JP2014076502A - 精密切削加工具およびその製造方法 - Google Patents

精密切削加工具およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014076502A
JP2014076502A JP2012224548A JP2012224548A JP2014076502A JP 2014076502 A JP2014076502 A JP 2014076502A JP 2012224548 A JP2012224548 A JP 2012224548A JP 2012224548 A JP2012224548 A JP 2012224548A JP 2014076502 A JP2014076502 A JP 2014076502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
particle size
cutting tool
abrasive
abrasive grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012224548A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6066657B2 (ja
Inventor
Hiroshi Ishizuka
博 石塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINGIJUTSU KAIHATSU KK
Original Assignee
SHINGIJUTSU KAIHATSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHINGIJUTSU KAIHATSU KK filed Critical SHINGIJUTSU KAIHATSU KK
Priority to JP2012224548A priority Critical patent/JP6066657B2/ja
Publication of JP2014076502A publication Critical patent/JP2014076502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6066657B2 publication Critical patent/JP6066657B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】 研磨材粒子であって、粒径が比較的大きいにもかかわらず、粒径のばらつきが従来よりも少ない研磨材粒子を用いた精密切削工具。
【解決手段】 多角形形状の孔を板材に開けた板篩を用いて、研磨材粒子を粒度選別することにより得た、精密切削工具のブレード厚さよりもわずかに大きい粒径を有する、粒径ばらつきがきわめて少ない研磨材粒子をブレードに埋め込んだ、精密切削工具。
【選択図】 図6

Description

本発明は、例えばサファイア等のきわめて硬い、硬脆材料基板の溝加工、切断等に用いて効果的な精密切削加工具およびその製造方法に関する。
半導体基板等のダイシング加工、切断等には、従来、ダイヤモンド砥粒を電鋳により固めて保持した電鋳ブレード、メタル基材中に孔をあけて砥粒を挿入固定したブレード等を有する工具が使用されている。
このようなブレードを有する切削加工工具による、サファイア、水晶、リチウムタンタレート等の、硬脆材料基板の精密切削加工においては、チッピングと呼ばれるクラックが、基板表面に発生することが知られている。
特開2010−5778号公報 特開2011−251351号公報 特開2011−25375号公報 特開2009−184058号公報
JIS B4130:1998「ダイヤモンド/CBN工具−ダイヤモンド又はCBNと(砥)粒の粒度」 JIS Z8801−1:2000「金属製網ふるい」 JIS Z8801−3:2000「電成ふるい」
特許文献1には、硬脆材料を精密切断するに際し、砥粒をニッケル等の金属メッキ層によって保持し、フッ素系樹脂のフィラーを金属メッキ層中に分散することで、刃厚が極小さくても機械的剛性を維持しつつ、摩耗、磨滅した砥粒が円滑に脱落して適度な砥粒の自生発刃を促す(段落番号0020)ことができ、基板にカギ状チッピングが生じるのを防ぐことが可能な電鋳ブレードが開示されている。
特許文献2には、金属材料をベースとして、超砥粒を分散させてなるメタル基材と、該メタル基材の外周縁部に形成された切刃と、を有し、前記メタル基材が軸回りに回転されるとともに、前記切刃で被切断材を切断加工する薄刃ブレードであって、前記メタル基材に、前記軸方向に貫通する貫通孔および前記軸方向に沿って形成された凹部の少なくともいずれかが放射状または格子状に形成されるとともに、前記貫通孔または前記凹部には、前記メタル基材よりも軟質の材料で形成された軟質部材が配置され(段落番号0006)ており、軟質部材軸方向両端に配された砥粒29はメタル基材中の砥粒21よりも大きく、また該軟質材料は樹脂材料とそれに混入したフィラーを有する(段落番号0014)ものが開示されている。
特許文献3には、半導体ウエハー、CSP基板、サファイアウエハー、石英基板等を切断する電鋳ブレードであって、(1)砥粒がメッキ層によって固定されてなる砥石部を有する電鋳ブレードであって、該砥粒の粒径がブレード厚み寸法とほぼ同じで、砥粒間距離が0.5〜3mmの範囲でブレード外径方向に二次元的規則性を有して配置され、(2)メッキ層に、ブレード厚み寸法の1/3以下の補助粒径の砥粒を1種以上含み、(3)砥粒が、ダイヤモンド砥粒、CBN砥粒、GC(緑色炭化ケイ素)砥粒、WA(白色アルミナ)砥粒のいずれかである(段落番号0010)ものが開示されている。
特許文献4には、ブレード側面部の砥粒の脱落によるブレード幅やせを防ぎ、(段落番号0004)、ダイシング加工時の冷却ガスによる砥粒ボンド相の浸食による脱落を防ぐ(段落番号0007)、酸化膜層で砥粒のブレードからの脱落を抑えた、薄刃ブレードが開示されている。
上記のようなブレードに用いるダイヤモンド砥粒やCBN砥粒等の研磨材は、従来、硬質物質の塊または粗粒子を制御された負荷のもとに破砕して製造されることが多く、破砕されたままの粒子集合体は幅広い粒度の集まりであるから、一定の粒度区分ごとに粒度分けされる。ダイヤモンド工具及びCBN工具用のダイヤモンド又はCBN砥粒については、従来、ほぼ41〜1180μmの粒径を持つ砥粒の粒度の測定法がJIS B4130として標準化されている。
JISに則った測定は、規定された条件下で、砥粒(研磨材粒子)を公称目開きの異なる4枚一組の篩で篩分けを行い、各篩を通過した割合と留まった割合とが条件を満たしたとき、2枚目と3枚目の公称目開き、或いは2枚目の公称目開きに基づいて砥粒の粒度が表示されるものである。使用する篩は、1180〜425μmの粒度(粒度16/18〜30/40)については網ふるいが、455〜41μmの粒度(粒度40/50〜325/400)については電成篩の使用が規定されている。どちらも規定された大きさの正方形開口乃至目開きを有し、網ふるいは金属線(ワイヤ)を格子状に編んで、電成篩は電鋳によって形成された篩である。
篩分け操作は、上記の4枚一組の篩の、目開きの小さいものから順に受け皿の上に積み重ね、最上部の1段目の篩に試料を入れ、規定の篩分け機で規定の時間だけ篩分け動作を行うというものである。その結果、粒度は、各篩の上に残っている試料の質量がどれだけあるかを、判定基準と比較して決定するという、操作的定義によってなされている。
なお、ダイヤモンドおよび立方晶窒化ホウ素の粒度は、JIS B4130による定義では、粒度の数字が大きいほど粒の寸法は小さく、たとえば♯230/270は、JISの規定により、以下に詳説するように、目開きが75μmの電成篩を概ね通過し57μmの電成篩を概ね通過しない、というような粒の大きさの分布を持つことを意味する。
切削工程において作業効率及び経済性の観点からは、より大粒の砥粒の使用が望ましいが、従来の標準的な砥粒では粒径のばらつきが大きく、大粒の砥粒ではこの傾向が大きくなる。電着ブレードの製作に粒径のばらついた砥粒を用いてブレードの側面への突出し量の大きい砥粒が存在すると、特にシリコンなど硬くて脆い被切削材を対象とする精密切削においては、被切削材のひび割れ(チッピング)の原因となるので、極力避けなければならない。このため砥粒としてより細かい粒度のものが使用される傾向にあり、作業効率や工具寿命の向上した工具の開発が望まれていた。
上記各特許文献に開示された、精密切削加工用のブレードにおいても、チッピングの問題及び工具寿命向上という課題の両者に解決策を与えるものではない。すなわち特許文献1及び2のタイプのブレードでは、ダイヤモンドや超砥粒からなる砥粒を電気めっき金属相で固定した電鋳ブレードが記載されているが、どちらも使用砥粒はブレード厚みに比べて相当に小さい砥粒のみが用いられている。このようなブレードにおいて切削作業に携わり磨滅した砥粒は増加する切削抵抗に抗しきれずに金属相から脱落し、かつ金属相がすり減り、下層に配置されている砥粒が表面に露出して切削作業が継続される。小さな砥粒を使用するブレードではこの砥粒の交代が速く進行するので工具の寿命は必ずしも満足できるものではなかった。
また、これらの複数砥粒が分布するものは、ブレード側面からの砥粒突出の程度にばらつきが大きく、チッピングが生じがちであった。
特許文献3のタイプのブレードは、ブレード厚みと同じ程度の粒径の砥粒を用いるために、ブレードの切削効率は比較的高く、耐久性も高いが、砥粒の大きさのばらつきが、JIS B4130の程度であるため、やはり側面への突出にばらつきが大きく、チッピングが生じがちであった。
前記JIS B4130によれば、粒度♯30/40より寸法の大きな砥粒、すなわち、4段目篩の公称目開きが300μmである篩の組の判定基準に合致する寸法以上の寸法の砥粒の粒度判定には、網篩を使用することになっており、そもそも砥粒の形状は完全な球形ではなくさまざまなため、篩の目と砥粒の形状および姿勢との関係で通過できるかどうかが決まり、偶々砥粒が目開きを通過することのできる姿勢となったときに篩を通過する。本発明者は、このようにして得られた、粒度♯30/40より寸法の大きな砥粒では、電着砥石やビトリファイド砥石等の研磨工具に適用しようとする場合、砥粒の寸法のばらつきが大きいため、ツルーイングが必要になるなど、研削精度等の性能に関して十分に満足できるダイヤモンド砥粒は得られないとの知見を得た。そして本発明者はさらに検討する中で、粒度♯30/40より寸法の大きな砥粒では、研磨工具への使用のために更なる加工を要さない程度に粒度にばらつきのないダイヤモンド砥粒等の研磨材粒子はこれまで知られておらず、またそのような研磨材粒子を得る手段も知られていない、との認識を得るに至った。また、粒度30/40より小さい砥粒の場合も、JIS B4130によれば、砥粒の粒度が、粒度325/400すなわち篩孔の目開きが41μmより大きいものについては、孔形状が正方形である電成篩を使用することになっており、やはりばらつきは大きいものであった。
篩分け操作において組み合わされる目開き寸法は、寸法差の小さな「ナローレンジ」の場合でも前記JIS B4130において規定された最大の粒径16/18については1180−1000=180、最小の325/400についても45−38=7μmもの差が存在する。従って篩による分級操作が適切に実施され、単一の公称値で表示される砥粒であっても、網目を通過する際の姿勢を考慮すると、実際の粒子間には180〜7μmを超える粒度差を有する粒子が少なからず混在することになる。
このような粒度差変動の大きな砥粒を上記精密切削工具の刃部に用いると、被加工物に対向する砥粒の先端位置は一様ではなくなり、被加工物に最も近い一部の砥粒のみが被加工物に係り合い表面の研磨を行うことになるので、これら一部の砥粒に過度の負担が掛かりやすく、その結果砥粒が早期に破砕し、さらには工具寿命の縮減を来すこととなる。また、そのような突出により、チッピングも発生する。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、精密切削工具を、チッピングの発生をより少なくしたうえで、従来より長寿命で切削効率の高いものとすることにある。
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、従来、JISにおいては、寸法の大き目の砥粒の粒度検定に使用している網篩は、直交した金属線による網が篩として用いられ、寸法の小さめの砥粒の粒度検定に使用している板篩は、四角形の孔が設けられた電成篩が用いられているところ、この網篩または四角孔電成篩を砥粒が通過するかしないかは、例えば単なる金属板に丸孔をあけた板篩に比べ、たとえ網篩または電成篩の寸法が正確で誤差が無いものであっても、砥粒が通過するか阻止されるかは、簡単には定まらず、これは篩を構成している網または電成篩板の開口部の立体形状に依存すること、また篩分けを行う篩の組の、篩と篩との間の開口寸法の関係の如何に依存することに着目した。そしてさらに研究を進めた結果、篩を、板篩とし、その開口形状を、円形またはより円に近い多角形とすることによって、粒径が10μmよりも大きな砥粒において、従来技術では決して得ることのできない粒度変動の小さい研磨材粒子を得ることができて、そのような研磨材粒子のうち、粒径が刃部厚みよりわずかに大きいもののみ揃えたものを、刃部に形成した貫通孔に挿入する、または刃部に埋め込み形成する、という特別な構造の刃部を備えた精密切削工具とすることによって、本発明を完成するに至った。本発明で用いる砥粒の粒径は、JIS粒度♯325/400よりも、さらに小さい粒径も含まれ、大きい粒径としては数百μmのものも含まれるものである。
すなわち、本発明は、
[1]円形または5個以上の頂点を持つ正多角形の貫通孔を複数個有する篩板によって、篩分けにより整粒した、ブレード厚みよりも大きい粒度値の研磨材粒子を、ブレードの厚み方向に貫通する孔に挿入した、または電成ブレードに埋め込んだ、精密切削工具。
[2]研磨材粒子が、整粒により限定された範囲内の粒度を持ち、粒度区分ごとの成分割合が該範囲内の限定された部分において最大値を示し、平均粒径D50が10μm以上であり、かつ、粒度分布における累積頻度50%点P50における粒度値D50と、95%点P95と5%点P05とにおける粒度値の差(D95−D05)との比(D95−D05)/D50が、0.2以下である、[1]に記載の精密切削工具。
[3]研磨材粒子が、ダイヤモンドまたは立方晶窒化ホウ素砥粒である、[1]または[2]に記載の精密切削工具。
[4]円板又は円環状の基板の外周又は内周に沿って一定幅の刃部を有し基板中心を回転軸とする回転工具の刃部において、基板中心を中心とする1又は複数の円周上に刃部厚みよりも大きい粒径の研磨材粒子が少なくとも一つは存在する、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の精密切削工具。
[5]ブレード基材がステンレス系各種鋼材、ステンレス、銅、ニッケル、またはこれらの合金、または、これらの組み合わせである材料からなる、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の精密切削工具。
[6]研磨材粒子の表面にチタン、クロム、ジルコニウム、モリブデン、タンタルまたはタングステン、またはこれらの組み合わせからなる被覆層を有する研磨材粒子を、刃部の孔内に挿入固着、または埋め込み形成した、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の精密切削工具。
[7]工具基板の外周または内周に刃部を有する回転式の切削工具であるか、またはバンドソー式である、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の精密切削工具。
[8]円形または5個以上の頂点を持つ正多角形の貫通孔を複数個有する篩板によって、篩分けにより整粒した、ブレード厚みよりも大きい粒度値の研磨材粒子を、ブレードの厚み方向に貫通する孔に挿入する、または埋め込み形成する、精密切削工具を製造する方法。
[9]研磨材粒子が、整粒により限定された範囲内の粒度を持ち、粒度区分ごとの成分割合が該範囲内の限定された部分において最大値を示し、平均粒径D50が10μm以上であり、かつ、粒度分布における累積頻度50%点P50における粒度値D50と、95%点P95と5%点P05とにおける粒度値の差(D95−D05)との比(D95−D05)/D50が、0.2以下である、[8]に記載の方法。
[10]研磨材粒子の表面をチタン、クロム、ジルコニウム、モリブデン、タンタルまたはタングステン、またはこれらの組み合わせからなる被覆を施した砥粒を、ブレードの孔内に挿入固着、または埋め込み形成する、[8]または[9]の方法、に関する。
本願における「粒度」とは、ダイヤモンド砥粒のような本来形状が複雑な三次元構造を持つ一粒の寸法を単純な定義では表現できない粒状体について、平面上に拡大投影された断面において機械的又は手動操作により計測又は評価された、最大長方向とこれに直交する2方向の測定量(長さ)の平均値を言う。(複雑かつ不規則な粒子の「寸法の尺度」として、従来、例えば「球相当径」というものを「粒径」とする手法がある。これは、「ある測定原理で、特定の粒子を測定した場合、同じ結果(測定量またはパターン)を示す球体の直径をもって、その被測定粒子の「粒径」とする」というものである。一例として、「沈降法」では、被測定粒子と同じ物質の直径1μmの球とおなじ沈降速度をもった被測定粒子の「粒径」を、粒径は1μmである、としている。別例として、「レーザー回折・散乱法」では、直径1μmの球と同じ回折・散乱光のパターンを示す被測定粒子の「粒径」を、被測定粒子の形状に関わらず、粒径は1μmである、としている。
すなわち、測定原理が異なれば、粒子の寸法の尺度たる「粒径」も意味が異なるものとなる。
したがって、粒の集合体についての寸法指標である「粒度」は、いかなる粒状物についての「粒度」であるのかの特定がまず必要であり、また、寸法の尺度たる「粒径」が測定原理により異なるのであるから、「粒度」をどのようにして決定するのかについての特定も必ず必要である。
そのために、JIS B4130に規定する「粒度」は、ダイヤモンドおよび立方晶窒化ホウ素の砥粒についてのものであり、4段篩を用いて「粒度」を決定する、と特定しているのである。)
本願においては、「粒径」の用語を、被測定粒子の寸法を表す指標として用い、粒径測定の原理としては、画像処理に基づく二軸平均径測定による。よってこの発明おける各%点値は粒径測定による、例えば中間値粒径が50μmである粒子群の寸法、ということである。
本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子において、個々の粒子の大きさ乃至粒度の評価は、基本的に二軸平均径により行う。二軸平均径の定義は粉体工業の分野ではよく知られているが、評価の手法は様々であり、被測定物の種類やサイズに応じて適切なものが選ばれている。本発明において評価手法自体は重要でなく、一つの測定を通じて一貫性が保たれれば充分である。
本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子は集合体として分布上において成分粒子の累積頻度を表す5%点、50%点及び95%点によって特徴づけられ、定義される。
図4に、二軸平均径測定法による、ある粒子群の粒径測定結果に基づく説明図を示す。横軸は粒子の粒径、縦軸は成分粒子における当該粒径を持つ粒子の頻度(この粒径区分に入るのは全体の何%か)、したがって曲線の下側の面積は、細かい粒子側から当該粒径までの累積頻度(この寸法よりも小さい粒子は全体の何%か)を表す。
本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子は、粒度分布における累積頻度50%点P50における値D50が10μm以上であり、かつD50に対する95%点P95と5%点Pとにおける粒度の差(D95−D05)、即ち成分粒子の小さい方から5%目の粒子から95%目の粒子までの、90%の粒子の粒径の変動が上記D50の0.2倍(20%)以下、ということである。
ここでは、本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の分布曲線(分布2)が従来の篩い分けで得られる粒子の分布曲線(分布1)と対比されている。本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の分布においてはD50値のピークが従来の粒子の分布よりも急峻で裾野が狭く、D50付近の頻度が高くなっているのが理解される。
本発明の精密切削工具が使用する砥粒の分布(分布2)は、図5に示される、本発明において実際に抽出された充分な個数のサンプル粒子の粒度(粒径)について、50%点P50における値、算出された標準偏差に基づいて正規分布を想定して曲線を描いている。この分布2において5%点P05における粒度D05及び95%点P95における粒度D95が決定される。
このようにして得られた、従来の砥粒に比較して、非常に粒径変動の少ない砥粒を用いて、寸法のばらつきの極めて少ない、工具の刃部厚みよりもわずかに大きい粒径の砥粒のみを選別し、精密切削工具の刃部に孔をあけて、その孔一つの中に、一粒ずつ挿入し、固定する、または電成ブレードに埋め込み形成することによって、結晶一粒のエッジが、ブレードの両側面に突出した構造の精密切削工具が得られる。
この工具は、刃部側面から突出したエッジが、寸法ばらつきの極めて少ない砥粒のエッジであるため、従来のブレードに比較して、突出量のばらつきがきわめて少ないものである。
本明細書において、工具の「刃部」および「基板」とは、切削をおこなう部分を「刃部」、刃部を支持し駆動装置へ取り付けるための、工具の残りの部分を「基板」ということとする。ブレード工具の場合、外周刃タイプでは円板状の基部の外周上に、および/またはその外側に隣接して刃部があり、内周刃タイプでは、円環状の基部の内周に沿って刃部がある。また、バンドソー等の非回転型ブレードの場合にも、切削作用を行う部分を「刃部」、刃部を支持し駆動装置への取り付け等を行う、工具の基部となる部分を「基板」ということとする。「刃部」と「基板」とが、同一材質の場合は、切削作用のある部分を「刃部」その他の部分を「基板」ということとする。
本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子は、刃部厚みが10〜15μmという精密切削工具においても比較的大きな平均粒径でありながら粒径のばらつきが格段に小さいため、本発明の精密切削工具は、チッピングの発生が著しく少ない。また、寸法ばらつきが小さいため、刃部側面による加工精度が高い。
さらに、結晶が大きくて強固に刃部に固定されるので、刃部の摩耗の程度も抑えられ、切削効率が良いにもかかわらず工具の寿命が長い。
すなわち、本発明の精密切削工具による効果は、より大粒な砥粒の使用による研磨効率の高さと、この大粒の粒子が孔に挿入されている、または埋め込み形成されているという構成による粒子脱落の少なさ、それによる長寿命、が得られるにもかかわらず、粒径ばらつきがきわめて小さいことにより、チッピングの発生も抑制され、切削加工後の被加工対象の加工面の精度も高く、仕上げ加工が必要ないことなどである。
図1は、本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の精密篩分けに使用する篩の孔の一例の図である。 図2は、本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の精密篩分けに使用する篩の孔の別の例の図である。 図3は、本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の精密篩分けの工程の一例を示す説明図である。 図4は、本願発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の寸法分布と、JIS B4130による研磨材粒子の寸法分布の比較図である。 図5は、本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の実測値を示す図である。 図6は、本発明の精密切削工具ブレードの一実施例の、研磨材粒子が粒子孔内に位置した状態のブレード周縁部断面図である。 図7は、本発明の精密切削工具ブレードの平面図である。 図8は、本発明の精密切削工具のブレードにおける研磨材粒子孔の配置を説明する平面図である。 図9は、図6と同様のブレードの、電着を片側面を基準面としておこなったものの断面図である。 図10は、本発明のバンドソーの砥粒配置を示す平面図である。 図11は、本発明の精密切削工具の他の実施例を示す図である。 図12は、図11のもののA−A断面図である。 図13は、従来技術の内周刃タイプのブレードを示す図である。 図14は、本発明の内周刃タイプのブレードの一例を示す図である。
本発明の研磨材粒子は、粒度分布における累積頻度50%点P50における値D50が10μm以上であり、かつD50に対する95%点P95と5%点Pとにおける粒度の差(D95−D05)、が上記D50の0.2倍(20%)以下である。
〔実施例1〕
本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子は、精密篩分けにより得られるものであり、精密篩分けは、例えばレーザーによって篩に用いる薄板に孔を開け、そのようにして作成した孔あき薄板を、砥粒の篩分け用の篩として用い、さらに、篩分けに用いる複数段の篩の、篩の公称目開きが、各段間で従来のJISにおけるものよりも小さいものとすることにより、篩分け精度の高い精密篩分けを行うものである。
円形孔の場合は、ドリル等の機械加工により形成することも可能である。
図1は、レーザー加工により開けた、本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子を篩分けする篩の網目形状の例であり、425〜450μm程度より大きな砥粒の篩分けにおいては、JIS規格において用いていた網篩に替えて、また、450μm程度以下の粒径の砥粒の篩分けにおいては、JIS規格において用いていた四角形の孔(目開き)を有する電成篩に替えて用いるものである。
ピッチ、即ち整列形成されている目開き群の隣接目開き間隔は篩い分け操作の効率には関係するが、本発明の主目的である篩い分け精度には本質的に影響しないので、任意に設定することができる。この点において、JIS規格における四角形目開きの辺寸法の1.05〜1.4倍とするのが簡便であるが、多角形孔最大さしわたし(外接円直径)の1.05〜1.4倍、或いはそれ以上でも精度に関しては特に支障なく利用できる。
本願の精密切削工具が使用する研磨材粒子の精密篩分け用の篩は、上記篩に関するJIS規格に示される網篩や電成篩における四角形の開口よりも、砥粒が通過する部分のさしわたし長さの範囲を小さくすべく、板に開口した円形または正多角形の開口を有する板篩を使用する。この篩を用いることにより、篩分けられた砥粒の粒径は、同等の四角形の開口を有する従来の篩で篩分けされたものよりも、格段に粒径が揃ったものとなる。
さらに、上記砥粒粒度に関するJIS規格が規定するナローレンジの篩を用いる4枚篩による選別よりも、格段に段間の篩目開き寸法の差が小さな篩の組を用いて選別を行う場合には、得られる砥粒間の粒径は、さらにばらつきが小さくなる。
図3に篩い分け手順を示す。本願発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の精密篩い分けに用いる篩の組(A、B)は、従来ナローレンジとして規定されている目開きスケール上の隣接する二つの段階をさらに細かく分けた、再分割目開き寸法をもつ大小の一対の篩を使用して行う。目開きの寸法は、既存の目開き寸法を基準とするときは、目開き寸法差が20μm(#150)より小さい場合には二つの寸法の比の2乗根の比、それよりも大きい場合には2〜4、特に2〜3乗根の比の大(A)小(B)一対の目開きを持つ篩を組み合わせて使用する。
本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の篩は粗大粒子の阻止機能が確実なので、必要な範囲を規定する一組の篩の使用を基本とするが、さらに必要に応じてそれ以上の篩を組み合わせて使用することも可能である。
篩の目開き寸法の表示は外(内)接円半径、辺長、対向辺間距離(偶数辺多角形=四、六、八角形等の場合)で表示することができる。このうち内接円半径乃至対向辺間距離が四角形目開きを持つ従来の金網篩や電成篩と対応するが、多角形目開きの篩は、断面形状から明らかなように、対応する辺間距離の四角形篩に比べて囲う面積が小さいので、不規則な形状の粒子に対しては、従来の四角い目開きの篩に比べて、より大きい粒子を通しにくい。断面形状が目開きの形状に近い粒子は、目開き寸法に近い粒子まで目開きを通過することが考えられる。即ち大きい目開きの篩で粗大粒子が除かれる一方、小さい目開きの篩に確実に保持される効果が得られる。
使用する目開きの形状は篩い分けされる粒子の形状に応じて、また入手可能性を基に考慮して選択する。
例えば、従来の篩分け操作においては約170μmの粒径の砥粒としては、この粒径の両側の目開き寸法を有するNo. 80/100の2段階の篩で篩い分けされた粒子が使用されるが、本発明においては小さい側の目開き寸法として170〜175μm、大きい側として185〜190μmのものを一組利用することで実施できる。
目開きの形状は篩分けされる粒子の外形に応じて選ぶことにより、精度をさらに上げることができる。例えば結晶面の発達したダイヤモンド粒子については六面体と八面体との複合が多く表れるので、八角形又は六角形の目開きが好適である。なお五角形や七角形の奇数辺多角形も可能ではあるが、実用的な効果の点では偶数角形の方が好ましい。
前者を通過し、後者を通過しなかった砥粒のみを選別することによって、四角形の目開きを持つ網篩や電成篩では達成できなかった、ばらつきの少ない精密な粒径を持つ比較的大きい砥粒を得る。
本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子を得るための方法においては、精密篩分けのための、円形または正多角形の孔を有する板篩を用いるが、この板篩の孔は、レーザー加工により作成することが好ましい。レーザー加工により作成する孔であるため、孔形状のばらつきはレーザー加工精度により決定されることとなり、非常に精度が高くなる。したがって、単独の篩による篩分け精度も、従来の網篩よりも格段に高くなる。更に、複数の精密篩を組み合わせる際に、従来の篩分けよりも孔寸法の差が小さい篩の組を使用するため、篩分けの精度が従来よりも格段に向上する。
本発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子は、従来板篩を使用しないほどの大粒の砥粒の選別に、レーザー加工した板篩を使用することによって得られた、従来無かった、粒径の揃った大粒の砥粒である。
本願発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の研磨材粒子のばらつきの少なさは、従来のJIS B4130に規定する、網篩または電製篩では、孔の形状が四角形であるため決して達成できず、円形または5個以上の頂点を持つ多角形貫通孔を複数有する篩板によって篩分けをすることによって、達成できたのである。
図5に示される結果となった例では、厚さ0.1mmのモリブデン薄板に、八角形の孔をレーザー加工により開口した薄板篩を用いた。
図4の理論値の基礎となった、本願発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子と、JIS B4130による研磨材粒子の、図5に示す実測値の比較から、本願発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子のばらつきの少なさが明瞭に理解される。
JIS B4130によれば、粒度80/100という粒度分布の砥粒は、197μmの目開きの篩に10%以上が留まらず、151μmの目開きの篩を10%以上通過してはならない、と規定されている。これを図で表現すれば、図4における外側の縦線のさらに外側にある粒子の割合が、20%まで許容される、なだらかなピークとなる。
これに対して、本願発明のものは、49μm以上の平均粒径D50を有するこの砥粒の例のように、平均粒径D50の上下45%の成分粒子は、平均粒径D50の0.2倍の粒径範囲に入ってしまう、すなわち図4における鋭いピークとなる。
従来の砥粒篩分けによる粒度選別による調粒では、選別能力が低い、孔形状が四角形となる網篩や電成篩を使用し、さらに複数段の篩を組み合わせる際の篩間の孔寸法の開きが大きいため、本願発明の精密切削工具が使用する研磨材粒子の有する、粒径のばらつきがきわめて小さい砥粒を得るのは不可能であった。また、従来、そのような粒径のばらつきがきわめて小さい砥粒を得ることについて、必要性を唱えられたことが無く、従って、そのような砥粒を得るための方法についても、従来、知られていなかったものである。
篩の孔加工は、レーザー加工を例示したが、孔の精度が得られる限り、いかなる工法によってもよい。また、孔の形状は、円形が最も高精度となるが、偶数辺多角形、特に正八角形や六角形でも円形に次ぐ精度が得られる。七角形や、五角形の目開きは断面形状の対称性が低いので過大粒子の阻止効果は大きくなるが、粒子の処理効率は低くなる。目開き形状は、加工の便宜との兼ね合いで定めればよい。単位面積あたりの通過量の多寡を考慮すれば、ハチの巣状の六角形の孔が全面に設けられた板篩が最も効率的である。
図6に示すように、上記のようにして得られた、きわめて寸法ばらつきの少ない砥粒1であって、粒径が、切削工具の刃部厚みと同等ないしわずかに大きいものを、刃部4を貫通して開口した孔2に挿入固定して、ブレード側面3よりもわずかに突出した切削エッジを有する外周刃ブレードが得られる。
この孔2の中心軸は、工具が回転式の切削工具である場合、回転軸に平行であることが好ましく、切削工具がダイシングソーである場合は、ソーの面に垂直であるのが好ましい。
また、図9に、図6のものと同様の外周刃型工具の刃部であって、図の左側を基準面として電鋳により形成した例の断面を示す。
また、ブレード基材は、図6に記載されているような、電鋳により形成し、砥粒1よりも粒径の小さい細粒の砥粒が基材中に埋め込まれているものでも、細粒の無いものでもよく、砥粒1も、孔に挿入してから固定するもののみならず、砥粒1の寸法のものを電鋳により固めてブレードを形成してもよい。
切削工具において、切削動作や溝掘り動作を行う部分は工具の内外周や周縁であるから、外周刃型の工具では、例えば図7に示すように外周縁部7であり、外周縁部に1または複数の砥粒が必ず突出するように、砥粒収容孔2の、軸に垂直な平面図における配置は、ブレードが徐々に摩耗していった場合も、常に砥粒のいずれかが切削表面に露出しているように配置されるのが好ましい。
具体的には図8に示すように、外周刃型切削工具の回転軸を中心とした円6を描いた場合、工具の切削動作をおこなう外周縁部から一定範囲の間は、いかなる半径の円6を描いても砥粒収容孔2と交差するように、孔2またはブレード厚より大きい砥粒1が配置されていることにより、摩耗の進行に伴い、必ずいずれかの砥粒が切削動作部に露出するようになっている。
そのための孔2または大きい砥粒1の配置は、格子状、スパイラル状または放射状等が考えられるが、被切削物の共振を避けるために、あえて不規則間隔で並ぶように配置してもよい。
図6〜8においては、回転式の外周刃型工具の図を用いて説明したが、インゴット切断刃等において周知の内周刃ソーのように、図13に示すような、内周刃にて切削をおこなう円環状工具も、本願発明の精密切削工具に含まれる。内周刃ブレードは、例えば、薄い(例えば、0.1mm程度)円環状のブレードで高張力鋼の基板を外周から引っ張って強度を持たせて高速回転させ、中心の孔内に置かれた被加工材を内周につけた刃で切断するものである。図13に内周刃ブレードの従来のもの、および図14に本願発明の一例である、大粒砥粒を埋め込んだ内周刃ブレードの例を示す。
本願発明の精密切削工具は、図10にバンドソーの切削縁部近傍を示すような、バンドソーの形式でもよい。バンドソーの場合も、刃部の摩耗により作用縁が移動した場合でも、常に砥粒が表面に露出するような孔2の配置とすることが好ましい。
図11に、本願発明の他の実施例を、図12にその断面図を示す。この実施例では、外周刃工具において、基板の外周上に、電着によってより細かい砥粒を含む刃部を形成し、さらにこの刃部に、砥粒電着層および基板を貫通してより大粒の砥粒が分布されている。大粒砥粒は前記各実施例と同様に砥粒電着層、さらに基板を貫通して砥粒収容孔を形成し、金属被覆された、または未被覆の砥粒を配置し電着により固定して形成することが可能で、この場合も工具寿命の向上が達成されるほか、工具寸法に対して刃部の形成部が小さくて済む、電着部分のみを再形成することも可能となる、などの利点がある。
図12に示すような刃部断面を有する構造、すなわち、基板の表面に電着によってより細かい砥粒を含む刃部を形成し、さらにこの刃部に、砥粒電着層および基板を貫通してより大粒の砥粒が分布されているという刃部の構造は、内周刃型のものやバンドソー型のものに採用しても良い。
砥粒収容孔2への砥粒1の固着には、各種の方法があるが、たとえば、砥粒にチタン、クロム、ジルコニウム、モリブデン、タンタルまたはタングステン、またはこれらの組み合わせからなる予め被覆を施した粒子を収容孔2に入れて固着させる、電鋳により埋め込み形成する、などの手法によっても良い。
ブレード本体を構成する基材としては、各種鋼材、アルミニウム、ステンレス、銅等の金属材料でもよく、電鋳により形成されたものでもよい。
砥粒収容孔2をブレード基材に開口するための方法としては、機械加工の他にレーザービーム加工等を用いることができる。
なお、図7、8、11、13、14の基板の孔は、駆動部等への取り付け用の孔である。
1:研磨材粒子
2:研磨材粒子孔
3:ブレード側面
4:精密切削工具
5:ソー側面
6:ソー刃部エッジ
7:外周刃部エッジ
8:外周刃ブレード基板
9:刃部
10:内周刃ブレード基板
11:内周刃部エッジ

Claims (10)

  1. 円形または5個以上の頂点を持つ正多角形の貫通孔を複数個有する篩板によって、篩分けにより整粒した、刃部厚みよりも大きい粒度値の研磨材粒子を、刃部の厚み方向に貫通する孔に挿入した、または電成ブレードに埋め込んだ、精密切削工具。
  2. 研磨材粒子が、整粒により限定された範囲内の粒度を持ち、粒度区分ごとの成分割合が該範囲内の限定された部分において最大値を示し、平均粒径D50が10μm以上であり、かつ、粒度分布における累積頻度50%点P50における粒度値D50と、95%点P95と5%点P05とにおける粒度値の差(D95−D05)との比(D95−D05)/D50が、0.2以下である、請求項1に記載の精密切削工具。
  3. 研磨材粒子が、ダイヤモンドまたは立方晶窒化ホウ素砥粒である、請求項1または2に記載の精密切削工具。
  4. 円板又は円環状の基板の外周又は内周に沿って一定幅の刃部を有し基板中心を回転軸とする回転工具の刃部において、基板中心を中心とする1又は複数の円周上に刃部厚みよりも大きい粒径の研磨材粒子が、ブレード軸を中心とした、ブレード外縁からの一定範囲を通過する円周上に少なくとも一つは存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の精密切削工具。
  5. ブレード基材が各種鋼、銅、ニッケル、またはこれらの合金、または、これらの組み合わせである材料からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の精密切削工具。
  6. 研磨材粒子の表面にチタン、クロム、ジルコニウム、モリブデン、タンタルまたはタングステン、またはこれらの組み合わせからなる被覆層を有する研磨剤粒子を、刃部の孔内に挿入固着、または埋め込み形成した、請求項1〜5のいずれか一項に記載の精密切削工具。
  7. 工具基板の外周または内周に刃部を有する回転式の切削工具であるか、またはバンドソー式である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の精密切削工具。
  8. 円形または5個以上の頂点を持つ正多角形の貫通孔を複数個有する篩板によって、篩分けにより整粒した、ブレード厚みよりも大きい粒度値の研磨材粒子を、ブレードの厚み方向に貫通する孔に挿入する、または埋め込み形成する、精密切削工具を製造する方法。
  9. 研磨材粒子が、整粒により限定された範囲内の粒度を持ち、粒度区分ごとの成分割合が該範囲内の限定された部分において最大値を示し、平均粒径D50が10μm以上であり、かつ、粒度分布における累積頻度50%点P50における粒度値D50と、95%点P95と5%点P05とにおける粒度値の差(D95−D05)との比(D95−D05)/D50が、0.2以下である、請求項8に記載の方法。
  10. 研磨材粒子の表面をチタンクロム、ジルコニウム、モリブデン、タンタルまたはタングステン、またはこれらの組み合わせでコートしたうえで、ブレードの孔内に挿入固着、または埋め込み形成する、請求項8または9の方法。
JP2012224548A 2012-10-09 2012-10-09 精密切削加工具およびその製造方法 Expired - Fee Related JP6066657B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012224548A JP6066657B2 (ja) 2012-10-09 2012-10-09 精密切削加工具およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012224548A JP6066657B2 (ja) 2012-10-09 2012-10-09 精密切削加工具およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014076502A true JP2014076502A (ja) 2014-05-01
JP6066657B2 JP6066657B2 (ja) 2017-01-25

Family

ID=50782270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012224548A Expired - Fee Related JP6066657B2 (ja) 2012-10-09 2012-10-09 精密切削加工具およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6066657B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54130684U (ja) * 1978-03-03 1979-09-11
JPS5910879U (ja) * 1982-07-09 1984-01-23 株式会社チップトン 網目調整可能の選別網
JPS642869A (en) * 1987-02-04 1989-01-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Highly accurate electrodeposition grindstone
JPH07185220A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Nippon Seiko Kk ろ過装置
JP2003080457A (ja) * 2001-09-07 2003-03-18 Ebara Corp 切削工具及びその製造方法
JP2005205587A (ja) * 2004-08-04 2005-08-04 Tsune Seiki Co Ltd 電着薄刃工具の製造方法
US20100326416A1 (en) * 2008-03-19 2010-12-30 Ronald Schwarz High speed abrasive cutting blade with simulated teeth
JP2011025375A (ja) * 2009-07-28 2011-02-10 Nic:Kk 電鋳ブレード

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54130684U (ja) * 1978-03-03 1979-09-11
JPS5910879U (ja) * 1982-07-09 1984-01-23 株式会社チップトン 網目調整可能の選別網
JPS642869A (en) * 1987-02-04 1989-01-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Highly accurate electrodeposition grindstone
JPH07185220A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Nippon Seiko Kk ろ過装置
JP2003080457A (ja) * 2001-09-07 2003-03-18 Ebara Corp 切削工具及びその製造方法
JP2005205587A (ja) * 2004-08-04 2005-08-04 Tsune Seiki Co Ltd 電着薄刃工具の製造方法
US20100326416A1 (en) * 2008-03-19 2010-12-30 Ronald Schwarz High speed abrasive cutting blade with simulated teeth
JP2011025375A (ja) * 2009-07-28 2011-02-10 Nic:Kk 電鋳ブレード

Also Published As

Publication number Publication date
JP6066657B2 (ja) 2017-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20160303704A1 (en) Grinding Tool
JP4860689B2 (ja) 切削工具用切削チップ及び切削工具
JP5542938B2 (ja) 細長い物体に結合させた研磨粒子を含む研磨物品
Butler-Smith et al. Ordered diamond micro-arrays for ultra-precision grinding—an evaluation in Ti–6Al–4V
US20160303705A1 (en) Grinding Tool and Method of Manufacturing the Same
US9701043B2 (en) Dicing blade
JP5374713B2 (ja) 工作物目視特性を備えた砥粒ホイール及びその製造方法
TWI355986B (en) Superhard cutters and associated methods
KR20020070897A (ko) 초연마입자공구 및 그 제조방법
WO2007022016A2 (en) Abrasive tool
KR20120132679A (ko) 초경질 인서트 및 이를 포함하는 지반 천공기
TWI635931B (zh) Super abrasive wheel
JP2522278B2 (ja) 電鋳薄刃砥石
JP7362925B2 (ja) 工具及び工具の製造方法
JP5976228B2 (ja) ダイシングブレード
JP6066657B2 (ja) 精密切削加工具およびその製造方法
JP6076009B2 (ja) 粒子間粒度変動の減少した研磨材及びその製法
JP4354482B2 (ja) ツルーイング工具
CN109195747B (zh) 超硬磨料砂轮
KR102221333B1 (ko) 지립 공구
JP6165388B1 (ja) 砥粒工具
JP2012121129A (ja) パッド・コンディショニングに適した研磨工具及びこれを用いた研磨方法
JP2002326166A (ja) 電着薄刃砥石とその製造方法
JP6918217B2 (ja) 多結晶砥粒およびそれを備えた研削ホイール
JP2012011473A (ja) 切削インサート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160930

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161220

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6066657

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees