JP2014080009A - インクジェット用記録シート - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット法にてインクジェット用記録シートに印刷する際に、保管湿度の影響を受けにくい安定した印刷性能を有するインクジェット用記録シートを提供する。
【解決手段】インクジェット用記録シートは、基材上の少なくとも片面にインク受容層を備え、インク受容層が、有機溶剤と吸水性を有する樹脂とを少なくとも含有し、インク受容層中の有機溶剤の量が0.1重量%以上20重量%以下であり、インク受容層中の水分量が10重量%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用記録シートに関する。
インクジェット法は、インクの液滴を飛翔させ、被印刷基板に直接付与する印刷方法であり、その簡便さや優れた画像品質等から、コンピュータ出力用のインクジェットプリンタは、家庭や産業用途に広く利用されている。
近年では、その簡便さや、所定の部分にのみ所定の材料をパターニングできるといった特徴から、液晶ディスプレイに代表される表示装置の画素を成すカラーフィルタの形成に、インクジェット法を適用する例も多く報告されている。
しかし、カラーフィルタ等の高精細なパターンをインクジェット法により形成する方法においては、インクジェットによるインク粒子の飛散や、インクのにじみが発生し易い為、形状が鮮明でエッヂのシャープな印刷パターンを得ることは困難である。
また、表示装置の部材を形成する場合、被印刷基板はガラスやプラスチックフィルムなどの非吸液性のものを用いる場合が多く、そのままでは乾燥性が著しく悪い。
近年、このインク粒子の飛散や、インクのにじみを防ぎ、インクの乾燥性を改善する為、基板上にインク受容層を形成する特許が多く出願されている。例えば、特許文献1、特許文献2ではブラックマトリクスを設けた基板上にインク吸収性樹脂層を積層し、光照射等で開口部と遮光部のインク濡れ性を制御する方法、特許文献3では基板上にインク吸収性樹脂層を設け、光照射等でインク濡れ性の高い部分と低い部分とを形成し、インク濡れ性の高い部分に着色インクを付与し、低い部分に遮光部材を配する方法等が提案されている。
特開平8−338905号公報 特開平9−15580号公報 特開平9−26508号公報 特開2001−180757号公報 特開2008−68462号公報
しかしながら、インク受容層は、インクを吸収する性質を持つ為、周辺空気中の水分を吸湿しやすい。又、インク受容層中の水分量は、インクの吸収の程度に影響を与え、さらには形成パターンの形状に影響を与える場合がある。この為、特に、カラーフィルタのような高精細なパターンを印刷する場合には、インク受容層の保管湿度を管理し、インク受容層中の水分量を適切な範囲に保つ必要がある。
吸湿による印刷性能への影響を抑制する為に、例えば、特許文献4では、インクジェット用記録シートを、調湿剤などの調湿手段の存在下に包装材内に密閉する方法等が提案されている。又、特許文献5では、インクジェット記録用シートを予め乾燥処理する等の方法が提案されている。
しかしながら、何れの方法も、吸湿による印刷性能への影響を抑制する為に、インクジェット用記録シートの保管環境を厳密に制御する必要があり、インク受容層そのものを、保管環境の影響を受けにくくするような方法ではない。
本発明の課題は、インクジェット法にてインクジェット用記録シートに印刷する際に、予めインク受容層中に有機溶剤を残存させることにより、保管湿度の影響を受けにくい安定した印刷性能を有するインクジェット用記録シートを提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決する為に、以下の構成を採用した。
第1の発明は、基材上の少なくとも片面にインク受容層を備えるインクジェット用記録シートであって、該インク受容層が、有機溶剤と、吸水性を有する樹脂とを少なくとも含有し、該インク受容層中の有機溶剤の量が0.1重量%以上20重量%以下であり、該インク受容層中の水分量が10重量%以下である、ことを特徴とするインクジェット用記録シートとした。
第2の発明は、第1の発明において、前記有機溶剤が、150°C以上300°C以下の沸点を有することを特徴とするインクジェット用記録シートとした。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記吸水性を有する樹脂が、0.01重量%以上の吸水性を有する膨潤型樹脂であることを特徴とするインクジェット用記録シートとした。
第4の発明は、第1乃至第3の何れかの発明において、前記インクジェット用記録シートを、50%RH以下の環境で保管することにより、前記インク受容層中の水分量を1重量%以下としたことを特徴とするインクジェット用記録シートとした。
第5の発明は、第1乃至第4の何れかの発明において、前記インクジェット用記録シートを、加熱することにより、前記インク受容層中の水分量を1重量%以下としたことを特徴とするインクジェット用記録シートとした。
第6の発明は、第1乃至第5の何れかの発明において、前記インク受容層の乾燥状態の厚さが、0.1μm以上30μm以下であることを特徴とするインクジェット用記録シートとした。
第7の発明は、第1の発明において、前記インクジェット用記録シートが、表示装置用のカラーフィルタや電極回路などの高精細なパターンを形成する為の基材となることを特徴とするインクジェット用記録シートとした。
本発明は、上述の特徴を有することから、下記に示すことが可能となる。
インク受容層が、有機溶剤と、吸水性を有する樹脂とを少なくとも含有し、該インク受容層中の有機溶剤の量が0.1重量%以上20重量%以下であり、該インク受容層中の水分量が10重量%以下であることで、本来、水が吸収されるべきところに予め有機溶剤が存在している為、より高湿の場合は、インク受容層への水分吸収が抑制され、より低湿の場合は、インク受容層から水分放出があるものの湿潤剤は残存する。
すなわち、有機溶剤がインク受容層に残存することで、より広域な湿度範囲において、インク受容層中の湿潤成分が一定の量存在することが可能となる。したがって、より広域な湿度範囲において、一定の印刷性能を有することが可能となる。ここで、湿潤成分とは、水や有機溶剤等の、常温にて液体で存在する成分のことを呼ぶこととする。
以下、本発明を、一実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のインクジェット用記録シートは、基材上の少なくとも片面にインク受容層を備えるインクジェット用記録シートであって、該インク受容層が、有機溶剤と、吸水性を有する樹脂とを少なくとも含有し、該インク受容層中の有機溶剤の量が0.1重量%以上20重量%以下であり、該インク受容層中の水分量が10重量%以下であることを特徴とするものである。当該インクジェット用記録シートは、例えば、表示装置用のカラーフィルタや電極回路などの高精細なパターンを形成する為の基材として利用可能なものである。
(基材)
インクジェット用記録シートに用いる基材には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、セロハン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルム類、LBKP、LBSP、LDP、NBKP、NBSP、NDP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプなどのパルプを主成分とする紙類、綿、麻、絹或いは化学繊維等からなる布類、さらにそれらを貼り合わせたもの、を使用することができる。
インクジェット用記録シートに用いる基材には、透明な基材を使用することもできる。例えば、無アルカリガラスやソーダガラスを使用できる。又、プラスチック等の可撓性基板を支持基板として加工したものも使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ナイロン、アラミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロース等のフィルム、シートを用いることができる。
(インク受容層)
インク受容層の吸水性を有する樹脂には公知の材料を用いることができるが、インクの変色や褪色がないこと、諸耐性があること等の性能が要求され、ポリビニルアルコール、及びその変成体、アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン等多岐に渡る樹脂の中から1つ以上を適宜選択して用いる。吸水性を有する樹脂は、0.01重量%以上の吸水性を有する膨潤型樹脂であることが好ましい。0.01重量%未満であると、インクを受像する性質が低くなり、インクの乾燥に著しく時間がかかる為好ましくない。ここで、膨潤型樹脂とは、樹脂が膨潤することによりインクを吸収する樹脂を指し、微細空隙を介して毛細管現象によりインクを吸収する空隙型樹脂と区別する。
ポリビニルアルコールとしてはケン化度が50〜90%程度のものが好ましく、また、これらをカチオン変性、アセタール化等した変性ポリビニルアルコールでも良い。
アクリル共重合体成分のアクリルモノマーとしては第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性アクリルモノマーがあり、例えば、(メタ)アクロイルオキシトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクロイルオキシトリメチルアンモニウムブロマイド、(メタ)アクロイルオキシトリメチルアンモニウムヨーダイド、(メタ)アクロイルオキシジメチルメチルアンモニウムサルフェイト、(メタ)アクロイルオキシジメチルエチルアンモニウムサルフェイト、(メタ)アクロイルオキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムアセテート、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムブロマイド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムヨーダイド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェイト、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムp−トルエンサルフォネイト、(メタ)アクリルアミドプロピルトリジメチルヒドロキシプロピルアンモニウムアセテート、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクロラインクロライド、メタクロラインブロマイド、メタクロラインヨーダイド等があげられ、これらの混合物でも良い。
カチオン性アクリルモノマー以外のモノマーとしては、アクリル酸アミド、メタアクリル酸アミド、ジメチルアクリルアミド等に代表されるアクリルアミド系モノマー、およびビニルピロリドン等が挙げられ、これらの混合物でも良い。
ポリウレタンは、末端が水酸基或いはアミノ基の化合物と有機イソシアネート化合物を反応させて得られるものであり、末端が水酸基の化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール共重合ポリオール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合ポリオール、ポリエチレングリコールアジペート、ポリエチレングリコールサクシネート、ポリエチレングリコール/ポリ−ε−カプロラクトン共重合ポリオール、ポリエチレングリコール/ポリ−バレロラクトン共重合ポリオール等が挙げられる。ここで、例えばポリエチレングリコール/ポリテトラメチレングリコール共重合ポリオールでいうような”/”は、この例であれば、ポリエチレングリコールとポリテトラメチレングリコールとの共重合ポリオールであることを示す。
又、末端がアミノ基化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドジアミン、ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドジアミン、ポリエチレンオキサイドトリアミン、ポリエチレンオキサイドプロピレンオキサイドトリアミン等が挙げられる。
又、インク受容層の密着性を高める為に、これら樹脂の中に微粒子(フィラー)を含有させることも有効である。フィラーとしては、無機微粒子では微粉末珪酸、有機微粒子ではアクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等から適宜選択して用いる。又、フィラーの添加量は、吸水性を有する樹脂100重量部に対し1〜20部が好ましい。1部未満であると、フィラーの効果が表れにくく、20部を超えると、インク受容層の透明性や平坦性が損なわれる為好ましくない。
又、インク受容層を紫外線照射により硬化する場合に用いる光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−(p−トリル)4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン、1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−〔1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン〕ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で、又は2種類以上混合して用いることができる。
これら樹脂の被膜の耐水性を向上させる目的でエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、アミン系化合物等の硬化剤を併用しても良い。
インク受容層が含有する有機溶剤には、公知の材料を用いることができるが、高沸点低揮発性が要求され、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、2,2’−チオジエタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールや、それらのモノエーテル化物、ジエーテル化物、エステル化物、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が用いられ、その他Nメチル2ピロリドン、1.3ージメチルイミダゾリジノン、モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の含窒素有機溶剤等多岐に渡る材料の中から1つ以上を適宜選択して用いる。該有機溶剤は、150°C以上300°C以下の沸点を有することが好ましい。150°C未満であると、後述するインク受容層の塗工液を乾燥する際に蒸発し易く、請求項1に記載する、インク受容層中の有機溶剤が0.1重量%以上20重量%以下という範囲に調節することが困難になる為好ましくない。また、300°Cを超えると、インクの乾燥に著しく時間がかかり、インク受容層の表面に粘着性が生じる場合がある為好ましくない。
以上のような材料を用いてインク受容層を形成する際には、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、キシレン等の一種または二種以上の混合溶剤を用いた1〜50質量%溶液の塗工液として使用する。
又、上記塗工液には、目的に応じて、前述した以外の樹脂、或いは、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、PH調整剤、消泡剤その他添加剤を適宜混合しても良い。
(インク受容層の塗工)
上記のような塗工液を用いてインク受容層を形成する際には、公知の塗工方法を用いることができる。例えば、ダイコート、ディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法、インクジェット法等が挙げられる。中でも、ダイコートは、均一な塗膜を形成することができるため好適な形成方法である。
上記のようにインク受容層を形成する際には、熱硬化性又は紫外線硬化性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等、より基材との密着性の高い樹脂層を、アンカー層として予め基材上に設け、その上層に設けることもできる。
上記のように塗工された塗工液を乾燥する際には、自然乾燥、冷風・温風乾燥、マイクロ波、減圧乾燥等を用いることができ、又、紫外線、電子線等の放射線を用いることもできる。但し、形成されるインク受容層中の有機溶剤が0.1重量%以上20重量%以下になるように出力や時間を調節しなければならない。0.1重量%未満であると、インク受容層中の有機溶剤の効果が表れにくく、20重量%を超えると、インク受容層の表面に粘着性が生じる場合がある為好ましくない。
上記のようにして形成されたインク受容層の乾燥状態の膜厚は0.1μm以上30μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上15μm以下である。0.1μm未満であるとインクを受像することができなくなり、30μmを超えると膜厚が厚くなり、塗工膜厚精度が低下する為好ましくない。
(インクジェット用記録シートの保管)
上記のように形成されたインクジェット用記録シートは、70%RH以下で保管することが好ましく、より好ましくは50%RH以下で保管し、インク受容層中の水分量を1重量%以下にすることが好ましい。1重量%を超えると、インク受容層とインクとの親和性が変化し、インクを受像する性質が低下する場合がある為好ましくない。また、70%RH以上でインクジェット用記録シートを保管すると、インク受容層中の有機溶剤の効果が表れにくく、インク受容層中の水分量が1重量%を超える場合がある為好ましくない。
(インクジェット法によるパターン印刷)
インク層の材料は、着色顔料、溶媒、樹脂、分散剤などで構成される。
インク層に使用する着色顔料としては、Pigment Red 9、19、38、43、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、215、216、208、216、217、220、223、224、226、227、228、240、Pigment Blue 15、15:6、16、22、29、60、64、Pigment Green 7、36、Pigment Red 20、24、86、81、83、93、108、109、110、117、125、137、138、139、147、148、153、154、166、168、185、Pigment Orange 36、Pigment Violet 23等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらは要望の色相を得る為に2種類以上混合して用いても構わない。
又、上記顔料と組み合わせて、彩度と明度とのバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保する為に、無機顔料を組み合わせて用いることもできる。無機顔料としては、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら、カドミウム等、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。さらに、調色の為、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
インク層に使用する溶媒としては、インクジェット方式における適性の表面張力範囲40mN/m以下で、且つ、沸点が130°C以上のものが好ましい。表面張力が40mN/m以上であるとインクジェット吐出時のドット形状の安定性に著しい悪影響を及ぼし、また、沸点が130°C以下であるとノズル近傍での乾燥性が著しく高くなり、その結果、ノズル詰まり等の不良発生を招くので好ましくない。具体的には、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で、又は2種類以上混合して用いることができる。
インク層に使用する樹脂としては、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルアセタール、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂及びこれらを変性したもの等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。耐熱性や耐光性が要求される際にはアクリル樹脂が好ましい。
樹脂への色素の分散を向上させるために分散剤を用いても良い。分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリ脂肪酸塩、脂肪酸塩アルキルリン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩等のイオン性界面活性剤、その他に、有機顔料誘導体、ポリエステル等が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上混合して用いることができる。
インク層を供給するインクジェット装置としては、インク吐出方法の相違によりピエゾ変換方式と熱変換方式とがあり、特にピエゾ変換方式が好適である。インクの粒子化周波数は5〜100KHz程度、ノズル径としては5〜80μm程度、ヘッドを3個配置し、1ヘッドにノズルを60〜500個組み込んだ装置が好適である。
このように、本実施形態によれば、インク受容層が、有機溶剤と、吸水性を有する樹脂とを少なくとも含有し、該インク受容層中の有機溶剤の量が0.1重量%以上20重量%以下であり、該インク受容層中の水分量が10重量%以下であることで、本来、水が吸収されるべきところに予め有機溶剤が存在している為、より高湿の場合は、インク受容層への水分の吸収が抑制され、より低湿の場合は、インク受容層から水分放出があるものの有機溶剤は残存する。
すなわち、有機溶剤がインク受容層に残存することで、より広域な湿度範囲において、インク受容層中の湿潤成分が一定の量存在することが可能となる。したがって、より広域な湿度範囲において、一定の印刷性能を有することが可能となる。
従って、インクジェット法にてインクジェット用記録シートに印刷する際に、予めインク受容層中に有機溶剤を残存させることにより、保管湿度の影響を受けにくい安定した印刷性能を有するインクジェット用記録シートを提供することができる。
以下に、本発明の一実施例を示すが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においてこれに限定されるものではない。
(実施例1)
インク受容層の塗工液としては、下記組成にて調製した溶液を用いた。インク受容層中に残存させる有機溶剤としてグリセリンを用いた。
[インク受容層の塗工液の組成]
・アクリルポリマー 20重量部
・2−プロパノール 50重量部
・トルエン 25重量部
・グリセリン 5重量部
着色インクを、下記要領にて作製した。
まず、下記の組成の混合物を3本ロールにて混錬し、各顔料分散体を作製した。
[顔料分散体の組成]
・アクリルワニス(固形分10%) 80重量部
・顔料 19重量部
・分散剤 1重量部
次に、上記各顔料分散体を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで顔料濃度が12〜15%、粘度が15cpsになるように調製し、赤(R)、緑(G)、青(B)着色インクを得た。
インクジェット用記録シートの基材には、厚さ100μm、300mm□の光透過性PETフィルムを用いた。
初めに、該PETフィルム上に、200mm幅のヘッドを用いたダイコーターにより、塗工長さ200mm、乾燥状態のインク受容層単独での膜厚が10μmになるように上記塗工液をコーティングした。
該PETフィルム上のインク受容層膜を、100℃ホットプレート上で5分乾燥し、インクジェット用記録シートを作製した。
次に、該インクジェット用記録シートの作製から1時間以内に、該インクジェット用記録シート上へ、6plヘッドを搭載したインクジェット印刷装置により、R、G、B各々の着色インク層を同一箇所に10drop吐出してドット状のパターンを形成した。
形成した印刷パターンを光学顕微鏡を用いて観察し、ドット状のパターンの直径を測長した。また、印刷に用いたものと同様の条件で作製したインクジェット用記録シートからインク受容層を剥離し、残存グリセリン量をガスクロマトグラフ/質量分析計にて、水分量をカールフィッシャー法により測定した。
その結果、10dropから成るドット状パターンの直径は、R;95μm、G;96μm、B;94μmであった。残存グリセリン量は0.95g/m(9.5重量%)、水分量は0.48g/m(4.8重量%)であった。
次に、インクジェット用記録シートの作製後、該インクジェット用記録シートを55%RHに設定したデシケータ内で7日間エージングした後にインクジェット印刷を行った以外は、上記と同様の実験を行った。
その結果、10dropから成るドット状パターンの直径は、R;96μm、G;96μm、B;92μmであった。残存グリセリン量は0.72g/m(7.2重量%)、水分量は0.58g/m(5.8重量%)であった。
(比較例1)
インク受容層の塗工液として、下記組成にて調製した溶液を用いた以外は、実施例1と同様の実験を行った。
[インク受容層の塗工液の組成]
・アクリルポリマー 20重量部
・2−プロパノール 50重量部
・トルエン 25重量部
・水 5重量部
その結果、10dropから成るドット状パターンの直径は、R;94μm、G;96μm、B;94μmであった。水分量は0.77g/m(7.7重量%)であった。
インクジェット用記録シートの作製後、該インクジェット用記録シートを55%RHに設定したデシケータ内で7日間エージングした後にインクジェット印刷を行った結果、10dropから成るドット状パターンの直径は、R;107μm、G;108μm、B;105μmであった。水分量は1.34g/m(13.4重量%)であった。
(比較例2)
インク受容層の塗工液として、下記組成にて調製した溶液を用いた以外は、実施例1と同様の実験を行った。
[インク受容層の塗工液の組成]
・アクリルポリマー 20重量部
・2−プロパノール 40重量部
・トルエン 25重量部
・グリセリン 15重量部
その結果、形成したインク受容層は著しい粘着性を有し、指で触れると容易に剥離するものとなり、使用に耐えないものであった。
以上の結果を以って、インクジェット用記録シートのインク受容層中に湿潤剤としてのグリセリンが残存していることによって、経時によるインクジェット印刷性能の変化が抑制されたことを確認した。
本発明のインクジェット用記録シートは、保管湿度の影響を受けにくい安定した印刷性能を有することが可能な為、家庭用や産業用のインクジェットプリンタ用の記録シートとして利用できる他、より高精細な印刷性能が要求されるカラーパターン、ブラックマトリクス、ホワイトマトリクス、スペーサー等のカラーフィルタ部材、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、ゲート絶縁膜、有機半導体材料等のトランジスタ部材、有機発光層等の有機EL素子の製造にも利用できる。

Claims (7)

  1. 基材上の少なくとも片面にインク受容層を備えるインクジェット用記録シートであって、
    該インク受容層が、有機溶剤と、吸水性を有する樹脂とを少なくとも含有し、
    該インク受容層中の有機溶剤の量が0.1重量%以上20重量%以下であり、
    該インク受容層中の水分量が10重量%以下である、
    ことを特徴とするインクジェット用記録シート。
  2. 前記有機溶剤が、150°C以上300°C以下の沸点を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録シート。
  3. 前記吸水性を有する樹脂が、0.01重量%以上の吸水性を有する膨潤型樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用記録シート。
  4. 前記インクジェット用記録シートを、50%RH以下の環境で保管することにより、前記インク受容層中の水分量を1重量%以下としたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット用記録シート。
  5. 前記インクジェット用記録シートを、加熱することにより、前記インク受容層中の水分量を1重量%以下としたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット用記録シート。
  6. 前記インク受容層の乾燥状態の厚さが、0.1μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のインクジェット用記録シート。
  7. 前記インクジェット用記録シートが、表示装置用のカラーフィルタや電極回路などの高精細なパターンを形成する為の基材となることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用記録シート。
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