JP2014079950A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク温度が安定するまでの時間を短縮できるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】一つの実施の形態に係るインクジェット記録装置は、第1および第2のタンクと、インクジェットヘッドと、循環部と、温度調節部と、圧力測定部と、記録部と、制御部とを備える。前記記録部は、前記インクジェットヘッド内のインクの目標温度と、前記インクジェットヘッド内におけるインクの温度と前記第1および第2のタンクにかかる圧力との関係である温度−圧力データと、を記録する。前記制御部は、前記目標温度および前記温度−圧力データから前記第1および第2のタンクの目標圧力を算出し、前記目標圧力と前記第1および第2のタンクの圧力との差である目標圧力変化値を算出し、前記目標圧力変化値を用いて目標温度変化値を算出し、前記目標温度変化値に基づいて前記温度調節部に前記第1および第2のタンクの温度を変化させる。
【選択図】図1
【解決手段】一つの実施の形態に係るインクジェット記録装置は、第1および第2のタンクと、インクジェットヘッドと、循環部と、温度調節部と、圧力測定部と、記録部と、制御部とを備える。前記記録部は、前記インクジェットヘッド内のインクの目標温度と、前記インクジェットヘッド内におけるインクの温度と前記第1および第2のタンクにかかる圧力との関係である温度−圧力データと、を記録する。前記制御部は、前記目標温度および前記温度−圧力データから前記第1および第2のタンクの目標圧力を算出し、前記目標圧力と前記第1および第2のタンクの圧力との差である目標圧力変化値を算出し、前記目標圧力変化値を用いて目標温度変化値を算出し、前記目標温度変化値に基づいて前記温度調節部に前記第1および第2のタンクの温度を変化させる。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、インクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置の一つとして、インクを循環させる循環型供給系を備えるインクジェット記録装置が知られる。当該循環型供給系では、インクを収容するインクタンクと、インクを吐出するインクジェットヘッドとの間で、インクが循環する。
インクを循環させることで、前記インクジェットヘッドのノズル近傍の気泡が排出される。また、インクが流動するためにインクの固化が抑制される。このように循環型供給系は、インクの不吐出を抑制する。
循環型供給系は、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出していないとき(非印字時)、ノズルにおける圧力を僅かに負圧となるように制御し、ノズルからインクが漏れることを防ぐ。
インクジェット記録装置には、種々のインクが用いられる。インクジェット記録装置は、インクの粘度などが適切な状態となるように、インクの温度を制御する。インクジェット記録装置は起動すると、例えばインクの温度を常温から40〜50℃まで上昇させる。しかし、インク温度が所望の温度で安定するまで長い時間がかかる。
本発明の目的は、インク温度が安定するまでの時間を短縮できるインクジェット記録装置を提供することにある。
一つの実施の形態に係るインクジェット記録装置は、第1のタンクと、インクジェットヘッドと、第2のタンクと、循環部と、温度調節部と、圧力測定部と、記録部と、制御部とを備える。前記第1のタンクにインクが収容される。前記インクジェットヘッドは、前記第1のタンクから前記インクが供給され、当該インクを吐出する。前記第2のタンクは、前記インクジェットヘッドから前記インクが供給される。前記循環部は、前記第1のタンク、前記インクジェットヘッド、および前記第2のタンクで前記インクを循環させる。前記温度調節部は、前記第1のタンクおよび前記第2のタンクの温度を変化させる。前記圧力測定部は、前記第1のタンクの第1圧力と、前記第2のタンクの第2圧力と、を測定する。前記記録部は、前記インクジェットヘッド内部の前記インクの目標温度と、前記インクジェットヘッドの内部におけるインクの温度と前記第1のタンクおよび前記第2のタンクにかかる圧力との関係である温度−圧力データと、を記録する。前記制御部は、前記目標温度および前記温度−圧力データから前記第1のタンクおよび前記第2のタンクの目標圧力を算出し、前記目標圧力と前記第1圧力および前記第2圧力との差である目標圧力変化値を算出し、前記目標圧力変化値を用いて目標温度変化値を算出し、前記目標温度変化値に基づいて前記温度調節部に前記第1のタンクおよび前記第2のタンクの温度を変化させる。
以下に、第1の実施の形態について、図1から図4を参照して説明する。なお、複数の表現が可能な各要素について一つ以上の他の表現の例を付すことがあるが、これは他の表現が付されていない要素について異なる表現がされることを否定するものではないし、例示されていない他の表現がされることを制限するものでもない。
図1は、インクジェットプリンタ10の構成を概略的に示す図である。インクジェットプリンタ10は、インクジェット記録装置の一例である。インクジェットプリンタ10は、インクジェットヘッド11と、上流インクタンク12と、下流インクタンク13と、循環ポンプ17と、フィルタ19と、インク供給ポンプ22と、インク供給タンク24と、圧力計25と、温度調節部26と、制御装置28と、入力部29とを備える。上流インクタンク12は、第1のタンクの一例である。下流インクタンク13は、第2のタンクの一例である。循環ポンプ17は、循環部の一例である。圧力計25は、圧力測定部の一例である。制御装置28は、記録部および制御部の一例である。
制御装置28は、例えば集積回路やメモリのような、種々の部品によって機能する。制御装置28は、インクジェットヘッド11、循環ポンプ17、インク供給ポンプ22、圧力計25、温度調節部26、および他の種々の要素に接続される。制御装置28は、種々の要素と情報のやり取りをし、種々の要素を制御する。
入力部29は、制御装置28に接続されている。入力部29として、例えばパーソナルコンピュータ、およびタッチパネルやボタンを有するインクジェットプリンタ10の操作部などが利用される。ユーザは、入力部29によって、インクジェットプリンタ10を操作し、また、インクジェットプリンタ10の種々の設定を行う。
図2は、インクジェットヘッド11の一部を示す断面図である。図2に示すように、インクジェットヘッド11は、例えば、いわゆるサイドシュータ型のシェアモードシェアウォール方式インクジェットヘッドである。
図2に示すように、インクジェットヘッド11は、ベースプレート31と、ノズルプレート32と、枠部材33と、一対の駆動素子34とを備えている。図2は、一対の駆動素子34のうち、一つの駆動素子34のみを示す。インクジェットヘッド11の内部に、インクが供給されるインク室36が形成される。
さらに、インクジェットヘッド11に、回路基板37や、マニホールド38のような、種々の部品が取り付けられる。回路基板37は、インクジェットヘッド11を制御する。マニホールド38は、インクジェットヘッド11と上流インクタンク12との間の経路の一部、およびインクジェットヘッド11と下流インクタンク13との間の経路の一部を形成する。
ベースプレート31は、例えばアルミナのようなセラミックスによって矩形の板状に形成される。ベースプレート31は、平坦な実装面41を有する。実装面41に、複数の供給孔42と、複数の排出孔43とが設けられる。
複数の供給孔42は、ベースプレート31の中央部において、ベースプレート31の長手方向に並んで設けられる。供給孔42は、マニホールド38のインク供給部38aに連通する。複数の排出孔43は、供給孔42を挟むように二列に並んで設けられる。排出孔43は、マニホールド38のインク排出部38bに連通する。
ノズルプレート32は、例えばポリイミド製の矩形のフィルムによって形成される。なお、ノズルプレート32は、ステンレスのような他の材料で形成されても良い。ノズルプレート32は、ベースプレート31の実装面41に対向する。
ノズルプレート32に、複数のノズル45が設けられている。複数のノズル45は、ノズルプレート32の長手方向に沿って二列に並ぶ。ノズル45は、実装面41の供給孔42と排出孔43との間の部分に対向する。
枠部材33は、例えばニッケル合金によって矩形の枠状に形成される。枠部材33は、ベースプレート31の実装面41とノズルプレート32との間に介在する。枠部材33は、実装面41とノズルプレート32とにそれぞれ接着される。
インク室36は、ベースプレート31と、ノズルプレート32と、枠部材33とに囲まれて形成される。インク室36は、ベースプレート31とノズルプレート32との間に形成される。
一対の駆動素子34は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)によって形成された板状の二つの圧電体によってそれぞれ形成される。前記二つの圧電体は、分極方向がその厚さ方向に互いに逆向きになるように貼り合わされる。
一対の駆動素子34は、ベースプレート31の実装面41に接着される。駆動素子34は、二列に並ぶノズル45に対応して、インク室36の中に平行に並んで配置される。駆動素子34の頂部は、ノズルプレート32に接着される。
駆動素子34に、複数の圧力室47が設けられる。圧力室47は、駆動素子34に形成された溝である。駆動素子34は、圧力室47を形成する複数の側壁48を有する。圧力室47は、駆動素子34の長手方向と交差する方向にそれぞれ延びており、駆動素子34の長手方向に並ぶ。
複数の圧力室47に、ノズルプレート32の複数のノズル45が開口する。圧力室47は、インク室36に開放される。言い換えると、圧力室47とインク室36とは連通する。このため、図2の矢印で示すように、駆動素子34の圧力室47と、インク室36との間でインクが流動する。インクは、圧力室47に充填され、圧力室47を通過する。
圧力室47に、それぞれ電極51が設けられる。電極51は、例えばニッケル薄膜によって形成される。電極51は、圧力室47の内面を覆う。
ベースプレート31の実装面41から駆動素子34に亘って、複数の配線パターン52が設けられる。配線パターン52は、例えばニッケル薄膜によって形成される。配線パターン52は、駆動素子34の圧力室47に形成された電極51から、実装面41の側端部までそれぞれ延びる。
回路基板37は、フィルムキャリアパッケージ(FCP)であり、樹脂製のフィルム54と、駆動IC55とをそれぞれ有する。なお、FCPは、テープキャリアパッケージ(TCP)とも称される。
フィルム54は、複数の配線が形成されるとともに柔軟性を有する。フィルム54は、例えばテープオートメーテッドボンディング(TAB)である。
駆動IC55は、フィルム54の前記複数の配線に接続される。駆動IC55は、電極51にパルス信号(電圧)を印加する部品である。駆動IC55は、例えば樹脂によってフィルム54に固定される。
フィルム54の端部は、異方性導電性フィルム(ACF)56によって、配線パターン52に熱圧着接続される。これにより、フィルム54の前記複数の配線は、配線パターン52に電気的に接続される。フィルム54が配線パターン52に接続されることで、駆動IC55が、フィルム54の前記配線を介して電極51に電気的に接続される。
マニホールド38は、分岐部57と、供給パイプ58と、排出パイプ59とを有する。分岐部57に、供給孔42に連通するインク供給部38aと、排出孔43に連通するインク排出部38bとが設けられる。インク供給部38aおよびインク排出部38bは、インクが通る流路である。
供給パイプ58は、分岐部57に設けられたインク供給部38aに連通する。図2に矢印で示すように、インクが、供給パイプ58と、マニホールド38のインク供給部38aとを通って、供給孔42からインク室36に供給される。
排出パイプ59は、分岐部57に設けられたインク排出部38bに連通する。図2に矢印で示すように、インク室36のインクが、排出孔43と、マニホールド38のインク排出部38bとを通って、排出パイプ59から排出される。
図1に示すように、インクジェットプリンタ10の上流インクタンク12は、インクを収容している。上流インクタンク12に、第1のヘッドチューブ61が接続される。第1のヘッドチューブ61は、例えば可撓性を有する合成樹脂によって形成される。
第1のヘッドチューブ61は、インクジェットヘッド11の供給パイプ58に接続される。このため、インクジェットヘッド11は、第1のヘッドチューブ61を介して、上流インクタンク12に接続される。言い換えると、上流インクタンク12は、インクジェットヘッド11の上流側に接続されている。
下流インクタンク13は、インクを収容している。下流インクタンク13に、第2のヘッドチューブ64が接続される。第2のヘッドチューブ64は、例えば可撓性を有する合成樹脂によって形成される。
第2のヘッドチューブ64は、インクジェットヘッド11の排出パイプ59に接続される。このため、インクジェットヘッド11は、第2のヘッドチューブ64を介して、下流インクタンク13に接続される。言い換えると、下流インクタンク13は、インクジェットヘッド11の下流側に接続されている。
下流インクタンク13は、管路部材66を介してフィルタ19に接続される。管路部材66は、例えばインクが通るパイプである。管路部材66に、循環ポンプ17が配置される。循環ポンプ17は、下流インクタンク13のインクをフィルタ19に輸送する。循環ポンプ17は、制御装置28によって作動または停止させられる。
フィルタ19は、管路部材67を介して、上流インクタンク12に接続される。管路部材67は、例えばインクが通るパイプである。すなわち、上流インクタンク12と下流インクタンク13とは、第1のヘッドチューブ61、インクジェットヘッド11、および第2のヘッドチューブ64によって接続され、さらに管路部材66,67によっても接続されている。
循環ポンプ17によって送られた下流インクタンク13のインクは、フィルタ19によってパーティクルや固化したインクを除去され、上流インクタンク12に輸送される。言い換えると、下流インクタンク13は循環ポンプ17の吸い込み側に連結し、循環ポンプ17の吐出側はフィルタ19を介して上流インクタンク12と連結する。
管路部材66にT字管69が設けられる。T字管69は、下流インクタンク13と循環ポンプ17との間に配置される。T字管69に、管路部材71の一方の端部が接続される。管路部材71は、例えばインクが通るパイプである。管路部材71の他方の端部は、インク供給タンク24に接続される。
インク供給タンク24は、インクを収容している。インク供給タンク24は、交換またはインクの再充填が可能である。インク供給タンク24は、管路部材72を介してフィルタ19に接続される。管路部材72は、例えばインクが通るパイプである。
管路部材71にインク供給ポンプ22が設けられる。インク供給ポンプ22は、正転することで、インク供給タンク24のインクをT字管69へ供給する。T字管69に供給されたインクは、循環ポンプ17によって、フィルタ19を介して上流インクタンク12に輸送される。インク供給ポンプ22は、逆転することで、インクをT字管69からインク供給タンク24へ戻す。
循環ポンプ17が下流インクタンク13のインクを上流インクタンク12に輸送することで、下流インクタンク13の圧力が低下する。下流インクタンク13の圧力が低下すると、第1のヘッドチューブ61、インクジェットヘッド11、および第2のヘッドチューブ64を介して、上流インクタンク12のインクが下流インクタンク13に吸引される。すなわち、上流インクタンク12のインクが第1のヘッドチューブ61を通過してインクジェットヘッド11に供給され、インクジェットヘッド11のインクが第2のヘッドチューブ64を通過して下流インクタンク13に供給される。このように、循環ポンプ17は、上流インクタンク12と、インクジェットヘッド11と、下流インクタンク13との間でインクを循環させる。
インクは、インクジェットヘッド11に供給され、圧力室47に充填される。ユーザが入力部29を操作すると、制御装置28は、インクジェットヘッド11の駆動IC55に当該操作に基づく印字指令を発する。駆動IC55は、印字指令に基づき、電極51にパルス信号を印加する。
電極51にパルス信号が印加されると、駆動素子34の側壁48がシェアモード変形し、圧力室47のインクを減圧および加圧する。加圧されたインクは、ノズル45から吐出される。インクジェットヘッド11は、前記印字指令に基づいてインクの吐出と移動とを繰り返すことで、紙のような印刷媒体に画像を形成する。
なお、駆動素子34が作動すると、熱を発生させる。このため、インク室36において、駆動素子34の上流側(供給孔42付近)のインクの温度と、駆動素子34の下流側(排出孔43付近)のインクの温度とが異なることがある。
圧力計25は、上流インクタンク12と下流インクタンク13とに接続される。圧力計25は、上流インクタンク12の絶対圧である第1圧力と、下流インクタンク13の絶対圧である第2圧力とを測定する。
制御装置28は、圧力計25から圧力信号を取得する。当該圧力信号は、圧力計25が計測した第1圧力および第2圧力の情報を含む信号である。制御装置28は、当該圧力信号に基づき、上流インクタンク12と下流インクタンク13との間の圧力差が一定の値になるようにインク供給ポンプ22を正転、逆転、または停止させる。制御装置28は、インクジェットヘッド11のノズル45における圧力(上流インクタンク12と下流インクタンク13との間の圧力差)が−1±0.1[kPa]となるように、インク供給ポンプ22を制御する。
温度調節部26は、容器75と、加熱装置76とを有する。温度調節部26は、容器75に液体を収容したいわゆるウォータバス構造である。容器75に収容された液体に、上流インクタンク12および下流インクタンク13が浸漬される。
加熱装置76は、例えば電気ヒータである。加熱装置76は、容器75に収容された液体を加熱する。これにより、温度調節部26は、上流インクタンク12および下流インクタンク13にそれぞれ収容されたインクの温度を変化させる。
温度調節部26は、沸騰した高温の液体を容器75に注入して上流インクタンク12および下流インクタンク13を加熱するのではなく、容器75の液体を常温から加熱することにより、この液体の温度上昇に伴って、上流インクタンク12および下流インクタンク13を加熱する。このため、上流インクタンク12および下流インクタンク13のインクの温度が徐々に上昇する。
なお、温度調節部26はウォータバス構造に限らない。温度調節部26は、例えば、直接的に上流インクタンク12および下流インクタンク13を加熱する電気ヒータであっても良い。
上流インクタンク12の内部において、第1のヘッドチューブ61の端部に熱電対81が設けられる。熱電対81は、上流インクタンク12のインクに浸され、上流インクタンク12のインクの温度を検知する。
下流インクタンク13の内部において、第2のヘッドチューブ64の端部に熱電対82が設けられる。熱電対82は、下流インクタンク13のインクに浸され、下流インクタンク13のインクの温度を検知する。
第1のヘッドチューブ61の他方の端部に、熱電対83が設けられる。熱電対83は、インクジェットヘッド11の近傍に配置される。熱電対83は、第1のヘッドチューブ61を流れるインクの温度を検知する。なお、熱電対83は、図1のように外管62の上から第1のヘッドチューブ61のインクの温度を測っても良いし、第1のヘッドチューブ61に直接取り付けられてインクの温度を測っても良い。
第2のヘッドチューブ64の他方の端部に、熱電対84が設けられる。熱電対84は、インクジェットヘッド11の近傍に配置される。熱電対84は、第2のヘッドチューブ64を流れるインクの温度を検知する。
インクジェットヘッド11の供給パイプ58に、サーミスタ87が設けられる。サーミスタ87は、供給パイプ58を流れるインクの温度を計測する。
インクジェットヘッド11の排出パイプ59に、サーミスタ88が設けられる。サーミスタ88は、排出パイプ59を流れるインクの温度を計測する。
図1に示すように、制御装置28は、温度−圧力データ91と、複数種類のインクのデータとを記録している。温度−圧力データ91は、複数のインク対応データ92を含んでいる。前記複数種類のインクのデータは、例えば、UV系インク、ソルベントインク、およびオイル系インクのようなインクの種類、またはインクジェットプリンタ10に利用可能なインクの商品名である。
図3は、インク対応データ92の一例を示すグラフである。上述のように、制御装置28は、インク供給ポンプ22によって、インクジェットヘッド11のノズル45における圧力を−1±0.1[kPa]に調節している。このとき、インクジェットヘッド11の内部におけるインクの温度と、上流インクタンク12および下流インクタンク13の絶対圧力とは、例えば図3に示す関係にある。言い換えると、図3に示すように、温度変化によって、インクジェットヘッド11の上流および下流にかかる絶対圧が変化する。当該関係は、インクの種類によって異なる。
インク対応データ92は、インクの種類ごとに設定された、インクジェットヘッド11の内部におけるインクの温度と、上流インクタンク12および下流インクタンク13の絶対圧との関係を示すデータである。インク対応データ92と、制御装置28に記録された前記インクのデータとは対応している。
制御装置28は、インクジェットプリンタ10の起動時に、温度−圧力データ91を利用して温度調節部26を制御する。以下に、図4を参照して、インクジェットプリンタ10の温度調節部26の制御方法の一例について説明する。図4は、温度調節部26の制御方法の一例を示すフローチャートである。
まず、インクジェットプリンタ10の電源がオンになると、制御装置28は、循環ポンプ17およびインク供給ポンプ22を作動させる(S1)。これにより、インクジェットプリンタ10においてインクが循環するとともに、インクジェットヘッド11のノズル45における圧力が調節される。
次に、ユーザは入力部29に、インクジェットプリンタ10で使用されるインクの種類を入力する。さらに、ユーザが入力部29に、所望のインクの温度(目標温度)Taimを入力する(S2)。例えばユーザは、インクジェットプリンタ10で使用されるインクが適切な粘度となる温度を入力部29に入力する。目標温度Taimは、例えば50℃に設定される。
入力部29は、入力された前記目標温度Taimおよび前記インクの種類を制御装置28に記録する。なお、ユーザが前記インクの種類を入力することで、入力部29は選択されたインクの種類に適切な目標温度Taimを制御装置28に自動的に記録しても良い。
次に、制御装置28は、圧力計25から前記圧力信号を取得する(S3)。制御装置28は、上流インクタンク12の絶対圧である第1圧力Puと、下流インクタンク13の絶対圧である第2圧力Pdとを記録する。
次に、制御装置28は、入力部29によって記録されたインクの種類に対応するインク対応データ92を呼び出す。制御装置28は、呼び出されたインク対応データ92と、前記目標温度Taimとを用いて、インクジェットヘッド11の上流および下流の目標圧力Paimu,Paimdを算出する(S4)。図3より、上流の目標圧力Paimuは約8[Pa]となり、下流の目標圧力Paimdは約−10[Pa]となる。
次に、制御装置28は、上流および下流の目標圧力Paimu,Paimdと、第1および第2圧力Pu,Pdとの差である目標圧力変化値ΔPu,ΔPdを算出する(S5)。そして、制御装置28は、種々のモデル式を用いて、目標圧力変化値ΔPu,ΔPdから目標温度変化値ΔTu,ΔTdを算出する(S6)。制御装置28は、目標温度変化値ΔTu,ΔTdの平均値ΔTaveを算出する。
制御装置28は、算出した平均値ΔTaveに基づいて、加熱装置76を制御する(S7)。例えば、平均値ΔTaveが大きいほど加熱装置76の出力を高くする。加熱装置76によって、容器75の液体に浸漬された上流インクタンク12および下流インクタンク13が加熱される。これにより、循環するインクの温度が上昇する。
制御装置28は、一定時間が経過した後、再度圧力計25から前記圧力信号を取得する。制御装置28は、第1および第2圧力Pu,Pdが、目標圧力Paimu,Paimdと等しいか調べる。すなわち、制御装置28は、インクジェットヘッド11の内部におけるインクの温度が目標温度Taimと等しいかを調べる(S8)。
制御装置28は、インクジェットヘッド11の内部におけるインクの温度が目標温度Taimと等しい場合、インクの循環を継続する(S9)。インクジェットヘッド11の内部におけるインクの温度が目標温度Taimと異なる場合、制御装置28は、再度第1および第2圧力Pu,Pdを読み取り(S3)、目標圧力Paimu,Paimdを算出する。以上のように、制御装置28は、温度調節部26を制御する。
第1の実施形態のインクジェットプリンタ10によれば、制御装置28がインクジェットヘッド11の上流および下流の圧力Pu,Pd、温度−圧力データ91のインク対応データ92、および目標温度Taimに基づいて、上流インクタンク12および下流インクタンク13の温度を変化させる。例えば、目標温度変化値ΔTu,ΔTdが大きい場合に高温で加熱し、目標温度変化値ΔTu,ΔTdが小さくなった場合には低温で加熱することで、インクの温度が目標温度Taimで安定するまでの時間が短縮できる。
制御装置28は、インクジェットヘッド11の上流および下流の圧力Pu,Pdと、温度−圧力データ91のインク対応データ92とを用いてインクの温度を調節する。このため、直接的にインクジェットヘッド11の内部の温度を測定することなく、インクジェットヘッド11の内部のインクの温度を正確に得ることができる。
次に、図5を参照して、第2の実施の形態について説明する。なお、以下に開示する実施形態において、第1の実施形態のインクジェット記録装置10と同一の機能を有する構成部分には同一の参照符号を付す。さらに、当該構成部分については、その説明を一部または全て省略することがある。
図5は、第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタ10の構成を概略的に示す図である。図5に示すように、第2の実施の形態において、温度調節部26は、第1の温度調節器101と、第2の温度調節器102とを有している。
第1の温度調節器101は、第1の容器104と、第1の加熱装置105とを有している。第2の温度調節器102は、第2の容器106と、第2の加熱装置107とを有している。第1および第2の温度調節器101,102は、第1および第2の容器104,106に液体を収容したいわゆるウォータバス構造である。第1および第2の加熱装置105,107は、収容された当該液体を加熱する。
第1の容器104の液体に、上流インクタンク12が浸漬されている。第2の容器106の液体に、下流インクタンク13が浸漬されている。上流インクタンク12および下流インクタンク13は、第1および第2の温度調節器101,102によって、個別に温度を変化させられる。
例えば、制御装置28は、上流側の目標温度変化値ΔTuに基づいて、第1の温度調節器101を制御する。さらに、制御装置28は、下流側の目標温度変化値ΔTdに基づいて、第2の温度調節器102を制御する。
第2の実施形態のインクジェットプリンタ10によれば、制御装置28は、上流側の目標温度変化値ΔTuに基づいて第1の温度調節器101によって上流インクタンク12の温度を変化させる。さらに、制御装置28は、下流側の目標温度変化値ΔTdに基づいて、第2の温度調節器102によって下流インクタンク13の温度を変化させる。これにより、より正確にインクの温度を制御することができる。
以上述べた少なくとも一つのインクジェット記録装置によれば、制御部が第1および第2圧力、温度−圧力データ、および目標温度に基づいて第1および第2のタンクの温度を変化させる。例えば、目標温度変化値が大きい場合に高温で加熱し、目標温度変化値が小さくなった場合には低温で加熱することとすれば、インク温度が安定するまでの時間を短縮できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…インクジェットプリンタ、11…インクジェットヘッド、12…上流インクタンク、13…下流インクタンク、17…循環ポンプ、25…圧力計、26…温度調節部、28…制御装置、29…入力部、91…温度−圧力データ、92…インク対応データ、101…第1の温度調節器、102…第2の温度調節器。
Claims (4)
- インクが収容される第1のタンクと、
前記第1のタンクから前記インクが供給され、当該インクを吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドから前記インクが供給される第2のタンクと、
前記第1のタンク、前記インクジェットヘッド、および前記第2のタンクで前記インクを循環させる循環部と、
前記第1のタンクおよび前記第2のタンクの温度を変化させる温度調節部と、
前記第1のタンクの第1圧力と、前記第2のタンクの第2圧力と、を測定する圧力測定部と、
前記インクジェットヘッド内部の前記インクの目標温度と、前記インクジェットヘッドの内部におけるインクの温度と前記第1のタンクおよび前記第2のタンクにかかる圧力との関係である温度−圧力データと、を記録した記録部と、
前記目標温度および前記温度−圧力データから前記第1のタンクおよび前記第2のタンクの目標圧力を算出し、前記目標圧力と前記第1圧力および前記第2圧力との差である目標圧力変化値を算出し、前記目標圧力変化値を用いて目標温度変化値を算出し、前記目標温度変化値に基づいて前記温度調節部に前記第1のタンクおよび前記第2のタンクの温度を変化させる制御部と、
を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記目標温度を入力され、入力された前記目標温度を前記記録部に記録する入力部をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記温度−圧力データは、前記インクの種類に対応した複数のインク対応データを含み、
前記入力部は、前記インクの種類を入力され、入力された前記インクの種類を前記記録部に記録し、
前記制御部は、記録された前記インクの種類に対応する前記インク対応データを用いて前記目標圧力を算出することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。 - 前記温度調節部は、前記第1のタンクの温度を変化させる第1の温度調節器と、前記第2のタンクの温度を変化させる第2の温度調節器と、を有し、
前記制御部は、前記第1のタンクの前記目標温度変化値に基づいて前記第1の温度調節器に前記第1のタンクの温度を変化させ、前記第2のタンクの前記目標温度変化値に基づいて前記第2の温度調節器に前記第2のタンクの温度を変化させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載のインクジェット記録装置。
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