JP2014076199A - 体動検知装置、およびこの装置を有する人体用刺激付与装置 - Google Patents

体動検知装置、およびこの装置を有する人体用刺激付与装置 Download PDF

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Abstract

【課題】歩行動作の静止状態を適切に判定可能な体動検知装置、およびこの装置を有する人体用刺激付与装置を提供する。
【解決手段】人体用刺激付与装置1は、左検知部50L、右検知部50R、判別部70、制御部60、右刺激付与部90R、および左刺激付与部90Lを有する。検知部は、人体の歩行動作に応じて検知信号を出力する。判別部70は、検知信号に基づいて、1歩行周期の歩行動作を複数の歩行段階に区分する。判別部70は、歩行段階の少なくとも1つの継続時間に基づいて、歩行静止状態を判定する。制御部60は、判別部70の判定結果に基づいて右刺激付与部90Rおよび左刺激付与部90Lが付与する刺激の大きさを制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、体動を検知する体動検知装置、および人体に刺激を付与する人体用刺激付与装置に関する。
従来の体動検知装置を用いた人体用刺激付与装置は、加速度センサー、電気刺激付与部、および制御部を有する。加速度センサーは、大腿部に取り付けられる。制御部は、加速度センサーの出力信号に基づいて、使用者の足が床から離れると予測されるタイミングを予測する。制御部は、予測したタイミングにおいて電気刺激付与部から大腿に電流を流すための信号を出力する。電気刺激付与部は、制御部から出力された信号に応じて大腿に電気刺激を付与する。なお、特許文献1は、従来の人体用刺激付与装置の一例を開示している。
特開2002−355236号公報
人体の歩行動作が静止している状態において、例えば脚に電気刺激が付与されたとき、脚に大きな負担がかかるおそれがある。一方、従来の人体用刺激付与装置の制御部は、周期的な歩行動作を前提として、足が床から離れるタイミングを予測する。このため、実際の歩行動作が周期的な歩行動作とは異なるとき、予測されたタイミングが実際の足の動作と大きく異なる。このため、歩行動作が静止している状態において脚に電気刺激を付与するおそれがある。
本発明は、以上の背景をもとに創作されたものであり、歩行動作が静止した状態を適切に判定することが可能な体動検知装置、およびこの装置を有する人体用刺激付与装置を提供することを目的とする。
(1)第1の手段は、「人体の動作を検知する体動検知装置であって、前記体動検知装置は、検知部および判別部を有し、前記検知部は、人体の歩行動作に応じて変化する検知信号を出力し、前記判別部は、前記検知部の検知信号に基づいて、1歩行周期における歩行動作を複数の歩行段階に区分し、前記複数の歩行段階の少なくとも1つの歩行段階の継続時間に基づいて、歩行動作が静止した状態である歩行静止状態が形成されているか否かを判定する体動検知装置」を含む。
(2)第2の手段は、「前記判別部は、1歩行周期に含まれる立脚期および遊脚期をそれぞれ特定歩行段階と規定し、前記特定歩行段階としての前記立脚期または前記遊脚期を複数の歩行段階に区分し、区分した前記複数の歩行段階のそれぞれを分割歩行段階と規定し、複数の前記分割歩行段階のそれぞれの継続時間に基づいて、前記歩行静止状態が形成されているか否かを判定する体動検知装置」を含む。
(3)第3の手段は、「前記判別部は、前記複数の分割歩行段階の少なくとも1つの前記分割歩行段階の継続時間が静止判定時間よりも長いとき、前記歩行静止状態が形成されていると判定する体動検知装置」を含む。
(4)第4の手段は、「前記体動検知装置は、計測部を有し、前記計測部は、前記複数の分割歩行段階のそれぞれの継続時間を計測し、前記判別部は、前記計測部により計測された前記複数の分割歩行段階の継続時間の少なくとも1つの継続時間と前記静止判定時間との比較に基づいて、前記歩行静止状態が形成されているか否かを判定する体動検知装置」を含む。
(5)第5の手段は、「前記体動検知装置は、時間設定部を有し、前記時間設定部は、前記計測部により計測された前記複数の分割歩行段階の継続時間のうちの少なくとも1つの継続時間に基づいて、前記静止判定時間を設定する体動検知装置」を含む。
(6)第6の手段は、「前記時間設定部は、現在の歩行周期以前に前記計測部により計測された前記複数の分割歩行段階の継続時間の少なくとも1つの継続時間に基づいて、前記静止判定時間を設定する体動検知装置」を含む。
(7)第7の手段は、「前記時間設定部は、前記静止判定時間の設定に用いる判定時間規定部を有し、前記判定時間規定部は、前記分割歩行段階の継続時間と前記静止判定時間との関係を前記分割歩行段階毎に規定し、入力値としての前記分割歩行段階の継続時間に対して出力値としての前記静止判定時間を返す体動検知装置」を含む。
(8)第8の手段は、「前記検知部は、右半身検知部および左半身検知部を有し、前記右半身検知部は、第1右半身センサーおよび第2右半身センサーを有し、前記左半身検知部は、第1左半身センサーおよび第2左半身センサーを有し、前記第1右半身センサーは、第1右半身部位の動作に応じた信号を出力し、前記第2右半身センサーは、第2右半身部位の動作に応じた信号を出力し、前記第1左半身センサーは、第1左半身部位の動作に応じた信号を出力し、前記第2左半身センサーは、第2左半身部位の動作に応じた信号を出力し、前記第1右半身部位および前記第1左半身部位は、右半身および左半身の基準面を基準として左右対称の関係を有し、前記第2右半身部位および前記第2左半身部位は、右半身および左半身の基準面を基準として左右対称の関係を有し、前記判別部は、前記第1右半身センサーの出力信号、前記第1左半身センサーの出力信号、前記第2右半身センサーの出力信号、および前記第2左半身センサーの出力信号の少なくとも1つに基づいて、前記歩行静止状態が形成されているか否かを判定する体動検知装置」を含む。
(9)第9の手段は、「人体に刺激を付与する人体用刺激付与装置であって、前記人体用刺激付与装置は、前記体動検知装置、前記制御部、および前記刺激付与部を有し、前記制御部は、前記体動検知装置の判定結果に基づいて前記刺激付与部に指令信号を出力し、前記刺激付与部は、人体に付与する刺激の大きさを前記指令信号に基づいて変化させる人体用刺激付与装置」を含む。
(10)第10の手段は、「前記人体用刺激付与装置は、前記体動検知装置、右半身に刺激を付与する前記刺激付与部としての右半身刺激付与部、および左半身に刺激を付与する前記刺激付与部としての左半身刺激付与部を有し、前記判別部は、第1判別部および第2判別部を有し、前記第1判別部は、前記第1右半身センサーの出力信号および前記第2右半身センサーの出力信号に基づいて、前記歩行静止状態が形成されているか否かを判定し、前記第2判別部は、前記第1左半身センサーの出力信号および前記第2左半身センサーの出力信号に基づいて、前記歩行静止状態が形成されているか否かを判定し、前記制御部は、前記第1判別部により前記歩行静止状態が形成されていると判定されたとき、前記右半身刺激付与部により人体に刺激を付与するための指令信号を出力し、前記第2判別部により前記歩行静止状態が形成されていると判定されたとき、前記左半身刺激付与部により人体に刺激を付与するための指令信号を出力する人体用刺激付与装置」を含む。
(11)第11の手段は、「前記制御部は、前記歩行静止状態が形成されていると判定したときからの経過時間である歩行静止時間が判定経過時間を超えた後、前記刺激付与部に指令信号を出力する人体用刺激付与装置」を含む。
(12)第12の手段は、「前記刺激付与部は、人体に電気刺激を付与する人体用刺激付与装置」を含む。
本体動検知装置および本人体用刺激付与装置は、歩行動作が静止した状態を適切に検知することができる。
第1実施形態における人体用刺激付与装置の概略構成図。 第1実施形態における装着部が装着された人体の正面図。 第1実施形態における装着部の背面図。 人体の歩行動作に関する図であり、(a)は歩行動作における両脚の動きを示す図、(b)および(c)は1歩行周期を示す図、(d)は右脚の動きの期間を示す図、(e)は左脚の動きの期間を示す図。 第1実施形態における人体用刺激付与装置の回路ブロック構成図。 第1実施形態における動作段階判別に用いる信号と動作段階の関係を示すグラフであり、(a)は歩行周期、(b)は歩行動作、(c)は組合せ信号Z1、(d)、(e)、および(f)は動作段階。 第1実施形態の制御部が実行する人体刺激付与処理の流れを示すフローチャート。 第1実施形態の判別部が実行する歩行静止判別処理の流れを示すフローチャート。 第2実施形態における人体用刺激付与装置の回路ブロック構成図。 第2実施形態における静止判別時間設定に関する図であり、(a)、(b)および(c)はそれぞれ、異なる設定手法を示す図。 第2実施形態における人体用刺激付与装置の歩行静止状態判別および刺激付与制御の流れを示すフローチャート。 第3実施形態における人体用刺激付与装置のブロック構成図である。 第3実施形態における装着部の背面図。 第3実施形態の人体用刺激付与装置の動作に関連するパラメータの変化の一例を示すグラフであって、(a)歩行状態、(b)動作段階、(c)静止判定時間、(d)動作段階継続時間、および(e)刺激パルス波形と時間との関係を示すグラフ。 第4実施形態の人体用刺激付与装置の動作に関連するパラメータの変化の一例を示すグラフであって、(a)歩行状態、(b)動作段階、(c)静止判定時間、(d)動作段階継続時間、および(e)刺激パルス波形と時間との関係を示すグラフ。 その他の実施形態の人体用刺激付与装置の動作に関連するパラメータの変化の一例を示すグラフであって、(a)歩行状態、(b)動作段階、(c)静止判定時間、(d)動作段階継続時間、および(e)刺激パルス波形と時間との関係を示すグラフ。
(第1実施形態)
図1を参照して、体動検知装置を用いた人体用刺激付与装置1の概略構成について説明する。
人体用刺激付与装置1は、刺激装置本体部40および第1装着部10Lを有する。第1装着部10Lは、使用者200(図2参照)の左脚210Lに装着される。人体用刺激付与装置1は、使用者200の左脚210Lおよび右脚210Rに装着される第1装着部10Lおよび第2装着部10Rを有する。右脚210Rおよび第2装着部10Rは、左脚210Lおよび第1装着部10Lと同一の構造を有するため、右脚210Rおよび第2装着部10Rの図示および説明を省略する。第1装着部10Lおよび第2装着部10Rは、使用者200の歩行動作において、使用者200の動きを検知する。刺激装置本体部40は、第1装着部10Lおよび第2装着部10Rの検知結果に基づいて、使用者200の1歩行周期内を複数の動作段階に分割して各動作段階の動作を判別する。刺激装置本体部40は、複数に分割された動作段階における動作判別結果に基づいて、使用者200に対する刺激付与を行う。刺激装置本体部40は、使用者200の歩行静止状態を判定して、刺激付与を停止する制御を行う。
刺激装置本体部40は、表示部43および操作部44を有する。接続ケーブル13は、刺激装置本体部40と第1装着部10Lおよび刺激装置本体部40と第2装着部10Rとを互いに接続する。第1装着部10Lは、第1左半身センサーSL1および、第2左半身センサーSL2を有する。第1左半身センサーSL1および、第2左半身センサーSL2は、使用者200の大腿部および膝部の物理量の変位を検知する。
図2に示されるように、使用者200が第1装着部10Lおよび第2装着部10Rを装着するとき、第1部位である使用者200の左脚に第1左半身センサーSL1および、第2左半身センサーSL2が、第2部位である使用者200の右脚に第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2が装着される。
図3を参照して、第1装着部10Lの構成について説明する。
第1装着部10Lは、左脚210Lの大腿部に取り付けられる大腿装着部21および下腿部に取り付けられる下腿装着部22を有する。大腿装着部21および下腿装着部22は、第1連結部23aおよび第2連結部23bにより互いに連結される。
大腿装着部21は、大腿正面部24、第1大腿背面部25、および第2大腿背面部26を有する。大腿正面部24は、左脚210Lの大腿部の正面部分および側面の一部分を覆う。第1大腿背面部25および第2大腿背面部26は、大腿正面部24の両端部分に形成される。大腿正面部24は、下端部分に凹部24aが形成される。第1大腿背面部25および第2大腿背面部26は、第1先端部25aおよび第2先端部26aに第1接続部25bおよび第2接続部26bを有する。第1接続部25bおよび第2接続部26bは、取り外し自在に互いに接続される。第1接続部25bおよび第2接続部26bが左脚210L の大腿部の背面部分で互いに接続されることにより、大腿装着部21は、左脚210Lの大腿部に装着される。大腿装着部21は、左半身刺激付与部90Laを有する。左半身刺激付与部90Laは、刺激装置本体部40からの制御により使用者200の大腿部に刺激を付与する。
下腿装着部22は、下腿正面部27、第1下腿背面部28、および第2下腿背面部29を有する。下腿正面部27は、左脚210Lの下腿部の正面部分および側面の一部分を覆う。第1下腿背面部28および第2下腿背面部29は、下腿正面部27の両端部分に形成される。下腿正面部27は、上端部分に凹部27aが形成される。第1下腿背面部28および第2下腿背面部29は、第3先端部28aおよび第4先端部29aに第3接続部28bおよび第4接続部29bを有する。第3接続部28bおよび第4接続部29bは、取り外し自在に互いに接続される。第3接続部28bおよび第4接続部29bが左脚210Lの下腿部の背面部分で互いに接続されることにより、下腿装着部22は、左脚210Lの下腿部に装着される。下腿装着部22は、左半身刺激付与部90Lbを有する。左半身刺激付与部90Lbは、刺激装置本体部40からの制御により使用者200の下腿部に刺激を付与する。
第1連結部23aおよび第2連結部23bは、例えば伸縮性を有する部材から形成され、大腿装着部21および下腿装着部22の左右両端部分をそれぞれ連結する。大腿装着部21および下腿装着部22が連結されるとき、第1装着部10Lは、大腿正面部24の凹部24a、下腿正面部27の凹部27a、第1連結部23a、および第2連結部23bとで囲まれる装着孔31が形成される。第1装着部10Lの装着時に、左脚210Lの膝の正面部分が装着孔31から露出することにより、歩行動作の膝関節の曲げ動作を容易にしている。
大腿正面部24および下腿正面部27は、略中央部分に第1挿入部32および第2挿入部33を有する。第1挿入部32および第2挿入部33は、第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2がそれぞれ配置される。なお、第2装着部10Rにおいては、第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2と対称な位置に第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2がそれぞれ配置される。第1装着部10Lおよび第2装着部10Rの大腿正面部24に設けられた第1左半身センサーSL1および第1右半身センサーSR1は、例えば角速度センサーである。第1装着部10Lおよび第2装着部10Rの下腿正面部27に設けられた第2左半身センサーSL2および第2右半身センサーSR2は、例えば角速度センサーである。第1左半身センサーSL1および第1右半身センサーSR1を角速度センサーとするとき、第1左半身センサーSL1および第1右半身センサーSR1は、歩行動作において左脚210L および右脚210Rの股関節を中心に回転する大腿部の加速度を出力する。また、第2左半身センサーSL2および第2右半身センサーSR2を角速度センサーとするとき、第2左半身センサーSL2および第2右半身センサーSR2は、左脚210Lおよび右脚210Rの膝関節を中心に回転する下腿部の角速度を出力する。
第1装着部10Lおよび第2装着部10Rは、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2を用いて歩行状態における膝関節の変位を検知する。
図2に示されるように、使用者200の左下股の上部に装着される第1左半身センサーSL1および右下股の上部に装着される第1右半身センサーSR1は、基準面200Cに対して対称な位置に配置される。基準面200Cは、使用者200の対称的な動作の中心となる面である。詳述すると、基準面200Cは、歩行方向から見た使用者200の身体を左右均等に分割する身体の中心の面である正中面からなる。また、使用者200の左下股の下部に装着される第2左半身センサーSL2および右下股の下部に装着される第2右半身センサーSR2は、基準面200Cに対して対称な位置に配置される。
使用者200の左下股に装着された2つの第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2は、使用者200の左脚の動作を検知する左脚検知部SLを構成する。右下股に装着された2つの第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2は、使用者の右脚の動作を検知する右脚検知部SRを構成する。
図4を参照して、使用者200の歩行動作を説明する。
使用者200は、歩行動作を行うとき、図4(a)に示される脚の動きを行う。図4(a)において実線のみで示される部分は、使用者200の右脚の動きを示している。図4(a)においてハッチングで示される部分は、使用者200の左脚の動きを示している。使用者200が図4(a)に示される脚の動きで歩行動作を行うとき、歩行動作における期間を図4(b)〜図4(e)に示されるように規定する。使用者200の1歩行周期は、一方の足の踵が接地して、次に同じ踵が再度接地するまでの期間である。1歩行周期における使用者の足が床に接している区間が立脚期、足が床から離れている区間が遊脚期である。歩行動作においては、右脚および左脚は、立脚期および遊脚期を交互に繰り返す。一方の脚が遊脚期から立脚期に変化すると、他方の脚は、時間的にずれて立脚期から遊脚期に変化する。このため、1歩行周期中には、両方の足がともに地面に接する区間を有する。
人体用刺激付与装置1は、図4に示される1歩行周期における立脚期および遊脚期を判別する。人体用刺激付与装置1は、立脚期および遊脚期を特定歩行段階と規定する。人体用刺激付与装置1は、特定歩行段階としての立脚期および遊脚期を複数の段階に区分する。人体用刺激付与装置1は、複数の段階に区分された複数の段階をそれぞれ分割歩行段階と規定して、静止状態を含む動作判別をおこなう。人体用刺激付与装置1は、複数に分割された分割歩行段階の動作判別結果に基づいて、刺激付与部を制御する。
図5を参照して、人体用刺激付与装置1の回路ブロック構成について説明する。
人体用刺激付与装置1は、第1装着部10L、第2装着部10R、および刺激装置本体部40を有する。第1装着部10Lは、左半身検知部50Lおよび左半身刺激付与部90Lを有する。左半身検知部50Lは、左脚検知部SLを有する。第2装着部10Rは、右半身検知部50Rおよび右半身刺激付与部90Rを有する。右半身検知部50Rは、右脚検知部SRを有する。刺激装置本体部40は、電源部41、表示部43、操作部44、および制御部60を有する。制御部60は、演算処理部61、刺激付与制御部62、時間設定部63、および判別部70を有する。判別部70は、比較部71、計測部72、静止判別部73、および歩行段階分割部80を有する。歩行段階分割部80は、論理演算部81を有する。刺激装置本体部40の電源部41の出力および刺激付与制御部62の出力信号は接続ケーブル13を介して第1装着部10Lおよび第2装着部10Rに供給される。第1装着部10Lの左脚検知部SLの検知信号および第2装着部10Rの右脚検知部SRの検知信号は接続ケーブル13を介して刺激装置本体部40に供給される。
人体用刺激付与装置1における各回路ブロックの動作を以下に説明する。
左脚検知部SLを構成する第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2と、右脚検知部SRを構成する第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2は、第1装着部10Lおよび第2装着部10Rを装着した使用者200の左脚210Lおよび右脚210Rの動作を検知して、検知信号を出力する。
左脚検知部SLの第1左半身センサーSL1の検知信号は、第1検知信号IL1として演算処理部61に入力される。左脚検知部SLの第2左半身センサーSL2の検知信号は、第2検知信号IL2として演算処理部61に入力される。右脚検知部SRのセンサー第1右半身センサーSR1の検知信号は、第3検知信号IR1として演算処理部61に入力される。右脚検知部SRの第2右半身センサーSR2の検知信号は、第4検知信号IR2として演算処理部61に入力される。
演算処理部61は、入力された第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2に対する信号処理を行う。演算処理部61は、信号処理として、例えば、高周波成分等のノイズの除去、移動平均値の算出、および周波数解析などを行う。演算処理部61は、基準面200Cに対称な第1左半身センサーSL1および第1右半身センサーSR1の第1検知信号IL1および第3検知信号IR1の組合せ処理を行う。演算処理部61は、基準面200Cに対称な第2左半身センサーSL2および第2右半身センサーSR2の第2検知信号IL2および第4検知信号IR2の組合せ処理を行う。演算処理部61は、組合せ処理として、例えば、第1検知信号IL1と第3検知信号IR1との減算処理(IL1−IR1)および加算処理(IL1+IR1)を行う。演算処理部61は、組合せ処理として、例えば、第2検知信号IL2と第4検知信号IR2との減算処理(IL2−IR2)および加算処理(IL2+IR2)を行う。演算処理部61は、例えば、第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2を、以下の式(1)に基づいて組合せることにより、組合せ信号Z1を生成する。

Z1=aX1+bX2+cX3+dX4+…+C …(1)

式(1)におけるa、b、c、およびdは、係数である。式(1)におけるCは、定数である。変数X1、X2、X3、およびX4は、例えば、第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2の値が代入される。また、変数X1〜X4は、例えば、左脚検知部SLの第1検知信号IL1および第2検知信号IL2と右脚検知部SRの第3検知信号IR1および第4検知信号IR2とが組合された値等が代入される。また、例として変数は、X1、X2、X3、およびX4の4つを用いているが、第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2を組み合わせることで、4つ以上とすることもできる。判別部70は、演算処理部61の処理結果に基づいて、1歩行周期を複数の動作段階に分割して動作判別を行う。動作段階は、例えば、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3とされる。式(1)における変数X1〜X4の値は、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3における第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2の特徴的な値とされる。特徴的な値は、例えば、移動平均値、微分値、他の特徴的な値と所定の演算を施して算出される値(例えば、X1−X4,X1+X2)などの連続的に得られる値である。また、式(1)における係数a〜dは、異なる動作段階を設定するとき、その値が変更される。
係数a〜dおよび定数Cの値は、例えば、多変数解析手法の1手法である判別分析法を用いて設定される。例えば、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3における変数X1〜X4は、複数の被験者に対して事前に行う歩行テストの結果に基づいて算出される。歩行テストにおける第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の検出においては、例えば、試験者は、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、第2右半身センサーSR2の他に別の圧力センサー等を利用する。そして、組合せ信号Z1は、判別分析法に基づいて算出された変数X1〜X4を式(1)に代入することにより求められる。組合せ信号Z1を一つのグラフ上に表すと、組合せ信号Z1は、全動作段階における特徴的な値がグループを形成する。係数a〜dは、上記したZ1が、このグラフにおいてグループ化された各第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の特徴的な値の境界を示すように設定される。つまり、異なる動作段階を設定する場合においては、係数a〜dは、異なる値として設定される。なお、定数Cは、組合せ信号Z1の値を調整するのに用いられる。このようにして設定された組合せ信号Z1は、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の境界において所定の値(例えば、Z1=0)となる。演算処理部61は、第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2と、第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2を組合せた信号とを判別部70に出力する。
図6に、1歩行周期における動作段階と動作段階判別に用いる信号を示す。
判別部70は、各動作段階において、図6(c)に示す組合せ信号Z1と所定の第1閾値TH1、第2閾値TH2、第3閾値TH3、および第4閾値TH4とを比較部71により比較する。第1閾値TH1、第2閾値TH2、第3閾値TH3、および第4閾値TH4は、各動作段階で値が異なる。判別部70は、比較部71および論理演算部81を用いて、演算処理部61により処理された第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、第4検知信号IR2、および組合せ信号等に対する判定を行う。これにより、判別部70は、図4に示される1歩行周期の歩行動作から、図6示す複数の第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を検出する。判別部70は、歩行動作に伴って動作段階が切り替わったと判定したとき、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を示す動作段階番号OPNと、動作段階が切り替わったことを示す信号を出力する。
計測部72は、判別部70により判別された第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3のそれぞれの動作段階継続時間tOPを計測する。計測部72は、計測結果を記憶する。
静止判別部73は、使用者200の歩行動作において第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3が所定時間以上継続したとき、使用者200が歩行静止状態を形成していると判別する。時間設定部63は、歩行静止状態判別に用いる静止判別時間tREFが入力される。静止判別部73は、計測部72に記憶された動作段階継続時間tOPと時間設定部63に入力された静止判別時間tREFとを比較する。静止判別部73は、動作段階継続時間tOPが時間設定部63の静止判別時間tREFよりも長いとき、歩行静止状態を判別する。静止判別部73は、判別結果を刺激付与制御部62に出力する。
刺激付与制御部62は、静止判別部73の判別結果に基づいて、第1装着部10Lに装着された左半身刺激付与部90Lおよび第2装着部10Rに装着された右半身刺激付与部90Rを制御する。
表示部43には、例えば、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3における使用者200の歩行状態の判定結果などが表示される。また、表示部43には、例えば、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の左右の脚の動作の違いや、左右の脚の動作の違いに基づく歩行動作の評価結果が表示される。なお、表示部43に表示される動作の対象は、操作部44を用いて使用者200が変更可能とされる。
電源部41は、刺激装置本体部40における駆動電流を供給する。電源部41は、第1装着部10Lおよび第2装着部10Rに対して駆動電流を供給する。電源部41は、例えば充電式バッテリー、乾電池、および商用電源の供給に基づいて所要の駆動電流を生成する電源回路である。
人体用刺激付与装置1における制御部60が実行する人体刺激付与処理の動作を、図7に示すフローチャートに従って説明する。
使用者200が歩行動作を行うと、第1左半身センサーSL1、第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、ステップS11において、歩行動作に伴う使用者200の左脚210Lおよび右脚210Rの物理量の変位を検知する。第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、検知結果を示す第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2を演算処理部61に出力する。
演算処理部61は、ステップS12において、基準面200Cにより分割配置された第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2の第1検知信号IL1と第3検知信号IR1、および第2検知信号IL2と第4検知信号IR2とを組合せる処理を行う。また、演算処理部61は、組合せた信号と組合される以前の信号とに対する信号処理を行う。演算処理部61は、信号処理により生成した信号を判別部70に出力する。
判別部70は、ステップS13において、1歩行周期を歩行動作の特性毎に分割するための閾値と信号処理により生成した信号とを比較する。判別部70は、比較結果に基づいて、複数の第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を1歩行周期から検出する。判別部70は、1歩行周期を、図6に示される立脚期である第1動作段階OP1と遊脚期を分割した分割遊脚期間である第2動作段階OP2および第3動作段階OP3とに判別する。図6に示される例においては、立脚期を分割した分割立脚期間は、第1動作段階OP1の1区間のみとしている。判別部70は、例えば、第1検知信号IL1および第3検知信号IR1との減算結果として図6(c)に示す組合せ信号Z1と、規定された第1閾値TH1、第2閾値TH2、第3閾値TH3、および第4閾値TH4とを、比較部71により比較する。判別部70は、比較結果に基づき、組合せ信号Z1が第1閾値TH1もしくは第2閾値TH2を超えている区間を立脚期と判別する。比較部71は、組合せ信号Z1が第1閾値TH1〜第4閾値TH4より小さいとき、比較信号として「1」(ハイレベル)を出力する。また、比較部71は、組合せ信号Z1が第1閾値TH1〜第4閾値TH4より大きいとき、比較信号として「0」(ローレベル)を出力する。なお、第1閾値TH1、第2閾値TH2、第3閾値TH3、および第4閾値TH4は、1歩行周期において一定の値である。
歩行段階分割部80の論理演算部81は、ステップS14において、比較部71から入力された比較信号の論理演算を行う。
判別部70は、ステップS15において、論理演算部81の出力結果に基づいて第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を判別する。歩行段階分割部80は、立脚期のうち、組合せ信号Z1が第1閾値TH1を超えているt11〜t12の区間を立脚期前期と判別する。歩行段階分割部80は、一旦第1閾値TH1以下となって以降の区間であって第2閾値TH2を超えているt12〜t21の区間を、立脚期後期と判別する。判別部70は、歩行段階分割部80の判別結果に基づき、立脚期前期とされるt11〜t12の区間および立脚期後期とされるt12〜t21の区間からなるt11〜t21の区間を第1動作段階OP1と規定する。なお、立脚期前期は、1歩行周期中に一方の足の踵で接地して、踵が地面から離れるまでの区間である。また、立脚期後期は、1歩行周期中に一方の足の踵が地面から離れて、つま先が地面から離れるまでの区間である。
歩行段階分割部80は、立脚期後期に後続する区間であって第3閾値TH3以下となるt21〜t22の区間を、遊脚期前期と判別する。歩行段階分割部80は、遊脚期前期に後続する区間であり、第3閾値TH3を超えてかつ閾値TH4以下となるt22〜t31の区間を、遊脚期後期と判別する。判別部70は、歩行段階分割部80の判別結果に基づき、遊脚期前期を第2動作段階OP2、遊脚期後期を第3動作段階OP3と規定する。また,歩行段階分割部80では,1歩行周期を複数に分割した各区間を結合することも可能である。例えば、対象の動作段階が遊脚期の場合に、遊脚期を複数に分割した後に,分割した区間を結合することが可能である。
静止判別部73は、ステップS16において、使用者200の歩行静止状態を判別する。静止判別部73は、判別部70により判別された第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3それぞれの継続時間を用いて歩行静止状態を判別する。
左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rは、静止判別部73が歩行静止状態を判定していないとき、使用者200に対して所定のタイミングで刺激を付与する。左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rは、静止判別部73が歩行静止状態を判定するとき、使用者200に対する刺激付与の大きさを変化させる。左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rは、刺激付与の大きさの変化として、刺激力を弱める、あるいは停止させる。
ステップS13〜ステップS15での閾値による判別、論理演算、および動作段階判別において、1歩行周期内で同一の動作段階が複数回判別される場合も起こり得る。この場合、歩行段階分割部80は、判別に用いた判別信号とは異なる判別信号を別途取得する。判別部70は、この取得した判別信号を論理演算することにより第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を特定する。
第1閾値TH1、第2閾値TH2、第3閾値TH3、および第4閾値TH4は、例えば、複数の被験者に対して事前に行われた歩行テストをもとに設定される。歩行テストは、例えば、被験者の身体に第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2の他に別のセンサー(例えば、圧力センサー)を設けて行われる。この別のセンサーは、歩行テストにおいて、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を検出するために設けられる。例えば、足裏に設けられた圧力センサーは、1歩行周期において足が地面に接地している期間を検出する。試験者は、検出された期間を立脚期、即ち第1動作段階OP1と規定する。試験者は、別のセンサーで検出した第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を用いて、各被験者の第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2の組合せ信号の値を取得する。このことにより、例えば、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の境界における組合せ信号の値の平均値が算出され、その結果が第1閾値TH1、第2閾値TH2、第3閾値TH3、および第4閾値TH4として設定される。例えば、第2閾値TH2は、図6に示されるような、組合せ信号に対して立脚期後期と、その前後の区間(立脚期前期と遊脚期前期)とを判定する値が設定される。つまり、第2閾値TH2は、歩行テストにおける複数の被験者の立脚期前期と、その前後の区間との境界における組合せ信号の値の平均値から設定される。第1閾値TH1、第2閾値TH2、第3閾値TH3、および第4閾値TH4は、境界の値に限られない。例えば、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3のそれぞれの動作段階全体における組合せ信号の値の平均値に基づいて設定されてもよい。
図8を参照して、歩行静止判別処理のフローについて説明する。
人体用刺激付与装置1の動作が開始されると、制御部60は、初期設定ステップであるステップS21〜ステップS23を実行する。
時間設定部63は、ステップS21において、歩行静止状態判別に用いる判別時間の値を静止判別時間tREFに設定する。
計測部72は、ステップS22において、計測部72に記憶する動作段階継続時間tOPを0に設定する。
判別部70は、ステップS23において、歩行周期時間計測に用いる前動作段階番号OPN(n−1)を0に設定する。
判別部70は、ステップS24において、動作段階を判別する。
判別部70は、ステップS25において、判別した動作段階の動作段階番号OPN(n)を設定する。
計測部72は、ステップS26において、ステップS25で判別した動作段階番号OPN(n)と前動作段階番号OPN(n−1)との一致を判定する。このステップS26を実行することにより、計測部72は、同一動作段階番号と判定される動作が継続しているかを判定する。
ステップS26において一致(Yes)と判定されるとき、計測部72は、ステップS27において、計測部72に記憶する動作段階継続時間tOPに1を加える。
ステップS26において不一致(No)と判定されるとき、計測部72は、ステップS28において、計測部72に記憶する動作段階継続時間tOPをリセットして0に設定する。
静止判別部73は、ステップS29において、動作段階継続時間tOPと静止判別時間tREFとを比較する。
ステップS29において動作段階継続時間tOPが静止判別時間tREFよりも長い(Yes)と判定されるとき、刺激付与制御部62は、ステップS30において、制御フラグFLGを1に設定する。
ステップS29において動作段階継続時間tOPが静止判別時間tREFよりも短い(No)と判定されるとき、刺激付与制御部62は、ステップS31において、制御フラグFLGをリセットして0に設定する。
判別部70は、ステップS32において、判定した動作段階番号OPN(n)を前動作段階番号としてOPN(n−1)に設定する。
制御部60は、ステップ33において、10msの待機時間を設定する。待機時間は、ステップS24で動作段階を判別する判別周期である。待機時間を10msとするとき、判別部70は、10ms間隔で動作段階を判別する。待機時間は、歩行周期に応じて最適な値が設定される。
制御部60は、人体用刺激付与装置1が動作を行なっている期間において、ステップ24〜ステップ33を繰り返す。
図8に示されるフローを実行することにより、計測部72は、ステップS27において、判別部70が判定した動作段階の継続時間を、10msを単位とした時間のカウント数として計測する。
静止判別部73は、ステップS29において、計測部72が計測した動作段階継続時間tOPが静止判別時間tREFよりも長いとき、歩行静止状態として判定する。
計測部72は、ステップS28において、判別部70が判定した動作段階番号OPN(n)が前動作段階番号OPN(n−1)から変化したとき、計測部72に記憶している動作段階継続時間tOPを0にセットする。
刺激付与制御部62は、制御フラグにおけるFLGの値に基づいて、左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rを制御して、使用者200に対する刺激付与の大きさを変化させる。つまり、ステップS29において、歩行静止状態が判定され、ステップS30において、制御フラグにおけるFLGが1に設定されている間、左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rは、使用者200に対する刺激力を弱める、あるいは停止させる。
次に、人体用刺激付与装置1の作用について説明する。
上記した人体用刺激付与装置1は、使用者200の左脚210Lおよび右脚210Rに配置された第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2と第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2とを備える。第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、左右対称な歩行動作を検知する。判別部70は、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2によって検知された第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2を組合せて使用者200の歩行動作を判別する。判別部70は、歩行段階分割部80を有する。歩行動作は、1歩行周期内の立脚期および遊脚期を複数の動作段階に分割して判別される。静止判別部73は、動作段階の継続時間を計測した計測結果に基づいて歩行静止状態判別を行う。したがって、人体用刺激付与装置1は、各動作段階で歩行静止状態判別を行うことができる。このため、歩行動作が静止した状態を適切に検知することができる。また、短時間で誤判別を抑制した歩行静止状態判別を行うことができる。刺激付与制御部62は、静止判別部73の判別結果に基づいて、左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rを制御する。このため、適切な刺激付与制御を行うことができる。
また、計測部72は、複数の動作段階のそれぞれに対して動作段階の継続時間を計測する。静止判別部73は、複数の動作段階のそれぞれに対して歩行静止状態判別を行う。刺激付与制御部62は静止判別部73の判別結果に基づいて、左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rを制御する。したがって、短時間で高精度な歩行静止状態判別を行うことができる。このため、高精度な刺激付与制御を行うことができる。
また、第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2と第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2は、使用者の基準面200Cを跨ぐ領域に配置される。第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、左右対称な歩行動作を検知する。判別部70は、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2によって検知された第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2を組合せて使用者200の歩行動作を判別する。判別部70は、歩行段階分割部80を有する。歩行動作は、1歩行周期内の立脚期および遊脚期を複数の動作段階に分割して判別される。静止判別部73は、動作段階の継続時間を計測した計測結果に基づいて歩行静止状態判別を行う。従って、高精度な歩行静止状態判別が可能となる。
また、基準面200Cを跨いだ使用者の部位同士、例えば使用者の脚の左右のバランスが評価される場合にも、他方の脚の状態も含めた評価が可能となる。この評価としては例えば、一方の脚を評価する場合に他方の状態との交互作用を含めた評価が可能となる。
また、第1左半身センサーSL1、第2左半身センサーSL2と第1右半身センサーSR1、第2右半身センサーSR2は、左右対称に行われる歩行動作の境界となる基準面200Cに対して対称な位置に配置される。つまり、人体の動作は、歩行方向から見た人体を均等に分割する基準面200Cに対して平行な動きが多い。また、人体の動作は、基準面200Cにより分割された部位(例えば、左肢、右肢)において同様なものとなる傾向が強い。例えば、椅子に座る動作は、主に立位の状態から左右の膝が伸展し、座面に近くになった場合に膝が屈曲するなど、左右の脚が同時に動作する。判別部70は、第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2が組合された信号を用いて、同時に動作する人体の各部位の動きに基づいた動作判別を行う。従って、判別部70が動作判別に用いるデータ量は、第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2の第1検知信号IL1および第2検知信号IL2のみを用いる構成に対し、2倍になる。このため、使用者の歩行動作がより正確に判別され、より正確な歩行静止状態判別が可能となる。
また、人体の動作は、歩行時の腰側面の動きのように、左右で位相差が約180度ずれる部位が存在する。人体用刺激付与装置1における判別部70は、一方のセンサーである第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2の検知結果では動作の判別が困難な場合でも、他方のセンサーである第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2の検知結果が利用することができる。このため、従来では判別が困難な動作においても判別が容易となる。このため、より正確な歩行静止状態判別が可能となる。
人体用刺激付与装置1は、使用者200の一方の肢部分に装着された第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2と、使用者200の他方の肢部分に装着された第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2とを備える。検知信号の変動量は、第1左半身センサーSL1、第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2を人体の左右に共通して存在する肢に装着することにより、使用者200の腰部に装着する場合よりも大きくなる。このため、取得可能なデータ量が増大する。また、基準姿勢状態と動作状態とのセンサー検知信号値の差分により動作判別を行う手法においては、動作判別に用いる信号は、基準姿勢状態と動作状態とのセンサー検知信号値の差分であり、小さな値となる。このため、このような手法は、高精度な動作判別が困難である。これに対し、左右の肢部分に装着される第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2と第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2とのセンサー検知信号は、十分な差分を有する。このことにより、判別部70は、動作判別をより高精度に行うことができ、高精度の歩行静止状態判別を行うことができる。
また、人体用刺激付与装置1は、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2が使用者の膝を跨ぐ位置に設けられる。第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、膝関節の回転位置(角速度等)が検知可能なように構成されている。例えば遊脚期の前期において、大腿部は、進行方向と同じ向きで股関節を中心に回転する。
第1左半身センサーSL1および第1右半身センサーSR1(角速度センサー)は、回転方向に対する大腿部の加速度を検知して第1検知信号IL1および第3検知信号IR1として出力する。また、下腿部は、膝関節を中心に慣性力が働く方向に回転する。第2左半身センサーSL2および第2右半身センサーSR2(角速度センサー)は、回転方向に沿った下腿部の角速度を検知して第2検知信号IL2および第4検知信号IR2として出力する。遊脚期の後期において,大腿部および下腿部は、遊脚期の前期とは逆方向に回転する。第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、上記した遊脚期における足の特徴的な動作を検知するように膝関節を跨ぐ部位に設けられている。このため、第2動作段階OP2および第3動作段階OP3の検出精度を向上させることができ、高精度の歩行静止状態判別を行うことができる。
人体用刺激付与装置1は、以下の効果を奏する。
(1)人体用刺激付与装置1は、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2を検知部として有する。人体用刺激付与装置1は、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2の第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2を組合せることで人体の動作を判別する判別部70を有する。判別部70は、歩行段階分割部80を有し、使用者200の歩行動作時における1歩行周期内の立脚期および遊脚期を複数の動作段階に分割して動作判別を行う。静止判別部73は、動作段階の継続時間を計測して歩行静止状態判別を行う。刺激付与制御部62は静止判別部73の判別結果に基づいて、左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rを制御する。この構成によれば、歩行動作が静止した状態を適切に検知することができる。また、短時間で誤判別を抑制した歩行静止状態判別を行うことができる。このため、適切な刺激付与制御を行うことができる。
(2)判別部70は、歩行段階分割部80を有し、使用者200の歩行動作時における1歩行周期内の立脚期および遊脚期を複数の動作段階に分割して動作判別を行う。判別部70は、計測部72を有する。計測部72は、それぞれの動作段階における継続時間を計測する。計測部72は、計測結果を計測部72に記憶する。静止判別部73は、複数の動作段階のそれぞれに対して歩行静止状態判別を行う。刺激付与制御部62は静止判別部73の判別結果に基づいて、左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rを制御する。この構成によれば、短時間で高精度な歩行静止状態判別を行うことができる。このため、高精度な刺激付与制御を行うことができる。
(3)人体用刺激付与装置1は、使用者200の基準面200Cに対して対称な位置に左脚検知部SLおよび右脚検知部SRを構成する第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2を有する。判別部70は、左脚検知部SLおよび右脚検知部SRの検知結果である第1検知信号IL1、第2検知信号IL2、第3検知信号IR1、および第4検知信号IR2を組合せることで使用者200の動作を判別する。静止判別部73は、判別部70の判別結果に基づいて歩行静止状態判別を行う。この構成によれば、歩行動作の判別に用いられるデータ量が増加し、高精度な歩行静止状態判別が可能となる。
(4)人体用刺激付与装置1は、歩行方向から見た人体を左右均等に分割する身体の中心の面を基準面200Cとする。第1左半身センサーSL1と第1右半身センサーSR1および第2左半身センサーSL2と第2右半身センサーSR2はそれぞれ、基準面200Cに対称に配置される。この構成によれば、第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2の第1検知信号IL1および第2検知信号IL2のみが用いられる構成に対し、判別部70に入力される信号のデータ量が2倍になり、使用者200の歩行動作がより正確に判別される。このため、正確に歩行静止状態判別を行うことができる。
(5)人体用刺激付与装置1の左半身検知部50Lおよび右半身検知部50Rは、人体の一方の肢部分と他方の肢部分に各々設けられた複数の第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2により構成される。この構成によれば、人体用刺激付与装置1は、例えば、歩行動作等の各種動作に伴う人体の変位を示す信号をより多く取得することが可能となる。このため、人体用刺激付与装置1は、人体の動作を示す豊富なデータに基づいて動作判別を行うことが可能となる。このため、動作判別をより詳細かつ高精度に行うことが可能となる。このため、歩行静止状態判別をより詳細かつ高精度に行うことが可能となる。
(6)人体用刺激付与装置1は、基準面200Cに対称な位置に装着された第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2の検知信号を組合せる。人体用刺激付与装置1は、組合せ信号に基づいて人体の一方の肢の動作判別を行う。この構成によれば、動作の判別を高精度かつ迅速に行うことが可能である。このため、歩行静止状態判別をより高速かつ高精度に行うことが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態の人体用刺激付与装置1は、第1実施形態の人体用刺激付与装置1と比較して以下の部分において異なる構成を有し、その他の部分において同一の構成を有する。第1実施形態の人体用刺激付与装置1と共通する構成については同一の符号を付して、その説明の一部または全部を省略する。
第1実施形態の人体用刺激付与装置1は静止判別時間tREFが入力される時間設定部63を有する。一方、第2実施形態の人体用刺激付与装置1は、計測部72の計測値に基づいて静止判別時間tREFを設定する時間設定部64を有する。
図9を参照して、人体用刺激付与装置1の構成について説明する。
人体用刺激付与装置1は、時間設定部64を有する。計測部72は、判別部70により判別された第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3のそれぞれの動作段階継続時間tOPを計測する。計測部72は、計測結果を記憶する。時間設定部64は、静止判別時間tREFを設定する。静止判別部73は、計測部72に記憶された動作段階継続時間tOPと時間設定部64が設定する静止判別時間tREFを比較する。静止判別部73は、動作段階継続時間tOPが時間設定部64が設定する静止判別時間tREFよりも長いとき、歩行静止状態を判別する。静止判別部73は、判別結果を刺激付与制御部62に出力する。
時間設定部64は、判定時間規定部を有する。判定時間規定部は、複数の被験者に対して事前に行った歩行テストの結果に基づいて静止判別時間tREFを規定する。時間設定部64は、判定時間規定部の規定に基づいて静止判別時間tREFを設定する。
図10を参照して、判定時間規定部による静止判別時間の規定について説明する。
人体の歩行動作における立脚期は、1歩行周期の約60%であり、1歩行周期時間と各動作段階の継続時間は相関関係があることが知られている。また、1歩行周期の長い人は,各動作段階の継続時間も長いことが知られている。このため、歩行静止状態判定を精度よく行うためには、静止判別時間tREFは、人体用刺激付与装置1の使用者200の歩行特性に応じて変更する必要がある。
図10(a)は、静止判別時間tREFを、動作段階継続時間tOPに対して正の比例係数を持たせて設定する手法を示すグラフである。判定時間規定部は、入力値としての動作段階継続時間tOPに対して、比例係数kを用いて出力値である静止判別時間tREFを規定する。判定時間規定部は、現在の歩行周期以前に計測部72により計測された複数の分割歩行段階の継続時間の少なくとも1つの継続時間に基づいて、図10(a)に示される比例係数kを用いて静止判別時間tREFを規定する。時間設定部64は、複数の被験者に対して事前に行った歩行テストの結果を記憶部に保有する。判定時間規定部は、計測部72の計測時間から歩行テストの結果を参照して静止判別時間tREFを規定する。静止判別部73は、短い時間で歩行静止状態判別が可能である。
図10(b)は、静止判別時間tREFを、動作段階継続時間tOPに対して正の比例係数を持たせて、オフセット値t0を加えて設定する手法を示すグラフである。
判定時間規定部は、動作段階継続時間tOPに対して、比例係数kおよびオフセット値t0を用いて静止判別時間tREFを規定する。静止判別部73は、動作段階継続時間tOPが短い場合においても、ノイズ等による誤動作を抑制して、安定な歩行静止状態判別を行うことができる。
図10(c)は、静止判別時間tREFを、動作段階継続時間tOPに対して正の比例係数を持たせて、オフセット値t0を加えるとともに、判別最小時間tREFminおよび判別最大時間tREFmaxを設定する手法を示すグラフである。動作段階継続時間tOPは、多数の被験者に対して事前に行う歩行テスト結果に基づいて、最小継続時間tOPminおよび最大継続時間tOPmaxが設定される。静止判別時間tREFの判別最小時間tREFminおよび判別最大時間tREFmaxは、最小継続時間tOPminおよび最大継続時間tOPmaxに対応して設定される。判定時間規定部は、最小継続時間tOPmin以下の動作段階は、歩行動作以外のジャンプ動作等とみなし、静止判別時間tREFとして判別最小時間tREFminを規定する。判定時間規定部は、最大継続時間tOPmax以上の動作段階は、すべて歩行静止状態とみなして、静止判別時間tREFとして判別最大時間tREFmaxを規定する。静止判別部73は、動作段階継続時間tOPが短い場合においても、ノイズ等による誤動作を抑制して、安定な歩行静止状態判別を行うことができる。静止判別部73は、動作段階継続時間tOPが長い場合においても、判定時間の増加を抑制することができる。
人体用刺激付与装置1は、静止判別時間tREFの設定において、使用者200が行う歩行動作の形態に応じて、図10(a)〜(c)に示される設定手法、あるいはその他の設定手法が選択可能な構成とされる。歩行動作の形態は、平坦な路面の歩行、傾斜を有した路面の歩行、階段昇降における歩行、あるいはその他の歩行形態である。
図11を参照して、歩行静止判別処理のフローについて説明する。
ステップS41〜ステップS45は、第1実施形態において図8で説明したステップS21〜ステップS25と同様の動作を行う。
時間設定部64は、ステップS46において、現在の歩行周期以前に計測部72により計測された複数の分割歩行段階の継続時間の少なくとも1つの継続時間に基づいて、静止判別時間tREFを設定する。
計測部72は、ステップS47において、ステップS45で判別した動作段階番号OPN(n)と前動作段階番号OPN(n−1)との一致を判定する。このステップS47を実行することにより、計測部72は、同一動作段階番号と判定される動作が継続しているかを判定する。
ステップS47において一致(Yes)と判定されるとき、計測部72は、ステップS48において、計測部72に記憶する動作段階継続時間tOPに1を加える。
ステップS47において不一致(No)と判定されるとき、
計測部72は、ステップS49において、計測部72に記憶する動作段階継続時間tOPをリセットして0に設定する。
静止判別部73は、ステップS50において、動作段階継続時間tOPと静止判別時間tREFとを比較する。
ステップS50において動作段階継続時間tOPが静止判別時間tREFよりも長い(Yes)と判定されるとき、刺激付与制御部62は、ステップS51において、制御フラグFLGを1に設定する。
ステップS50において動作段階継続時間tOPが静止判別時間tREFよりも短い(No)と判定されるとき、刺激付与制御部62は、ステップS52において、制御フラグFLGをリセットして0に設定する。
判別部70は、ステップS53において、判定した動作段階番号OPN(n)を前動作段階番号としてOPN(n−1)に設定する。
制御部60は、ステップ54において、10msの待機時間を設定する。前述のように、待機時間は、判別部70が実行する判別周期である。待機時間は、歩行周期に応じて最適な値が設定される。
制御部60は、人体用刺激付与装置1が動作を行なっている期間において、ステップ44〜ステップ54を繰り返す。
図11に示されるフローを実行することにより、計測部72は、ステップS48において、判別部70が判定した動作段階の継続時間を、10msを単位とした時間のカウント数として計測する。
静止判別部73は、ステップS50において、計測部72が計測した動作段階継続時間tOPが静止判別時間tREFよりも長いとき、歩行静止状態として判定する。
計測部72は、ステップS49において、判別部70が判定した動作段階番号OPN(n)が前動作段階番号OPN(n−1)から変化したとき、計測部72に記憶している動作段階継続時間tOPを0にセットする。
刺激付与制御部62は、制御フラグにおけるFLGの値に基づいて、左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rを制御して、使用者200に対する刺激付与の大きさを変化させる。つまり、ステップS29において、歩行静止状態が判定され、ステップS30において、制御フラグにおけるFLGが1に設定されている間、左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rは、使用者200に対する刺激力を弱める、あるいは停止させる。
人体用刺激付与装置1の作用について説明する。
人体用刺激付与装置1の判別部70は、歩行段階分割部80を有する。歩行段階分割部80は、1歩行周期内の立脚期および遊脚期を複数の動作段階に分割して動作判別を行う。計測部72は、複数に分割された動作段階のそれぞれに対して動作段階継続時間tOPを計測する。時間設定部64は、判定時間規定部を有する。判定時間規定部は、現在の歩行周期以前に計測部72により計測された複数の分割歩行段階の継続時間の少なくとも1つの継続時間に基づいて、静止判別時間tREFを規定する。時間設定部64は、判定時間規定部の規定に基づいて静止判別時間tREF設定する。静止判別部73は、時間設定部64が設定する静止判別時間tREFに基づいて歩行静止状態判別を行う。刺激付与制御部62は静止判別部73の判別結果に基づいて、左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rを制御する。このため、使用者200の歩行特性に応じて、正確な歩行静止状態判別を行うことができる。このため、適切な刺激付与制御を行うことができる。
また、人体用刺激付与装置1は、計測部72が静止判別時間tREF設定に用いる設定手法を選択可能な構成としている。このため、静止判別部73は、使用者200の歩行形態に応じて、正確な歩行静止状態判別を行うことができる。このため、適切な刺激付与制御を行うことができる。
第2実施形態の人体用刺激付与装置1は、第1実施形態の人体用刺激付与装置1が奏する(1)〜(6)と同様の効果を奏する。すなわち、短時間で誤判別を抑制した歩行静止状態判別を行うことにより、適切な刺激付与制御を行うことができる旨の効果、高精度な刺激付与制御を行うことができる旨の効果、およびその他の種々の効果を奏する。また、人体用刺激付与装置1は、以下の効果を奏する。
(7)人体用刺激付与装置1の判別部70は、1歩行周期内の立脚期および遊脚期を複数の動作段階に分割して動作判別を行う。計測部72は、複数に分割された動作段階のそれぞれに対して動作段階継続時間tOPを計測する。時間設定部64は、現在の歩行周期以前に計測部72により計測された複数の分割歩行段階の継続時間の少なくとも1つの継続時間に基づいて、静止判別時間tREFを設定する。静止判別部73は、時間設定部64が設定する静止判別時間tREFに基づいて歩行静止状態判別を行う。刺激付与制御部62は静止判別部73の判別結果に基づいて、左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rを制御する。このため、使用者200の歩行特性に応じて、正確な歩行静止状態判別を行うことができる。このため、適切な刺激付与制御を行うことができる。
(8)人体用刺激付与装置1は、計測部72が静止判別時間tREFの設定に用いる設定手法を選択可能な構成としている。このため、複数の動作段階のそれぞれに対して動作段階の継続時間を計測する。静止判別部73は、使用者200の歩行形態に応じて、正確な歩行静止状態判別を行うことができる。このため、適切な刺激付与制御を行うことができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の人体用刺激付与装置1は、第2実施形態の人体用刺激付与装置1と比較して以下の部分において異なる構成を有し、その他の部分において同一の構成を有する。第2実施形態の人体用刺激付与装置1と共通する構成については同一の符号を付して、その説明の一部または全部を省略する。
第2実施形態の人体用刺激付与装置1は、第1装着部10Lおよび第2装着部10Rに左半身刺激付与部90Lおよび右半身刺激付与部90Rを有する。一方、第3実施形態の人体用刺激付与装置1は、第1装着部10Lおよび第2装着部10Rに左半身電気刺激付与部140Lおよび右半身電気刺激付与部140Rを有する。
図12を用いて、第1装着部10Lの構成について説明する。
図12におい、図3に示す第1実施の形態における第1装着部10Lと同一の要素にはそれぞれ同一の符号を付して示し、重複する説明は割愛する。また、第2装着部10Rは、第1装着部10Lと同一の構成であり、説明を省略する。
第1装着部10Lは、使用者の身体に電気刺激を付与するための左半身電気刺激付与部140Lを構成する電極部34Lおよび35Lが、大腿正面部24および下腿正面部27に設けられている。電極部34Lは、一対の陽極34Laおよび陰極34Lbを有する。また、電極部35Lは、一対の陽極35Laおよび陰極35Lbを有する。陽極34La,35Laおよび陰極34Lb,35Lbは、その一部が大腿正面部24および下腿正面部27の背面24b,27bから露出しており、皮膚と直接接触して電気刺激を付与するように構成されている。
図13を参照して人体用刺激付与装置1の回路ブロック構成について説明する。
人体用刺激付与装置1の刺激装置本体部40を構成する制御部60は、第1判別部100、第2判別部120、第1時間設定部65、および第2時間設定部66を有する。人体用刺激付与装置1の第1装着部10Lは、左半身電気刺激付与部140Lを有する。人体用刺激付与装置1の第2装着部10Rは、右半身電気刺激付与部140Rを有する。
第1判別部100は、基準面200Cにより分割された使用者200の左半身に装着された第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2からなる左脚検知部SLの検知結果に基づいて、使用者の一方の肢の動作判別を行う。第1判別部100は、第1比較部101、第1計測部102、第1静止判別部103、および第1歩行段階分割部110を有する。第1歩行段階分割部110は、第1論理演算部111を有する。演算処理部61は、左脚検知部SLの検知信号に対しての演算処理を行う。第1比較部101は、演算処理部61の演算結果と閾値とを比較する。第1論理演算部111は、第1比較部101が出力する比較結果に対して論理演算を行う。第1判別部100は、第1比較部101および第1論理演算部111を用いて、演算処理部61により処理された第1左半身センサーSL1および第2左半身センサーSL2の第1検知信号IL1および第2検知信号IL2等に対する判定を行う。これにより、第1判別部100は、使用者200の左脚の1歩行周期の歩行動作から、図6に示される複数の第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を判別する。第1判別部100は、歩行動作に伴って動作段階が切り替わったと判定したとき、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を示す動作段階番号OPNと、動作段階が切り替わったことを示す信号を出力する。
第1計測部102は、図11に示される歩行静止判別処理フローのステップS47〜ステップS49で示す動作を行うことにより、第1判別部100が判定する第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の継続時間を計測する。第1時間設定部65は、図10に示される静止判別時間設定手法を用いて、図11に示される歩行静止判別処理フローのステップS46において、静止判別時間tREFを設定する。第1静止判別部103は、第1計測部102により計測された第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の継続時間と静止判別時間tREFとを比較する。第1静止判別部103は、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の継続時間が静止判別時間tREFよりも大きいとき、歩行静止状態を判別する。
第2判別部120は、基準面200Cにより分割された使用者200の右半身に装着された第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2からなる右脚検知部SRの検知結果に基づいて、使用者の他方の肢の動作判別を行う。第2判別部120は、第2比較部121、第2計測部122、第2静止判別部123、および第2歩行段階分割部130を有する。第2歩行段階分割部130は、第2論理演算部131を有する。演算処理部61は、右脚検知部SRの検知信号に対しての演算処理を行う。第2比較部121は、演算処理部61の演算結果と閾値とを比較する。第2論理演算部131は、第2比較部121が出力する比較結果に対して論理演算を行う。第2判別部120は、第2比較部121および第2論理演算部131を用いて、演算処理部61により処理された第1右半身センサーSR1および第2右半身センサーSR2の第3検知信号IR1および第4検知信号IR2等に対する判定を行う。これにより、第2判別部120は、使用者200の右脚の1歩行周期の歩行動作から、図6に示される複数の第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を判別する。第2判別部120は、歩行動作に伴って動作段階が切り替わったと判定したとき、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3を示す動作段階番号OPNと、動作段階が切り替わったことを示す信号を出力する。
第2計測部122は、図11に示される歩行静止判別処理フローのステップS47〜ステップS49で示す動作を行うことにより、第2判別部120が判定する第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の継続時間を計測する。第2時間設定部66は、図10に示される静止判別時間設定手法を用いて、図11に示される歩行静止判別処理フローのステップS46において、静止判別時間tREFを設定する。第2静止判別部123は、第2計測部122により計測された第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の継続時間と静止判別時間tREFとを比較する。第2静止判別部123は、第1動作段階OP1、第2動作段階OP2、および第3動作段階OP3の継続時間が静止判別時間tREFよりも大きいとき、歩行静止状態を判別する。
刺激付与制御部62は、第1静止判別部103および第2静止判別部123の判別信号を受けて、第1装着部10Lおよび第2装着部10Rに装着される左半身電気刺激付与部140Lおよび右半身電気刺激付与部140Rを制御する。刺激付与制御部62は、第1静止判別部103および第2静止判別部123の判別信号を受けて、使用者200に対する刺激付与の大きさを変化させる。第1静止判別部103が歩行静止状態判別を行うとき、左半身電気刺激付与部140Lは、使用者200に対する刺激力を弱める、あるいは停止させる。第2静止判別部123が歩行静止状態判別を行うとき、右半身電気刺激付与部140Rは、使用者200に対する刺激力を弱める、あるいは停止させる。
制御部60は、刺激付与制御部62からの制御信号に基づいてパルス発生部67を駆動する。左半身電気刺激付与部140Lは、所定のパルス信号を、各電極部34Lおよび35Lの陽極34Laおよび35Laと陰極34Lbおよび35Lbとの間に発生させる。各電極部34Lおよび35Lは、パルス信号の発生により、使用者200に対して電気刺激を付与する。右半身電気刺激付与部140Rは、左半身電気刺激付与部140Lと同様の動作を行い、使用者200に対して電気刺激を付与する。
図14を用いて、歩行動作における電気刺激パルス付与の動作を説明する。
図14においては、使用者200の右脚210Rにおける動作を示している。
図14(a)は、歩行動作を示している。時刻t11〜t21および時刻t21〜t31の期間は、1歩行周期期間である。使用者200は、時刻t21〜t31の区間において、時刻t11〜t21の区間における歩行周期Aよりも短い歩行周期Bで歩行動作を行なっている。使用者200は、時刻t31以降は歩行静止状態を形成している。
図14(b)は、第1判別部100により判別した動作段階を示している。図14(b)においては、1歩行周期を第1動作段階OP1〜第4動作段階OP4で示す4種類に分割している例を示している。
図14(c)は、歩行静止状態判別のために設定される静止判別時間tREFの値を示している。図14(c)に示されるように、歩行周期が短い歩行周期Bにおける静止判別時間tREFの値は、歩行周期Aよりも小さな値に設定される。
図14(d)は、第1計測部102が計測する動作段階継続時間tOPを示している。tOPの値は、動作段階が切り替わると0に設定される。
図14(e)は、パルス発生部67における電気刺激パルスの状態を示している。図14(e)で示される例においては、電気刺激パルスは、歩行動作が第2動作段階OP2から第3動作段階OP3に切り替る時刻t12および時刻t23でオンとなるよう制御される。電気刺激パルスは、歩行動作が第1動作段階OP1から第2動作段階OP2に切り替る時刻t22でオフとなるよう制御される。また、歩行静止状態を判別すると、刺激付与制御部62は、電気刺激パルスをオフとする制御を行う。
時刻t31以降で歩行動作が歩行静止状態を形成すると、第1計測部102が計測する動作段階継続時間tOPが時間とともに増加する。第2静止判別部123は、動作段階継続時間tOPが静止判別時間tREFよりも大きくなる時刻t32で歩行静止状態を判別する。刺激付与制御部62は、時刻t32において電気刺激パルスをオフとするよう制御する。電気刺激パルスは、時刻t32以降の歩行静止状態形成期間においてはオフ状態が維持される。
使用者200の左脚210Lに対する電気刺激パルス付与は、人体用刺激付与装置1により、使用者200の左脚210Lの動作に応じて、右脚210Rに対する動作と同様のタイミングで行われる。
人体用刺激付与装置1の作用について説明する。
人体用刺激付与装置1は、使用者200の一方の脚の動作状態を判別する第1判別部100を有する。第1判別部100は、第1歩行段階分割部110、第1計測部102、第1時間設定部65、および第1静止判別部103を有する。第1判別部100は、左脚検知部SLの検知信号に基づき使用者200の一方の脚の動作を判別する。第1歩行段階分割部110は、使用者200の一方の脚の動作を複数の区間に分割して判別する。第1計測部102は、複数の区間に分割して判別された動作段階の動作段階の継続時間を計測する。第1時間設定部65は、静止判別時間tREFを設定する。第1静止判別部103は、動作段階継続時間と静止判別時間tREFとを比較して歩行静止状態を判別する。
また、人体用刺激付与装置1は、使用者200の他方の脚の動作状態を判別する第2判別部120を有する。第2判別部120は、第2歩行段階分割部130、第2計測部122、第2時間設定部66、および第2静止判別部123を有する。第2判別部120は、右脚検知部SRの検知信号に基づき使用者200の他方の脚の動作を判別する。第2歩行段階分割部130は、使用者200の他方の脚の動作を複数の区間に分割して判別する。第2計測部122は、複数の区間に分割して判別された動作段階の継続時間を計測する。第2時間設定部66は、静止判別時間tREFを設定する。第2静止判別部123は、動作段階継続時間と静止判別時間tREFとを比較して歩行静止状態を判別する。
刺激付与制御部62は、第1静止判別部103の判別結果に基づいて、歩行静止状態が判別されるとき、使用者200に対する刺激付与の大きさを変化させる。刺激付与制御部62は、第2静止判別部123の判別結果に基づいて、歩行静止状態が判別されるとき、使用者200に対する刺激付与の大きさを変化させる。これにより、左右の脚の動作に差がある使用者200の歩行動作において、人体用刺激付与装置1は、左右の脚の動作を異なる判別部により判別する。このため、人体用刺激付与装置1は、左右の脚それぞれに対して動作段階の判別および歩行静止状態判別を行うことができる。このため、左右異なる動作を行う使用者に対しても、適切な刺激付与制御を行うことができる。
また、人体用刺激付与装置1の第1装着部10Lおよび第2装着部10Rは、左半身電気刺激付与部140Lおよび右半身電気刺激付与部140Rを有する。左半身電気刺激付与部140Lおよび右半身電気刺激付与部140Rはそれぞれ、制御部60が有する第1静止判別部103および第2静止判別部123が歩行静止状態を判定するとき、刺激付与制御部62により、刺激付与の大きさを変化する制御がなされる。このため、電気刺激を付与する区間を適切な時間とすることができる。
本実施形態の人体用刺激付与装置1は、第1実施形態の人体用刺激付与装置1が奏する(1)〜(6)の効果、ならびに第2実施形態の人体用刺激付与装置1が奏する(7)および(8)に加えて以下の効果を奏する。
(9)人体用刺激付与装置1は、使用者200の左右の脚それぞれの動作状態を判別する第1判別部100および第2判別部120を有する。第1判別部100は、動作段階継続時間と静止判別時間に基づいて使用者200の一方の脚の歩行静止状態を判別する。また、第2判別部120は、動作段階継続時間と静止判別時間に基づいて使用者200の他方の脚の歩行静止状態を判別する。刺激付与制御部62は、第1静止判別部103および第2静止判別部123の判別結果の判別結果に基づいて、使用者200の左右の脚への刺激付与をそれぞれ制御する。この構成によれば、左右の脚の動作に差がある使用者200の歩行動作において、人体用刺激付与装置1は、左右の脚の動作を異なる判別部により判別する。このため、人体用刺激付与装置1は、左右の脚それぞれに対して動作段階の判別および歩行静止状態判別を行うことができる。このため、左右異なる動作を行う使用者に対しても、適切な刺激付与制御を行うことができる。
(10)人体用刺激付与装置1の第1装着部10Lおよび第2装着部10Rは、左半身電気刺激付与部140Lおよび右半身電気刺激付与部140Rを有する。左半身電気刺激付与部140Lおよび右半身電気刺激付与部140Rは、制御部60が有する第1静止判別部103および第2静止判別部123が歩行静止状態を判定するとき、刺激付与制御部62により、刺激付与の大きさを変化する制御がなされる。このため、人体用刺激付与装置1は、電気刺激を付与する区間を適切な時間とすることができる。このため、人体用刺激付与装置1は、使用者に対して長時間電気刺激が付与されることによる疲労を抑制することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態の人体用刺激付与装置1は、1歩行周期における静止判別時間tREFの設定値が第3実施形態における設定値と異なる。また、刺激付与制御部62は、第1静止判別部103および第2静止判別部123が歩行静止判別したときからの経過時間である歩行静止時間が判定経過時間を超えた後所定時間経過後にパルス発生部67に制御信号を出力する。人体用刺激付与装置1におけるブロック構成は、第3実施形態と同一の構成を有する。このため、ブロック動作の説明の説明を省略する。
図15を用いて、歩行動作における電気刺激パルス付与の動作を説明する。
図15(a)は、歩行動作を示している。時刻t11〜t21および時刻t21〜t31の期間は、1歩行周期期間である。使用者200は、時刻t21〜t31の区間において、時刻t11〜t21の区間における歩行周期Aよりも短い歩行周期Bで歩行動作を行なっている。使用者200は、時刻t31以降は歩行静止状態を形成している。
図15(b)は、第1判別部100により判別した動作段階を示している。図15(b)においては、1歩行周期を第1動作段階OP1〜第4動作段階OP4で示す4種類に分割している例を示している。
図15(c)は、歩行静止状態判別のために設定される静止判別時間tREFの値を示している。図15(c)に示されるように、1歩行周期内において、動作段階に応じて異なる静止判別時間tREFの値が設定される。静止判別時間tREFの変更は、図10に示す動作段階継続時間tOPにする比例係数kを動作段階に応じて変更することにより可能である。
図15(d)は、第1計測部102が計測する動作段階継続時間tOPを示している。動作段階継続時間tOPの値は、動作段階が切り替わると0に設定される。
図15(e)は、パルス発生部67における電気刺激パルスの状態を示している。図15(e)で示される例においては、電気刺激パルスは、歩行動作が第2動作段階OP2から第3動作段階OP3に切り替る時刻t12および時刻t23でオンとなるよう制御される。電気刺激パルスは、歩行動作が第1動作段階OP1から第2動作段階OP2に切り替る時刻t22でオフとなるよう制御される。また、歩行静止状態を判別すると、刺激付与制御部62は、電気刺激パルスをオフとする制御を行う。
時刻t31以降で歩行動作が歩行静止状態を形成すると、第1計測部102が計測する動作段階継続時間tOPが時間とともに増加する。第2静止判別部123は、動作段階継続時間tOPが静止判別時間tREFよりも大きくなる時刻t32で歩行静止状態を判別する。刺激付与制御部62は、時刻t32から所定時間経過した時刻t33で電気刺激パルスをオフとするよう制御する。電気刺激パルスは、時刻t33以降の歩行静止状態期間においてはオフ状態が維持される。
本実施形態の人体用刺激付与装置1は、1実施形態の人体用刺激付与装置1が奏する(1)〜(6)の効果、第2実施形態の人体用刺激付与装置1が奏する(7)および(8)の効果、ならびに第3実施形態の人体用刺激付与装置1が奏する(9)および(10)の効果に加えて以下の効果を奏する。
(11)歩行静止状態判別に用いるために設定される静止判別時間tREFの設定値は、1歩行周期内で動作段階に応じて変更される。歩行動作においては、歩行静止状態は立位とされる場合が大多数である。このため、立脚期において、立位状態を経て歩行静止状態へと推移する場合が多い。このため、立脚期における動作段階の静止判別時間tREFの設定値を小さな値とすることで、より早く歩行静止状態判定が可能となる。一方、遊脚期における動作段階の静止判別時間tREFの設定値を大きな値とすることで、静止判別時間が長くなり、誤判定を抑制することができる。このため、高精度の刺激付与制御が可能となる。
(12)刺激付与制御部62は、第1静止判別部103および第2静止判別部123が歩行動作における歩行静止状態判別をおこなってから、所定時間経過後に電気刺激パルスをオフとする制御を行う。このため、使用者200に対する電気刺激付与は、使用者200の動作が歩行状態から歩行静止状態へと移行し、安定な歩行静止状態となってから停止なされる。このため、人体用刺激付与装置1は、不安定な歩行静止状態での刺激付与停止による使用者200の転倒を防止することができる。
(その他の実施形態)
本人体用刺激付与装置は、第1〜第4実施形態以外の実施形態を含む。以下、本人体用刺激付与装置のその他の実施形態としての第1〜第4実施形態の変形例を示す。なお、以下の各変形例は、互いに組み合わせることもできる。
・第2実施形態〜第4実施形態の人体用刺激付与装置1は、時間設定部64、第1時間設定部65、および、第2時間設定部66が、1歩行周期を複数に分割した動作段階におけるそれぞれの区間において静止判別時間tREFを設定する。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第2実施形態〜第4実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、時間設定部64、第1時間設定部65、および、第2時間設定部66が、1歩行周期を複数に分割した動作段階における複数の区間において統合した静止判別時間tREFを設定する。
図16を用いて、歩行動作における電気刺激パルス付与の動作を説明する。
各歩行周期における静止判別時間tREFは、第1動作段階OP1における動作段階継続時間tOP1の値を用いて設定される。このような構成においては、時間設定部64、第1時間設定部65、および、第2時間設定部66の構成が簡略化される。
・第3実施形態および第4実施形態の人体用刺激付与装置1は、左半身電気刺激付与部140Lおよび140Rが、パルス発生部67の信号を受けて、電気刺激パルスを使用者200に付与する。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第2実施形態〜第4実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、左半身電気刺激付与部140Lおよび140Rが、時間の経過とともに電流値が徐々に大きくなる電気刺激を使用者200に付与する。また、時間の経過とともに電流値が徐々に小さくなる電気刺激を使用者200に付与してもよい。
・第2実施形態の人体用刺激付与装置1は、時間設定部64の判定時間規定部が、複数の被験者に対して事前に行った歩行テストの結果を参照して静止判別時間tREFを規定する。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第2実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、時間設定部64の判定時間規定部が、複数の被験者に対して事前に行った歩行テストの結果から求められる算出式を用いて静止判別時間tREFを算出する。
・第1実施形態〜第4実施形態の人体用刺激付与装置1は、第1左半身センサーSL1および第1右半身センサーSR1を角速度センサーとする。また、第2左半身センサーSL2および第2右半身センサーSR2を角速度センサーとする。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第1実施形態〜第4実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、同じ種類のセンサーとする。または、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、ロータリーエンコーダ、ポテンショメータ、ゴニオメータ、加速度センサー、角速度センサーなどとする。
・第1実施形態〜第4実施形態の人体用刺激付与装置1は、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2と刺激装置本体部40とが、接続ケーブル13によって接続される。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第1実施形態〜第4実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2および刺激装置本体部40が、無線通信可能な通信部を有する。
・第1実施形態〜第4実施形態の人体用刺激付与装置1は第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2が、使用者の膝関節部に装着される。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第1実施形態〜第4実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2が、使用者の股関節回りに装着される。または、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、使用者の腰、肘、腕、足首などの他の部位に装着されてもよい。この場合には、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、基準面を跨ぐ対称な部位に装着される。なお、第1左半身センサーSL1,第2左半身センサーSL2、第1右半身センサーSR1、および第2右半身センサーSR2は、使用者の身体の関節を間に挟む位置に設けられることが好ましい。
・第1実施形態〜第4実施形態の人体用刺激付与装置1は、第1装着部10Lおよび第2装着部10Rと刺激装置本体部40とが別体として構成される。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第1実施形態〜第4実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、刺激装置本体部40が、第1装着部10Lおよび第2装着部10Rに内蔵される。
・第3実施形態の人体用刺激付与装置1は、第1判別部100が一方の脚の動作判別を行い、第2判別部120が他方の脚の動作判別を行う。同様に、他方の脚の動作判別も、第1判別部100および第2判別部120の判別結果に基づき行われる。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第3実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、第1判別部100および第2判別部120が一方の脚の動作判別を行い、第1判別部100および第2判別部120が他方の脚の動作判別を行う。
・第1実施形態〜第4実施形態の人体用刺激付与装置1は、左脚検知部SLおよび右脚検知部SRが同種類の第1左半身センサーSL1および第1右半身センサーSR1と同種類の第2左半身センサーSL2および第2右半身センサーSR2で構成される。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第1実施形態〜第4実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、左脚検知部SLおよび右脚検知部SRはそれぞれ異なる種類のセンサーによって構成される。これによれば、第1判別部100および第2判別部120は、異なるセンサーの検知値を用いて使用者200の動作判別を行う。
・第3実施形態の人体用刺激付与装置1は、刺激付与制御部62が、パルス発生部67を制御して電気刺激パルスを発生させる。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第3実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、電気刺激として電流値を時間の経過とともに徐々に高くする構成とする。
・第1実施形態〜第4実施形態の人体用刺激付与装置1は、左脚検知部SLおよび右脚検知部SRにより左半身検知部50Lおよび右半身検知部50Rが構成される。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第1実施形態〜第4実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、検知部が、人体に装着される少なくとも1つのセンサーからなる補助検知部を備える。これによれば、左脚検知部SLおよび右脚検知部SRが共に誤検知を行ったとしても、補助検知部が左脚検知部SLおよび右脚検知部SRに代替して人体の動作を検知する。これにより、人体の動作検知がより高い信頼性のもとに行われる。
・第1実施形態〜第4実施形態の人体用刺激付与装置1は、使用者200の歩行動作を複数の区間に分割して動作判別を行う。ただし、人体用刺激付与装置1の構成は、第1実施形態〜第4実施形態に例示された内容に限られない。例えば、変形例の人体用刺激付与装置1は、階段等の昇降動作において動作判別を行い、刺激を付与する。または、人体用刺激付与装置1は、座椅子等からの立ち上がり動作において動作判別を行い、刺激を付与する。
・第1実施形態〜第4実施形態は、体動検知装置の適用例としての人体用刺激付与装置1を構成する。ただし、体動検知装置の適用は人体用刺激付与装置に限られない。例えば、変形例の体動検知装置は、医療における転倒予防装置に適用される。転倒予防装置は、身体に障害を有する患者の歩行状態を判別して判別データを蓄積する。転倒予防装置は、患者の歩行時に歩行状態を判別し、蓄積された判別データに基づいて転倒を予測する。
転倒予防装置は、歩行状態を複数の動作段階に分割して、静止判定を含む詳細な動作判別データを蓄積することにより、高精度な予測が可能となる。
1…人体用刺激付与装置、50L…左半身検知部、50R…右半身検知部、60…制御部、63…時間設定部、64…時間設定部、65…第1時間設定部、66…第2時間設定部、70…判別部、72…計測部、90L…左半身刺激付与部、90R…右半身刺激付与部、100…第1判別部、102…第1計測部、103…第1静止判別部、120…第2判別部、122…第2計測部、123…第2静止判別部、140L…電気刺激付与部、140R…電気刺激付与部、200C…基準面、SL1…第1左半身センサー、SL2…第2左半身センサー、SR1…第1右半身センサー、SR2…第2右半身センサー。

Claims (12)

  1. 人体の動作を検知する体動検知装置であって、
    前記体動検知装置は、検知部および判別部を有し、
    前記検知部は、人体の歩行動作に応じて変化する検知信号を出力し、
    前記判別部は、前記検知部の検知信号に基づいて、1歩行周期における歩行動作を複数の歩行段階に区分し、前記複数の歩行段階の少なくとも1つの歩行段階の継続時間に基づいて、歩行動作が静止した状態である歩行静止状態が形成されているか否かを判定する
    体動検知装置。
  2. 前記判別部は、1歩行周期に含まれる立脚期および遊脚期をそれぞれ特定歩行段階と規定し、前記特定歩行段階としての前記立脚期または前記遊脚期を複数の歩行段階に区分し、区分した前記複数の歩行段階のそれぞれを分割歩行段階と規定し、複数の前記分割歩行段階のそれぞれの継続時間に基づいて、前記歩行静止状態が形成されているか否かを判定する
    請求項1に記載の体動検知装置。
  3. 前記判別部は、前記複数の分割歩行段階の少なくとも1つの前記分割歩行段階の継続時間が静止判定時間よりも長いとき、前記歩行静止状態が形成されていると判定する
    請求項2に記載の体動検知装置。
  4. 前記体動検知装置は、計測部を有し、
    前記計測部は、前記複数の分割歩行段階のそれぞれの継続時間を計測し、
    前記判別部は、前記計測部により計測された前記複数の分割歩行段階の継続時間の少なくとも1つの継続時間と前記静止判定時間との比較に基づいて、前記歩行静止状態が形成されているか否かを判定する
    請求項3に記載の体動検知装置。
  5. 前記体動検知装置は、時間設定部を有し、
    前記時間設定部は、前記計測部により計測された前記複数の分割歩行段階の継続時間のうちの少なくとも1つの継続時間に基づいて、前記静止判定時間を設定する
    請求項4に記載の体動検知装置。
  6. 前記時間設定部は、現在の歩行周期以前に前記計測部により計測された前記複数の分割歩行段階の継続時間の少なくとも1つの継続時間に基づいて、前記静止判定時間を設定する
    請求項5に記載の体動検知装置。
  7. 前記時間設定部は、前記静止判定時間の設定に用いる判定時間規定部を有し、
    前記判定時間規定部は、前記分割歩行段階の継続時間と前記静止判定時間との関係を前記分割歩行段階毎に規定し、入力値としての前記分割歩行段階の継続時間に対して出力値としての前記静止判定時間を返す
    請求項5または6に記載の体動検知装置。
  8. 前記検知部は、右半身検知部および左半身検知部を有し、
    前記右半身検知部は、第1右半身センサーおよび第2右半身センサーを有し、
    前記左半身検知部は、第1左半身センサーおよび第2左半身センサーを有し、
    前記第1右半身センサーは、第1右半身部位の動作に応じた信号を出力し、
    前記第2右半身センサーは、第2右半身部位の動作に応じた信号を出力し、
    前記第1左半身センサーは、第1左半身部位の動作に応じた信号を出力し、
    前記第2左半身センサーは、第2左半身部位の動作に応じた信号を出力し、
    前記第1右半身部位および前記第1左半身部位は、右半身および左半身の基準面を基準として左右対称の関係を有し、
    前記第2右半身部位および前記第2左半身部位は、右半身および左半身の基準面を基準として左右対称の関係を有し、
    前記判別部は、前記第1右半身センサーの出力信号、前記第1左半身センサーの出力信号、前記第2右半身センサーの出力信号、および前記第2左半身センサーの出力信号の少なくとも1つに基づいて、前記歩行静止状態が形成されているか否かを判定する
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の体動検知装置。
  9. 人体に刺激を付与する人体用刺激付与装置であって、
    前記人体用刺激付与装置は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の体動検知装置、制御部、および刺激付与部を有し、
    前記制御部は、前記体動検知装置の判定結果に基づいて前記刺激付与部に指令信号を出力し、
    前記刺激付与部は、人体に付与する刺激の大きさを前記指令信号に基づいて変化させる
    人体用刺激付与装置。
  10. 前記人体用刺激付与装置は、右半身に刺激を付与する前記刺激付与部としての右半身刺激付与部、および左半身に刺激を付与する前記刺激付与部としての左半身刺激付与部を有し、
    前記判別部は、第1判別部および第2判別部を有し、
    前記第1判別部は、前記第1右半身センサーの出力信号および前記第2右半身センサーの出力信号に基づいて、前記歩行静止状態が形成されているか否かを判定し、
    前記第2判別部は、前記第1左半身センサーの出力信号および前記第2左半身センサーの出力信号に基づいて、前記歩行静止状態が形成されているか否かを判定し、
    前記制御部は、前記第1判別部により前記歩行静止状態が形成されていると判定されたとき、前記右半身刺激付与部により人体に刺激を付与するための指令信号を出力し、前記第2判別部により前記歩行静止状態が形成されていると判定されたとき、前記左半身刺激付与部により人体に刺激を付与するための指令信号を出力する
    請求項9に記載の人体用刺激付与装置。
  11. 前記制御部は、前記歩行静止状態が形成されていると判定したときからの経過時間である歩行静止時間が判定経過時間を超えた後、前記刺激付与部に指令信号を出力する
    請求項9または10に記載の人体用刺激付与装置。
  12. 前記刺激付与部は、人体に電気刺激を付与する
    請求項9〜11のいずれか一項に記載の人体用刺激付与装置。
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