JP2014079084A - 車上装置、及び、これを用いた列車制御装置 - Google Patents

車上装置、及び、これを用いた列車制御装置 Download PDF

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【課題】入力信号に混入したノイズを抑制し、入力信号に対応する出力信号の信号特性を向上しうる車上装置、及び、これを用いた列車制御装置を提供する。
【解決手段】車上装置3を構成する前記ノイズ抑制部30は、入力信号(S1)に対応する出力信号(S2)を生じさせるものであって、地上装置より供給される振幅変調波信号(入力信号S1)から所定の時間幅で信号成分を取り出して周波数領域に変換し、変換して得られたスペクトルを演算処理して平滑化し、平滑化されたスペクトルを時間領域に変換して出力信号(S2)とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車上装置、及び、これを用いた列車制御装置に関し、具体的には、列車制御に係る振幅変調波信号(入力信号)に混入するノイズを車上装置において抑制する技術に関する。
入力信号に混入するノイズの一般的な抑制技術として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のノイズ抑制技術は、スペクトルを平滑化することにより、入力信号からノイズを抽出し、周波数軸上でノイズを入力信号から差し引くことにより、ノイズの抑制を図るものである。
ところで、列車制御において、車上側で受信する入力信号には、様々なノイズが混入する。このノイズは、可能な限り抑制されなければならない。なぜならば、列車制御に係る入力信号の信号特性は、適切な列車制御、及び、列車運行の安全管理に直接影響するからである。
他方、この種の列車制御に係る入力信号には、可変電圧可変周波数制御(Variable Voltage Variable Frequency)を行うインバータ装置から受け取るノイズ(VVVFノイズ)が混入することが知られている。このVVVFノイズは、列車の速度に応じてノイズの生じる周波数が変動するため、決められた周波数帯域のノイズを減衰させるバンドパスフィルタ等では充分に抑制することができない。また、既に説明した特許文献1でも、上述した特徴を有するVVVFノイズを充分に抑制することはできない。
そこで、従来の列車制御装置では、上述した入力信号に含まれるVVVFノイズの影響を小さくするため、地上側からの送信出力を大きくして、S/N比(signal-noise ratio)を稼ぐことが行われている。しかし、送信出力を大きくするには電流を増やさなければならず、その結果、消費電力の増大、列車制御装置の大容量化などの新たな問題が生じることとなる。
特開平11−102197号公報
本発明の課題は、入力信号に混入したノイズを抑制し、入力信号に対応する出力信号の信号特性を向上しうる車上装置、及び、これを用いた列車制御装置を提供することである。
本発明のもう1つの課題は、信号送信に要する電力消費を低減しうる車上装置、及び、これを用いた列車制御装置を提供することである。
本発明のさらにもう1つの課題は、軌道回路長を長くし、機器数を減らしうる車上装置、及び、これを用いた列車制御装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車上装置は、ノイズ抑制部を含む。ノイズ抑制部は、入力信号に対応する出力信号を生じさせる。入力信号は、地上装置より供給される振幅変調波信号であり、出力信号は、入力信号から所定の時間幅で信号成分を取り出して周波数領域に変換し、変換して得られたスペクトルを演算処理して平滑化し、平滑化されたスペクトルを時間領域に変換して得られた信号である。
本発明に係る車上装置は、地上装置と組み合わされて列車制御装置に用いられる。地上装置は、車上装置に前記入力信号を供給する。
上述したように、本発明に係る車上装置を構成するノイズ抑制部は、入力信号に対応する出力信号を生じさせるものであって、地上装置より供給される振幅変調波信号(入力信号)から所定の時間幅で信号成分を取り出して周波数領域に変換し、変換して得られたスペクトルを演算処理して平滑化し、平滑化されたスペクトルを時間領域に変換して出力信号とする。この構成によると、例えば、入力信号にVVVFノイズが混入したとしても、VVVFノイズが抑制された出力信号を生じさせることができる。従って、入力信号に混入したノイズを抑制し、入力信号に対応する出力信号の信号特性を向上しうる車上装置、及び、これを用いた列車制御装置を提供することができる。
しかも、本発明に係る車上装置を構成するノイズ抑制部において、平滑化処理されたスペクトルは周波数領域から時間領域に変換され、時間領域に変換された出力信号が列車制御に用いられる。従って、ノイズの抑制された出力信号によって適切な列車制御を行うことができる。
本発明に係る車上装置を構成するノイズ抑制部は、前記平滑化処理によって入力信号に混入したノイズを抑制することができるから、同一軌道回路長では、地上側の信号出力を抑え、信号送信に要する電力消費を低減することができる。また、同一送信出力では、軌道回路長を長くすることが可能になるとともに、地上側の機器数を減らすこと(地上側設備の効率化)が可能となる。
本発明に係る車上装置において、ノイズ抑制部が生じさせる出力信号は、好ましくは、平滑化されたスペクトルのレベル差を強調し、前記強調されたスペクトルを周波数領域から時間領域へ変換して得られた信号である。この構成によると、レベル差強調処理により、出力信号の信号特性の改善が、より高度に達成される。従って、既に説明したノイズ抑制効果、電力消費の低減効果、地上側設備の効率化を、より高度に実現することができる。
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)入力信号に混入したノイズを抑制し、入力信号に対応する出力信号の信号特性を向上しうる車上装置、及び、これを用いた列車制御装置を提供することができる。
(2)信号送信に要する電力消費を低減しうる車上装置、及び、これを用いた列車制御装置を提供することができる。
(3)軌道回路長を長くし、機器数を減らしうる車上装置、及び、これを用いた列車制御装置を提供することができる。
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
本発明の実施形態に係る列車制御装置のブロック図である。 本発明の実施形態に係るノイズ抑制処理のフロー図である。 本発明の実施形態に係る波形図である。 本発明の実施形態に係る波形図である。 本発明の実施形態に係る波形図である。
図1乃至図5において、同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。図1の列車制御装置1は、地上装置2と、車上装置3とを含む。車上装置3は、レール4の上を、矢印F1の方向に走行する列車5に搭載されている。
地上装置2は、当該列車5と、先行列車との間隔、及び、進路の条件に応じて、列車5の許容運転速度など速度制限情報を含む列車制御信号電流(ATC信号S1)を生成する。このATC信号S1は、正弦波に振幅変調をかけたもの(振幅変調波)である。ATC信号S1は、レール4、及び、各軌道回路(図示省略)を通じて車上装置3に供給される。
列車5は、車上装置3と、車上アンテナ51と、インバータ装置52と、ブレーキ装置55とを含んでいる。車上アンテナ51は、レール4に供給されているATC信号S1を受信し、受信したATC信号S1を車上装置3に送る。
インバータ装置52は、可変電圧可変周波数制御(Variable Voltage Variable Frequency)を行うものであって、架線6からパンタグラフ7を通じて取り込んだ直流電流W1を交流電流W2に変換し、モータ53に供給する。モータ53に供給された交流電流W2は、モータ53を経由した後に帰線電流W3となり、車輪54を通じてレール4に流され、図示しない変電所に戻る。
車上装置3は、信号処理部31を有し、信号処理部31は、供給されたATC信号(S1)と、速度検出器(図示しない)から供給される速度信号とを照査し、例えば速度超過の場合にブレーキ信号を生成し、ブレーキ装置55にブレーキ制御を与える。
ここで、図1の列車制御装置1は、上述した従来の列車制御装置の基本構成に加え、ノイズ抑制部30を有する点に特徴の一つがある。すなわち、この種の列車制御において、車上側で受信するATC信号S1には、様々なノイズが混入する。このノイズは可能な限り抑制されなければならない。なぜならば、ATC信号S1の信号特性(S/N比)は、適切な列車制御、及び、列車運行の安全管理に直接影響するからである。
他方、この種のATC信号S1には、帰線電流W3に起因するノイズ(VVVFノイズ)が、車上アンテナ51に直接混入することが知られている。このVVVFノイズは、列車5の走行速度に応じてノイズの生じる周波数が変動するため、バンドパスフィルタ等の決められた周波数帯域のノイズを減衰させる信号処理のみでは充分に抑制することができない。しかも、ATC信号S1は、レベル変動が小さいから、ATC信号S1に対し、レベル変動の大きなVVVFノイズが混入した場合、その影響を小さくするため、地上側からの送信出力を大きくして、S/N比を稼がざるを得ず、その結果、消費電力の増大、列車制御装置の大容量化などの新たな問題が生じることとなる。
上述した鉄道信号に特有の問題を解決するため、図1の車上装置3は、ノイズ抑制部30を有する。ノイズ抑制部30は、ATC信号S1のノイズを抑制するものであって、入力されたATC信号S1に対応するATC信号S2を生じさせ、出力する。ATC信号S1は、地上装置より供給される振幅変調波信号である。ATC信号S2は、ATC信号S1から所定の時間幅で信号成分を取り出して周波数領域に変換し、変換して得られたスペクトルを演算処理して平滑化し、平滑化されたスペクトルを時間領域に変換して得られた信号である。
ノイズが抑制されたATC信号S2は、信号処理部31に供給される。信号処理部31は、ノイズ抑制部30からATC信号S2と、速度検出器(図示しない)から供給される速度信号とを照査し、例えば速度超過の場合にブレーキ信号を生成し、ブレーキ装置55にブレーキ制御を与える。
上述したノイズ抑制部30における具体的なノイズ抑制処理について、さらに、図2乃至図5を参照し、より詳細に説明する。図2に示すように、ノイズ抑制部30のノイズ抑制プロセスは、信号受信ステップと、周波数帯域抽出ステップと、フレーム抽出ステップ(図3参照)と、フーリエ変換ステップと、平滑化処理ステップ(図4参照)と、レベル差強調処理ステップ(図5参照)と、逆フーリエ変換ステップと、信号出力ステップとを含む。
まず、信号受信ステップは、地上装置2から各軌道回路、及び、レール4に供給されるATC信号S1を車上アンテナ51を通じて受信する。
周波数帯域抽出ステップは、車上アンテナ51で受信したATC信号S1に対し、BPF(Band-pass filter)処理を行うことにより、信号成分を含む周波数帯域を抽出する。
フレーム抽出ステップは、周波数帯域抽出ステップにより得られた信号成分、及び、その時間軸の波形から所定の長さで、一定時間ごとに信号を抽出してフレームとする。BPF処理された信号成分は、フレーム抽出ステップにおいて、変調波一波長分以上含む長さに分割される。図3に示すように、1フレームは、変調波の一波長分以上を一単位として含み、好ましくは変調波の一周期に基づいて設定される。kフレームは、時系列でみて最終フレーム目であり、違う言葉で表現すれば、現在のデータである。(k−1)フレームは、時系列でみて、kフレームより1つ前のデータである。
フレーム抽出ステップにおいて抽出された1フレーム分の信号成分は、フーリエ変換ステップによって、時間領域から周波数領域へ変換されることにより周波数スペクトルとされ、前記周波数スペクトルが、各フレーム毎、又は、単位時間ごとに複数個、図示しない記憶領域に記憶される。
平滑化処理(図4参照)は、記憶された周波数スペクトル上でノイズを抑制する処理である。図4(a)に示すように、平滑化処理ステップは、記憶時間の異なる少なくとも2つの記憶データを加算して、内部スペクトルを平滑化する。記憶時間の異なる少なくとも2つの記憶データとは、例えば今回記憶された入力スペクトルX(k)と、過去に記憶された内部スペクトルY(k−1)とである。違う言葉で表現すれば、今回記憶された入力スペクトルX(k)とは、最終フレーム目kに入力され記憶された現在のスペクトルX(k)であり、過去に記憶された内部スペクトルY(k−1)とは、今回記憶されたスペクトルX(k)より以前の(k−1)フレームにおいて記憶された、過去のスペクトルY(k−1)である。
図4(a)の平滑化処理ステップは、現在のスペクトルX(k)から過去のスペクトルY(k−1)を適当な重み付け係数をかけてそれぞれ加算して、現在のスペクトルX(k)を平滑化する。図4(a)の平滑化処理のイメージを、図4(b)に示す。図4(b)を参照すると、現在のスペクトルX(k)と、過去のスペクトルY(k−1)とを用意し、現在のスペクトルX(k)と、過去のスペクトルY(k−1)のレベルを重みづけして加算する。重みづけの割合は、重み付け係数をrとしたとき、下記の計算式で表される。
現在のスペクトルX(k):過去のスペクトルY(k−1)=(1−r):r
但し、0<r<1
上記計算式によれば、重みづけの割合rの値が大きいほど平滑化の度合いも大きくなる。重み付け係数rの取り方として、処理前にあらかじめ定め、処理中は一定値とする方法と、レベルの変動が大きい場合にはrを大きくし、変動が小さい場合にはrを小さくする方法とが考えられる。
そして、フレームの単位時間数をk(kは整数)とし、現在のkフレーム目の入力スペクトルをX(k)とし、過去のk−1フレーム目の内部スペクトルをY(k−1)としたとき、図4(c)に示す平滑化後のスペクトルY(k)は、下記の計算式で表される。
Y(k)=rY(k−1)+(1−r)X(k)
図4(b)に示すkフレーム目の内部スペクトルY(k)は、図4(a)の平滑化処理により、VVVFノイズのように、時間軸で不規則にあらわれるレベル変動が抑えられ、ノイズのレベルは平滑化処理前より低くなる。
レベル差強調処理ステップ(図5参照)は、図4(c)に示す平滑化後のスペクトルY(k)に対し、ノイズを抑制する処理である。図5に示すように、レベル差強調処理ステップは、内部スペクトルY(k)のレベル差d1を適当な演算を使って強調することにより、信号とノイズの周波数レベルを鮮明にするものである。図5(b)に示すように、レベル差強調処理ステップは、平滑化処理後のスペクトルY(k)に対し、信号とノイズの周波数レベルの差が大きくなるよう各周波数のレベルを二乗し、定数Mで割り全体のレベルを調整する。個々で平滑化後のスペクトルをY(k)、レベル差強調処理後のスペクトルをY(k)’とすると、レベル差強調処理の計算式は下記の通りとなる。
Y(k)’=Y(k)・Y(k)/M
定数Mの与え方として、以下の方法(A)〜(F)が考えられる。
(A)レベル差強調処理の前にあらかじめ定め、同処理中は一定値とする。
(B)スペクトルY(k)の搬送波周波数レベルと、スペクトルY(k)’の搬送波周波数レベルとが同じになるようにする。
(C)スペクトルY(k)とスペクトルY(k)’との全周波数レベルの合計値が一致するように与える。
(D)上記(C)において、合計する区間を信号成分の含まれる周波数帯域に限定する。
(E)スペクトルY(k)とスペクトルY(k)’との全周波数レベルに対し、二乗した値の合計値が一致するように与える。
(F)上記(E)において、合計する区間を信号成分の含まれる周波数帯域に限定する。
図5(b)のレベル差強調処理により得られるスペクトルY(k)’は、図5(c)に示すように、信号とノイズのレベル差d2が、レベル差d1より大きくなり、相対的にノイズが低減される。
逆フーリエ変換ステップは、レベル差強調処理後のスペクトルY(k)’を、周波数領域から時間領域に変換し、時間軸の波形に変換する。変換後の波形は、信号出力ステップ
において、ATC信号S2として、図1を参照して説明した信号処理部31に供給される。信号処理部31は、さらに復調回路(図示しない)を含み、復調回路は、信号出力ステップにおいて、逆フーリエ変換されたATC信号S2を検出するとともに、ATC信号S2に基づいて列車制御を行う。
図1乃至図5を参照して説明したように、本発明の実施形態に係る列車装置を構成する車上装置3において、ATC信号S1に対応するATC信号S2を生じさせるものであって、地上装置2より供給されるATC信号S1から所定の時間幅(フレーム)で信号成分を取り出して周波数領域に変換し、変換して得られたスペクトルを演算処理して平滑化し、平滑化されたスペクトルを時間領域に変換してATC信号S2とする。この構成によると、例えば、入力信号にVVVFノイズが混入したとしても、VVVFノイズが抑制されたATC信号S2を生じさせることができる。従って、ATC信号S1に混入したノイズを抑制し、ATC信号S1に対応するATC信号S2の信号特性を向上しうる車上装置、及び、これを用いた列車制御装置を提供することができる。
より具体的に説明すると、ノイズ抑制部30は、地上装置2より供給されるATC信号S1から変調波一波長分以上を1フレームとして取り出してフーリエ変換し、フーリエ変換後の信号を周波数スペクトルとして1フレーム毎に記憶し、今回記憶されたスペクトルX(k)と、過去に記憶されたスペクトルY(k−1)とを加算して平滑化処理するから、例えば、列車5の走行速度に応じて発生周波数が変動するVVVFノイズがATC信号S1に混入したとしても、これを抑制し、S/N比を改善することが可能となる。従って、ATC信号S1の信号特性を向上しうる車上装置3、及び、これを用いた列車制御装置1を提供することができる。
ノイズ抑制部30は、平滑化処理によってATC信号S1に混入したノイズを抑制し、S/N比を改善することができるから、同一軌道回路長では、地上側の信号出力を抑え、信号送信に要する電力消費を低減することができる。また、同一送信出力では、軌道回路長を長くすることが可能になるとともに、地上側の機器数を減らすこと(地上側設備の効率化)が可能となる。
車上装置3は、平滑化処理されたスペクトルY(k)のレベル差をさらに強調する処理を含むから、ATC信号S1のS/N比の改善効果が、より高度に達成される。従って、既に説明したノイズ抑制効果、電力消費の低減効果、地上側設備の効率化を、より高度に実現することができる。
ノイズ抑制部30において、レベル差強調処理されたスペクトルY(k)’は、逆フーリエ変換されるから、逆フーリエ変換されたATC信号S2を列車制御に用いることができる。
図1乃至図5の列車制御装置1は、鉄道におけるATC信号S1の特徴を念頭に置いたノイズ抑制処理を行うものである。すなわち、鉄道においては、変動の小さいATC信号S1に対して、VVVFのような広帯域に発生する変動の大きいノイズが発生するから、その特徴をいかしてノイズ抑制処理を行い、ノイズ変動を抑え、信号とノイズのレベル区別を出来るようにすることが重要となる。この点、図1乃至図5の列車制御装置1は、レベル差強調処理により、区別した信号と、ノイズとの差をさらに広げることで、ノイズ変動を抑え、信号とノイズのレベル区別をおこなうことができる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。例えば、図4(a)平滑化処理において、スペクトルX(k)に加算されるスペク
トルY(k−1)は、過去の内部スペクトルであれば足り、必ずしもスペクトルX(k)の直前のフレーム(k−1)のスペクトルである必要はない。
また、スペクトルX(k)に対して、複数個のスペクトル、例えばスペクトルY(k−1)、スペクトルY(k−2)、スペクトルY(k−3)を用意し、加算することもできる。複数個のスペクトルY(k−1)〜Y(k−3)を加算することにより、スペクトルX(k)に対する平滑化精度が向上することは明らかである。
また、スペクトルX(k)に加算されるスペクトルは、必ずしもフレームによって特定される個別具体的なスペクトルである必要はない。例えば、平滑化処理により得られた内部スペクトルY(k)を記憶しておき、スペクトルX(k)に加算することにより、スペクトルX(k)に対する平滑化精度が向上することは明らかである。
図4(a)乃至(c)の平滑化処理は、本発明に係る代表的な処理方法として、重み付け係数rを用いる加重平均法に基づいて説明されているが、必ずしもこれに限定されない。具体的に本発明に係る平滑化処理は、スペクトルX(k)に対して、複数個のスペクトル、例えば、スペクトルY(k−1)、スペクトルY(k−2)、スペクトルY(k−3)を加算し、その個数で割って、スペクトルY(k)得る単純平均法によっても実行することができる。
1 列車制御装置
2 地上装置
3 車上装置
30 ノイズ抑制部
S1 ATC信号
k フレーム
r 重み付け係数
M レベル差強調処理に用いる定数
X(k) 今回記憶された入力スペクトル
Y(k−1) 過去に記憶された内部スペクトル
Y(k) 平滑化され基準となるスペクトル
Y(k)’ レベル差強調処理により得られるスペクトル

Claims (8)

  1. ノイズ抑制部を含む車上装置であって、
    前記ノイズ抑制部は、入力信号に対応する出力信号を生じさせ、
    前記入力信号は、地上装置より供給される振幅変調波信号であり、
    前記出力信号は、前記入力信号から所定の時間幅で信号成分を取り出して周波数領域に変換し、前記変換して得られたスペクトルを演算処理して平滑化し、前記平滑化されたスペクトルを時間領域に変換して得られた信号である、
    車上装置。
  2. 請求項1に記載された車上装置であって、
    前記所定の時間幅は、変調波一波長分以上を含む範囲を1フレームとする、
    車上装置。
  3. 請求項2に記載された車上装置であって、
    前記ノイズ抑制部は、1フレーム毎にスペクトルを記憶し、今回記憶されたスペクトルと、過去に記憶されたスペクトルとを加算して平滑化する、
    車上装置。
  4. 請求項3に記載された車上装置であって、
    前記ノイズ抑制部は、今回記憶されたスペクトルと、過去に記憶されたスペクトルとに、それぞれ重み付け係数を乗じて加算する、
    車上装置。
  5. 請求項4に記載された車上装置であって、
    前記重み付け係数をrとしたとき、今回記憶されたスペクトルと、過去に記憶されたスペクトルとのそれぞれに乗じる重み付け係数の比は
    前記今回記憶されたスペクトル:前記過去に記憶されたスペクトル=(1−r):r
    であり、
    kフレーム目である前記今回記憶されたスペクトルをX(k)とし、
    (k−1)フレーム目である前記過去に記憶されたスペクトルをY(k−1)としたとき、
    前記平滑化されたスペクトルY(k)は
    Y(k)=rY(k−1)+(1−r)X(k)
    となる、
    車上装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載された車上装置であって、
    前記出力信号は、前記平滑化されたスペクトルのレベル差を強調し、前記強調されたスペクトルを周波数領域から時間領域へ変換して得られた信号である、
    車上装置。
  7. 請求項6に記載された車上装置であって、
    前記レベル差強調処理は、前記スペクトルに対し、信号とノイズの周波数レベルの差が大きくなるよう各周波数のレベルを二乗し、定数Mで割り全体のレベルを調整するものであって、
    前記平滑化されたスペクトルをY(k)、レベル差強調後のスペクトルをY(k)’とすると
    Y(k)’=Y(k)・Y(k)/M
    となる、
    車上装置。
  8. 車上装置と、地上装置とを含む列車制御装置であって、
    前記車上装置は、請求項1乃至7の何れかに記載されたものでなり、
    前記地上装置は、前記車上装置に前記入力信号を供給する、
    列車制御装置。
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