JP2014077872A - 光偏向器及び光偏向器の製造方法 - Google Patents

光偏向器及び光偏向器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】破壊限界が高い光偏向器を提供する。
【解決手段】外周枠部17上には、BOX層シリコン酸化膜43が形成され、BOX層シリコン酸化膜43上には、固定枠部11が形成されている。固定枠部11には、アーム14c,14dが連結している。アーム14c,14dは梁と連結し、梁はミラーと連結している。外周枠部17、固定枠部11、アーム14c,14d、梁、ミラーはシリコンによって形成されている。外周枠部17の内側壁17sが、固定枠部11の内側壁、アーム14c,14dの側壁、梁の側壁、ミラーの側壁それぞれの表面粗さよりも粗い表面粗さの凹凸形状を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた光偏向器及び光偏向器の製造方法に関する。
近年、MEMS技術を用いた光偏向器が種々開発されている。光偏向器は、一例として、画像を表示させるための表示デバイスとして用いられる。光偏向器のミラーにレーザ光を照射し、ミラーを2次元的に偏向させる。これによって、光偏向器は、レーザ光を水平方向及び垂直方向に走査させて、スクリーン上に画像を表示させることができる。この種の光偏向器は、例えば特許文献1に記載されている。
特開2010−237492号公報
光偏向器によってレーザ光を水平方向または垂直方向に走査させるには、ミラーを大きな回転角度(偏向角度)で所定の固有共振周波数で往復振動させることが必要となる。画像の水平周波数は垂直周波数と比較して格段に高いので、ミラーを水平方向に高速で振動させなければならない。
光偏向器は、ミラー、ミラーを揺動自在に支持する梁、梁を保持するアーム等の構成要素を有する。ミラーを高速で振動させることによって、光偏向器における特定の箇所に応力が集中して、アームが破壊する場合がある。そこで、アームの破壊限界が高い光偏向器が求められる。
本発明はこのような要望に対応するため、破壊限界が高い光偏向器、破壊限界の高い光偏向器を製造することができる光偏向器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、外周枠部(17)と、前記外周枠部上に形成されたBOX層シリコン酸化膜(43)と、前記BOX層シリコン酸化膜上に形成された固定枠部(11)と、一方の端部が前記固定枠部と連結し、他方の端部が前記固定枠部で囲まれた開口内に向かって延在するアーム(14a〜14d)と、前記アームの前記他方の端部と連結した梁(13a〜13d)と、前記梁によって前記開口内で揺動自在に支持されているミラー(12)とを備え、前記外周枠部、前記固定枠部、前記アーム、前記梁、及び前記ミラーはシリコンによって形成されており、前記外周枠部の内側壁が、前記固定枠部の内側壁、前記アームの側壁、前記梁の側壁、前記ミラーの側壁それぞれの表面粗さよりも粗い表面粗さの凹凸形状を有していることを特徴とする光偏向器(10)を提供する。
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、第1のシリコン酸化膜(41)、シリコン基板(42)、BOX層シリコン酸化膜(43)、シリコン層(44)、第2のシリコン酸化膜(45)の順の積層構造を有するSOIウェハ(40)を作成する第1のステップと、前記第2のシリコン酸化膜上に、電極(51,53)及び圧電膜(52)を有する圧電部を形成する第2のステップと、前記シリコン層を、前記圧電部側から第1のエッチング法を用いて第1の表面粗さの側壁を形成させながら、前記BOX層シリコン酸化膜が露出するまでエッチングして、前記圧電部に対応する位置のアーム(14a〜14d)と、前記アームと連結した梁(13a〜13d)と、前記梁と連結したミラー(12)それぞれに相当する第1〜第3のパターン部(14a0〜14d0,13a0〜13d0,120)を形成する第3のステップと、前記第1のシリコン酸化膜をパターンエッチングし、パターンエッチングした部分の前記シリコン基板を、第2のエッチング法を用いて前記第1の表面粗さより粗い第2の表面粗さの側壁を形成させながら、前記BOX層シリコン酸化膜が露出するまでエッチングする第4のステップと、露出した前記BOX層シリコン酸化膜を除去して、前記アームと、前記梁と、前記ミラーをそれぞれ形成する第5のステップとを含むことを特徴とする光偏向器の製造方法を提供する。
本発明の光偏向器によれば、破壊限界を高くすることができる。本発明の光偏向器の製造方法によれば、破壊限界の高い光偏向器を製造することができる。
一実施形態の光偏向器を示す上面図である。 図1の10A−10A断面図である。 一実施形態の光偏向器の駆動回路を示すブロック図である。 一実施形態の光偏向器の製造方法におけるSOIウェハを作成するステップを示す断面図である。 一実施形態の光偏向器の製造方法におけるSOIウェハ上に電極及び圧電膜を形成するステップを示す断面図である。 (a)は、一実施形態の光偏向器の製造方法における電極及び圧電膜をパターンエッチングして、圧電部に相当する第1のパターン部を形成するステップを示す断面図であり、(b)は上面図である。 (a)は、一実施形態の光偏向器の製造方法におけるアームと梁とミラーそれぞれに相当する第2〜第4のパターン部を形成するステップを示す断面図であり、(b)は上面図である。 一実施形態の光偏向器の製造方法におけるBOX層シリコン酸化膜が露出するまでシリコン基板をエッチングするステップを示す断面図である。 図8の部分拡大断面図である。 一実施形態の光偏向器の製造方法における露出したBOX層シリコン酸化膜を除去するステップを示す断面図である。
以下、一実施形態の光偏向器及び光偏向器の製造方法について、添付図面を参照して説明する。図1に示す一実施形態の光偏向器10は、例えばレーザ光をスクリーンの水平方向に偏向させる光偏向器である。
図1において、一実施形態の光偏向器10は次のように構成される。矩形状の固定枠部11で囲まれた開口11o内の中央部には矩形状のミラー12が形成されている。ミラー12は梁13a〜13dと連結され、梁13a〜13dによって揺動自在に支持されている。アーム14a〜14dの一方の端部は固定枠部11と連結され、他方の端部は開口11o内に突出するように伸びて、梁13a〜13dと連結されている。ミラー12は、開口11o内に浮かんでいるような状態となっている。
梁13a〜13dを梁13と総称し、アーム14a〜14dをアーム14と総称する場合がある。
アーム14a,14dの上面には、駆動用圧電部15a,15bが形成されている。アーム14b,14cの上面には、検出用圧電部16a,16bが形成されている。駆動用圧電部15a,15b及び検出用圧電部16a,16bは、圧電膜と電極とを含む。
駆動用圧電部15a,15bに所定の駆動信号が供給されると、圧電膜の結晶格子は上下方向に引き伸ばされ、同時に水平方向に圧縮される。この際に圧電膜には引っ張り応力が加えられることになり、この応力によって、駆動用圧電部15a,15bは上方または下方に撓む。ここでの上下方向とは紙面に直交する方向であり、水平方向とは紙面と平行方向である。これによって、アーム14a,14dの梁13a,13d側が上下振動するので、ミラー12は、梁13aと梁13bとの間隙を二分すると共に梁13cと梁13dとの間隙を二分する軸線を回転軸として揺動する。
固定枠部11,ミラー12,梁13a〜13d,アーム14a〜14dは、理想的な弾性材料である単結晶シリコン(以下、単にシリコン)によって形成されている。ミラー12は、シリコンを鏡面とすることによって形成されている。シリコン上にアルミニウムや銀等の高反射性材料を蒸着してミラー12としてもよい。
図2は、図1の10A−10A断面図である。図2に示すように、固定枠部11の下面にはBOX層シリコン酸化膜43を介して外周枠部17が形成されている。外周枠部17はシリコンによって形成されている。外周枠部17の下面には底面フレーム18が形成されている。アーム14a〜14dの下面(裏面)側には、所定空間の裏面キャビティ19が形成されている。アーム14a〜14dの下面と底面フレーム18の上面とで囲まれた空間が裏面キャビティ19である。底面フレーム18はシリコンによって形成してよいし、シリコン以外の材料によって形成してもよい。
本実施形態の光偏向器10においては、BOX層シリコン酸化膜43より上方の各部の側壁の表面粗さと、BOX層(埋め込み絶縁膜)シリコン酸化膜43より下方の外周枠部17の内側壁17sの表面粗さとが異なっている。具体的には、外周枠部17の内側壁17sは、固定枠部11の内側壁11s、ミラー12の側壁12s、梁13a〜13dの側壁13as,13bs,134cs,13ds、アーム14a〜14dの側壁14as,14bs,14cs,14dsの表面粗さよりも粗い表面粗さを有する、不均一な凹凸形状を有している。
図2に示すように、本実施形態の光偏向器10においては、外周枠部17の内側壁17sは、アーム14a〜14d側の上端部に向かうに従って裏面キャビティ19の幅を狭くするように傾斜している。外周枠部17の内側壁17sの上端部とBOX層シリコン酸化膜43との角部は鈍角となっている。なお、図2では、外周枠部17の内側壁17sを誇張した状態で傾斜させている。
本実施形態の光偏向器10は、アーム14が振動したときに角部にかかる応力を、粗く、不均一な凹凸形状を有する、外周枠部17の内側壁17sによって分散させることができる。よって、破壊限界を高くすることができ、破壊限界振れ角を大きくすることができる。
BOX層シリコン酸化膜43より下方の外周枠部17の内側壁17sをBOX層シリコン酸化膜43より上方の各部の側壁の表面粗さよりも粗い表面粗さを有する、不均一な凹凸形状とする光偏向器10の製造方法については後述する。
図3を用いて、光偏向器10の駆動回路について説明する。図3において、光偏向器10の駆動回路は、自励発振部20と、動作測定部30と、自励発振部20と動作測定部30とを切り替える切り替え部70と、ドットクロック発生部71とを備える。自励発振部20は、増幅器21,バンドパスフィルタ22,位相調整器23,AGC(Auto Gain Control)回路24,増幅器25を有する。動作測定部30は、位相比較器31,動作点決定部32,振れ角検出部33,発振器34を有する。
動作測定部30は、発振器34が発振する周波数を種々変更させて、光偏向器10の特性を確認して動作点を決定する。この際、切り替え部70は、端子70a,70bが接続された状態とされる。位相比較器31は、駆動用圧電部15a,15bに入力される駆動信号と、検出用圧電部16a,16bによって検出される検出信号との位相を比較する。
振れ角検出部33は、検出用圧電部16a,16bによって検出された検出信号の振幅の大きさを数値として取り出す。振幅の大きさを振れ角の角度に変換してもよい。この場合、検出信号の振幅の大きさと振れ角との対応関係を予め求めておく。動作点決定部32は、位相比較器31による位相比較結果と、振れ角検出部33による検出信号の振幅の大きさ(振れ角)の検出結果とに基づいて、光偏向器10の動作点である位相と信号の大きさとを決定する。
増幅器21は、検出用圧電部16a,16bによって検出された検出信号を増幅する。増幅器21の出力は、バンドパスフィルタ22を介して位相調整器23へと入力される。バンドパスフィルタ22を設けているのは、共振周波数の上下の周波数で別の共振モードがある場合に、別の共振モードで光偏向器10が共振するのを防ぐためである。
光偏向器10が線形で共振している場合、駆動用圧電部15a,15bに入力される駆動信号と検出用圧電部16a,16bによる検出信号との位相差が−90度の倍数になるように位相調整器23を設定する。光偏向器10が非線形で動作する場合には、動作測定部30で決定された動作点における位相差を保つように位相調整器23を設定する。位相調整器23の出力はAGC回路24に入力される。AGC回路24は、動作測定部30で決定された信号の大きさとなるよう、信号の大きさを調整する。
AGC回路24の出力は増幅器25で増幅されて、切り替え部70の端子70cに入力される。切り替え部70は、端子70a,70cが接続された状態とされ、増幅器25の出力は、駆動信号として駆動用圧電部15a,15bへと入力される。
ドットクロック発生部71は、映像信号と同期を取るためのドットクロックを発生する。ドットクロック発生部71はPLL回路を有し、駆動回路の交流信号をPLL回路によって画素数の分だけ分周することによってドットクロックを生成することができる。
次に、光偏向器10の製造方法について説明する。まず、図4に示すように、下から順に、シリコン酸化膜41,シリコン基板42,BOX層シリコン酸化膜43,シリコン層44,シリコン酸化膜45の積層構造を有するSOI(Silicon On Insulator)ウェハ40を作成する。
SOIウェハ40の一般的な製造方法は次の通りである。シリコン基板42の表裏面を熱酸化してシリコン酸化膜41及びBOX層シリコン酸化膜43を形成する。BOX層シリコン酸化膜43側に活性層シリコンウェハを重ね合わせて、熱と圧力を加えて活性層シリコンウェハを貼り付ける。活性層シリコンウェハを所定の膜厚となるよう研磨して、シリコン層44とする。シリコン層44の表面を熱酸化してシリコン酸化膜45を形成する。
シリコン層44の厚さは例えば50μm程度であり、ミラー12,梁13,アーム14の厚さとなる。BOX層シリコン酸化膜43の膜厚は、裏面キャビティ19をエッチングによって形成する際のストッパとして機能する膜厚に設定する。BOX層シリコン酸化膜43の膜厚は、1μm程度で十分である。SOIウェハ40の表面側に設けたシリコン酸化膜45は、後に形成する電極の配線膜及び圧電膜とシリコン層44との絶縁を図るために形成している。
次に、図5に示すように、シリコン酸化膜45上に、下部電極51,圧電膜52,上部電極53を順に形成する。下部電極51は、詳細には、シリコン酸化膜45側より順に、配向性助長層と配向膜との2層構造である。配向性助長層は、例えばTiを用いた電極材料であり、配向膜は例えばPtである。配向膜は、下部電極51上に形成する圧電膜52を、シリコン層44の面に垂直な方向に配向させる働きをする。Tiの配向性助長層の膜厚は0.02μm程度、Ptの配向膜の膜厚は0.1μm程度である。
圧電膜52を構成する圧電材料としては、高い圧電特性を示すジルコン酸チタン酸鉛(PZT)系やLaNiO等のペロブスカイト構造を有した複合酸化物を用いることができる。PZT系の場合、圧電膜52の膜厚を3μm程度とするのが一般的である。
上部電極53は、詳細には、圧電膜52側から順に、密着層と電極層との2層構造である。密着層として例えばTi、電極層としてPt,Ir,Au,Ag,Cu,Al等を用いることができる。Tiの密着層の膜厚は0.02μm程度、電極層としてAuを用いた場合の膜厚は0.3μm程度である。
次に、図6の(a),(b)に示すように、下部電極51,圧電膜52,上部電極53をパターンエッチングすることによって、駆動用圧電部15a,15b及び検出用圧電部16a,16bそれぞれに相当するパターン部15a0,15b0,16a0,16b0を形成する。図6の(a)は、図6の(b)における40A−40A断面図である。
図6では、簡略化のため、パターン部15a0,15b0,16a0,16b0から外部への配線の引き出しについては図示を省略している。エッチング方法としてはイオンミリング法等を用いることができる。
引き続き、図7の(a),(b)に示すように、シリコン層44の表面側を、BOX層シリコン酸化膜43が露出するまで貫通エッチングする。BOX層シリコン酸化膜43が存在していることによって、エッチングが停止する。ここでのエッチングはドライエッチングである。エッチング手法としては、リアクティブイオンエッチング(RIE)の1つであるボッシュプロセスを用いることが好ましい。ボッシュプロセスによって側壁保護とエッチングを交互に繰り返し、水平方向の寸法精度を確保することが望ましい。ここでの水平方向とは、エッチングの深さ方向と直交する方向である。
図7の(b)に示すように、シリコン層44の表面側を貫通エッチングすることによって、ミラー12,梁13a〜13d,アーム14a〜14dそれぞれに相当するパターン部120,13a0〜13d0,14a0〜14d0を形成することができる。同じく、図7の(a)は、図7の(b)における40A−40A断面図である。
次に、図8に示すように、シリコン酸化膜41をパターンエッチングして、シリコン基板42をエッチングする。図8の状態で、シリコン基板42は外周枠部17に相当する状態となる。ここでのエッチングは、ボッシュプロセスではなく、RIEの1つである高密度誘導結合型プラズマ(ICP)エッチングを用いることが好ましい。
外周枠部17を形成するシリコン基板42のエッチングにICPエッチングを用い、ミラー12,梁13,アーム14を形成するシリコン層44のエッチングにボッシュプロセスを用いることによって、図9に誇張して示しているように、BOX層シリコン酸化膜43より下方の外周枠部17の内側壁17sを、BOX層シリコン酸化膜43より上方の各部の側壁の表面粗さよりも粗い表面粗さを有する、不均一な凹凸形状とすることができる。
ボッシュプロセスによって形成したミラー12,梁13,アーム14の側壁部分の表面粗さは、二乗平均平方根(RMS)で1〜2μmである。外周枠部17の内側壁17sの表面粗さは、RMSで10〜40μmが最適である。
BOX層シリコン酸化膜43より上方のエッチングをボッシュプロセス、下方のエッチングをICPエッチングとするのは、外周枠部17の内側壁17sをランダムな凹凸状にして、BOX層シリコン酸化膜43より上方の各部の側壁の表面粗さより粗くするのに好適な組み合わせではあるが、エッチング方法はこれらに限定されるものではない。外周枠部17の内側壁17sを不均一な凹凸形状にすることができれば、他のエッチング方法でもよい。
本実施形態では、ICPエッチングのようなエッチング方法を用いることで、図9に示すように、外周枠部17の内側壁17sを不均一な凹凸形状にすることができる。なお、ICPエッチングは、ボッシュプロセスに比べて等方的なエッチングであるので、通常、シリコン基板42は下端部からBOX層シリコン酸化膜43側の上端部に向かって内側へと傾斜した状態にエッチングされる。図8,図9及び後述する図10では、シリコン基板42の内壁(外周枠部17の内側壁17s)を誇張した状態で傾斜させている。
シリコン基板42のエッチングをボッシュプロセスとした場合には、形成される外周枠部17の内側壁17sとBOX層シリコン酸化膜43とのなす角度は、略90度で略均一な角度となる。これに対して、本実施形態では、例えばICPエッチングとすることによって形成される、外周枠部17の内側壁17sとBOX層シリコン酸化膜43とのなす角度は、外周枠部17の内側壁17sの不均一な凹凸形状により一定の角度とはならない。これによって、ミラー12、アーム14の振動運動により生じる応力が、外周枠部17の内側壁17sの上端部とBOX層シリコン酸化膜43とで形成される角部の微小領域に集中することが解消される。
さらに、シリコン基板42は下端部からBOX層シリコン酸化膜43側の上端部に向かって内側へと傾斜した状態にすることができるので角部は鈍角になり、さらに応力集中が回避できるようになる。
引き続き、図10に示すように、露出しているBOX層シリコン酸化膜43の部分をエッチングによって除去する。ここでのエッチングによってシリコン基板42の下面に形成されているシリコン酸化膜41も除去される。ここでのエッチングとしてはドライエッチングを用いることが好ましい。ドライエッチングすることで、内側壁17sの表面の不均一な凹凸形状を反映してシリコン酸化膜43の内側壁の表面も不均一な凹凸形状とすることができる。
BOX層シリコン酸化膜43をエッチングするエッチング条件を最適化することによって、シリコン層44をほとんどエッチングすることなく、露出しているBOX層シリコン酸化膜43のみを除去することが可能である。従って、シリコン層44の膜厚は当初のSOIウェハ40のまま維持される。
この状態で、ここでは図示していない部分を含めて、ミラー12、梁13a〜13d、アーム14a〜14d,駆動用圧電部15a,15b,検出用圧電部16a,16bが形成される。図10の状態で、シリコン層44は固定枠部11に相当する状態となる。シリコン基板42の下面側に底面フレーム18を形成すれば図2の状態となり、光偏向器10が完成する。
以上のようにして、本実施形態の光偏向器の製造方法によれば、外周枠部17の内側壁17sとBOX層シリコン酸化膜43との成す角度は、外周枠部17の内側壁17sの不均一な凹凸形状に応じて一定の角度とはならないので、アーム14が振動したときに外周枠部17の内側壁17sとBOX層シリコン酸化膜43との角部にかかる応力を分散させることができる光偏向器10を製造することができる。本実施形態の光偏向器の製造方法によれば、破壊限界の高い光偏向器10を製造することができる。破壊限界を高くすることができるので、破壊限界振れ角を大きくすることができる。
本実施形態の光偏向器の製造方法で製造した光偏向器10のサンプルと、シリコン基板42のエッチングをボッシュプロセスとした比較例のサンプルとをそれぞれ作製して、梁13やアーム14が破壊する破壊限界特性を評価したところ次のようであった。なお、比較例における外周枠部17の内側壁17sの表面粗さは、RMSで1.5μmであった。
光偏向器10のサンプルでは、駆動電圧を42V、振動周波数を29kHzとしたとき、破壊限界のスキャン角度は40度であった。比較例のサンプルでは、駆動電圧を15V、振動周波数を29kHzとしたとき、破壊限界のスキャン角度は23度であった。本実施形態によれば、破壊限界特性を大幅に向上させることが実証された。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。光偏向器の全体的な構成は本実施形態に限定されるものではない。水平方向の揺動を図1の構成とした場合、垂直方向に揺動させるための構成は任意である。
10 光偏向器
11 固定枠部
12 ミラー
13a〜13d 梁
14a〜14d アーム
15a,15b 駆動用圧電部
13a0〜13d0,14a0〜14d0,15a0,15b0,16a0,16b0,120 パターン部
16a,16b 検出用圧電部
17 外周枠部
19 裏面キャビティ
40 SOIウェハ
41,45 シリコン酸化膜
42 シリコン基板
43 BOX層シリコン酸化膜
44 シリコン層
51,53 電極
52 圧電膜

Claims (4)

  1. 外周枠部と、
    前記外周枠部上に形成されたBOX層シリコン酸化膜と、
    前記BOX層シリコン酸化膜上に形成された固定枠部と、
    一方の端部が前記固定枠部と連結し、他方の端部が前記固定枠部で囲まれた開口内に向かって延在するアームと、
    前記アームの前記他方の端部と連結した梁と、
    前記梁によって前記開口内で揺動自在に支持されているミラーと、
    を備え、
    前記外周枠部、前記固定枠部、前記アーム、前記梁、及び前記ミラーはシリコンによって形成されており、
    前記外周枠部の内側壁が、前記固定枠部の内側壁、前記アームの側壁、前記梁の側壁、前記ミラーの側壁それぞれの表面粗さよりも粗い表面粗さの凹凸形状を有している
    ことを特徴とする光偏向器。
  2. 前記外周枠部の内側壁が、二乗平均平方根で10〜40μmである表面粗さの不均一な凹凸形状を有していることを特徴とする請求項1記載の光偏向器。
  3. 第1のシリコン酸化膜、シリコン基板、BOX層シリコン酸化膜、シリコン層、第2のシリコン酸化膜の順の積層構造を有するSOIウェハを作成する第1のステップと、
    前記第2のシリコン酸化膜上に、電極及び圧電膜を有する圧電部を形成する第2のステップと、
    前記シリコン層を、前記圧電部側から第1のエッチング法を用いて第1の表面粗さの側壁を形成させながら、前記BOX層シリコン酸化膜が露出するまでエッチングして、前記圧電部に対応する位置のアームと、前記アームと連結した梁と、前記梁と連結したミラーそれぞれに相当する第1〜第3のパターン部を形成する第3のステップと、
    前記第1のシリコン酸化膜をパターンエッチングし、パターンエッチングした部分の前記シリコン基板を、第2のエッチング法を用いて前記第1の表面粗さより粗い第2の表面粗さの側壁を形成させながら、前記BOX層シリコン酸化膜が露出するまでエッチングする第4のステップと、
    露出した前記BOX層シリコン酸化膜を除去して、前記アームと、前記梁と、前記ミラーをそれぞれ形成する第5のステップと、
    を含むことを特徴とする光偏向器の製造方法。
  4. 前記第3のステップは、前記第1のエッチング法としてボッシュプロセスを用いて前記シリコン層をエッチングし、
    前記第4のステップは、前記第2のエッチング法として高密度誘導結合型プラズマエッチングを用いて前記シリコン基板をエッチングする
    ことを特徴とする請求項3記載の光偏向器の製造方法。
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