JP2014077776A - 漏洩検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 合成樹脂管の漏水による振動音に対して感度が高く、設置スパンを長くとれるため、より効率的な合成樹脂管の漏水調査が可能となる漏洩検出器を提供する。
【解決手段】 漏洩検出器1は、台座11と、台座11に支持されて振動音を電気信号に変換する圧電素子12と、圧電素子12に積載された錘15とを備えている。圧電素子12が高分子圧電材料によって形成されている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、漏洩検出器に関し、特に、水道管、建物配管、工場内配管などからなる各種配管において、精度よく流体漏洩を検出する検出器に関する。
従来より、漏水による水道管の振動をセンサーで検知することが一般になされている。例えば、特許文献1においては圧電素子を内蔵した検出部と剛性材料からなる台座部をゴム材料で連結した漏洩検出器が開示されている。これによれば、合成樹脂管に伝わる低周波振動を共振により増幅させることができるとされている。また、水道管路における消火栓等に2個の検出器を設置し、得られた相関波形を解析することで漏水箇所を特定できるとされている。
特許第3223337号公報
上記特許文献1の漏洩検出器では、合成樹脂管における微小な振動音に対する感度が充分でなく、消火栓等に設置する検出器の設置スパンが短いために、広域の漏水調査を行おうとすると労力が大きいという問題があった。
この発明の目的は、合成樹脂管の漏水による振動音に対して感度が高く、設置スパンを長くとれるため、より効率的な合成樹脂管の流体漏洩調査が可能となる漏洩検出器を提供することにある。
この発明による漏洩検出器は、配管からの流体漏洩によって生じる振動音を検知する漏洩検出器であって、台座と、台座に支持されて振動音を電気信号に変換する圧電素子と、圧電素子に負荷された錘とを備えており、圧電素子が高分子圧電材料によって形成されていることを特徴とするものである。
従来、この種の検出器に用いられる圧電材料は、チタン酸バリウムやジルコン酸チタン酸鉛などの圧電性セラミックが一般的であった。この発明の漏洩検出器によると、圧電素子が高分子圧電材料によって形成されているものとされ、これにより、圧電素子の弾性定数が低くなり、圧電素子に錘を負荷した系の共振周波数も低くなる。したがって、合成樹脂管の流体漏洩による振動音に対して感度が高くなり、設置スパンを長くとれるため、より効率的な合成樹脂管の漏水調査が可能となる。
圧電素子に錘を負荷した系の共振周波数について説明する。
バネ定数k(N/m)のバネの片端を固定し、片端に質量M(kg)の錘をつけたときの共振周波数foはfo=√(k/M)/2πで表せる。
ここで、圧電素子をバネと見なすことができる。バネ定数のkは圧電素子の弾性定数をEとすると、k=E・A/tで表すことができる(Aは圧電素子の断面積(m)、tは圧電素子の厚み(m)を表す。)。ポリフッ化ビニリデン(高分子圧電材料)の弾性定数Eは2〜5×10(N/m)である。それに対し、ジルコン酸チタン酸鉛(セラミック圧電材料)の弾性定数は、2〜10×1010(N/m)であり、一桁大きい。このため、セラミック系の圧電素子を使った振動センサーは高い共振周波数に設計しやすく、共振周波数を数kHzとされることが多い。共振周波数を低くしようとすると錘を減らす必要があるが、そうすると圧電素子にかかる応力が小さくなり、大きな出力が得られない。特許文献1のように、ゴム材料を用いて共振周波数を低周波にシフトさせることも可能であるが、ゴム材料によって振動が減衰するために、圧電素子に効率よく振動を伝達することが出来ない。本発明による漏洩検出器では、高分子圧電材料から圧電素子が構成されることで、圧電材料自体の弾性定数を低くし、低い共振周波数にしている。高分子圧電材料には銀やニッケル銅などの電極が必要に応じて取り付けられる。
高分子圧電材料の圧電素子は、セラミック系の圧電素子と比較して圧電出力定数が高い。例えば、ポリフッ化ビニリデンの圧電出力定数g33が300×10−3(Vm/N)程度であることに対し、ジルコン酸チタン酸鉛の圧電出力定数g33は20×10−3(Vm/N)程度である。これは、高分子圧電材料の方が一定の力Fをかけた時に出力電圧Vが高いことを示している。
V=F・g33・t/A
V:出力電圧 g33:圧電出力定数 F:圧電材料にかかる力 t:厚み A:断面積。
本発明における高分子圧電材料は特に限定されないが、ポリフッ化ビニリデンの延伸フィルムや多孔性のポリプロピレン延伸フィルムなどが挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデンは耐久性が高く、好適である。また、圧電材料は複数積層するなどしてさらに感度を高めることができる。圧電フィルムの上に錘を負荷して厚み方向の変形を与えることで電位差を発生させることができる。なお、フィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、「シート」と称されている厚みのものであってもよい。
圧電素子は、その一部のみが台座に支持されており、錘は、圧電素子の台座に支持されていない部分に負荷されていることが好ましい。
例えば、フィルムの片端ないしは両端を支持し、フィルムに曲げ変形を加えることによって電位差を発生させると、バネ定数を小さくでき、共振周波数をより低くできるという点で好ましいものとなる。
圧電素子の片端を支持する場合、バネ定数kは下記のように表される。
k=3EJ/L (J=bh/12)
E:圧電材料の弾性定数 J:断面2次モーメント L:長さ b:幅 h:高さ。
圧電素子の片端を支持する構成は、例えば、台座上に圧電素子の一方の端部を支持する支柱が設けられて、圧電素子の一方の端部が支柱に支持されており、圧電素子の他方の端部に錘が負荷されているものとされる。
圧電素子の両端を支持する場合、バネ定数kは下記のように表される。
k=192EJ/L(J=bh/12)
圧電素子の両端を支持する構成は、例えば、台座上に圧電素子の両方の端部を支持する支柱が設けられて、圧電素子の各端部が対応する各支柱に支持されており、圧電素子の中央部に錘が負荷されているものとされる。
圧電素子の片端または両端を支持し、上記のバネ定数算出式と上記の共振周波数の算出式とにより、所望の共振周波数に検出器を設定することができる。
圧電素子に錘を負荷した系の共振周波数は、10Hz〜1000Hz(より好ましくは、10Hz〜200Hz)の間に設定されていることが好ましい。圧電素子は、その一部のみが台座に支持されており、錘は、圧電素子の台座に支持されていない部分に負荷されているようにすることで、共振周波数を1000Hz以下〜200Hz以下とすることが容易となる。このように設定することで、この発明の漏洩検出器を上記のような合成樹脂管の流体漏洩調査に好適なものとできる。
この発明の漏洩検出器によると、圧電素子が高分子圧電材料によって形成されているので、圧電素子の弾性定数が低くなり、圧電素子に錘を負荷した系の共振周波数も低くなる。したがって、合成樹脂管の流体漏洩による振動音に対して感度が高くなり、設置スパンを長くとれるため、より効率的な合成樹脂管の流体漏洩調査が可能となる。
図1は、この発明による漏洩検出器が使用される一例としての配管の監視装置を模式的に示す図である。 図2は、この発明による漏洩検出器の第1実施形態を模式的に示す図である。 図3は、この発明による漏洩検出器の第2実施形態を模式的に示す図である。 図4は、この発明による漏洩検出器の第3実施形態を模式的に示す図である。 図5は、図4の平面図である。 図6は、この発明による漏洩検出器の第4実施形態を模式的に示す図である。 図7は、図6の平面図である。 図8は、この発明による漏洩検出器の第5実施形態を模式的に示す図である。 図9は、この発明による漏洩検出器の第6実施形態を模式的に示す図である。 図10は、この発明による漏洩検出器の第7実施形態を模式的に示す図である。 図11は、この発明による漏洩検出器を使用して得られる漏水音の1例を示す図である。 図12は、従来の漏洩検出器を使用して得られる漏水音の1例を示す図である。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
図1は、この発明による漏洩検出器が使用される一例としての配管の監視装置を示している。
配管の監視装置(1)は、複数の合成樹脂管(3)および複数の合成樹脂継手(4)(5)で構成された配管(図示は水道管路網)(2)と、各継手(4)(5)に設けられた漏洩検出器(6)と、各検出器(6)にそれぞれ接続された無線通信機(7)と、各無線通信機(7)から送られてくる情報を受け取って表示する表示装置(8)とを備えている。
検出器(6)は、図2に示すように、鉄製の台座(11)と、台座(11)上に設置された圧電素子(12)と、圧電素子(12)の両面に銀ペーストを塗布して形成した上下1対の薄膜電極(13)(14)と、上側の薄膜電極(13)の上に積載された錘(15)とを備えている。台座(11)と錘(15)にはそれぞれ、リード線(16)(17)が取り付けられている。リード線(16)(17)に、表示装置(8)としてのオシロスコープやデータロガー等が接続され、これにより、台座(11)と錘(15)との間の電位差が測定されて表示装置(8)に記録される。
圧電素子(12)は、高分子圧電材料であるポリフッ化ビニリデンの延伸フィルム(PVDFフィルム)によって形成されている。圧電素子(12)と錘(15)からなる系の共振周波数fo=√(k/M)/2π(kは圧電素子のバネ定数、Mは錘の質量)は、10Hz〜1000Hzに設定されている。
配管(2)内で漏水が発生すると、合成樹脂管(3)および合成樹脂継手(4)(5)には、振動音が生じる。これに伴って、合成樹脂継手(4)(5)に貼り付けられた検出器(6)の圧電素子(12)に付与される圧力が変動し、圧電素子(12)において、圧力変動が電荷信号に変換される。
実験的に口径75mmのポリ塩化ビニル製の配管(2)に台座(11)を固定し、そこから10m離れた地点においてポリ塩化ビニル製の合成樹脂管(3)を一定の力でハンマーを用いて叩いた。その時の波形(漏水音)の周波数スペクトルを図11に示す。1000Hzより低周波数側の周波数帯域において大きな信号が記録された。
比較として、圧電材料をジルコン酸チタン酸鉛とした場合の波形(漏水音)の周波数スペクトルを図12に示す。図12においては、図11で得られている合成樹脂管(3)の特徴的な振動である低周波領域の信号がほとんど拾えていないことが分かる。
すなわち、図2に示した漏洩検出器(6)によると、従来困難であったポリ塩化ビニル製のような合成樹脂管(3)の漏水による振動音に対して感度が高くなる。したがって、検出器(6)の設置スパンを長くとれるため、効率的な合成樹脂管(3)の漏水調査が可能となる。
図2において、圧電素子(12)は、全面が台座(11)に支持されているが、支持する方法はこれに限られるものではなく、以下に示すような実施形態とすることもできる。
漏洩検出器(6)の第2実施形態は、図3に示すように、鉄製の台座(21)と、台座(21)上に設置された圧電素子(22)と、下端部が台座(21)に固定されて上端部で圧電素子(22)を支持する支柱(23)と、圧電素子(22)の両面に銀ペーストを塗布して形成した上下1対の薄膜電極(24)(25)と、上側の薄膜電極(24)の上に積載された錘(26)とを備えている。支柱(23)と上側および下側の薄膜電極(24)(25)との間は絶縁されており、各薄膜電極(24)(25)にリード線(27)(28)が取り付けられている。リード線(27)(28)に、表示装置(8)としてのオシロスコープやデータロガー等が接続され、これにより、上側の薄膜電極(24)と下側の薄膜電極(25)との間の電位差が測定されて表示装置(8)に記録される。
この実施形態では、支柱(23)による圧電素子(22)の支持は、片持ち支持とされており、圧電素子(22)の一方の端部が支柱(23)の上端部に支持されており、錘(26)は、圧電素子(22)の他方の端部に積載されている。
圧電素子(22)は、高分子圧電材料であるポリフッ化ビニリデンの延伸フィルム(PVDFフィルム)によって形成されている。圧電素子(22)の片端が支持されていることで、バネ定数kは下記のように表される。
k=3EJ/L (J=bh/12)
E:圧電材料の弾性定数 J:断面2次モーメント L:長さ(図3の左右方向の寸法) b:幅(図3の紙面表裏方向の寸法) h:高さ(図3の上下方向の寸法)
圧電素子(22)と錘(26)からなる系の共振周波数fo=√(k/M)/2πは、10Hz〜1000Hzに設定されている。
この実施形態においても、リード線(27)(28)より電位差を測定することで、図11に示したのと同じように、合成樹脂管(3)の特徴的な振動である低周波領域の信号を計測することができた。
上記では一つの支柱に対して圧電素子を一つ固定した例を示したが、これに限定されず、一つの支柱に対して複数の圧電素子を固定し、それに応じた錘を備えるようにすることで、片持ち梁が複数個ある構成とすることもできる。
漏洩検出器(6)の第3実施形態は、図4に示すように、鉄製の台座(31)と、台座(31)上に設置された圧電素子(32)と、下端部が台座(31)に支持されて上端部で圧電素子(32)を支持する1対の支柱(33)(34)と、圧電素子(32)の両面に銀ペーストを塗布して形成した上下1対の薄膜電極(35)(36)と、上側の薄膜電極(35)の上に積載された錘(37)とを備えている。各支柱(33)(34)と上側および下側の薄膜電極(35)(36)との間は絶縁されており、各薄膜電極(35)(36)にリード線(38)(39)が取り付けられている。リード線(38)(39)に、表示装置(8)としてのオシロスコープやデータロガー等が接続され、これにより、上下1対の薄膜電極(35)(36)間の電位差が測定されて表示装置(8)に記録される。
この実施形態では、支柱(33)(34)による圧電素子(32)の支持は、両持ち支持とされており、圧電素子(32)の両方の端部が支柱(33)(34)の上端部に支持されており、錘(37)は、圧電素子(32)の中央部に積載されている。
圧電素子(32)は、ポリフッ化ビニリデンの延伸フィルム(PVDFフィルム)によって形成されている。圧電素子(32)の両端が支持されていることで、バネ定数kは下記のように表される。
k=192EJ/L(J=bh/12)
E:圧電材料の弾性定数 J:断面2次モーメント L:長さ(図4の左右方向の寸法) b:幅(図4の紙面表裏方向の寸法) h:高さ(図4の上下方向の寸法)
圧電素子(32)と錘(37)からなる系の共振周波数fo=√(k/M)/2πは、10Hz〜1000Hzに設定されている。
この実施形態においても、リード線(38)(39)より電位差を測定することで、図11に示したのと同じように、合成樹脂管(3)の特徴的な振動である低周波領域の信号を計測することができた。
上記第3実施形態の漏洩検出器(6)における圧電素子(32)および薄膜電極(35)(36)の形状は、特に限定されないが、図5に示すように支柱(33)(34)間の距離に対応する長さがこれに直交する幅に比べて長い長方形状とすることで、曲げ変形量を大きいものとすることができる。共振周波数を小さくしたい場合には、より細長い長方形状とすることで対応できる。図5には、第3実施形態に対応する図を示しているが、図3に示す第2実施形態の漏洩検出器(6)における圧電素子(22)および薄膜電極(24)(25)の形状についても、同様である。
図4および図5に示す第3実施形態では、長方形状の圧電素子(32)の支持位置と錘(37)の負荷位置との関係について、圧電素子(32)が両端部で支持されて(すなわち両持ち)、錘(37)の重量が圧電素子(32)の中央部に負荷されているが、圧電素子の中央部が支持されて、両端部に錘が負荷されているようにしてもよく、この場合には、圧電素子の支持は、片持ちが2つと見なすことができ、第2実施形態と同程度にバネ定数kを大きいものとすることができる。
また、図4および図5に示す第3実施形態では、長方形状の圧電素子(32)の両端部が支持されているが、圧電素子の形状を正方形または円形として、圧電素子(52)の(両端部ではなく)周縁部を支持して、錘(57)を圧電素子(52)の中央部に積載するようにしても、同様の効果を得ることができる。この実施形態を図6および図7に示す。
図6および図7において、漏洩検出器(6)の第4実施形態は、鉄製の台座(51)と、台座(51)上に設置された円形の圧電素子(52)と、下端部が台座(51)に固定されて上端部で圧電素子(52)を支持する円筒状の支柱(53)と、圧電素子(52)の両面に銀ペーストを塗布して形成した上下1対の薄膜電極(54)(55)と、上側の薄膜電極(54)の上に積載された錘(56)とを備えている。支柱(53)と上側および下側の薄膜電極(54)(55)との間は絶縁されており、各薄膜電極(54)(55)にリード線(57)(58)が取り付けられている。リード線(57)(58)に、表示装置(8)としてのオシロスコープやデータロガー等が接続され、これにより、上下1対の薄膜電極(54)(55)間の電位差が測定されて表示装置(8)に記録される。
この実施形態では、支柱(53)による圧電素子(52)の支持は、周縁部支持とされて、圧電素子(52)の周縁部(環状となっている)が支柱(53)の上端部に支持されている。また、錘(56)は、円形の圧電素子(52)の中心部分に積載されている。
圧電素子(52)は、ポリフッ化ビニリデンの延伸フィルム(PVDFフィルム)によって形成されている。圧電素子(52)の周縁部が支持されていることで、圧縮変形が小さくて、曲げ変形が大きいものとなっており、両持ち支持と同程度にバネ定数kを大きいものとすることができる。
図示省略するが、第4実施形態における圧電素子(52)の周縁部支持・中心部分に錘(56)の関係を逆にして、圧電素子(52)の中央部を円柱状の支柱で支持するとともに、圧電素子(52)の周縁部に環状の錘を積載するようにしてもよい。圧電素子(52)の中央部を円柱状の支柱で支持するとともに、圧電素子(52)の中央部支持・周縁部に錘とすることで、圧縮変形が小さくて、曲げ変形が大きいものとなり、両持ち支持と同程度にバネ定数kを大きいものとすることができる。
上記各実施形態では、圧電素子(12)(22)(32)(52)の上面に錘(15)(26)(37)(56)を積載することで負荷を与えるようにしているが、圧電素子の下面に錘を吊り下げるように固定して、圧電素子に負荷を与えるようにしてもよい。また、圧電素子(12)(22)(32)(52)を支柱(23)(33)(34)(53)の上端部で支持する形態に代えて、圧電素子を支柱の下端部で吊り下げるように支持してもよい。その例を図8から図10までに示す。
図8に示す第5実施形態の漏洩検出器(6)において、台座(61)は、底壁(61a)、頂壁(61b)および側壁(61c)を有する直方体の中空状とされており、頂壁(61b)に支柱(63)が垂下状に設けられている。圧電素子(62)は、図5に示した長方形状とされている。圧電素子(62)の両面には、銀ペーストを塗布することで上下1対の薄膜電極(64)(65)が形成されている。圧電素子(62)は、上側の薄膜電極(64)を介して、その中央部上面が支柱(63)の下端面に固定されている。錘(66)(67)は、直方体状のものが2つ使用されて、その上面が下側の薄膜電極(65)の両端部の下面にそれぞれ接着されている。支柱(63)の下端部と上側の薄膜電極(64)との間は絶縁されており、各薄膜電極(64)(65)にリード線(68)(69)が取り付けられている。リード線(68)(69)に、表示装置(8)としてのオシロスコープやデータロガー等が接続され、これにより、上下1対の薄膜電極(64)(65)間の電位差が測定されて表示装置(8)に記録される。
この実施形態(第5実施形態)は、圧電素子(62)の中央部を支持して、圧電素子(62)の両端部に錘(66)(67)を負荷するようになっており、第2〜第4実施形態と同様にバネ定数kを大きいものとすることができる。
なお、図8において、圧電素子(62)を円形状または方形状に変更するとともに、錘(66)(67)を円筒状または角筒状に変更した実施形態(図6および図7に示す第4実施形態と類似の実施形態)としてもよい。
図9には、片持ちの場合の変形例を示している。同図に示す第6実施形態の漏洩検出器(6)において、台座(71)は、底壁(71a)、頂壁(71b)および側壁(71c)を有する直方体の中空状とされており、頂壁(71b)の端部近くに支柱(73)が垂下状に設けられている。圧電素子(72)は、図5に示した長方形状とされている。圧電素子(72)の両面には、銀ペーストを塗布することで上下1対の薄膜電極(74)(75)が形成されている。圧電素子(72)は、片持ち、すなわち、一方の端部が上側の薄膜電極(74)を介して支柱(73)の下面に固定されて、他端が自由端とされている。錘(76)は、直方体状とされて、圧電素子(72)の他端部に積載されている。支柱(73)の下端部と上側の薄膜電極(74)との間は絶縁されており、各薄膜電極(74)(75)にリード線(77)(78)が取り付けられている。リード線(77)(78)に、表示装置(8)としてのオシロスコープやデータロガー等が接続され、これにより、上下1対の薄膜電極(74)(75)間の電位差が測定されて表示装置(8)に記録される。
この実施形態(第6実施形態)は、圧電素子(72)の一端部を支持して、圧電素子(72)の他端部に 錘(76)を負荷するようになっており、図3に示した第2実施形態と同様の特性を奏することができる。
図10には、片持ちの場合の別の変形例を示している。同図に示す第7実施形態の漏洩検出器(6)において、台座(81)は、底壁(81a)、頂壁(81b)および側壁(81c)(81d)を有する直方体の中空状とされている。そして、頂壁(81b)に支柱を設けるのではなく、いずれか1つの側壁(81d)を支柱として使用する構成とされて、圧電素子(82)は、図5に示した長方形状とされて、その一端部が側壁(支柱)(81d)に固定されている。
圧電素子(82)の両面には、銀ペーストを塗布することで上下1対の薄膜電極(84)(85)が形成されている。錘(86)は、直方体状とされて、その上面が下側の薄膜電極(86)の他方の端部の下面に接着されている。支柱とされた側壁(81d)と上下の薄膜電極(84)(85)との間は絶縁されており、各薄膜電極(84)(85)にリード線(87)(88)が取り付けられている。リード線(87)(88)に、表示装置(8)としてのオシロスコープやデータロガー等が接続され、これにより、上下1対の薄膜電極(84)(85)間の電位差が測定されて表示装置(8)に記録される。
この実施形態(第7実施形態)は、圧電素子(82)の一端部を支持して、圧電素子(82)の他端部に錘(86)を負荷するようになっており、図3に示した第2実施形態と同様の特性を奏することができる。
第2から第7までの実施形態によると、圧電素子(22)(32)(52)(62)(72)(82)は、その一部のみが台座(21)(31)(51)(61)(71)(81)に支持されており、錘(26)(37)(56)(66)(67)(76)(86)は、圧電素子(22)(32)(52)(62)(72)(82)の台座(21)(31)(51)(61)(71)(81)に支持されていない部分に負荷されており、曲げ変形を利用できることで、圧電素子(22)(32)(52)(62)(72)(82)に錘(26)(37)(56)(66)(67)(76)(86)を負荷した系の共振周波数を所望の小さな値に容易に設定することができ、この点で、第1実施形態の圧電素子(12)の全面が支持されて全面に錘(15)が負荷されている形態に比べて有利となっている。
上記漏洩検出器(6)は、水道の配管装置からの漏水を検出する用途の他、水道以外の各種配管内の漏水を検出する用途や、例えば工場内の薬液等の配管における薬液等の流体の漏洩を検出する用途などでも使用される。
(2) :配管
(3) :合成樹脂管
(6) :漏洩検出器
(11)(21)(31)(51)(61)(71)(81):台座
(12)(22)(32)(52)(62)(72)(82):圧電素子
(15)(26)(37)(56)(66)(67)(76)(86):錘
(23)(33)(34)(53)(63)(73)(81d) :支柱

Claims (7)

  1. 配管からの流体漏洩によって生じる振動音を検知する漏洩検出器であって、台座と、台座に支持されて振動音を電気信号に変換する圧電素子と、圧電素子に負荷された錘とを備えており、圧電素子が高分子圧電材料によって形成されていることを特徴とする漏洩検出器。
  2. 圧電素子は、その一部のみが台座に支持されており、錘は、圧電素子の台座に支持されていない部分に負荷されていることを特徴とする請求項1に記載の漏洩検出器。
  3. 圧電素子に錘を負荷した系における共振周波数が10Hz〜1000Hzの間に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の漏洩検出器。
  4. 台座上に圧電素子の一方の端部を支持する支柱が設けられて、圧電素子の一方の端部が支柱に支持されており、圧電素子の他方の端部に錘が負荷されている請求項1から3までのいずれかに記載の漏洩検出器。
  5. 台座上に圧電素子の両方の端部を支持する支柱が設けられて、圧電素子の各端部が対応する各支柱に支持されており、圧電素子の中央部に錘が負荷されている請求項1から3までのいずれかに記載の漏洩検出器。
  6. 台座上に圧電素子の周縁部を支持する支柱が設けられて、圧電素子の周縁部が支柱に支持されており、圧電素子の中央部に錘が負荷されている請求項1から3までのいずれかに記載の漏洩検出器。
  7. 台座上に圧電素子の中央部を支持する支柱が設けられて、圧電素子の中央部が支柱に支持されており、圧電素子の周縁部に錘が負荷されている請求項1から3までのいずれかに記載の漏洩検出器。
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