JP2014079802A - レーザ加工方法およびレーザ光照射装置 - Google Patents

レーザ加工方法およびレーザ光照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ光の集光点の分布範囲を容易に調整することが可能なレーザ加工方法およびレーザ光照射装置を提供する。
【解決手段】複数の波長成分を含むレーザ光を出力するレーザ光源と、当該レーザ光源から出射されるレーザ光を受光するコリメートレンズ30と、当該コリメートレンズ30においてコリメートされたレーザ光を受光する集光レンズとを備えるレーザ処理装置を用いたレーザ処理方法であって、加工対象材を準備する工程と、加工対象材に、レーザ処理装置において集光レンズにより集光されたレーザ光を照射する工程とを備える。レーザ光を照射する工程では、コリメートレンズ30および集光レンズの位置を調節し、集光レンズに受光されるレーザ光の波面形状を調節することで、集光レンズにより集光されたレーザ光の、複数の波長成分に対応する複数の焦点により構成される集光領域のサイズが調節されている。
【選択図】図6

Description

この発明は、レーザ加工方法およびレーザ光照射装置に関し、より特定的には、加工対象物の切断または分割加工に利用されるレーザ加工方法およびレーザ光照射装置に関する。
従来、加工対象物を切断するためにレーザ光を利用するレーザ加工方法が知られている(たとえば、特開2010−158686号公報(以下、特許文献1と呼ぶ)参照)。特許文献1では、多波長コヒーレント光を集光し、光軸上の異なる位置に複数の集光点を形成することで、1回のレーザ照射によって加工対象材の内部に長い改質層を形成することが開示されている。特許文献1では、レーザ加工装置の集光系において、色収差レンズや色収差組レンズを用いている。また、当該色収差レンズの前段にはレーザ光を平行ビーム化するためのコリメートレンズが配置されており、当該コリメートレンズとして色収差の無いレンズが用いられている。
特開2010−158686号公報
上述した従来のレーザ加工方法では、光軸上に並んだ複数の集光点の位置(集光レンズからの距離、あるいは焦点距離)は、レーザ光の波長と集光レンズの色収差特性により決定される。したがって、集光点の位置を調整する(焦点距離を調整する)ためには、集光レンズの特性および/またはレーザ光の波長を選択するしかなかった。したがって、たとえば加工対象材のサイズなどに応じて集光点の分布範囲(たとえば光軸上での集光点分布領域の長さ)を任意に調整することは難しかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、レーザ光の集光点の分布範囲を容易に調整することが可能なレーザ加工方法およびレーザ光照射装置を提供することである。
この発明に従ったレーザ加工方法は、複数の波長成分を含むレーザ光を出力するレーザ光源と、当該レーザ光源から出射されるレーザ光を受光するコリメートレンズと、当該コリメートレンズにおいてコリメートされたレーザ光を受光する集光レンズと、レーザ光源に対するコリメートレンズの位置を調節するコリメートレンズ位置調整部と、コリメートレンズに対する集光レンズの位置を調節する集光レンズ位置調整部とを備えるレーザ処理装置を用いたレーザ処理方法であって、加工対象材を準備する工程と、加工対象材に、レーザ処理装置において集光レンズにより集光されたレーザ光を照射する工程とを備える。レーザ光を照射する工程では、コリメートレンズ位置調整部と集光レンズ位置調整部とによりコリメートレンズおよび集光レンズの位置を調節し、集光レンズに受光されるレーザ光の波面形状を調節することで、集光レンズにより集光されたレーザ光の、複数の波長成分に対応する複数の焦点により構成される集光領域のサイズが調節されている。
このようにすれば、集光レンズに受光されるレーザ光の波面形状を調整することで、集光レンズに受光されるレーザ光が平面波である場合と比べて集光レンズでの色収差を拡大または縮小することができる。この結果、集光レンズの特性とレーザ光の波長のみでレーザ光の集光領域のサイズを調整する場合より、より広い範囲で当該集光領域のサイズを調整することができる。また、上述のようにコリメートレンズおよび集光レンズの位置を調整することで当該集光領域のサイズを調整できるので、レンズ自体の交換やレーザ光の波長の変更などは必要ではなく、容易に集光領域のサイズを調整できる。したがって、加工対象材における加工領域の厚さ(光軸方向に沿った方向での厚さ)に応じて、集光領域の長さを容易に調整できる。
この発明に従ったレーザ光照射装置は、所定の波長幅の連続スペクトルを有し、波長範囲1〜1.3μmの波長成分を含むレーザ光を加工対象物に照射するレーザ光照射装置である。レーザ光源からのレーザ光を取り込むための入力ポートと、入力ポートからのレーザ光をコリメートするコリメートレンズと、コリメートレンズからのレーザ光を集光する集光レンズとを備える。コリメートレンズは、コリメートレンズ設置部に設置され、コリメート位置調整部により、入力ポートからの設置位置を調整される。入力ポートにおいては、レーザ光の各波長成分の波面が一定であるように設定される。入力ポートとコリメートレンズの間隔が、コリメートレンズの中心波長成分の焦点距離を基準位置として、コリメートレンズを基準位置より集光レンズ側へ100μmから850μmまでの範囲で調節されており、コリメートレンズと集光レンズの間隔が10mmから500mmの範囲で調節されている。
この発明によれば、レーザ光の集光領域のサイズを、加工対象材の加工領域の厚さに応じて、従来より広い範囲で容易に調整することができる。
レーザ加工方法を説明するための模式図である。 集光レンズにおける色収差を説明するための模式図である。 集光レンズにおけるレーザ光の波長と色収差との関係を示すグラフである。 本発明に従ったレーザ加工方法を説明するためのフローチャートである。 本発明に従ったレーザ加工方法において用いる光学系を説明するための模式図である。 レーザ光の波面形状と色収差との関係を説明するための模式図である。 集光レンズに受光されるレーザ光の波面形状を制御する方法を説明するための模式図である。 集光レンズにおけるレーザ光の波長と色収差との関係を示すグラフである。 集光レンズにおけるレーザ光の波長と色収差との関係を示すグラフである。 集光レンズにおけるレーザ光の波長とビームスポット直径との関係を示すグラフである。 集光レンズにおけるレーザ光の波長とビームスポット直径との関係を示すグラフである。 コリメータレンズと集光レンズとの間隔と色収差との関係を示すグラフである。 コリメータレンズと集光レンズとの間隔と、調査したレーザ光波長の中の最大値を有するビームスポット直径との関係を示すグラフである。 コリメータレンズと集光レンズとの間隔と、WD(working distance)との関係を示すグラフである。 コリメータレンズと集光レンズとの間隔と色収差との関係を示すグラフである。 コリメータレンズと集光レンズとの間隔と、調査したレーザ光波長の中の最大値を有するビームスポット直径との関係を示すグラフである。 コリメータレンズと集光レンズとの間隔と、WD(working distance)との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
本発明に従ったレーザ加工方法では、複数の波長成分を含むレーザ光を集光レンズにより集光することで、線状の集光線(集光領域)を形成し、当該集光領域により加工対象材の内部に改質層を形成するものである。以下、本発明の理解を容易にするため、本発明を完成するまでに発明者が行なった検討の内容について説明するとともに、本願発明の実施の形態を説明する。
ここで、広い波長帯域(例えば、波長1060nm帯から1300nm帯)を有するレーザ光では、当該レーザ光を集光レンズに通すことで色収差が生じる。その結果、各波長成分の焦点が光軸方向に沿って直線状に並ぶ。その集光線を加工対象材内部に作り込むことにより、集光線に沿って加工対象材の内部に改質層が形成される。図1に示すように、レーザ光の各波長成分の焦点は光軸方向に沿って直線状に並ぶ集光線を構成する。波長λ、λ、λである各波長成分は、所定の焦点距離fである集光レンズ40を介し各波長成分に対するビームスポット(ωλ1 、ωλ2 、ωλ3 )に集光される。なお、ここでは波長λ、λ、λと分かりやすくするために記載しているが、レーザ光は波長帯域内の連続的な波長成分を有するもの(連続スペクトルを有するレーザ光)であってもよい。離散的な波長成分を有するレーザ光を出力する光源を用いる場合、各波長成分に応じた焦点位置に各ビームスポットが形成される。一方、連続スペクトルを有するレーザ光を出力する光源を用いる場合、連続的にビームスポットが形成され、各焦点が光軸上に並ぶ集光線3を構成する。
このようなレーザ光を用いたレーザ加工をサファイアに適用した場合、加工対象材としてのサファイア内部の改質層の長さは、サファイアの損傷閾値(Sa.th)を超えた光エネルギー密度の集光線長さに依存する。よって、改質層の長さを制御するには、その集光線長さをコントロールする必要がある。例えば、サファイアの厚さ(結晶厚さ)が厚い場合、一度の照射で長い改質層を形成できることが望ましい。そして、そのような長い改質層を形成するためには、必要な改質層の長さに対応するように、集光レンズ40における色収差の大きさを制御することが求められる。
色収差の大きさを制御する方法として、以下の手法もある。すなわち、発明者は、集光レンズに入射する各波長のレーザ光の波面形状に着目し、集光レンズに入射するレーザ光の波面を、各波長に対してレーザ光の進行方向に向かって凸形状あるいは凹形状に調節できることを示し、集光レンズにおける色収差をコントロールできる手法を見出した。具体的には、多波長レーザ光の進行方向に向かって、長波長側のレーザ光の波面を凸形状に調節し、短波長側のレーザ光の波面を凹形状に調節することで、当該レーザ光源から出射される全波長のレーザ光の波面が平面波の場合と比べて、レーザ光の集光点の分布範囲(色収差)を拡大することが可能である。一方、長波長および短波長のレーザ光の波面をそれぞれ凹形状、および凸形状に調節した場合は、当該レーザ光源から出射される全波長のレーザ光の波面が平面波の場合と比べて色収差を抑制することができる。
発明者らは、集光レンズにおける色収差の制御方法について、以下のように検討を行なった。まず、図2を参照して、レーザ光に含まれる波長成分のいずれもが、入射波面が平面となった平面波である場合を考える。図2において、レーザ光に含まれる波長成分の各波長λ、λ、λの関係はλ<λ<λである。相対的に短波長である波長λである波長成分の焦点位置fは集光レンズ40側に位置する。一方、相対的に長波長である波長λである波長成分の焦点位置fは、集光レンズ40から離れる遠方側に位置する。中間的な値である波長λである波長成分の焦点位置fは、焦点位置fと焦点位置fとの間に位置する。このように、短波長成分と長波長成分とは焦点位置が分離し、各波長成分は波長ごとに異なる点(点Pmin(最短焦点位置)〜点Pmax(最遠焦点位置))に集光され、色収差Δαが生じる。
このように、レーザ光に含まれる波長成分の各波長の差に起因して、色収差Δαが発生する。また、当該色収差Δαの値は、集光レンズの特性によっても影響を受ける。以下、図3を参照して説明する。
図3は、集光レンズに関するレーザ光の波長と色収差との関係を示すグラフであり、横軸がレーザ光の波長(単位:μm)を示し、縦軸が色収差Δα(単位:μm)を示す。なお波長帯域幅は、1μm、1.06μ、1.2μ、1.31μ、1.55μmである。
また、図3の点線Aで示されたグラフは焦点距離f=7.5mmの集光レンズに対して波面形状が平面状である平面波が入射した場合を示している。また、図3の実線Bで示されたグラフは、焦点距離f=27mmの集光レンズに対して平面波が入射した場合を示している。なお、ここでは集光レンズとしてEdmund社製の平凸レンズを用いた場合のシミュレーション計算結果を示している。図3では、波長1μmのレーザ光における焦点位置を基準点として、各波長の集光点位置と上記基準点との差(色収差Δα)を示している。
図3から分かるように、焦点距離f=27mmの集光レンズの方が色収差Δαを大きくすることが可能である。よって、色収差Δαを拡大させる方法としては、焦点距離fの長いレンズを使用することが考えられる。
しかし、レーザ加工方法に用いられるレーザ加工装置において、レーザヘッドや加工ステージへの集光レンズの取り付けでは、集光レンズを取り付ける位置の周囲の装置構成などにより当該集光レンズのサイズについて制約がある場合も考えられる。このような場合、無制限に焦点距離fの大きなレンズを用いることは困難である。即ち、入射光が平面波である場合の色収差は、入射するレーザ光の波長帯域と、集光レンズにおける焦点距離fの値とによって一義的に決定し、決定された大きさ以上に色収差を拡大することは従来困難であった。
さらに、厚みが種々である加工対象材をレーザ加工する場合は、当該加工対象材の厚みに合わせてレーザ光の色収差の長さ(つまり集光領域の長さ)を変更することが好ましい。しかし、このように色収差の長さを変更するためには、所望の焦点距離fのレンズに集光レンズを交換する、あるいは集光レンズに入射するレーザ光の波長範囲を調整する、といった対応が必要になる。また、色収差Δαの微妙な調整には、準備された集光レンズのレンズ特性の制約により限界がある。さらに、集光レンズに入射するレーザ光を、色収差の極力少ない状態で平行光にするには、高価な色収差の少ないレンズを用いる必要があり、装置コストが増大するという問題もある。
さらに注意すべき点として、焦点距離が長い集光レンズを用いると、集光レンズを介したビームスポット径が拡大されることによるパワー密度の低下が生じ、加工対象材料の損傷閾値よりも低下する場合も考えられる。よって、加工対象材料の損傷閾値(損傷されられるパワー密度)を考慮に入れた集光レンズを選択する必要がある。
このような従来の課題を解決するべく完成された、本発明に従ったレーザ加工方法は、図4および図5に示すように、複数の波長成分を含むレーザ光を出力するレーザ光源10と、当該レーザ光源10から出射されるレーザ光を受光するコリメートレンズ30と、当該コリメートレンズ30においてコリメートされたレーザ光を受光する集光レンズ40と、レーザ光源10に対するコリメートレンズ30の位置を調節するコリメートレンズ位置調整部50と、コリメートレンズ30に対する集光レンズ40の位置を調節する集光レンズ位置調整部とを備えるレーザ処理装置を用いたレーザ処理方法であって、加工対象材を準備する工程である準備工程(S10)と、加工対象材に、レーザ光処理装置100において集光レンズ40により集光されたレーザ光を照射する工程であるレーザ加工工程(S20)とを備える。
図4に示した準備工程では、加工対象材を用意し、当該加工対象材をレーザ処理装置の所定の位置(たとえば加工対象材を保持する試料台の表面上)に配置する。
ここで、本発明によるレーザ加工方法に用いるレーザ加工装置の装置構成例を図5を参照して説明する。本発明によるレーザ加工装置は、図5(B)に示す光学系1と、当該光学系1からレーザ光を照射される加工対象材を保持する試料台(図示せず)と、当該試料台に保持された加工対象材に対するレーザ光の照射位置を変更するため、試料台と光学系1との間の相対的な位置を変更する移動手段(図示せず)と、当該移動手段および光学系1を制御するための制御部とを備える。図5(A)は、レーザ加工装置を構成するコリメート装置2であって、コリメート装置2は、レーザ光の出射位置(たとえば光ファイバの出射端面(レーザ光照射装置の入力ポート)22)を設定するレーザ光入射部25と、コリメートレンズ30と、コリメートレンズ30を固定するコリメートレンズ設置部35と、レーザ光入射部25のレーザ光出射端面22とコリメートレンズ30の位置との間隔を調整するため、コリメートレンズ設置部35の位置を調整する位置調整部50(コリメート位置調整部)とで構成される。なお、位置調整部50は、レーザ光入射部25の位置を調整できるように設置されていてもよい。
図5(B)は、レーザ加工装置を構成する光学系1を示しており、図5(B)の光学系1は、レーザ光源10と、レーザ光源10に接続され、レーザ光源10から出力されるレーザ光をガイドする光ファイバ20と、レーザ光入射部25と、コリメートレンズ30と、コリメートレンズ30を固定するコリメートレンズ設置部35と、集光レンズ40と、集光レンズ40を固定する集光レンズ設置部45と、集光レンズ設置部45の位置を調整する位置調整部(図示せず)とを備える。このうち、レーザ光入射部25と、コリメートレンズ30と、コリメートレンズ設置部35と、図示しない位置調整部が図5(A)に示したようにコリメート装置2として機能する。コリメート装置2では、光ファイバ20の出射端面22がレーザ光入射部25により固定されている。なお、光ファイバ20の出射端面22は、端部に光ファイバ20の端面損傷を避けるため、光ファイバ20を導波してきたレーザ光のパワー密度を低下させるコアレスファイバのエンドキャップ構造を有するものであってもよい。また、コリメートレンズ30は、色収差があるものを使用してもよく、集光レンズ40は、色収差があるレンズを用いてもよいし、色収差が無い(極めて小さい)レンズを用いてもよい。
光ファイバ20の出射端面22は、レーザ光入射部25により固定されている。この出射端面22は、レーザ光源10からのレーザ光を取り込むための入力ポートである。またコリメートレンズ30はコリメートレンズ設置部35により固定されており、入力ポートである出射端面22からのレーザ光をコリメートする。コリメートレンズ設置部35とレーザ光入射部25とは、位置調整部50により、相対位置がμm単位で可変とされていてもよい。集光レンズ40は、集光レンズ設置部45により固定されており、コリメートレンズ30からのレーザ光を集光する。集光レンズ設置部45とコリメートレンズ設置部35については、その間の距離Lが可変となっていてもよく、当該距離L(集光レンズ設置部45とコリメートレンズ設置部35との相対位置)が10mm単位で変更可能となっていてもよい。
なお、図5(B)の100は、上記コリメートレンズ30、コリメートレンズ設置部35、μm単位で可変できる位置調整部50、集光レンズ40、集光レンズ設置部45とコリメートレンズ設置部35の距離Lを10mm単位で可変可能な出射光学系を構成しており、出射端面22からは、100nm以上(たとえば1μm〜1.3μm)の波長範囲のレーザ光が出射され、出射端面22での各波長成分の波面は一定であり、出射端面22とコリメートレンズ30の間隔は、レーザ光が含む波長成分の範囲のいずれかの波長がコリメートレンズ30の設置位置において平面波となるように、調整されている出射光学系装置である。
上記のようなレーザ加工装置を用いて、図4に示す準備工程(S10)に続いてレーザ加工工程(S20)が実施される。レーザ加工工程(S20)では、上記のように加工対象材に対してレーザ光が照射されることにより、加工対象材の内部に改質層が形成される。このとき、コリメートレンズ位置調整部50と集光レンズ位置調整部とによりコリメートレンズ30および集光レンズ40の位置が調節され、集光レンズ40に受光されるレーザ光の各波長に対してそれぞれ波面形状が調節される。この結果、集光レンズ40により集光されたレーザ光の、複数の波長成分に対応する複数の焦点により構成される集光領域のサイズが調節される。当該集光領域のサイズは、加工対象材のサイズ(たとえば、レーザ光の光軸方向に沿った方向における加工対象材の厚み)に合わせて調整されることが好ましい。
このようにすれば、集光レンズ40に受光されるレーザ光の波面形状を調整することで、後述するように集光レンズ40に受光される全波長のレーザ光が平面波である場合と比べて集光レンズでの色収差を拡大または縮小することができる。この結果、集光レンズ40の特性とレーザ光の波長のみでレーザ光の集光領域のサイズを調整する場合より、より広い範囲で当該集光領域のサイズを調整することができる。また、上述のようにコリメートレンズ30および集光レンズ40の位置を調整することで当該集光領域のサイズを調整できるので、集光レンズ自体の交換やレーザ光の波長を変更するなどの必要はなく、容易に集光領域のサイズを調整できる。したがって、加工対象材における加工領域の厚さ(光軸方向に沿った方向での厚さ)に応じて、集光領域の長さを容易に調整できる。
ここで、集光レンズ40に受光されるレーザ光の各波長の波面形状が調節されことによって、集光レンズ40により集光されたレーザ光の集光領域のサイズが調節される機構を説明する。
発明者らは、集光レンズ40における色収差をより拡大させる方法として、集光レンズ40に入射する入射光の波面に着目した。図6を参照して、色収差を拡大する方法の概略を説明する。図6(A)は、集光レンズ40にそれぞれ波面形状の異なる波面のレーザ光が入射した場合を示す模式図であり、図6(B)は波面形状の表記方法を説明するための模式図である。なお、このような集光レンズ40に対して入射するレーザ光の波面形状の調整は、たとえば図5に示した位置調整部50、または、集光レンズ設置部45のコリメートレンズ30に対する位置を調整することにより行なうことができる。なお詳細は後述する。
図6に示した波長λ、λ、λの関係は、λ<λ<λである。波長λのレーザ光成分は集光レンズ40に入射するときに図6(B)に示すプラスの曲率半径を有する。なお、ここでプラスとはレーザ光の進行方向に向かってレーザ光の波面形状が凹の場合を意味する。波長λのレーザ光成分は集光レンズ40に入射するときに平面波となっている。波長λのレーザ光成分は集光レンズ40に入射するときにマイナスの曲率半径を有する。ここで、マイナスとはレーザ光の進行方向に向かってレーザ光の波面形状が凸の場合を意味する。このように、集光レンズ40に入射するレーザ光について、上記のような波長λ、λ、λの波長成分を有するようにレーザ光の波面形状をコントロールすることで、各波長の焦点位置は各波長の平面波入射における焦点位置60に対して各波長の焦点位置61へシフトし色収差が拡大する方向に変化する。すなわち、集光レンズ40に入射するレーザ光の波面形状がプラスの場合には、レーザ光が平面波である場合より焦点距離は短くなる。一方、集光レンズ40に入射するレーザ光の波面形状がマイナスの場合には、レーザ光が平面波である場合より焦点距離は長くなる。この結果、図6(A)に示すように各波長λ、λの波面をプラス、およびマイナスとした場合、色収差は各波長が平面波入射の場合のレーザ光の色収差Δαに比べて拡大された状態となる。図6においてはその場合の色収差をΔα''としている。なお、図6のf、f、fは、図2のf、f、fと同じ焦点位置であり、各波長の平面波入射の場合を示す。Δf、Δfは、各波長λとλの波面をそれぞれプラスとマイナスとに制御することでf、fを基準位置とした場合に対して焦点位置が変動する量を示し、これらはf、およびfそれぞれの焦点位置より色収差が拡大する方向へ変化した寄与度である。
上述のように集光レンズの色収差を拡大するためには、集光レンズに入射するレーザ光に含まれる各波長成分について、波面形状を所望の形状(所望の曲率半径の波面形状)にする必要がある。このように、レーザ光の波長成分を非平面波とすることは、発明者らの研究によれば以下のような手法により可能である。
具体的には、まず図5において、コリメートレンズ30または集光レンズ40の位置を調整することにより、ファイバ端から出射してコリメートレンズ30を介し、集光レンズ40に入射するレーザ光を平行光化する。この場合、位置調整部50などを用いてコリメートレンズ30の設置位置、または、集光レンズ40の設置位置を光軸上で調整する。
そして、図7に示すように、レーザ光源10から出力されるレーザ光の中心波長λのレーザ光成分が、コリメートレンズから出射された場合、光ファイバ20の出射端面22で集光される位置(出射端面22からコリメートレンズ30までの距離が上記中心波長のレーザ光成分の焦点距離fとなる位置)にコリメートレンズ30を設置する。なお、図7における波長λ、λ、λの関係は図6と同様にλ<λ<λである。
上記のように出射端面22からコリメートレンズ30までの距離が上記焦点距離fとなる位置にコリメートレンズ30を設置した場合での、光ファイバ20中を伝搬する各波長のモードフィールド径(MFD)と、光ファイバ20の出射端面22からのそれぞれのレーザ光成分の拡がり角を考慮に入れ、コリメートレンズ30後のレーザ光のビーム伝搬状態を計算した。その結果、波長λである波長成分のビームウエスト位置62は、波長λ、λである波長成分のビームウエスト位置62に比べコリメートレンズ30より遠方(λのビームウエスト位置62からレーザ光の出射方向に+Δf’(Δf’>0)だけ離れた位置)に現れる。一方、波長λの波長成分については、コリメートレンズ30が上述のように焦点距離fの位置に設置されていることから、コリメートレンズ30設置位置付近にビームウエスト位置62が存在する(Δf’=0)。また、波長λの波長成分については、ビームウエスト位置62は、図7(C’)に示すように、コリメートレンズ30より光ファイバ20側に(コリメートレンズ30から光ファイバ20側に−Δf’ (Δf’>0)だけ離れた位置に)存在する。なお、この場合ビームウエストは実際には存在しないため、図7(C’)に示したビームウエスト位置62は仮想のものである。
そして、図7の線分63に示した位置に集光レンズ40を設置した場合、集光レンズ40に入射するレーザ光の各波長成分の波面形状は、波長λの波長成分:プラス、波長λの波長成分:マイナス、波長λ3の波長成分:マイナスとなる。このような各波長成分の波面形状は、図6に示した色収差を拡大する条件と一致する。なお、コリメートレンズ30の種類や材質、レンズメーカの特徴の違いにより、色収差が極大になるコリメートレンズ30の設置位置は厳密には異なるが、光ファイバ20の出射端面22からコリメートレンズ30までの距離精度(コリメートレンズ30の設置位置精度)を10μm程度で調整する装置で対応可能である。
このように、コリメートレンズ30および集光レンズ40の位置を調整することで、集光レンズ40の材質や種類を変えると言った対応をとることなく、色収差を拡大することができる。
当該色収差拡大法には、コリメータレンズと集光レンズの設置距離Lとファイバ端からコリメータレンズ30の間隔βを調整することで実現される。以下に計算例を示すが、今回の計算に用いたβの基準位置0については、コリメータレンズ30にはEdmund社製の69587(焦点距離f=7.5mm)を用い、波長1.31μmの焦点距離となる位置とした。また、その位置を基準として、集光レンズ側へのシフトを+β、ファイバ端面側へのシフトを−βとした。
また、本発明に従った上記レーザ加工方法において、レーザ光を照射する工程であるレーザ加工工程(S20)では、レーザ光源10から出射されるレーザ光が含む波長成分の範囲の中で、上記コリメートレンズの中心波長成分の焦点距離を基準位置としたとき、上記コリメートレンズがその基準位置より集光レンズ側へ100μmから850μmまでの範囲となる位置に配置されるように調節される。また上記コリメートレンズと上記集光レンズとの間隔は、10mmから500mmの範囲で調節されてもよい。
また、コリメートレンズ30から出射される短波長側および中心波長のレーザ光は、波面形状がレーザ光の進行方向に向けていずれも凹形状となった成分(プラス成分)となった場合においても、短波長側の波面の曲率半径は中心波長のそれに比べて小さい場合は、図6同様、集光領域のサイズを効果的に大きく(光軸方向に長く)することができる。
上記レーザ加工方法において、レーザ光は所定の波長幅の連続スペクトルを有していてもよい。この場合、集光レンズ40によって集光されたレーザ光の焦点は連続した集光点の集合(集光線3)を構成するので、加工対象材に対して当該集光線3により線状の改質領域を形成することができる。このため、レーザ光の集光領域に対して加工対象材を移動させる(たとえばレーザ光の光軸方向に対して垂直な方向に移動させる)ことにより、加工対象材において、任意の平面形状を有する改質領域を形成できる。
ここで、本発明によるレーザ加工方法にしたがって色収差を拡大した、平凸レンズ(焦点距離f=7.5mm)におけるレーザ光の波長と色収差との関係を計算より求めた。その結果の一例を図8に示す。図8の縦軸と横軸とは図3に示したグラフと同様である。なお波長帯域幅は、図3と同様に1μm、1.06μ、1.2μ、1.31μ、1.55μmである。
また、図8においては、参考のため図3の計算結果(グラフの曲線Aおよび曲線B)も併せて示している。図8のグラフの曲線A、Bがそれぞれ図3の点線Aおよび実線Bに対応する。そして、図8のグラフの曲線Cが、本発明に従って色収差を拡大した場合の計算結果である。なお、曲線Cでは、曲線Aと同様に焦点距離f=7.5mmのレンズを用い、さらにコリメートレンズと集光レンズとの間の距離L(図7のコリメートレンズ30と線分63との間の距離)を60mm、ファイバ端からコリメータレンズ30までの間隔βを850μmとしている。図8の曲線Aに示すように、入射光が平面波(波長帯域:1.0μm〜1.55μm)であって、焦点距離f=7.5mmの集光レンズでは、色収差Δα=150μm程度であったものが、曲線Cに示すように、本発明による色収差拡大法を用いることで色収差Δαが約3.5倍に拡張されていることが分かる。
また、本発明によるレーザ加工方法にしたがって色収差を拡大した、平凸レンズ(焦点距離f=27mm)におけるレーザ光の波長と色収差との関係を計算より求めた。その結果の一例を図9に示す。図9の縦軸と横軸とは図8に示したグラフと同様であり、波長帯域幅は、図3、図8と同様に1μm、1.06μm、1.2μm、1.31μm、1.55μmである。
また、図9においては、参考のため図8の計算結果(グラフの曲線A〜曲線C)も併せて示している。なお、曲線Dでは、曲線Bと同様に焦点距離f=27mmのレンズを用い、コリメートレンズと集光レンズとの間の距離L(図7のコリメートレンズ30と線分63との間の距離)を曲線Cの場合と同様に120mmとし、ファイバ端からコリメータレンズ30までの間隔βを500μmとしている。なお以上より、図8および図9の曲線Aおよび曲線Cは焦点距離f=7.5mmの場合の結果であり、図8および図9の曲線Bおよび曲線Dは焦点距離f=27mmの場合の結果である。
図9から分かるように、焦点距離f=27mmの集光レンズの場合、本発明による色収差拡大法を適用すると、当該色収差拡大法を適用しない場合(曲線Bのデータ)に比べて色収差Δαが33倍以上になり、大幅に色収差が拡張されていることが分かる。
以上の結果から、焦点距離が長い集光レンズにおける色収差の大きさは、短い集光レンズのそれに比べて色収差を拡大させることが可能である。しかし、加工対象材の損傷閾値を考慮に入れた場合、集光されたパワー密度が重要である。即ち、焦点距離の長い集光レンズを用いると、集光レンズ後のビームスポット径は拡大傾向となり、損傷閾値以下になる場合もある。よって、色収差拡大法を適用する場合には、色収差の大きさと共に加工対象材料の損傷閾値を考慮に入れたビームスポット径に着目する必要がある。
図10に焦点距離f=7.5mmである図8(C)の場合における各波長に対するビームスポット直径の計算結果を示し、図11に焦点距離f=27mmである図9(D)の場合における各波長に対するビームスポット直径の計算結果を示す。なお波長帯域幅は、1μm、1.06μ、1.1μ、1.2μ、1.31μ、1.55μmとした。
図10から分かる様に、焦点距離f=7.5mmの場合は、各波長のビームスポット直径はいずれもおよそ15μmである。他方、図11の焦点距離f=27mmの場合は、ビームスポット直径はおよそ60〜70μmであり、f=7.5mmのビームスポットに比べて4.6倍大きいことが分かる。即ち、パワー密度に換算すると、f=27mmのそれは、f=7.5mmに比べておよそ20倍低下することになる。例えば、平均パワーがおよそ20W、パルス幅100〜1000ps、ピーク値80kW、繰り返し周波数100〜1000kHzを有したパルス光源を用いてサファイア基板内部に改質層を形成させるためには、ビームスポット直径はおよそ13μm程度である。即ち、加工対象材がサファイアの場合は、上述した図8、図9の色収差拡大の設定条件では、改質層を形成することは困難であることが分かる。
そこで、集光レンズ後のビームスポット直径に着目し、当該色収差抑制法の設定条件であるファイバ端面22とコリメータレンズ30の間隔βとコリメータレンズ30と集光レンズ40の間隔Lをパラメータとして計算を行った。なお、波長帯域幅は1μm、1.06μ、1.1μ、1.2μ、1.31μ、1.55μmとした。
図13に間隔Lに対するビームスポット直径の最大値の計算結果を示す。ここではコリメータレンズおよび集光レンズはいずれも焦点距離f=7.5mmであり、β値は−260μm、+20μm、+180μm、+260μm、+360μm、+500μm、+850μmである場合における計算結果を示す。ビームスポット直径の最大値とは、各波長に対して存在する各々のビームスポット直径の中で最大のビームスポット直径を指す。なお、β値が増大するにつれ、計算を行っている間隔Lの範囲は小さくなっているが、集光レンズの有効開口径以下となる条件としたためである。
図13を参照して、β値の増大に伴いビームスポット直径の最大値は増大する傾向にある。また、間隔Lが50mm付近から200mm付近の間でビームスポット直径の最大値が現れている。例えば、前述したサファイア内部に改質領域を形成するためのビームスポット直径13μmに着目する。ビームスポット直径が13μmとなるβ値および間隔Lは、(1)β=180μmとL=190mm、(2)β=260μmとL=135mm、(3)β=360μmとL=110mm、(4)β=500μmとL=85mm、(5)β=850μmとL=55mmである。即ち、この条件が、サファイア内部の改質領域を形成する上限となる。
図12に間隔Lに対する色収差Δαの計算結果を示す。なお、パラメータは図13と同条件である。図13で求めたビームスポット直径13μmとなる条件(1)〜(5)を図12にプロットした。それぞれの色収差Δα値は、(1):370μm、(2):380μm、(3):660μm、(4):720μm、(5):840μmとなり、最大で840μmの色収差Δαを形成されることが分かる。
図14には、間隔Lに対するワーキングディスタンス(WD)を示す。図12と同様に、図14にもビームスポット直径が13μmとなる条件(1)〜(5)をプロットした。それぞれのWDは、(1):WD=3.6mm、(2):WD=3.6mm、(3):WD=5.4mm、(4):WD=5.0mm、(5):WD=4.2mmである。いずれの条件においても、レーザ加工できるWDの範囲であるが、特に(3)の条件は、WD=5.4mmが最も大きく、レーザ加工適用範囲が拡がることが分かる。
以上のことから、ビームスポット直径サイズを基準とした間隔Lとβ値との2つのパラメータにより、色収差Δαをコントロールすることが可能である。また、サファイア内部の改質領域において、上記レーザ光源を用いた場合、最大840μmの改質層が形成することが可能である。
なお、加工対象材がサファイアの損傷閾値よりも小さい材料であれば、ビームスポット直径13μmに拘る必要は無く、各材料に対応した所定の損傷閾値以上のパワー密度を作り出せる条件であれば、ビームスポット直径が数十μm以上でも構わない。また、レーザ光源の高ピーク、大出力レーザを適用することでもビームスポット直径の制限範囲を押し拡げることができる。
図15、図16、図17に、コリメータレンズ30は焦点距離f=7.5mm、集光レンズ40の焦点距離f=27mmにおける間隔Lに対するΔα、ビームスポット直径の最大値、WDの計算結果を示す。波長範囲、β値、間隔Lの条件は、上記条件と同じである。図15および図16から分かる様に、たとえばβの値が500μmでLの値が約110mmの場合、ビームスポット直径の最大値は70μm程度となり、このとき色収差Δαは12mm程度にまで拡大することが可能である。
このように、本発明によれば色収差Δαの値を任意に調整できるので、色収差Δαを大きくし、集光線の長さを大きくすることができる。但し、色収差Δαが大きくなるということは、加工対象材に照射されるレーザ光の光パワー密度が低下することを意味するため、形成された集光線の光パワー密度が加工対象材(たとえばサファイアなど)の損傷閾値以上になるように光強度を調整することが好ましい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、複数の波長成分を含むレーザ光を集光して色収差を利用し集光領域を形成するレーザ加工方法に特に有利に適用される。
1 光学系、2 コリメート装置、3 集光線、10 レーザ光源、20 光ファイバ、22 出射端面、25 レーザ光入射部、30 コリメートレンズ、35 コリメートレンズ設置部、40 集光レンズ、45 集光レンズ設置部、50 位置調整部、60,61,f1,f2,f3 焦点位置、62 ビームウエスト位置、63 線分。

Claims (4)

  1. 複数の波長成分を含むレーザ光を出力するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射される前記レーザ光を受光するコリメートレンズと、前記コリメートレンズにおいてコリメートされた前記レーザ光を受光する集光レンズと、前記レーザ光源に対する前記コリメートレンズの位置を調節するコリメートレンズ位置調整部と、前記コリメートレンズに対する前記集光レンズの位置を調節する集光レンズ位置調整部とを備えるレーザ処理装置を用いたレーザ処理方法であって、
    加工対象材を準備する工程と、
    前記加工対象材に、前記レーザ処理装置において前記集光レンズにより集光された前記レーザ光を照射する工程とを備え、
    前記レーザ光を照射する工程では、前記コリメートレンズ位置調整部と前記集光レンズ位置調整部とにより前記コリメートレンズおよび前記集光レンズの位置を調節し、前記集光レンズに受光される前記レーザ光の波面形状を調節することで、前記集光レンズにより集光された前記レーザ光の、前記複数の波長成分に対応する複数の焦点により構成される集光領域のサイズが調節されている、レーザ加工方法。
  2. 前記レーザ光は所定の波長幅の連続スペクトルを有し、波長範囲1〜1.3μmを有する、請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 前記レーザ光を照射する工程では、前記レーザ光源から出射される前記レーザ光が含む波長成分の範囲のうち、前記コリメートレンズの中心波長成分の焦点距離を基準位置として、前記コリメートレンズが前記基準位置より集光レンズ側へ100μmから850μmまでの範囲で調節されており、前記コリメートレンズと前記集光レンズとの間隔が10mmから500mmの範囲で調節されている、請求項1または2に記載のレーザ加工方法。
  4. 所定の波長幅の連続スペクトルを有し、波長範囲1〜1.3μmの波長成分を含むレーザ光を加工対象物に照射するレーザ光照射装置であって、
    レーザ光源からの前記レーザ光を取り込むための入力ポートと
    前記入力ポートからの前記レーザ光をコリメートするコリメートレンズと、
    前記コリメートレンズからの前記レーザ光を集光する集光レンズとを備え、
    前記コリメートレンズは、コリメートレンズ設置部に設置され、コリメート位置調整部により、前記入力ポートからの設置位置を調整され、
    前記入力ポートにおいては、前記レーザ光の各波長成分の波面が一定であるように設定され、
    前記入力ポートと前記コリメートレンズの間隔が、前記コリメートレンズの中心波長成分の焦点距離を基準位置として、前記コリメートレンズを前記基準位置より集光レンズ側へ100μmから850μmまでの範囲で調節されており、前記コリメートレンズと前記集光レンズの間隔が10mmから500mmの範囲で調節されている、レーザ光照射装置。

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