以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る搬送装置について詳細に説明する。なお、本発明は、「回転するターレットの外周に設けられた部品保持ユニットで保持した搭載物を、ターレットを回転して搭載領域に搬送し、搭載領域で待機する被搭載物に載置する」ことができればよく、例えば、リッドを搭載物として搬送し、当該リッドを、被搭載物となるセラミック容器に載置して溶接する溶接装置であってもよい。
まず、図1〜図6を用いて、搬送装置1の構成について説明する。図1は、搬送装置1の正面図である。図2は、搬送装置1の左側面図である。図3は、搬送装置1の平面図である。図4は、位置情報取得手段80を示す図である。同図(A)は、正面図を示す。同図(B)は、上面図を示す。同図(C)は、変形例の正面図を示す。図5は、搬送装置1における画像信号等の流れを説明する概略図である。図6(A)は、搭載領域4に搬送された搭載物を撮像した画像を示す。同図(B)は、搭載領域4で待機する被搭載物を撮像した画像を示す。なお、各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。
図1〜図3に示される搬送装置1は、鉛直軸回りに回転する回転テーブル(ターレット)30の外周に設けられた部品保持ユニット40で保持したウエハチップ(搭載物)300を、回転テーブル30を回転して搭載領域4に搬送し、搭載領域4で待機するパッケージ本体(被搭載物)400に載置してから組み立てるものである。なお、組立検査装置110によって組立状態が良くないと判定された不合格品は、廃棄領域6の廃棄トレイ350に収容されるようになっている。
具体的に、搬送装置1は、基台2と、基台2上面の左側に配設されたウエハチップ供給装置10と、基台2に揺動自在に配設されたアーム20と、アーム20に回転自在に配設された回転テーブル30と、回転テーブル30の外周面に周方向に沿って配設された複数(本実施形態では4つ)の部品保持ユニット40と、アーム20に配設された2つの外部付勢装置50と、回転テーブル30を回転させる回転テーブル駆動手段60と、基台2上面の中央手前側に配設された姿勢情報取得手段70と、基台2上面の右側に配設された位置情報取得手段80と、搬送装置1全体を制御する中央制御装置90と、基台2上面の右側に配設されたパッケージ本体供給装置100及び組立検査装置110と、を備えている。
基台2は、略直方体状の部材である。基台2の内部には、中央制御装置90や、特に図示しない電源装置等が配設されている。基台2上面の奥側端部には柱部材2aが配設されており、この柱部材2aの上端にはアーム20を動作可能(揺動自在)に支持するアームブラケット2bが配設されている。
本実施形態では、基台2上面の左側部分にウエハチップ供給装置10から部品保持ユニット40にウエハチップ300を供給するウエハチップ供給領域3を設定している。そして、基台2上面の右側部分に、部品保持ユニット40が保持するウエハチップ300を、パッケージ本体供給装置100に載置されているパッケージ本体400に載置してから組み立てる搭載領域4を設定している。また、姿勢情報取得手段70が配設された基台2上面の中央手前側部分に姿勢情報取得領域5を設定している。さらに、基台2上面の中央奥側部分(揺動手段80側)に、不合格品を廃棄トレイ350に廃棄する廃棄領域6を設定している。
ウエハチップ供給装置10は、複数のウエハチップ300が配列されたウエハ(符号省略)を、姿勢と方向を整えた状態で配置する。ウエハチップ供給装置10は、複数のウエハチップ300が配列されたウエハを配置しておくことで、部品保持ユニット40によるウエハチップ300の保持を可能にする。具体的に、ウエハチップ供給装置10は、ウエハを載置する載置トレイ15と、X−Yテーブルから構成された載置トレイ移動手段16と、ウエハチップ300を位置決めするために用いるカメラ(CMOSカメラやCCDカメラなど)17を備えて構成されている。載置トレイ15には、複数のウエハチップ300が配列されたウエハが載置されている。載置トレイ移動手段16は、図示は省略するが、モータによって駆動される直動装置を互いに直角に組み合わせて構成されている。本実施形態における載置トレイ移動手段16は、図3における上下方向及び左右方向に載置トレイ15を移動可能となっている。載置トレイ移動手段16は、カメラ17によるウエハチップ300の撮影結果に基づいて、ウエハチップ供給領域3にある部品保持ユニット40の吸着ノズル42の真下に対応するように、ウエハチップ300を1つずつ順番に配置する。
アーム20は、アームブラケット2bからウエハチップ供給装置10の上方を手前に向けて伸びる腕状の部材である。アーム20には回転テーブル30が回転自在に保持されると共に、外部付勢装置50及び回転テーブル駆動手段60が配設されている。外部付勢装置50は、ウエハチップ供給領域3及び搭載領域4側に対応して、それぞれの上方に設けられている。
回転テーブル30は、略円盤状の部材であり、外周面に4つの部品保持ユニット40が等間隔(本実施形態では略90°間隔)で配設されている。回転テーブル30は、図示する運転位置において、回転軸が上下方向(鉛直方向)となるようにアーム20に保持されている。そして、回転テーブル30は、時計回り又は反時計回りの1方向に回転し、回転テーブル30の周囲に配設されている全ての部品保持ユニット40は、ウエハチップ供給領域3、姿勢情報取得領域5、搭載領域4及び廃棄領域6の上方を順番に通過するように構成されている。また、いずれかの部品保持ユニット40がウエハチップ供給領域3に対向する位置にある場合に、他の3つの部品保持ユニット40が、姿勢情報取得領域5、搭載領域4及び廃棄領域6に対向する位置にあるように構成されている。
2つの外部付勢装置50における一方は、ウエハチップ供給領域3の上方に配置されている。また、他方の外部付勢装置50は、搭載領域4の上方に配置されている。一方の外部付勢装置50は、ウエハチップ供給領域3上に位置する部品保持ユニット40に外力を付加して、部品保持ユニット40の吸着ノズル42を、ウエハチップ供給領域3に近接する方向(下方)に移動させる。他方の外部付勢装置50は、搭載領域4上に位置する部品保持ユニット40に外力を付加して、部品保持ユニット40の吸着ノズル42を搭載領域4に近接する方向(下方)に移動させる。
回転テーブル駆動手段60は、アーム20の図の下面に固定され、アーム20と回転テーブル30の間に位置している。本実施形態では、回転テーブル駆動手段60は、アーム20に固定されるステータ、及びステータの外周を回転する筒状のロータから構成される中空DD(ダイレクトドライブ)モータである。ステータの中心部には軸方向に貫通孔が形成されている。回転テーブル30は、この貫通孔内に中空軸(図示省略)を挿通した状態でロータに固定されている。
姿勢情報取得手段70は、本実施形態では図示を省略するカメラ(電子部品片用の第二カメラ)(CMOSカメラやCCDカメラなど)で構成され、姿勢情報取得領域5に配置される。カメラは、姿勢情報取得領域5に位置する部品保持ユニット40の吸着ノズル42に保持されたウエハチップ300を、真下から撮像する。すなわち、カメラは、搭載領域4に向けて搬送されているウエハチップ300を待ち受けると共に、そのウエハチップ300を下から撮像して、当該ウエハチップ300の水平面内に関する傾斜情報を、画像情報として取得する。また、カメラは、中央制御装置90と電気的に接続されており、撮像して得られた画像情報を中央制御装置90に送信する。そして、カメラで取得した姿勢の画像情報に基づいて、ウエハチップ300の姿勢を修正する。具体的に、中央制御装置90は、図示を省略するノズル回転ユニット(姿勢調整ユニット)を動作させることで吸着ノズル42を回動させて、ウエハチップ300が所定の角度になるように、当該ウエハチップ300の水平面内の姿勢を調整する。具体的にウエハチップ300の角度は、吸着ノズル42の移動奇跡となる円弧の接線に対して、ウエハチップ300の一方の対辺が直角となるように制御する(図6(A)参照)。なお、これに先立って、吸着ノズル42に吸着されたウエハチップ300の姿勢を機械的に修正するようにしても好ましい。例えば、回転テーブル30の回転途中で、吸着ノズル42で吸着後のウエハチップ300を、ウエハチップ300の外形を型取ったセンタリング治具に通すことによって、ウエハチップ300の姿勢を適正な姿勢に修正するようにしても好ましい。この場合、その上で、カメラで撮像し、ノズル回転ユニットを動作させて、ウエハチップ300の姿勢を更に調整する。このように、機械的な修正の後、画像情報による修正を段階的に行うことによって、姿勢不良を減少させることができる。
図4(A)、図4(B)及び図5に示されるように、位置情報取得手段80は、本実施形態では2台のカメラ(被搭載物用のカメラ、搭載物用のカメラ)(CMOSカメラやCCDカメラなど)81,82と、導光ユニット83で構成され、搭載領域4に配置される。
カメラ81は、搭載領域4に供給されたパッケージ本体400を、ウエハチップ300が搬送されてくることに先立って、導光ユニット83を介して真上から撮像する。すなわち、カメラ81は、搭載領域4に供給されたパッケージ本体400を撮像して、当該パッケージ本体400の水平方向に関する位置情報を、画像情報として取得する。また、カメラ81は、中央制御装置90と電気的に接続されており、撮像して得られた画像情報を中央制御装置90に送信する。
カメラ82は、姿勢情報取得領域5においてノズル回転ユニットで姿勢を調整されてから搭載領域4に搬送されたウエハチップ300を、導光ユニット83を介して真下から撮像する。すなわち、カメラ82は、搭載領域4に搬送されたウエハチップ300を撮像して、当該ウエハチップ300の水平方向に関する位置情報を、画像情報として取得する。また、カメラ82は、中央制御装置90と電気的に接続されており、撮像して得られた画像情報を中央制御装置90に送信する。中央制御装置90は、カメラ81,82の撮像結果に基づいて、パッケージ本体400及びウエハチップ300の相対位置ずれ量Gを導出する。具体的に、図6(A)に示されるように、カメラ82によって、ウエハチップ300が、例えば左上の領域に位置する撮像結果が得られると共に、図6(B)に示されるように、カメラ81によって、パッケージ本体400が、例えば右下の領域に位置する撮像結果が得られる場合を想定する。この場合、相対位置ずれ量を、右下の領域から左上の領域を結ぶ矢印Gで示される量と導出する。中央制御装置90は、相対位置ずれ量Gに基づいて、後述する整列トレイ移動手段(位置調整ユニット)102を動作させて、パッケージ本体400の水平面内の位置がウエハチップ300の水平面内の位置と同じになるように、当該パッケージ本体400の水平方向の位置を調整する。
なお、ここでは、X−Y平面方向の位置ずれ量Gのみを導出する場合を示したが、回転のずれ量を導出することも可能である。この場合は、X−Y平面方向の位置ずれ量Gを導出する前に、一度、上下のカメラ81、82によって撮像して回転のずれ量を中央制御装置90によって解析し、回転のずれ量が零に近づくように、吸着ノズル42を回動させてウエハチップ300の角度を調整する。その後、再度、ウエハチップ300の保持姿勢を撮像して、X−Y平面方向の位置ずれ量Gを導出し、それが零に近づくように、パッケージ本体400の水平方向の位置を調整する。吸着ノズル42に対してウエハチップ300が偏心状態で保持されていると、回転方向の位置決めを行う際に、ウエハチップ300がX−Y平面方向に変位するからである。
導光ユニット83は、下側採光部83aからカメラ81に導光する被搭載物側光路(図示省略)を備え当該カメラ81にパッケージ本体400を撮像させると共に、上側採光部83bからカメラ82に導光する搭載物側光路(図示省略)を備え当該カメラ82にウエハチップ300を撮像させる。この導光ユニット83は、ミラー、レンズ、プリズム等の複数の光学系(光路)を内蔵するボックス型のユニットであり、10mm角程度の大きさを有する。導光ユニット83は進退ユニット(図示省略)によって駆動され、下側採光部83a及び上側採光部83bが必要に応じて搭載領域4に進退させられる。進退ユニットは、カメラ81がパッケージ本体400を撮像するに先立って、搭載領域4で待機するパッケージ本体400の真上に下側採光部83aを進入させている(図5参照)。また、進退ユニットは、カメラ82がウエハチップ300を撮像するに先立って、搭載領域4で待機するパッケージ本体400とウエハチップ300との間に上側採光部83bを進入させている(図5参照)。なお、搭載領域4に到達する順序は、パッケージ本体400が搭載領域4で待機させられた後、またはその待機動作と同時に、進退ユニットによって導光ユニット83が搭載領域4に進入させられ、その後、ウエハチップ300が搭載領域4に搬送されてくる。
これにより、導光ユニット83は、カメラ81がパッケージ本体400を撮像する際に、下側採光部83aが、搭載領域4で待機するパッケージ本体400の真上に配置され、パッケージ本体400の真上からの撮像を可能にする。また、導光ユニット83は、カメラ82がウエハチップ300を撮像する際に、上側採光部83bが、搭載領域4で待機するパッケージ本体400と搭載領域4に搬送されたウエハチップ300との間に配置され、ウエハチップ300の真下からの撮像を可能にする。なお、導光ユニット83は、ウエハチップ300とパッケージ本体400との間に配置される部分の厚みtを小さくし、組立時のストロークを小さくすることが好ましい。このため、導光ユニット83の該当部分の厚みtは、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましい。この厚みtは、光学系を内蔵することから薄くすることに限界があり、現時点では8mmまで薄くすることができる。
なお、図4(A)及び図4(B)に示される位置情報取得手段80は、2台のカメラ81,82が横向きに配置されているが、搬送装置1の態様に応じて、図4(C)に示されるように、2台のカメラ81,82が縦向きに配置されるようにしてもよい。
中央制御装置90は、CPU、ROM及びRAM等を備えた制御装置であり、ウエハチップ供給装置10、外部付勢装置50、回転テーブル駆動手段60、姿勢情報取得手段70、位置情報取得手段80、及びパッケージ本体供給装置100等を直接制御する。この中央制御装置90は、上述のように、カメラ81,82の撮像結果を比較して、パッケージ本体400及びウエハチップ300の相対位置ずれ量Gを導出する解析ユニットとして機能する。
パッケージ本体供給装置100は、マトリクス状に配置された複数の凹部101Aが上面に形成された整列トレイ101と、X−Yテーブルから構成された整列トレイ移動手段102を備えて構成されている。整列トレイ101の凹部101Aには、組立前のパッケージ本体400が載置されている。整列トレイ移動手段102は、図示は省略するが、モータによって駆動される直動装置を互いに直角に組み合わせて構成されている。本実施形態における整列トレイ移動手段102は、図3における上下方向及び左右方向に整列トレイ101を移動可能となっている。
整列トレイ移動手段102は、搭載領域4にある部品保持ユニット40の吸着ノズル42の真下に対応するように、ウエハチップ300が搬送されてくることに先立って、複数のパッケージ本体400を1つずつ順番に供給する。この整列トレイ移動手段102は、中央制御装置90が導出した相対位置ずれ量Gに基づいて、パッケージ本体400の位置を調整する位置調整ユニットとして機能する。搭載領域4では、ウエハチップ300を、このパッケージ本体400に組み付けていく。この動作を繰り返すことで、整列トレイ101の凹部101Aに載置されている全てのパッケージ本体400に対してウエハチップ300を組み付ける。全てのパッケージ本体400の組付けが完了したら、整列トレイ101は、次の工程に運ばれる。
次に、搬送装置1の作動について説明する。図7(A)〜図7(F)は、搬送装置1の作動を示す平面図である。なお、説明を容易にするため、4つの部品保持ユニット40に部品保持ユニット40A〜40Dの番号を付することにし、主として、部品保持ユニット40Aの動作について説明する。なお、他の部品保持ユニット40B〜40Dは、部品保持ユニット40Aと同じ動作となるので、説明を省略する。
まず、図7(A)に示されるように、ウエハチップ供給装置10は、複数のウエハチップ300が配列されたウエハ(符号省略)を、方向や姿勢を整えた状態で配置する。
ウエハチップ供給装置10によって、複数のウエハ300が配列されたウエハがウエハチップ供給領域3に配置された後(又は略同時)に、回転テーブル30を反時計回りに略90°回転し、部品保持ユニット40Aの吸着ノズル42をウエハチップ供給領域3に配置されたウエハチップ300に対向する位置まで移動させる(図7(C)参照)。なお、図7(B)に示されるように、回転テーブル30が回転している途中では、搭載領域4の上方が開放されていることから、この間に、カメラ81によって搭載領域4で待機するパッケージ本体400の状態を画像認識する。なお、カメラ81による画像認識は、ウエハチップ300が搭載領域4に到着する前に完了していればよく、このタイミングに限定されるものではない。また、導光ユニット83の搭載領域4への進入は、カメラ81による画像認識の前に完了している。
回転テーブル30は、略90°回転した後に、図7(C)に示されるように、所定の時間静止する。回転テーブル30が静止している間に、外部付勢装置50が部品保持ユニット40Aを押圧することにより、吸着ノズル42をウエハチップ供給領域3に配置されたウエハチップ300に近接させる。そして、吸着ノズル42がウエハチップ300を吸着して保持する。その後、外部付勢装置50による押圧を解除する(又は押圧力を緩める)ことで、吸着ノズル42が上昇する。
次に、回転テーブル30は、再び反時計回りに略90°回転して、再び所定の時間静止する(図7(D)参照)。これにより、部品保持ユニット40Aに保持されたウエハチップ300は、姿勢情報取得領域5に対向する位置に搬送される。回転テーブル30が静止している間に、姿勢情報取得手段70は、部品保持ユニット40Aの吸着ノズル42に保持されているウエハチップ300を撮像する。回転テーブル30が回転している間には、上記同様に、ウエハチップ供給装置10は、次のウエハチップ300をウエハチップ供給領域3の適切な箇所(部品保持ユニット40Bの吸着ノズル42の真下)に配置する。そして、回転テーブル30が静止している間には、上記同様に、ウエハチップ供給領域3に対向する位置にある部品保持ユニット40Bの吸着ノズル42が、ウエハチップ供給領域3に配置されたウエハチップ300を吸着して保持する。
次に、回転テーブル30は、再び反時計回りに略90°回転する(図7(E)参照)。回転テーブル30が回転している間に、部品保持ユニット40Aのノズル回転ユニット(図示省略)が、姿勢情報取得手段70によって撮像された画像情報に基づいて部品保持ユニット40Aの吸着ノズル42を適切な角度だけ自転させ、吸着ノズル42に保持されたウエハチップ300の姿勢を整える。これにより、搭載領域4のパッケージ本体400にウエハチップ300を正確な姿勢で載置できるように整える。
次に、回転テーブル30が、反時計回りに略90°回転した後、再び所定の時間静止する(図7(E)参照)。これにより、部品保持ユニット40Aに保持されているウエハチップ300は、搭載領域4に到着する。回転テーブル30が静止している間に、カメラ82によって搭載領域4に搬送されたウエハチップ300の状態を画像認識する。導光ユニット83は、カメラ82による撮像後に速やかに退避する。カメラ82による画像認識の結果は、中央制御装置90において、カメラ81による画像認識の結果と比較されて、パッケージ本体400及びウエハチップ300の相対位置ずれ量Gが導出される。パッケージ本体供給装置100の整列トレイ移動手段102は、相対位置ずれ量Gに基づいて、パッケージ本体400をX−Y方向に移動して位置補正を行う。そして、回転テーブル30が静止している間に、外部付勢装置50が部品保持ユニット40Aを押圧する。これにより、部品保持ユニット40Aの吸着ノズル42が下降する。まず初めに、吸着ノズル42で保持したウエハチップ300を搭載領域4で待機するパッケージ本体400に載置する。
その後、パッケージ本体400とウエハチップ300を組み立てる。なお、上記でウエハチップ300をパッケージ本体400に組み付けた後、組立検査装置110によりウエハチップ300とパッケージ本体の組立状態を撮影し、組立状態の良否を判定するようにしても好ましい。つまり、組立検査装置110で撮影したウエハチップ300とパッケージ本体400の画像情報に基づいて、位置ずれなどにより組立状態を不良と判断した場合、搭載領域4に待機している部品保持ユニット40Aは、吸着ノズル42により、不良と判断されたウエハチップ300とパッケージ本体400を吸着する。そして、回転テーブル30が、さらに略90°反時計回りに回転し、不良と判断されたウエハチップ300とパッケージ本体400を廃棄トレイ350に放出する(図7(F)参照)。
なお、姿勢情報取得手段70又はカメラ82によって撮像された画像情報に基づいて、姿勢や位置の制御が不可能と判断されるウエハチップ300については、搭載領域4において組付けを行わず、この段階でウエハチップ300を廃棄トレイ350側に放出する(図7(F)参照)。
以上、搬送装置1は、上記動作を繰り返すことによって、ウエハチップ供給装置10に配置されたウエハチップ300をウエハチップ供給領域3で1つずつ取り出して、時計回り又は反時計回りの1方向に回転搬送し、搭載領域4において、パッケージ本体400にウエハチップ300を高精度に組み付ける。
具体的に、本搬送装置1は、位置情報取得手段80及び解析ユニット(中央制御装置90)を備えている。具体的には、搭載時において、搭載直前において対向するウエハチップ300とパッケージ本体400の相対位置ずれを解析し、直接、高精度に相対位置ずれを零に近づける。このように、ウエハチップ300とパッケージ本体400の相対位置ずれ量を解析する構造であることから、回転テーブル30や部品保持ユニット40の動作精度を高精度化しなくても、最終的な搭載精度を高めることが出来る。また、位置情報取得手段80自身の位置決め精度も、その画像認識範囲内にウエハチップ300とパッケージ本体400が収まれば十分な程度に低くすることができる。即ち、回転テーブル30等の位置決め精度に依存することなく、位置情報取得手段80及び解析ユニット(中央制御装置90)によって、整列トレイ移動手段(位置調整ユニット)102を高精度に制御することで、最終的な搭載精度を大幅に高めるようにしている。
また、この搬送装置1では、導光ユニット83を利用して搭載領域4で待機するパッケージ本体400の大よその位置調整を、ウエハチップ300が搬送されてくる前に行うため、無駄な待ち時間が発生しないようになっている。また、搬送装置1では、吸着ノズル42に保持されたウエハチップ300の姿勢の調整を回転テーブル30の回転移動中(移動軌跡の途中)に行うため、無駄な待ち時間が発生しないようになっている。さらに、搬送装置1では、吸着ノズル42に保持されたウエハチップ300のパッケージ本体400との相対位置の最終調整を搭載領域4に搬送されてから行うため、搬送装置の機械的精度の影響を受けずに、正確で確実な調整を行うことができる。また、パッケージ本体供給装置100の整列トレイ移動手段102を駆動するだけで、ウエハチップ300とパッケージ本体400との相対位置ずれをなくすことができるので、装置を複雑にする必要がない。
さらに、搬送装置1は、吸着ノズル42を有する部品保持ユニット40が回転テーブル30の周方向に複数設けられている。したがって、いずれかの部品保持ユニット40がウエハチップ300を吸着保持する工程と、他の部品保持ユニット40がウエハチップ300とパッケージ本体400を組み立てる工程等を同じ静止時間中に同時に行うことができる。
そして、搬送装置1は、部品保持ユニット40が保持するウエハチップ300の姿勢情報を取得する姿勢情報取得手段70を備えている。姿勢情報取得手段70は、姿勢情報取得領域5において、吸着ノズル42に吸着されたウエハチップ300の方向や角度等の姿勢情報を取得する。この姿勢情報に基づいて、姿勢修正不可能と判断した場合には、廃棄領域6においてこのウエハチップ300を廃棄する。以上のことから、部品保持ユニット40は、回転テーブル30の周方向に90°間隔で4箇所に配設されていることで、いずれかの部品保持ユニット40が、ウエハチップ供給領域3、姿勢情報取得領域5、搭載領域4及び廃棄領域6にそれぞれ位置するように構成されている。したがって、ウエハチップ300を保持する工程と、ウエハチップ300の姿勢情報を判断して姿勢調整を行う工程と、姿勢調整後のウエハチップ300をパッケージ本体400に組み立てる工程と、姿勢不具合と判断したウエハチップ300の廃棄を行う工程を、同じ静止時間に同時に行うことができる。したがって、搬送装置1は、回転テーブル30を回転することで、ウエハチップ300の供給から組立までの動作を極めて高速に実行できる。
また、ウエハチップ供給領域3、姿勢情報取得領域5、搭載領域4、廃棄領域6は、この順番で、部品保持ユニット40の1方向に回転する回転経路上に設けられている。したがって、搬送装置1は、回転テーブル30を回転することで、部品保持ユニット40をウエハチップ供給領域3から廃棄領域6まで順番に搬送することができ、これらの工程を確実に行うことができる。
さらに、ターレットによる複数ヘッド式の搬送装置1は、ウエハチップ供給領域3に次のウエハチップ300を配置するウエハチップ供給装置10と、搭載領域4に組立前のパッケージ本体400を搬送するパッケージ本体供給装置100と、をさらに備えている。したがって、回転テーブル30が回転して、任意の部品保持ユニット40がウエハチップ供給領域3に停止する前に、次のウエハチップ300をウエハチップ保持位置11に配置するようになっている。また、ターレットによる複数ヘッド式の搬送装置1は、回転テーブル30が回転して、部品保持ユニット40が搭載領域4に停止する前に、パッケージ本体供給装置100が次のパッケージ本体400を搭載領域4に移動させるようになっている。したがって、無駄な時間を排除し、動作を高速にすることができる。
なお、本実施形態に係る搬送装置1は、4つの部品保持ユニット40を備えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の個数(例えば6個、8個、12個)の部品保持ユニット40を備えるようにしてもよい。なお、出願時点において、主な実機には、8個の部品保持ユニットが備えられている。
そして、搬送装置1は、吸着ノズル42を下方に向けているが、これに限定されるものではなく、吸着ノズル42を側方や上方に向けるものであってもよい。さらに、搬送装置1は、吸着ノズル42を備えるものに限定されるものではなく、例えば部品をチャックによって把持する構造のものであってもよい。
また、搬送装置1は、回転テーブル30を、運転位置において回転の中心軸が上下方向(鉛直方向)となるように配設されているが、これに限定されるものではなく、運転位置における回転の中心軸が水平方向や斜め方向となるように配設されるものであってもよい。また、回転テーブル30は、本実施形態に示される形状以外の形状であってもよい。
さらに、搬送装置1は、各部が中央制御装置90によって統括的に制御される構成であるが、これに限定されるものではなく、個別に専用の制御装置を設けるようにしてもよい。
そして、搬送装置1は、アーム20は、基台2に配設されるものに限定されるものではなく、他の部材に配設されるものや、独立して配設されるものであってもよい。また、アーム20は、揺動以外の動作を可能に構成されるものであってもよい。例えば、上下方向のみの移動であってもよく、さらに、上下方向に直線移動した後に揺動するようにしてもよい。または、複数の異なる回転軸を中心に揺動もしくは回動するようにアーム20を構成してもよい。
また、ウエハチップ供給領域3、姿勢情報取得領域5、搭載領域4及び廃棄領域6の位置は、本実施形態において示した位置に限定されるものではなく、他の位置に配置するようにしてもよい。さらに、部品の加工組立や検査等を行う領域を搬送途中に設けるようにしてもよい。
そして、回転テーブル30の回転は、90°回転するごとに静止する間欠回転に限定されるものではなく、部品保持ユニット40が、ウエハチップ供給領域3、姿勢情報取得領域5、搭載領域4及び廃棄領域6のそれぞれに対向する位置にある場合にも、回転テーブル30を低速で回転させ続けるようにしてもよい。この場合、ウエハチップ供給装置10とパッケージ本体供給装置100は、ウエハチップ供給領域3や搭載領域4において、回転テーブル30と同方向且つ同速度で移動するように回転する回転テーブルとすることが好ましい。つまり、ウエハチップ供給領域3では、回転テーブル30に配置される吸着ノズル42は、自身と同方向且つ同速度で移動するウエハチップ供給装置10に供給されるウエハチップ300を、回転中に吸着することができる。また、搭載領域4では、部品保持ユニット40は、吸着ノズル42に吸着しているウエハチップ300を、ウエハチップ300と同方向且つ同速度で移動するパッケージ本体供給装置100に供給されるパッケージ本体400に、回転中に組み立てることができる。
なお、本発明の搬送装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
(1)本発明は、回転するターレットの外周に設けられた部品保持ユニットで保持した搭載物を、前記ターレットを回転して搭載領域に搬送し、前記搭載領域で待機する被搭載物に載置する載置装置であって、前記搭載領域に向けて搬送されている前記搭載物を撮像する搭載物用の姿勢カメラと、前記姿勢カメラの撮像結果に基づいて、前記搭載領域に向けて搬送されている前記搭載物の姿勢を調整する姿勢調整ユニットと、前記搭載領域で待機する前記被搭載物を撮像する被搭載物用の位置カメラと、前記搭載領域に搬送された前記搭載物を撮像する搭載物用の位置カメラと、前記被搭載物用の位置カメラ及び前記搭載物用の位置カメラの撮像結果に基づいて、前記被搭載物及び前記搭載物の相対位置ずれ量を導出する解析ユニットと、前記解析ユニットの導出結果に基づいて、前記被搭載物の位置を調整する位置調整ユニットと、を備えることを特徴とする、載置装置である。
(4)本発明はまた、回転するターレットの外周に設けられた部品保持ユニットで保持した搭載物を、前記ターレットを回転して搭載領域に搬送し、前記搭載領域で待機する被搭載物に載置する載置方法であって、搭載物用の姿勢カメラで、前記搭載領域に向けて搬送されている前記搭載物を撮像するステップと、前記姿勢調整ユニットにおいて、前記姿勢カメラの撮像結果に基づいて、前記搭載領域に搬送されている前記搭載物の姿勢を調整するステップと、被搭載物用の位置カメラで、前記搭載領域で待機する前記被搭載物を撮像するステップと、搭載物用の位置カメラで、前記搭載領域に搬送された前記搭載物を撮像するステップと、解析ユニットにおいて、前記被搭載物用の位置カメラ及び前記搭載物用の位置カメラの撮像結果に基づいて、前記被搭載物及び前記搭載物の相対位置ずれ量を導出するステップと、位置調整ユニットにおいて、前記解析ユニットの導出結果に基づいて、前記被搭載物の位置を調整するステップと、位置が調整された前記被搭載物に前記搭載物を載置するステップと、を備えることを特徴とする、載置方法である。
具体的に、搬送装置1は、基台2と、基台2上面の左側に配設されたウエハチップ供給装置10と、基台2に揺動自在に配設されたアーム20と、アーム20に回転自在に配設された回転テーブル30と、回転テーブル30の外周面に周方向に沿って配設された複数(本実施形態では4つ)の部品保持ユニット40と、アーム20に配設された2つの外部付勢装置50と、回転テーブル30を回転させる回転テーブル駆動手段60と、基台2上面の中央手前側に配設された姿勢情報取得手段70と、基台2上面の右側に配設された位置情報取得手段80と、搬送装置1全体を制御する中央制御装置(制御手段)90と、基台2上面の右側に配設されたパッケージ本体供給装置100及び組立検査装置110と、を備えている。
(1)本発明は、回転するターレットの外周に設けられた部品保持ユニットで保持した搭載物を、前記ターレットを回転して搭載領域に搬送し、前記搭載領域で待機する被搭載物に載置する載置装置であって、前記搭載領域に向けて搬送されている前記搭載物を撮像する搭載物用の姿勢カメラと、前記姿勢カメラの撮像結果に基づいて、前記搭載領域に向けて搬送されている前記搭載物について、該搭載領域への搬入が完了するまでに水平面内で回転させて該水平面内の姿勢を調整する姿勢調整ユニットと、前記搭載物用の姿勢カメラとは別に設けられ、前記搭載領域で待機する前記被搭載物を、段階的に変倍することなく単一倍率で撮像する被搭載物用の位置カメラと、前記搭載物用の姿勢カメラとは別に設けられ、前記搭載領域に搬送されて前記水平面内の回転方向の位置決めが完了した前記搭載物を、段階的に変倍することなく単一倍率で撮像する搭載物用の位置カメラと、前記被搭載物用の位置カメラ及び前記搭載物用の位置カメラの撮像結果に基づいて、前記被搭載物及び前記搭載物の前記水平面内のX−Y方向の相対位置ずれ量を一回で導出する解析ユニットと、前記解析ユニットの導出結果に基づいて、前記被搭載物の前記水平面内のX−Y方向の位置を調整する位置調整ユニットと、を備えることを特徴とする、載置装置である。
(4)本発明はまた、回転するターレットの外周に設けられた部品保持ユニットで保持した搭載物を、前記ターレットを回転して搭載領域に搬送し、前記搭載領域で待機する被搭載物に載置する載置方法であって、搭載物用の姿勢カメラで、前記搭載領域に向けて搬送されている前記搭載物を撮像するステップと、前記姿勢調整ユニットにおいて、前記姿勢カメラの撮像結果に基づいて、前記搭載領域に搬送されている前記搭載物について、該搭載領域への搬入が完了するまでに水平面内で回転させて該水平面内の姿勢を調整するステップと、前記搭載物用の姿勢カメラとは別に設けられた被搭載物用の位置カメラで、前記搭載領域で待機する前記被搭載物を、段階的に変倍することなく単一倍率で撮像するステップと、前記搭載物用の姿勢カメラとは別に設けられた搭載物用の位置カメラで、前記搭載領域に搬送されて前記水平面内の回転方向の位置決めが完了した前記搭載物を、段階的に変倍することなく単一倍率で撮像するステップと、解析ユニットにおいて、前記被搭載物用の位置カメラ及び前記搭載物用の位置カメラの撮像結果に基づいて、前記被搭載物及び前記搭載物の前記水平面内のX−Y方向の相対位置ずれ量を一回で導出するステップと、位置調整ユニットにおいて、前記解析ユニットの導出結果に基づいて、前記被搭載物の前記水平面内のX−Y方向の位置を調整するステップと、位置が調整された前記被搭載物に前記搭載物を載置するステップと、を備えることを特徴とする、載置方法である。