以下、本発明の一実施形態に係るパチンコ機について図1〜図25を用いて説明する。ここでは、パチンコ機の各部の左右方向を、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向と一致させて説明し、「特別図柄」を「特図」と略し、「普通図柄」を「普図」と略して説明する。
本実施形態に係るパチンコ機は、図1に示すパチンコ機Pであり、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、この機枠1に開き戸状に開閉自在に取り付けられた本体枠2と、この本体枠2の内側に収容される遊技盤3と、本体枠2の前面に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく透明なガラス窓10が設けられたガラス扉4と、このガラス扉4の下方に位置し本体枠2に開き戸状に開閉自在に取り付けられ、遊技球を収容する受皿5が形成された前面ボード6とを備える。図2に示すように本体枠2の内側の下部には遊技球の発射装置9が設けられていて、図1に示すように前面ボード6において受皿5の右下には発射装置9を操作するためのハンドル7が設けられている。ガラス扉4の左上部および右上部のそれぞれにはスピーカ20が設けられている。
図1に示すように、パチンコ機Pの左側方には、遊技球を貸し出す台間機300が設けられている。この台間機300は、CPU(Central Processing Unit)と、コンピュータプログラムおよびデータを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたコンピュータプログラムに従ってCPUが処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを含むマイクロコンピュータを備える。この台間機300とパチンコ機Pは相互通信可能に接続されている。台間機300は、貨幣が挿入される貨幣挿入口310と、プリペイドカードが挿入・排出されるカード挿入・排出口320とを備える。
パチンコ機Pは、台間機300の貨幣挿入口310に貨幣が挿入された場合、または、台間機300のカード挿入・排出口320にプリペイドカードが挿入された場合に、その貨幣の金額、または、そのプリペイドカードに記憶された金額を度数として表示する度数表示装置71と、遊技球の貸出しを要求する遊技者により押圧操作されてオンし、球貸要求信号(電気信号)を出力する球貸SW72(「SW」はスイッチの略)と、台間機300からのプリペイドカードの排出を要求する遊技者により押圧操作されてオンし、カード排出要求信号(電気信号)を出力する返却SW73とを備える。台間機300は、カード排出要求信号に基づきプリペイドカードの排出を行うよう設定されている。また、台間機300は、貨幣挿入口310に挿入された貨幣をプリペイドカードに変換してカード挿入・排出口320から排出するよう設定されている。なお、台間機300は、有価価値記憶媒体としてプリペイドカードが用いられるものに限定されるものではなく、プリペイドカード以外の有価価値記憶媒体、例えばICカードや磁気カード等が用いられるものであってもよい。また、有価価値記憶媒体はカードの形状のものに限定されるものではなく、コイン(硬貨)の形状をしたプリペイドコインであってもよい。
図3に示すように、パチンコ機Pの背面側には、主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200(副制御処理部)、賞球払出装置14、電源ユニット400が設けられている。主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200、電源ユニット400は何れも、CPUと、コンピュータプログラムおよびデータを格納したROMと、このROMに格納されたコンピュータプログラムに従ってCPUが処理を行うための一時記憶領域であるRAMとを含むマイクロコンピュータを備える。
続いて、図1〜図4を参照して、パチンコ機Pの構成を詳しく説明していく。
図1に示す前面ボード6の受皿5は、遊技者に貸し出された遊技球、および、賞球払出装置14から賞球として払い出された遊技球を収容するものである。この受皿5に収容された遊技球は1個ずつ発射装置9に供給されるようになっている。そして、発射装置9は、ハンドル7の回動量に応じた発射強度で遊技球が発射されるよう払出・発射制御処理部105により制御されるようになっている。
図2に示すように、遊技盤3は、その盤面(前面)に、遊技球が流下する遊技領域31を有する。この遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状に区画形成されたものである。発射装置9によって遊技領域31の上部へ打ち出された遊技球は、遊技領域31内を流下することになる。図1に示すようにガラス扉4が本体枠2に対して閉じた状態において、遊技者は、ガラス窓10を介して遊技領域31の全体を観察することができる。
図2に示すように、遊技領域31内には、第1始動入賞口(始動口)37aと、第2始動入賞口(始動口)37bと、特図表示装置17と、演出表示装置34と、大入賞口42と、アタッカー装置41と、スルーチャッカ21と、普図表示装置22と、電動チューリップ(普通電動役物)49と、ステージ36と、一般入賞口38と、アウト口39と、遊技釘(図示省略)と、風車(図示省略)とが設けられている。なお、特図表示装置17と普図表示装置22は、ガラス窓10を介して観察可能であれば、遊技領域31外の遊技盤3の箇所に設けられていてもよい。
第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42、スルーチャッカ21のそれぞれには、遊技球の通過を検知する第1始動入賞口検知センサ43a、第2始動入賞口検知センサ43b、一般入賞口検知センサ44、大入賞口検知センサ45、スルーチャッカ検知センサ46のそれぞれが付設されている(図4にブロックで示す)。これらの検知センサ43a,43b,44,45,46は、遊技球の通過に伴い遊技球検知信号(電気信号)を出力する磁気センサであり、その遊技球検知信号は主制御処理部100に入力されるようになっている。
第1始動入賞口37aおよび第2始動入賞口37bは、遊技球の入賞が可能に形成された開口部であり、特図に係る当否の抽選(以下、適宜「特図抽選」という)の契機を生じさせるためのものである。特図表示装置17は、第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞を契機に行われる特図抽選(以下、適宜「第1特図抽選」という)の抽選の結果(大当たり(特図当たり)、特図ハズレ)、および、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を契機に行われる特図に係る当否の抽選(以下、適宜「第2特図抽選」という)の結果(大当たり(特図当たり)、特図ハズレ)を表示するよう主制御処理部100により制御されるものである。特図表示装置17は、第1,第2特図抽選の結果を表示する際、特図を変動させた後に停止させるという態様で表示するよう制御される。停止した状態の特図が特図抽選の結果を示す。より詳細には、特図抽選の結果が大当たりであった場合に特図は当たり図柄で変動を停止することになり、特図抽選の結果が特図ハズレであった場合に特図はハズレ図柄で変動を停止することになる。特図の当たり図柄は複数種類(後述)あり、特図抽選の結果が大当たりであった場合に、それら複数種類の当たり図柄のうちから1つが選択されて表示される。特図のハズレ図柄は1種類であり、特図抽選の結果が特図ハズレである場合に、その1種類のハズレ図柄が表示される。以下、第1特図抽選に基づいて特図表示装置17に表示される特図を適宜「第1特図」といい、第2特図抽選に基づいて特図表示装置17に表示される特図を適宜「第2特図」という。
特図表示装置17は、複数の発光部を備える表示装置、例えば7セグメント表示器から成る。特図表示装置17において、7つのセグメントの何れかが点滅した状態が特図の変動状態であり、その点滅が終了して7つのセグメントの何れかが点灯した状態が特図の停止状態である。7つのセグメントにおける点滅の開始から終了までの時間が、特図の変動時間である。
第1始動入賞口37aは演出表示装置34の下方において、遊技領域31の左右方向の略中央に位置し、第2始動入賞口37bは第1始動入賞口37aと間隔をあけて演出表示装置34の右下方に位置するとともに、第1始動入賞口37aよりも上方に位置する。この第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとの位置関係においては、発射装置9により発射された遊技球の発射強度が弱〜中である場合(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球が発射された場合)に、遊技球が演出表示装置34の左側方から演出表示装置34の下方に流下して第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bに入賞する可能性はなく、発射装置9により発射された遊技球の発射強度が強である場合(所謂、右打ちが行われた場合)に、遊技球が演出表示装置34の右側方を流下して第2始動入賞口37bに入賞する可能性はあるが、第1始動入賞口37aに入賞する可能性はない。
スルーチャッカ21は、遊技球が通過可能なゲート構造を成したものであり、普図に係る当否の抽選(以下、適宜「普図抽選」という)の契機を生じさせるものである。普図表示装置22は、特図表示装置17に隣接して設けられていて、普図抽選の結果(普図当たり、普図ハズレ)を表示するよう主制御処理部100により制御されるものである。この普図表示装置22は、普図抽選の結果を表示する際、普図を変動させた後に停止させるという態様で表示するよう制御される。停止した状態の普図が普図抽選の結果を示す。より詳細には、普図抽選の結果が普図当たりであった場合に普図は普図当たり図柄で変動を停止することになり、普図抽選の結果が普図ハズレであった場合に普図はハズレ図柄で変動を停止することになる。
普図表示装置22は、複数の発光部を備える表示装置、例えば2つのLEDランプから成る。この普図表示装置22において、2つのLEDランプが交互に点滅した状態が普図の変動状態であり、2つのLEDの交互の点滅の開始から終了までの時間が普図の変動時間である。その点滅が終了して一方または他方のLEDが点灯した状態が普図の停止状態である。普図抽選の結果が普図当たりの場合に2つのLEDのうち予め設定された一方のLEDランプのみの点灯が維持され、普図抽選の結果が普図ハズレの場合に他方のLEDランプのみの点灯が維持される。
電動チューリップ49は、第2始動入賞口37bの入口に対する開閉動作が可能に設けられたものである。この電動チューリップ49は、具体的には、左右方向に回動自在に設けられた1対の羽根部材と、この1対の羽根部材を駆動するソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁により1対の羽根部材は開いて第2始動入賞口37bの入口を拡大し、ソレノイドの消磁により遊技球が1個だけ通過可能な間隔まで1対の羽根部材は閉じる。図示省略したが、1対の羽根部材の付近には遊技釘等の障害物が設けられていて、1対の羽根部材が閉じた状態においては、その障害物によって第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が阻止されるようになっている。つまり、1対の羽根部材が開いた状態であるときに限って、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が可能になる。なお、電動チューリップ49は、1対の羽根部材が開閉する構造のものに限らず、その他の構造、例えば、第2始動入賞口の開閉が可能となるよう前後方向にフラップ状に回動自在に設けられた板状部材を備え、この板状部材が前方向に倒れることによって第2始動入賞口37bが露呈され、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が可能になる構造のもの(所謂、ベロ式電動チューリップ)であってもよい。
ステージ36は、演出表示装置34の下方に位置し、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ36の中央には、前方向に下り傾斜を成した溝が形成されていて、この溝の真下に第1始動入賞口37aが位置する。したがって、溝から落下した遊技球は、溝以外のステージ36の箇所から落下した遊技球よりも高い確率で第1始動入賞口37aへと導かれることになる。
大入賞口42は、遊技球の入賞が可能に形成された横長な長方形の開口である。アタッカー装置41は、大入賞口42に対する開閉動作が可能となるよう設けられたものである。具体的には、アタッカー装置41は、前後方向にフラップ状に回動自在に設けられた蓋部材と、この蓋部材をソレノイドとを備え、ソレノイドの励磁により蓋部材は前方向に倒れて大入賞口42を露呈し、そのソレノイドの消磁により蓋部材が後方向に復帰して大入賞口42を閉鎖するものである。アタッカー装置41の蓋部材が開いた状態は大入賞口42への遊技球の入賞が可能な状態であり、アタッカー装置41の蓋部材が閉じた状態は大入賞口42への遊技球の入賞が不可能な状態である。特図の変動が当たり図柄で停止した後、アタッカー装置41が、その当たり図柄に予め対応付けられた開閉動作の態様で開閉するよう主制御処理部100により制御されることで、大当たり遊技が遊技者に提供される。
演出表示装置34は、遊技領域31の略中央部に設けられ、特図表示装置17に表示される特図の変動と停止に同期する演出図柄を表示するよう、また、大当たり遊技を演出する演出画像を表示するよう主制御処理部100とサブ制御処理部200とによって制御される。なお、前述の特図表示装置17は、演出表示装置34を見ている遊技者の視界に同時に入らないように、演出表示装置34から離れて設けられている。
演出図柄は、例えば左右方向に並んだ3つの数字から構成される。演出図柄を構成する3つの数字の少なくとも1つが「1→2→3・・・」のように変化することが、演出図柄の変動である。演出図柄を構成する3つの数字は、特図抽選で大当たりに当選した場合に「222」、「777」等のゾロ目の並び目や、その他の予め設定された並び目で停止し、特図抽選で特図ハズレとなった場合に大当たりを示す並び目以外の並び目で停止する。演出図柄が大当たりを示す並び目で停止する場合、演出図柄は停止の前に、3つの数字のうちの2つの数字が同じ数字で停止したリーチ目で、残りの1つの数字が変動を続けるリーチ変動を行う。演出図柄が特図ハズレを示す並び目で停止する前には、リーチ変動を行う場合もあるが、リーチ目を成さないハズレ変動を主に行う。リーチ変動の種類としては、所定の対決シーンのアニメーションによる演出が行われる対決系リーチと、所定の物語のアニメーションによる演出が行われるストーリー系リーチと、所定の実写の動画による演出が行われる実写系リーチとが予め用意されている。
以下、第1特図抽選とその結果に基づく第1特図および演出図柄の表示とから構成される遊技を、適宜「第1特図遊技」といい、第2特図抽選とその結果に基づく第2特図および演出図柄の表示とから構成される遊技を、適宜「第2特図遊技」という。
また、演出表示装置34は、第1特図抽選で使用される保留球乱数(後述)が記憶された旨の表示、および、第2特図抽選で使用される保留球乱数(後述)が記憶された旨を表示するよう主制御処理部100とサブ制御処理部200とによって制御されるものでもある。
賞球払出装置14は、球貸SW72からの球貸要求信号に基づき、プリペイドカードに記憶された度数を所定の度数だけ消費して、所定の個数の遊技球を受皿5に貸し出すよう払出・発射制御処理部105により制御されるものである。例えば1度につき25個の遊技球が貸し出される。なお、プリペイドカードに記憶されている度数は、遊技場に設置された精算機により、払戻可能である。
また、賞球払出装置14は、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38および大入賞口42のそれぞれへの遊技球の入賞に基づく受皿5への賞球の払出しを行うよう払出・発射制御処理部105により制御されるものでもある。賞球の払出個数は、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38および大入賞口42のそれぞれに予め対応付けられている。主制御処理部100は、第1始動入賞口検知センサ43a、第2始動入賞口検知センサ43b、一般入賞口検知センサ44および大入賞口検知センサ45のそれぞれからの遊技球検知信号に基づき、すなわち、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38および大入賞口42のそれぞれへの遊技球の入賞に基づき、その入賞口に予め対応付けられた賞球の払出個数を指定する賞球指定コマンドを、払出・発射制御処理部105に送信するよう設定されている。払出・発射制御処理部105は主制御処理部100からの賞球指定コマンドに基づいて賞球払出装置401に賞球を払い出させるよう設定されている。第1,第2始動入賞口37a,37bに予め対応付けられた賞球個数は例えば4個であり、大入賞口42に予め対応付けられた賞球個数は例えば10個であり、一般入賞口38に予め対応付けられた賞球個数は例えば15個である。
なお、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、一般入賞口38、大入賞口42の何れかに入賞した遊技球は、その入賞口からパチンコ機Pの外部に排出されて回収され、何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口39からパチンコ機Pの外部に排出されて回収される。
電源ユニット400は、外部電源からAC24Vとの接続と遮断を切り換える電源SW401を備え、この電源SW401のオン状態において、外部電源から供給された電力を主制御処理部100、払出・発射制御処理部105、サブ制御処理部200等のパチンコ機Pの各電気機器に対応した電力に変換して、それらの電気機器に供給するものである。また、電源ユニット400は、RAMクリアSW402を備える。このRAMクリアSW402は電源SW401のオン操作によるパチンコ機Pへの電源投入時にオン操作されるものである。電源ユニット400は、RAMクリアSW402がオン操作された場合に、主制御処理部100にRAMクリア信号を出力するよう設定されている。主制御処理部100は、RAMクリア信号を受信した場合に、RAMクリアを行った後、電源投入に予め対応付けられた初期設定をRAMに対して行うよう設定されている。また、主制御処理部100は、電源投入に予め対応付けられた初期設定をRAMに対して行った後に、サブ制御処理部200に対してRAMクリアコマンドを送信するよう設定されている。
続いて、主制御処理部100について詳細に説明していく。
図4に示すように、主制御処理部100は、特図に係る当否の抽選(特図抽選)を行う特図抽選処理部110(特図抽選手段)を備える。この特図抽選処理部110は、所定範囲(例えば0〜65535の整数の範囲)のカウンタの値をクロック回路の1クロックに1回更新させることにより、ハードウェア乱数である特図当否用乱数を発生させる特図当否用乱数発生部111と、第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞を契機に、特図当否用乱数を用いて第1特図抽選を行う第1特図当否抽選部112aと、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を契機に、特図当否用乱数を用いて第2特図抽選を行う第2特図当否抽選部112bとを備える。
第1特図当否抽選部112aは、より詳細には、特図当否判定乱数発生部111により発生された特図当否用乱数を、第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞を契機に、すなわち、第1始動入賞口検知センサ43aからの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで、取得(ラッチ)する第1特図当否用乱数取得部113aと、この第1特図当否用乱数取得部113aにより取得された特図当否用乱数に対する当否の判定を、すなわち大当たり(特図当たり)であるか特図ハズレであるかの判定を、第1特図低確率判定テーブル116aまたは第1特図高確率判定テーブル117aを参照して行う第1特図当否判定部114aと、第1特図の変動中または第2特図の変動中または大当たり遊技中に第1特図当否用乱数取得部113aにより取得された特図当否用乱数を、保留球乱数として所定の個数まで、例えば4個まで記憶する第1特図用保留球乱数記憶部115aとを備える。
第2特図当否抽選部112bも第1特図当否抽選部112aと同様に構成されたものであり、特図当否用乱数発生部111により発生された特図当否用乱数を、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を契機に(第2始動入賞口検知センサ43bからの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)、取得(ラッチ)する第2特図当否用乱数取得部113bと、この第2特図当否用乱数取得部113bにより取得された特図当否用乱数に対する当否の判定を、すなわち大当たりであるか特図ハズレであるかの判定を、第2特図低確率判定テーブル116bまたは第2特図高確率判定テーブル117bを参照して行う第2特図当否判定部114bと、第1特図の変動中または第2特図の変動中または大当たり遊技中に第2特図当否用乱数取得部113bにより特図当否用乱数が取得された特図当否用乱数を、保留球乱数として所定の個数まで、例えば4個の上限まで記憶する第2特図用保留球乱数記憶部115bとを備える。
特図抽選処理部110は、第1,第2特図用保留球乱数記憶部115a,115bのうち第1特図用保留球乱数記憶部115aのみによって保留球乱数が記憶された状態である場合、その保留球乱数に基づく第1特図抽選を、第1特図の変動の停止後または第2特図の変動の停止後または大当たり遊技終了後に、その保留球乱数の記憶の契機となった第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。また、特図抽選処理部110は、第1,第2特図用保留球乱数記憶部115a,115bのうち第2特図用保留球乱数記憶部115bのみによって保留球乱数が記憶された状態である場合、その保留球乱数に基づく第2特図抽選を、第1特図の変動の停止後または第2特図の変動の停止後または大当たり遊技終了後に、その保留球乱数の記憶の契機となった第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。また、特図抽選処理部110は、第1特図用保留球乱数記憶部115aによって保留球乱数が記憶された状態であり、かつ、第2特図用保留球乱数記憶部115bによって保留球乱数が記憶された状態である場合、第1特図用保留球乱数記憶部115aによって記憶された保留球乱数に基づく第1特図抽選よりも、第2特図用保留球乱数記憶部115bによって記憶された保留球乱数に基づく第2特図抽選を優先して行うよう設定されている。
また、特図抽選処理部110は第1特図の変動開始時および第2特図の変動開始時に、第1特図用保留球乱数記憶部115aによって現在記憶されている保留球乱数の個数を指定する第1保留数指定コマンドと、第2特図用保留球乱数記憶部115bによって現在記憶されている保留球乱数の個数を指定する第2保留数指定コマンドとを、サブ制御処理部200に送信するよう設定されている。
図6に示すように、第1,第2特図低確率判定テーブル116a,116bおよび第1,第2特図高確率判定テーブル117a,177bは、特図当否用乱数と特図抽選での当否の結果(大当たり、特図ハズレ)との対応関係を規定するものである。
第1特図低確率判定テーブル116aが参照される場合、第1特図抽選での当否の結果は、第1特図当否用乱数取得部113aにより取得された特図当否用乱数の値が0〜217までの範囲内のときに大当たりとなり、218〜65535までの範囲内ときに特図ハズレとなる。また、第1特図高確率判定テーブル117aが参照される場合、第1特図抽選での当否の結果は、第1特図当否用乱数取得部113aにより取得された特図当否用乱数の値が0〜2170までの範囲内ときに大当たりとなり、2171〜65535までの範囲内ときに特図ハズレとなる。つまり、第1特図高確率判定テーブル117aにより規定された大当たりの当選確率は約1/30(2171/6536)であり、第1特図低確率判定テーブル116aにより規定された大当たりの当選確率である約1/300(218/65536)と比較して、約10倍高く設定されている。
第2特図低確率判定テーブル116bおよび第2特図高確率判定テーブル117bも、第1特図低確率判定テーブル116aおよび第1特図高確率判定テーブル117aと同じく設定されている。つまり、第2特図高確率判定テーブル117bにより規定された大当たりの当選確率も約1/30であり、第2特図低確率判定テーブル116bにより規定された大当たりの当選確率である約1/300と比較して、約10倍高く設定されている。
特図抽選処理部110が第1,第2特図低確率判定テーブル116a,116bを用いて特図抽選(第1,第2特図抽選)を行うよう設定された状態は、大当たり(特図当たり)の当選確率が通常の確率である約1/300に設定された状態であり、このように大当たりの当選確率が通常の確率に設定された状態で特図抽選処理部110が特図抽選(第1,第2特図抽選)を行う構成は、本発明の「特図通常抽選手段」に相当する。一方、特図抽選処理部110が第1,第2特図高確率判定テーブル117a,117bを用いて特図抽選(第1,第2特図抽選)を行うよう設定された状態は、大当たりの当選確率が通常の確率よりも高い約1/30に設定された状態であり、このように大当たりの当選確率が通常よりも高く設定された状態で特図抽選処理部110が特図抽選(第1,第2特図抽選)を行う構成は、本発明の「特図高確率抽選手段」に相当する。
以下では、大当たりの当選確率が通常の確率(約1/300)に設定された状態で第1,第2特図抽選が行われる遊技状態を、適宜「特図低確」と略し、大当たりの当選確率が通常よりも高い確率(約1/30)に設定された状態で第1,第2特図抽選が行われる遊技状態を、適宜「特図高確」と略す。
図4に戻り、主制御処理部100は、特図抽選処理部110による特図に係る当否の抽選(第1特図抽選、第2特図抽選)の結果に基づき、特図表示装置17に停止させて表示させる特図(特図の停止図柄)を、複数種類の当たり図柄と1種類のハズレ図柄のうちから決定する特図種類決定処理部120(特図種類決定手段)を備える。この特図種類決定処理部120は、具体的には図7に示すように、所定範囲(例えば0〜99の整数の範囲)のカウンタの値を、乱数発生用のコンピュータプログラムを実行して4ミリ秒に1回更新させることにより、ソフトウェア乱数である特図種類用乱数を発生せる特図種類用乱数発生部121と、第1特図抽選で大当たりに当選した場合に特図表示装置17に停止させて表示させる第1特図の当たり図柄を、第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞を契機に、特図種類用乱数を用いて複数種類の当たり図柄のうちから抽選(以下、適宜「第1特図種類抽選」という)により決定する第1特図種類抽選部122aと、第2特図抽選で大当たりに当選した場合に特図表示装置17に停止させて表示させる第2特図の当たり図柄を、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を契機に、特図種類用乱数を用いて複数種類の当たり図柄のうちから抽選(以下、適宜「第2特図種類抽選」という)により決定する第2特図種類抽選部122bとを備える。
第1特図種類抽選部122aは、より詳細には、特図種類用乱数発生部121により発生された特図種類用乱数を、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)取得する第1特図種類用乱数取得部123aと、この第1特図種類用乱数取得部123aにより取得された特図種類用乱数に予め対応付けられた当たり図柄を、第1特図種類テーブル126aを参照して選択する第1特図種類選択部124aと、第1特図の変動中または第2特図の変動中または大当たり遊技中に第1特図種類用乱数取得部123aにより取得された特図種類用乱数を、前述の第1特図用保留球乱数記憶部115aによる保留球乱数の最大記憶数と同じ個数(4個)まで記憶する第1特図種類用乱数記憶部125aとを備える。そして、特図種類決定処理部120は、第1特図抽選で大当たりに当選した場合に、第1特図種類選択部124aにより選択された当たり図柄を第1特図の停止図柄に決定し、第1特図抽選で特図ハズレであった場合に、その当たり図柄を無効にして、第1特図の停止図柄を特図ハズレに決定する。
第2特図種類抽選部122bも、第1特図種類抽選部122aと同様に構成されたものであり、特図種類用乱数発生部121により発生された特図種類用乱数を、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことを契機に(第2始動入賞口検知センサ43bからの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)取得する第2特図種類用乱数取得部123bと、この第2特図種類用乱数取得部123bにより取得された特図種類用乱数に予め対応付けられた当たり図柄を、第2特図種類テーブル126bを参照して選択する第2特図種類選択部124bと、第1特図の変動中または第2特図の変動中または大当たり遊技中に第2特図種類用乱数取得部123bにより取得された特図種類用乱数を、前述の第2特図用保留球乱数記憶部115bによる保留球乱数の最大記憶数と同じ個数(4個)まで記憶する第2特図種類用乱数記憶部125bとを備える。そして、特図種類決定処理部120は、第2特図抽選で大当たりに当選した場合に、第2特図種類選択部124bにより選択された当たり図柄を第2特図の停止図柄に決定し、第2特図抽選で特図ハズレであった場合に、その当たり図柄を無効にして、第2特図の停止図柄を特図ハズレに決定する。
特図種類決定処理部120は、第1,第2特図種類用乱数記憶部125a,125bのうち第1特図種類用乱数記憶部125aのみによって特図種類用乱数が記憶された状態である場合、その特図種類用乱数に基づく第1特図の停止図柄の決定を、第1特図の変動の停止後または第2特図の停止後または大当たり遊技終了後に、その特図種類用乱数の記憶の契機となった第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。特図種類抽選処理部120は、第1,第2特図種類用乱数記憶部125a,125bのうち第2特図種類用乱数記憶部125bのみによって特図種類用乱数が記憶された状態である場合、その特図種類用乱数に基づく第2特図の停止図柄の決定を、第1特図の変動の停止後または第2特図の停止後または大当たり遊技終了後に、その特図種類用乱数の記憶の契機となった第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。また、特図種類決定処理部120は、第1特図種類用乱数記憶部125aによって特図種類用乱数が記憶された状態であり、かつ、第2特図種類用乱数記憶部125bによって特図種類用乱数が記憶された状態である場合、第1特図種類用乱数記憶部125aに記憶された特図種類用乱数に基づく第1特図の停止図柄の決定よりも、第2特図種類用乱数記憶部125bに記憶された特図種類用乱数に基づく第2特図の停止図柄の決定を優先して行うよう設定されている。
第1特図の当たり図柄の種類は、15R通常時短有図柄A、2R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄A、2R特定時短有図柄の4種類である。第1特図種類テーブル126aは、図8(a)に示すように、特図種類用乱数と第1特図の種類(当たり図柄の種類)との対応関係を規定するものである。この第1特図種類テーブル126aは、具体的には、特図種類用乱数0〜9に15R通常時短有図柄Aを対応付けていて、特図種類用乱数10〜27に2R通常時短有図柄を対応付けていて、特図種類用乱数28〜32に15R特定時短有図柄Aを対応付けていて、特図種類用乱数33〜99に2R特定時短有図柄を対応付けている。これによって、15R通常時短有図柄Aの選択確率は10%に設定されていて、2R通常時短有図柄の選択確率は18%に設定されていて、15R特定時短有図柄Aの選択確率は5%に設定されていて、2R特定時短有図柄の選択確率は67%に設定されている。図8(a)に示した選択確率は参考のために記載したものであり、第1特図種類テーブル126aの構成要素ではない。
第2特図の当たり図柄の種類は、15R通常時短有図柄B、15R特定時短有図柄Bの2種類である。第2特図種類テーブル126bは、図8(b)に示すように、特図種類用乱数と第2特図の種類(当たり図柄の種類)との対応関係を規定するものである。この第2特図種類テーブル126bは、具体的には、特図種類用乱数0〜27に15R通常時短有図柄Bを対応付けていて、特図種類用乱数28〜99に15R特定時短有図柄Bを対応付けている。これによって、15R通常時短有図柄Bの選択確率は28%に設定されていて、15R特定時短有図柄B選択確率は72%に設定されている。図8(b)に示した選択確率も参考のために記載したものであり、第2特図種類テーブル126bの構成要素ではない。
図4に戻り、主制御処理部100は、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に普図に係る当否の抽選(普図抽選)を行う普図抽選処理部170(普図抽選手段)を備える。この普図抽選処理部170は、図9に示すように、所定範囲(例えば0〜65535の整数の範囲)のカウンタの値をクロック回路の1クロックに1回更新させることにより、ハードウェア乱数である普図当否用乱数を発生させる普図当否用乱数発生部171と、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に、普図当否用乱数を用いて普図抽選を行う普図当否抽選部172とを備える。
普図当否抽選部172は、より詳細には、普図当否用乱数発生部171により発生された普図当否用乱数を、スルーチャッカ21を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ46からの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)取得(ラッチ)する普図当否用乱数取得部173と、この普図当否用乱数取得部173により取得された普図当否用乱数に対する当否の判定を、すなわち普図当たりであるか普図ハズレであるかの判定を、普図低確率判定テーブル176または普図高確率判定テーブル177を参照して行う普図当否判定部174と、普図が変動中または電動チューリップ49の開閉動作中に普図当否用乱数取得部173により取得された普図当否用乱数を、所定の個数まで、例えば4個まで保留球乱数として記憶する普図用保留球乱数記憶部175とを備える。普図抽選処理部170は、普図用保留球乱数記憶部175によって保留球乱数が記憶された場合、その保留球乱数に基づく普図抽選を、普図の変動の停止後または電動チューリップ49の開閉動作の停止後に、その保留球乱数の記憶の契機となったスルーチャッカ21に対する遊技球の通過の順番で行うよう設定されている。
普図低確率判定テーブル176および普図高確率判定テーブル177は、具体的内容の図示は省略するが、第1特図高確率判定テーブル117aおよび第1特図高確率判定テーブル117aと同様のものである。普図低確率判定テーブル176は普図当たりの当選確率を約1/20に規定していて、普図高確率判定テーブル177は普図当たりの当選確率を約1/1.1に規定している。つまり、普図高確率判定テーブル177は普図当たりの当選確率を、普図低確率判定テーブル176によりも格段に高く規定しているとともに、略普図当たりに当選するよう規定している。
普図低確率判定テーブル176を用いて普図抽選を行うよう設定された状態は、普図当たりの当選確率が通常の確率である約1/20に設定された状態である。このように普図当たりの当選確率が通常の確率に設定された状態で普図抽選処理部170が普図抽選を行う構成は、本発明の「普図通常抽選手段」に相当する。一方、普図高確率判定テーブル177を用いて普図抽選を行うよう設定された状態は、普図当たりの当選確率が通常の確率よりも高い約1/1.に設定された状態である。このように普図当たりの当選確率が通常よりも高く設定された状態で普図抽選処理部170が普図抽選を行う構成は、本発明の「普図高確率抽選手段」に相当する。
以下では、普図当たりの当選確率が通常の確率(約1/20)に設定された状態で普図抽選が行われる遊技状態を、適宜「普図低確」と略し、普図当たりの当選確率が通常よりも高い確率(約1/1.1)に設定された状態で普図抽選が行われる遊技状態を、適宜「普図高確」と略す。
図4に戻り、主制御処理部100は、普図の変動時間を決定する普図変動時間決定部190と、普図表示装置22を制御する普図表示制御部102と、電動チューリップ49を制御する電動チューリップ作動制御部180(普通電動役物作動制御手段)とを備える。これらについて説明していく。
普図変動時間決定部190は、普図低確中の普通図柄の変動時間よりも普図高確中の普図の変動時間の方が短くなるよう決定するものである。具体的には、普図変動時間決定部190は、普図低確中の普図の変動時間を30秒に決定し、普図高確中の普図の変動時間を1秒に決定する。
普図表示制御部102は、普図抽選処理部170による普図抽選の結果(普図当たり、普図ハズレ)と、普図変動時間決定部190により決定された普図の変動時間とに基づいて、普図表示装置22を制御するものである。具体的には、普図抽選処理部170による普図抽選で普図ハズレとなり、かつ、普図変動時間決定部190により普図の変動時間が30秒に決定されていた場合に、普図表示制御部102は普図表示装置22に普図を30秒間変動させた後にハズレ図柄で停止させる。また、普図抽選処理部170による普図抽選で普図当たりに当選し、かつ、普図変動時間決定部190により普図の変動時間が30秒に決定されていた場合に、普図表示制御部102は普図表示装置22に普図を30秒間変動させた後に普図当たり図柄で停止させる。また、普図抽選処理部170による普図抽選で普図ハズレとなり、かつ、普図変動時間決定部190により普図の変動時間が1秒に設定されていた場合に、普図表示制御部102は普図表示装置22に普図を1秒間変動させた後にハズレ図柄で停止させる。また、普図抽選処理部170による普図抽選で普図当たりに当選し、かつ、普図の変動時間が1秒に決定された場合に、普図表示制御部102は普図表示装置22に普図を1秒間変動させた後に普図当たり図柄で停止させる。
電動チューリップ作動制御部180は、普図抽選で普図当たりに当選した場合に、普図の変動が普図当たり図柄で停止してから0.5秒が経過したタイミングで、予め設定された態様の開閉動作を行うよう電動チューリップ49のソレノイドを制御するものである。電動チューリップ49の開閉動作の態様としては、普図低確に予め対応付けられた第1開閉態様と、普図高確に予め対応付けられた第2開閉態様との2種類がある。第1開閉態様において、開閉動作の回数は1回であり、その1回の開閉動作による電動チューリップ49の開放時間は0.2秒である。第2開閉態様において、開閉動作の回数は3回であり、連続する開閉動作のインターバルは0.8秒であり、1回の開閉動作による電動チューリップ49の開放時間は2.5秒である。
前述のように普図低確中の普図当たりの当選確率は約1/20であり、普図低確中の普図の変動時間は30秒であり、普図低確中の電動チューリップ49の開閉動作の態様は第1開閉態様(0.2秒間開放×1回)である。これに対し、前述のように普図高確中の普図当たりの当選確率は約1/1.1であり、普図高確中の普図の変動時間は1秒であり、普図高確中の電動チューリップ49の開閉動作の態様は第2開閉態様(2.5秒間開放×3回)である。つまり、普図低確中よりも普図高確中の方が、普図当たりの当選確率、普図の変動時間、普図当たりに対応付けられた電動チューリップ49の開閉動作の態様の何れについても遊技者にとって有利であり、普図高確中には第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を電動チューリップ49の作動によってサポートすることになる。以下、電動チューリップ49の作動による第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞のサポートを「電サポ」と略す。
主制御処理部100は、遊技状態を設定する遊技状態設定部140(遊技状態設定手段)を備える。この遊技状態設定部140により扱われる遊技状態としては、低確、潜確、確変、時短の4つの遊技状態が予め用意されている。「低確」は特図低確と普図低確とから構成される遊技状態であり、「潜確」は特図高確と普図低確とから構成される遊技状態であり、「確変」は特図高確と普図高確とから構成される遊技状態であり、「時短」は特図低確と普図高確とから構成される遊技状態である。「確変」と「時短」は、普図高確を含む遊技状態であるので、電サポ有の遊技状態である。「低確」と「潜確」は、普図低確を含む遊技状態であるので、すなわち、普図高確を含まない遊技状態であるので、電サポ無の遊技状態である。「潜確」は電サポ無の遊技状態であり、同じ電サポ無の遊技状態である「低確」とは、特図高確である点で異なるものの電動チューリップ49の動作の様子からは区別がつかない、すなわち、特図高確(大当たりの当選確率が通常よりも高く変動した状態(確変))が潜んだ遊技状態であることを意味する。
なお、「低確」は本発明における「通常遊技状態」に相当し、「確変」は本発明における「確変遊技状態」に相当し、「時短」は本発明における「時短遊技状態」に相当し、「潜確」は本発明における「潜確遊技状態」に相当する。
前述のように、第1特図の当たり図柄の種類は、15R通常時短有図柄A、2R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄A、2R特定時短有図柄の4種類であり、第2特図の当たり図柄の種類は、15R通常時短有図柄B、15R特定時短有図柄Bの2種類である。これらの当たり図柄のそれぞれには、図10に示すように、大当たり種別、大当たり遊技終了後に設定される電サポ回数およびST回数が予め対応付けられている。
「大当たり種別」は、大当たり遊技終了後に設定される特図に係る遊技状態が特図低確であるか特図高確であるかに基づく当たり図柄の分類であり、「通常」と呼ばれるものと「確変」と呼ばれるものとの2種類である。大当たり種別の「通常」は、大当たり遊技終了後の遊技状態が特図低確(大当たりの当選確率が通常の確率)に設定されることを意味する。大当たり種別が通常の当たり図柄は、15R通常時短有図柄A,Bおよび2R通常時短有図柄のように名称中に「通常」を含む当たり図柄である。大当たり種別の「確変」は、大当たり遊技終了後の遊技状態が特図高確(大当たりの当選確率が通常よりも高い確率に変動した状態(確変))に設定されることを意味する。大当たり種別が確変の当たり図柄は、15R特定時短有図柄A,Bおよび2R特定時短有図柄のように名称中に「特定」を含む当たり図柄である。なお、図8において、第1特図種類テーブル126a中の15R特定時短有図柄Aの選択確率5%と2R特定時短有図柄の選択確率67%とを合計した選択確率72%と、第2特図種類テーブル126b中の15R特定時短有図柄Bの選択確率72%とが一致して設定されていることから分かるように、第1,第2特図抽選の何れで大当たりに当選した場合も、大当たり種別が確変の当たり図柄の選択確率は72%に設定されている。
「電サポ回数」とは、大当たりに当選しない限り電サポ有の遊技状態が維持される特図遊技の回数(第1特図遊技の回数と第2特図遊技の回数との合計)を意味する。「ST回数」とは、大当りに当選しない限り特図高確が維持される特図遊技の回数を意味する。「ST」とは「スペシャルタイム」の略であり、大当たりの当選確率が通常よりも高い特別な期間であることを意味する。
15R通常時短有図柄A,B、2R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄A,B、2R特定時短有図柄のように名称中に「時短有」を含む当たり図柄には、電サポ回数が予め対応付けられている。具体的には、15R通常時短有図柄A,Bに100回の電サポ回数が予め対応付けられていて、2R通常時短有図柄に50回の電サポ回数が予め対応付けられていて、15R特定時短有図柄A,Bに10000回の電サポ回数が予め対応付けられていて、2R特定時短有図柄に50回の電サポ回数が予め対応付けられている。
15R特定時短有図柄A,Bおよび2R特定時短有図柄のように名称中に「特定」を含む当たり図柄には、すなわち大当たり種別が「確変」の当たり図柄には、ST回数が予め対応付けられている。具体的には、15R特定時短有図柄A,Bに10000回のST回数が予め対応付けられていて、2R特定時短有図柄に80回のST回数が予め対応付けられている。
図10において、電サポ回数およびST回数は、大当たり当選時の遊技状態が低確、潜確、確変、時短の何れであるかに関係なく当たり図柄毎に一定となるよう設定されているが、大当たり当選時の遊技状態に応じて変化するよう設定されていてもよい。
遊技状態設定部140は、特図種類決定処理部120により決定された当たり図柄に基づき、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定し、その後、電サポ回数が全て消化された場合に普図に係る遊技状態を普図低確に設定し、ST回数が全て消化された場合に特図に係る遊技状態を特図低確に設定する。
また、遊技状態設定部140は、RAMクリア後の初期設定で、遊技状態を低確(特図低確かつ普図低確)に設定する。
特図高確中(ST中)の大当たりの当選確率は約1/30であり、10000回のST回数を全て消化するまでには、確実に大当たりに当選することができるので、大当たりに当選して当たり図柄が15R特定時短有図柄Aまたは15R特定時短有図柄Bに決定された場合、10000回のST回数は、次回の大当たりの当選まで特図高確を維持することを保障することになる。また、当たり図柄が同じく15R特定時短有図柄AまたはBに決定された場合には、電サポ回数も10000回に設定されるので、次回の大当たりの当選まで電サポ有の遊技状態も維持されることになる。
遊技状態設定部140は、特図の停止時に次回の特図遊技の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドをサブ制御処理部200に送信するよう設定されている。また、遊技状態設定部140は、電サポ回数を50回のまたは100回に設定した場合に、その電サポ回数を指定する電サポ回数指定コマンドをサブ制御処理部200に送信するよう設定されているとともに、特図の停止の度に残りの電サポ回数をカウントして、その残りの電サポ回数を指定する残電サポ回数指定コマンドをサブ制御処理部200に送信するよう設定されている。また、遊技状態設定部140は、ST回数を80回に設定した場合に、そのST回数を指定するST回数指定コマンドをサブ制御処理部200に送信するよう設定されているとともに、特図の停止の度に残りのST回数の残り回数をカウントして、その残りのST回数を指定する残ST回数指定コマンドをサブ制御処理部200に送信するよう設定されている。
図4に戻り、主制御処理部100は、特図の変動が当たり図柄で停止した後に、その当たり図柄に予め対応付けられた開閉動作の態様でアタッカー装置65に開閉動作を行わせて大当たり遊技を遊技者に提供する大当たり遊技制御部160(大当たり遊技制御手段)を備える。
前述のように、第1特図の当たり図柄の種類は、15R通常時短有図柄A、2R通常時短有図柄、15R特定時短有図柄A、2R特定時短有図柄の4種類であり、第2特図の当たり図柄の種類は、15R通常時短有図柄B、15R特定時短有図柄Bの2種類である。これらの当たり図柄のそれぞれには、図10に示すように、ラウンド数(Rは「ラウンド」の略)、アタッカー開放パターンが予め対応付けられていて、その結果、遊技者が獲得できる賞球数が規定されている。
15R通常時短有図柄A,Bおよび15R特定時短有図柄A,Bには、ラウンド数として15ラウンド(15R)が予め対応付けられているとともに、アタッカー開放パターンとしてフル開放が対応付けられている。2R通常時短有図柄および2R特定時短有図柄には、タウン同数として2ラウンド(2R)が予め対応付けられているとともに、アタッカー開放パターンとして高速開放が予め対応付けられている。
15ラウンドの大当たり遊技(以下、適宜「15R大当たり遊技」と略す)は、第1〜第15ラウンド遊技が行われる大当たり遊技である。この15R大当たり遊技において、各ラウンド遊技中のアタッカー装置41の開閉動作の回数(大入賞口42の開放回数)は1回に設定されているとともに、各ラウンド遊技の終了条件は、アタッカー装置41の開放時間が30秒に達したこと、および、大入賞口42に10個の遊技球が入賞したことの何れか一方が満たされることに設定されている。その終了条件に基づくアタッカー装置41の開閉動作のパターン、すなわち、アタッカー開放パターンが「フル開放」である。また、15R大当たり遊技において、連続するラウンド遊技間(開閉動作間)のインターバルは4秒に設定されている。フル開放でラウンド遊技が15ラウンド行われることにより、15R大当たり遊技において遊技者は約1500個の賞球を獲得可能である。
2ラウンドの大当たり遊技(以下、適宜「2R大当たり遊技」と略す)は、第1,第2ラウンド遊技が行われる大当たり遊技である。この2R大当たり遊技においては、各ラウンド遊技中のアタッカー装置41の開閉動作の回数は1回に設定されているとともに、各ラウンド遊技の終了条件は、アタッカー装置41の開放時間が0.2秒に達したこと、および、大入賞口42に10個の遊技球が入賞したことの何れか一方が満たされることに設定されている。その終了条件に基づくアタッカー開放パターンが「高速開放」である。また、2R大当たり遊技において、連続するラウンド遊技間(開閉動作間)のインターバルは4秒に設定されている。2R大当たり遊技は高速開放でラウンド遊技が2ラウンドしか行われないため、15R大当たり遊技よりも遊技者にとって賞球の獲得が困難な大当たり遊技であり、獲得可能な賞球個数が略0個の大当たり遊技である。
15R大当たり遊技は本発明における「出玉有大当たり遊技」に相当し、15R通常時短有図柄A,Bおよび15R特定時短有図柄A,Bは本発明における「出玉有図柄」に相当する。2R大当たり遊技は本発明における「出玉無大当たり遊技」に相当し、2R通常時短有図柄および2R特定時短有図柄は本発明における「出玉無図柄」に相当する。以下、大当たり(特図当たり)の当選時に特別図柄の当たり図柄が「出玉有図柄」(15R通常時短有図柄A,B、15R特定時短有図柄A,B)に決定されることを、適宜「出玉有当たり」と略し、大当たりの当選時に特別図柄の当たり図柄が「出玉無図柄」(2R通常時短有図柄、2R特定時短有図柄)に決定されることを、適宜「出玉無当たり」と略す。
出玉有当たりのうち、出玉有大当たり遊技の終了後に時短(特図低確かつ普図高確)が付随するものは、一般的に「通常当たり」と呼ばれる。出玉有当たりのうち、出玉大当たり遊技の終了後に確変(特図高確かつ普図高確)が付随するものは、一般に「確変当たり」と呼ばれる。また、出玉無当たりのうち、出玉無大当たり遊技の終了後に時短が付随するものは、すなわち、出玉有大当たり遊技のように賞球を獲得できる大当たり遊技を経ることなく遊技状態が突然に時短に設定されることともなるものは、一般に「突時当たり」と呼ばれる。出玉無当たりのうち、出玉無大当たり遊技の終了後に確変が付随するものは、すなわち、出玉有大当たり遊技のように賞球を獲得できる大当たり遊技を経ることなく遊技状態が突然に確変に設定されることともなるものは、一般に「突確当たり」と呼ばれる。
図8に示すように、15R特定時短有図柄Aの選択確率が5%であるのに対し、15R特定時短有図柄Bの選択確率は72%と格段に高い。また、15R通常時短有図柄Aの選択確率(10%)よりも15R通常時短有図柄Bの選択確率(28%)の方が高い。また、第1特図抽選で大当たりに当選した場合には2R通常時短有図柄および2R特定時短有図柄はそれぞれ18%,67%の確率で選択されるのに対し、第2特図抽選で大当たりに当選した場合にはそれら2R通常時短有図柄および2R特定時短有図柄は何れも選択されなることはない。さらに、当たり図柄が2R通常時短有図柄または2R特定時短有図柄に決定された場合に遊技者が獲得できる賞球数は略0個であるのに対し、当たり図柄が15R特定時短有図柄または15R通常時短有図柄に決定された場合に遊技者が獲得できる賞球数は約1500個である。これらのことから、第2特図遊技は第1特図遊技よりも、獲得できる賞球数(出球数)に関して遊技者に有利である。
15R大当たり遊技において、特図が15R通常時短有図柄A、15R通常時短有図柄B、15R特定時短有図柄A、15R特定時短有図柄Bのうちの1つで停止して0.5秒が経過した時点から第1ラウンド遊技が開始されるまでの区間(例えば6秒間)は「オープニング区間」であり、第1〜第15ラウンド遊技が行われる区間は「ラウンド遊技区間」であり、第15ラウンド遊技の終了時点から大当たり遊技終了までの区間(例えば18秒間)は「エンディング区間」である(図23参照)。
2R大当たり遊技において、特図が2R通常時短有図柄または2R特定時短有図柄で停止して0.5秒が経過した時点から第1ラウンド遊技が開始されるまで区間(例えば6秒間)は「オープニング区間」であり、第1,第2ラウンド遊技が行われる区間は「ラウンド遊技区間」であり、第2ラウンド遊技の終了時点から大当たり遊技終了までの区間(例えば6秒間)は「エンディング区間」である(図24参照)。
大当たり遊技制御部160は、15R大当たり遊技の開始から終了までの期間内において、オープニングの表示の開始を指定するオープニング指定コマンドと、第1〜第15ラウンド遊技中およびラウンド遊技間の表示を指定するラウンド・インターバル指定コマンドと、大当たり遊技のエンディングの表示の開始を指定するエンディング指定コマンドを、サブ制御処理部200に送信するよう設定されている。また、大当たり遊技制御部160は、2R大当たり遊技の開始から終了までの期間内において、大当たり遊技の開始時にオープニングの表示の開始を指定するオープニング指定コマンドと、大当たり遊技のエンディングの表示の開始を指定するエンディング指定コマンドを、サブ制御処理部200に送信するよう設定されている。なお、15R大当たり遊技時に送信されるオープニング指定コマンドと、2R大当たり遊技時に送信されるオープニング指定コマンドは同じものであり、15R大当たり遊技時に送信されるエンディング指定コマンドと、2R大当たり遊技時に送信されるエンディング指定コマンドも同じものである。
図4に戻り、主制御処理部100は、特図抽選処理部110による特図抽選の結果と、特図種類決定処理部120により決定された特図の停止図柄に基づき、特図の変動パターン(変動内容と変動時間の組合せ)を指定する変動パターンコマンドを、複数種類の変動パターンコマンドのうちから抽選により決定する変動パターンコマンド決定部130を備える。この変動パターンコマンド決定部130は、具体的には図11に示すように、所定範囲(例えば0〜179の整数の範囲)のカウンタの値を、乱数発生用のコンピュータプログラムを実行して4ミリ秒に1回更新させることにより、ソフトウェア乱数である変動パターン用乱数を発生させる変動パターン用乱数発生部131と、第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞を契機に第1特図に係る変動パターンコマンドを、変動パターン用乱数を用いて複数種類の変動パターンコマンドのうちから抽選(以下、適宜「第1変動パターン抽選」という)により決定する第1変動パターン抽選部132aと、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を契機第2特図に係る変動パターンコマンドを、変動パターン用乱数を用いて複数種類の変動パターンコマンドのうちから抽選(以下、「第2変動パターン抽選」という)により決定する第2変動パターン抽選部132bとを備える。
第1変動パターン抽選部132aは、変動パターン用乱数発生部131により発生された変動パターン用乱数を、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことを契機に(第1始動入賞口検知センサ43aからの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)取得する第1変動パターン用乱数取得部133aと、この第1変動パターン用乱数取得部133aにより取得された変動パターン用乱数に予め対応付けられた変動パターンコマンドを、変動パターンテーブル136を参照して第1特図に係る変動パターンコマンドに決定する第1変動パターン決定部134aと、第1特図の変動中または第2特図が変動中または大当たり遊技中に第1変動パターン用乱数取得部133aにより取得された変動パターン用乱数を、前述の第1特図用保留球乱数記憶部115aによる保留球乱数の最大記憶数と同じ個数(4個)まで記憶する第1変動パターン用乱数記憶部135aと、を備える。
第2変動パターン抽選部132bも第1変動パターン抽選部132aと同様に構成されたものであり、変動パターン用乱数発生部131により発生された変動パターン用乱数を、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を契機に(第2始動入賞口検知センサ43aからの遊技球検知信号が主制御処理部100に入力されたタイミングで)取得する第2変動パターン用乱数取得部133bと、この第2変動パターン用乱数取得部133bにより取得された変動パターン用乱数に予め対応付けられた変動パターンコマンドを、変動パターンテーブル136を参照して第2特図に係る変動パターンコマンドに決定する第2変動パターン決定部134bと、第1特図の変動中または第2特図が変動中または大当たり遊技中に第2変動パターン用乱数取得部133bにより取得された変動パターン用乱数を、前述の第2特図用保留球乱数記憶部115bによる保留球乱数の最大記憶数と同じ個数(4個)まで記憶する第2変動パターン用乱数記憶部135bとを備える。
変動パターンコマンド決定部130は、第1,第2変動パターン用乱数記憶部135a,135bのうち第1変動パターン用乱数記憶部135aのみによって変動パターン用乱数が記憶された状態である場合、その変動パターン用乱数に基づく第1変動パターン抽選を、第1特図の変動の停止後または第2特図の変動の停止後または大当たり遊技終了後に、その変動パターン用乱数の記憶の契機となった第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。また、第1,第2変動パターン用乱数記憶部135a,135bのうち第2変動パターン用乱数記憶部135bのみによって変動パターン用乱数が記憶された状態である場合、その変動パターン用乱数に基づく第2変動パターン抽選を、第1特図の変動の停止後または第2特図の変動の停止後または大当たり遊技終了後に、その変動パターン用乱数の記憶の契機となった第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞の順番(入賞順)で行うよう設定されている。また、変動パターンコマンド決定部130は、第1変動パターン用乱数記憶部135aによって変動パターン用乱数が記憶された状態であり、かつ、第2変動パターン用乱数記憶部135bによって変動パターン用乱数が記憶された状態である場合、第1変動パターン用乱数記憶部135aによって記憶された変動パターン用乱数に基づく第1変動パターン抽選よりも、第2変動パターン用乱数記憶部135bによって記憶された変動パターン用乱数に基づく第2変動パターン抽選を優先して行うよう設定されている。
変動パターンテーブル136には、低確中および確変中に、すなわち電サポ無の遊技状態中に用いられる通常変動パターンテーブル136aと、確変中および時短中、すなわち電サポ有の遊技状態中に用いられる短縮変動パターンテーブル136bとがある。これら通常変動パターンテーブル136aと短縮変動パターンテーブル136bの特徴について図12を用いて次に説明する。
図12において、「変動開始時の保留数」とは、第1特図の変動開始時の保留球乱数の個数および第2特図の変動開始時の保留球乱数の個数を意味する。「主要変動時間」とは、前述の演出図柄のリーチ変動を伴わない場合の特図の変動時間を意味する。
通常変動パターンテーブル136aにおいては、第1,第2特図の何れに関しても、0個および1個の保留数に12.5秒の主要変動時間が対応付けられていて、2個および3個の保留数に7秒の主要変動時間が対応付けられていて、4個の保留数に4秒の主要変動時間が対応付けられている。つまり、通常変動パターンテーブル136aは、保留数が多くなると主要変動時間が短くなるよう設定されている。また、通常変動パターンテーブル136aにおいて、第1,第2特図の何れについても、リーチ時変動時間は60秒〜120秒に規定されている。
短縮変動パターンテーブル136bにおいては、第1,第2特図の何れに関しても、0個および1個の保留数に7秒の主要変動時間が対応付けられていて、2個の保留数に4秒の主要変動時間が対応付けられていて、3個および4個の保留数に2秒の主要変動時間が対応付けられている。つまり、短縮変動パターンテーブル136bも、保留数が多くなると主要変動時間が短くなるよう設定されている。また、短縮変動パターンテーブル136bにおいて、第1,第2特図の何れについても、リーチ時変動時間は60秒〜120秒に規定されている。
通常変動パターンテーブル136aと短縮変動パターンテーブル136bを比較して分かるように、0個〜4個のそれぞれの保留数に対応付けられた主要変動時間は、通常変動パターンテーブル136aにおける主要変動時間よりも短縮変動パターンテーブル136bにおける主要変動時間の方が短く設定されている。つまり、短縮変動パターンテーブル136bが用いられて決定される特図の主要変動時間は、通常変動パターンテーブル136aが用いられて決定される主要変動時間よりも短縮されている。なお、短縮変動パターンテーブル136bが用いられる遊技状態である「時短」(特図低確かつ普図高確)は、通常変動パターンテーブル136aが用いられる「低確」(特図低確かつ普図低確)および「潜確」(特図高確かつ普図低確)よりも主要変動時間が短縮される遊技状態であることを意味するとともに、「確変」(特図高確かつ普図高確)ではないことを意味する。
通常変動パターンテーブル136aおよび短縮変動パターンテーブル136bを構成する変動パターンテーブルの具体的内容を、図13〜図16を用いて次に説明する。
通常変動パターンテーブル136aは、図13,図14に示す変動パターンテーブル136−1〜136−7から構成されている。短縮変動パターンテーブル136bは、通常変動パターンテーブル136aと共通の変動パターンテーブル136−1〜136−6と、変動パターンテーブル136−8とから構成されている。変動パターンテーブル136−1〜136−8は全て変動パターン用乱数と変動パターンコマンド(変動パターンNo.)との対応関係を規定するものである。
図13(a)に示す変動パターンテーブル136−1は第1特図抽選で大当たりに当選し、かつ、第1特図の停止図柄が15R通常時短有図柄Aに決定された場合に使用されるものである。図13(b)に示す変動パターンテーブル136−2は第1特図抽選で大当たりに当選し、かつ、第1特図の停止図柄が2R通常時短有図柄に決定された場合に使用されるものである。図13(c)に示す変動パターンテーブル136−3は第1特図抽選で大当たりに当選し、かつ、第1特図の停止図柄が15R特定時短有図柄Aに決定された場合に使用されるものである。図13(d)に示す変動パターンテーブル136−4は第1特図抽選で大当たりに当選し、かつ、第1特図の停止図柄が2R特定時短有図柄に決定された場合に使用されるものである。図14(a)に示す変動パターンテーブル136−5は第2特図抽選で大当たりに当選し、かつ、第2特図の停止図柄が15R通常時短有図柄Bに決定された場合に使用されるものである。図14(b)に示す変動パターンテーブル136−6は第2特図抽選で大当たりに当選し、かつ、第2特図の停止図柄が15R特定時短有図柄Bに決定された場合に使用されるものである。これら変動パターンテーブル136−1〜136−6は、特図抽選での大当たり当選時の遊技状態が低確中、潜確中、確変中、時短中であるかに関係なく、第1または第2変動パターン抽選で用いられるものである。
図13,図14に示す変動パターンテーブル136−1〜136−6において、各変動パターンコマンド(変動パターンNo.)には特図の当たり図柄が予め対応付けられている。具体的には、変動パターンNo.101〜106に15R通常時短有図柄Aが予め対応付けられていて、変動パターンNo.111〜116に2R通常時短有図柄が予め対応付けられていて、変動パターンNo.121〜126に15R特定時短有図柄Aが予め対応付けられていて、変動パターンNo.131〜136に2R特定時短有図柄が予め対応付けられていて、変動パターンNo.201〜206に15R通常時短有図柄Bが予め対応付けられていて、変動パターンNo.211〜216に15R特定時短有図柄Bが予め対応付けられている。これらの変動パターンコマンドは、本発明における特図指定コマンドに相当する。
図15に示す変動パターンテーブル136−7は、低確中および潜確中において第1または第2特図抽選で特図ハズレとなった場合に使用されるものである。図16に示す変動パターンテーブル136−8は確変中および時短中に第1または第2特図抽選で特図ハズレとなった場合に使用されるものである。つまり、図15,図16において、変動パターンNo.301〜309、401〜409は、特図ハズレ、すなわち特図のハズレ図柄に予め対応付けられた変動パターンコマンドである。
また、変動パターンコマンド(変動パターンNo.)は、特図の変動時間と、演出図柄の変動パターン(変動内容と変動時間との組合せ)との情報を2バイトデータの形で指定するものである。例えば図13(a)に示すように、変動パターンテーブル136−1において、変動パターンNo.101〜106のそれぞれは演出図柄の変動パターンに関して、対決系リーチAと変動時間60秒との組合せ、対決系リーチBと変動時間90秒との組合せ、ストーリー系リーチAと変動時間90秒との組合せ、ストーリー系リーチBと変動時間120秒との組合せ、実写系リーチAと変動時間90秒との組合せ、実写系リーチBと変動時間120秒との組合せのそれぞれを指定するものである。また、図15に示す変動パターンテーブル136−7において、変動パターンNo.307〜309のそれぞれは演出図柄の変動パターンに関して、リーチ無と変動時間12.5秒との組合せ、リーチ無と変動時間7秒との組合せ、リーチ無と変動時間4秒との組合せのそれぞれを指定するものであり、図16に示す変動パターンテーブル136−8において、変動パターンNo.407〜409のそれぞれは演出図柄の変動パターンに関して、リーチ無と変動時間7秒との組合せ、リーチ無と変動時間4秒との組合せ、リーチ無と変動時間2秒との組合せのそれぞれを指定するものである。特図の変動時間は、演出図柄の変動時間と同じものである。なお、図15中の変動パターンNo.307〜309、図16中の変動パターン407〜409は、前述の主要変動時間を指定するものである。
変動パターンコマンド決定部130は、第1変動パターン抽選部132aまたは第2変動パターン抽選部132bにより決定された変動パターンコマンド(特図指定コマンド)を、サブ制御処理部200に送信するよう設定されている。
図4に戻り、主制御処理部100は、変動パターンコマンド決定部130により決定された変動パターンコマンドに基づいて、特図表示装置17を制御する特図表示制御部101を備える。この特図表示制御部101は、変動パターンコマンド決定部130により決定された変動パターンコマンドに基づき、特図が変動した後に停止するよう特図表示装置17を制御するものである。例えば、変動パターンコマンドが図13(a)に示す変動パターンNo.101に決定された場合、特図表示制御部101は、特図が60秒変動した後に15R通常時短有図柄Aで停止するよう特図表示装置17を制御する。また例えば、変動パターンコマンドが図15に示す変動パターンNo.307に決定された場合、特図表示制御部101は、特図が12.5秒変動した後にハズレ図柄で停止するよう特図表示装置17を制御する。
次に、サブ制御処理部200について詳細に説明する。
サブ制御処理部200は、主制御処理部100から各種コマンドに基づき各種演出を行うものであり、図3,4に示すように、第1,第2特図遊技の演出および大当たり遊技の演出に用いる演出画像のデータを予め記憶し、それらの演出画像のデータを用いた画像の表示が適宜行われるよう演出表示装置34をインバータ基板を介して制御する演出制御処理部201と、枠ランプや盤面ランプ等の各種ランプの制御を行うためのランプ制御処理部202と、スピーカ20やサウンドプロセッサ等の制御を行うための音声制御処理部203とを備える。
演出制御処理部201は、図17に示すように、特図遊技および大当たり遊技を演出する表示の態様を決定する演出態様決定部210と、演出態様決定部210により決定された態様の表示を演出表示装置34に行わせる演出表示制御部220とを備える。
演出態様決定部210は、特図遊技を演出する表示の態様を決定するため構成要素として変動パターンコマンドと特図遊技用の表示の態様との対応関係を規定する特図遊技用演出テーブル211を備え、変動パターンコマンド決定部130から送信されてきた変動パターンコマンドに基づき特図遊技用演出テーブル211を参照して、演出表示装置34に表示させる特図遊技用の表示の態様を決定する。
つまり、変動パターンコマンドにより指定される特図が当たり図柄である場合、演出図柄の変動パターンは、対決系リーチを含む60秒の変動、対決系リーチを含む90秒の変動、ストーリー系リーチを含む90秒の変動、ストーリー系リーチを含む120秒の変動、実写系リーチを含む90秒の変動、および、実写系リーチを含む120秒の変動のうちの何れか1つに決定されるとともに、演出図柄の停止図柄はゾロ目等の大当たりを示す図柄に決定される。また、変動パターンコマンドにより指定される特図がハズレ図柄である場合、演出図柄の変動パターンは、主にリーチ無の変動に決定されるとともに、演出図柄の停止図柄がゾロ目以外の並び目から成る図柄に決定される。
演出態様決定部210は、大当たり遊技を演出する表示の態様を決定するための構成要素として、特図の当たり図柄と、大当たり遊技の演出に使用する演出画像との対応関係を規定する大当たり遊技用演出テーブル212を備える。大当たり遊技の演出に使用する演出画像には、大当たり遊技のオープニング区間において動画として表示されるオープニング画像と、大当たり遊技のラウンド遊技区間で動画として表示されるラウンド・インターバル画像と、大当たり遊技のエンディング区間において動画として表示されるエンディング画像と、エンディング区間の最後の2秒間において静止画で表示される2秒静止画像とが予め用意されている。
大当たり遊技用演出テーブル212は、具体的には図18に示すように、15R通常時短有図柄A,Bおよび15R特定時短有図柄A,Bに15R用オープニング画像、15R用ラウンド・インターバル画像、15Rエンディング画像、注意喚起画像および代替画像を対応付けていて、2R通常時短有図柄および2R特定時短有図柄に2R用オープニング画像、2R用ラウンド・インターバル画像、2R用エンディング画像および代替画像を対応付けている。なお、15Rエンディング画像を表示する時間は16秒に設定されていて、2R用エンディング画像を表示する時間は4秒に設定されている。
図19(a)に示すように、注意喚起画像は、プリペイドカードの取忘れの注意喚起を遊技者に対して行うためのものである。代替画像は、注意喚起画像の代替であって、台間機300からのプリペイドカードの取忘れの注意喚起の要素を含まない代替画像である。
演出態様決定部210は、変動パターンコマンド決定部130からサブ制御処理部200に送信されてきた変動パターンコマンド(特図指定コマンド)により指定された特図の当たり図柄に基づき、15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)と2R大当たり遊技(出玉無大当たり遊技)の何れが行われるかを判断し、その判断の結果に基づき大当たり遊技用演出テーブル212を参照して、大当たり遊技において演出表示装置34に表示させる演出画像を決定するよう設定されている。
15R大当たり遊技が行われる場合、演出表示制御部220は、大当たり遊技制御部160からのオープニング指定コマンドに基づき15R用オープニング画像の表示を開始し、ラウンド指定コマンドに基づき15ラウンド・インターバル画像を表示し、大当たり遊技制御部160からのエンディング指定コマンドに基づき15Rエンディング画像の表示を開始するとともに15Rエンディング画像に続けて注意喚起画像または代替画像を表示する。
2R大当たり遊技が行われる場合、演出表示制御部220は、大当たり遊技制御部160からのオープニング指定コマンドに基づき2R用オープニング画像の表示を開始するとともに、2R用オープニング画像に続けてラウンド・インターバル画像を表示し、大当たり遊技制御部160からのエンディング指定コマンドに基づき2R用エンディング画像の表示を開始するとともに、2R用エンディング画像に続けて代替画像を表示する。
なお、15Rおよび2R大当たり遊技におけるエンディング指定コマンドは、本発明における「表示指定コマンド」に相当する。
演出態様決定部210は、大当たり遊技制御部160から送信されてきた遊技状態指定コマンドにより指定される遊技状態に基づいて遊技状態の推移を判断するとともに、低確から時短、確変、潜確の少なくとも1つの遊技状態を1回以上経て低確に戻るまでの特定期間内において、注意喚起画像の表示による注意喚起が未実行か実行済みかの履歴を記憶する注意喚起履歴記憶部213(注意喚起履歴記憶手段)を備える。この注意喚起履歴記憶部213は、具体的には、注意喚起に係る履歴をフラグで記憶するものであり、特定期間の開始時に注意喚起フラグを未実行に相当する0に設定し、特定期間内において出玉有大当たり(15R大当たり遊技)の終了時に、注意喚起フラグを実行済みに相当する1に設定するものである。
そして、注意喚起フラグが0(未実行)に設定された状態で変動パターンコマンド(特図指定コマンド)により15R通常時短有図柄(出玉有図柄)または15R特定時短有図柄(出玉有図柄)が指定された場合に、注意喚起画像の表示を演出表示装置34に行わせることを決定するよう設定されている。一方、注意喚起履歴記憶部213における注意喚起フラグが1(実行済み)に設定された状態で変動パターンコマンド(特図指定コマンド)により15R通常時短有図柄(出玉有図柄)または15R特定時短有図柄(出玉有図柄)が指定された場合には、注意喚起画像の替わりに代替画像の表示を演出表示装置34に行わせることを決定するよう設定されている。
つまり、演出態様決定部210は、低確から時短、確変、潜確の少なくとも1つの遊技状態を1回以上経て低確に戻るまでの特定期間内において、15R通常時短有図柄(出玉有図柄)または15R特定時短有図柄(出玉有図柄)を指定する変動パターンコマンド(特図指定コマンド)を初めて受信した場合に限定して、注意喚起画像の表示を演出表示装置34に行わせることを決定するよう設定されている。
保留球表示制御部230は、特図抽選処理部110からの第1,第2保留数指定コマンドのそれぞれに基づき、第1特図抽選に係る保留数と第2特図抽選に係る保留数のそれぞれを、演出表示装置34に表示させるものである。
このように構成されたパチンコ機1においては、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合、および、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に、図20に示すルーチンの遊技処理が行われる。この遊技処理について第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞に係る処理を例に挙げて説明する。
はじめに、主制御処理部100は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したか否かの判定を、第1始動入賞口検知センサ91からの遊技球検知信号の有無に基づいて行う(ステップS1)。このステップS1において、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞してないと判定した場合、主制御処理部100は遊技処理のルーチンを終了する。一方、ステップS1において、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したと主制御処理部100が判定した場合(ステップS1でYesの場合)には、特図抽選処理部110において第1特図当否用乱数取得部113aは特図当否用乱数を取得し、特図種類決定処理部120において第1特図種類用乱数取得部123aは特図種類用乱数を取得し、変動パターンコマンド決定部130において第1変動パターン用乱数取得部133aは変動パターン用乱数を取得する(ステップS2)。このとき、第1特図の変動中または第2特図の変動中または大当たり遊技中であった場合(ステップS3でYesの場合)には、特図抽選処理部110において第1特図用保留球乱数記憶部115aは、ステップS2で取得された特図当否用乱数を保留球乱数として4個を上限に記憶し、特図種類決定処理部120において第1特図種類用乱数記憶部125aは、ステップS2で取得された特図種類用乱数を、これと並行して取得された特図当否用乱数(保留球乱数)と関連付けて記憶し、変動パターンコマンド決定部130において第1変動パターンコマンド用乱数記憶部135aは、ステップS2で取得された変動パターン用乱数を、これと並行して取得された特図当否用乱数(1特図保留球乱数)と関連付けて記憶する(ステップS4)。次に、主制御処理部100はルーチンをステップS3に戻し、特図の変動が停止するまで、または、大当たり遊技が終了するまで、ステップS5の特図当否判定処理の実行を待機する。
ステップS2で特図当否用乱数、特図種類用乱数および変動パターン用乱数が取得されたときに特図の変動中でも大当たり遊技中でもなかった場合(ステップS3でNoの場合)、および、ステップS4の後、第1特図の変動が停止した場合または第2特図の変動が停止した場合または大当たり遊技が終了した場合(ステップS3でNoの場合)、特図抽選処理部110において第1特図当否判定部114aは特図当否判定処理を行う(ステップS5)。つまり、第1特図当否判定部114aは、第1特図当否用乱数取得部113aにより取得された直近の特図当否用乱数、または、現在記憶されている保留球乱数のうちの最も古い特図当否用乱数に関して、大当たり、特図ハズレの何れであるかの判定を、現在の遊技状態が特図低確である場合に第1特図低確率判定テーブル116aを参照することによって行い、現在の遊技状態が特図高確である場合に第1特図高確率判定テーブル117aを参照することによって行う。
次に、特図種類決定処理部120は特図種類決定処理を行う(ステップS6)。つまり、特図種類決定処理部120において第1特図種類選択部124aは、ステップS5での特図当否判定処理で用いられた特図当否用乱数と並行して取得された特図種類用乱数に対応する特図の当たり図柄を、第1特図種類テーブル126aを参照して、15R通常時短有図柄A、15R特定時短有図柄A、2R通常時短有図柄、2R特定時短有図柄のうちから選択する。そして、特図種類決定処理部120は、ステップS5での特図当否判定処理の結果が大当たりであった場合に、第1特図種類抽選部122aにより選択された当たり図柄を、特図の停止図柄に決定する(ステップS6)。一方、特図種類決定処理部120は、ステップS5での特図当否判定処理の結果が特図ハズレであった場合には、特図の停止図柄をハズレ図柄に決定する(ステップS6)。
次に、変動パターンコマンド決定部130は特図変動パターンコマンド決定処理を行う(ステップS7)。つまり、変動パターンコマンド決定部130において第1変動パターン決定部134aは、ステップS5での特図当否判定処理で用いられた特図当否用乱数と並行して取得された変動パターン用乱数に対応する変動パターンコマンド(変動パターンNo.)を、ステップS5での特図当否判定処理の結果と、ステップS6での特図種類決定処理の結果と、ステップS5で特図当否判定処理が行われた時点での保留球乱数の個数と、ステップS5で特図当否判定処理が行われた時点での遊技状態とに基づき、通常変動パターンテーブル136aまたは短縮変動パターンテーブル136bを参照して決定し、サブ制御処理部200に送信する。
次に、演出制御処理部201は、サブ制御処理部200により受信された変動パターンコマンドに基づき演出態様決定処理を行う(ステップS8)。つまり、演出制御処理部201において演出態様決定部210は、ステップS7での変動パターンコマンド決定処理の結果に基づき、特図遊技用演出テーブル211を参照して、変動パターンコマンドに対応する演出図柄の変動パターンおよび演出図柄の停止図柄を決定する。
次に、特図表示制御部140は、ステップS7での変動パターンコマンド決定処理の結果に基づき、特図表示装置17に特図の変動を開始させ、これと並行して、演出表示制御部220は、ステップS8での演出態様決定処理の結果に基づき、演出表示装置34に演出図柄の変動を開始させる(ステップS9)。このステップS9において、特図の変動と演出図柄の変動とは同期して開始される。
次に、特図表示制御部140は、ステップS6での特図種類決定処理の結果に基づいて、特図表示装置17に特図の変動を当たり図柄またはハズレ図柄で停止させ、これと並行して、演出表示制御部220は、ステップS8での演出態様決定処理の結果に基づいて演出表示装置50に演出図柄の変動を、ゾロ目等から成り大当たりを示す図柄、または、ゾロ目以外の並び目の図柄から成り特図ハズレを示す図柄で停止させる(ステップS10)。このステップS10において、特図の変動の停止と演出図柄の変動の停止とは同期して行われる。
次に、大当たり遊技制御部160は大当たり遊技処理を行う(ステップS12)。つまり、大当たり遊技制御部160は、ステップS6での特図種類決定処理により決定された特図の停止図柄が当たり図柄であった場合(ステップS11でYesの場合)、その当たり図柄に予め対応付けられたラウンド数(2ラウンドまたは15ラウンド)に基づいてアタッカー装置65に開閉動作を行わせ、遊技者に大当たり遊技を提供する。
次に、遊技状態設定部140は、遊技状態設定処理を行う(ステップS13)。つまり、遊技状態設定部140は、ステップS5で特図当否判定処理が行われた時点での遊技状態と、ステップS6での特図種類決定処理により決定された当たり図柄とに基づいて、大当たり遊技終了後の遊技状態を設定する。遊技状態を設定した後、遊技状態設定部140は、遊技状態指定コマンド、電サポ回数指定コマンド、ST回数指定コマンドをサブ制御処理部200に送信して、遊技処理のルーチンを終了する。
ステップS6での特図種類決定処理により特図の停止図柄がハズレ図柄に決定された場合(ステップS11でNoの場合)、遊技状態設定部140は、遊技状態設定処理を行う(ステップS13)。つまり、遊技状態設定部140は、ステップS5で特図当否判定処理が行われた時点での遊技状態が低確(特図高確かつ普図低確)である場合には、遊技状態を低確に設定する。また、遊技状態設定部140は、ステップS10での特図の停止時点で電サポ回数が残っている場合には普図に係る遊技状態を普図高確に設定し、電サポ回数が全て消化された場合には普図に係る遊技状態を普図低確に設定する。また、ステップS10での特図の停止時点でST回数が残っている場合には特図に係る遊技状態を特図高確に設定し、ST回数が全て消化された場合には特図に係る遊技状態を特図低確に設定する。また、遊技状態設定部140は、電サポ回数が10000回でST回数が10000回の確変中は、特図に係る遊技状態を常に特図高確に設定し、普図に係る遊技状態を常に普図高確に設定することになる。なお、ステップS12を経ずに遊技状態を設定した後、遊技状態設定部140は、遊技状態コマンド、残電サポ回数指定コマンド、残ST回数指定コマンドをサブ制御処理部200に送信して、遊技処理のルーチンを終了する。
なお、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に行われる遊技処理も、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合に行われる遊技処理と同様であるが、次の点で第1始動入賞口37aに遊技球が入賞した場合に行われる遊技処理と異なる。ステップS1で主制御処理部100は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したか否かの判定を、第2始動入賞口検知センサ43bからの遊技球検知信号の有無に基づいて行う。また、ステップS4での特図当否用乱数、特図種類用乱数、変動パターン用乱数のそれぞれの記憶は、第2特図用保留球乱数記憶部115b、第2特図種類用乱数記憶部125b、第2変動パターン用乱数記憶部135bのそれぞれにより行われる。また、ステップS5での特図当否判定処理は、第2特図当否判定部114bが第2特図低確率判定テーブル116bまたは第2特図高確率判定テーブル117bを参照して行う処理である。また、ステップS6での特図種類決定処理による当たり図柄の抽選は、第2特図種類選択部124bが第2特図種類テーブル126bを参照して行う処理である。また、ステップS7での変動パターンコマンド決定処理は、第2変動パターン決定部134bが通常変動パターンテーブル136aまたは短縮変動パターンテーブル136bを参照して行う処理である。
図20に示した大当たり遊技処理としては、図21に示す15R大当たり遊技処理と、図22に示す2R大当たり遊技処理とがある。これらの大当たり遊技処理の流れと、大当たり遊技中に表示される演出画像の推移ついて次に説明する。
図21に示すように、15R大当たり遊技処理において、大当たり遊技制御部160は、はじめに、オープニング指定コマンドをサブ制御処理部200に送信する(ステップS21)。これに伴い、サブ制御処理部200において演出制御処理部201は、既に(図20中のステップS7のときに)サブ制御処理部200により受信されている変動パターンコマンド(15R通常時短有図柄または15特定時短有図柄を指定する特図指定コマンド)に基づいて演出表示装置34に15R用オープニング画像の表示を開始させる(図23参照)。
ステップS21の後、大当たり遊技制御部160は、15R大当たり遊技のオープニング区間が終了したか否か(6秒が経過したか否か)の判定を行う(ステップS22の繰り返し)。そして、オープニング区間が終了したと判定すると(ステップS22でYes)、大当たり遊技制御部160はラウンド・インターバル指定コマンドをサブ制御処理部200に送信するとともに、アタッカー装置41の蓋部材を開放する。このとき、サブ制御処理部200において演出制御処理部201は、そのラウンド・インターバル指定コマンドに基づき、15R用ラウンド・インターバル画像の表示を開始する(図23参照)。
次に、大当たり遊技制御部160は、大入賞口検知センサ45からの遊技球検知信号に基づいて大入賞口42に遊技球が10個入賞したか否かの判定(ステップS24)と、アタッカー装置41が開放されてから30秒が経過したか否かの判定(ステップS25)とを繰り返す。つまり、大当たり遊技制御部160は、15R大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了条件が成立したか否かの判定を繰り返す。そして、ステップS24において大入賞口42に遊技球が10個入賞したと判定した場合(ステップS24でYesの場合)、または、ステップS25においてアタッカー装置41が開放されてから30秒が経過したと判定した場合(ステップS25でYesの場合)、すなわち、ラウンド遊技の終了条件が成立した場合、大当たり遊技制御部160は、アタッカー装置41に大入賞口42を閉鎖させるとともに、残りのラウンド数をカウントする(ステップS26)。
次に、大当たり遊技制御部160は、最終ラウンド遊技(第15ラウンド遊技)が終了したか否かの判定を行う(ステップS27)。今回は、第1ラウンド遊技なので(ステップS27でNo)、大当たり遊技制御部160は、ラウンド遊技間のインターバルが終了したか否か(4秒が経過したか否か)の判定を行う(ステップS28の繰り返し)。そして、インターバルが終了したと判定すると(ステップS28でYes)、大当たり遊技制御部160はルーチンをステップS23に戻す。
15R大当たり遊技処理においては、オープニング区間の終了後、大当たり遊技制御部160は、ステップS23からステップS28のルーチンを15回繰り返す。この間、サブ制御処理部200において演出制御処理部201は、15R用ラウンド・インターバル画像を表示し続ける(図23参照)。
ステップS27において大当たり遊技制御部160は、最終ラウンド遊技(第15ラウンド遊技)が終了したと判定すると(ステップS27でYes)、エンディング指定コマンドをサブ制御処理部200に送信し(ステップS29)、15R大当たり遊技処理のルーチンを終了する。そして、サブ制御処理部200において演出制御処理部201は、エンディング指定コマンドに基づき15Rエンディング画像と注意喚起画像または代替画像とを表示し(図23参照)、注意喚起画像の表示の終了または代替画像の表示の終了とともに15R大当たり遊技は終了する。
図22に示すように、2R大当たり遊技処理において、大当たり遊技制御部160は、はじめに、オープニング指定コマンドをサブ制御処理部200に送信する(ステップS31)。これに伴い、サブ制御処理部200において演出制御処理部201は、既に(図20中のステップS7のときに)サブ制御処理部200により受信された変動パターンコマンド(2R通常時短有図柄または2R特定時短有図柄を指定する特図指定コマンド)に基づいて演出表示装置34に2R用オープニング画像の表示を開始させる(図24参照)。
ステップS31の後、大当たり遊技制御部160は、2R大当たり遊技のオープニング区間が終了したか否か(6秒が経過したか否か)の判定を行う(ステップS32の繰り返し)。そして、オープニング区間が終了したと判定すると(ステップS32でYes)、大当たり遊技制御部160はアタッカー装置41の蓋部材を開放する。このとき、サブ制御処理部200において演出制御処理部201は、2R用オープニング画像の表示に続けて2R用ラウンド・インターバル画像の表示を開始する(図24参照)。
次に、大当たり遊技制御部160は、大入賞口検知センサ45からの遊技球検知信号に基づいて大入賞口42に遊技球が10個入賞したか否かの判定(ステップS34)と、アタッカー装置41が開放されてから0.2秒が経過したか否かの判定(ステップS35)とを繰り返す。つまり、大当たり遊技制御部160は、2R大当たり遊技におけるラウンド遊技の終了条件が成立したか否かの判定を繰り返す。そして、ステップS34において大入賞口42に遊技球が10個入賞したと判定した場合(ステップS34でYesの場合)、または、ステップS35においてアタッカー装置41が開放されてから30秒が経過したと判定した場合(ステップS35でYesの場合)、すなわち、ラウンド遊技の終了条件が成立した場合、大当たり遊技制御部160は、アタッカー装置41に大入賞口42を閉鎖させるとともに、残りのラウンド数をカウントする(ステップS36)。なお、2R大当たり遊技においては、1回のラウンド遊技におけるアタッカー装置41の開放時間は0.2秒という瞬間的な時間であるため、実際はステップS34において大入賞口42に遊技球が10個入賞したと判定されることはあり得ない。
次に、大当たり遊技制御部160は、最終ラウンド遊技(第2ラウンド遊技)が終了したか否かの判定を行う(ステップS37)。今回は、第1ラウンド遊技なので(ステップS37でNo)、大当たり遊技制御部160は、ラウンド遊技間のインターバルが終了したか否か(4秒が経過したか否か)の判定を行う(ステップS38の繰り返し)。そして、インターバルが終了したと判定すると(ステップS38でYes)、大当たり遊技制御部160はルーチンをステップS33に戻す。
2R大当たり遊技処理においては、オープニング区間の終了後、大当たり遊技制御部160は、ステップS33からステップS38のルーチンを2回繰り返す。この間、サブ制御処理部200において演出制御処理部201は、2R用ラウンド・インターバル画像を表示し続ける(図24参照)。
ステップS37において大当たり遊技制御部160は、最終ラウンド遊技(第2ラウンド遊技)が終了したと判定すると(ステップS37でYes)、エンディング指定コマンドをサブ制御処理部200に送信し(ステップS39)、2R大当たり遊技処理のルーチンを終了する。そして、サブ制御処理部200において演出制御処理部201は、エンディング指定コマンドに基づき2R用エンディング画像と代替画像とを表示し(図24参照)、代替画像の表示の終了とともに2R大当たり遊技は終了する。
前述のように演出制御処理部201において注意喚起履歴記憶部213は、特定期間の開始時に注意喚起フラグを未実行に相当する0に設定し、特定期間内において出玉有大当たり遊技(15R大当たり遊技)の終了時に、注意喚起フラグを実行済みに相当する1に設定する。これを実現するために、注意喚起履歴記憶部213は注意喚起フラグ設定処理を行う。この注意喚起フラグ設定処理について図25を用いて次に説明する。
注意喚起履歴記憶部213は、主制御処理部100からのRAMクリアコマンドをサブ制御処理部200が受信したときに注意喚起フラグ設定処理を開始する。そして、注意喚起履歴記憶部213は、はじめに、注意喚起フラグを0(未実行)に設定する(ステップS41)。遊技状態設定部140はRAMクリア後の初期設定で遊技状態を低確に設定するので、ステップS41によって特定期間の開始時に注意喚起フラグが0(未実行)に設定されることになる。
次に、注意喚起履歴記憶部213は、サブ制御処理部200により変動パターンコマンド(特図指定コマンド)が受信されたか否かの判定を繰り返す(ステップS42の繰り返し)。そして、サブ制御処理部200により変動パターンコマンドが受信されたと判定すると、その変動パターンコマンドにより指定された特図が15R当たり図柄(15R通常時短有図柄A,B、15R特定時短有図柄A,B)であるか、2R当たり図柄(2R通常時短有図柄、2R特定時短有図柄)であるかの判定、すなわち、出玉有図柄か出玉無図柄かの判定を行う(ステップS43)。この判定の結果、変動パターンコマンドにより指定された特図が2R当たり図柄(出玉無図柄)であった場合、注意喚起履歴記憶部213はルーチンをステップS42に戻す。
一方、ステップS43での判定の結果、変動パターンコマンドにより指定された特図が15R当たり図柄(出玉有図柄)であった場合、15R当たり図柄に基づく15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の終了時に、注意喚起履歴記憶部213は、注意喚起フラグを1(実行済み)に設定する(ステップS44)。
その後、注意喚起履歴記憶部213は、主制御処理部100からの遊技状態指定コマンドをサブ制御処理部200が受信したか否かの判定を行う(ステップS45)。今回は、15R当たり図柄に基づく15R大当たり遊技の終了後にサブ制御処理部200が遊技状態指定コマンドを受信する(ステップS45でYes)。そして、注意喚起履歴記憶部213は、その遊技状態指定コマンドに基づき特定期間が終了したか否かの判定、すなわち、時短から低確への移行(時短終了)または潜確から低確への移行(潜確終了)が行われたか否かの判定を行う(ステップS46)。
特定期間は、前述のように低確から時短、確変、潜確の少なくとも1つの遊技状態を1回以上経て低確に戻るまでの期間である。注意喚起フラグ設定処理の開始後の最初の15R大当たり遊技は特定期間内の低確中における大当たりの当選に基づくものであり、その15R大当たり遊技の終了後の遊技状態は特定期間内における1回目の確変または時短であるので、すなわち、低確から時短、確変、潜確の少なくとも1つの遊技状態を1回以上経て低確に戻ることにはならないので、注意喚起フラグ設定処理の開始後の最初のステップS46において、注意喚起履歴記憶部213は特定期間が終了していないと判定し(ステップS46でNo)、ルーチンをステップS45に戻す。その後、注意喚起履歴記憶部213は、サブ制御処理部200が遊技状態指定コマンドを受信する度に(ステップS45でYesの度に)、その遊技状態指定コマンドに基づき特定期間が終了したか否かの判定を行う(ステップS46)。そして、特定期間が終了したと判定した場合に、すなわち、時短から低確への移行(時短終了)または潜確から低確への移行(潜確終了)が行われたと判定した場合に、注意喚起履歴記憶部213は、ルーチンをステップS41に戻し、注意喚起フラグを0(未実行)に設定する。特定期間は低確から開始される期間なので、ステップS46を経てステップS41で注意喚起フラグを0(未実行)に設定することによって、新たな特定期間の開始時に注意喚起フラグが0(未実行)に設定されることになる。
演出制御処理部201は、大当たり遊技のエンディング区間においてエンディング画像と注意喚起画像または代替画像とを表示するための処理として、図26,図27に示すエンディング表示処理を行う。このエンディング表示処理においては、15R大当たり遊技のエンディング区間で注意喚起画像と代替画像の何れを表示するかを決定する際に、前述の注意喚起フラグが参照される。次に、エンディング表示処理について図26,図27を用いて説明する。
図26に示すように、演出制御処理部201は、主制御処理部100の大当たり遊技制御部160からのエンディング指定コマンドをサブ制御処理部が受信したときにエンディング表示処理を開始し、はじめに、既にサブ制御処理部200に受信されている変動パターンコマンドにより指定された特図が15R当たり図柄であるのか2R当たり図柄であるのかの判定、すなわち、出玉有図柄であるのか出玉無図柄であるのかの判定を、演出態様決定部210が行う(ステップS51)。そして、15R当たり図柄であると判定すると、演出態様決定部210はエンディング画像を15Rエンディング画像に設定するとともに、2秒静止画像を注意喚起画像に設定する(ステップS52)。
次に、演出態様決定部210は、現在の注意喚起フラグが1(実行済み)か否かの判定を行う(ステップS53)。そして、現在の注意喚起フラグが1(実行済み)でない、すなわち0(未実行)であると判定された場合(ステップS53でNoの場合)、演出表示制御部220は15Rエンディング画像の表示を開始し(ステップS54)、その15Rエンディング画像の表示開始から16秒が経過したか否かの判定を繰り返す(ステップS55の繰り返し)。そして、16秒が経過したと判定すると、演出表示制御部220は、注意喚起画像の表示を開始し(ステップS56)、その注意喚起画像の表示開始から2秒が経過したか否かの判定を繰り返す(ステップS57の繰り返し)。そして、2秒が経過したと判定すると、演出表示制御部220は、注意喚起画像の表示を終了して、エンディング表示処理を終了する。
また、ステップS53において、現在の注意喚起フラグが1(実行済み)であると判定した場合(ステップS53でYesの場合)、演出態様決定部210は、2秒静止画を注意喚起画像から代替画像に設定変更する(ステップS58)。次に、演出表示制御部220は15Rエンディング画像の表示を開始し(ステップS59)、その15Rエンディング画像の表示開始から16秒が経過したか否かの判定を繰り返す(ステップS60の繰り返し)。そして、16秒が経過したと判定すると、演出表示制御部220は、代替画像の表示を開始し(ステップS61)、その代替画像の表示開始から2秒が経過したか否かの判定を繰り返す(ステップS62の繰り返し)。そして、2秒が経過したと判定すると、演出表示制御部220は、代替画像の表示を終了して、エンディング表示処理を終了する。
また、ステップS51において、2R当たり図柄であると判定すると、演出態様決定部210は、図27に示すように、エンディング画像を2R用エンディング画像に設定するとともに、2秒静止画像を代替画像に設定する(ステップS63)。次に、演出表示制御部220は2R用エンディング画像の表示を開始し(ステップS64)、その2R用エンディング画像の表示開始から4秒が経過したか否かの判定を繰り返す(ステップS65の繰り返し)。そして、4秒が経過したと判定すると、演出表示制御部220は、代替画像の表示を開始し(ステップS66)、その代替画像の表示開始から2秒が経過したか否かの判定を繰り返す(ステップS67の繰り返し)。そして、2秒が経過したと判定すると、演出表示制御部220は、代替画像の表示を終了して、エンディング表示処理を終了する。
図25に示す注意喚起フラグ設定処理と、図26,図27に示すエンディング表示処理とが行われることにより、例えば図28〜図31に示すように、注意喚起画像の表示と代替画像の表示が行われるとともに注意喚起に係る履歴の設定が行われる。
図28に示す遊技の流れは、はじめに低確中に大当たりに当選して特図が15R特定時短有図柄A(出玉有図柄)で停止し、次に15R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が確変に設定され、この確変中に大当たりに当選して特図が15R特定時短有図柄Bで停止し、次に15R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が確変に設定され、この確変中に大当たりに当選して特図が15R通常時短有図柄Bで停止し、次に15R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が時短に設定され、この時短中の電サポ回数が全て消化されて時短が終了し、遊技状態が低確に設定される、というものである。この遊技の流れにおいて、1回目の特定期間は、低確から確変を2回経た後、時短を経て低確に戻るまでの期間であり、2回目の特定期間は時短の後の低確から開始される期間である。
図28に示す遊技の流れにおいては、1回目の特定期間内での1回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の最後の2秒間において注意喚起画像が表示され、その1回目の15R大当たり遊技の終了時に注意喚起は実行済みに設定される(注意喚起フラグが1に設定される)。また、1回目の特定期間内での2回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の最後の2秒、および、3回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の最後の2秒間においては、1回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の終了時に注意喚起は実行済みに設定されているので、代替画像が表示される(注意喚起画像の非表示)。3回目の15R大当たり遊技の後の時短が終了して低確に移行すると1回目の特定期間は終了し、すなわち2回目の特定期間が開始され、このとき注意喚起は未実行に設定される。
図29に示す遊技の流れは、はじめに低確中に大当たりに当選して特図が2R特定時短有図柄(出玉無図柄)で停止し、次に2R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が確変に設定され、この確変中に大当たりに当選して特図が15R特定時短有図柄Bで停止し、次に15R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が確変に設定され、この確変中に大当たりに当選して特図が15R通常時短有図柄Bで停止し、次に15R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が時短に設定され、この時短中の電サポ回数が全て消化されて時短が終了し、遊技状態が低確に設定される、というものである。この遊技の流れにおいて、1回目の特定期間は、低確から確変を2回経た後、時短を経て低確に戻るまでの期間であり、2回目の特定期間は時短の後の低確から開始される期間である。
図29に示す遊技の流れにおいては、1回目の特定期間内での2R大当たり遊技(出玉無大当たり遊技)の最後の2秒間において代替画像が表示される(注意喚起画像の非表示)。また、1回目の特定期間内での1回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の最後の2秒間において注意喚起画像が表示され、その1回目の15R大当たり遊技の終了時に注意喚起は実行済みに設定される(注意喚起フラグが1に設定される)。また、2回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の最後の2秒間においては、1回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の終了時に注意喚起は実行済みに設定されているので、代替画像が表示される(注意喚起画像の非表示)。2回目の15R大当たり遊技の後の時短が終了して低確に移行すると1回目の特定期間は終了し、すなわち2回目の特定期間が開始され、このとき注意喚起は未実行に設定される。
図30に示す遊技の流れは、はじめに低確中に大当たりに当選して特図が15R特定時短有図柄A(出玉有図柄)で停止し、次に15R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が確変に設定され、この確変中に大当たりに当選して特図が15R特定時短有図柄Bで停止し、次に15R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が確変に設定され、この確変中に大当たりに当選して特図が2R通常時短有図柄で停止し、次に2R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が時短に設定され、この時短中の電サポ回数が全て消化されて時短が終了し、遊技状態が低確に設定される、というものである。この遊技の流れにおいて、1回目の特定期間は、低確から確変を2回経た後、時短を経て低確に戻るまでの期間であり、2回目の特定期間は時短の後の低確から開始される期間である。
図30に示す遊技の流れにおいては、1回目の特定期間内での1回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の最後の2秒間において注意喚起画像が表示され、その1回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の終了時に注意喚起は実行済みに設定される(注意喚起フラグが1に設定される)。また、1回目の特定期間内での2回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の最後の2秒間においては、1回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の終了時に注意喚起は実行済みに設定されているので、代替画像が表示される(注意喚起画像の非表示)。また、2R大当たり遊技(出玉無大当たり遊技)の最後の2秒間においても代替画像が表示される(注意喚起画像の非表示)。2R大当たり遊技の後の時短が終了して低確に移行すると1回目の特定期間は終了し、すなわち2回目の特定期間が開始され、このとき注意喚起は未実行に設定される。
図31に示す遊技の流れは、はじめに低確中に大当たりに当選して特図が15R特定時短有図柄A(出玉有図柄)で停止し、次に15R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が確変に設定され、この確変中に大当たりに当選して特図が15R特定時短有図柄Bで停止し、次に15R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が確変に設定され、この確変中に大当たりに当選して特図が2R特定時短有図柄で停止し、次に2R大当たり遊技が行われ、次に遊技状態が確変(ST回数80回、電サポ回数50回)に設定され、この確変中の電サポ回数が全て消化されて確変が終了して、潜確(ST回数30回)に移行する、というものである。この遊技の流れにおいて、1回目の特定期間は、低確から確変を3回経た後、潜確を経て低確に戻るまでの期間であり、2回目の特定期間は潜確後の低確から開始される期間である。
図31に示す遊技の流れにおいては、1回目の特定期間内での1回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の最後の2秒間において注意喚起画像が表示され、その1回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の終了時に注意喚起は実行済みに設定される(注意喚起フラグが1に設定される)。また、1回目の特定期間内での2回目の15R大当たり遊技(出玉有大当たり遊技)の最後の2秒間においては、1回目の15R大当たり遊技の終了時に注意喚起は実行済みに設定されているので、代替画像が表示される(注意喚起画像の非表示)。また、2R大当たり遊技(出玉無大当たり遊技)の最後の2秒間においても代替画像が表示される(注意喚起画像の非表示)。2R大当たり遊技の後の潜確が終了して低確に移行すると1回目の特定期間は終了し、すなわち2回目の特定期間が開始され、このとき注意喚起は未実行に設定される。
図28〜図31に例示して説明したように、図25に示す注意喚起フラグ設定処理と、図26,図27に示すエンディング表示処理とが行われることにより、特定期間内において、初めての出玉有当たりの当選が低確中であって場合には、その出玉有当たりに基づく初めての出玉有大当たり遊技中に注意喚起画像の表示が行われることになり、低確の終了後から低確に戻るまでの期間内(確変中または時短中または潜確中)での2回目以降の出玉有大当たり遊技中には注意喚起画像の表示が行われないことになる。また、例えば、特定期間内において、初めての出玉有当たりの当選が低確の終了後から低確に戻るまでの期間内での遊技状態中(確変中または時短中または潜確中)であった場合には、その出玉有当たりに基づく初めての出玉有大当たり遊技中に注意喚起画像の表示が行われることになり、その出玉有大当たり遊技の終了後から低確に戻るまでの期間内(確変中または時短中または潜確中)での2回目以降の出玉有大当たり遊技中には、注意喚起画像ではなく、代替画像が表示されることになる。
なお、前述のように、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bとの位置関係においては、発射装置9により発射された遊技球の発射強度が弱〜中である場合(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球が発射された場合)に、遊技球が演出表示装置34の左側方から演出表示装置34の下方に流下して第1始動入賞口37aに入賞する可能性はあるが、第2始動入賞口37bに入賞する可能性はなく、発射装置9により発射された遊技球の発射強度が強である場合(所謂、右打ちが行われた場合)に、遊技球が演出表示装置34の右側方を流下して第2始動入賞口37bに入賞する可能性はあるが、第1始動入賞口37aに入賞する可能性はない。また、第2特図遊技は第1特図遊技よりも、獲得できる賞球数(出球数)に関して遊技者に有利である。これらのことから、確変中または時短中には、すなわち電サポ有の遊技状態中には、遊技者は通常、電サポを利用した第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を狙う。したがって、図30,図31に示すように、大当たり当選して特図が第1特図である2R通常時短有図柄または2R特定時短有図柄で停止するケースは、パチンコ機Pの遊技性が無視された場合のケースであり、稀なケースである。
本実施形態に係るパチンコ機Pによれば次の効果を得られる。
パチンコ機Pにおいて、サブ制御処理部200の演出制御処理部201は、主制御処理部100からの変動パターンコマンド(特図指定コマンド)に基づき、出玉有当たりに当選したか、出玉無当たりに当選したかを判断し、出玉有当たりに当選した場合に、すなわち出玉有大当たり遊技が行われる場合に限定して、台間機300からのプリペイドカードの取忘れの注意喚起を行うので、台間機300からの有価価値記憶媒体の取忘れの注意喚起を、台間機300に有価価値記憶媒体が挿入されているか否かの判定を要さずに行うことができ、かつ、遊技の邪魔にならないよう行うことができる。
パチンコ機Pは、出玉有当たりの当選か出玉無当たりの当選かの判断を、すなわち、台間機300からのプリペイドカードの取忘れの注意喚起を行うか否かの判断を、主制御処理部100ではなくサブ制御処理部200の演出制御処理部201に行わせるので、その注意喚起を主制御処理部100での処理の負担を増加させることなく実現できる。
遊技者は一般に、出玉有大当たり遊技で賞球を獲得した場合、その出玉有大当たり遊技の終了後の遊技を、台間機300で遊技球を借りて行うのではなく、その出玉有大当たり遊技で獲得した賞球を消費して行う。したがって、特定期間内において、2回目以降の出玉有当たりの当選は、遊技者が台間機300で借りた遊技球での遊技中のことである可能性よりも、その特定期間内における初めての出玉有大当たり遊技で獲得した賞球での遊技中のことである可能性が高い。パチンコ機Pは、特定期間内において、出玉有当たりに複数回当選した場合に、初めての出玉有当たりに基づく初めての大当たり遊技中に限定して、台間機300からのプリペイドカードの取忘れの注意喚起を行うことによって、その特定期間内での2回目以降の出玉有大当たり遊技中において遊技者にとって不要な注意喚起を避けることができる。
パチンコ機Pにおいては、特定期間が複数回繰り返される場合がある。この場合、前後する特定期間のうちの前の特定期間内での出玉有大当たり遊技で獲得した賞球を、後の特定期間内で全て消化してしまうと、遊技を続けるために台間機300で遊技球を借りる必要がある。そして、後の特定期間内において、台間機300で遊技球を借りた後に出玉有当たりに当選した場合には、台間機300からのプリペイドカードの取出しの注意喚起を行う必要がある。パチンコ機Pは、特定期間が複数回繰り返される場合に、それらの複数の特定期間のそれぞれにおいて注意喚起画像の表示することができるので、前後する特定期間のうちの前の特定期間において注意喚起画像の表示を行った後に、後の特定期間において注意喚起が必要になった場合にも注意喚起画像を表示することができる。
パチンコ機Pにおいては、サブ制御処理部200の注意喚起履歴記憶部213が注意喚起フラグ(注意喚起に係る履歴)を0(未実行)に設定するので、特定期間が複数回繰り返される場合に、それらの特定期間のそれぞれの開始時に注意喚起フラグが0(未実行)に設定されることになる。そして、複数回繰り返される特定期間内のそれぞれにおいて、注意喚起フラグが0に設定された状態で変動パターンコマンド(特図指定コマンド)により出玉有図柄が指定された場合にサブ制御処理部200の演出制御処理部201は注意喚起画像の表示を演出表示装置34に行わせ、注意喚起フラグが1に係る履歴が実行済みに設定された状態で変動パターンコマンド(特図指定コマンド)により出玉有図柄が指定された場合に演出制御処理部201は注意喚起画像ではなく代替画像の表示を演出表示装置34に行わせる。これにより、複数回繰り返される特定期間内のそれぞれにおける注意喚起画像の表示を、その特定期間内において初めて出玉有大当たり遊技が行われる場合に確実に限定して行うことができる。
パチンコ機Pは、出玉有大当たり遊技のエンディング区間内で注意喚起画像の表示を行うので、大当たり遊技のラウンド遊技区間内でラウンド遊技に夢中になっている遊技者の気分を害することなく、台間機300からのプリペイドカードの取忘れの注意喚起を行うことができる。
なお、前述の実施形態は、第1,第2始動入賞口37a,37bという2つの始動口を備えるものであるが、本発明は始動口を2つ備えるものに限定されるものではなく、電動チューリップが付設される始動口を1つだけ備えるものであてもよい。
また、始動口を2つ備えるパチンコ機の場合には、2つの始動口の位置関係は、第1始動入賞口37aと第2始動入賞口37bのような位置関係でなくてもよく、例えば、発射装置により発射された遊技球の発射強度が弱〜中である場合(所謂、ぶっこみ狙いで遊技球が発射された場合)に、2つの始動口の何れにも遊技球の入賞の可能性があるものであってもよい。
前述の実施形態において、注意喚起画像および代替画像は静止画であるが、本発明において注意喚起画像および代替画像は静止画に限定されるものではなく、動画であってもよい。ただし、処理の負担を軽減したりデータ量を抑えたりする観点からは、注意喚起画像および代替画像は静止画であることが好ましい。
前述の実施形態において、大当たり遊技のエンディング区間内における注意喚起画像の表示および代替画像の表示は、エンディング画像の表示と別個に行われるよう設定されているが、本発明において、注意喚起画像の表示および代替画像の表示は、そのようにエンディング画像の表示と別個に行われることに限定されることではない。例えば、エンディング画像に注意喚起の要素を含んで成る注意喚起画像のデータと、注意喚起の要素を含まないエンディング画像から成る代替画像のデータとが予め用意されていて、その注意喚起画像の表示、および、その代替画像の表示が、エンディング区間全体に亘って行われてもよい。
前述の実施形態において、注意喚起画像の表示は大当たり遊技のエンディング区間内で行われるよう設定されているが、本発明おける注意喚起画像の表示は、そのようなにエンディング区間内に行われることに限定されることではなく、エンディング区間以外の区間において、遊技者の邪魔にならない範囲で行われることであってもよい。