JP2014073278A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】新たに有利遊技状態に制御されるのか、または有利遊技状態に制御されなくなるのかといったことに期待を寄せるタイミングを遊技者に認識させやすくすること。
【解決手段】通常状態にて小当りが発生した際に移行する第1特殊状態における1〜50回の図柄変動で小当りが発生しても遊技状態を移行せず、51回目の図柄変動にて発生した小当りの種別が小当りA〜Cのいずれかであれば新たに第2特殊状態へ移行することで特殊状態を継続し、小当たりDまたはEであれば通常状態に移行することで特殊状態を終了する。これにより、遊技状態の継続または終了が51回目の図柄変動にしかおこなわれることがなく、特殊状態の継続に対して期待を寄せるタイミングをわかりやすくすることができる。
【選択図】図27
【解決手段】通常状態にて小当りが発生した際に移行する第1特殊状態における1〜50回の図柄変動で小当りが発生しても遊技状態を移行せず、51回目の図柄変動にて発生した小当りの種別が小当りA〜Cのいずれかであれば新たに第2特殊状態へ移行することで特殊状態を継続し、小当たりDまたはEであれば通常状態に移行することで特殊状態を終了する。これにより、遊技状態の継続または終了が51回目の図柄変動にしかおこなわれることがなく、特殊状態の継続に対して期待を寄せるタイミングをわかりやすくすることができる。
【選択図】図27
Description
本発明は、遊技領域に設けられた第1始動領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて各々を識別可能な第1識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段と、遊技領域に設けられた第2始動領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて各々を識別可能な第2識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段と、第1特別情報または第2識別情報の表示結果が、第1の表示結果と第2の表示結果を含む所定の表示結果となったことにもとづいて入賞容易状態となる可変入賞口とを備え、可変入賞口に遊技媒体が入賞したことに応じて遊技媒体を付与する遊技機に関する。
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能になるように構成されたものがある。
特定遊技状態とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、特定遊技状態は、例えば特別可変入賞装置の状態を遊技媒体が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態になるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態などの所定の遊技価値が付与された状態である。
そのような遊技機では、識別情報としての図柄を表示する可変表示装置の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せ(特定表示結果)になることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して遊技媒体が入賞しやすい特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。各開放について開放時間(例えば30秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。
また、そのような遊技機には、識別情報を大当りとは異なる特定の表示態様の組み合わせになると「小当り」が発生するものがある。小当りが発生すると、例えば、大入賞口があらかじめ決定された回数、規定時間だけ開放する小当り遊技状態へ移行する。そして、該小当り遊技状態において大入賞口へ遊技媒体が入賞すると、景品遊技媒体を払い出すものが一般的である。
そういった遊技機には、通常の遊技状態よりも小当りが発生しやすい有利遊技状態において、複数種類の大当りのうち規定の大当りが発生して有利遊技状態が終了するまでの間、遊技者に頻繁に小当り遊技を行わせて景品遊技媒体を獲得させるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載されたような遊技機では、識別情報の可変表示毎に有利遊技状態が終了する可能性があり、遊技者がどのタイミングで新たに有利遊技状態に制御されるのか、または有利遊技状態に制御されなくなるのかといったことに期待を寄せてよいのかがわかりにくくなってしまっていた。
そこで、本発明は、新たに有利遊技状態に制御されるのか、または有利遊技状態に制御されなくなるのかといったことに期待を寄せるタイミングを遊技者に認識させやすい遊技機を提供することを目的とする。
(手段1)本発明による遊技機は、遊技領域に設けられた第1始動領域(例えば、第1始動入賞口13)に遊技媒体(例えば、遊技球)が進入したことにもとづいて各々を識別可能な第1識別情報(例えば、第1特別図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示器8a)と、遊技領域に設けられた第2始動領域(例えば、第2始動入賞口14)に遊技媒体が進入したことにもとづいて各々を識別可能な第2識別情報(例えば、第2特別図柄)の可変表示を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段(例えば、第2特別図柄表示器8b)と、第2識別情報の表示結果が、第1の表示結果(例えば、小当りA〜C、確変大当り)と第2の表示結果(例えば、小当りD,E)を含む所定の表示結果となったことにもとづいて入賞容易状態(例えば、小当り遊技状態、大当り遊技状態)となる可変入賞口(例えば、特別可変入賞球装置)とを備え、可変入賞口に遊技媒体が入賞したことに応じて有利な価値を付与する遊技機であって、所定条件が成立したあとの可変表示回数が特定回数(例えば、51回)となるまでの期間において、該所定条件が成立する前に比べて入賞容易状態となりやすい有利遊技状態(例えば、特殊状態)に制御する有利遊技状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2303、S2503を実行する部分)を備え、有利遊技状態制御手段は、可変表示回数が特定回数となるまでは可変表示の表示結果として所定の表示結果が導出表示されたか否かに関わらず有利遊技状態を継続し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2300のY、ステップS2500のYを実行する部分)、所定条件が成立したあとの可変表示回数が特定回数となるときに、可変表示の表示結果が第1の表示結果となった場合には新たに有利遊技状態に制御し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2307〜S2309、ステップS2507〜S2511を実行する部分)、第2の表示結果となった場合には有利遊技状態に制御しない(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2512〜S2515を実行する部分)ことを特徴とする。そのような構成によれば、新たに有利遊技状態に制御されるのか、または有利遊技状態に制御されなくなるのかといったことに期待するタイミングを遊技者に認識させやすくすることができる。
(手段2)手段1において、有利遊技状態制御手段は、第1識別情報または第2識別情報の表示結果が所定の表示結果となったことにもとづいて、所定条件が成立したとして有利遊技状態に制御し、第1の表示結果は複数種類あり、有利遊技状態制御手段は、第1の表示結果の種類に応じて異なる回数の有利遊技状態に制御する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2307〜S2309、ステップS2508〜S2511を実行する部分)こととしてもよい。そのような構成によれば、遊技者に対し、有利遊技状態に制御する回数としていずれの回数が選択されるかどうかを期待させることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
(手段3)手段1または手段2において、第1識別情報または第2識別情報の表示結果が特定表示結果(例えば、10R確変大当り、15R確変大当り)となることにもとづいて遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS67,S2014のY〜S2020を実行する部分)をさらに備え、有利遊技状態制御手段は、第1識別情報または第2識別情報の表示結果が特定表示結果となったことにもとづいて、所定条件が成立したとして有利遊技状態に制御(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2305を実行する部分)し、特定表示結果は複数種類あり、有利遊技状態制御手段は、特定表示結果の種類に応じて異なる回数の有利遊技状態に制御する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2307〜S2309を実行する部分)こととしてもよい。そのような構成によれば、遊技者に対し、有利遊技状態に制御する回数としていずれの回数が選択されるかを期待させることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
(手段4)手段1から手段3のいずれかにおいて、有利遊技状態制御手段は、第2の表示結果が導出表示され、有利遊技状態に制御しなかった場合には、有利遊技状態が終了したあとの可変表示回数が特別回数(例えば、500回、999回)となったときに有利遊技状態に制御し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2112を実行する部分)、第2の表示結果は複数種類あり、有利遊技状態制御手段は、有利遊技状態が終了したあとの可変表示回数が第2の表示結果の種類に応じて異なる特別回数(例えば、小当りDなら500回、小当りEなら999回)となったときに有利遊技状態に制御することとしてもよい。そのような構成によれば、有利遊技状態に制御しない場合にも、いずれの特別回数が選択されるかを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された可変表示装置9が設けられている。可変表示装置9の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部9aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部9bという。)と、第1の可変表示部9aおよび第2の可変表示部9bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部9cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、可変表示部9aおよび第2の可変表示部9bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄演出部9cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1の可変表示部9aおよび第2の可変表示部9b)に対して1つの背景図柄演出部9cが設けられ、背景図柄演出部9cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部9aは、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部9bは、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
可変表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部18cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部18cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部18cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部18cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部18cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
この実施の形態では、第1始動入賞口13を有する入賞装置が、可変表示装置9の下方に設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
第2始動入賞口14の下方には、第1特別図柄表示部8aまたは第2特別図柄表示部8bに特定表示結果(大当り図柄または小当り図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態または小当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置が設けられている。特別可変入賞球装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示部8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示部9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示部8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または大入賞口が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、大入賞口の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。本実施の形態において大当りの種別は10R確変大当りと15R確変大当りとがあり、例えば、10R確変大当りが発生すれば10ラウンドの大当り遊技状態が付与され、また、15R確変大当りが発生すれば15ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
また、停止時の第1特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、大入賞口に遊技球が入賞可能な程度の一定時間(例えば1.8秒)が経過するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。なお、小当り遊技状態における大入賞口の開放時間は1.8秒に限るものではなく、1.8秒よりも長いものであっても短いものであってもよい。なお、小当り遊技状態においては所定回数大入賞口を開放させる制御をおこなうが、これに限るものではなく、1回でもよい。なお、本実施の形態における小当りには小当りA〜Eの5つの種別が設けられており、いずれの小当りが発生した場合にも小当り遊技の挙動は同様のものとする。これにより、いずれの小当りが発生したかを遊技者に認識させにくくしている。
なお、小当り種別毎に小当り遊技状態における大入賞口の開放パターンを異ならせることとしてもよい。ここで開放パターンとは、小当り遊技状態における、大入賞口を開状態とする回数、開状態とする時間、閉状態とする時間などのことである。また、小当り種別毎に開放パターンが異なるものでもよいし、複数の開放パターンがある場合に小当りの種別毎に選択割合の異なるものであってもよい。例えば、小当りAであれば開放パターンAを70%の割合で、開放パターンBを30%の割合でそれぞれ選択し、小当りBであれば開放パターンAを10%の割合で、開放パターンBを90%の割合でそれぞれ選択するようなものであってもよい。また、開放パターンの数やその組み合わせ方はいかなるパターンであってもよい。このように、小当り種別毎に異なる開放パターンの小当り遊技状態に移行したり、異なる割合での開放パターンの小当り遊技状態に移行したりすることにより、いずれの開放パターンの小当り遊技状態が実行されるかを遊技者に期待させることができ、興趣の向上を図ることができる。また、特殊状態に長期間滞在した際にも、遊技者を飽きさせることなく遊技を行わせることができる。また、小当り種別毎に異なる演出を実行するようなものとすれば、遊技者にいずれの小当りであるかを示唆することができるので、より遊技者にとって有利な種別の小当りの発生に対する期待感を遊技者に与えることができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態(通常遊技状態ともいう。)および特殊状態(通常状態および確変状態よりも小当りが発生しやすい遊技状態)よりも高い特殊確変状態(確変状態と特殊状態とに制御されている状態。具体的には、確変フラグと特殊フラグの両方の状態フラグがセットされている状態)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に制御された場合、すなわち確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態および特殊状態における確率よりも高い特別遊技状態に制御される。すなわち、特殊確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に特別遊技状態に制御された場合は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
特別遊技状態としての特殊確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が通常状態および特殊状態より高められる。
なお、特殊確変状態において、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態よりも短縮されるようにしてもよい。その場合には、頻繁に特別図柄の可変表示が実行されるようになり、そのことからも、所定時間当りの大当り発生の可能性が高まる。
第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態と第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態とで格差をつけるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態を確変状態にし、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの特別遊技状態を時短状態(大当りが発生する確率は高くならないが、特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)にするようにして、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときの方が第2特別図柄の停止図柄が確変図柄となったときよりも遊技者にとって有利な状態になるように構成してもよい。そのように構成することによって、遊技者に与えられる興趣をさらに向上させることができる。
ここで、本実施の形態における遊技状態について説明する。まず、本実施の形態における遊技状態には、通常状態と、通常状態よりも大当りになりやすい確変状態と、通常状態および確変状態よりも小当りになりやすい特殊状態と、確変状態と特殊状態とを併せた特殊確変状態とがある。
確変状態および特殊確変状態は、通常状態や特殊状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態および特殊確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、通常状態や特殊状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態および特殊確変状態を、通常状態や特殊状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、特殊状態および特殊確変状態は、通常状態や確変状態よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、特殊状態や特殊確変状態の方が通常状態や確変状態よりも短いため、特殊状態および特殊確変状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。そして、第2特別図柄の変動時にはその殆どが小当りになるよう構成されているため、特殊状態および特殊確変状態を、通常状態や確変状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、特殊状態および特殊確変状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、通常状態において小当りが発生した場合に特定回数(例えば51回)の特殊状態へ移行する。そして、特殊状態では、特定回数に達するまで(例えば50回目まで)の図柄変動においては小当りが発生しても遊技状態を移行せず、特定回数(例えば51回目)の変動における特別図柄の表示結果に応じた遊技状態へ移行可能な構成としている。
例えば、特殊状態の51回目の変動にて小当りA〜Cのいずれかが発生した場合、発生した小当りの種別に応じた期間(例えば、小当りAなら50回の図柄変動、小当りBなら100回の図柄変動、小当りCなら無制限)継続する新たな特殊状態へ移行する。上限回数(50回、100回)の図柄変動の間継続する新たな特殊状態においても、上限回数に達するまでに小当りが発生しても遊技状態を移行しない。また、無制限継続する特殊状態は、小当りが発生しても遊技状態を移行せず、大当りが発生した場合に遊技状態を特殊確変遊技状態へ移行するものである。
また、特殊状態の51回目の変動にて小当りDまたは小当りEが発生した場合、発生した小当りの種別に応じた上限期間(例えば、小当りDなら500回の図柄変動、小当りEなら999回の図柄変動)を有する通常状態へ移行する。上限期間を有する通常状態では、小当りや大当りが発生した場合には、発生した当りの種別に応じた遊技状態に移行する一方、上限期間に達するまではずれが発生し続けた場合には、無条件に継続する特殊状態へ移行する。
また、例えば、特殊状態の51回目の変動にて確変大当りが発生した場合、発生した確変大当りの種別に応じた期間(例えば、10R確変大当りなら50回の図柄変動、15R確変大当りなら100回の図柄変動)だけ継続する特殊確変状態へ移行する。
また、特殊状態の51回目の変動にてはずれが発生した場合は、通常状態へ移行する。
また、通常状態において確変大当りが発生した場合には特殊確変状態へ移行する。この特殊確変状態においても、特定回数に達するまで(例えば50回目まで)の図柄変動においては小当りが発生しても遊技状態を移行せず、特定回数(例えば51回目)の変動における特別図柄の表示結果に応じた遊技状態へ移行可能な構成としている。
例えば、特殊確変状態の51回目の変動において小当りA〜Cが発生すれば新たな特殊確変状態に移行する。その際、特殊状態の上限回数が新たにセットされるが、確変状態の上限回数は変更されない。
また、特殊確変状態の51回目の変動において小当りD,Eが発生すれば、特殊状態が終了し、確変状態へ移行する。その際の確変状態の上限回数は変更されない。また、特殊確変状態の51回目の変動において確変大当りが発生すればまた新たに特殊確変状態に移行する。このときには、特殊状態の上限回数および確変状態の上限回数が共にセットし直される。また、特殊確変状態の51回目の変動にてはずれが発生した場合は、特殊状態が終了し、確変状態へ移行する。その際の確変状態の上限回数は変更されない。
なお、上限の有する特殊状態または特殊確変状態において確変大当りが発生した場合は、設定されていた特殊状態の残余回数は変更せずに、確変状態が追加されて、特殊確変状態へ移行するものとするが、これに限るものではない。例えば、特殊状態の残余回数がリセットされるものであってもよいし、発生した確変大当りの種別に応じた残余回数が改めてセットされるものであってもよい。
また、上限の有する特殊確変状態において確変大当りが発生した場合は、設定されていた特殊状態の残余回数は変更せずに、確変状態の残余回数が新たに設定し直される。また、特殊確変状態において特殊状態の残余回数が「0」でない状態で確変状態の残余回数が「0」になった場合は、特殊状態へ移行する。また、また、特殊確変状態において確変状態の残余回数が「0」でない状態で特殊状態の残余回数が「0」になった場合は、確変状態へ移行する。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部9cでは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部9cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部9cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部9cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
また、遊技者に対して、通常状態および確変状態では遊技領域7の略左側に遊技球を打ち出させる遊技方法(以下「左打ち」という。)を行わせることで第1始動入賞口13への入賞を狙わせる。そして、特殊状態および特殊確変状態では遊技状態7の略右側に遊技球を打ち出させる遊技方法(以下「右打ち」という。)を行わせることで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞を狙わせる構成である。なお、右打ちにおいては、遊技者に対し遊技領域7の略右側への遊技球の打ちだしを促進する演出をおこなう。たとえば、演出表示装置9に「右打ち」や「右側に打ち出してください」などといった情報を表示させる演出をおこなう。このように遊技状態によって遊技方法を変えさせることにより、遊技者に退屈感を与えることを防止することができる構成となっている。
また、例えば、遊技者が左打ちを行った場合には第2始動入賞口14を遊技球が通過し得ない構成であり、且つ、右打ちを行った場合には第1始動入賞口13を遊技球が通過し得ない構成であってもよい。例えば、本実施の形態の遊技盤6上の構成における右打ち時の遊技球の流下領域に、第1始動入賞口13に遊技球が入賞することを妨げるような部材(例えば、釘)を配置したり、遊技盤の略右側から第2始動入賞口14近傍まで遊技球を誘導する部材(例えば、通路)を配置したりすることにより実現可能である。
また、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを重ねずに配置するようなものであってもよい。例えば、左打ちが行われたときの遊技球の流下領域に第1始動入賞口13を設けるとともに、右打ちが行われたときの遊技球の流下領域に第2始動入賞口14を設けるようなものであってもよい。
このように、左打ちにて第1始動入賞口13への入賞を狙わせ、右打ちにて第2始動口14への入賞を狙わせるような構成とすることにより、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方のみを用いた遊技が可能となる。従って、常に両始動入賞口への入賞を狙わせるような構成の遊技機より、特別図柄の変動回数を減らした遊技が可能となり、効率的な遊技を遊技者に行わせることができる。なお、単一の特別図柄のみを設ける構成とすることでも、常に両始動入賞口への入賞を狙わせるような構成の遊技機よりも特別図柄の変動回数を減らした遊技が可能となるが、当り種別の選択割合や演出の種類または発生頻度などの設定ができないため、興趣を低下させてしまうことになる。そのため、複数の特別図柄を設けることが望ましい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部9cと、図柄保留記憶表示部18cとの表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別、すなわち、10R確変大当りおよび15R確変大当りのいずれにするかを決定する。また、小当りの種別、すなわち、小当りA〜Eのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別、すなわち、10R確変大当りおよび15R確変大当りのいずれにするかを決定する。また、小当りの種別、すなわち、小当りA〜Eのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数および(2)の大当り種別決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いられている。また、本実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS27a)。保留記憶処理では、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU56は、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S32(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態および特殊状態において用いられる通常/特殊時大当り判定テーブルと、確変状態および特殊確変状態において用いられる確変/特殊確変時大当り判定テーブルとがある。通常/特殊時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変/特殊確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(10R確変大当り、15R確変大当りのいずれか)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当り(小当りA〜Eのいずれか)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には487分の10の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には487分の467の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合の方が、「小当り」と決定される割合が極端に高い。これは、第2特別図柄の変動表示を行う場合にその殆どを大当りまたは小当りと決定するように構成としているためである。なお、遊技状態が通常状態または確変状態であるときは第1特別図柄の変動表示が実行されやすく、特殊状態または特殊確変状態であるときは第2特別図柄の変動表示が実行されやすい構成とするため、通常状態や確変状態では第2特別図柄の変動表示を実行させにくくするよう、第2特別図柄の変動時間を、通常状態または確変状態であるときの方が、特殊状態または特殊確変状態であるときよりも極端に長く設定している。なお、これに限らず、第2特別図柄の変動表示を行う場合にもはずれを設けないようなものであってもよい。
図8(A)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「10R確変大当り」、「15R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、この実施の形態では、図8(A)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として大入賞口の開放回数が異なる大当り(10R確変大当り、15R確変大当り)を決定する場合を説明するが、大当り種別毎の遊技価値の異ならせ方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を異ならせた大当りを決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を1回だけ開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に少なくなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を低くするようにしてもよい。このように、大入賞口の開放回数や開放時間を異ならせることによって、遊技価値の異ならせた大当りが設けられていてもよい。また、小当りによる遊技を促進するために、小当りの遊技価値よりも少ない量の遊技価値を付与するよう、1回あたりの大入賞口の開放時間が全て1秒と短い大当りを決定するものであってもよい。
また、本実施の形態において、特定遊技状態(大当り遊技状態)の終了後に確変状態に制御する変動表示の実行回数は大当りの種別によって異なる。例えば、10R確変大当りの場合、50回の変動表示の間、確変状態に制御し、15R確変大当りの場合、100回の変動表示の間、確変状態に制御する。
図8(B)は、ROM54に記憶されている小当り種別判定テーブル131bを示す説明図である。小当り種別判定テーブル131bは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、小当りの種別を「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」、「小当りD」、「小当りE」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
上述したように、本実施の形態では、小当りの発生を契機に遊技状態が移行することがある。例えば、通常状態において小当りA〜Eのいずれかが発生した場合、特殊状態(第1特殊状態)へ移行する。また、例えば、第1特殊状態の51回目の変動において、小当りA〜Cのいずれかが発生した場合には第2特殊状態に移行することにより特殊状態を継続する。また、第1特殊状態の51回目の変動において、小当りDまたはEが発生した場合には該特殊状態を終了して上限を有する通常状態へ移行する。具体的には、第1特殊状態の51回目の変動において小当りAが発生した場合、50回の変動表示の間継続する特殊状態へ移行する。また、第1特殊状態の51回目の変動において小当りBが発生した場合、100回の変動表示の間継続する特殊状態へ移行する。そして、第1特殊状態の51回目の変動において小当りCが発生した場合、上限なく継続する特殊状態へ移行する。
また、第1特殊状態の51回目の変動において小当りDが発生した場合、500回の変動表示の間はずれが発生し続けたら特殊状態へ移行する通常状態へ移行する。そして、第1特殊状態の51回目の変動において小当りEが発生した場合、999回の変動表示の間はずれが発生し続けたら特殊状態へ移行する通常状態へ移行する。なお、これらの場合に移行する特殊状態は上限なく継続する特殊状態である。
なお、本実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの図柄変動時においても同一の小当り種別判定テーブルを用いるものとしたが、これに限るものではなく、各小当り種別の決定割合が異なる小当り種別判定テーブルをそれぞれ用いるものとしてもよい。また、同様に、第1特別図柄および第2特別図柄の図柄変動時に、各大当り種別の決定割合が異なる大当り種別判定テーブルをそれぞれ用いるものとしてもよい。
図9および図10は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図9および図10に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図9および図10に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#1〜#10,#11〜#14の14種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#1〜#8,#11〜#14の12種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=1〜10,11〜14)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
図9に示すように、特殊フラグがオフである状態(通常状態および確変状態)において第1変動パターン#1〜#6,#9,#10および第2変動パターン#1〜#4が用いられ、特殊フラグがオンである状態(特殊状態および特殊確変状態)において第1変動パターン#1,#2,#7,#8および第2変動パターン#1,#2,#5〜8が用いられる。すなわち、通常時と確変時とで変動時間は同じであり、特殊状態と特殊確変状態とで変動時間は同じである。
また、第1変動パターン#1〜#6,#9,#10および第2変動パターン#1〜#4のそれぞれを示すデータが、ランダム5のとりうる値に対応させて通常/確変時変動パターンテーブルとしてROM54に記憶されている。また、第1変動パターン#1,#2,#7,#8および第2変動パターン#1,#2,#5〜8のそれぞれを示すデータが、ランダム5のとりうる値に対応させて特殊/特殊確変時変動パターンテーブルとしてROM54に記憶されている。つまり、CPU56は、通常時、確変時、特殊状態時または特殊確変状態時において、抽出されたランダム5の値に応じて、通常/確変時変動パターンテーブルまたは特殊/特殊確変時変動パターンテーブルを参照することによって、1つの変動パターンを決定する。なお、CPU56は、大当りにすることに決定した場合には、変動パターン#1,#2のいずれかを選択し、小当りにすることに決定した場合には、第1変動パターン#8〜#10,第2変動パターン#3,#8のいずれかを選択し、はずれにすることに決定した場合には、第1変動パターン#3〜#7,第2変動パターン#4〜#7のいずれかを選択するようになっているものである。
ここで、第2変動パターン#3,#4の変動時間が1800秒と他の変動パターンの変動時間と比較して極端に長くなっている。これは、特殊フラグがオフの状態(通常状態または確変状態)にて第2特別図柄の図柄変動をしても大当りでない限りはなかなか保留を消化しないための構成であり、すなわち、特殊フラグがオフの状態(通常状態または確変状態)では第2特別図柄の変動を行わせる方が第1特別図柄の変動を行わせるよりも遊技者に不利な状況を構成している。なお、特殊フラグがオンの状態では、図示するように、大当りでなくても最長40秒の変動時間としている。これにより、特殊フラグがオン状態(特殊状態および特殊確変状態)では第2特別図柄の変動表示を遊技者に実行させやすいようにしている。なお、本実施の形態では、第2特別図柄の変動時に特殊フラグがオフである場合はリーチはずれが発生しない構成としてあるが、これに限るものではなく、変動内容が「リーチAはずれ」や「リーチBはずれ」の第2変動パターンを設けるものであってもよい。
また、この実施の形態では、後述するように、第1特別図柄停止図柄設定処理で、既に第2特別図柄表示器8b(および第2可変表示部9b)の表示結果を大当り図柄にすると決定されていることにもとづいて、大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第1特別図柄表示器8a(および第1可変表示部9a)の表示結果をはずれ図柄にすると決定する。または、第2特別図柄停止図柄設定処理で、既に第1特別図柄表示器8a(および第1可変表示部9a)の表示結果を大当り図柄にすると決定されていることにもとづいて、大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第2特別図柄表示器8b(および第2可変表示部9b)の表示結果をはずれ図柄にすると決定する。以下、無条件で第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの表示結果をはずれ図柄にすると決定することを「強制はずれ」ということがある。
図10に示すように、この実施の形態では、強制はずれ状態において変動パターン#11〜#14が用いられる。また変動パターン#11〜#14のそれぞれを示すデータが、ランダム5のとりうる値に対応させて強制はずれ時変動パターンテーブルとしてROM54に記憶されている。つまり、CPU56は、強制はずれ決定時において、抽出されたランダム5の値に応じて、強制はずれ時変動パターンテーブルを参照することによって、1つの変動パターンを決定する。
以上のように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示部9a(または第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9b)の表示結果を無条件で大当りにしないことに決定したときに用いる専用の変動パターンテーブルである強制はずれ時変動パターンテーブルを備える。そして、遊技制御手段は、強制はずれ時変動パターンテーブルにもとづいて決定した変動パターンに従って、第1特別図柄および第1飾り図柄(または第2特別図柄および第2飾り図柄)の可変表示を実行する。そのため、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示部9a(または第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9b)の表示結果を無条件で大当りにしないことに決定したときに、複数種類の変動パターンから選択して可変表示を実行することができる。
また、上述したように、通常状態および確変状態における第1特別図柄の変動時間を10〜40秒とし、第2特別図柄の小当り変動の変動時間を1800秒とすることで、通常状態および確変状態における所定時間あたりの変動表示回数を第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも大きく下回る構成としている。これにより、通常状態および確変状態では、第2特別図柄の変動表示を実行させる方が第1特別図柄の変動表示を実行させるよりも遊技者に不利な構成とすることができる。そして、特殊状態および特殊確変状態における第1特別図柄の変動時間と第2特別図柄の変動時間とを5〜20秒とし、第2特別図柄にはずれが発生しにくい構成とすることで、特殊状態および特殊確変状態では、第2特別図柄の変動表示を実行させる方が第1特別図柄の変動表示を実行させるよりも遊技者に有利な構成とすることができる。従って、本実施の形態では、遊技者に対し、通常状態および確変状態では第1特別図柄の変動表示を実行させ、特殊状態および特殊確変状態では第2特別図柄の変動表示を実行させる構成となっている。また、上述したように、第2特別図柄の変動時にはずれが発生しにくいので、特殊状態および特殊確変状態では主に第2特別図柄による小当り遊技状態を付与する構成である。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。なお、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムも、第2変動パターン設定処理を除いて同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。変動パターンを設定する変動パターン設定処理については、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理と、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理との処理内容が異なるため、それぞれについて後述する。
なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、この実施の形態では、2つの表示器において大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生しないような制御が行われる。
また、この実施の形態では、遊技状態として通常状態、確変状態、特殊状態および特殊確変状態がある。そして、所定の移行条件が成立することにより、いずれかの遊技状態に移行するように制御される。遊技状態の移行に関する制御は、確変フラグおよび特殊フラグのオン/オフ(セット/リセット)にもとづいて行われる。具体的には、確変フラグおよび特殊フラグがオフであれば通常状態、確変フラグがオンで特殊フラグがオフであれば確変状態、確変フラグがオフで特殊フラグがオンであれば特殊状態、確変フラグおよび特殊フラグがオンであれば特殊確変状態である。なお、本実施の形態において、特殊フラグとして第1特殊フラグと第2特殊フラグとを設けており、通常状態から移行した特殊状態または特殊確変状態では第1特殊フラグをセットし、特殊状態または特殊確変状態から改めて移行された特殊状態または特殊確変状態においては第2特殊フラグをセットするものとする。ここで、通常状態から移行した特殊状態および特殊確変状態をそれぞれ第1特殊状態、第1特殊確変状態とし、第1特殊状態または第1特殊確変状態の特定回数の図柄変動において改めて移行した特殊状態および特殊確変状態をそれぞれ第2特殊状態、第2特殊確変状態とする。すなわち、第1特殊状態または第1特殊確変状態では第1特殊フラグがセットされており、第2特殊状態または第2特殊確変状態では第2特殊フラグがセットされている。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。
また、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2大当り図柄停止処理〜第2小当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314)、ステップS315,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2小当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、5〜10)である。よって、CPU56のステップS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS315では、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを未送信であるか否か確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に第1中断指定コマンドを送信している場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了するが、変動中であり、まだ第1中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。また、ステップS317では、CPU56は、第1中断指定コマンドを送信した後(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)にステップS317の処理が実行される場合には、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。なお、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かを、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS303の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。また、第2大当り遊技が実行中であるか否かを、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。すなわち、第2特別図柄プロセス処理で扱われる第2特別図柄プロセスフラグの値が、ステップS305〜S310に相当する値である場合に、第2大当り遊技または第2小当り遊技が実行中であると判定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第1再開指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300)第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、第1小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや特殊フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第1小当り開放前処理(ステップS308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第1小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第1小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、第1小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第1小当り開放中処理(ステップS309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての大入賞口の開放を終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第1小当り終了処理(ステップS310):第1特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。第1小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12および図13は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド8000(H)〜8018(H),8021(H)〜8034(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8000(H)〜8018(H),8021(H)〜8034(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、第1変動パターン#1〜#10,#11〜#14指定のコマンド(第1変動パターンコマンド)を、8001(H)〜8010(H),8021(H)〜8024(H)とし、第2変動パターン#1〜#8,#11〜#14指定のコマンド(第2変動パターンコマンド)を、8011(H)〜8018(H),8031(H)〜8034(H)とする。
コマンド9000(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)の可変表示の表示結果を10R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(10R確変大当り指定コマンド)である。コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を15R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(15R確変大当り指定コマンド)である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りAとすることを指定する演出制御コマンド(小当りA指定コマンド)である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りBとすることを指定する演出制御コマンド(小当りB指定コマンド)である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りCとすることを指定する演出制御コマンド(小当りC指定コマンド)である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りDとすることを指定する演出制御コマンド(小当りD指定コマンド)である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りEとすることを指定する演出制御コマンド(小当りE指定コマンド)である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。
以下、10R確変大当り指定コマンド、15R確変大当り指定コマンド、小当りA指定コマンド、小当りB指定コマンド、小当りC指定コマンド、小当りD指定コマンド、小当りE指定コマンドおよびはずれ指定コマンドを、表示結果コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は変動パターンコマンドの直前に表示結果コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果コマンドは第1飾り図柄についての表示結果コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果コマンドは第2飾り図柄についての表示結果コマンドであると判定できるので、表示結果コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果コマンドと第2飾り図柄についての表示結果コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果コマンドを送信するのではなく、10R確変大当り/15R確変大当り/小当りA/小当りB/小当りC/小当りD/小当りE/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド)である。
コマンドA100(H)は、第1可変表示部9aにおける飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンド(第1中断指定コマンド)であり、コマンドA101(H)は、第1可変表示部9aにおける飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンド(第1再開指定コマンド)である。
コマンドA200(H)は、第2可変表示部9bにおける飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンド(第2中断指定コマンド)であり、コマンドA201(H)は、第2可変表示部9bにおける飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンド(第2再開指定コマンド)である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、各ラウンド中の大入賞口への入賞球数(カウントスイッチ23の入賞検出数)を指定する演出制御コマンド(カウント数指定コマンド)である。なお、「XX」に入賞球数(カウント数)が設定される。コマンドB3XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図12および図13に示された内容に応じて第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示状態や背景図柄表示部9cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図12および図13に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図14は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図15参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム5)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図15は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図15に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン決定用乱数(ランダム5)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、さらに、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
図16は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(大入賞口を所定回開放)中および第1小当り遊技中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS63a)。第2大当りフラグがセットされていれば、第1特別図柄表示器8aの表示結果を強制はずれとすることに決定した旨を示す第1強制はずれフラグをセットし(ステップS63b)、ステップS68に移行する。すなわち、既に第2特別図柄表示器8bの表示結果が大当り図柄にすると決定されているので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は大当り判定処理を行うことなく、そのまま無条件で第1特別図柄表示器8aの表示結果をはずれ図柄にすると決定する。
なお、第2大当りフラグは、第2特別図柄プロセス処理において、大当りとすることに決定した場合にセットされる。また、第2大当りフラグは、例えば、第2特別図柄の変動が終了したときにリセットされる(または、大当り遊技が終了した場合にリセットされる)。すなわち、第2大当りフラグがセットされているということは、第2可変表示装置9bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことを意味する。従って、第2大当りフラグがセットされているということは、第2可変表示装置9bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことにもとづいて第2可変表示装置9bで第2飾り図柄の変動が実行されていることを意味する(ただし、大当り遊技が終了した場合にリセットされる場合には、変動が実行されていること、または大当り遊技が実行されていることを意味する)。
第2大当りフラグがセットされていない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS64)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1大当りフラグをセットする(ステップS67)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が10R確変大当りおよび15R確変大当りのいずれであるかを判定し(ステップS160)、大当り種別を記憶し(ステップS161)、ステップS68へ移行する。
また、ステップS66において大当りとしない場合、小当り判定モジュールを実行する(ステップS162)。小当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている小当り判定値と一致したら小当りとすることに決定するプログラムである。小当りとすることに決定した場合には(ステップS163)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1小当りフラグをセットする(ステップS164)。そして、ランダム2にもとづいて小当り種別が小当りA〜Eのいずれであるかを判定し(ステップS165)、小当り種別を記憶し(ステップS166)、ステップS68へ移行する。
そして、ステップS68において、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS68)。なお、図示は省略したが、ステップS68の直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS65では、遊技状態を加味して、通常/特殊状態時大当り判定テーブルおよび確変/特殊確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
なお、大当りであるか否かを判定する大当り判定と、小当りであるか否かを判定する小当り判定とをそれぞれ行う構成としたがこれに限るものではなく、共通の乱数を用いるものであれば、ステップS65の時点で大当りであるか小当りであるかはずれであるかを一括で判定するようなものであってもよい。これにより、ステップS162を省略することができ、処理の負担を軽減させることができる。また、本実施の形態では大当り判定および小当り判定を共通の乱数(ランダム1)を用いて行うこととしたが、それぞれ異なる乱数を用いて行うこととしてもよい。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1強制はずれフラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS201)、第1強制はずれフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特殊フラグのオン/オフ、大当りであるか小当りであるかはずれであるかに応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS202a)。第1強制はずれフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、強制はずれ時変動パターンテーブル(図10参照)を選択する(ステップS202b)。なお、ここで、保留球が所定の個数以上であれば、保留球が所定の個数未満であるときの変動パターンよりも短い変動時間を有する変動パターンを選択するようなものとしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS202a,S202bにて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5)とにもとづいて、図9および図10に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS1700)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1701)。
また、ステップS1700にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS1702)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1703)。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開始した第1特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となる場合には(ステップS1704)、第1大当り変動フラグをセットする(ステップS1705)。第1大当り変動フラグは、変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が第1特別図柄によって実行されているか否かを示すフラグである。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS1706)
図18は、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理を示すフローチャートである。第2変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第1特殊フラグがセットされているか否か、すなわち、第1特殊状態または第1特殊確変状態であるか否かを判定する(ステップS1800)。
第1特殊フラグがセットされている場合、すなわち、遊技状態が第1特殊状態または第1特殊確変状態である場合、ステップS1807へ移行する。セットされていない場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特殊フラグがセットされているか否か、すなわち、第2特殊状態または第2特殊確変状態であるか否かを判定する(ステップS1801)。第2特殊フラグがセットされていない場合、すなわち、遊技状態が特殊状態または特殊確変状態でない場合、大当り判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS1802)。
大当りでない場合、第2変動パターン#3,#4(変動時間1800秒)のいずれかを選択し、ステップS1811へ移行する。その際、小当りであれば第2変動パターン#3を、はずれであれば第2変動パターン#4を選択する。大当りである場合、第2変動パターン#1,#2(変動時間30,40秒)のいずれかを選択し(ステップS1803)、ステップS1811へ移行する。
ステップ1800およびステップS1801において、第1特殊フラグまたは第2特殊フラグのいずれかがセットされている場合、すなわち、第1特殊状態または第2特殊状態のいずれかである場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2強制はずれフラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS1807)、第2強制はずれフラグがセットされていなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特殊フラグがセットされている際に用いる変動パターンテーブルのうち、大当りであるか小当りであるかはずれであるかに応じた変動パターンテーブルを選択する(ステップS1808)。第2強制はずれフラグがセットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、強制はずれ時変動パターンテーブル(図10参照)を選択する(ステップS1809)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1808,S1809にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5)とにもとづいて、図9および図10に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS1810)。本例では、変動パターンを決定することによって、特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1811)。
また、ステップS1810にて第2特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第2特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS1812)、後述する計測実行フラグをセットし、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1704)。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開始した第2特別図柄の可変表示結果が大当り表示結果となる場合には(ステップS1814)、第2大当り変動フラグをセットする(ステップS1815)。第2大当り変動フラグは、変動表示結果が大当り表示結果となる可変表示が第2特別図柄によって実行されているか否かを示すフラグである。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS1816)。
図19は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。セットされていない場合には、ステップS107に移行する。
第1大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別に応じて、表示結果2指定コマンド〜表示結果3指定コマンドのいずれかを送信する制御を行う(ステップS102)。
また、CPU56は、第1大当りフラグがセットされていないときには(ステップS101のN)、第1小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS103)。第1小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、小当り種別に応じて、表示結果4指定コマンド〜表示結果8指定コマンドのいずれかを送信する制御を行う(ステップS104)。第1小当りフラグもセットされていないときは(ステップS103のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS105)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図20および図21は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS2001)、セットされていない場合、すなわち確変状態でない場合はステップS2005へ移行する。
確変フラグがセットされている場合、CPU56は、確変状態の残余回数を示す確変回数カウンタの値を「1」減算する(ステップS2002)。そして、確変回数カウンタが「0」であるか否かを判定し(ステップS2003)、「0」でない場合、ステップS2005へ移行する。確変回数カウンタの値が「0」になった場合、確変フラグをリセットする(ステップS2004)。これにより、変動毎に確変状態の残余回数を減算し、残余回数が「0」になったら確変状態を終了する構成となっている。
ステップS2005において、CPU56は、第1特殊状態または第1特殊確変状態の残余回数を示す第1特殊回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS2005)、「0」である場合、すなわち、第1特殊状態または第1特殊確変状態でない場合、ステップS2010へ移行する。第1特殊回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、第1特殊状態または第1特殊確変状態である場合、CPU56は、第1特殊回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS2006)、「0」になったか否かを判定する(ステップS2007)。第1特殊回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS2010へ移行する。第1特殊回数カウンタの値が「0」になった場合、すなわち、第1特殊状態の51回目の変動が終了した場合、CPU56は、第1特殊フラグをリセットし(ステップS2008)、移行可能フラグをセットし(ステップS2009)、ステップS2010へ移行する。移行可能フラグは、第1特殊状態または第1特殊確変状態における51回目の変動が終了したことを示すフラグである。これにより、第1特殊状態または第1特殊確変状態において51回の変動が終了した場合に移行可能フラグがセットされて第1特殊状態または第1特殊確変状態が終了することとなる。
ステップS2010において、第2特殊状態または第2特殊確変状態の残余回数を示す第2特殊回数カウンタが「0」であるか否かを判定し(ステップS2010)、「0」である場合、すなわち、第2特殊状態または第2特殊確変状態でない場合、ステップS2014へ移行する。第2特殊回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、第2特殊状態または第2特殊確変状態である場合、CPU56は、第2特殊回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS2011)、「0」になったか否かを判定する(ステップS2012)。第2特殊回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS2014へ移行する。第2特殊回数カウンタの値が「0」になった場合、すなわち、第2特殊状態または第2特殊確変状態の最終変動が終了した場合、CPU56は、第2特殊フラグをリセットし(ステップS2013)、ステップS2014へ移行する。これにより、第2特殊状態または第2特殊確変状態において規定回数の変動がおこなわれることによって通常の遊技状態へ移行する構成となっている。なお、上限の無い第2特殊状態または第2特殊確変状態では第2特殊回数カウンタに値がセットされない(すなわち、「0」がセットされている)ため、ステップS2011〜S2013は行われない。
ステップS2014において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2014)。セットされている場合、確変フラグ、天井フラグ、確変回数カウンタ、天井回数カウンタをリセットする(ステップS2015)。天井フラグとは、上限のある通常状態または確変状態においてセットされるフラグである。また、天井回数カウンタとは、上限のある通常状態または確変状態における残余回数を示している。
そして、CPU56は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS2016)、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS2017)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS2018)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS2019)、第1特別図柄プロセスフラグを第1大入賞口開放前処理に設定する(ステップS2020)。
ステップS2014において、第1大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、第1小当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2101)。セットされている場合、天井フラグ及び天井回数カウンタをリセットし(ステップS2102)、小当り開始指定コマンドを送信し(ステップS2103)、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS2104)、開放回数カウンタに開放回数15回をセットし(ステップS2105)、第1特別図柄プロセスフラグを第1小当り開放前処理に設定する(ステップS2106)。なお、本実施の形態では小当り時の大入賞口の開放回数を15回としたため、ステップS2105にて開放回数カウンタに「15」をセットするものとしたがこれに限るものではなく、大入賞口の開放回数を1回や2回などとし、開放回数カウンタにそれらの回数をセットするものであってもよい。
ステップS2101において、第1小当りフラグがセットされていない場合、すなわち、はずれである場合、CPU56は、移行可能フラグをリセットし(ステップS2107)、天井回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2108)。天井回数カウンタの値が「0」である場合、すなわち、上限付きの通常状態または確変状態ではない場合、ステップS2113へ移行する。「0」でない場合、すなわち、上限付きの通常状態または確変状態である場合、CPU56は、天井回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS2109)、天井回数カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(ステップS2110)。「0」になってない場合、ステップS2113へ移行する。「0」になった場合、天井フラグをリセットし(ステップS2111)、第2特殊フラグをセットし(ステップS2112)、ステップS2113へ移行する。これにより、上限回数に達するまではずれが発生し続けた場合に、上限なしの第2特殊状態へ移行する構成となっている。
ステップS2113では、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理に設定する(ステップS2113)。ここで、移行可能フラグをリセットするとともに、いずれの遊技状態を示すフラグもセットしないことにより、移行可能フラグがセットされている状態ではずれが発生した場合に、通常状態または確変状態へ移行する構成となっている。
図22は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS2201)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203)、処理を終了する。
ステップS2204では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205のY)、CPU56は、確変フラグをセットし(ステップS2206)、大当りの種別が10R確変大当りであるか否かを判定する(ステップS2207)。10R確変大当りであれば、CPU56は、確変回数カウンタに「100」をセットし(ステップS2208)、ステップS2210へ移行する。
10R確変大当りでなければ(すなわち、15R確変大当りであれば)、CPU56は、確変回数カウンタに「50」をセットする(ステップS2209)。そして、ステップS2210に移行する。なお、発生した大当りの種別に応じた数値を確変回数カウンタにセットすることとしたが、大当りの種別に関わらず同一の値(例えば、いずれの大当りであっても一律「100」)をセットするようなものであってもよい。
ステップS2210では、CPU56は、大当り後に遊技状態を移行させる大当り後状態移行処理をおこなう(ステップS2210)。大当り後状態移行処理の詳細は、図23に後述する。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2211)。
図23は、大当り後状態移行処理を示すフローチャートである。大当り後状態移行処理において、まず、第1特殊フラグがセットされているか否か、すなわち第1特殊状態または第1特殊確変状態であるか否かを判定する(ステップS2300)。そして、第1特殊フラグがセットされていない場合、第2特殊フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2301)。第1特殊フラグまたは第2特殊フラグのいずれかがセットされている場合、すなわち、特殊状態または特殊確変状態である場合、大当り後状態移行処理を終了する。これにより、特殊状態または特殊確変状態の51回目以外の図柄変動においては、大当りが発生しても特殊状態または特殊確変状態に制御する期間の延長や終了はおこなわない構成となっているが、これに限るものではなく、例えば、大当りが発生した場合に再度第1特殊回数カウンタの値を51にセットしたり、第2特殊回数カウンタの値を50や100にセットするものでもよい。
第1特殊フラグ及び第2制御フラグがセットされていない場合、移行可能フラグがセットされているか否か、すなわち、第1特殊状態または第1特殊確変状態における特定回数の変動が終了した時点であるか否かを判定する(ステップS2302)。移行可能フラグがセットされていない場合、すなわち、特殊状態または特殊確変状態でない場合、第1特殊フラグをセットし(ステップS2303)、第1特殊回数カウンタに51をセットする(ステップS2304)。ここで、第1特殊フラグをセットして第1特殊回数カウンタに51をセットすることにより、通常状態または確変状態にて大当りが発生した場合に51回の図柄変動の特殊状態または特殊確変状態に移行可能な構成となっている。
また、ステップS2302において移行可能フラグがセットされている場合、すなわち、第1特殊状態または第1特殊確変状態の特定回数の変動が終了した時点である場合(ステップS2302のY)、CPU56は、第2特殊フラグをセットし(ステップS2305)、移行可能フラグをリセットする(ステップS2306)。そして、大当り種別が10R確変大当りである場合、第2特殊回数カウンタに「50」をセットし(ステップS2307のY、S2308)15R確変大当りである場合、第2特殊回数カウンタに「100」をセットする(ステップS2307のN、S2309)。これにより、第1特殊状態または第1特殊確変状態の特定回数の変動が終了した時点で大当りが発生した場合に、大当りの種別に応じた第2特殊確変状態へ移行する構成としている。
図24は、特別図柄プロセス処理における第1小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。第1小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2400)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2404に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1小当りフラグをリセットし(ステップS2401)、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2402)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2403)、処理を終了する。
ステップS2404では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2405)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2405のY)、CPU56は、小当り後に遊技状態を移行する小当り後状態移行処理をおこなう(ステップS2406)。小当り後状態移行処理の小さいは、図25に後述する。特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2407)。
図25は、小当り後状態移行処理を示すフローチャートである。小当り後状態移行処理において、まず、第1特殊フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2500)。そして、第1特殊フラグがセットされていない場合、第2特殊フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2501)。第1特殊フラグまたは第2特殊フラグのいずれかがセットされている場合、すなわち、特殊状態または特殊確変状態である場合、小当り後状態移行処理を終了する。これにより、特殊状態または特殊確変状態の51回目以外の図柄変動においては、小当りが発生しても特殊状態または特殊確変状態に制御する期間の延長や終了はおこなわない構成となっている。
第1特殊フラグ及び第2制御フラグがセットされていない場合、移行可能フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2502)。移行可能フラグがセットされていない場合、第1特殊フラグをセットし(ステップS2503)、第1特殊回数カウンタに51をセットする(ステップS2504)。ステップS2502において移行可能フラグがセットされていない場合とは、すなわち、特殊状態または特殊確変状態ではなく、通常状態または確変状態であることを示している。ここで、第1特殊フラグをセットして第1特殊回数カウンタに51をセットすることにより、通常状態または確変状態にて小当りが発生した場合に51回の図柄変動の第1特殊状態または第1特殊確変状態に移行する構成となっている。
また、ステップS2502において移行可能フラグがセットされている場合(ステップS2502のY)、CPU56は、移行可能フラグをリセットする(ステップS2505)。そして、小当り種別が小当りA〜Cのいずれかであるか否かを判定し(ステップS2506)、小当りA〜Cのいずれかである場合、CPU56は、第2特殊フラグをセットする(ステップS2507)。そして、小当り種別が小当りAである場合、第2特殊回数カウンタに「50」をセットし(ステップS2508のY、S2509)、小当りBである場合、第2特殊回数カウンタに「100」をセットし(ステップS2508のN、S2510のY、S2511)、小当りCである場合(ステップS2510のN)、そのまま小当り後状態移行処理を終了する。ここで、小当りCである場合に第2特殊回数カウンタに数値をセットしないことにより、無制限の第2特殊状態または第2特殊確変状態へ移行することができる。なお、本実施の形態では、小当りCである場合に第2特殊回数カウンタに数値をセットしないことにより無制限の第2特殊状態または第2特殊確変状態を実現するものとしたが、これに限るものではなく、実質的に無限に近似可能な数値(例えば、「10000」など)をセットすることで実現するようなものであってもよい。
ステップS2506において、発生した小当り種別が小当りDまたは小当りEである場合(ステップS2506のN)、小当り天井フラグをセットする(ステップS2512)。そして、小当り種別が小当りDである場合は天井回数カウンタに「500」をセットし(ステップS2513のY、S2514)、小当りEである場合は天井回数カウンタに「999」をセットする(ステップS2513のN、S2515)。このように、小当りが発生した場合、移行可能フラグがセットされているときに限り、小当りの種別に応じて特殊状態を継続(新たな特殊状態や特殊確変状態へ移行)したり、特殊状態を終了(通常状態や確変状態へ移行)したりする構成である。なお、本実施の形態では、移行可能フラグがセットされている場合に小当りが発生した場合に、小当りの種別が特殊状態を継続する小当り種別でない場合に、上限のある通常状態へ移行するものとしたが、これに限るものではなく、上限のない通常状態へ移行するものであってもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図26は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部9bの表示制御を実行する。さらに、背景図柄表示部9cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS706)。また、図柄保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図12および図13参照)であるのか解析する。
図27は、本実施の形態における遊技状態の遷移の概要を示す説明図である。この説明図は、遊技状態と、該遊技状態へ移行する契機となる当りの種別について示している。本実施の形態における遊技状態の遷移は、以下のようになっている。
(a):通常状態において小当りが発生することを契機に、51回の図柄変動の間継続する特殊状態へ移行する。このとき、発生した小当りの種別に関わらず、特殊状態へ移行する。
(b):特殊状態の1〜50回までの図柄変動において小当りが発生しても遊技状態の移行はせず、51回目の図柄変動まで特殊状態を継続する。51回目の図柄変動においては、以下に示すように、発生した大当り/小当り/はずれの種別に応じた遊技状態へ移行する。
(c):特殊状態の51回目の変動における小当りAの発生を契機に、50回の図柄変動の間継続する特殊状態へ移行する。
(d):特殊状態の51回目の変動における小当りBの発生を契機に、100回の図柄変動の間継続する特殊状態へ移行する。
(e):特殊状態の51回目の変動における小当りCの発生を契機に、上限無しの特殊状態へ移行する。
(f):特殊状態の51回目の変動における小当りDの発生を契機に、500回の図柄変動を上限とした通常状態へ移行する。
(g):特殊状態の51回目の変動における小当りEの発生を契機に、999回の図柄変動を上限とした通常状態へ移行する。
(h):特殊状態の51回目の変動における10R確変大当りの発生を契機に、50回の図柄変動の間継続する特殊確変状態へ移行する。
(i):特殊状態の51回目の変動における15R確変大当りの発生を契機に、100回の図柄変動の間継続する特殊確変状態へ移行する。
(j):特殊状態の51回目の変動におけるはずれの発生を契機に、上限無しの通常状態へ移行する。
(k):(f)にて移行した通常状態にて500回の図柄変動の間に大当りおよび小当りが発生しなかった場合に、上限無しの特殊状態へ移行する。
(l):(g)にて移行した通常状態にて999回の図柄変動の間に大当りおよび小当りが発生しなかった場合に、上限無しの特殊状態へ移行する。
(a):通常状態において小当りが発生することを契機に、51回の図柄変動の間継続する特殊状態へ移行する。このとき、発生した小当りの種別に関わらず、特殊状態へ移行する。
(b):特殊状態の1〜50回までの図柄変動において小当りが発生しても遊技状態の移行はせず、51回目の図柄変動まで特殊状態を継続する。51回目の図柄変動においては、以下に示すように、発生した大当り/小当り/はずれの種別に応じた遊技状態へ移行する。
(c):特殊状態の51回目の変動における小当りAの発生を契機に、50回の図柄変動の間継続する特殊状態へ移行する。
(d):特殊状態の51回目の変動における小当りBの発生を契機に、100回の図柄変動の間継続する特殊状態へ移行する。
(e):特殊状態の51回目の変動における小当りCの発生を契機に、上限無しの特殊状態へ移行する。
(f):特殊状態の51回目の変動における小当りDの発生を契機に、500回の図柄変動を上限とした通常状態へ移行する。
(g):特殊状態の51回目の変動における小当りEの発生を契機に、999回の図柄変動を上限とした通常状態へ移行する。
(h):特殊状態の51回目の変動における10R確変大当りの発生を契機に、50回の図柄変動の間継続する特殊確変状態へ移行する。
(i):特殊状態の51回目の変動における15R確変大当りの発生を契機に、100回の図柄変動の間継続する特殊確変状態へ移行する。
(j):特殊状態の51回目の変動におけるはずれの発生を契機に、上限無しの通常状態へ移行する。
(k):(f)にて移行した通常状態にて500回の図柄変動の間に大当りおよび小当りが発生しなかった場合に、上限無しの特殊状態へ移行する。
(l):(g)にて移行した通常状態にて999回の図柄変動の間に大当りおよび小当りが発生しなかった場合に、上限無しの特殊状態へ移行する。
なお、図27に上述した遊技状態の移行例は本実施の形態における遊技状態の移行における一例であり、これに限るものではない。例えば、本実施の形態における遊技機は、タイミング(a)にて小当りを契機に特殊状態へ移行したが、大当りを契機としても移行するものである。また、特殊状態において大当りが発生した場合、特殊状態の残余回数を変更せず、大当り後の特殊状態においても残余回数を引き継ぐ構成である。また、上限無しの特殊状態で大当りが発生した場合には新たに大当りの種別に応じた回数の特殊確変状態へ移行する。また、通常状態において特定回数に達する前に小当りまたは大当りが発生した場合は、51回の特殊状態または特殊確変状態へ移行する。また、各特殊状態の残余回数が「0」になった場合は、通常状態へ移行する。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、通常状態にて小当りが発生した際に移行する第1特殊状態における1〜50回の図柄変動で小当りが発生しても遊技状態を移行せず、51回目の図柄変動にて発生した小当りの種別が小当りA〜Cのいずれかであれば新たに第2特殊状態へ移行することで特殊状態を継続し、小当りDまたはEであれば通常状態に移行することで特殊状態を終了する構成とした。これにより、遊技状態の継続または終了が51回目の図柄変動にしかおこなわれることがないため、特殊状態の継続に対して期待を寄せるタイミングを遊技者にわかりやすくすることができる。
また、本実施の形態によれば、特殊状態の51回目の図柄変動において発生した小当りの種別に応じた回数の図柄変動(例えば、小当りA:50回、小当りB:100回、小当りC:無制限)を有する特殊状態へ移行する構成とした。これにより、遊技状態を移行させる可能性のあるタイミングにて、いずれの種別の小当りが発生するかを遊技者に期待させることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、特殊状態の51回目の図柄変動において発生した大当りの種別に応じた回数の図柄変動(例えば、10R確変大当り:50回、15R確変大当り:100回)を有する特殊状態へ移行する構成とした。これにより、遊技状態を移行させる可能性のあるタイミングにて、いずれの種別の大当りが発生するかを遊技者に期待させることができ、興趣の向上を図ることができる。なお、本実施の形態では、大当りの種別として、確変大当りのみを設けることとしたが、これに限るものではなく、発生後に確変状態に移行しない通常大当りであってもよい。その場合、例えば、特殊状態の51回目の変動にて通常大当りが発生した場合には通常状態へ移行して特殊状態を終了させるような構成であってもよい。また、例えば、通常大当りが発生した場合、通常状態または確変状態であれば特定回数(例えば、51回)の特殊状態または特殊確変状態へ移行し、特殊状態または特殊確変状態であれば大当り種別にもとづいた回数の特殊状態または特殊確変状態へ新たに移行することとしてもよい。また、大当りが発生した場合には、大当り種別や遊技状態に関わらず、一律の期間(例えば、図柄変動50回)の特殊状態または特殊確変状態へ移行するものであってもよい。また、小当りが発生することで特殊状態や特殊確変状態へ移行するものであれば、大当り発生しても特殊状態や特殊確変状態へは移行せずに、通常状態や確変状態に移行するようなものであってもよい。
また、本実施の形態によれば、特殊状態の51回目の図柄変動にて小当りDまたはEが発生した場合に通常状態へ移行し、発生した小当りの種別に応じた特定回数(例えば、小当りD:500回、小当りE:999回)の図柄変動を該通常状態で行った後に、特殊状態へ移行する構成とした。これにより、特殊状態を継続させなかった場合にも、いずれの特別回数が選択されているかを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。ここでは、例えば、特殊状態が継続しなかった場合にも、特定回数として999回が選択されているよりも500回が選択されていることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。その際、いずれの小当りが発生した場合にも、再び特殊状態へ移行するまでの演出は同様のものであることが望ましい。なお、発生した小当り種別に応じて演出の発生頻度を異ならせることとしてもよく、これにより、遊技者に対していずれの特定回数が選択されているかをより期待させることができる。また、小当りDまたはEが発生した場合、小当り遊技状態中または小当り遊技状態が終了した後の変動にて、特定回数として500回が選択されている旨を示唆する演出をおこなうようなものであってもよい。これにより、特定回数として500回が選択されていることに対する期待感を遊技者に与えることができる。
また、本実施の形態では、第1特殊状態の51回目の図柄変動にて小当りDまたはEが発生した場合に、上限が設定された通常状態に移行する構成としたが、上限が設けられていない通常状態に移行するものであってもよい。
なお、本実施の形態では、第2特別図柄の変動時にはずれが発生しにくいことにより、第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合には大当り遊技または小当り遊技が付与される構成としたが、これに限るものではない。具体的には、通常状態では、第1始動入賞口13への入賞を狙う第1遊技の方が第2始動入賞口14への入賞を狙う第2遊技よりも遊技者にとって有利である一方、特殊状態では、第2遊技の方が第1遊技よりも遊技者に有利であればよい。
また、本実施の形態では第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの図柄変動時にも、大当り、小当り、はずれが発生し得る構成としたが、これに限るものではない。例えば、第2特別図柄の変動時にはずれを設けない構成であってもよい。その場合、第2特別図柄通常処理における、小当り判定をおこない小当りとするか否かを判定する処理を省くものであってもよい。また、第2特別図柄停止処理において、はずれである場合に行う処理(ステップS2101、S2107〜2113に相当する処理)も同様に省くものであってもよい。これにより、処理の負担を軽減することができる。
また、本実施の形態において、第1特殊状態の51回目の図柄変動にて小当りDまたはEが発生した場合に、上限を有する通常状態へ移行し、上限に達するまではずれが発生し続けた場合に、無制限の特殊状態へ移行する構成としたが、これに限るものではない。例えば、通常状態において上限に達するまではずれが発生し続けた場合に、上限の有する特殊状態へ移行するものであってもよいし、特別な演出を実行するようなものであってもよい。例えば、500回の図柄変動を上限とした通常状態に移行した際に、501回目の図柄変動からは特定の変動パターンを選択するよう構成することで、通常状態の上限に達した次の変動にて特定の変動パターンを選択することができ、該特定の変動パターンに対応するプレミアム演出をおこなうようなものであってもよい。これにより、特殊状態が継続しなかった場合にも、遊技者にプレミアム演出が発生することに対する期待感を与えることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態において、第1特殊状態また第1特殊確変状態の50回目までの図柄変動において大当りが発生した場合、特殊状態に制御する残余変動回数、すなわち特殊回数カウンタの値を変更しない構成としたが、これに限るものではない。例えば、新たに特殊状態へ移行したものとして特殊回数カウンタをリセットするものであってもよいし、発生した大当りの種別に応じた値を特殊回数カウンタにセットし直すものであってもよい。
また、本実施の形態において、通常状態において小当りが発生した場合、いずれの小当り種別の小当りが発生した場合にも、51回の図柄変動を有する特殊状態へ移行することとしたが、これに限るものではない。例えば、通常状態において発生した小当りの種別に応じた回数の図柄変動を有する特殊状態に移行することとしてもよいし、また、特殊状態に移行する小当り種別と特殊状態に移行しない小当り種別とを設けたものであってもよい。その際、特殊状態の上限より前の図柄変動では遊技状態の移行は不可能であり、上限である図柄変動において遊技状態を移行可能であるものであればよい。
また、本実施の形態において、大当りの種別として確変大当りのみを設けたため、通常状態において大当りに当選した際に特殊確変状態へ移行することとしたが、これに限るものではなく、確変状態に移行しない通常大当りを大当りの種別として設けるものであってもよい。その場合、例えば、通常状態において通常大当りが発生した場合には51回の図柄変動を有する特殊状態へ移行するものであってもよいし、発生した通常大当りの種別に応じた回数の図柄変動を有する特殊状態へ移行するものであってもよいし、発生した通常大当りの種別によって特殊状態へ移行するものと移行しないものがあってもよい。また、大当りの種別として確変大当りと通常大当りとが併設されているものであってもよい。
なお、特殊状態の継続に期待を寄せるべきタイミングを遊技者によりわかりやすくさせるために、1〜50回目の図柄変動では遊技状態を移行する可能性がないことを示す演出をおこなう一方、51回目の図柄変動では遊技状態を移行させる可能性がある旨を示す演出をおこなうようなものであってもよい。これにより、特殊状態に期待を寄せるタイミングを遊技者によりわかりやすくさせることができる。また、51回目の図柄変動における遊技状態を移行させる可能性がある旨を示す演出としては、どのようになれば特殊状態が継続するかを報知することが望ましい。例えば、「この変動で小当りが発生すれば特殊状態が継続するよ!」などといった情報を可変表示装置9やスピーカ27から出力するような演出が望ましい。
また、本実施の形態においては、各乱数をソフトウェアにて生成するものとしたが、これに限るものではなく、ハードウェアにて生成された乱数を用いて、大当りとするか否かを判定するものであってもよい。
また、本実施の形態では、遊技盤上に打ち出された遊技球は釘のみに誘導されて始動入賞口へ入賞する構成としたが、これに限るものではない。例えば、開閉自在な可変入賞装置を始動入賞口に備えることにより、可変入賞装置によって始動入賞口へ遊技球が誘導される構成であってもよい。その場合、例えば、可変入賞装置が開状態であるときに遊技球が始動入賞口へ入賞しやすく、閉状態であるときに遊技球が始動入賞口へ入賞しにくいような遊技機であってもよい。その場合、例えば、可変入賞装置はソレノイドによって開状態とされるものであってもよい。また、その場合、可変入賞装置がランダムなタイミングで開状態となるよう、所定の条件が成立した場合に規定の割合で開状態となるようなものであってもよい。例えば、遊技盤上に供えられたゲートを遊技球が通過することにより、特別図柄とは異なる図柄(いわゆる、普通図柄)の変動が開始され、特定の図柄で停止表示されることを契機に閉状態から開状態へ移行するようなものであってもよい。開状態とする期間があらかじめ設定されているものであってもよい。また本実施の形態のように、第2特別図柄の変動の方が第1特別図柄の変動よりも遊技者にとって有利である場合、第2特別図柄にのみ可変入賞装置を設けることで、より開状態とすることへの期待を遊技者に抱かせることができる。なお、本実施の形態のように、第2特別図柄における遊技を主におこなうような遊技状態を有する遊技機においては、ゲートを遊技球が通過した場合に可変入賞装置が開状態となる割合は、遊技の妨げにならない程度に高いものが望ましい。
また、本実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に可変表示可能な構成の遊技機にて、小当り遊技を頻繁に遊技者に実行させる特殊状態を継続させるか否かが決定するタイミングを遊技者に認識させやすくするものとしたが、これに限るものではない。例えば、交互変動を行う遊技機(第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に可変表示することが不可能であり、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方を可変表示する遊技機)にて、小当り遊技を頻繁に遊技者に実行させる特殊状態を継続させるか否かが決定するタイミングを遊技者に認識させやすくするものとしてもよい。なお、その際、第1特別図柄と第2特別図柄の変動順は、入賞順であってもよいし、一方の特別図柄を優先するものであってもよい。
例えば、遊技機は、第1特別図柄は保留記憶の機能を有す一方、第2特別図柄については保留記憶の機能を有さず、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも小当り確率を高くするとともに、小当り時の大入賞口の開放期間を第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも長い期間(例えば1.8秒)とし、ゲートを通過した遊技媒体が略第1特別図柄の始動口に入賞する様に構成されているものであってもよい。その場合、該遊技機は遊技状態として通常状態と特殊状態とを有しており、例えば、通常状態では第1特別図柄の変動時間よりも普通図柄(上述した、可変入賞装置を開状態とするか否かを決定する図柄)の変動時間を短くすることにより、電チューが開放して第2特別図柄の始動入賞が発生したとしても第1特別図柄が変動しているときに第2特別図柄の始動入賞を発生させることにより第2特別図柄の変動を実行できない様にする。そして、通常状態における所定条件の成立(例えば、小当りの発生や大当りの発生、予め決められた変動回数の消化)にもとづいて特殊状態へ移行するものとする。特殊状態では、例えば、第1特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間の関係を逆転させる(例えば、普通図柄の変動時間は通常状態と変わらず、第1特別図柄の変動時間を極端に短い時間(例えば0.2秒)にする)ことにより、第1特別図柄が変動しておらず、かつ、保留も記憶されていない状態で、第2特別図柄の始動入賞を可能にすることで、小当りの発生頻度を高めた遊技を実行させるものであってもよい。こういった遊技機においても、特殊状態の可変表示回数が特定回数(例えば、51回)になったときに、可変表示結果にもとづいて特殊状態を継続または終了させるものとすることにより、遊技者に特殊状態の継続に期待するタイミングを認識させ易くすることができる。尚この制御方法の場合、第2特別図柄の始動口に可変入賞球装置が取り付けられている構成としなくてもよく、その場合でも通常状態では第1特別図柄の保留が途切れない状態で第2特別図柄の始動入賞を発生させるようにし、所定条件の成立にもとづいて第2特別図柄の始動入賞が、第1特別図柄の保留がなく変動もしていない状態で発生する様にしてもよい。
また、本実施の形態では、第2特殊回数カウンタの値が「0」になった場合には第2特殊フラグをリセットすることにより、特殊状態から上限のない通常状態へ移行するものとしたが、これに限るものではない。例えば、第2特殊回数カウンタの値が「0」になった場合には第2特殊フラグをリセットするとともに移行可能フラグをセットすることにより、再度特殊状態や上限を有する通常状態へ移行するようなものであってもよい。これにより、特殊状態を繰り返し設定することができ、興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、通常状態から移行した特殊状態または特殊確変状態においては第1特殊フラグをセットし、該特殊状態または特殊確変状態における51回目の図柄変動にもとづいて移行する特殊状態または特殊確変状態においては第2特殊フラグをセットするものとした。しかし、いずれの特殊状態および特殊確変状態においても共通の特殊フラグを用いるものであってもよい。例えば、通常状態から移行した特殊状態では特殊フラグをセットするとともに特殊回数カウンタを「51」にセットし、移行可能フラグがセットされているときに小当りまたは大当りが発生したときに特殊フラグを再度セットするとともに小当り種別または大当り種別に応じた回数を特殊回数カウンタにセットするものとしてもよい。その際、上限の無い特殊状態に移行する場合は特殊回数カウンタに「0」をセットすればよい。
また、本実施の形態では、小当りが発生しやすい特殊状態を有利遊技状態として実現することとしたがこれに限るものではなく、例えば、大当りが発生しやすい遊技状態を有利遊技状態として実現するようなものであってもよい。具体的には、通常状態における大当りの発生を契機に大当りが発生しやすい有利遊技状態に移行し、該有利遊技状態では特定回数までは大当りが発生しても遊技状態を移行せず、特定回数における可変表示にて発生した大当りの種別に応じて遊技遊技状態を継続させたり終了させたりするものであってもよい。その場合、例えば、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの図柄変動時にも小当りが発生しない構成であってもよいし、いずれか一方の特別図柄の図柄変動時には小当りが発生するような構成であってもよい。
また、本実施の形態では、大当りおよび小当りにて遊技者に価値を付与する構成としたがこれに限るものではなく、例えば、小当りで遊技者に価値を付与する構成であれば大当りを設けないようなものであってもよい。その場合、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの図柄変動時にも小当りを設けることで、いずれの図柄変動時にも遊技者に価値を付与することができる。
なお、本実施の形態では、小当りにおいて一定時間(例えば1.8秒)が経過するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される構成としたが、これに限るものではなく、例えば、所定個数(例えば、3個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで大入賞口が開放される構成としてもよい。
なお、本実施の形態では、大当り遊技状態と小当り遊技状態とで同一の大入賞口が開放するものとしたが、大当り遊技状態と小当り遊技状態とで異なる大入賞口が開放するようなものであってもよい。
また、本実施の形態では、保留の数に関わらず変動パターンを選択することとしたが、保留数が多いほど短い変動時間の変動パターンを選択することにより、無効入賞が発生し難いような構成とするものであってもよい。
また、本実施の形態における遊技機は、大入賞口への遊技球の入賞を契機に、景品遊技媒体としての遊技球を払い出す構成としてある。すなわち、可変入賞口に遊技媒体が入賞したことに応じて有利な価値を付与する遊技機であるといえる。ここで、有利な価値とは、景品遊技媒体であってもよいし、遊技者にとって有利な遊技状態に移行することであってもよい。遊技者にとって有利な遊技状態とは、例えば、図柄の変動が通常状態よりも早い遊技状態や、大当りが発生しやすい確変状態や、大当り遊技状態などである。
なお、本実施の形態では、一方の特別図柄の変動開始時に他方の特別図柄の変動における大当りの発生が決定されている場合に、一方の特別図柄の変動に対する大当り判定を行わずはずれとする「強制はずれ」をおこなう構成としたがこれに限るものではない。例えば、「強制はずれ」を設けずに、複数の特別図柄が互いに干渉することなく変動し続けるようなものであってもよい。また、例えば、一方の特別図柄の変動に対する大当りが開始されるタイミングにて、他方の特別図柄が変動中であれば、強制的に他方の特別図柄の変動をはずれで停止させるようなものであってもよい。なお、大当りが開始されるタイミングとは、例えば、図柄変動の停止を指示する図柄確定指定コマンドや、大当りのファンファーレ画面の表示の開始を指示する大当り開始指定コマンドを演出制御基板80へ出力するタイミングである。また、本実施の形態では大当りである場合のみ強制はずれが発生する構成としたが、例えば、小当りである場合にも強制はずれが発生するものであってもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明は、パチンコ遊技機やスロット機などの遊技機に適用可能である。
1 パチンコ遊技機
8a 第1特別図柄表示器
8b 第2特別図柄表示器
9 可変表示装置
9a 第1可変表示部
9b 第2可変表示部
9c 背景図柄表示部
13 第1始動入賞口
14 第2始動入賞口
18c 図柄保留記憶表示部
31 主基板
56 CPU
80 演出制御基板
100 演出制御用マイクロコンピュータ
101 演出制御用CPU
560 遊技制御用マイクロコンピュータ
8a 第1特別図柄表示器
8b 第2特別図柄表示器
9 可変表示装置
9a 第1可変表示部
9b 第2可変表示部
9c 背景図柄表示部
13 第1始動入賞口
14 第2始動入賞口
18c 図柄保留記憶表示部
31 主基板
56 CPU
80 演出制御基板
100 演出制御用マイクロコンピュータ
101 演出制御用CPU
560 遊技制御用マイクロコンピュータ
Claims (1)
- 遊技領域に設けられた第1始動領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて各々を識別可能な第1識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する第1可変表示手段と、
前記遊技領域に設けられた第2始動領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて各々を識別可能な第2識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する第2可変表示手段と、
前記第2識別情報の表示結果が、第1の表示結果と第2の表示結果を含む所定の表示結果となったことにもとづいて入賞容易状態となる可変入賞口とを備え、
前記可変入賞口に遊技媒体が入賞したことに応じて有利な価値を付与する遊技機であって、
所定条件が成立したあとの可変表示回数が特定回数となるまでの期間において、該所定条件が成立する前に比べて前記入賞容易状態となりやすい有利遊技状態に制御する有利遊技状態制御手段を備え、
前記有利遊技状態制御手段は、可変表示回数が前記特定回数となるまでは可変表示の表示結果として所定の表示結果が導出表示されたか否かに関わらず前記有利遊技状態を継続し、前記所定条件が成立したあとの可変表示回数が前記特定回数となるときに、前記可変表示の表示結果が前記第1の表示結果となった場合には新たに有利遊技状態に制御し、前記第2の表示結果となった場合には有利遊技状態に制御しない
ことを特徴とする遊技機。
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JP2012222659A JP2014073278A (ja) | 2012-10-05 | 2012-10-05 | 遊技機 |
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