以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部9aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部9bという。)と、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部9cという。)とがある。
可変表示は、変動表示または変動とも呼ばれ、前述の確変図柄の他に、第1特別図柄、第2特別図柄、背景図柄、普通図柄等の各種識別情報としての図柄を動作させる表示として実行される。可変表示態様としては、スクロール表示、および、その場切換え表示等の各種変動パターンでの表示態様が含まれる。
なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄表示部9cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9b)に対して1つの背景図柄表示部9cが設けられ、背景図柄表示部9cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。なお、この実施の形態では、背景図柄は、演出表示装置9(液晶表示装置)における演出用の図柄変動表示を行うためのものであり、演出用識別情報、装飾図柄、および演出図柄に相当する。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部9aは、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部9bは、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示部9aによる可変表示は、第1可変表示と呼ばれる場合がある。第2特別図柄表示器8bおよび第2可変表示部9bによる可変表示は、第2可変表示と呼ばれる場合がある。
演出表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部18cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部18cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部18cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部18cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部18cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を1にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が1である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が0である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を1にし、合算保留記憶数の上限値を5にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置9の右方には、ゲート32が設けられている。ゲート32を通過した遊技球は、ゲートスイッチ32aによって検出される。また、ゲート32の下方には、作動ゲート17が設けられている。作動ゲート17を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ17aによって検出される。
作動ゲート17の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する遊技者に有利な有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。第1カウントスイッチ23aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置20の下方には、小当り用の特殊入賞口24を形成する特殊可変入賞球装置22と、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15とが設けられており、図1に示すように、左側に特殊可変入賞球装置22が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置15が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口24や第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置22は、第2特別図柄表示器8bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口24を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置15は、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口14を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図1に示すように、可変入賞球装置15と比較して特殊可変入賞球装置22の方が若干大きい。また、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置20に入賞することなく遊技領域7を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置15の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置15の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口14が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口14に入賞し、特殊可変入賞球装置22の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口14が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置15の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置22の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置22の底面部材が後退移動されて特殊入賞口24が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口24に入賞する。さらに、特殊入賞口24も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置22の底面部材の上を移動して、そのままアウト口26の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22が左側に配置され、可変入賞球装置15が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置15の方から特殊可変入賞球装置22の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置15の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置22の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口24内には、特殊入賞口24内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ25a、図5参照)が設けられている。第2カウントスイッチ25aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置22において開状態となった特殊入賞口24を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置22が開放制御されて特殊入賞口24が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置22が閉鎖制御されて特殊入賞口24が閉状態となれば、特殊入賞口24に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口14内には、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ14aが設けられている。第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
この実施の形態では、第1始動入賞口13が、遊技領域7の左方に打込まれた遊技球の方が、遊技領域7の右方に打込まれた遊技球よりも進入しやすくなるように遊技釘が設定されているため、大当り遊技中および後述するKT状態中を除く通常の遊技状態である場合に、遊技者は遊技領域7の左方を狙って発射操作(いわゆる左ち操作)を行う。一方、ゲート32、作動ゲート17、特別可変入賞球装置20(大入賞口)、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)、および特殊可変入賞球装置22(特殊入賞口24)が遊技領域7の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域7の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。従って、この実施の形態では、詳細な説明を省略しているが、大当り遊技中やKT状態中である場合には、例えば、演出表示装置9において「右打ち」などの表示を行ったり右方向を示す矢印表示を行ったりして、右打ち操作期間中であることを報知するように構成することが望ましい。
演出表示装置9の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル5を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1可変表示部9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、遊技者にとって有利な特定状態としての大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置20の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。本実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、例えば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、遊技者にとって有利な特定状態としての小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置22が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。なお、この実施の形態では、小当り遊技状態とは、大当り遊技状態と比較すると有利度が低い(本例では、獲得できる出玉が少ない)ものの遊技者にとって有利な特定状態としての遊技状態であり、小当り遊技状態の前と後とで遊技状態が他の遊技状態に遷移しないものである。小当り遊技状態では、1回の入賞により15個の賞球が払出される。
このように、この実施の形態では、遊技者にとって有利な特定状態として、第1遊技価値(可変入賞球装置20の開放等)を遊技者に付与可能な第1価値付与可能状態(大当り遊技状態等)と、当該第1価値付与可能状態よりも少ない第2遊技価値(特殊可変入賞球装置22の開放等)を遊技者に付与可能な第2価値付与可能状態(小当り遊技状態等)とを含む。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、本実施の形態における遊技状態について説明する。まず、本実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置22が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置15が開状態となる確率は通常状態と同じなのであるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短いため、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。そして、第2特別図柄の変動時には大当りとなる場合以外には全て小当りになるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域7の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(例えば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域7の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する(後述するステップS2208B,S2209B参照)。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、一部の遊技者が通常状態にて積極的に右打ちにて遊技を行う可能性があり、本来の遊技性が損なわれてしまう。このことから、通常状態で右打ちして第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生したとしても、第1KT状態にしか移行しないようにすることによるペナルティを科すことにより、通常状態での積極的な右打ち遊技を抑制することができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部9cでは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部9cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とは同時に可変表示可能である。第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部9cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部9cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図2〜図4は、特殊可変入賞球装置22を示す図である。以下では、図2〜図4を参照して特殊可変入賞球装置22について説明する。なお、この実施の形態については、図2〜図4を用いて特殊可変入賞球装置22の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置22よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置15の構造も特殊可変入賞球装置22の構造と同様である。
図2〜図4に示すように、特殊可変入賞球装置22は、左右方向に長い矩形板状のベース板部101を備えている。特殊可変入賞球装置22は、このベース板部101が遊技領域7に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域7に固定支持される。ベース板部101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口24(可変入賞球装置15の場合は第2始動入賞口14)が形成されるとともに、ベース板部101における特殊入賞口24よりも上方の位置には、底面部材23が後退移動した際に、底面部材23を遊技領域7の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔102が形成されている。なお、本実施形態において特殊入賞口24は詳しくは、ベース板部101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材23は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔102は、底面部材23の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材23は、図3に示す前進移動された状態と、図4に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部101の背面側(後方)には、底面部材23を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図2〜図4に戻り、ベース板部101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部112が形成されており、この流路形成台部112の上部には、前進移動した状態の底面部材23の上方側端部(右端部)である上流領域23Uと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部113と、底面部材23の下方側端部(左端部)である下流領域23Lと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部114とが形成されている。
また、流路形成台部112の上部には、上流側流路部113および下流側流路部114の底面部材23側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口24を左右および下方から囲うようにして、底面部材23の下方に落下した遊技球を特殊入賞口24に案内する案内流路部115が形成されている。
上流側流路部113および下流側流路部114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部115の底部は、特殊入賞口24側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口24の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口24側(遊技領域7の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部116が配設されている。
またさらに、流路形成台部112の前部(遊技者側)には、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆う被覆部117が一体に形成されている。この被覆部117は、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠2側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、被覆部117が流路形成台部112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置22では、ベース板部101と被覆部117との間において、上流側流路部113、底面部材23、および下流側流路部114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部101および被覆部117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片118が形成されている。
本実施形態において、規制片118は、ベース板部101および被覆部117に一体形成され、ベース板部101から前方に突出する、または被覆部117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片118がない場合よりも遅延させる。これら規制片118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部101および被覆部117に交互に形成されている。また、規制片118は、底面部材23の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、被覆部117のうちの上流側流路部113を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されるとともに、被覆部117のうちの下流側流路部114を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されている。また、ベース板部101および被覆部117のうちの底面部材23を覆う部位には、ベース板部101および被覆部117に交互に形成された規制片118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片118の配置により、図3を参照し、本実施形態の特殊可変入賞球装置22(および同様に構成された可変入賞球装置15)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)を基本的に通過する。一方で、図4を参照し、底面部材23が後退移動した特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部112の案内流路部115に落下することが可能となり、この案内流路部115を流下して、特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞することが可能となる。
図5は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、特殊可変入賞球装置22を開閉するソレノイド106、および可変入賞球装置15を開閉するソレノイド206を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部9cと、図柄保留記憶表示部18cとの表示制御を行う。
図6は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図6に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ202および入力ポート203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)209に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ202に入力する。入力ドライバ202は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図6には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図5に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU201は、入出力ポート205を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU201は、入出力ポート204を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22内に特殊入賞口ランプ24aが設けられており、ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ24aに供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU201とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP209に出力する。VDP209は、演出制御用CPU201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置9の表示制御を行うVDP209が演出制御基板80に搭載されている。VDP209は、演出制御用マイクロコンピュータ200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP209は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図6に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図7は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および作動ゲートスイッチ17aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(6)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図8に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、本実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置20、特殊可変入賞球装置22を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器10や可変入賞球装置15を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS27a)。保留記憶処理では、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU56は、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、例えば、CPU56は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aからの検出信号を入力した場合には、賞球数1個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。また、例えば、CPU56は、第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ25aからの検出信号を入力した場合には、賞球数15個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口24に遊技球が入賞して第2カウントスイッチ25aで検出されても、後述する賞球増加表示の表示や入賞演出が直ちに実行されず遅れて実行される場合があるのであるが、賞球の払い出しに関しては、ステップS30の賞球処理において、第2カウントスイッチ25aからの検出信号を入力した場合には、直ちに賞球数15個を指定する払出制御コマンドが出力され、払出制御用マイクロコンピュータによって球払出装置97が駆動されて直ちに15個の賞球が払い出される。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図10(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図10(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図10(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、図10(B)に記載されている各数値が設定されている。また、図10(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、この実施の形態では、後述するように、第2特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ小当り決定処理(ステップS162B参照)が行われて小当りとなる場合があるとともに、既に説明したように、KT状態では右打ち操作されることから第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなっている。従って、この実施の形態では、KT状態において、大当り遊技状態よりも小当り遊技状態に制御される頻度が高くなっている。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図10(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図10(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図10(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。この実施の形態では、図10(B)に示すように、小当りになる確率(割合)は、122/487となるように設定されており、概ね1/4程度となるように設定されている。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、図10(B)に示す小当り判定テーブルを用いた抽選処理を行い、概ね1/4程度の確率で小当りとすることに決定される(ただし、後述するように、強制はずれとされる場合がある)。
図11は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図11(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図11(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される。後述するステップS2207A,S2208A,S2207B,S2210B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある(後述するステップS2208B,S2209B参照)。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS2210A,S2211A,S2212B,S2213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS2212A参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS2213A,S2010〜S2013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS2015参照)。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS2212B,S2213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS2214B参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS2215B,S2010〜S2013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS2015参照)。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図12〜図14は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図12〜図14に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図12〜図14に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#01〜#28の28種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=01〜07または01〜28)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図12(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図12(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第1変動パターン#07のように、KT状態において第1特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となる場合には、図13(D)〜(F)および図14(G)〜(I)等に示すような、KT状態において第2特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となる場合と比べて、変動時間が長く設定されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図13(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#01〜#03のいずれかに決定される。具体的には、はずれと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、小当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#03が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口24への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。
なお、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口24への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#04〜#06のいずれかに決定される。
なお、図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#04に決定される。また、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#05(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置15の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置22内の特殊入賞口24には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置22を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口24に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置22を開状態に制御して特殊入賞口24への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#07〜#11のいずれかに決定される。また、図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#07に決定される場合がある。また、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#09に決定される場合がある。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれや小当りと決定し、第2変動パターン#08や第2変動パターン#10にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置9における背景図柄の変動表示において、リーチとなったり滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図13(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#12〜#14のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、例えば、演出表示装置9において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目としてはずれや小当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示を伴う第2変動パターン#12や第2変動パターン#13に決定される。また、図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#14に決定される。
なお、この実施の形態では、図12に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が1分の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、この実施の形態では、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(本例では、1分)が確保されるように構成されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図14(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#15〜#19のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#15に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#17)に決定される場合がある。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#19が決定される。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#16や第2変動パターン#18が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図14(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#20〜#24のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#20に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#22に決定される場合がある。また、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#24が決定される。また、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#21や第2変動パターン#23が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図14(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#25〜#28のいずれかに決定される。
なお、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#25に決定される場合がある。また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#27に決定される。また、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#26に決定される場合がある。また、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#28が決定される。
図12(B)の第1変動パターン#07のように、KT状態において第1特別図柄の変動表示結果が大当り表示結果となる場合には、図13(D)〜(F)および図14(G)〜(I)等に示すような、KT状態において第2特別図柄の変動表示結果が小当り表示結果となる場合と比べて、変動時間が長く設定されているので、後述する図34等で示すようなKT状態における特別演出である第2特別図柄での小当りの保留連報知演出を実行する場合に、保留連報知演出を実行したにもかかわらず、第1特別図柄の変動表示による大当りが先に発生してしまうのを防ぐことができる。より具体的には、第1特別図柄の可変表示と、小当りとなる第2特別図柄の可変表示とが同時に実行開始されても、第2特別図柄の可変表示の小当りが確実に消化される。
また、図12(B)のKT時の第1特別図柄のはずれ時の変動時間(2秒)は図12(A)の非KT時の第1特別図柄のはずれ時の変動時間のうちの最短時間(15秒)よりも短い等、KT状態のような所定状態において、第1可変表示に基づいてはずれ表示結果となるときの可変表示時間が、非KT状態において、第1可変表示に基づいてはずれ表示結果となるときの可変表示時間のうちの最短時間よりも短いことにより、第1可変表示をより早期に消化でき、第2可変表示を対象とした後述する保留連報知演出のような特別演出の実行が制限されにくくなるようにすることができる。
また、図12(B)に示すKT時の第1特別図柄大当り時の変動時間(5分)が、図13および図14に示すKT時の第2特別図柄大当り時の変動時間よりも長いので、第2可変表示に関する後述する保留連報知演出のような特別演出を実行したにもかかわらず、第2可変表示に基づく小当り遊技状態よりも先に、第1可変表示に基づいて大当り遊技状態に制御されてしまうのを防ぐことができる。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置9において背景図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
なお、第2変動パターン#04,#07,#09,#15,#20,#22,#25,#27の短縮変動の変動パターンを決定する場合に、例えば、保留記憶数に応じて異なる割合で短縮変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。例えば、保留記憶数が多くなるに従って高い割合で短縮変動の変動パターンを決定するようにして、保留記憶の消化を早め稼働率を高めるように構成してもよい。
また、図13および図14に示す例では、第1KT状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15は、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図15(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示し、図15(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示している。
まず、図15(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(1)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置15が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図15(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置22の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口24に遊技球が入賞することは極めて稀である(例えば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図15(1)に示すように、可変入賞球装置15の開放を終了した後、次の可変入賞球装置15の開放を行えるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
次に、図15(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(2)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(2)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置15が0.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置15の開放時間が0.5秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.0秒(普通図柄の変動時間0.2秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図15(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が進入しやすく特殊入賞口24に遊技球が入賞しやすい。例えば、この実施の形態では、大当り遊技状態では1ラウンドあたり遊技球が最大で10球入賞可能であるのと比較すると遊技球の入賞頻度が低いものの、第2KT状態では1回の小当り遊技中に1〜3個程度遊技球が入賞することが可能である。
なお、この実施の形態において、「入賞頻度」とは、例えば、遊技領域7に発射した遊技球数に対して大入賞口や特殊入賞口24への遊技球の入賞割合を示している。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置15を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)によって普通図柄プロセス処理(ステップS26C参照)が実行されることによって行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS26Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、遊技状態に関係なく同じ確率(例えば、10%)により普図当りとするか否かを決定する。具体的には、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、例えば、可変入賞球装置15を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口24への入賞を抑制することができる。
また、例えば、可変入賞球装置15の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図15(1)に示すような可変入賞球装置15を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図15(2)に示す可変入賞球装置15を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。つまり、第1KT状態でのみ特殊フラグをセットし、大当り遊技状態を含む他の状態では、特殊フラグをセットしないように制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置15の開放時間を短くしてもよい。例えば、低確率/第1KT状態の100回の特別図柄の短縮変動期間のうち、99回目の特別図柄の変動停止に応じて、前述の特殊フラグを消去するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行うときに、可変入賞球装置15がロング開放していることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上記のように、可変入賞球装置15の開放制御用のフラグ(特殊フラグ)を用いて可変入賞球装置15を構成する場合、さらに、特別図柄の変動表示の短縮変動用のフラグを用いて特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよく、この場合、特殊フラグと短縮変動用のフラグとを別々に管理して制御を行うように構成してもよい。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置15をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置15の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置15に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行われてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、図15に示すように、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されている。これは、例えば、第1KT状態において比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合に、普通図柄が変動停止中であり且つ普通図柄の保留記憶がない状態では可変入賞球装置15が閉鎖状態となっており、第2特別図柄の変動停止タイミングを狙った攻略が可能となってしまうためである(小当りとなった場合に、普通図柄の変動時間が長いとゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22に到達するまでに可変入賞球装置15が開放せず、特殊入賞口24の入賞が可能となってしまう)。これに対して、この実施の形態では、普通図柄の変動時間を短くすることにより、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達する前に可変入賞球装置15の開放が開始されるように設定されているので、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除することができる。
図16および図17は、演出制御用マイクロコンピュータ200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
後述する第1始動口スイッチ通過処理(図18のS312)においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第1始動入賞口13への入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値等を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行なう。また、後述する第2始動口スイッチ通過処理(図27のS322)においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、第2始動入賞口14への入賞時に、大当りとなるか否か、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りまたは小当りとなることを指定する値、および、大当りの種別等を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行なう。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ200では、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、表示結果が小当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ表示指定コマンド)である。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図16および図17に示された内容に応じて第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示状態や背景図柄表示部9cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図16および図17に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置20を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップ155FS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップ155FステップS312)。
CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かを、第1特別図柄プロセスフラグによって判定でき、第2大当り遊技が実行中であるか否かを、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。すなわち、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理で扱われる第2特別図柄プロセスフラグに基づいて、第2大当り遊技または第2小当り遊技が実行中であると判定する。
次に、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2特別図柄に関する大当り遊技状態および小当り遊技状態に対応する第2入賞口開放前処理〜第2小当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップ155FS314)、ステップ155FS315,ステップ155FS316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップ155FS317,ステップ155FS318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2小当り終了処理に応じた値は連続する値である。よって、CPU56のステップ155FS314の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップ155FS315では、CPU56は、第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して第1中断指定コマンドを未送信であるという条件が成立するか否かを確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に第1中断指定コマンドを送信している場合(ステップ155FS316で第1中断指定コマンドの送信済みフラグがセットされている場合)には処理を終了する。一方、ステップ155FS315で、変動中であり、まだ第1中断指定コマンドを送信していない場合(ステップ155FS316で第1中断指定コマンドの送信済みフラグがセットされていない場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して第1中断指定コマンドを送信し(ステップ155FS316)、処理を終了する。ステップ155FS316では、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットする。演出制御用マイクロコンピュータ200は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。
また、ステップ155FS314で第2入賞口開放前処理〜第2小当り終了処理のいずれかに応じた値でない場合、すなわち、第2特別図柄に関する大当り遊技状態および小当り遊技状態に対応しない場合には、CPU56は、送信済みフラグがセットされているか否かを確認することにより、ステップ155FS316による第1中断指定コマンドを送信した後か否かを確認する(ステップ155FS317)。第1中断指定コマンドを送信した後でないとき(第1飾り図柄の変動が中断されていないとき)は、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。一方、第1中断指定コマンドを送信した後であるとき(第1飾り図柄の変動が中断されているとき)は、第1再開指定コマンドを送信し(ステップ155FS318)、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。ステップ155FS316では、第1中断指定コマンドの送信時に、S316でセットされた送信済みフラグをリセットする。演出制御用マイクロコンピュータ200は、第1再開指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
ステップ155FS314〜ステップ155FS318により、第1特別図柄および第1飾り図柄の可変表示の実行中に第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示に基づいて大当り遊技状態または小当り遊技状態のような特定状態に制御されるときは、第1特別図柄および第1飾り図柄の可変表示について、可変表示を中断した後、当該特定状態の終了後に、中断した第1特別図柄および第1飾り図柄の可変表示を再開可能とする制御が実行される。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304Aに対応した値(この例では8)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第1ゲート通過待ち処理では、作動ゲート17への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート17への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図19は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム5)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
次に、S215で抽出した乱数等に基づいて、変動開始時と同様の大当り判定および変動パターン種別判定等を実行することにより、今回の始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する(S126)。
そして、S126での判定結果に基づいて、今回の始動入賞に対応するコマンドとして、第1有効始動入賞指定コマンド(S217)、図柄指定コマンド(S218)、および、変動種別指定コマンド(S219)を順次送信し、処理を終了する。
図20は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図20に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン決定用乱数(ランダム5)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファの保留記憶情報は、第1保留記憶情報と呼ばれる。第2保留記憶バッファの保留記憶情報は、第2保留記憶情報と呼ばれる。
そして、さらに、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS216)。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(特別可変入賞球装置20を所定回開放)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS50A)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS51A)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS52A)。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53A)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54A)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS60A)。具体的に、確変フラグ、第1KTフラグ、および第2KTフラグがオフである場合には低確率/非KT状態であると判定して低確/非KT背景指定コマンドを、確変フラグがオフで第1KTフラグがオンである場合には低確率/第1KT状態であると判定して低確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第1KTフラグがオンである場合には高確率/第1KT状態であると判定して高確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第2KTフラグがオンである場合には高確率/第2KT状態であると判定して高確/第2KT背景指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS63A)。具体的に、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされている場合には第2特別図柄の大当り変動中であると判定する。第2特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS64A以降の処理を行うことなくステップS68Aへ移行する。これにより、第2特別図柄の大当り変動中に第1特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS63Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS65Aへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS63Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS64A〜S161Aの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第2特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS64A)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65A)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66A)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグをセットする(ステップS67A)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、および6R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS160A)、大当り種別を記憶し(ステップS161A)、ステップS68Aへ移行する。また、ステップS66Aにおいて大当りとしない場合(すなわち、はずれとする場合)、ステップS68Aへ移行する。
ステップS63Aで第2特別図柄の大当り変動中でないと判定されるケースとしては、はずれとなる変動中と小当りとなる変動中とが含まれている。したがって、第2特別図柄が小当りとなる変動中においては、第2特別図柄について、ステップS65Aによる大当り判定が実行可能である。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全てはずれと決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、低い確率で小当りと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS68Aにおいて、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS68A)。なお、図示は省略したが、ステップS68Aの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS65Aでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、遊技状態に応じて図12(A)〜(B)に示すいずれかの変動パターンテーブルを選択する(ステップS201)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS201にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5)とにもとづいて、図12に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS1700)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS1701)。
また、ステップS1700にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS1702)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1703)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS1706)。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、大当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS1121A)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1122A)、演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1123A)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1124A)。
第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示しているか否かを確認する(ステップS1125A)。なお、第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示しているか否かは、例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止処理に対応した値となっているとともに、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示していれば、CPU56は、ステップS1123Aに移行して演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1123A)とともに、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1124A)。
ステップS1125Aの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が大当りとなれば、第1特別図柄の変動表示は強制的に停止され、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ200側では、第1特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の停止表示を停止するとともに、ステップS302で送信された表示結果1指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、図18に示す第1特別図柄プロセス処理および図27に示す第2特別図柄プロセス処理において、タイマ割込ごとに、それぞれ第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312参照)および第2始動口スイッチ通過処理(ステップS322参照)が実行されるので、第1特別図柄または第2特別図柄の大当り図柄の停止表示中であっても、新たな始動入賞が発生した場合には新たな保留記憶を記憶するように構成されている。
第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示していなければ(ステップS1125AのN)、そのまま処理を終了する。
図24は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU56は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS2010)、「0」である場合、すなわち、低確率/第1KT状態でない場合、ステップS2014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、低確率/第1KT状態である場合、CPU56は、KT回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS2011)、「0」になったか否かを判定する(ステップS2012)。KT回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS2014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」になった場合、すなわち、低確率/第1KT状態の100回目の変動が終了した場合、CPU56は、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをリセットし(ステップS2013)、ステップS2014へ移行する。これにより、低確率/第1KT状態において100回の変動が終了した場合に第1KT状態が終了する(低確率/非KT状態に移行する)こととなる。
ステップS2014において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2014)。第1大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、セットされていれば、確変フラグ、第1KTフラグ、第2KTフラグ、KT回数カウンタをリセットする(ステップS2015)。
次いで、CPU56は、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS2017)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS2018)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS2019)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1ゲート通過待ち処理に対応した値に設定する(ステップS2020)。
図25は、特別図柄プロセス処理における第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A)を示すフローチャートである。第1ゲート通過待ち処理において、CPU56は、作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2501)。作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していなければ、そのまま処理を終了する。作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していれば、CPU56は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS2502)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理に対応した値に設定する(ステップS2503)。
この実施の形態では、第1ゲート通過待ち処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート17を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ17aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。
図26は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200A)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204Aに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS2201A)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202A)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203A)、処理を終了する。
ステップS2204Aでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS2204A)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205A)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205AのY)、CPU56は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2206A)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2207A)とともに、第2KT状態であることを示す第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS2208A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
16R確変大当りでなければ、CPU56は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2209A)。なお、6R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2210A)とともに、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2211A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
6R確変大当りでもなければ(すなわち、6R通常大当りであれば)、CPU56は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2212A)。また、CPU56は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS2213A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2214A)。
図27は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8b、特別可変入賞球装置20、および特殊可変入賞球装置22を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップ155FS321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップ155FS322)。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理で扱われる第1特別図柄プロセスフラグに基づいて、第1大当り遊技が実行中であると判定可能である。
次に、第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1特別図柄に関する大当り遊技状態に対応する第1入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップ155FS324)、ステップ155FS325,ステップ155FS326の処理を実行した後、第2特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップ155FS327,ステップ155FS328の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS350〜S320のうちのいずれかの処理を行う。この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2小当り終了処理に応じた値は連続する値である。よって、CPU56のステップ155FS324の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップ155FS325では、CPU56は、第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して第1中断指定コマンドを未送信であるという条件が成立するか否かを確認する。変動中でない場合、または変動中であっても既に第1中断指定コマンドを送信している場合(ステップ155FS326で第1中断指定コマンドの送信済みフラグがセットされている場合)には処理を終了する。一方、ステップ155FS325で、変動中であり、まだ第1中断指定コマンドを送信していない場合(ステップ155FS326で第1中断指定コマンドの送信済みフラグがセットされていない場合)には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して第1中断指定コマンドを送信し(ステップ155FS326)、処理を終了する。ステップ155FS326では、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットする。演出制御用マイクロコンピュータ200は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。
また、ステップ155FS324で第1入賞口開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値でない場合、すなわち、第1特別図柄に関する大当り遊技状態に対応しない場合には、CPU56は、送信済みフラグがセットされているか否かを確認することにより、ステップ155FS326による第1中断指定コマンドを送信した後か否かを確認する(ステップ155FS327)。第1中断指定コマンドを送信した後でないとき(第2飾り図柄の変動が中断されていないとき)は、ステップS350〜S357のうちのいずれかの処理を行う。一方、第1中断指定コマンドを送信した後であるとき(第1飾り図柄の変動が中断されているとき)は、第1再開指定コマンドを送信し(ステップ155FS328)、ステップS350〜S357のうちのいずれかの処理を行う。ステップ155FS326では、第1中断指定コマンドの送信時に、S326でセットされた送信済みフラグをリセットする。演出制御用マイクロコンピュータ200は、第1再開指定コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
ステップ155FS324〜ステップ155FS328により、第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示の実行中に第1特別図柄および第1飾り図柄の可変表示に基づいて大当り遊技状態のような特定状態に制御されるときは、第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示について、可変表示を中断した後、当該特定状態の終了後に、中断した第2特別図柄および第2飾り図柄の可変表示を再開可能とする制御が実行される。
ステップS350〜S360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。また、大当りとしない場合には、第2特別図柄の可変表示の表示結果を小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS354Aに対応した値(この例では11)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(はずれとした場合(強制はずれとしば場合を含む))には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS354A):第2特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。第2ゲート通過待ち処理では、作動ゲート17への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート17への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置22を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特殊入賞口24に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド106を駆動して特殊可変入賞球装置22を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置22の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22の開放時間0.8秒(図15参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ25aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS350に対応した値(この例では0)に更新する。
図28は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS350)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS350を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS350を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技(特別可変入賞球装置20を所定回開放)中でも小当り遊技中(特殊可変入賞球装置22を開放)中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS50B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS51B)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS52B)。
第2保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第2乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53B)、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54B)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS60B)。なお、具体的な背景指定コマンドの送信の仕方は、第1特別図柄通常処理のステップS60Aで示した処理と同様である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS63B)。具体的に、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄の大当り変動中であると判定する。第1特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS162Bに進む。
第1特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS64B)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65B)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66B)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグをセットする(ステップS67B)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS160B)、大当り種別を記憶し(ステップS161B)、ステップS68Bへ移行する。
また、ステップS63Bにおいて第1特別図柄の大当り変動中である場合と、ステップS66Bにおいて大当りとしない場合とには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り判定モジュールを実行する(ステップS162B)。小当り判定モジュールは、大当り判定用乱数(小当り判定用の乱数でもよい)が、あらかじめ決められている小当り判定値と一致したら小当りとすることに決定するプログラムである。小当りとすることに決定した場合には(ステップS163B)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて小当りとなることを示す小当りフラグをセットする(ステップS164B)。そして、ステップS68Bへ移行する。
そして、ステップS68Bにおいて、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS68B)。なお、図示は省略したが、ステップS68Bの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS65Bでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図21の第1特別図柄通常処理では、第2特別図柄が大当り変動中の場合にのみ第1特別図柄の変動表示の実行が制限され、図28の第2特別図柄通常処理では、第1別図柄が大当り変動中の場合にのみ第2特別図柄の変動表示の実行が制限される。したがって、特別な状態を除き、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に可変表示することが可能である。第1特別図柄と第2特別図柄との同時可変表示は、遊技者の発射操作の左右の打ち分け態様、および、遊技球の遊技領域7内での流下態様等により生じ得る。
また、図28の第2特別図柄通常処理においては、第1特別図柄が大当り変動中であるときには、大当り判定が実行されないが、小当り判定は実行可能である。これにより、第1特別図柄で大当りとなる変動表示と、第2特別図柄で大当りとなる変動表示とについては、同時に実行されない。第1特別図柄で大当りとなる変動中であるときに、第2特別図柄の変動表示は、小当りとなる変動表示またははずれ表示結果となる可変表示が実行される。そのような第2特別図柄で大当りとなる可変表示に基づく大当り遊技状態の終了後は、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に変動表示が実行可能となる。
第2変動パターン設定処理(ステップS351)は、図22に示した第1変動パターン設定処理(ステップS301)と同様である。すなわち、図22に示す第1変動パターン設定処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2変動パターン処理が説明されたことになる。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、大当りとするか否か、小当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド、表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353)は、図23に示した第1特別図柄変動中処理(ステップS303)と同様である。すなわち、図23に示す第1特別図柄変動中処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2特別図柄変動中処理が説明されたことになる。
第2特別図柄停止処理(ステップS354)では、概ね図24に示した第1特別図柄停止処理(ステップS304)と同様の処理が実行される。すなわち、図24に示す第1特別図柄停止処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、概ね第2特別図柄停止処理が説明されたことになる。ただし、第2特別図柄停止処理では、小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第2小当り開放前処理(ステップS358)に対応した値に設定する。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS354A)は、図25に示した第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A)と同様である。すなわち、図25に示す第1ゲート通過待ち処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2ゲート通過待ち処理が説明されたことになる。
図29は、特別図柄プロセス処理における第2大当り終了処理(ステップS357)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200B)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204Bに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当りフラグをリセットし(ステップS2201B)、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202B)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203B)、処理を終了する。
ステップS2204Bでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS2204B)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205B)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205BのY)、CPU56は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2206B)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2207B)する。次いで、CPU56は、今回の大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かを確認する(ステップS2208B)。なお、大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かは、例えば、大当り遊技を開始する前の第2特別図柄停止処理において、大当り開始前に第1KT状態であったことを示す第1KT記憶フラグや第2KT状態であったことを示す第2KT記憶フラグをセットしておき、ステップS2208Bでは、これら第1KT記憶フラグまたは第2KT記憶フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。大当り開始前に第1KT状態でも第2KT状態でもなかった場合には、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2209B)。大当り開始前に第1KT状態または第2KT状態であった場合には、第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS2210B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
ステップS2208B〜S2210Bの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、既に説明したように、この実施の形態では、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢えて右打ち操作を行って第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。
16R確変大当りでなければ、CPU56は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2211B)。なお、6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2212B)とともに、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2213B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、2R通常大当りであれば)、CPU56は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2214B)。また、CPU56は、KT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS2215B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
そして、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS350)に対応した値に更新する(ステップS2216B)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図30は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU201は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部9bの表示制御を実行する。また、背景図柄表示部9cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS706)。また、大入賞口への入賞により獲得した賞球数を示す賞球数表示の表示を制御する賞球数表示処理を実行する(ステップS707)。また、図柄保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
図31〜図33は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU201は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU201は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU201は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU201は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU201は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU201は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU201は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。なお、この実施の形態では、ステップS624でセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU201は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU201は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが低確/非KT背景指定であれば(ステップS630)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確率/非KT状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS631)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第1KT状態であることを示す第1KT状態フラグをリセットする(ステップS632)。また、演出制御用CPU201は、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に獲得した賞球数をカウントするための賞球数カウンタをリセットする(ステップS633)とともに、演出表示装置9において賞球数表示が表示されていれば、賞球数表示を消去する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが低確/第1KT背景指定であれば(ステップS635)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS636)。また、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグをセットする(ステップS637)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、第2KT状態であることを示す第2KT状態フラグをリセットする(ステップS638)。
受信した演出制御コマンドが高確/第1KT背景指定であれば(ステップS640)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS641)。また、演出制御用CPU201は、確変状態フラグおよび第1KT状態フラグをセットする(ステップS642)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第2KT状態フラグをリセットする(ステップS643)。
受信した演出制御コマンドが高確/第2KT背景指定であれば(ステップS645)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/第2KT状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS646)。また、演出制御用CPU201は、確変状態フラグおよび第2KT状態フラグをセットする(ステップS647)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第1KT状態フラグをリセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS650)、演出制御用CPU201は、大入賞口への遊技球の入賞が発生したことを示す大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS651)とともに、賞球数カウンタに15(大入賞口への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが特殊賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU201は、特殊入賞口24への遊技球の入賞が発生したことを示す特殊入賞口入賞フラグをセットする(ステップS654)とともに、賞球数カウンタに15(特殊入賞口24への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS655)。
なお、この実施の形態では、大入賞口に遊技球が入賞したときと特殊入賞口24に遊技球が入賞したときとで賞球数が同じ15個である場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大入賞口に遊技球が入賞したときには賞球数を15個とする一方で、特殊入賞口24に遊技球が入賞したときには賞球数を10個とするなど、賞球数を異ならせてもよい。
受信した演出制御コマンドが第1有効始動入賞指定コマンドであれば(ステップS656A)、当該コマンドを受信したことを示す第1有効始動入賞フラグをセットし(ステップS656B)、ステップS611に移行する。受信した演出制御コマンドが第2有効始動入賞指定コマンドであれば(ステップS656C)、当該コマンドを受信したことを示す第2有効始動入賞フラグをセットし(ステップS656D)、ステップS611に移行する。
受信した演出制御コマンドが図柄指定コマンドであれば(ステップS656E)、第1始動入賞口13への始動入賞と、第2始動入賞口14への始動入賞とのどちらの始動入賞時の図柄指定コマンドであるかを、S656A〜S656Dでセットされる第1,第2有効始動入賞フラグのどちらがセットされているかに基づいて判断し、第1始動入賞時受信コマンドバッファまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファに、受信したコマンドにより指定された図柄指定データを格納し(ステップS656F)、ステップS611に移行する。
第1始動入賞時受信コマンドバッファは、第1有効始動入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、および、変動種別指定コマンドの受信に基づいて、第1始動入賞口13への始動入賞順に、遊技制御用マイクロコンピュータ560での第1保留記憶情報と同様に、まだ実行されていない変動表示についての始動入賞時の大当り判定情報および変動パターン種別判定情報を4つ記憶するバッファ領域である。
第2始動動入賞時受信コマンドバッファは、第2有効始動入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、および、変動種別指定コマンドの受信に基づいて、第2始動入賞口14への始動入賞について、遊技制御用マイクロコンピュータ560での第2保留記憶情報と同様に、まだ実行されていない変動表示についての始動入賞時の大当り判定情報、小当り判定状態、および、変動パターン種別判定情報を1つ記憶するバッファ領域である。これらのバッファ領域は、演出制御用マイクロコンピュータ200のRAMに設けられている。
第1始動入賞時受信コマンドバッファに格納された情報は、対応する変動表示が実行されたものが消去されるとともに、格納場所がシフトされ、新たな空き領域に新たな第1始動入賞に関する情報が格納される。第2始動入賞時受信コマンドバッファに格納された情報は、対応する変動表示が実行されたものが消去されるとともに、新たな空き領域に新たな第2始動入賞に関する情報が格納される。
受信した演出制御コマンドが変動種別指定コマンドであれば(ステップS656G)、第1始動入賞口13への始動入賞と、第2始動入賞口14への始動入賞とのどちらの始動入賞時の図柄指定コマンドであるかを、S656A〜S656Dでセットされる第1,第2有効始動入賞フラグのどちらがセットされているかに基づいて判断し、第1始動入賞時受信コマンドバッファまたは第2始動入賞時受信コマンドバッファに、受信したコマンドにより指定された変動種別指定データを格納し(ステップS656H)、ステップS611に移行する。処理を終了する。これにより、第1始動入賞時受信コマンドバッファには、始動入賞順に、大当り判定結果、および、変動種別判定結果が関連付けられて最大4つ記憶される。一方、第2始動入賞時受信コマンドバッファには、大当り判定結果、および、変動種別判定結果が関連付けられて1つだけ記憶される。
このような第1始動入賞時受信コマンドバッファおよび第2始動入賞時受信コマンドバッファへの始動入賞時の各種判定データが保留記憶情報に対応して記憶されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ200においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560と同様に、第1保留記憶情報および第2保留記憶情報を認識可能となる。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション表示を開始する制御を行う(ステップS661)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
[KT状態中の保留連報知演出]
次に、本実施の形態におけるKT状態中の保留連報知演出について説明する。本実施の形態では、第1KT状態および第2KT状態のようなKT状態中において、特定状態に制御されているときに、第2保留記憶情報を先読みして、未だ開始されていない第2可変表示について前記特定状態に制御されると判定されたことに基づいて、特別演出として保留連報知演出を実行する場合がある。
この実施の形態では、保留連報知演出として、特定状態として小当り遊技状態に制御されているときに、第2保留記憶情報に基づく変動表示が小当り表示結果となるときに特別演出を実行する小当りの保留連報知演出を実行する例を説明する。なお、保留連報知演出としては、特定状態として小当り遊技状態に制御されているときに、第2保留記憶情報に基づく変動表示が大当り表示結果となるときに特別演出を実行する大当りの保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
また、保留連報知演出としては、特定状態として大当り遊技状態に制御されているときに、第2保留記憶情報に基づく変動表示が小当り表示結果となるときに特別演出を実行する小当りの保留連報知演出を実行するようにしてもよい。また、保留連報知演出としては、特定状態として大当り遊技状態に制御されているときに、第2保留記憶情報に基づく変動表示が大当り表示結果となるときに特別演出を実行する大当りの保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
次にKT状態中の演出について説明する。本実施の形態では、大当り遊技状態の終了後、第1KT状態または第2KT状態のような小当りが発生しやすいKT状態となる場合がある。前述のように、第1KT状態では小当りが発生しても特殊入賞口への入賞による出玉(賞球)を獲得しにくく、持ち球が増えにくい。一方、第2KT状態では小当りが発生すると特殊入賞口への入賞による出玉(賞球)を獲得しやすく、持ち球が増えやすい。
図34は、KT状態中に演出表示装置9で実行される演出を示す演出図面である。大当り遊技状態の終了後にKT状態となったときには、図34(a)に示すような、KT状態中の画面となる。KT状態では、図34(a)に示すように、演出表示装置9において、右打ち操作がされるので、主に、第2可変表示部9bと、背景図柄表示部9c(左・中・右の3つの表示領域)とで可変表示が実行される(図柄中下向きや矢印は変動中状態を示す)。また、演出表示装置9での画面の左上には、大当りで獲得した獲得出玉とKT状態中の出玉との合計数を示す合計獲得画像194が表示される。また、画面の右側には、現在KT状態中であることを示す「RUSH」の文字が表示される。
図34(a)の変動状態から小当り表示結果となる場合には、図34(b)のように、表示結果として小当り状態に制御されることを示す「222」の偶数図柄の組合せが表示される。なお、図34(b)の白抜きの偶数図柄は、青色である。また、画面の中央下部では、小当り中に獲得した出玉がたとえば「+15」という文字の第1獲得画像197として表示される小当り出玉獲得演出が実行される。
図34(b)に示すように、小当り遊技状態となったときに、特殊可変入賞球装置22への遊技球の入賞が検出されると、特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞したことを報知する第1獲得画像197が表示される。このような小当り出玉獲得演出が実行されれば、遊技球を獲得したことが明確に報知されるので、小当り状態に制御されたことが分かり易く、また、演出に勢いを付けることができる。よって、小当り状態に制御されたときの興趣を向上することができる。
また、図34(a)の変動状態から小当り表示結果となる場合であり、かつ、第2保留記憶情報に小当り状態に制御される保留記憶情報があるときは、図34(c)のような小当り出玉獲得演出が行われる。図34(c)では、図34(b)と同様に、表示結果として小当り状態に制御されることを示す「222」の偶数図柄の組合せが表示される。そして、小当り遊技状態となったときに、特殊可変入賞球装置22への遊技球の入賞が検出されると、特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞したことを報知する第1獲得画像197を表示する代わりに、画面の中央下部には、特別演出として、小当り中に獲得した出玉が「GET」という文字の第2獲得画像198として表示する小当り出玉獲得演出が実行される。このような第2保留記憶に小当り状態に制御される保留記憶情報があるときに実行される出玉獲得演出(この例では「GET」の文字の第2獲得画像198を表示する演出)は、保留記憶情報に小当り状態に制御される保留記憶があることを報知する保留連報知演出と呼ばれる特別演出である。
図34(c)に示すように、小当り状態中において第2保留記憶情報に小当り状態に制御される保留記憶情報があるときには、その旨を報知する保留連報知演出が実行されることにより、図34(c)に示すように小当り状態中において第2保留記憶情報に小当り状態に制御されると判定された保留記憶情報がない場合の第1獲得画像197と、第2保留記憶情報に小当り状態に制御されると判定された保留記憶情報がある場合の第2獲得画像198とは、異なる態様で表示される。このようにすれば、小当り状態に制御されると判定された第2保留記憶情報がある場合に、遊技者に特別感を与えることができる。よって、今後の遊技状態に期待を持たせることができる。
次に、図34(a)の状態から、確変大当りとなったとき(高確率/第1KT状態または高確率/第2KT状態)には、図34(d)に示すような画面となる。図34(d)に示すように、表示結果として確変大当り状態に制御されることを示す「777」の奇数図柄の組合せよりなる確変大当り図柄が表示される。その後、図34(e)に示すように、確変大当りが開始され、確変大当りに対応する映像が表示される。なお、図23(d)の塗りつぶしの奇数図柄は、赤色である。なお、小当りによる出玉獲得が望めない高確率/第1KT状態と小当りによる出玉獲得が望める高確率/第2KT状態とでは、確変大当り図柄の種類を異ならせてもよい。たとえば、高確率/第1KT状態となるときには、「333」の奇数図柄で表示し、高確率/第2KT状態となるときには、「777」で表示することで特別感を出すことができる。また、「3」図柄と「7」図柄とで数字の色を異ならせてもよい。
また、図34(a)の状態から、通常大当りとなったとき(低確率/第1KT状態)には、図34(f)に示すように、KT状態の終了を示す「END」の図柄が表示される。そして、図34(g)に示すように、通常大当りの大当り遊技状態が開始され、通常大当りに対応する映像が表示される。また、通常大当り終了後に、100回の低確率/第1KT状態の変動が終了すると、非KT状態に制御される。
図34に示すように、表示結果には、図34(b)に示す青図柄の組合せから構成される小当り表示結果と、図34(d)に示す赤図柄の組合せから構成される確変大当り表示結果とが含まれる。そして、小当り表示結果が導出表示されたときには小当り状態に制御され、確変大当り表示結果が導出表示されたときには大当り状態に制御される。このように、小当り表示結果であるか大当り表示結果であるかにより表示結果を異ならせることで、制御される遊技状態を分かり易く示すことができる。
このように、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような特定状態に制御されているときに、先読みにより未だ開始されていない第2可変表示について、小当り遊技状態のような特定状態に制御されると判定されたことに基づいて、保留連報知演出のような特別演出が実行可能となることにより、特別演出により遊技の興趣を向上させることができる。
そして、特別演出として、小当り遊技状態において遊技者の獲得玉を報知する演出を、図34(d)〜(g)の「1600GET」というような大当り遊技状態において遊技者の獲得玉を報知する演出と異なる図34(c)の「GET」というような演出態様で実行することにより、保留連報知演出のような特別演出により遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図34に示す保留連報知演出を実行するか否かを抽選により選択決定する保留連報知演出有無決定テーブルを説明する。図35は、保留連報知演出有無決定テーブルを示す説明図である。保留連報知演出有無決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ200のROMに記憶されている。
図35の保留連報知演出有無決定テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ200により更新される乱数の1つとしての保留連報知演出実行有無決定用の乱数SR2(0〜149の数値範囲)の合計150個の数値が、「実行する」と「実行しない」とに割振られている。SR2については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2の値の個数が示されている。保留連報知演出有無決定テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2の値によって、「実行する>実行しない」という大小関係の割合となるようにデータが設定されている。なお、その割合の大小関係は逆の割合であってもよい。
次に、図34に示したKT状態での小当り遊技状態において小当りの保留連報知演出を行なうために演出制御用マイクロコンピュータ200で実行される処理を説明する。図30の背景図柄プロセス処理では、小当りに関するプロセスとして、小当り開放前演出処理のプロセスと、小当り開放中演出処理のプロセスと、小当り終了演出処理の大当りプロセスとが含まれている。小当り開放前演出処理のプロセスは、小当り遊技状態となって特殊入賞口24が開放する前の演出を実行するためのプロセスである。小当り開放中演出処理のプロセスは、小当り遊技状態における特殊入賞口24が開放中の演出を実行するためのプロセスである。小当り終了演出処理の大当りプロセスのプロセスは、小当り遊技状態における特殊入賞口24の閉鎖後における小当りの終了演出を実行するためのプロセスである。これらのプロセスは、小当り開放前演出処理、小当り開放中演出処理、小当り終了演出処理という順番で実行される。小当り開放前演出処理は、小当り開始指定コマンドを受信したことに応じて実行される。小当り終了演出処理は、小当り終了指定コマンドを受信したことに応じて実行される。
図34に示したKT状態での小当り遊技状態において小当りの保留連報知演出は、小当り開放前演出処理の一部を構成する保留連報知演出設定処理と、小当り開放中演出処理の一部を構成する小当り出玉獲得演出処理とを用いて実行される。
図36は、保留連報知演出設定処理および小当り出玉獲得演出処理を示すフローチャートである。図36(A)に保留連報知演出設定処理が示され、図36(B)に小当り出玉獲得演出処理が示されている。
図36(A)の保留連報知演出設定処理では、演出制御用CPU201が以下のような処理を実行する。まず、第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報があるか否かを、前述の第2始動入賞時受信コマンドバッファのデータに基づく保留先読みにより確認する(ステップ155FS520)。第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報がない場合は、処理を終了する。一方、第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報がある場合は、第1飾り図柄プロセス処理(S705A)で実行されているプロセスを確認することにより、第1特別図柄の変動中であるか否かを確認する(ステップ155FS521)。
第1特別図柄の変動中であるときは、処理を終了する。一方、第1特別図柄の変動中でないときは、前述の第1始動入賞時受信コマンドバッファのデータに基づく保留先読みにより、第1保留記憶数が1以上であるか否かを確認する(ステップ155FS521)。第1保留記憶数が1以上であるときは、処理を終了する。一方、第1保留記憶数が1以上でないときは、SR3の値を抽出し、図35の保留連報知演出有無決定テーブルを用いて保留連報知演出の実行の有無を選択決定する(ステップ155FS523)。次に、保留連報知演出の実行有に決定されたか否かを確認する(ステップ155FS524)保留連報知演出の実行有に決定されていない(実行無に決定)ときは、処理を終了する。一方、保留連報知演出の実行有に決定されたときは、保留連報知演出有フラグをセットし(ステップ155FS525)、処理を終了する。
このように、KT状態における小当り遊技状態において、第2保留記憶情報に小当り表示結果となる保留記憶情報があるときには、抽選により100%未満の所定割合で保留連報知演出が実行可能となるように、保留報知演出を実行するか否かが決定される。なお、KT状態における小当り遊技状態において、第2保留記憶情報に小当り表示結果となる保留記憶情報があるときには、100%の割合で保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
また、ステップ155FS521により、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような特定状態に制御されたときには、当該特定状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)される。これにより、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのを低減することができ、特別演出による演出の面白みを向上させることができる。
また、ステップ155FS522により、第1保留記憶数が1以上あるときに、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような特定状態に制御されたときには、当該特定状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)される。このように、第2可変表示に基づいて特定状態に制御されているときに第1保留記憶情報が記憶されている場合も、特別演出の実行が制限されるので、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのをより一層低減することができる。
また、図11等に示すように、第1可変表示に基づく大当り遊技状態には、確変大当りと通常大当りとのような複数種類の大当り種別があるが、第2可変表示についての特別演出の実行の制限により、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、第1可変表示に基づく大当り遊技状態のような特定状態に制御されたときに、通常大当りの大当り遊技状態のように、特定状態のうち遊技者にとって不利な方の特定状態となった場合に、遊技の興趣が著しく低下するのを防ぐことができる。
図36(B)の小当り出玉獲得演出処理では、演出制御用CPU201が以下のような処理を実行する。まず、特殊入賞口24への入賞の検出が検出されたときに、特殊入賞口入賞指定コマンドの受信に基づいてセットされる特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ155FS530)。特殊入賞口入賞フラグがセットされていないときは、処理を終了する。一方、特殊入賞口入賞フラグがセットされているときは、当該特殊入賞口入賞フラグをリセットする(ステップ155FS531)。この場合は、小当りの特殊入賞口24開放中に入賞があった場合であるので、図34(b)または図34(c)のいずれかの表示態様で小当り時の出玉獲得演出を実行する。
特殊入賞口入賞フラグをリセットした後は、前述の保留連報知演出有フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ155FS532)。保留連報知演出有フラグがセットされてないときは、図34(b)に示すような保留連報知演出なしの小当り出玉獲得演出を設定して実行し(ステップ155FS533)、処理を終了する。一方、保留連報知演出有フラグがセットされているときは、図34(c)に示すような保留連報知演出ありの小当り出玉獲得演出を設定して実行し(ステップ155FS534)、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップ155FS535)、処理を終了する。
第1特別図柄の変動中であるときは、処理を終了する。一方、第1特別図柄の変動中でないときは、第1保留記憶数が1以上であるか否かを確認する(ステップ155FS522)。第1保留記憶数が1以上であるときは、処理を終了する。一方、第1保留記憶数が1以上でないときは、SR3の値を抽出し、図35の保留連報知演出有無決定テーブルを用いて保留連報知演出の実行の有無を選択決定する(ステップ155FS523)。次に、保留連報知演出の実行有に決定されたか否かを確認する(ステップ155FS524)保留連報知演出の実行有に決定されていない(実行無に決定)ときは、処理を終了する。一方、保留連報知演出の実行有に決定されたときは、保留連報知演出有フラグをセットし(ステップ155FS525)、処理を終了する。
このように、KT状態における小当り遊技状態において、第2保留記憶情報に小当り表示結果となる保留記憶情報があるときには、抽選により100%未満の所定割合で保留連報知演出が実行可能となるように、保留報知演出を実行するか否かが決定される。なお、KT状態における小当り遊技状態において、第2保留記憶情報に小当り表示結果となる保留記憶情報があるときには、100%の割合で保留連報知演出を実行するようにしてもよい。
また、図36の保留連報知演出設定処理においては、第1特別図柄の変動中であるとき(155FS521)と、第1保留記憶数が1以上であるとき(155FS522)との2つの条件を、保留連報知演出を制限するために用いる例を示したが、これに限らず、これらのうちのいずれか1つの条件のみを保留連報知演出を制限する条件としても用いてもよい。
図34に示す大入賞口への入賞に基づく出玉獲得演出は、図30の賞球数表示処理において実行される。図36に示された保留連報知演出設定処理および小当り出玉獲得演出処理のような処理に基づいて実行されるKT状態における小当り出玉獲得演出および保留連報知演出は、図30の賞球数表示処理において、大当り遊技状態での出玉獲得演出とともに実行されるようにしてもよい。
図34のステップ155FS520〜155FS523、155FS532,155FS534等に示すように、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような特定状態に制御されているときに、先読み判定により第2可変表示について、小当り遊技状態に制御されると判定されたことに基づいて、保留連報知演出のような特別演出が実行可能となることにより、特別演出により遊技の興趣を向上させることができる。
[保留連報知演出設定処理および小当り出玉獲得演出処理の変形例]
次に、図36で説明した保留連報知演出設定処理および小当り出玉獲得演出処理の変形例を説明する。図37は、保留連報知演出設定処理および小当り出玉獲得演出処理の変形例を示すフローチャートである。
図37の処理が図36の処理と異なるのは、図36のステップ155FS521,ステップ155FS522の代わりに、ステップ155FS521A,ステップ155FS522Aが設けられていることである。図37(A)の保留連報知演出設定処理では、ステップ155FS520により第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報がある場合は、まず、前述の第1始動入賞時受信コマンドバッファのデータに基づく保留先読みにより、第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報があるか否かを確認する(ステップ155FS521A)。第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報があるときは、処理を終了する。一方、第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報がないときは、第1特別図柄の変動中であるか否かを確認する(ステップ155FS522B)。第1特別図柄の変動中であるときは、処理を終了する。一方、第1保留記憶数が1以上でないときは、図36と同様のステップ155FS523の処理を実行する。
なお、図37の保留連報知演出設定処理においては、第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報があるとき(155FS521A)と、第1特別図柄の変動中であるとき(155FS522B)との2つの条件を、保留連報知演出を制限するために用いる例を示したが、これに限らず、これらのうちのいずれか1つの条件のみを保留連報知演出を制限する条件としても用いてもよい。
このような変形例では、ステップ155FS521Aにより、第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報があるときに、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような特定状態に制御されたときには、当該特定状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)される。これにより、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのをより一層低減することができ、特別演出による演出の面白みを向上させることができる。
図36および図37に示した保留連報知演出に関す演出制御のうち、図36の155FS621,155FS622、および、図37の155FS621A,155FS622Bに示すような保留連報知演出を制限する制御としては、演出を実行しない(演出実行禁止)例を示したが、これに限らず、演出の実行割合をある程度の割合で実行するが、実行する割合を所定割合よりも低くするようにしてもよい。つまり、図36および図37に示した保留連報知演出に関す演出制御のうち保留連報知演出を制限する制御としては、演出の実行を禁止制御の他に、演出の実行割合を低くする制御を実行するようにしてもよい。
[賞球数表示処理の変形例]
次に、賞球数表示処理(S707)の変形例を説明する。以下に説明する賞球数表示処理においても、図34(c)に示したような保留連報知演出に関する演出制御(演出制限制御を含む)を実行してもよい。前述したコマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行うようにしてもよい。例えば、演出表示装置9の表示画面の右上端部において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第1KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第2KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
また、前述したコマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行うようにしてもよい。例えば、演出表示装置9の表示画面の中央付近において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第2KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第1KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
このような場合、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が行われるのであるが、KT状態を終了し低確率/非KT状態に戻ったときに賞球数カウンタの値がリセットされる(0にクリアされる)とともに賞球数表示の表示が終了するようになる。
図38〜図41は、賞球数表示処理(ステップS707)を示すフローチャートである。賞球数表示処理において、演出制御用CPU201は、まず、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS500)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU201は、大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS501)、第1賞球増加演出の実行中であることを示す第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS502)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第1賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS506に移行する。
第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第1賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS503)。また、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS504)。そして、ステップS510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が表示されているのであるが、賞球数表示が表示されているときに大入賞口や特殊入賞口24に遊技球が入賞すると、賞球数表示で示される賞球数が1つずつ増加していくような態様の賞球増加演出が実行される。この実施の形態では、賞球増加演出には第1賞球増加演出〜第3賞球増加演出の3種類がある。第1賞球増加演出は、大当り遊技中に大当りパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第2賞球増加演出は、第1KT状態中に第1KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第3賞球増加演出は、第2KT状態中に第2KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的低速の第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。
この実施の形態では、大入賞口入賞フラグがセットされていた(大入賞口への入賞が発生した)ということは、大当り遊技中であり大当りパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS503において大当りパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度で賞球数が1ずつ増加していく第1賞球増加演出が開始される。
大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、大入賞口への入賞が発生していなければ)、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS505)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第1賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS510に移行する。
ステップS502またはステップS505で第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第1賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS506)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS507)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS508)。そして、ステップS510に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS509)、第1賞球増加演出を終了する。そして、ステップS510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS652参照)のであるが、ステップS500〜S509の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、1回の大入賞口への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の大入賞口への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の大入賞口への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第1賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第1賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも大当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
次いで、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS510)。特殊入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS511)、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS512)。第2KTフラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、ステップS523に移行する。第2KT状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS513)。第1KT状態フラグもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、そのまま処理を終了する。すなわち、非KT状態中に稀に特殊入賞口24への入賞が発生したとしても、そもそも賞球数表示が行われていないので、賞球増加演出を行うことなく、そのまま処理を終了する。
第1KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第1KT状態中であれば)、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出の実行中であることを示す第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS514)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第2賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS519に移行する。
第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第2賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS515)。また、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS516)。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態フラグがセットされていた(第1KT状態中)ということは、第1KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS515において第1KTパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく第2賞球増加演出が開始される。
特殊入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していなければ)、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS517)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS533に移行する。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS518)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第2賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS540に移行する。
ステップS514またはステップS518で第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第2賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS519)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS520)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS521)。そして、ステップS540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS522)、第2賞球増加演出を終了する。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS655参照)のであるが、ステップS510〜S522の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第1KT状態中では1回の特殊入賞口24への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口24への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口24への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第2賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第2賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも小当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
ステップS512で第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9においてエフェクト演出を開始する制御を行う(ステップS523)。次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出の実行中であることを示す入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS524)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、待機中の入賞演出の数をカウントするための入賞演出待機数カウンタの値を1加算する(ステップS525)。そして、ステップS529に移行する。
入賞演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、入賞演出の実行中でなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS526)とともに、演出表示装置9において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS527)。また、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグをセットする(ステップS528)。そして、ステップS529に移行する。
次いで、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS529)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS533に移行する。
第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を開始する制御を行う(ステップS530)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS531)。また、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS532)。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態フラグがセットされていた(第2KT状態中)ということは、第2KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS531において第2KTパターンにより表示され拡大表示されている賞球数表示において第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく第3賞球増加演出が開始される。
ステップS517またはステップS529で第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS533)。なお、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS523でエフェクト演出を開始するときに、エフェクト演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。エフェクト演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9においてエフェクト演出を終了する制御を行う(ステップS534)。
次いで、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.5秒経過したか否か)を確認する(ステップS535)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS536)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS537)。そして、ステップS540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を終了する制御を行う(ステップS538)。また、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS539)、第3賞球増加演出を終了する。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS655参照)のであるが、ステップS510,S517,S529〜S532,S535〜S359の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、エフェクト演出が実行されるとともに賞球数表示が拡大表示され、第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第2KT状態中では1回の特殊入賞口24への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.5秒×15=7.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口24への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口24への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第3賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて15.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。
ここで、この実施の形態では、第3賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第2速度が0.5秒と比較的遅いので、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球数が増加する演出が終了しない場合もある。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に第3賞球増加演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって第3賞球増加演出が継続して実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって第3賞球増加演出が実行されてもよい)。
次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS540)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS541)。なお、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS527で入賞演出を開始するときに、入賞演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。入賞演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において入賞演出を終了する制御を行う(ステップS542)。
次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS543)。入賞演出待機数カウンタの値が0でなければ(すなわち、未実行の待機中の入賞演出があれば)、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタの値を1減算する(ステップS544)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS545)とともに、演出表示装置9において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS546)。
入賞演出待機数カウンタの値が0であれば(すなわち、未実行の待機中の入賞演出がなければ)、演出用CPU201は、入賞演出実行中フラグをリセットする(ステップS547)。
この実施の形態では、ステップS524〜S528,S540〜S547の処理が実行されることによって、第2KT状態中に特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、賞球増加表示が表示されるとともに入賞演出が実行される。この場合、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口24への入賞が発生する場合もありうるのであるが、そのような場合には実行中の入賞演出が終了するまで待機し、その実行中の入賞演出が終了してから次の賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する(遅れて賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する)。
ここで、この実施の形態では、賞球増加表示の表示や入賞演出が遅れて実行される場合があることから、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球増加表示の表示や入賞演出を実行できない場合も考えられる。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に賞球増加表示の表示や入賞演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行されてもよい)。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口24への入賞が発生したときにエフェクト演出も実行されるのであるが、エフェクト演出に関しては特殊入賞口24への入賞が発生したタイミングで直ちに実行される(ステップS523,S533,S534参照)。
また、この実施の形態では、特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加表示の表示や入賞演出を実行する場合を示しているが、例えば、さらに特殊入賞口ランプ24aを点灯表示させるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口や特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、いわゆる一般入賞口(入賞しても可変入賞球装置の開放などは行われず、所定個数(例えば、5個)の賞球の払い出しのみが行われる入賞口)を備えるように構成した遊技機において、一般入賞口への入賞が発生した場合にも賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行するように構成してもよい。この場合、一般入賞口への入賞が発生した場合には、賞球増加演出において一律に第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよいし、第2KT状態であれば一般入賞口への入賞が発生した場合であっても、賞球増加演出において第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよい。また、このように構成した場合であっても、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)であれば、一般入賞口への入賞が発生しても賞球増加演出を実行しないように構成してもよい。
次に、この実施の形態における賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図42〜図45は、賞球増加演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図42は、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図43は、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図44および図45は、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。なお、図42〜図45において、(A)(B)(C)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図42を用いて、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図42(A)に示す例では、大当り遊技中である場合には、演出表示装置9において、大当りパターンによる賞球数表示300が表示されるとともに、例えば、キャラクタ301が表示され、キャラクタ301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示302が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図42に示すように、大当りパターンによる賞球数表示300として、演出表示装置9の表示画面の左下端部において賞球数表示300を表示する場合が示されている。
次いで、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したものとする。この場合、図42(B)に示すように、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第1賞球増加演出が実行される(ステップS500〜S509参照)。この実施の形態では、第1賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図42(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第1賞球増加演出が終了する。
次に、図43を用いて、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図43(A)に示す例では、第1KT状態中である場合には、演出表示装置9において、第1KTパターンによる賞球数表示303が表示される(ステップS639,S644参照)とともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示304が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図43に示すように、第1KTパターンによる賞球数表示303として、演出表示装置9の表示画面の右上端部において賞球数表示303を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図43(B)に示すように、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第2賞球増加演出が実行される(ステップS510〜S522参照)。この実施の形態では、第2賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図43(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第2賞球増加演出が終了する。
次に、図44および図45を用いて、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図44(A)に示す例では、第2KT状態中である場合には、演出表示装置9において、第2KTパターンによる賞球数表示305が表示される(ステップS649参照)とともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示306が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図44および図45に示すように、第2KTパターンによる賞球数表示305として、演出表示装置9の表示画面の中央付近において賞球数表示305を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図44(B)に示すように、演出表示装置9においてエフェクト演出が開始される(ステップS523参照)とともに、賞球数表示305の拡大表示が開始される(ステップS530参照)。なお、図44(B)に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示305の周囲に所定のエフェクト画像307(例えば、キラキラ光るような態様の画像)が表示される場合が示されている。また、特殊入賞口24への入賞が発生すると、図44(B)に示すように、賞球増加表示が表示される(ステップS526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS527参照)。なお、図44(B)に示す例では、入賞演出として所定のキャラクタ308が表示される演出が実行されるとともに、賞球増加表示として「+15」などの文字表示309が表示される場合が示されている。
また、図44(C)に示すように、演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出が開始され、第3賞球増加演出が開始される(ステップS510,S517,S529〜S539参照)。この実施の形態では、図44(C)〜図45(H)に示すように、第3賞球増加演出では、第1賞球増加演出や第2賞球増加演出と比較して、第2速度として比較的遅い速度(本例では、0.5秒)で賞球数表示の更新が行われる。
次いで、図44(D)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし(入賞演出は継続している)、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図45(E)に示すように、演出表示装置9においてエフェクト演出が開始される(ステップS523参照)。ただし、この場合、まだ入賞演出の実行中であるので、新たな賞球増加表示の表示と入賞演出はまだ実行されない。
次いで、図45(F)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし、さらに、図45(G)に示すように、入賞演出を終了したものとする。そして、入賞演出を終了すると、未実行の待機中の入賞演出があることにもとづいて、図45(H)に示すように、遅れて賞球増加表示が表示される(ステップS526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS527参照)。
そして、その後、図45(E)で追加で発生した特殊入賞口24への入賞にもとづく賞球数分も含めて全ての賞球数表示の更新が行われるまで、第2賞球増加演出が実行される。
なお、図44および図45に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示305の周囲にキラキラ光るような態様のエフェクト画像307を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、エフェクト演出として、賞球数表示305を覆うような態様の画像を表示するなど、何らかの形式で賞球数表示305に作用するような態様の演出を実行するように構成してもよい。そのように賞球数表示305に作用することにより、賞球数表示305が視認しにくくなるような演出を実行するものであってもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技中に獲得した賞球数にKT状態中に獲得した賞球数を加算して賞球数表示を行っていく場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り遊技中に獲得した賞球数とKT状態中に獲得した賞球数とを別々に表示するように構成してもよい。例えば、大当り遊技中である場合には、図42に示した態様で演出表示装置9の表示画面の左下端部に大当り遊技で獲得した賞球数を表示するとともに、図43に示した態様で演出表示装置9の表示画面の右上端部に第1KT状態中に獲得した賞球数も表示したり、図44(A)に示した態様で演出表示装置9の表示画面の中央付近に第2KT状態中に獲得した賞球数も表示したり(KT状態中に獲得した賞球数を別個独立に表示する)してもよい。
また、例えば、(1)KT状態が一旦終了して大当り遊技が開始するときに、KT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を消去し、大当り遊技中に表示する賞球数表示に合算して表示するように構成してもよいし、(2)KT状態を終了して非KT状態に移行するまでKT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を継続するように構成してもよい。なお、(2)の態様によれば、KT状態中のみの賞球の獲得数を認識することができることにより、遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングについて説明する。図46は、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図46に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、特殊入賞口24が開放状態であるときに1つ目の入賞が発生すると、賞球数表示の拡大表示が開始され(ステップS530参照)、1つ目の入賞に対する賞球数の更新表示が開始されて第3賞球増加演出が開始される(ステップS510,S517,S529〜S539参照)とともに、エフェクト演出が実行される(ステップS523参照)。また、図46に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出が開始される(ステップS527参照)。
次いで、図46に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、第2賞球増加演出や入賞演出の実行中であるときに2つ目の入賞が発生すると、2つ目の入賞にもとづくエフェクト演出が直ちに実行されるとともに、2つ目の入賞で増加した分の賞球数も引き継いで第3賞球増加演出が継続して実行される。また、図46に示す例では、2つ目の入賞が発生したときに未だ入賞演出を実行中であることから、2つ目の入賞に対する入賞演出が直ちには実行されず、図46に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出を終了してから、遅れて2つ目の入賞に対する入賞演出が実行される。
そして、その後、特殊入賞口24(特殊可変入賞球装置22)が閉鎖状態に制御され小当り遊技を終了した後であっても、第3賞球増加演出において全ての賞球数表示の更新が終わっていない場合や、全ての入賞演出を終了していなければ、図46に示すように、特殊入賞口24の閉鎖後、小当り遊技終了後の変動表示やさらに次の小当り遊技においても、第3賞球増加演出や入賞演出を継続して実行可能である。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図36のステップ155FS521により、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような特定状態に制御されたときには、当該特定状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)される。これにより、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのを低減することができ、特別演出による演出の面白みを向上させることができる。
(2) 図11等に示すように、第1可変表示に基づく大当り遊技状態には、確変大当りと通常大当りとのような複数種類の大当り種別があるが、第2可変表示についての特別演出の実行の制限により、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、第1可変表示に基づく大当り遊技状態のような特定状態に制御されたときに、通常大当りの大当り遊技状態のように、特定状態のうち遊技者にとって不利な方の特定状態となった場合に、遊技の興趣が著しく低下するのを防ぐことができる。
(3) 図34のステップ155FS520〜155FS523、155FS532,155FS534等に示すように、特別演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 特別演出として、小当り遊技状態において遊技者の獲得玉を報知する演出を、大当り遊技状態において遊技者の獲得玉を報知する演出と異なる演出態様で実行することにより、保留連報知演出のような特別演出により遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図36のステップ155FS522に示すように、第1保留記憶数が1以上あるときに、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような特定状態に制御されたときには、当該特定状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)されるので、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのをより一層低減することができる。
(6) 図12に示すように、図12(B)のKT時の第1特別図柄のはずれ時の変動時間(2秒)は図12(A)の非KT時の第1特別図柄のはずれ時の変動時間のうちの最短時間(15秒)よりも短い等、KT状態のような所定状態において、第1可変表示に基づいてはずれ表示結果となるときの可変表示時間が、非KT状態において、第1可変表示に基づいてはずれ表示結果となるときの可変表示時間のうちの最短時間よりも短いことにより、第1可変表示をより早期に消化でき、第2可変表示を対象としたる保留連報知演出のような特別演出の実行が制限されにくくなるようにすることができる。
(7) 図12(B)に示すKT時の第1特別図柄大当り時の変動時間(5分)が、図13および図14に示すKT時の第2特別図柄大当り時の変動時間よりも長いので、第2可変表示に関する保留連報知演出のような特別演出を実行したにもかかわらず、第2可変表示に基づく小当り遊技状態よりも先に、第1可変表示に基づいて大当り遊技状態に制御されてしまうのを防ぐことができる。
(8) 図37のステップ155FS521Aに示すように、第1保留記憶情報内に大当り表示結果となる保留記憶情報があるときに、第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような特定状態に制御されたときには、当該特定状態において保留連報知演出のような特別演出の実行が制限(禁止)されるので、第2可変表示に関する特別演出を実行したにもかかわらず、演出で意図していない第1可変表示に基づく遊技者に有利な状態が生じるのをより一層低減することができ、特別演出による演出の面白みを向上させることができる。
(9) また、図36のステップ155FS521により、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づいて小当り遊技状態のような特定状態に制御されたときには、当該特定状態において保留連報知演出のような特別演出の実行を制限(禁止)する制御を実行可能とし、図12(B)に示すKT時の第1特別図柄大当り時の変動時間(5分)が、図13および図14に示すKT時の第2特別図柄大当り時の変動時間よりも長くなるように設定することにより、第2可変表示に関する保留連報知演出のような特別演出を実行したにもかかわらず、第2可変表示に基づく小当り遊技状態よりも先に、第1可変表示に基づいて大当り遊技状態に制御されてしまうのを防止することができる。これにより、特別演出による演出の面白みをより一向上させることができる。
[特定状態での保留連報知演出に関するその他の例]
次に、前述した特定状態および保留連報知演出のその他の例を説明する。前述の実施の形態では、特定状態において実行する保留連報知演出の一例として、小当り遊技状態に小当りとなる保留記憶情報を対象として保留連報知演出を実行する例を遊技者に有利な特定状態として小当り遊技状態における保留連報知演出を説明した。以下に、このような特定状態における保留連報知演出のその他の例を説明する。
(1) 第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき特定状態としての小当り遊技状態に制御されたときに、当該小当り遊技状態において大当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出を実行する制御をしてもよい。
このような保留連報知演出を実行する場合には、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき特定状態としての小当り遊技状態に制御されたときに、当該小当り遊技状態において小当りとなる保留記憶情報と対象とした保留連報知演出の実行を制限する制御と同様の保留連の制限制御を、小当り遊技状態において大当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出について適用してもよい。
(2) 第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき特定状態としての大当り遊技状態に制御されたときに、当該大当り遊技状態において小当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出を実行する制御をしてもよい。
このような保留連報知演出を実行する場合には、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき特定状態としての大当り遊技状態に制御されたときに、当該大当り遊技状態において小当りとなる保留記憶情報と対象とした保留連報知演出の実行を制限する制御と同様の保留連の制限制御を、大当り遊技状態において小当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出について適用してもよい。
(3) 第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき特定状態としての大当り遊技状態に制御されたときに、当該大当り遊技状態において大当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出を実行する制御をしてもよい。
このような保留連報知演出を実行する場合には、第1可変表示の実行中に第2可変表示に基づき特定状態としての大当り遊技状態に制御されたときに、当該大当り遊技状態において大当りとなる保留記憶情報と対象とした保留連報知演出の実行を制限する制御と同様の保留連の制限制御を、大当り遊技状態において大当りとなる保留記憶情報を対象とした保留連報知演出について適用してもよい。
(4) また、図12(B)に示すKT時の第1特別図柄大当り時の変動時間(5分)を、図13および図14に示すKT時の第2特別図柄大当り時の変動時間よりも長い時間に設定する制御は、(1)〜(3)のそれぞれの演出制御をする遊技機に適用してもよい。
[その他の変形例等]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 図34等では、小当り遊技状態において保留連報知演出を実行しないときに「+15」というような賞球の獲得個数を直接示す表示をし、小当り遊技状態において保留連報知演出を実行するときに、「GET」というような賞球の獲得を示唆する表示をする例を示したが、これに限らず、小当り遊技状態において保留連報知演出を実行するときに、「GET」以外の表示をすることにより遊技者が保留連報知演出であることを認識可能となる演出をしてもよい。
(2) 図34等のような小当り遊技状態において保留連報知演出を実行するときには、「GET」というような賞球の獲得の示唆のみではなく、「GET15」というような賞球の獲得個数を示唆可能な表示をしてもよい。その場合には、「GET」という表示と「15」という表示とを別の表示領域で分けて表示してもよい。また、図34等のような小当り遊技状態において保留連報知演出を実行するときには、「GET」というような賞球の獲得の示唆のみではなく、「GET15」というような賞球の獲得個数を示唆可能な表示をしてもよい。
(3) 図17に示したように、保留記憶情報の先読み等に用いられる始動入賞時に出力される演出制御コマンド(図柄指定コマンド、変動種別指定コマンド)、第1有効始動入賞指定コマンドまたは第2有効始動入賞指定コマンドに伴なって出力されることにより、第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対応するコマンドであるかを示したが、これに限らず、たとえば、図柄指定コマンドおよび変動種別指定コマンドのそれぞれの上位バイトのデータまたは下位バイトのデータにより第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対応するコマンドであるかを特定可能なものとしてもよい。
(4) 小当り表示結果としては、図34等に示すような通常の変動表示に用いられる数字の図柄以外の特定のキャラクタ、特定の文字、または、特定の図形等の小当り専用の識別情報(図柄)を導出表示させるようにしてもよい。
(5) 保留連報知演出は、図35等に示すように、第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報があるときに、抽選により実行するか否かを選択する例を示したが、これに限らず、第2保留記憶情報に小当りとなる保留記憶情報があるときには、100%の割合で必ず実行するようにしてもよい。
(6) 保留連報知演出は、図36(B)、図37(B)等に示すように、小当り開放中演出として実行する例を示したが、これに限らず、小当り終了時演出として実行してもよい。
(7) 前述の実施の形態では、また、保留連報知演出は、図36、図37等に示すように、2つのプログラム処理に分けた例を説明したが、1つのプログラム処理で実行するようにしてもよい。
(8) 前述の実施の形態では、また、保留連報知演出は、小当りの演出に関するプロセスで実行する例を示したが、図30の賞球数表示処理(S707)において、実行するようにしてもよい。
(9) また、上記の各実施の形態では、複数回の大当りが連続した場合(いわゆる連荘時)において、連荘終了時に表示される結果表示では、大当り中に獲得した賞球数と、第2KT状態中のみにおいて獲得した賞球数と、総獲得数表示とを別々に画面上に大きく表示するようにしてもよい。これにより、どの遊技状態においてどのくらいの遊技球を獲得できたのかを認識することができる。
(10) また、上記の各実施の形態では、メイン表示装置とサブ表示装置とを設け、賞球表示の処理をいずれか一方または両方の表示装置において実行するようにしてもよい。
(11) また、上記の各実施の形態では、通常想定される1回の小当り遊技状態で獲得できる賞球数よりも多くの賞球があった場合に、演出の表示態様や音の態様を変化させるようにしてもよい。例えば、通常1回の小当りで特殊入賞口に2個の入賞による30個の賞球がある場合においては、特殊入賞口に3個以上の入賞があったときに、通常とは異なる演出の表示態様や音の態様としてもよい。
(12) なお、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ200に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ200に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ200は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ200の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(13) また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
(14) また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や背景図柄(演出図柄)、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(15) また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(16) また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図5に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ200は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
(17) また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
(18) また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
(19) また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
(20) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。