前記第2ブラケットの剛性よりも低く設定され、又は前記第2ブラケットの剛性が前記第1ブラケットの剛性よりも低く設定されている請求項1記載の車両開口部開閉装置。
  3. 前記アクチュエータは、モータが回転することによって伸縮することが可能とされたスピンドルユニットとされている請求項1又は請求項2記載の車両開口部開閉装置。
  4. 前記剛性が低く設定されたブラケットには、変形起点となる脆弱部が形成されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両開口部開閉装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用開口部開閉装置の異常を検出するために適用され、
    前記アクチュエータの作動が前記開閉部材の前記全開位置への移動完了前に停止すると共に、前記アクチュエータが前記開閉部材を前記全開位置側にそれ以上移動させることができなくなったことを検出することにより、前記ブラケットが変形し異常が発生したものと判断する車両開口部開閉装置の異常検出方法。
  6. 前記異常を検出したことを異常告知手段に出力する請求項5記載の車両開口部開閉装置の異常検出方法。




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