[第1実施形態について]
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部9aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部9bという。)と、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部9cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄表示部9cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9b)に対して1つの背景図柄表示部9cが設けられ、背景図柄表示部9cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。なお、この実施の形態では、背景図柄は、演出表示装置9(液晶表示装置)における演出用の図柄変動表示を行うためのものであり、演出用識別情報、装飾図柄、および演出図柄に相当する。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部9aは、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部9bは、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部18cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部18cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部18cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部18cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部18cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置9の右方には、ゲート32が設けられている。ゲート32を通過した遊技球は、ゲートスイッチ32aによって検出される。また、ゲート32の下方には、作動ゲート17が設けられている。作動ゲート17を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ17aによって検出される。
作動ゲート17の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。第1カウントスイッチ23aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置20の下方には、小当り用の特殊入賞口24を形成する特殊可変入賞球装置22と、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15とが設けられており、図1に示すように、左側に特殊可変入賞球装置22が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置15が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口24や第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置22は、第2特別図柄表示器8bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口24を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置15は、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口14を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図1に示すように、可変入賞球装置15と比較して特殊可変入賞球装置22の方が若干大きい。また、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置20に入賞することなく遊技領域7を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置15の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置15の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口14が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口14に入賞し、特殊可変入賞球装置22の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口14が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置15の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置22の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置22の底面部材が後退移動されて特殊入賞口24が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口24に入賞する。さらに、特殊入賞口24も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置22の底面部材の上を移動して、そのままアウト口26の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22が左側に配置され、可変入賞球装置15が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置15の方から特殊可変入賞球装置22の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置15の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置22の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口24内には、特殊入賞口24内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ25a、図5参照)が設けられている。第2カウントスイッチ25aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置22において開状態となった特殊入賞口24を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置22が開放制御されて特殊入賞口24が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置22が閉鎖制御されて特殊入賞口24が閉状態となれば、特殊入賞口24に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口14内には、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ14aが設けられている。第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、ゲート32、作動ゲート17、特別可変入賞球装置20(大入賞口)、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)、および特殊可変入賞球装置22(特殊入賞口24)が遊技領域7の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域7の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。従って、この実施の形態では、詳細な説明を省略しているが、大当り遊技中やKT状態中である場合には、例えば、演出表示装置9において「右打ち」などの表示を行ったり右方向を示す矢印表示を行ったりして、右打ち操作期間中であることを報知するように構成することが望ましい。
演出表示装置9の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル5を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1可変表示部9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置20の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。本実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、例えば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置22が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。なお、この実施の形態では、小当り遊技状態とは、大当り遊技状態と比較すると有利度が低い(本例では、獲得できる出玉が少ない)ものの遊技者にとって有利な遊技状態であり、小当り遊技状態の前と後とで遊技状態が他の遊技状態に遷移しないものである。小当り遊技状態では、1回の入賞により15個の賞球が払出される。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、本実施の形態における遊技状態について説明する。まず、本実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置22が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置15が開状態となる確率は通常状態と同じなのであるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短いため、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。そして、第2特別図柄の変動時には大当りとなる場合以外には全て小当りになるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域7の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(例えば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域7の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する(後述するステップS2208B,S2209B参照)。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、一部の遊技者が通常状態にて積極的に右打ちにて遊技を行う可能性があり、本来の遊技性が損なわれてしまう。このことから、通常状態で右打ちして第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生したとしても、第1KT状態にしか移行しないようにすることによるペナルティを科すことにより、通常状態での積極的な右打ち遊技を抑制することができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部9cでは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部9cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部9cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部9cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図2〜図4は、特殊可変入賞球装置22を示す図である。以下では、図2〜図4を参照して特殊可変入賞球装置22について説明する。なお、この実施の形態については、図2〜図4を用いて特殊可変入賞球装置22の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置22よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置15の構造も特殊可変入賞球装置22の構造と同様である。
図2〜図4に示すように、特殊可変入賞球装置22は、左右方向に長い矩形板状のベース板部101を備えている。特殊可変入賞球装置22は、このベース板部101が遊技領域7に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域7に固定支持される。ベース板部101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口24(可変入賞球装置15の場合は第2始動入賞口14)が形成されるとともに、ベース板部101における特殊入賞口24よりも上方の位置には、底面部材23が後退移動した際に、底面部材23を遊技領域7の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔102が形成されている。なお、本実施形態において特殊入賞口24は詳しくは、ベース板部101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材23は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔102は、底面部材23の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材23は、図3に示す前進移動された状態と、図4に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部101の背面側(後方)には、底面部材23を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図2〜図4に戻り、ベース板部101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部112が形成されており、この流路形成台部112の上部には、前進移動した状態の底面部材23の上方側端部(右端部)である上流領域23Uと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部113と、底面部材23の下方側端部(左端部)である下流領域23Lと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部114とが形成されている。
また、流路形成台部112の上部には、上流側流路部113および下流側流路部114の底面部材23側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口24を左右および下方から囲うようにして、底面部材23の下方に落下した遊技球を特殊入賞口24に案内する案内流路部115が形成されている。
上流側流路部113および下流側流路部114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部115の底部は、特殊入賞口24側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口24の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口24側(遊技領域7の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部116が配設されている。
またさらに、流路形成台部112の前部(遊技者側)には、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆う被覆部117が一体に形成されている。この被覆部117は、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠2側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、被覆部117が流路形成台部112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置22では、ベース板部101と被覆部117との間において、上流側流路部113、底面部材23、および下流側流路部114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部101および被覆部117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片118が形成されている。
本実施形態において、規制片118は、ベース板部101および被覆部117に一体形成され、ベース板部101から前方に突出する、または被覆部117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片118がない場合よりも遅延させる。これら規制片118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部101および被覆部117に交互に形成されている。また、規制片118は、底面部材23の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、被覆部117のうちの上流側流路部113を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されるとともに、被覆部117のうちの下流側流路部114を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されている。また、ベース板部101および被覆部117のうちの底面部材23を覆う部位には、ベース板部101および被覆部117に交互に形成された規制片118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片118の配置により、図3を参照し、本実施形態の特殊可変入賞球装置22(および同様に構成された可変入賞球装置15)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)を基本的に通過する。一方で、図4を参照し、底面部材23が後退移動した特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部112の案内流路部115に落下することが可能となり、この案内流路部115を流下して、特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞することが可能となる。
図5は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、特殊可変入賞球装置22を開閉するソレノイド106、および可変入賞球装置15を開閉するソレノイド206を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部9cと、図柄保留記憶表示部18cとの表示制御を行う。
図6は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図6に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ202および入力ポート203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)209に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ202に入力する。入力ドライバ202は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図6には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図5に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU201は、入出力ポート205を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU201は、入出力ポート204を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22内に特殊入賞口ランプ24aが設けられており、ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ24aに供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU201とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP209に出力する。VDP209は、演出制御用CPU201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置9の表示制御を行うVDP209が演出制御基板80に搭載されている。VDP209は、演出制御用マイクロコンピュータ200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP209は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図6に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図7は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および作動ゲートスイッチ17aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(6)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図8に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、本実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置20、特殊可変入賞球装置22を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器10や可変入賞球装置15を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS27a)。保留記憶処理では、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU56は、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、例えば、CPU56は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aからの検出信号を入力した場合には、賞球数1個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。また、例えば、CPU56は、第1カウントスイッチ23aまたは第2カウントスイッチ25aからの検出信号を入力した場合には、賞球数15個を指定する払出制御コマンドを払出制御用マイクコンピュータに対して出力する。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口24に遊技球が入賞して第2カウントスイッチ25aで検出されても、後述する賞球増加表示の表示や入賞演出が直ちに実行されず遅れて実行される場合があるのであるが、賞球の払い出しに関しては、ステップS30の賞球処理において、第2カウントスイッチ25aからの検出信号を入力した場合には、直ちに賞球数15個を指定する払出制御コマンドが出力され、払出制御用マイクロコンピュータによって球払出装置97が駆動されて直ちに15個の賞球が払い出される。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図10(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図10(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図10(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、図10(B)に記載されている各数値が設定されている。また、図10(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、この実施の形態では、後述するように、第2特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ小当り決定処理(ステップS162B参照)が行われて小当りとなる場合があるとともに、既に説明したように、KT状態では右打ち操作されることから第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなっている。従って、この実施の形態では、KT状態において、大当り遊技状態よりも小当り遊技状態に制御される頻度が高くなっている。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図10(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図10(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図10(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。この実施の形態では、図10(B)に示すように、小当りになる確率(割合)は、122/487となるように設定されており、概ね1/4程度となるように設定されている。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、図10(B)に示す小当り判定テーブルを用いた抽選処理を行い、概ね1/4程度の確率で小当りとすることに決定される(ただし、後述するように、強制はずれとされる場合がある)。
図11は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図11(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図11(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される。後述するステップS2207A,S2208A,S2207B,S2210B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある(後述するステップS2208B,S2209B参照)。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS2210A,S2211A,S2212B,S2213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS2212A参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS2213A,S2010〜S2013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS2015参照)。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS2212B,S2213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS2214B参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS2215B,S2010〜S2013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS2015参照)。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図12〜図14は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図12〜図14に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図12〜図14に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#01〜#28の28種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=01〜07または01〜28)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図12(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図12(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図13(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#01〜#03のいずれかに決定される。具体的には、はずれと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、小当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#03が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口24への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。
なお、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口24への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#04〜#06のいずれかに決定される。
なお、図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#04に決定される。また、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#05(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置15の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置22内の特殊入賞口24には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置22を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口24に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置22を開状態に制御して特殊入賞口24への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#07〜#11のいずれかに決定される。また、図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#07に決定される場合がある。また、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#09に決定される場合がある。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目としてはずれや小当りと決定し、第2変動パターン#08や第2変動パターン#10にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置9における背景図柄の変動表示において、リーチとなったり滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図13(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#12〜#14のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、例えば、演出表示装置9において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目としてはずれや小当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示を伴う第2変動パターン#12や第2変動パターン#13に決定される。また、図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#14に決定される。
なお、この実施の形態では、図12に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が1分の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、この実施の形態では、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(本例では、1分)が確保されるように構成されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図14(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#15〜#19のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#15に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#17)に決定される場合がある。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#19が決定される。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#16や第2変動パターン#18が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図14(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#20〜#24のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#20に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#22に決定される場合がある。また、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#24が決定される。また、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれや小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#21や第2変動パターン#23が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図14(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#25〜#28のいずれかに決定される。
なお、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#25に決定される場合がある。また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#27に決定される。また、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#26に決定される場合がある。また、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#28が決定される。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置9において背景図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
なお、第2変動パターン#04,#07,#09,#15,#20,#22,#25,#27の短縮変動の変動パターンを決定する場合に、例えば、保留記憶数に応じて異なる割合で短縮変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。例えば、保留記憶数が多くなるに従って高い割合で短縮変動の変動パターンを決定するようにして、保留記憶の消化を早め稼働率を高めるように構成してもよい。
また、図13および図14に示す例では、第1KT状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15は、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図15(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示し、図15(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示している。
まず、図15(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(1)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置15が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図15(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置22の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口24に遊技球が入賞することは極めて稀である(例えば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図15(1)に示すように、可変入賞球装置15の開放を終了した後、次の可変入賞球装置15の開放を行えるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
次に、図15(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(2)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(2)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置15が0.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置15の開放時間が0.5秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.0秒(普通図柄の変動時間0.2秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図15(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が進入しやすく特殊入賞口24に遊技球が入賞しやすい。例えば、この実施の形態では、大当り遊技状態では1ラウンドあたり遊技球が最大で10球入賞可能であるのと比較すると遊技球の入賞頻度が低いものの、第2KT状態では1回の小当り遊技中に1〜3個程度遊技球が入賞することが可能である。
なお、この実施の形態において、「入賞頻度」とは、例えば、遊技領域7に発射した遊技球数に対して大入賞口や特殊入賞口24への遊技球の入賞割合を示している。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置15を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)によって普通図柄プロセス処理(ステップS26C参照)が実行されることによって行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS26Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、遊技状態に関係なく同じ確率(例えば、10%)により普図当りとするか否かを決定する。具体的には、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、例えば、可変入賞球装置15を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口24への入賞を抑制することができる。
また、例えば、可変入賞球装置15の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図15(1)に示すような可変入賞球装置15を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図15(2)に示す可変入賞球装置15を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。つまり、第1KT状態でのみ特殊フラグをセットし、大当り遊技状態を含む他の状態では、特殊フラグをセットしないように制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置15の開放時間を短くしてもよい。例えば、低確率/第1KT状態の100回の特別図柄の短縮変動期間のうち、99回目の特別図柄の変動停止に応じて、前述の特殊フラグを消去するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行うときに、可変入賞球装置15がロング開放していることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上記のように、可変入賞球装置15の開放制御用のフラグ(特殊フラグ)を用いて可変入賞球装置15を構成する場合、さらに、特別図柄の変動表示の短縮変動用のフラグを用いて特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよく、この場合、特殊フラグと短縮変動用のフラグとを別々に管理して制御を行うように構成してもよい。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置15をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置15の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置15に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行われてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、図15に示すように、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されている。これは、例えば、第1KT状態において比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合に、普通図柄が変動停止中であり且つ普通図柄の保留記憶がない状態では可変入賞球装置15が閉鎖状態となっており、第2特別図柄の変動停止タイミングを狙った攻略が可能となってしまうためである(小当りとなった場合に、普通図柄の変動時間が長いとゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22に到達するまでに可変入賞球装置15が開放せず、特殊入賞口24の入賞が可能となってしまう)。これに対して、この実施の形態では、普通図柄の変動時間を短くすることにより、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達する前に可変入賞球装置15の開放が開始されるように設定されているので、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除することができる。
図16および図17は、演出制御用マイクロコンピュータ200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜802C(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ表示指定コマンド)である。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図16および図17に示された内容に応じて第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示状態や背景図柄表示部9cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図16および図17に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置20を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。その後、CPU56は、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304Aに対応した値(この例では8)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第1ゲート通過待ち処理では、作動ゲート17への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート17への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図19は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム5)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図20は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図20に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン決定用乱数(ランダム5)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、さらに、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS216)。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(特別可変入賞球装置20を所定回開放)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS50A)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS51A)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS52A)。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53A)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54A)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS60A)。具体的に、確変フラグ、第1KTフラグ、および第2KTフラグがオフである場合には低確率/非KT状態であると判定して低確/非KT背景指定コマンドを、確変フラグがオフで第1KTフラグがオンである場合には低確率/第1KT状態であると判定して低確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第1KTフラグがオンである場合には高確率/第1KT状態であると判定して高確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第2KTフラグがオンである場合には高確率/第2KT状態であると判定して高確/第2KT背景指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS63A)。具体的に、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされている場合には第2特別図柄の大当り変動中であると判定する。第2特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS64A以降の処理を行うことなくステップS68Aへ移行する。これにより、第2特別図柄の大当り変動中に第1特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS63Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS65Aへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS63Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS64A〜S161Aの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第2特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS64A)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65A)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66A)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグをセットする(ステップS67A)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、および6R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS160A)、大当り種別を記憶し(ステップS161A)、ステップS68Aへ移行する。また、ステップS66Aにおいて大当りとしない場合(すなわち、はずれとする場合)、ステップS68Aへ移行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全てはずれと決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、低い確率で小当りと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS68Aにおいて、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS68A)。なお、図示は省略したが、ステップS68Aの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS65Aでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、遊技状態に応じて図12(A)〜(B)に示すいずれかの変動パターンテーブルを選択する(ステップS201)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS201にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5)とにもとづいて、図12に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS1700)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS1701)。
また、ステップS1700にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS1702)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1703)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS1706)。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、大当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS1121A)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1122A)、演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1123A)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1124A)。
第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示しているか否かを確認する(ステップS1125A)。なお、第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示しているか否かは、例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止処理に対応した値となっているとともに、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示していれば、CPU56は、ステップS1123Aに移行して演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1123A)とともに、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1124A)。
ステップS1125Aの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が大当りとなれば、第1特別図柄の変動表示は強制的に停止され、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ200側では、第1特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の停止表示を停止するとともに、ステップS302で送信された表示結果1指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、図18に示す第1特別図柄プロセス処理および図27に示す第2特別図柄プロセス処理において、タイマ割込ごとに、それぞれ第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312参照)および第2始動口スイッチ通過処理(ステップS322参照)が実行されるので、第1特別図柄または第2特別図柄の大当り図柄の停止表示中であっても、新たな始動入賞が発生した場合には新たな保留記憶を記憶するように構成されている。
第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示していなければ(ステップS1125AのN)、そのまま処理を終了する。
図24は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU56は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS2010)、「0」である場合、すなわち、低確率/第1KT状態でない場合、ステップS2014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、低確率/第1KT状態である場合、CPU56は、KT回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS2011)、「0」になったか否かを判定する(ステップS2012)。KT回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS2014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」になった場合、すなわち、低確率/第1KT状態の100回目の変動が終了した場合、CPU56は、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをリセットし(ステップS2013)、ステップS2014へ移行する。これにより、低確率/第1KT状態において100回の変動が終了した場合に第1KT状態が終了する(低確率/非KT状態に移行する)こととなる。
ステップS2014において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2014)。第1大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、セットされていれば、確変フラグ、第1KTフラグ、第2KTフラグ、KT回数カウンタをリセットする(ステップS2015)。
次いで、CPU56は、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS2017)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS2018)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS2019)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1ゲート通過待ち処理に対応した値に設定する(ステップS2020)。
図25は、特別図柄プロセス処理における第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A)を示すフローチャートである。第1ゲート通過待ち処理において、CPU56は、作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2501)。作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していなければ、そのまま処理を終了する。作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していれば、CPU56は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS2502)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理に対応した値に設定する(ステップS2503)。
この実施の形態では、第1ゲート通過待ち処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート17を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ17aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。
図26は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200A)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204Aに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS2201A)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202A)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203A)、処理を終了する。
ステップS2204Aでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS2204A)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205A)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205AのY)、CPU56は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2206A)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2207A)とともに、第2KT状態であることを示す第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS2208A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
16R確変大当りでなければ、CPU56は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2209A)。なお、6R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2210A)とともに、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2211A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
6R確変大当りでもなければ(すなわち、6R通常大当りであれば)、CPU56は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2212A)。また、CPU56は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS2213A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2214A)。
図27は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8b、特別可変入賞球装置20、および特殊可変入賞球装置22を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。なお、図19に示した第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理が説明されることになる。その後、CPU56は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS350〜S360のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS350〜S360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。また、大当りとしない場合には、第2特別図柄の可変表示の表示結果を小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS354Aに対応した値(この例では11)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(はずれとした場合(強制はずれとしば場合を含む))には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS354A):第2特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。第2ゲート通過待ち処理では、作動ゲート17への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート17への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置22を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特殊入賞口24に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド106を駆動して特殊可変入賞球装置22を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置22の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22の開放時間0.8秒(図15参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ25aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS350に対応した値(この例では0)に更新する。
図28は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS350)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS350を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS350を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技(特別可変入賞球装置20を所定回開放)中でも小当り遊技中(特殊可変入賞球装置22を開放)中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS50B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、遊技制御用CPU560は、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かを確認する(ステップS51B)。なお、最後に変動表示を終了してから30秒経過したか否かは、例えば、最後に変動表示を終了したときに、変動表示が実行されていない期間を計測するためのタイマに30秒に相当する値をセットし、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。最後に変動表示を終了してから30秒経過していれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS52B)。
第2保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第2乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53B)、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54B)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS60B)。なお、具体的な背景指定コマンドの送信の仕方は、第1特別図柄通常処理のステップS60Aで示した処理と同様である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS63B)。具体的に、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄の大当り変動中であると判定する。第1特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS64B以降の処理を行うことなくステップS68Bへ移行する。これにより、第1特別図柄の大当り変動中に第2特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS63Bにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS65Bへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS63Bにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS64B〜S161Bの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第1特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS64B)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65B)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66B)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグをセットする(ステップS67B)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS160B)、大当り種別を記憶し(ステップS161B)、ステップS68Bへ移行する。
また、ステップS66Bにおいて大当りとしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り判定モジュールを実行する(ステップS162B)。小当り判定モジュールは、大当り判定用乱数(小当り判定用の乱数でもよい)が、あらかじめ決められている小当り判定値と一致したら小当りとすることに決定するプログラムである。小当りとすることに決定した場合には(ステップS163B)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて小当りとなることを示す小当りフラグをセットする(ステップS164B)。そして、ステップS68Aへ移行する。
そして、ステップS68Bにおいて、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS68B)。なお、図示は省略したが、ステップS68Bの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS65Bでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
第2変動パターン設定処理(ステップS351)は、図22に示した第1変動パターン設定処理(ステップS301)と同様である。すなわち、図22に示す第1変動パターン設定処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2変動パターン処理が説明されたことになる。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、大当りとするか否か、小当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド、表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353)は、図23に示した第1特別図柄変動中処理(ステップS303)と同様である。すなわち、図23に示す第1特別図柄変動中処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2特別図柄変動中処理が説明されたことになる。
第2特別図柄停止処理(ステップS354)では、概ね図24に示した第1特別図柄停止処理(ステップS304)と同様の処理が実行される。すなわち、図24に示す第1特別図柄停止処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、概ね第2特別図柄停止処理が説明されたことになる。ただし、第2特別図柄停止処理では、小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第2小当り開放前処理(ステップS358)に対応した値に設定する。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS354A)は、図25に示した第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A)と同様である。すなわち、図25に示す第1ゲート通過待ち処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2ゲート通過待ち処理が説明されたことになる。
図29は、特別図柄プロセス処理における第2大当り終了処理(ステップS357)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200B)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204Bに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当りフラグをリセットし(ステップS2201B)、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202B)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203B)、処理を終了する。
ステップS2204Bでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS2204B)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205B)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205BのY)、CPU56は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2206B)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2207B)する。次いで、CPU56は、今回の大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かを確認する(ステップS2208B)。なお、大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かは、例えば、大当り遊技を開始する前の第2特別図柄停止処理において、大当り開始前に第1KT状態であったことを示す第1KT記憶フラグや第2KT状態であったことを示す第2KT記憶フラグをセットしておき、ステップS2208Bでは、これら第1KT記憶フラグまたは第2KT記憶フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。大当り開始前に第1KT状態でも第2KT状態でもなかった場合には、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2209B)。大当り開始前に第1KT状態または第2KT状態であった場合には、第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS2210B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
ステップS2208B〜S2210Bの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、既に説明したように、この実施の形態では、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢えて右打ち操作を行って第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。
16R確変大当りでなければ、CPU56は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2211B)。なお、6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2212B)とともに、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2213B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、2R通常大当りであれば)、CPU56は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2214B)。また、CPU56は、KT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS2215B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
そして、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS350)に対応した値に更新する(ステップS2216B)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図30は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU201は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部9bの表示制御を実行する。また、背景図柄表示部9cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS706)。また、大当り遊技中やKT状態(第2KT状態)中に獲得した賞球数を示す賞球数表示の表示を制御する賞球数表示処理を実行する(ステップS707)。また、図柄保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702に移行する。
図31〜図33は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU201は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU201は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU201は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU201は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU201は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU201は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU201は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。なお、この実施の形態では、ステップS624でセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU201は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU201は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが低確/非KT背景指定であれば(ステップS630)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確率/非KT状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS631)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第1KT状態であることを示す第1KT状態フラグをリセットする(ステップS632)。また、演出制御用CPU201は、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に獲得した賞球数をカウントするための賞球数カウンタをリセットする(ステップS633)とともに、演出表示装置9において賞球数表示が表示されていれば、賞球数表示を消去する制御を行う(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが低確/第1KT背景指定であれば(ステップS635)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS636)。また、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグをセットする(ステップS637)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、第2KT状態であることを示す第2KT状態フラグをリセットする(ステップS638)。
受信した演出制御コマンドが高確/第1KT背景指定であれば(ステップS640)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS641)。また、演出制御用CPU201は、確変状態フラグおよび第1KT状態フラグをセットする(ステップS642)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第2KT状態フラグをリセットする(ステップS643)。
受信した演出制御コマンドが高確/第2KT背景指定であれば(ステップS645)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/第2KT状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS646)。また、演出制御用CPU201は、確変状態フラグおよび第2KT状態フラグをセットする(ステップS647)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第1KT状態フラグをリセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS650)、演出制御用CPU201は、大入賞口への遊技球の入賞が発生したことを示す大入賞口入賞フラグをセットする(ステップS651)とともに、賞球数カウンタに15(大入賞口への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが特殊賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU201は、特殊入賞口24への遊技球の入賞が発生したことを示す特殊入賞口入賞フラグをセットする(ステップS654)とともに、賞球数カウンタに15(特殊入賞口24への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS655)。
なお、この実施の形態では、大入賞口に遊技球が入賞したときと特殊入賞口24に遊技球が入賞したときとで賞球数が同じ15個である場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、大入賞口に遊技球が入賞したときには賞球数を15個とする一方で、特殊入賞口24に遊技球が入賞したときには賞球数を10個とするなど、賞球数を異ならせてもよい。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション表示を開始する制御を行う(ステップS661)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
[賞球表示について]
次に、本実施の形態における賞球数を表示する際の演出図面について説明する。本実施の形態では、各種遊技状態に応じて付与される遊技価値としての賞球に関する表示の表示態様が異なっている。各遊技状態における表示のさせ方について以下に説明する。図34は、大当り状態中およびKT状態中の演出態様の具体例を示す説明図である。
図34(A)に示すように、16R確変大当り遊技中においては、演出表示装置9の画面上で大当りの演出が実行される。また、大当り遊技中に大入賞口に入賞した遊技球に基づいて画面右上の総獲得数表示画像158F001の数値が加算更新される。総獲得数表示画像158F001は、通常状態に制御されるまで表示される。大当り遊技中では、大入賞口に遊技球が入賞する毎に総獲得数表示画像158F001の数値が15pt加算更新される。図34(A)に示す16R確変大当りの後は、図34(B)に示すように第2KT状態へと制御される。
図34(B)に示す様に、第2KT状態中は、演出表示装置9の画面上に先ほど制御されていた16R確変大当りの履歴を示す履歴アイコン画像158F002が表示される。履歴アイコン画像158F002には、第2KT状態に制御される前の16R確変大当り遊技状態で付与された賞球数を示す2400の数値も合わせて表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、履歴アイコン画像158F002と同じ2400個獲得したことを示す数値が表示される。
第2KT状態中に小当りが発生した場合には、図34(C)のように表示される。図34(C)に示すように小当りが発生した場合には、演出表示装置9の画面において賞球増加画像として「小当り発生!」の小当り画像158F003が表示されるとともに、「+15」の賞球画像158F004が表示される。また、履歴アイコン画像158F002に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球が即座に更新して表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、大当り遊技中と第2KT状態中とに獲得した賞球数の総数が表示される。
ここで、履歴アイコン画像158F002の表示態様は、第2KT状態中に獲得した賞球の総数により表示態様が段階的に変化する。例えば、第2KT状態中の獲得総数が0〜200のときの表示態様は白色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が201〜400のときの表示態様は青色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が401〜600のときの表示態様は赤色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が601以上のときの表示態様は虹色の表示となる。このように、第2KT状態中の総獲得数が200増加する毎に表示態様が変化する。図34(C)は、履歴アイコン画像158F002が青色の表示態様となっている状態を示している。なお、履歴アイコン画像158F002の表示態様は、大当り遊技中も含めた総獲得数により段階的に変化するようにしてもよい。
次に、第2KT状態中に6R確変大当りに当選した場合には、図34(D)に示すように、6R確変大当りを示す演出が演出表示装置9の画面上に表示される。6R確変大当り中は、大当り遊技中に大入賞口に入賞した遊技球に基づいて画面右上の総獲得数表示画像158F001の数値が加算更新される。なお、6R確変大当り中に履歴アイコン画像158F002を表示し、その数値が加算更新されるようにしてもよい。また、16R確変大当りと6R確変大当りとで履歴アイコン画像158F002が別々に表示されるようにし、6R確変大当りの履歴アイコン画像158F002の数値が加算更新されるようにしてもよい。
次いで、6R大当り終了後に第1KT状態に制御された場合について説明する。図34(E)は、第1KT状態中に小当りが発生したときの演出表示装置9の画面を示している。第1KT状態中においては、小当りが発生したとしても総獲得数表示画像158F001および履歴アイコン画像158F002の数値が加算更新されることはない。なお、第1KT状態中において小当りが発生した場合には、総獲得数表示画像158F001と履歴アイコン画像158F002とのうちいずれか一方の数値のみ更新するようにしてもよい。
その後、第1KT状態中において16R確変大当りが発生した場合には、図34(F)に示すように、16R確変大当りを示す演出が演出表示装置9の画面上に表示される。16R確変大当り中は、大当り遊技中に大入賞口に入賞した遊技球に基づいて画面右上の総獲得数表示画像158F001の数値が加算更新される。図34(F)に示す16R確変大当りの後は、図34(G)に示すように第2KT状態へと制御される。
図34(G)に示すように、第2KT状態中において履歴アイコン画像158F002が2つ表示される。履歴アイコン画像158F002は、16R確変大当りから次の16確変大当りが開始するまでの区間を1区間として1つ表示される。左側の履歴アイコン画像158F002は、1回目の16R確変大当り中の賞球数、第2KT状態中の小当り遊技により獲得した賞球数、および、6R確変大当り中の賞球数が総数として表示される。また、右側の履歴アイコン画像158F002は、2回目の16R確変大当り中の賞球数が総数として表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、2つの履歴アイコン画像158F002の総数が表示される。
第2KT状態中に小当りが発生した場合には、図34(H)に示すように、「小当り発生!」の小当り画像158F003が表示されるとともに、「+15」の賞球画像158F004が表示される。また、右側の履歴アイコン画像158F002に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球が即座に更新して表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、大当り遊技中と第2KT状態中とに獲得した賞球数の総数が表示される。今回の第2KT状態中では、600個の賞球が発生している。よって、右側の履歴アイコン画像158F002の表示態様が赤色の表示態様へと変更される。
図34(C)に示すように、第2KT状態中に付与された賞球と、第2KT状態に制御される前の16R確変大当り遊技状態で付与された賞球とを合わせて履歴アイコン画像158F002として表示可能である。このようにすれば、16R確変大当り遊技状態で獲得した賞球の表示と、第2KT状態で獲得した賞球の表示との制御を好適に実行することができる。例えば、履歴アイコン画像158F002により、第2KT状態に突入前の16R確変大当りで獲得した賞球数および第2KT状態中に獲得した賞球数が合算して表示されるので、この区間にどれくらいの賞球があったのか容易に把握できる。
また、図34(B)に示すように、第2KT状態に制御される前の16R確変大当り遊技状態で付与された賞球を履歴アイコン画像158F002として表示可能である。このようにすれば、付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図34(C)に示すように、履歴アイコン画像158F002に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球を即座に更新して表示可能である。このようにすれば、一連の区間において付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図34に示すように、履歴アイコン画像158F002が対象とする区間とは異なる連続した大当り遊技状態の区間における総獲得数表示画像158F001を表示可能である。このようにすれば、連続した大当り遊技状態の区間において付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図34(C),(H)に示すように、第2KT状態で付与された賞球数が所定の段階として決められた数値以上の場合に履歴アイコン画像158F002の表示態様を段階に応じた色に変化させるように制御される。このようにすれば、履歴アイコン画像158F002の表示態様により遊技者に優越感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
また、図34(E)に示すように、第2KT状態中以外の第1KT状態中に小当り遊技状態に制御されたときに付与された賞球は総獲得数表示画像158F001に加算表示しないように制御される。このようにすれば、現在の状態が第2KT状態であると勘違いしてしまうことを防止することができる。
また、図34(G)に示すように、第2KT状態中に付与された賞球と、第2KT状態に制御された後の6R確変大当り遊技中に付与された賞球とを合わせて履歴アイコン画像158F002として表示可能である。このようにすれば、大当り遊技中に獲得した賞球を示す表示と、第2KT状態中に獲得した賞球を示す表示との制御を好適に実行することができる。
次に、各遊技状態において獲得した賞球を表示する処理について説明する。図35〜図37は、賞球数表示処理(ステップS707)を示すフローチャートである。賞球数表示処理において、演出制御用CPU201は、まず、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップ158FS001)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生していれば(ステップ158FS001でY))、演出制御用CPU201は、大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップ158FS002)、ステップ158FS003に移行する。一方、大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、大入賞口への入賞が発生していなければ(ステップ158FS001でN))、演出制御用CPU201は、ステップ158FS008に移行する。
ステップ158FS003では、演出制御用CPU201は、賞球増加演出の実行中であることを示す賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する。賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に賞球増加演出の実行中であれば(ステップ158FS003でY))、演出制御用CPU201は、ステップ158FS009に移行する。一方、賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ賞球増加演出が実行されていなければ(ステップ158FS003でN))、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において総獲得数表示(総獲得数表示画像158F001の数値)を増加させる演出を開始する(ステップ158FS004)。また、演出制御用CPU201は、賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップ158FS005)。そして、ステップ158FS006に移行する。
ステップ158FS006では、演出制御用CPU201は、現在の遊技が16R確変大当りであるか否かを判定する。現在の遊技が16R確変大当りである場合には(ステップ158FS006でY)、演出制御用CPU201は、大当りアイコン表示フラグをセットし、(ステップ158FS007)、ステップ158FS011に移行する。一方、現在の遊技が16R確変大当りでない場合には(ステップ158FS006でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS007の処理を行わずに、ステップ158FS011に移行する。ステップ158FS006、ステップ158FS007の処理により、16R確変大当りに制御される毎に履歴アイコン画像158F002が表示される。16R確変大当りか否かは、表示結果指定コマンドの値を確認すればよい。
なお、大当りアイコン(履歴アイコン画像158F002)は、大当りの種類に関係なく大当り毎に表示されるようにしてもよい。このような場合には、大当りの種類により大当りアイコン(履歴アイコン画像158F002)の表示態様が異なるようにすることが望ましい。具体的には、大当りの種類毎にフラグをセットし、そのセットされたフラグをステップ158FS006で確認することにより大当りの種類に対応した履歴アイコン画像158F002をステップ158FS007の処理によって表示してもよい。また、第2KT状態に制御されるときにおいては、直前の16R確変大当りに対応する履歴アイコンの数値を更新すればよい。
ステップ158FS008では、演出制御用CPU201は、賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。賞球増加演出実行中フラグがセットされている場合には(ステップ158FS008でY)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS009に移行する。一方、賞球増加演出実行中フラグがセットされていない場合には(ステップ158FS008でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS011に移行する。
ステップ158FS009では、演出制御用CPU201は、賞球増加演出が終了したか否かを判定する。賞球増加演出が終了した場合には(ステップ158FS009でY)、演出制御用CPU201は、賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップ158FS010)、ステップ158FS011に移行する。一方、賞球増加演出が終了していない場合には(ステップ158FS009でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS010の処理を行わずに、ステップ158FS011に移行する。なお、賞球増加演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、賞球増加演出を開始するときに、賞球増加演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。
ステップ158FS011では、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定する。特殊入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していれば(ステップ158FS011でY))、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップ158FS012)、ステップ158FS013に移行する。一方、特殊入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していなければ(ステップ158FS011でN))、演出制御用CPU201は、ステップ158FS025に移行する。
ステップ158FS013では、演出制御用CPU201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを判定する。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば(ステップ158FS013でY))、演出制御用CPU201は、ステップ158FS014に移行する。一方、第2KT状態フラグがセットされていなければ(ステップ158FS013でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS023に移行する。
ステップ158FS023では、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグがセットされているか否かを判定する。第1KT状態フラグがセットされている場合には(ステップ158FS023でY)、演出制御用CPU201は、演出無しに設定し(ステップ158FS024)、処理を終了する。一方、第1KT状態フラグがセットされていない場合には(ステップ158FS023でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS024の処理を行わずに、処理を終了する。
また、ステップ158FS014では、演出制御用CPU201は、特殊入賞口の入賞数カウンタの値を確認し、ステップ158FS015に移行する。特殊入賞口へのカウント数は入賞毎に記憶されている。ステップ158FS015では、演出制御用CPU201は、第2KT状態中での賞球数が所定の段階として決められた数値以上であるか否かを判定する。第2KT状態中での賞球数が所定の段階として決められた数値以上である場合には(ステップ158FS015でY)、演出制御用CPU201は、アイコンの表示態様を段階に応じた色に変更し(ステップ158FS016)、ステップ158FS017に移行する。一方、第2KT状態中での賞球数が所定の段階として決められた数値未満である場合には(ステップ158FS015でN)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS016の処理を行わずに、ステップ158FS017に移行する。
ステップ158FS017では、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。入賞演出実行中フラグがセットされている場合には(ステップ158FS017でY)、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタを+1し(ステップ158FS018)、ステップ158FS025に移行する。一方、入賞演出実行中フラグがセットされていない場合には(ステップ158FS017でN)、演出制御用CPU201は、賞球増加表示として演出表示装置9の画面において賞球増加画像として「小当り発生!」の小当り画像158F003を表示するとともに、「+15」の賞球画像158F004を表示する(ステップ158FS019)。そして、総獲得数表示を増加させる演出を開始する(ステップ158FS020)。また、演出制御用CPU201は、アイコン(履歴アイコン画像158F002)の獲得数表示を増加させる演出を開始し(ステップ158FS021)、入賞演出実行中フラグをセットし(ステップ158FS022)、ステップ158FS025に移行する。
ステップ158FS025では、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。入賞演出実行中フラグがセットされている場合には(ステップ158FS025でY)、演出制御用CPU201は、ステップ158FS026に移行する。一方、入賞演出実行中フラグがセットされていない場合には(ステップ158FS025でN)、演出制御用CPU201は、処理を終了する。
ステップ158FS026では、演出制御用CPU201は、入賞演出の終了タイミングであるか否かを判定する。入賞演出の終了タイミングである場合には(ステップ158FS026でY)、演出制御用CPU201は、各種入賞演出を終了し(ステップ158FS027)、ステップ158FS028に移行する。一方、入賞演出の終了タイミングでない場合には(ステップ158FS026でN)、演出制御用CPU201は、処理を終了する。
ステップ158FS028では、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタの値が0であるか否かを判定する。入賞演出待機数カウンタの値が0である場合には(ステップ158FS028でY)、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグをリセットし(ステップ158FS033)、処理を終了する。一方、入賞演出待機数カウンタの値が0でない場合には(ステップ158FS028でN)、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタを−1し(ステップ158FS029)、賞球増加表示を表示する(ステップ158FS030)。また、演出制御用CPU201は、総獲得数表示を増加させる演出を開始し(ステップ158FS031)、アイコンの獲得数表示を増加させる演出を開始し(ステップ158FS032)、処理を終了する。
ステップアップ158FS014〜158FS016に示すように、第2KT状態で付与された賞球数が所定の段階として決められた数値以上の場合に履歴アイコン画像158F002の表示態様を段階に応じた色に変化させるように制御される。このようにすれば、履歴アイコン画像158F002の表示態様により遊技者に優越感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。より具体的には、第2KT状態で得られる小当り当選による賞球が多くなるに連れて履歴アイコン画像158F002の表示態様が変化していくため、色の変化により獲得した価値を知ることができる。
また、ステップ158FS023、158F024に示すように、第2KT状態中以外の第1KT状態中に小当り遊技状態に制御されたときに付与された賞球は総獲得数表示画像158F001に加算表示しないように制御される。このようにすれば、現在の状態が第2KT状態中であると勘違いしてしまうことを防止することができる。なお、第1KT状態中に小当りに制御された場合には、履歴アイコン画像158F002の数値は更新しないが、総獲得数表示画像158F001の数値は更新するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、大入賞口や特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加演出を実行する場合について説明した。しかし、いわゆる一般入賞口(入賞しても可変入賞球装置の開放などは行われず、所定個数(例えば、5個)の賞球の払い出しのみが行われる入賞口)を備えるように構成した遊技機において、一般入賞口への入賞が発生した場合にも賞球増加演出を実行してもよい。このような場合には、第2KT状態中に一般入賞口に入賞した賞球数を履歴アイコン画像158F002の数値および総獲得数表示画像158F001の数値に加算更新するようにしてもよい。
[賞球表示の変形例について]
次に、賞球に関する表示の変形例について説明する。図38は、大当り状態中およびKT状態中の演出態様の具体例を示す説明図である。図38(A)に示す16R確変大当りの後は、図38(B)に示すように第2KT状態へと制御される。各表示については、前述した図34(A),(B)の表示と同じであるため説明を省略する。
変形例においては、図38(C)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示とが別々に表示される。具体的には、第2KT状態中に小当りが発生した場合には、演出表示装置9の画面において賞球増加画像として「小当り発生!」の小当り画像158F003が表示されるとともに、「+15」の賞球画像158F004が表示される。また、履歴アイコン画像158F002の右側に小当り履歴アイコン画像158F005が表示される。そして、小当り履歴アイコン画像158F005に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球が即座に更新して表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、大当り遊技中と第2KT状態中とに獲得した賞球数の総数が表示される。なお、小当り履歴アイコン画像158F005の表示タイミングは、第2KT状態に制御された後にすぐ表示されるようにし、そのときの数値は0が表示されるようにしてもよい。
また、図38(C)に示すように、小当り履歴アイコン画像158F005の表示態様は、第2KT状態中に獲得した賞球の総数により表示態様が段階的に変化する。例えば、第2KT状態中の獲得総数が0〜200のときの表示態様は白色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が201〜400のときの表示態様は青色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が401〜600のときの表示態様は赤色の表示であり、第2KT状態中の獲得総数が601以上のときの表示態様は虹色の表示となる。このように、第2KT状態中の総獲得数が200増加する毎に表示態様が変化する。図38(C)は、小当り履歴アイコン画像158F005が青色の表示態様となっている状態を示している。
第2KT状態中において16R確変大当りに当選した場合には、図38(D),(E)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示とを組合せる組合せ演出が実行される。具体的に、図38(D)に示すように、大当りの開始時に大当り遊技中に獲得した賞球数を示す総獲得数表示画像158F001の数値と、第2KT状態中に獲得した賞球数を示す小当り履歴アイコン画像158F005の数値とが、画面上に表示される。そして、図38(E)に示すように、それら2つの数値が合算され、合計値が画面上に大きく表示される。
その後、16R確変大当り後に制御される第2KT状態において、再度16R確変大当りに当選すると、図38(F)に示すように、16R確変大当り遊技中においては、演出表示装置9の画面上で大当りの演出が実行される。なお、このように、最も有利な大当りである16R確変に連続して当選した場合には、演出の態様を変更するようにしてもよい。
図38(F)の後に制御される第2KT状態において小当りが発生したしときの様子を図38(G)において説明する。図38(G)に示すように、第2KT状態中に小当りが発生した場合には、演出表示装置9の画面において賞球増加画像として「小当り発生!」の小当り画像158F003が表示されるとともに、「+15」の賞球画像158F004が表示される。また、履歴アイコンとして、1回目の16R大当りおよびその後の第2KT状態中の賞球数を合わせた履歴アイコン画像158F002が画面の左側に表示される。また、その右側には、2回目の16R確変大当りにおいて獲得した賞球数を示す履歴アイコン画像158F002が表示される。さらに、その右側には、現在の第2KT状態中に獲得した小当りにおける賞球を示す小当り履歴アイコン画像158F005が表示される。
図38(G)において、第2KT状態中の賞球は600個である。よって、小当り履歴アイコン画像158F005が赤色の表示態様で表示される。また、小当り履歴アイコン画像158F005では、第2KT状態中に付与された小当りによる賞球が即座に更新して表示される。また、総獲得数表示画像158F001には、2回の大当り遊技中と第2KT状態中とに獲得した賞球数の総数が表示される。
図38(C)に示すように、大当り遊技状態で付与された賞球と、第2KT状態中に付与された賞球とを別々の履歴アイコン画像158F002および小当り履歴アイコン画像158F005として表示可能である。このようにすれば、大当り遊技状態中に獲得した賞球を示す表示と、第2KT状態中に獲得した賞球を示す表示との制御を好適に実行することができる。
また、図38(C)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球を履歴アイコン画像158F002として表示可能である。このようにすれば、付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図38(C)に示すように、小当り履歴アイコン画像158F005に第2KT状態中に付与された小当りによる賞球を即座に更新して表示可能である。このようにすれば、一連の区間において付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図38に示すように、履歴アイコン画像158F002および小当り履歴アイコン画像158F005が対象とする区間とは異なる連続した大当り遊技状態の区間における総獲得数表示画像158F001を表示可能である。このようにすれば、連続した大当り遊技状態の区間において付与された賞球の履歴が認識可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図38の(C),(G)に示すように、第2KT状態で付与された賞球数が所定の段階として決められた数値以上の場合に小当り履歴アイコン画像158F005の表示態様が段階に応じた色に変化する。このようにすれば、履歴画像の表示態様により遊技者に優越感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
なお、変形例においても第2KT状態中以外の第1KT状態中に小当り遊技状態に制御されたときに付与された賞球は総獲得数表示画像158F001に加算表示しないように制御される。このようにすれば、第2KT状態中であると勘違いしてしまうことを防止することができる。
また、図38(C)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示とを別々に表示可能である。そして、図38(D),(E)に示すように、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示とを組合せる組合せ演出が実行される。このようにすれば、組合せ演出により特別感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
なお、特別演出としての組合せ演出は、賞球数が所定数以上であるときには実行され、所定数未満であるときには実行されないようにしてもよい。具体的には、第2KT状態中に付与された賞球数が600個以上であるときは組合せ演出を実行し、第2KT状態中に付与された賞球数が600個未満であるときは組合せ演出を実行しないようにしてもよい。このようにすれば、付与された賞球が所定数未満であるときは組合せ演出が実行されないので組合せ演出が複数回繰返されるストレスを防止することができ、付与された賞球が所定数以上であるときには組合せ演出により特別感を与えることで遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示と、第2KT状態に制御された後の大当り遊技状態で付与された賞球の表示とを別々に表示してもよい。つまり、図38(C)の状態からさらに大当りが発生した場合には、小当り履歴アイコン画像158F005の右側に大当りに対応する履歴アイコン画像158F002を表示してもよい。そして、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球の表示と、第2KT状態中に付与された賞球の表示と、第2KT状態に制御された後の大当り遊技状態で付与された賞球の表示とを組合せる組合せ演出を実行するようにしてもよい。このようにすれば、組合せ演出により特別感を与えることで遊技の興趣を向上することができる。
[第2実施形態について]
また、第2実施形態の賞球数表示について、以下のような処理を実行してもよい。前述したコマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行うようにしてもよい。例えば、演出表示装置9の表示画面の右上端部において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第1KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第2KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
また、前述したコマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンにより賞球数表示を表示する制御を行うようにしてもよい。例えば、演出表示装置9の表示画面の中央付近において賞球数表示を表示する。この場合、未だにいずれのパターンによる賞球数表示も表示されていなければ、新たに第2KTパターンにより賞球数表示を開始する制御を行う。また、既に、大当りパターンまたは第1KTパターンにより賞球数表示が行われていれば、第1KTパターンによる賞球数表示の表示に切り替える制御を行う。
このような場合、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が行われるのであるが、KT状態を終了し低確率/非KT状態に戻ったときに賞球数カウンタの値がリセットされる(0にクリアされる)とともに賞球数表示の表示が終了するようになる。
賞球数表示処理の第2実施形態についてさらに説明する。図39〜図42は、賞球数表示処理(ステップS707)を示すフローチャートである。賞球数表示処理において、演出制御用CPU201は、まず、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS500)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU201は、大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS501)、第1賞球増加演出の実行中であることを示す第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS502)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第1賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS506に移行する。
第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第1賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS503)。また、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS504)。そして、ステップS510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が表示されているのであるが、賞球数表示が表示されているときに大入賞口や特殊入賞口24に遊技球が入賞すると、賞球数表示で示される賞球数が1つずつ増加していくような態様の賞球増加演出が実行される。この実施の形態では、賞球増加演出には第1賞球増加演出〜第3賞球増加演出の3種類がある。第1賞球増加演出は、大当り遊技中に大当りパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第2賞球増加演出は、第1KT状態中に第1KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第3賞球増加演出は、第2KT状態中に第2KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的低速の第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。
この実施の形態では、大入賞口入賞フラグがセットされていた(大入賞口への入賞が発生した)ということは、大当り遊技中であり大当りパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS503において大当りパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度で賞球数が1ずつ増加していく第1賞球増加演出が開始される。
大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、大入賞口への入賞が発生していなければ)、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS505)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第1賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS510に移行する。
ステップS502またはステップS505で第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第1賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS506)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS507)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS508)。そして、ステップS510に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS509)、第1賞球増加演出を終了する。そして、ステップS510に移行する。
この実施の形態では、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS652参照)のであるが、ステップS500〜S509の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、1回の大入賞口への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の大入賞口への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の大入賞口への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第1賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第1賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも大当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
次いで、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS510)。特殊入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS511)、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS512)。第2KTフラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、ステップS523に移行する。第2KT状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS513)。第1KT状態フラグもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、そのまま処理を終了する。すなわち、非KT状態中に稀に特殊入賞口24への入賞が発生したとしても、そもそも賞球数表示が行われていないので、賞球増加演出を行うことなく、そのまま処理を終了する。
第1KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第1KT状態中であれば)、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出の実行中であることを示す第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS514)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第2賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS519に移行する。
第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第2賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS515)。また、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS516)。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態フラグがセットされていた(第1KT状態中)ということは、第1KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS515において第1KTパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく第2賞球増加演出が開始される。
特殊入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していなければ)、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS517)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS533に移行する。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS518)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第2賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS540に移行する。
ステップS514またはステップS518で第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第2賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS519)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS520)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS521)。そして、ステップS540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS522)、第2賞球増加演出を終了する。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第1KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS655参照)のであるが、ステップS510〜S522の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第1KT状態中では1回の特殊入賞口24への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口24への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口24への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第2賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、この実施の形態では、第2賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも小当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
ステップS512で第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9においてエフェクト演出を開始する制御を行う(ステップS523)。次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出の実行中であることを示す入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS524)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、待機中の入賞演出の数をカウントするための入賞演出待機数カウンタの値を1加算する(ステップS525)。そして、ステップS529に移行する。
入賞演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、入賞演出の実行中でなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS526)とともに、演出表示装置9において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS527)。また、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグをセットする(ステップS528)。そして、ステップS529に移行する。
次いで、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS529)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS533に移行する。
第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を開始する制御を行う(ステップS530)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS531)。また、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS532)。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態フラグがセットされていた(第2KT状態中)ということは、第2KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS531において第2KTパターンにより表示され拡大表示されている賞球数表示において第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく第3賞球増加演出が開始される。
ステップS517またはステップS529で第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS533)。なお、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS523でエフェクト演出を開始するときに、エフェクト演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。エフェクト演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9においてエフェクト演出を終了する制御を行う(ステップS534)。
次いで、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.5秒経過したか否か)を確認する(ステップS535)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS536)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS537)。そして、ステップS540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を終了する制御を行う(ステップS538)。また、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS539)、第3賞球増加演出を終了する。そして、ステップS540に移行する。
この実施の形態では、第2KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算される(ステップS655参照)のであるが、ステップS510,S517,S529〜S532,S535〜S359の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、エフェクト演出が実行されるとともに賞球数表示が拡大表示され、第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、この実施の形態では、第2KT状態中では1回の特殊入賞口24への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.5秒×15=7.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口24への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口24への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第3賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて15.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。
ここで、この実施の形態では、第3賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第2速度が0.5秒と比較的遅いので、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球数が増加する演出が終了しない場合もある。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に第3賞球増加演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって第3賞球増加演出が継続して実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって第3賞球増加演出が実行されてもよい)。
次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS540)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS541)。なお、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS527で入賞演出を開始するときに、入賞演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。入賞演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において入賞演出を終了する制御を行う(ステップS542)。
次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS543)。入賞演出待機数カウンタの値が0でなければ(すなわち、未実行の待機中の入賞演出があれば)、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタの値を1減算する(ステップS544)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS545)とともに、演出表示装置9において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS546)。
入賞演出待機数カウンタの値が0であれば(すなわち、未実行の待機中の入賞演出がなければ)、演出用CPU201は、入賞演出実行中フラグをリセットする(ステップS547)。
この実施の形態では、ステップS524〜S528,S540〜S547の処理が実行されることによって、第2KT状態中に特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、賞球増加表示が表示されるとともに入賞演出が実行される。この場合、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口24への入賞が発生する場合もありうるのであるが、そのような場合には実行中の入賞演出が終了するまで待機し、その実行中の入賞演出が終了してから次の賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する(遅れて賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する)。
ここで、この実施の形態では、賞球増加表示の表示や入賞演出が遅れて実行される場合があることから、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球増加表示の表示や入賞演出を実行できない場合も考えられる。この実施の形態では、賞球数表示処理(ステップS707)は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に賞球増加表示の表示や入賞演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行されてもよい)。
なお、この実施の形態では、特殊入賞口24への入賞が発生したときにエフェクト演出も実行されるのであるが、エフェクト演出に関しては特殊入賞口24への入賞が発生したタイミングで直ちに実行される(ステップS523,S533,S534参照)。
また、この実施の形態では、特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加表示の表示や入賞演出を実行する場合を示しているが、例えば、さらに特殊入賞口ランプ24aを点灯表示させるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、大入賞口や特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、いわゆる一般入賞口(入賞しても可変入賞球装置の開放などは行われず、所定個数(例えば、5個)の賞球の払い出しのみが行われる入賞口)を備えるように構成した遊技機において、一般入賞口への入賞が発生した場合にも賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行するように構成してもよい。この場合、一般入賞口への入賞が発生した場合には、賞球増加演出において一律に第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよいし、第2KT状態であれば一般入賞口への入賞が発生した場合であっても、賞球増加演出において第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよい。また、このように構成した場合であっても、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)であれば、一般入賞口への入賞が発生しても賞球増加演出を実行しないように構成してもよい。
次に、この実施の形態における賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図43〜図46は、賞球増加演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図43は、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図44は、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図45および図46は、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。なお、図43〜図46において、(A)(B)(C)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図43を用いて、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図43(A)に示す例では、大当り遊技中である場合には、演出表示装置9において、大当りパターンによる賞球数表示300が表示されるとともに、例えば、キャラクタ301が表示され、キャラクタ301のセリフとして「大当り中!」などの文字表示302が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図43に示すように、大当りパターンによる賞球数表示300として、演出表示装置9の表示画面の左下端部において賞球数表示300を表示する場合が示されている。
次いで、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したものとする。この場合、図43(B)に示すように、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第1賞球増加演出が実行される(ステップS500〜S509参照)。この実施の形態では、第1賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図43(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第1賞球増加演出が終了する。
次に、図44を用いて、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図44(A)に示す例では、第1KT状態中である場合には、演出表示装置9において、第1KTパターンによる賞球数表示303が表示される(ステップS639,S644参照)とともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示304が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図44に示すように、第1KTパターンによる賞球数表示303として、演出表示装置9の表示画面の右上端部において賞球数表示303を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図44(B)に示すように、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第2賞球増加演出が実行される(ステップS510〜S522参照)。この実施の形態では、第2賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図44(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第2賞球増加演出が終了する。
次に、図45および図46を用いて、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図45(A)に示す例では、第2KT状態中である場合には、演出表示装置9において、第2KTパターンによる賞球数表示305が表示される(ステップS649参照)とともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示306が表示される場合が示されている。なお、この実施の形態では、図45および図46に示すように、第2KTパターンによる賞球数表示305として、演出表示装置9の表示画面の中央付近において賞球数表示305を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図45(B)に示すように、演出表示装置9においてエフェクト演出が開始される(ステップS523参照)とともに、賞球数表示305の拡大表示が開始される(ステップS530参照)。なお、図45(B)に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示305の周囲に所定のエフェクト画像307(例えば、キラキラ光るような態様の画像)が表示される場合が示されている。また、特殊入賞口24への入賞が発生すると、図45(B)に示すように、賞球増加表示が表示される(ステップS526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS527参照)。なお、図45(B)に示す例では、入賞演出として所定のキャラクタ308が表示される演出が実行されるとともに、賞球増加表示として「+15」などの文字表示309が表示される場合が示されている。
また、図45(C)に示すように、演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出が開始され、第3賞球増加演出が開始される(ステップS510,S517,S529〜S539参照)。この実施の形態では、図45(C)〜図46(H)に示すように、第3賞球増加演出では、第1賞球増加演出や第2賞球増加演出と比較して、第2速度として比較的遅い速度(本例では、0.5秒)で賞球数表示の更新が行われる。
次いで、図45(D)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし(入賞演出は継続している)、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図46(E)に示すように、演出表示装置9においてエフェクト演出が開始される(ステップS523参照)。ただし、この場合、まだ入賞演出の実行中であるので、新たな賞球増加表示の表示と入賞演出はまだ実行されない。
次いで、図46(F)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし、さらに、図46(G)に示すように、入賞演出を終了したものとする。そして、入賞演出を終了すると、未実行の待機中の入賞演出があることにもとづいて、図46(H)に示すように、遅れて賞球増加表示が表示される(ステップS526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS527参照)。
そして、その後、図46(E)で追加で発生した特殊入賞口24への入賞にもとづく賞球数分も含めて全ての賞球数表示の更新が行われるまで、第2賞球増加演出が実行される。
なお、図45および図46に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示305の周囲にキラキラ光るような態様のエフェクト画像307を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、エフェクト演出として、賞球数表示305を覆うような態様の画像を表示するなど、何らかの形式で賞球数表示305に作用するような態様の演出を実行するように構成してもよい。そのように賞球数表示305に作用することにより、賞球数表示305が視認しにくくなるような演出を実行するものであってもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技中に獲得した賞球数にKT状態中に獲得した賞球数を加算して賞球数表示を行っていく場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り遊技中に獲得した賞球数とKT状態中に獲得した賞球数とを別々に表示するように構成してもよい。例えば、大当り遊技中である場合には、図43に示した態様で演出表示装置9の表示画面の左下端部に大当り遊技で獲得した賞球数を表示するとともに、図44に示した態様で演出表示装置9の表示画面の右上端部に第1KT状態中に獲得した賞球数も表示したり、図45(A)に示した態様で演出表示装置9の表示画面の中央付近に第2KT状態中に獲得した賞球数も表示したり(KT状態中に獲得した賞球数を別個独立に表示する)してもよい。
また、例えば、(1)KT状態が一旦終了して大当り遊技が開始するときに、KT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を消去し、大当り遊技中に表示する賞球数表示に合算して表示するように構成してもよいし、(2)KT状態を終了して非KT状態に移行するまでKT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を継続するように構成してもよい。なお、(2)の態様によれば、KT状態中のみの賞球の獲得数を認識することができることにより、遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングについて説明する。図47は、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図47に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、特殊入賞口24が開放状態であるときに1つ目の入賞が発生すると、賞球数表示の拡大表示が開始され(ステップS530参照)、1つ目の入賞に対する賞球数の更新表示が開始されて第3賞球増加演出が開始される(ステップS510,S517,S529〜S539参照)とともに、エフェクト演出が実行される(ステップS523参照)。また、図47に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出が開始される(ステップS527参照)。
次いで、図47に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、第2賞球増加演出や入賞演出の実行中であるときに2つ目の入賞が発生すると、2つ目の入賞にもとづくエフェクト演出が直ちに実行されるとともに、2つ目の入賞で増加した分の賞球数も引き継いで第3賞球増加演出が継続して実行される。また、図47に示す例では、2つ目の入賞が発生したときに未だ入賞演出を実行中であることから、2つ目の入賞に対する入賞演出が直ちには実行されず、図47に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出を終了してから、遅れて2つ目の入賞に対する入賞演出が実行される。
そして、その後、特殊入賞口24(特殊可変入賞球装置22)が閉鎖状態に制御され小当り遊技を終了した後であっても、第3賞球増加演出において全ての賞球数表示の更新が終わっていない場合や、全ての入賞演出を終了していなければ、図47に示すように、特殊入賞口24の閉鎖後、小当り遊技終了後の変動表示やさらに次の小当り遊技においても、第3賞球増加演出や入賞演出を継続して実行可能である。
なお、上記第2実施形態や変形例における賞球数増加演出を第1実施形態における賞球数表示の処理として適用してもよい。
[その他の変形例等]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
上記の各実施の形態では、履歴アイコンの表示のさせ方として、どこまでの区間とするかにより様々なパターンが考えられる。例えば、複数種類の大当りが設けられている場合に大当り毎に履歴アイコンを表示してもよいし、第2KT状態に移行する大当りについては、大当りと第2KT状態とを1区間としてもよいし、第2KT状態から次の大当りまでを1区間としてもよい。より具体的には、「16R確変大当り+第2KT状態+6R確変大当り」、「16R確変大当り+第2KT状態+4R通常大当り」のように区間を区切り履歴アイコンを表示してもよい。また、「16R確変大当り+第2KT状態+16R確変大当り+第2KT状態」、「4R通常大当り」のように区間を区切り履歴アイコンを表示してもよい。また、「16R確変大当り」、「第2KT状態+16R確変大当り」、「第2KT状態+4R通常大当り」のように区間を区切り履歴アイコンを表示してもよい。また、「16R確変大当り+第2KT状態+16R確変大当り+第2KT状態+6R確変大当り」、「16R確変大当り+第2KT状態」、「4R通常大当り」のように区間を区切り履歴アイコンを表示してもよい。つまり、第2KT状態となる大当りの前後や第2KT状態とならない大当りの前後や第2KT状態の前後等において区間を区切るようにするのが望ましい。
また、上記の各実施の形態では、複数回の大当りが連続した場合(いわゆる連荘時)において、連荘終了時に表示される結果表示では、大当り中に獲得した賞球数と、第2KT状態中のみにおいて獲得した賞球数と、総獲得数表示とを別々に画面上に大きく表示するようにしてもよい。これにより、どの遊技状態においてどのくらいの遊技球を獲得できたのかを認識することができる。
また、上記の各実施の形態では、履歴アイコンを段階的に変化させる獲得数の区間を次のようにしてもよい。例えば、前回の大当りでの獲得数+第2KT状態中の獲得数+第2KT状態終了後の大当りでの獲得数の区間を変化させる区間の対象としてもよい。また、それ以外の区間であってもよく、区間によって変化するための獲得数が異なるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、一般入賞口に入賞した賞球を獲得数として加算するようにしてもよい。そして、第2KT状態が終了したときの大当りの終了時において、一般入賞口における賞球数も踏まえて組合せ演出を実行してもよい。
また、上記の各実施の形態では、メイン表示装置とサブ表示装置とを設け、賞球表示の処理をいずれか一方または両方の表示装置において実行するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、組合せ演出の開始タイミングとして大当りの開始時のタイミング以外のタイミングであってもよい。例えば、組合せ演出の開始タイミングとして、第2KT状態終了時(大当り開始前)のタイミング、第2KT状態に突入しない大当りの終了時のタイミングであってもよい。なお、第2KT状態に突入しない大当りにおいては、履歴アイコンに大当り中に獲得した賞球数を合わせて表示するようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、第2KT状態で獲得した賞球が所定数未満のときには、組合せ演出を実行しないようにしてもよい。このような場合であっても総獲得数表示は表示することが望ましい。また、組合せ演出が実行されるときと、実行されないときとで総獲得数表示の表示態様を異ならせてもよい。また、第2KT状態における賞球数によらず組合せ演出を実行するものにおいて、獲得総数の違いにより組合せ演出の態様を異ならせてもよい。なお、賞球が所定数とは、次のような値である。例えば、約1/48の大当りが発生するまでに約1/4で小当りとなるものにおいては約12回の小当りが発生する。よって、1回の小当りで概ね2個入賞すると考えると、12回×2個×15個=360個程度の払出しが想定される。そこで、平均値として約360個を所定数としてもよい。
また、上記の各実施の形態では、履歴アイコンを表示するか否かを遊技者が選択できるようにしてもよい。例えば、デモンストレーション中や大当り遊技中において、履歴アイコンを表示するか否かをプッシュボタンや十字キー等の遊技者が操作可能な操作手段を操作することにより選択可能としてもよい。
また、上記の各実施の形態では、通常想定される1回の小当り遊技状態で獲得できる賞球数よりも多くの賞球があった場合に、演出の表示態様や音の態様を変化させるようにしてもよい。例えば、通常1回の小当りで特殊入賞口に2個の入賞による30個の賞球がある場合においては、特殊入賞口に3個以上の入賞があったときに、通常とは異なる演出の表示態様や音の態様としてもよい。
なお、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ200に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ200に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ200は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ200の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や背景図柄(演出図柄)、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図5に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ200は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、識別情報(例えば、特別図柄、飾り図柄、背景図柄)の可変表示を行い、特定表示結果(例えば大当り表示結果)が導出表示されたときに遊技者に所定の遊技価値を付与する特定状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1、901)であって、前記特定状態を含む複数の遊技状態のいずれかに制御可能な状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、付与された遊技価値(例えば、賞球)に関する表示が可能な表示手段(例えば、演出表示装置9)とを備え、前記状態制御手段は、前記特定表示結果とは異なる所定表示結果(例えば、小当り表示結果)が導出表示されたときに、前記特定状態よりも少ない前記遊技価値を付与可能な所定状態(例えば、小当り遊技状態)に制御可能であり、前記特定状態に制御されたことに基づいて、前記所定状態に制御される頻度が通常状態よりも高い特別状態(例えば、第2KT状態)に制御可能であり、前記表示手段は、前記特別状態中に付与された前記遊技価値と、当該特別状態に制御される前の前記特定状態で付与された前記遊技価値を示す表示とを合わせて表示可能であり(例えば、図34(C)に示すように、第2KT状態中に付与された賞球と、第2KT状態に制御される前の大当り遊技状態で付与された賞球とを合わせて履歴アイコン画像158F002として表示可能である)、さらに、遊技媒体(例えば、遊技球)が流下可能な遊技領域(例えば、右遊技領域96SG002R)に設けられ、普通識別情報(例えば、普通図柄)の可変表示結果に基づいて非所定状態(例えば、閉鎖状態)から該非所定状態よりも遊技媒体が進入し易い所定状態(例えば、開放状態)に変化可能な普通可変装置(例えば、可変入賞球装置96SG006B)と、前記遊技領域に設けられ、前記識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示結果として前記特定表示結果(例えば大当り表示結果)が導出表示されたときに非容易状態(例えば、閉鎖状態)から該非容易状態よりも遊技媒体が進入し易い容易状態(例えば、開放状態)に変化可能な特別可変装置(例えば、特別可変入賞球装置96SG007)と、を備え、前記状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560や、CPU90103が図52に示す特別図柄プロセス処理や図55−9に示す普通図柄プロセス処理を実行する部分)は、前記普通可変装置が前記所定状態に変化する頻度が非特別状態(例えば、低ベース状態)よりも高い特別状態(例えば、高ベース状態)と、前記特別可変装置が前記容易状態に変化する前記特定状態(例えば、大当り遊技状態)とに制御可能であり、前記特定状態に制御しているときに前記非特別状態とし、前記遊技領域における前記特別可変装置の上流位置には、遊技媒体の進入によって普通識別情報の可変表示が実行可能となるとともに該進入した遊技媒体が該遊技領域外に排出される特別領域が設けられている(例えば、図55−1に示すように、右遊技領域96SG002Rにおいて、特別可変入賞球装置96SG007の上流位置に普図始動入賞口96SG042が設けられている部分)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、特定状態中に獲得した遊技価値を示す表示と、特別状態中に獲得した遊技価値を示す表示との制御を好適に実行することができる。また、射幸性の上昇を抑えることができる。
また、特別領域を特別可変装置の上流位置に設けない場合に比べて、特定状態中において特別可変装置への遊技媒体の進入個数が所定個数に達するまでの時間が長くなり、特定状態に制御される期間、および、特定状態中に獲得した遊技価値を示す表示が所定値(当該特定状態において獲得可能な上限値)に達するまでの期間が長くなるため、射幸性の上昇を抑えつつ、遊技者に、より長い期間、特定状態中に獲得した遊技価値を示す表示が所定値に達するまでの状況を楽しませることができる。
なお、特定状態中や特別状態中に獲得した遊技価値を示す表示の更新は、特別可変装置への遊技媒体の進入の都度行うようにしてもよいし、所定期間毎(例えば、特定状態中であれば各ラウンド終了毎、特別状態中であれば所定回数の可変表示結果導出表示毎)にまとめて行うようにしてもよい。所定期間毎にまとめて行うようにすれば、特定状態中や特別状態中に獲得した遊技価値を示す表示が所定期間毎に一気に更新されるため、遊技者に、特定状態中や特別状態中に獲得した遊技価値を示す表示の更新態様を楽しませることができる。
さらに、特定状態中に獲得した遊技価値を示す表示と、特別状態中に獲得した遊技価値を示す表示との制御を好適に実行することができ、また、射幸性の上昇を抑えることができる遊技機の形態の一例として、普通識別情報(例えば、普通図柄)の可変表示と、特別識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示とを実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、遊技媒体(例えば、遊技球)が流下可能な遊技領域(例えば、右遊技領域96SG002R)に設けられ、普通識別情報の可変表示結果にもとづいて非所定状態(例えば、閉鎖状態)から該非所定状態よりも遊技媒体が進入し易い所定状態(例えば、開放状態)に変化可能な普通可変装置(例えば、可変入賞球装置96SG006B)と、前記遊技領域に設けられ、特別識別情報の可変表示結果にもとづいて非容易状態(例えば、閉鎖状態)から該非容易状態よりも遊技媒体が進入し易い容易状態(例えば、開放状態)に変化可能な特別可変装置(例えば、特別可変入賞球装置96SG007)と、前記普通可変装置が前記所定状態に変化する頻度が非特別状態よりも高い特別状態(例えば、高確高ベース状態や低確高ベース状態)と、前記特別可変装置が前記容易状態に変化する有利状態(例えば、大当り遊技状態)とに制御可能な遊技制御手段(例えば、CPU90103が図52に示す特別図柄プロセス処理を実行する部分)と、を備え、前記遊技制御手段は、前記有利状態に制御しているときに前記非特別状態とし(例えば、いずれの大当り種別の大当り遊技中においても時短制御が実行されない部分)、前記遊技領域における前記特別可変装置の上流位置には、遊技媒体の進入によって普通識別情報の可変表示が実行可能となるとともに該進入した遊技媒体が該遊技領域外に排出される特別領域が設けられている(例えば、図55−1に示すように、右遊技領域96SG002Rにおいて、特別可変入賞球装置96SG007の上流位置に普図始動入賞口96SG042が設けられている部分)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図48は、パチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図48に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置904A及び第2特別図柄表示装置904Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置905は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置905には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置905の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置905の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤902の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられ、第1保留表示器9025Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器9025Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置905の下方には、入賞球装置906Aと、可変入賞球装置906Bとが設けられている。
入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置906B(普通電動役物)は、ソレノイド9081(図49参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置906Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置906Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置906Bは、ソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置906Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤902の所定位置(図48に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口9010が設けられる。この場合には、一般入賞口9010のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置906Aと可変入賞球装置906Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、ソレノイド9082(図49参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口9010に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口9010を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤902の所定位置(図48に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置905の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート9041が設けられている。遊技球が通過ゲート9041を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ909が設けられている。遊技効果ランプ909は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤902の所定位置(図48では図示略)には、演出に応じて動作する可動体9032が設けられている。
遊技機用枠903の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)9030が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ9031Aに対する操作は、コントローラセンサユニット9035A(図49参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bに対する操作は、プッシュセンサ9035B(図49参照)により検出される。
パチンコ遊技機901では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機901が備える打球操作ハンドル9030への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート9041を通過すると、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート9041を通過した場合(遊技球が通過ゲート9041を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置906Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置907により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機901が、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機901では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置905に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ908L、908Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ909の点等/消灯、可動体9032の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置905の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機901では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機901が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機901には、例えば図49に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014、中継基板9015などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板9011は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100、スイッチ回路90110、ソレノイド回路90111などを有する。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)90101と、RAM(Random Access Memory)90102と、CPU(Central Processing Unit)90103と、乱数回路90104と、I/O(Input/Output port)90105とを備える。
CPU90103は、ROM90101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板9011の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM90101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90102がメインメモリとして使用される。RAM90102は、その一部または全部がパチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM90101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM90102に展開して、RAM90102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路90104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU90103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O90105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路90110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ9021、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ9022Aおよび第2始動口スイッチ9022B)、カウントスイッチ9023)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路90111は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド9081やソレノイド9082をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド9081や大入賞口扉用のソレノイド9082に伝送する。
主基板9011(遊技制御用マイクロコンピュータ90100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板9012に供給する。主基板9011から出力された演出制御コマンドは、中継基板9015により中継され、演出制御基板9012に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板9011における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体9032の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板9012には、演出制御用CPU90120と、ROM90121と、RAM90122と、表示制御部90123と、乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
演出制御用CPU90120は、ROM90121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部90123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板9012の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM90121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM90122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU90120は、コントローラセンサユニット9035Aやプッシュセンサ9035Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部90123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU90120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部90123は、演出制御用CPU90120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置905に供給することで、演出画像を画像表示装置905に表示させる。表示制御部90123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ909の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板9013に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板9014に供給したりする。また、表示制御部90123は、可動体9032を動作させる信号を当該可動体9032又は当該可動体9032を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板9013は、スピーカ908L、908Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ908L、908Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ908L、908Rから出力させる。
ランプ制御基板9014は、遊技効果ランプ909を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ909を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ909を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部90123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体9032の制御(可動体9032を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU90120が実行するようにしてもよい。
乱数回路90124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU90120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板9012に搭載されたI/O90125は、例えば主基板9011などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、主基板9011以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機901のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。
(主基板9011の主要な動作)
まず、主基板9011における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機901に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理が実行される。図50は、主基板9011におけるCPU90103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図50に示す遊技制御メイン処理では、CPU90103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS902)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM90102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS903)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS903;Yes)、初期化処理(ステップS908)を実行する。初期化処理では、CPU90103は、RAM90102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU90103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS909)。演出制御用CPU90120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置905において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS903;No)、RAM90102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS904)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機901への電力供給が停止したときには、CPU90103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM90102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM90102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS904では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM90102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS904;No)、初期化処理(ステップS908)を実行する。
RAM90102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS904;Yes)、CPU90103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS905)。ステップS905では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM90102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM90102のデータが正常であると判定する。
RAM90102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS905;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS908)を実行する。
RAM90102のデータが正常であると判定された場合(ステップS905;Yes)、CPU90103は、主基板9011の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS906)を行う。復旧処理では、CPU90103は、RAM90102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU90103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信する(ステップS907)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU90120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置905において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU90120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板9012に演出制御コマンドを送信した後には、CPU90103は、乱数回路90104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS9010)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS9011)、割込みを許可する(ステップS9012)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図51のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図51に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS9021)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS9022)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS9023)。
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS9024)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS9025)。CPU90103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS9026)。CPU90103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ9021からの検出信号に基づく(通過ゲート9041に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置906Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器9020を駆動することにより行われ、普図保留表示器9025Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS9027)。CPU90103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS9027のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図52は、特別図柄プロセス処理として、図51に示すステップS9025にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM90102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板9012に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図51に示すステップS9027のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。
S90101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、RAM90102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S90120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS90110〜S90120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板9012に送信するための送信設定が行われる。
ステップS90110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM90101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板9011における他の決定、演出制御基板9012における各種の決定についても同じである。演出制御基板9012においては、各種のテーブルがROM90121に格納されている。
ステップS90111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS90112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS90113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS90114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS90115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS90116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り開放後処理は終了する。
ステップS90117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS90118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS90119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS90120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機901における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板9012の主要な動作)
次に、演出制御基板9012における主要な動作を説明する。演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、図53のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図53に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS9071)、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS9072)。初期動作制御処理では、可動体9032を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体9032の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS9073)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS9073;No)、ステップS9073の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM90122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS9073にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS9073;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS9074)、コマンド解析処理を実行する(ステップS9075)。コマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM90122の所定領域に格納したり、RAM90122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部90123に指示してもよい。
ステップS9075にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS9076)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ909及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体9032の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS9076の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS9077)、演出制御基板9012の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS9073の処理に戻る。ステップS9073の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図54は、演出制御プロセス処理として、図53のステップS9076にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図54に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU90120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS90161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板9011から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS90161の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、例えばRAM90122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS90170〜S90177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部90123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部90123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部90123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置905において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、表示制御部90123を指示することで、ステップS90171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、可動体9032を駆動させること、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板9011から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS90174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板9011から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS90175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS90176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板9011から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS90177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機901に限定されず、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機901は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機901を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にもこの発明を適用可能である。
この発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機901に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、この発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(この実施の形態における特徴部の説明)
次に、この実施の形態の特徴部について説明する。図55−1は、この実施の形態におけるパチンコ遊技機901の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901の遊技盤902における画像表示装置905の左側は、遊技球が流下可能な左遊技領域96SG002Lに形成されており、遊技盤902における画像表示装置905の右側は、遊技球が流下可能な右遊技領域96SG002Rに形成されている。
左遊技領域96SG002Lは、打球操作ハンドル9030の操作によって比較的弱く打ち出された(左打ち)遊技球が流下する遊技領域であり、右遊技領域96SG002Rは、打球操作ハンドル9030の操作によって左遊技領域96SG002Lを流下する遊技球よりも強く打ち出された(右打ち)遊技球が、画像表示装置905の上方経路96SG002Cを通過して流下する遊技領域である。
また、左遊技領域96SG002Lには、2つの一般入賞口9010が配置されており、右遊技領域96SG002Rには、該右遊技領域96SG002Rの上流方から下流側にかけて、通過ゲート96SG041、可変入賞球装置96SG006B、遊技球が入賞することによって普通図柄の始動条件が成立する普図始動入賞口96SG042、特別可変入賞球装置96SG007が順番に配置されている。つまり、左遊技領域96SG002Lを流下する遊技球は、一般入賞口9010と入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口に入賞可能となっており、右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球は、可変入賞球装置96SG006Bが形成する第2始動入賞口、普図始動入賞口96SG042及び特別可変入賞球装置96SG007が形成する大入賞口に入賞可能となっているとともに、通過ゲート96SG041を通過可能となっている。つまり、右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球は、最初に通過ゲート96SG041を通過可能となっており、次いで第2始動入賞口、普図始動入賞口96SG042、大入賞口の順に入賞可能となっている。
尚、この実施の形態におけるスイッチ回路90110には、通過ゲート96SG041を通過する遊技球を検出するためのゲートスイッチ9021や、第1始動入賞口に入賞する遊技球を検出するための第1始動口スイッチ9022A、第2始動入賞口に入賞する遊技球を検出するための第2始動口スイッチ9022Bの他、大入賞口に入賞する遊技球を検出するための第1カウントスイッチ96SG023A、一方の一般入賞口9010に入賞する遊技球を検出するための第2カウントスイッチ96SG023B、他方の一般入賞口9010に入賞する遊技球を検出するための第3カウントスイッチ96SG023C、普図始動入賞口96SG042に入賞する遊技球を検出するための普図始動口スイッチ96SG023Dが接続されている。
尚、一般入賞口9010や第1始動入賞口、第2始動入賞口、普図始動入賞口96SG042、大入賞口に入賞した遊技球は、各スイッチ(第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、第1カウントスイッチ9023A、第2カウントスイッチ9023B、第3カウントスイッチ9023C、普図始動口スイッチ96SG03D)にて検出された後、パチンコ遊技機901外に排出される。
図55−1に示すように、入賞球装置906Aと可変入賞球装置96SG006B、普図始動入賞口96SG042、特別可変入賞球装置96SG007の間には、複数の障害釘96SGK1が配設されている。このため、左遊技領域96SG002Lを流下する遊技球は、第2始動入賞口、普図始動入賞口96SG042、大入賞口に入賞不能であるとともに、右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球は、第1始動入賞口及び一般入賞口9010に入賞不能となっている。
このように、この実施の形態では、大当り遊技中や時短状態中に遊技者が遊技球を右遊技領域96SG002Rに向けて打ち出すことにより、これら右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球が第2始動入賞口、普図始動入賞口96SG042、大入賞口に入賞可能となっている。更に、大当り遊技中においては、これら右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球の一部は、大入賞口に入賞するよりも前に普図始動入賞口96SG042に入賞するため、大当り遊技における1ラウンドあたりに要する期間の長期化を図ることが可能となっている。
更に、右遊技領域96SG002Rにおける普図始動入賞口96SG042の周囲には、複数の障害釘96SGK2,96SGK3が配設されている。つまり、この実施の形態では、大当り遊技中における普図始動入賞口96SG042への入賞球数をこれら障害釘96SGK2,96SGK3によって調整することによって、大当り遊技における1ラウンドあたりに要する期間を適宜調整することが可能となっている。
図55−2(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図55−2(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図55−2(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果指定コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果指定コマンドでは、例えば図55−2(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
変動表示結果指定コマンドでは、例えば図55−2(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第5変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を通知する第6変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア905L,905C,905Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機901における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機901における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技や小当り遊技の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技や小当りの終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果指定コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果指定コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や高速開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ9022Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、可変入賞球装置96SG006Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ9022Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、特図保留記憶数を特定可能とするために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、特図保留記憶数を特定可能とするために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。即ち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC3XXHは、各入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて払い出される賞球数を特定可能とするための賞球数通知コマンドである。図55−4に示すように、第1特別図柄の始動対象である第1始動入賞口に遊技球が入賞した場合は、該入賞にもとづいて賞球が4球払い出されるとともに、賞球数通知コマンドとしてC301Hが演出制御基板9012に対して出力されるようになっている。また、第2特別図柄の始動対象である第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合は、該入賞にもとづいて賞球が1球払い出されるとともに、賞球数通知コマンドとしてC302Hが演出制御基板9012に対して出力されるようになっている。また、普通図柄の始動対象である普図始動入賞口96SG042に遊技球が入賞した場合は、該入賞にもとづいて賞球が2球払い出されるとともに、賞球数通知コマンドとしてC303Hが演出制御基板9012に対して出力されるようになっている。
そして、大入賞口に遊技球が入賞した場合は、該入賞にもとづいて賞球が14球払い出されるとともに、賞球数通知コマンドとしてC304Hが演出制御基板9012に対して出力されるようになっており、一般入賞口9010に遊技球が入賞した場合は、該入賞にもとづいて賞球が5球払い出されるとともに、賞球数通知コマンドとしてC305Hが演出制御基板9012に対して出力されるようになっている。
尚、この実施の形態では、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した際の賞球数が2球である形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した際の賞球数は、後述するように、大当り遊技中における大入賞口への入賞に伴う賞球数に与える影響が少ない数であれば1球のみや3球以上であってもよい。
図55−2(A)に戻り、C400Hは、遊技球が通過ゲート96SG041を通過したことを通知するためのゲート通過通知コマンドである。
図55−3は、主基板9011の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図55−3に示すように、この実施の形態では、主基板9011の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1´、大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´、普図表示結果判定用の乱数値MR4´のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路90104は、これらの乱数値MR1´〜MR4´の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU90103は、例えば図55−8に示す遊技制御カウンタ設定部96SG154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路90104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1´〜MR4´の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1´は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2´は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」、「非確変大当り」、のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3´は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4´は、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図はずれ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
図55−5は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、この実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、この発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
尚、この実施の形態における変動パターンには、変動表示結果が「小当り」または変動表示結果が「大当り」であり大当り種別が「確変大当りC」である場合に対応する特殊当りの変動パターン(PC1´−1)も含まれている。
図55−5に示すように、この実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、この実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、この実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、この実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3´のみを用いて決定するようにしているが、この発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3´に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図55−6(A)は、ROM90101に記憶される特図表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の特図表示結果判定テーブルを用いているが、この発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の特図表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
特図表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1´に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
この実施の形態における特図表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1´と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
特図表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1´と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。この実施の形態における特図表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機901において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(この実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(この実施例では約1/30)。即ち、特図表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図55−7は、ROM90101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。この実施の形態における大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2´に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2´と比較される数値(判定値)が、「非確変大当り」や「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、この実施の形態における大当り種別について、図55−7(B)を用いて説明すると、この実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において高確制御が実行されるが時短制御が実行されない高確低ベース状態に移行する確変大当りCと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置96SG007を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置96SG007を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。また、「非確変大当り」による大当り遊技状態は、特別可変入賞球装置96SG007を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。更に、「確変大当りC」による大当り遊技は、特別可変入賞球装置96SG007を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが2回(いわゆる2ラウンド)繰り返し実行されるとともに、各ラウンドでの特別可変入賞球装置96SG007の開放期間が他の大当り遊技よりも短い(例えば、0.1秒)高速開放大当りである。尚、いずれの大当り種別の大当り遊技中においても、確変制御や時短制御は実行されないようになっている。
また、特に図示はしないが、この実施の形態における小当り遊技状態は、特別可変入賞球装置96SG007を遊技者にとって有利な第1状態に2回変化させるとともに、該開放時間が確変大当りCと同じ開放期間(この実施の形態では0.1秒)となっている。尚、小当り遊技の終了後は、該小当り遊技直前の遊技状態が引き継がれる。
つまり、この実施の形態においては、変動表示結果が「確変大当りC」となった場合と「小当り」となった場合とでは、同じ変動パターン(図55−5に示すPC1´−1)にて変動表示が実行されるとともに、特別可変入賞球装置96SG007の開放パターンが同一となっているため、確変大当りCの大当り遊技や小当り遊技の終了後、遊技者に対して確変制御が実行されていることに期待させつつ遊技を続行させることが可能となっている。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(この実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図55−7(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」、「確変大当りB」、「確変大当りC」、「非確変大当り」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。即ち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」や「確変大当りC」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」や「確変大当りC」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」や「確変大当りC」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」や「確変大当りC」としてラウンド数の少ない通常開放大当り状態や高速開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、可変入賞球装置96SG006Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図55−7(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、前述したように、「確変大当りB」や「確変大当りC」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」や「確変大当りC」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」や「確変大当りC」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
この実施の形態におけるRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図55−8に示すような遊技制御用データ保持エリア96SG150が設けられている。図55−8に示す遊技制御用データ保持エリア96SG150は、第1特図保留記憶部96SG151Aと、第2特図保留記憶部96SG151Bと、普図保留記憶部96SG151Cと、遊技制御フラグ設定部96SG152と、遊技制御タイマ設定部96SG153と、遊技制御カウンタ設定部96SG154と、遊技制御バッファ設定部96SG155とを備えている。
第1特図保留記憶部96SG151Aは、入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部96SG151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1´や大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部96SG151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部96SG151Bは、可変入賞球装置96SG006Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部96SG151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1´や大当り種別判定用の乱数値MR2´、変動パターン判定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部96SG151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部96SG151Cは、通過ゲート96SG041を通過した遊技球がゲートスイッチ9021によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器9020により開始されていない普図ゲームの保留情報と、普図始動入賞口96SG042に入賞した遊技球が普図始動口スイッチ96SG023Dによって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器9020により開始されていない普図ゲームの保留情報と、を記憶する。例えば、普図保留記憶部96SG151Cは、遊技球が通過ゲート96SG041や普図始動入賞口96SG042を通過(入賞)した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部96SG152には、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部96SG152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部96SG153には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部96SG153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部96SG154には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部96SG154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部96SG154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU90103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部96SG154のランダムカウンタには、乱数回路90104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2´〜MR4´を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU90103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU90103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路90104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路90104から抽出された数値データの全部または一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部96SG155には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部96SG155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図55−9は、普通図柄プロセス処理として、図51に示すS9026にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、普通図柄始動入賞判定処理を実行する(96SGS300)。
該普通図柄始動入賞処理を実行した後、CPU90103は、遊技制御フラグ設定部96SG152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、96SGS301〜96SGS307の処理のいずれかを選択して実行する。
96SGS300の普通図柄始動入賞処理では、図55−10に示すように、CPU90103は、まず、通過ゲート96SG041に設けられているゲートスイッチ9021からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ9021がオンであるか否かを判定する(96SGS311)。ゲートスイッチ9021がオンであれば(96SGS311;Y)、普図保留記憶部96SG151Cを参照して普図保留記憶数が所定の上限値(例えば、上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(96SGS312)。普図保留記憶数が上限値ではないときには(96SGS312;N)、遊技球が通過ゲート96SG041を通過したことを示すゲート通過フラグをセットして96SGS317に進む(96SGS313)。
96SGS311にてゲートスイッチ9021がオフである場合(96SGS311;N)や96SGS312にて普図保留記憶数が上限値であるとき(96SGS312)は、普図始動口スイッチ96SG024がオンであるか否かを判定する(96SGS314)。普図始動口スイッチ96SG024がオンであれば(96SGS314;Y)、普図保留記憶部96SG151Cを参照して普図保留記憶数が所定の上限値(例えば、上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(96SGS315)。普図保留記憶数が上限値ではないときには(96SGS315;N)、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞したことを示す普図始動口入賞フラグをセットして96SGS317に進む(96SGS316)。
尚、普図始動口スイッチ96SG024がオフである場合(96SGS314;N)や普図保留記憶数が上限値である場合(96SGS315;Y)は、普通図柄始動入賞処理を終了する。
96SGS317においてCPU90103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部96SG154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、普図表示結果判定用の乱数値MR4´を示す数値データを抽出する(96SGS317)。こうして抽出した数値データは、普図保留記憶部96SG151Cにおける空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(96SGS318)。
そして、CPU90103は、普図始動口入賞フラグがセットされているか否かを判定する(96SGS319)。普図始動口入賞フラグがセットされている場合は(96SGS319;Y)、該普図始動口入賞フラグをクリアするとともに(96SGS320)、普図始動入賞口への入賞に応じた賞球数通知コマンド(C303H)の送信設定を行って普通図柄始動入賞処理を終了する(96SGS321)。
また、普図始動入賞フラグがセットされていない場合(96SGS319;N)は、更にゲート通過フラグがセットされているか否かを判定する(96SGS322)。ゲート通過フラグがセットされていない場合(96SGS322;N)は、普通図柄始動入賞処理を終了し、ゲート通過フラグがセットされている場合(96SGS322;Y)は、該ゲート通過フラグをクリアするとともに(96SGS323)、ゲート通過通知コマンドの送信設定を行って普通図柄始動入賞処理を終了する(96SGS324)。
尚、96SGS321の処理において送信設定された賞球数通知コマンドや96SGS324の処理において送信設定されたゲート通過通知コマンドは、CPU90103がコマンド制御処理(図51参照)を実行することによって演出制御基板9012に対して出力(送信)される。このようにこの実施の形態における普通図柄始動入賞処理においては、遊技球が通過ゲート96SG041を通過したか普図始動入賞口96SG042に入賞したかに応じて異なるコマンドを演出制御基板9012に対して送信するようになっている。
図55−9に示すように、S96SGS301の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部96SG151Cに記憶されている保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、普通図柄通常処理では、普図表示結果判定用の乱数値MR4´を示す数値データに基づき、普通図柄の変動表示結果を「当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。更に、普通図柄通常処理では、普図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果に対応して、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける確定普通図柄(当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。普通図柄通常処理では、普通図柄の変動表示結果を事前決定したときに、普図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
96SGS302の普通図柄変動パターン設定処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動パターン設定処理には、遊技状態が時短状態であるか否かなどに基づき、普通図柄の変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。普通図柄変動パターン設定処理が実行されて普通図柄の変動表示が開始されたときには、普図プロセスフラグの値が“2”に更新される。例えば、この実施の形態では、遊技状態が時短状態(高確高ベース状態や低確高ベース状態)である場合は、普通図柄変動パターン(普通図柄の変動時間)を1秒に決定し、遊技状態が非時短状態(低確低ベース状態や高確低ベース状態)である場合は、普通図柄変動パターン(普通図柄の変動時間)を3分等の時短状態よりも長い期間に決定すればよい。
96SGS303の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄変動処理には、普通図柄表示器9020において普通図柄を変動させるための設定を行う処理や、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が普通図柄変動パターンに対応する普図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
96SGS304の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通図柄停止処理には、普通図柄表示器9020にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部96SG152に設けられた当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、当りフラグがオンである場合には普図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、当りフラグがオフである場合には、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
96SGS305の普通図柄当り開放前処理は、普図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この普通図柄当り開放前処理には、普通図柄の変動表示結果が「当り」となったことや遊技状態などに基づき、可変入賞球装置96SG006Bを開放状態とする(開放制御を実行する)ための設定を行う処理などが含まれている。例えば、遊技状態が時短状態(高確高ベース状態または低確高ベース状態)である場合には、可変入賞球装置96SG006Bの開放期間を3秒に決定し、遊技状態が非時短状態(低確低ベース状態や高確低ベース状態)である場合は、可変入賞球装置96SG006Bの開放期間を0.1秒等、時短状態である場合よりも遊技球が第2始動入賞口に入賞し難い期間に設定すればよい。
尚、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合は、遊技状態が非時短状態である場合よりも普通図柄の変動時間を短くするとともに、長期間に亘って可変入賞球装置96SG006Bを開放することで遊技球が第2始動入賞口に入賞し易いようにしているが、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が時短状態である場合は、遊技状態が非時短状態である場合よりも普通図柄の変動時間を短くする、遊技状態が非時短状態である場合よりも長期間に亘って可変入賞球装置96SG006Bを開放する、遊技状態が非時短状態である場合よりも可変入賞球装置96SG006Bの開放回数を増やす等の少なくとも1つを実行することで非時短状態よりも遊技球が第2始動入賞口に入賞し易くすればよい。
96SGS306の普通図柄当り開放中処理は、普図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この普通図柄当り開放中処理には、可変入賞球装置96SG006Bを開放状態としてからの経過時間を計測する処理等に基づいて、可変入賞球装置96SG006Bを開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、可変入賞球装置96SG006Bを閉鎖状態に戻すときには、ソレノイド9081に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、普図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
96SGS307の普通図柄当り開放後処理は、普図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この普通図柄当り開放後処理には、可変入賞球装置96SG006Bを開放状態とする回数が可変入賞装置開放回数最大値に達したか否かを判定するための処理が含まれている。可変入賞装置開放回数最大値に達していないときには、普図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、可変入賞装置開放回数最大値に達していないときには、普図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、この実施の形態における演出制御用CPU90120の動作態様について説明する。図55−11は、この実施の形態における演出制御プロセス処理の一部を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において演出制御用CPU90120は、前述した先読予告設定処理(S90161)を実行した後、後述する左打ち報知演出を実行するための左打ち報知演出実行処理(96SGS162)と、後述する普図始動口入賞演出を実行するための普図始動口入賞演出処理(96SGS163)と、画像表示装置905に大当り遊技中に獲得した賞球数を表示するための賞球数表示処理(96SGS164)を実行する。そして、S90170〜S90177のいずれかの処理を実行する。
図55−12は図55−11に示す左打ち報知演出実行処理のフローチャートである。左打ち報知演出実行処理において演出制御用CPU90120は、先ず、左打ち報知演出プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する(96SGS331)。左打ち報知演出プロセスタイマが動作中でない場合(96SGS331;N)は、更にゲート通過通知コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、主基板9011からゲート通過通知コマンドを受信しているか否かを判定する(96SGS332)。尚、ゲート通過通知コマンド受信フラグは、コマンド解析処理(図53参照)において演出制御用CPU90120がゲート通過通知コマンドを受信していると判定した場合にセットされるフラグである。
ゲート通過通知コマンド受信フラグがセットされている場合(96SGS332;Y)は、ゲート通過通知コマンド受信フラグをクリアして96SGS337に進み(96SGS333)、ゲート通過通知コマンド受信フラグがセットされていない場合(96SGS332;N)、更に賞球数通知コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(96SGS334)。尚、賞球数通知コマンド受信フラグは、コマンド解析処理(図53参照)において演出制御用CPU90120が賞球数通知コマンドを受信していると判定した場合にセットされるフラグである。
賞球数通知コマンド受信フラグがセットされていない場合(96SGS334;N)は左打ち報知演出実行処理を終了し、賞球数通知コマンド受信フラグがセットされている場合(96SGS334;Y)、演出制御用CPU90120は、受信した賞球数通知コマンドから賞球数を特定し(96SGS335)、該特定した賞球数が2球、つまり、該賞球は普図始動入賞口96SG042への入賞に応じた賞球であるか否かを判定する(96SGS336)。特定した賞球数が2球以外である場合(96SGS336;N)、つまり、該賞球が一般入賞口9010や大入賞口、第1始動入賞口、第2始動入賞口のいずれかの入賞口への入賞に応じた賞球である場合は、左打ち報知演出実行処理を終了する。また、特定した賞球数が2球である場合(96SGS336;Y)は、96SGS337に進む。
96SGS337において演出制御用CPU90120は、演出プロセスフラグの値が「4」〜「7」のいずれかであるか否か、つまり、大当り遊技中または小当り遊技中であるか否かを判定する。演出プロセスフラグの値が「4」〜「7」のいずれかである場合(96SGS337;N)は、左打ち報知演出実行処理を終了し、演出プロセスフラグの値が「0」〜「3」のいずれかである場合(96SGS337;Y)は、遊技状態を特定する(96SGS338)。尚、遊技状態は、受信している遊技状態指定コマンド等から特定すればよい。
そして、演出制御用CPU90120は、特定した遊技状態が低確低ベース状態であるか否か、つまり、遊技球を左遊技領域96SG002Lに向けて打ち出す遊技状態であるか否かを判定する(96SGS339)。特定した遊技状態が遊技球を右遊技領域96SG002Rに向けて打ち出す高確高ベース状態や低確高ベース状態である場合(96SGS339;N)は、左打ち報知演出実行処理を終了し、特定した遊技状態が低確低ベース状態である場合は、左打ち報知演出に対応したプロセステーブル(左打ち報知演出プロセステーブル)を読み出してセットした後(96SGS340)、選択した左打ち報知演出プロセステーブルのプロセスデータ1における左打ち報知演出プロセスタイマをスタートさせる(96SGS341)。尚、この実施の形態では、左打ち報知演出に対応する左打ち報知演出プロセステーブルが、予めROM90121に記憶されている。
そして演出制御用CPU90120は、セットした左打ち報知演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置905、演出用部品としての遊技効果ランプ909及び演出用部品としてのスピーカ908L,908R等)の制御を開始して左打ち報知演出実行処理を終了する(96SGS342)。
また、96SGS331において左打ち報知演出プロセスタイマが動作中である場合(96SGS331;Y)は、該左打ち報知演出プロセスタイマの値を−1し(96SGS343)、該左打ち報知演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(96SGS344)。左打ち報知演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(96SGS344;N)は、左打ち報知演出プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容に従って演出装置を制御して左打ち報知演出実行処理を終了し(96SGS349)、左打ち報知演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合(96SGS344;Y)は、更にタイマアウトしたのは最後の左打ち報知演出プロセスタイマであるか否かを判定する(96SGS345)。
タイマアウトしたのが最後の左打ち報知演出プロセスタイマでない場合(96SGS345;N)は、左打ち報知演出のプロセスデータの切り替えを行う(96SGS346)。即ち、左打ち報知演出プロセステーブルにおける次に設定されている左打ち報知演出プロセスタイマ設定値を左打ち報知演出プロセスタイマに設定することによって左打ち報知演出プロセスタイマをあらためてスタートさせる(96SGS347)。また、その次に設定されているプロセスデータの内容に従って演出装置に対する制御状態を変更し(96SGS348)、左打ち報知演出実行処理を終了する。
尚、96SGS345において最後の左打ち報知演出プロセスタイマがタイマ合うとした場合(96SGS345;Y)は、左打ち報知演出を終了して左打ち報知演出実行処理を終了する(96SGS350)。
以上のようにこの実施の形態では、遊技状態が低確低ベース状態であるときに遊技球が右遊技領域96SG002Rに打ち込まれるとともに、該遊技球が通過ゲート96SG041を通過または普図始動入賞口96SG042に入賞したことにもとづいて左打ち報知演出が実行され、遊技者に対して遊技球を左遊技領域96SG002Lに向けて打ち出すよう促すことが可能となっている。
図55−13は図55−11に示す普図始動口入賞演出処理のフローチャートである。普図始動口入賞演出処理において演出制御用CPU90120は、先ず、演出プロセスフラグの値が「6」であるか否か、つまり、大当り中演出処理の実行中であるか否かを判定する(96SGS351)。演出プロセスフラグの値が「6」以外である場合(96SGS351;N)は、普図始動口入賞演出処理を終了し、演出プロセスフラグの値が「6」である場合(96SGS351;Y)は、更に大当り種別が非確変大当りまたは確変大当りCであるか否かを判定する(96SGS352)。
大当り種別が非確変大当りまたは確変大当りCである場合(96SGS352;Y)は、普図始動口入賞演出処理を終了し、大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合(96SGS352;N)は、普図始動入賞口への入賞に応じた賞球数通知コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、賞球数が2球であることを示す賞球数通知コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(96SGS353)。
普図始動入賞口への入賞に応じた賞球数通知コマンド受信フラグがセットされている場合(96SGS353;Y)、演出制御用CPU90120は、普図始動口入賞演出に対応したプロセステーブル(普図始動口入賞演出プロセステーブル)を読み出してセットした後(96SGS354)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における普図始動口入賞演出プロセスタイマをスタートさせる(96SGS355)。尚、この実施の形態では、普図始動口入賞演出に対応するプロセステーブルが、予めROM90121に記憶されている。
そして演出制御用CPU90120は、セットした普図始動口入賞演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置5、演出用部品としての遊技効果ランプ909及び演出用部品としてのスピーカ908L,908R)の制御を開始して普図始動口入賞演出処理を終了する(96SGS356)。このように、この実施の形態においては、96SGS352〜96SGS356に示すように、確変大当りAと確変大当りBの大当り遊技中でのみ普図始動口入賞演出を実行可能となっている。更に、この実施例の形態においては、通過ゲート96SG041と普図始動入賞口96SG042とは、どちらも遊技球が通過(入賞)することによって普通図柄の始動条件が成立するが、96SGS353の処理に示すように、遊技球が普図始動入賞口96SGS042に入賞した場合は普図始動口入賞演出が実行される一方で、遊技球が通過ゲート96SG041に進入した場合は普図始動口入賞演出が実行されないようになっている。
尚、96SGS353において普図始動口入賞演出への入賞に応じた賞球数通知コマンド受信フラグがセットされていない場合(96SGS353;N)は、演出制御用CPU90120は、普図始動口入賞演出プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する(96SGS357)。普図始動口入賞演出プロセスタイマが動作中でない場合(96SGS357;N)は普図始動口入賞演出処理を終了し、普図始動口入賞演出プロセスタイマが動作中である場合(96SGS357;Y)は、該普図始動口入賞演出プロセスタイマの値を−1し(96SGS358)、該普図始動口入賞演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(96SGS359)。
該普図始動口入賞演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(96SGS359;N)は、普図始動口入賞演出プロセスタイマの値に対応するプロセスデータの内容に従って演出装置を制御して普図始動口入賞演出処理を終了する(96SGS364)。また、普図始動口入賞演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合(96SGS359;Y)は、該タイマアウトした普図始動口入賞演出プロセスタイマが最後の普図始動口入賞演出プロセスタイマであるか否かを判定する(96SGS360)。
タイマアウトした普図始動口入賞演出プロセスタイマが最後の普図始動口入賞演出プロセスタイマでない場合(96SGS360;N)は、普図始動口入賞演出の普図始動口入賞演出プロセスデータの切り替えを行う(96SGS361)。即ち、普図始動口入賞演出プロセステーブルにおける次に設定されている普図始動口入賞演出プロセスタイマ設定値を普図始動口入賞演出プロセスタイマに設定することによって普図始動口入賞演出プロセスタイマをあらためてスタートさせる(96SGS362)。また、その次に設定されている普図始動口入賞演出プロセスデータにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更し(96SGS363)、普図始動口入賞演出処理を終了する。
尚、96SGS360においてタイマアウトした普図始動口入賞演出プロセスタイマが最後の普図始動口入賞演出プロセスタイマである場合(96SGS360;Y)は、普図始動口入賞演出を終了して普図始動口入賞演出処理を終了する(96SGS365)。
以上のようにこの実施の形態では、大当り遊技中に右遊技領域96SG002Rを大入賞口に向けて流下する遊技球の一部が普図始動入賞口96SG042に入賞する場合があり、該大当り遊技中に遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した場合には、該入賞にもとづいて普図始動口入賞演出が実行されるようになっている。このため、遊技者は、普図始動口入賞演出を知覚することによって、右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球の一部が大入賞口に入賞するよりも前に普図始動入賞口96SG042に入賞したことを認識することが可能となっている。
図55−14は図55−11に示す賞球数表示処理のフローチャートである。賞球数表示処理において演出制御用CPU90120は、先ず、第1賞球数カウンタと第2賞球カウンタの値を画像表示装置905にて表示中であるか否かを判定する(96SGS371)。尚、第1賞球カウンタとは、連荘中における全ての大当りにて払い出された賞球数をカウントするためのカウンタであり、第2賞球カウンタとは、1の大当り遊技中に払い出された賞球数をカウントするためのカウンタである。
第1賞球数カウンタと第2賞球カウンタとの値を画像表示装置905にて表示中でない場合(96SGS371;N)は、更に演出プロセスフラグの値が「6」であるか否か、つまり、大当り中演出の実行中であるか否かを判定する(96SGS372)。大当り中演出の実行中(大当り遊技中)である場合(96SGS372;Y)は、当該大当り遊技の大当り種別が非確変大当りまたは確変大当りCであるか否かを判定する(96SGS373)。当該大当り遊技の大当り種別が非確変大当りまたは確変大当りCである場合(96SGS373;Y)は、賞球数表示処理を終了し、当該大当り遊技の大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合(96SGS373;N)は、画像表示装置905において第1賞球数カウンタと第2賞球数カウンタの値の表示を開始し、賞球数表示処理を終了する(96SGS374)。
また、演出制御用CPU90120は、96SGS371において第1賞球数カウンタと第2賞球数カウンタの値を画像表示装置905にて表示中である場合(96SGS371;Y)は、演出制御用プロセスフラグの値が「7」であるか否か、つまり、エンディング演出の実行中であるか否かを判定する(96SGS375)。演出制御用プロセスフラグの値が「7」以外である場合(96SGS375;N)は、更に賞球数通知コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(96SGS376)。賞球数通知コマンド受信フラグがセットされていない場合(96SGS376;N)は、賞球数表示処理を終了し、賞球数通知コマンド受信フラグがセットされている場合(96SGS376;Y)は、該賞球数通知コマンドから賞球数を特定し(96SGS377)、該特定した賞球数が5球であるか否か、つまり、一般入賞口への入賞に応じた賞球であるか否かを判定する(96SGS378)。
特定した賞球数が5球である場合、つまり、左遊技領域96SG002Lに設けられている一般入賞口9010に遊技球が入賞したことに応じて払い出された賞球である場合(96SGS378;Y)は、賞球数通知コマンド受信フラグをクリアして(第1賞球数カウンタや第2賞球数カウンタの値に該5球の賞球数を加算すること無く)賞球数表示処理を終了する(96SGS381)。また、特定した賞球数が5球以外である場合(96SGS376;N)は、該特定した賞球数を第1賞球数カウンタと第2賞球数カウンタとの値に加算するとともに(96SGS379)、画像表示装置905に表示されている第1賞球数カウンタと第2賞球数カウンタの値の更新表示を行う(96SGS380)。そして、賞球数通知コマンド受信フラグをクリアして賞球数表示処理を終了する(96SGS381)。つまり、この実施の形態では、右打ちを行う(遊技球を右遊技領域96SG002Rに向けて打ち出す)大当り遊技中に左遊技領域96SG002Lに設けられている一般入賞口9010に遊技球が入賞したとしても、画像表示装置905に表示されている賞球数カウンタや第2賞球数カウンタの値は更新表示されないようになっている。
また、96SGS375において演出プロセスフラグの値が「7」である場合(96SGS375;Y)は、画像表示装置905にて第1賞球数カウンタと第2賞球数カウンタの値を表示中であるか否かを判定する(96SGS382)。画像表示装置905にて第1賞球数カウンタと第2賞球数カウンタの値を表示中でない場合(96SGS382;N)は、賞球数表示処理を終了し、画像表示装置905にて第1賞球数カウンタと第2賞球数カウンタの値を表示中である場合(96SGS382;Y)は、画像表示装置905における第1賞球数カウンタと第2賞球数カウンタの値の表示を終了するとともに(96SGS383)、第2賞球数カウンタの値を「0」にリセットして賞球数表示処理を終了する(96SGS384)。
また、96SGS372において演出プロセスフラグの値が「6」以外である場合(96SGS372;N)は、演出制御用CPU90120は、遊技状態を特定し(96SGS385)、該特定した遊技状態が低確低ベース状態であるか否かを判定する(96SGS386)。特定した遊技状態が高確高ベース状態または低確高ベース状態である場合(96SGS386;N)は、賞球数表示処理を終了し、特定した遊技状態が低確低ベース状態である場合(96SGS386;Y)は、更に第1賞球数カウンタに「0」以外の値がセットされているか否かを判定する(96SGS387)。第1賞球数カウンタに「0」がセットされている場合(96SGS387;N)は、賞球数表示処理を終了し、第1賞球数カウンタに「0」以外の値がセットされている場合(96SGS387;Y)は、第1賞球数カウンタの値を「0」にリセットして賞球数表示処理を終了する(96SGS387)。
以上のようにこの実施の形態における大当り遊技中は、第1賞球数カウンタや第2賞球数カウンタの値を画像表示装置905に表示することによって、連荘中の大当り遊技にて払い出された賞球数と、当該大当り遊技にて払い出された賞球数と遊技者が認識できるようになっている。尚、この実施の形態における大当り遊技は、右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球が大入賞口に入賞することによって消化されるので、左遊技領域96SG002Lに設けられている一般入賞口に遊技球が入賞したことに応じた払い出された賞球数は、第1賞球数カウンタや第2賞球数カウンタには反映されないようになっている。
次に、この実施の形態における画像表示装置905の表示態様について図55−15及び図55−16にもとづいて説明する。
先ず、図55−15(A)及び図55−15(B)に示すように、低確低ベース状態において変動表示結果が確変大当りAまたは確変大当りBとなる(変動表示結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りB)と、大当り遊技が開始される。このとき、画像表示装置905では、大当り遊技に応じた演出(大当り中演出)が表示されるとともに、該画像表示装置905の下部において第1賞球数カウンタの値96SG005Aと第2賞球数カウンタの値96SG005Bの表示が開始される。尚、これら第1賞球数カウンタの値96SG005Aや第2賞球数カウンタの値96SG005Bは、遊技球が大入賞口や普図始動入賞口に入賞する毎に加算更新されていく。
また、図55−15(C)に示すように、該大当り遊技中に遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞する毎に、普図始動口入賞演出としてキャラクタ画像96SG005Cが表示される。尚、この実施の形態では、普図始動口入賞演出として画像表示装置905にてキャラクタ画像96SG005Cを表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、普図始動口入賞演出は、画像表示装置905での画像表示、スピーカ908L,908Rからの特定音の出力、遊技効果ランプ909の発光等、遊技者が普図始動入賞口96SG042に入賞したことを遊技者が知覚できる演出であればその形態は問わない。
そして、図55−15(D)〜図55−15(F)に示すように、当該大当り遊技が終了すると、画像表示装置905における第1賞球数カウンタの値96SG005Aと第2賞球数カウンタの値96SG005Bの表示が終了するとともに、遊技状態が高確高ベース状態に移行する。尚、該高確高ベース状態において再び変動表示結果が確変大当りAまたは確変大当りBとなった場合が、再び画像表示装置905に第1賞球数カウンタの値96SG005Aと第2賞球数カウンタの値96SG005Bが表示される。但し、第1賞球数カウンタの値96SG005Aは、前回までの大当り遊技にて払い出された賞球数が引き継がれる一方で、第2賞球数カウンタの値96SG005Bは、「0」にリセットされる。
また、図55−16(A)及び図55−16(B)に示すように、遊技状態が低確低ベース状態であるときに遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合や普図始動入賞口96SG042に入賞した場合、つまり、遊技者が左遊技領域96SG002Lに向けて遊技球を打ち出すべき低確低ベース状態に右遊技領域96SG002Rに向けて遊技球を打出した場合は、これら遊技球が通過ゲート96SG041を通過したことや遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞したことにもとづいて、左打ち報知演出として画像表示装置905の上部において「左打ちに戻してください」等のメッセージ画像96SG005Dが表示される。尚、この実施の形態では、左打ち報知演出として画像表示装置905にてメッセージ画像96SG005Dを表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、左打ち報知演出は、画像表示装置905での画像表示、スピーカ908L,908Rからの特定音の出力、遊技効果ランプ909の発光等、遊技者に対して遊技球を左遊技領域96SG002Lに向けて打ち出すよう促すことができる演出であればその形態は問わない。(表示モニタについての説明)
また、この実施の形態におけるパチンコ遊技機901としては、該パチンコ遊技機901の背面側にベース値等の入賞情報(性能情報)を表示可能な表示モニタ96SG029を設けてもよい。以下、表示モニタ96SG029を設けたパチンコ遊技機901について図55−17〜図55−22にもとづいて説明する。
図55−17に示すように、主基板9011上には表示モニタ96SG029が配置されており、これら主基板9011と表示モニタ96SG029とは、パチンコ遊技機901の背面側において基板ケース96SG201に収納された状態で配置されている。尚、この実施の形態における基板ケース96SG201は透過性を有する樹脂材等によって構成されているため、表示モニタ96SG029の表示は、該基板ケース96SG201を通して視認可能となっている。
また、パチンコ遊技機901の背面側下部には、各入賞口に入賞した遊技球やアウト口に進入した遊技球をパチンコ遊技機901外に排出するためのノズル(排出口)が設けられており、該ノズル内には、パチンコ遊技機901から排出される遊技球を検出する(発射された遊技球を検出する)ための排出口スイッチ96SG025が設けられている。
図55−18に示すように、基板ケース90201には、かしめピン96SG011Bが取り付けられている。このかしめピン96SG011Bが設けられていることにより、主基板9011が基板ケース96SG201に完全に封入された状態となり、主基板9011に対する不正行為を防止するようになっている。基板ケース96SG201は、かしめられた基板ケース(以下「かしめ基板ケース」ともいう)である。
また、基板ケース90201には、主基板9011が封入されたことを証明するための封印シール96SG011Sが貼られている。封印シール96SG011Sは例えば基板ケース96SG201における取り外し部分をまたいで貼られている。封印シール96SG011Sは、主基板9011からは離れた位置に配置されており、表示モニタ96SG029の真正面など、表示モニタ96SG029の視認性が遮られる位置とは異なる位置に配置されている。このように、表示モニタ96SG029は、封印シール96SG011Sによって隠されない位置に配置されている。
表示モニタ96SG029は、第1表示部96SG029A、第2表示部96SG029B、第3表示部96SG029C及び第4表示部96SG029Dを備えている。第1表示部96SG029A〜第4表示部96SG029Dは、いずれも「8」の字を描く7つのセグメントによって構成される7セグメントと、7セグメントの右側方下部に配置されたドットによって構成されている。
表示モニタ96SG029には、性能情報として図55−19(A)に示すリアルタイムベース値と前回累計ベース値とが表示される。尚、項目番号「bL」のリアルタイムベース値とは、通常状態(低確低ベース状態)におけるアウト球60000個毎のベース値(計測中のリアルタイム値)である。より詳細には、リアルタイムベース値は、通常状態において発射された遊技球数であって、60000個に至る迄(0〜59999個)の計測中の遊技球に対する賞球数の割合(%)を示す値である。項目番号「b6」の前回累計ベース値とは、通常状態におけるアウト球60000個毎のベース値(前回計測した累計値)である。より詳細には、前回累計ベース値は、通常状態において発射された遊技球数であって、前回の計測した60000個の遊技球に対する賞球数の割合(%)を示す値である。
尚、この実施の形態におけるパチンコ遊技機901(CPU90103)においては、これらリアルタイムベース値や前回累計ベース値を算出するために、図55−19(B)に示すように、第1一般入賞口(例えば、第2カウントスイッチ96SG023Bが設けられている一般入賞口9010)への入賞による賞球数、第2一般入賞口(例えば、第3カウントスイッチ96SG023Cが設けられている一般入賞口9010)への入賞による賞球数、第1始動入賞口への入賞による賞球数、第2始動入賞口への入賞による賞球数、大入賞口への入賞による賞球数、打ち込まれた遊技球数をそれぞれ集計している。つまり、パチンコ遊技機901では、低確低ベース状態であるときに、図55−19(B)に示す各値を集計し、これら集計した値を用いてリアルタイムベース値や前回累計ベース値を算出・表示するようになっている。
算出したリアルタイムベース値を表示する際には、図55−19(C)に示すように、表示モニタ96SG029の上位2桁(第1表示部96SG029Aと第2表示部96SG029B)にてリアルタイムベースであることを示す「bL.」を表示(点灯)するとともに、下位2桁(第3表示部96SG029Cと第4表示部96SG029D)にて「00」〜「99」の範囲の数値(%)またはリアルタイムベース値が算出されていないことを示す「――」を表示(点灯)する。また、算出した前回累計ベース値を表示する際には、図55−19(C)に示すように、表示モニタ96SG029の上位2桁(第1表示部96SG029Aと第2表示部96SG029B)にて前回累計ベースであることを示す「b6.」を表示(点灯)するとともに、下位2桁(第3表示部96SG029Cと第4表示部96SG029D)にて「00」〜「99」の範囲の数値(%)または前回累計ベース値が算出されていないことを示す「――」を表示(点灯)する。
尚、この実施の形態における非確変大当りの大当り遊技終了後は、確変制御を実行する一方で時短制御を実行しないようになっているが、非確変大当りの大当り遊技終了後は、確変制御と時短制御の両方を実行しないようにしてもよい。しかしながら、このように非確変大当りの大当り遊技終了後に確変制御と時短制御とを実行しないようにする場合は、遊技球が大入賞口に入賞してから第1カウントスイッチ96SG023Aにて検出されるまでにタイムラグが発生するため、大当り遊技が終了してから第1カウントスイッチ96SG023Aにて遊技球が検出されることによって通常状態(低確低ベース状態)におけるベース値(リアルタイムベース値や前回累計ベース値)が正確に算出されない虞がある。
そこで、この実施の形態におけるパチンコ遊技機901(CPU90103)は、図55−20に示すように、非確変大当りの大当り遊技における最終ラウンドにおいて発射された遊技球e,f,gのうち、非確変大当りの大当り遊技における最終ラウンドが終了するとともにエンディング演出が開始されるタイミング(大入賞口扉が閉鎖されたタイミング)t4から該エンディング演出が終了して遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)に制御されるタイミングt6までの期間T4において、タイミングt4から該タイミングt4にて大入賞口に入賞した遊技球が排出口スイッチ96SG025に検出され得る最も遅いタイミングt5までの期間T5(期間T4の長さ>期間T5の長さ)までの間で排出口スイッチ96SG025にて検出される遊技球eについては、通常状態(低確低ベース状態)におけるアウト球(打ち込み玉数)とカウントしない(性能表示の算出に含めない)ことによって、正確なリアルタイムベース値や前回累計ベース値を算出することができる。
また、この実施の形態では、表示モニタ96SG029においてパチンコ遊技機901におけるリアルタイムベース値や前回累計ベース値を表示する形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、表示モニタ96SG029では、パチンコ遊技機901における役物比率(役比)や連続役物比率(役比)等の他の性能情報を表示してもよいし、パチンコ遊技機901にてエラーが発生した場合には、該エラーが発生した旨を表示してもよい。
例えば、パチンコ遊技機901においてエラーが発生した場合には、図55−21(A)に示すように、表示モニタ96SG029の上位2桁を「――」の点滅表示とするとともに、下位2桁を「――」の点灯表示とすることによってエラーの発生を報知すればよい。更に、パチンコ遊技機901においてエラーが発生した際の表示モニタ96SG029の表示態様としては、例えば、図55−21(B)に示すように、上位2桁にて表示を行わないようにしたり、図55−21(C)に示すように、上位2桁目にてエラーを示す「E」の点滅表示を行ったり、図55−21(D)に示すように、上位2桁にてエラー(Err)を想起する「Er」の点滅表示を行ってもよい。
尚、この実施の形態におけるパチンコ遊技機901(CPU90103)は、算出したリアルタイムベース値や前回累計ベース値を表示モニタ96SG029に表示する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これらリアルタイムベース値や前回累計ベース値の表示は、任意に、或いは所定時間で切替可能となっていてもよい。具体的には、図55−22(A)〜図55−22(E)に示すように、表示モニタ96SG029におけるリアルタイムベース値の表示と前回累計ベース値の表示を5秒毎に切り替えればよい。
更に、パチンコ遊技機901にエラーが発生した場合には、表示モニタ96SG029において、エラーが発生したことを示す表示とリアルタイムベース値の表示と前回累計ベース値の表示とを、5秒間隔毎に切り替えることによって、パチンコ遊技機901にエラーが発生している場合においてもリアルタイムベース値や前回累計ベース値を確認可能としてもよい。
以上、この実施の形態におけるパチンコ遊技機901にあっては、図55−1に示すように、右遊技領域96SG002Rにおける特別可変入賞球装置96SG007の上流位置に普図始動入賞口96SG042が設けられているので、大当り遊技中に右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球の一部が大入賞口に入賞するよりも前に普図始動入賞口96SG042に入賞するので、大当り遊技の各ラウンドに要する期間の長期化(大当り遊技に要する期間の長期化)を図ることができるので、短時間で払い出される賞球数が過度に多くなる等の過度に高い不健全な遊技性となってしまうことを防ぐことができ、射幸性の上昇を抑えることができる。更に、大当り遊技中に右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球の一部が普図始動入賞口96SG042に入賞することによって普通図柄の変動表示が実行されるので、第2始動入賞口への入賞機会を増加させることもできる。
特に、パチンコ遊技機901は、射幸性を抑えた健全な遊技を実現するための出玉性能に関する試射試験において以下の出玉率に関する基準を満たす必要がある。尚、出玉率とは、発射された遊技球数に対する払い出された遊技球数(賞球数)の割合であり、1分あたり100球(1時間あたり6000球)発射される遊技機を前提としたものである。
1:短時間(1時間)での出玉率が33%〜220%
2:中時間(4時間)での出玉率が40%〜150%
3:長時間(10時間)での出玉率が50%〜133%
特に短時間での出玉率の基準を満たすためには、大当り遊技中において出玉数(賞球数)を下げるか、ラウンド間のインターバル期間を長くする、盤面のレイアウトや特別可変入賞球装置96SG007を球こぼれし易い構造とする必要がある。しかしながら、これらの対策では遊技者が得られる利益(例えば、本来大当り遊技にて得られる賞球数)が低下してしまうため遊技興趣が低下してしまうという問題がる。そこで、この実施の形態では、特別可変入賞球装置96SG007(大入賞口)の上流位置に普図始動入賞口96SG042を設けることによって、大当り遊技中に右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球の一部が普図始動入賞口96SG042に入賞するようにし、大当り遊技中に遊技者が得ることができる賞球数を損ねることなく大当り遊技に要する期間の長期化の長期化を図り、短時間での出玉率が33%〜220%の範囲内に収まるようにしている。
尚、大当り遊技に要する期間を長期化させる案としては、この実施の形態に記載したように大入賞口の上流位置に普図始動入賞口96SG042を設ける他は、大当り遊技中のラウンド遊技間のインターバル(大入賞口が閉鎖状態である期間)を長く設定したり、大入賞口の周辺にアウト口を設ける等が考えられるが、これらの案を採用した場合には、いたずらに大当り遊技の期間が長期化してしまうことや、大当り遊技中であるにもかかわらず遊技球がアウト口に進入することによって賞球が払い出されないといったことにより遊技興趣が低下してしまうことが考えられる。また、大入賞口の上流位置に普図始動入賞口96SG042ではなく一般入賞口9010を設けることも考えられるが、遊技球が一般入賞口9010に入賞した場合は、該入賞にもとづいて4球以上の賞球を払い出す必要がある。しかしながら、始動入賞口(第1始動入賞口や第2始動入賞口等の特別図柄の始動条件を成立させるための始動入賞口を含む)については賞球数に関する制約が存在しないため、この実施の形態のように大入賞口の上流位置に普図始動入賞口96SG042を設けることによって大当り遊技中の出玉数及び差玉数を低下させること無く、短時間での出玉率の上昇を抑え、射幸性の上昇を抑えることができる。
尚、この実施の形態では、右遊技領域96SG002Rに可変入賞球装置96SG006B、特別可変入賞球装置96SG007、普図始動入賞口96SG042が設けられている形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら可変入賞球装置96SG006B、特別可変入賞球装置96SG007、普図始動入賞口96SG042は、特別可変入賞球装置96SG007の上流位置且つ可変入賞球装置96SG006Bの下流位置に普図始動入賞口96SG042が設けられていれば左遊技領域96SG002Lに設けられていてもよい。
また、右遊技領域96SG002Rにおける普図始動入賞口96SG042の上流位置には通過ゲート96SG041も設けられているので、普図始動入賞口96SG042にとともに普通図柄の変動表示が実行される機会を増加させることができ、射幸性の上昇を抑えつつ遊技興趣の低下も抑えることができる。
尚、この実施の形態では、右遊技領域96SG002Rに通過ゲート96SG041を設ける形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、通過ゲート96SG041は、右遊技領域96SG002Rではなく左遊技領域96SG002Lに設けてもよいし、右遊技領域96SG002Rと左遊技領域96SG002Lの両方に設けてもよい。更に、右遊技領域96SG002Rにおける通過ゲート96SG041を設ける位置は普図始動入賞口96SG042よりも下流側であってもよいし、右遊技領域96SG002Rと左遊技領域96SG002Lのいずれにも通過ゲート96SG041を設けずともよい。
また、図55−1に示すように、右遊技領域96SG002Rには、通過ゲート96SG041の下流位置且つ普図始動入賞口96SG042の上流位置に可変入賞球装置96SG006Bが設けられているので、普通図柄の変動表示が「当り」となった場合には、右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球が普図始動入賞口96SG042や大入賞口に入賞するよりも前に第2始動入賞口に入賞可能となるので、高確高ベース状態や低確高ベース状態における第2始動入賞口への遊技球の入賞効率、すなわち、第2特別図柄の変動効率を高めることができる。
尚、この実施の形態では、右遊技領域96SG002Rにおける通過ゲート96SG041の下流位置且つ普図始動入賞口96SG042の上流位置に可変入賞球装置96SG006Bを設ける形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、右遊技領域96SG002Rにおける可変入賞球装置96SG006Bを設ける位置は、通過ゲート96SG041の上流位置や普図始動入賞口96SG042の下流位置であってもよい。
また、図55−1に示すように、右遊技領域96SG002Rには可変入賞球装置96SG006Bと普図始動入賞口96SG042が設けられている一方で、左遊技領域96SG002Lには一般入賞口9010と入賞球装置906Aが設けられているので、左遊技領域96SG002Lを流下する遊技球によって不当に第2特別図柄や普通図柄の変動表示が実行されてしまうことを防ぐことができる。更に、入賞球装置906Aと特別可変入賞球装置96SG007との間には、右遊技領域96SG002Rと左遊技領域96SG002Lとを仕切る複数の障害釘96SGK1が配設されているので、左遊技領域96SG002Lを流下する遊技球をこれら障害釘96SGK1によって第2始動入賞口、普図始動入賞口96SG042、大入賞口に入賞不能とすることができる。
尚、この実施の形態では、左遊技領域96SG002Lのみに一般入賞口9010を設ける形態を例示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、右遊技領域96SG002Rに一般入賞口9010を設けてもよい。
また、図55−4に示すように、遊技球が各入賞口に入賞した際に払い出される賞球数においては、遊技球が大入賞口に入賞した際に払い出される賞球数が最も多く、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した際に払い出される賞球数は、遊技球が一般入賞口9010に入賞した際に払い出される賞球数よりも少ないので、遊技球が普図始動入賞口に入賞した際に払い出される賞球数が大当り遊技状態において遊技球が各入賞口に入賞した際に払い出される賞球数に及ぼす影響を抑えつつ大当り遊技の期間の長期化を図ることができるので、射幸性の上昇を一層抑えることができる。
尚、この実施の形態におけるパチンコ遊技機901は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)である場合には、遊技者が遊技球を左遊技領域96SG002Lに向けて打ち出すことで第1始動入賞口への入賞を狙い、遊技状態が時短状態(低ベース状態)である場合には、遊技者が遊技球を右遊技領域96SG002Rに向けて打ち出すことで遊技球の通過ゲート96SG041への通過や普図始動入賞口96SG042への入賞を狙い、更に普図当りにもとづいて開放状態に制御された第2始動入賞口への入賞を狙う遊技性となっている。そして、この実施の形態では、遊技状態が通常状態であっても遊技者が遊技球を右遊技領域96SG002Rに向けて打ち出すことで通過ゲート96SG041や普図始動入賞口96SG042に遊技球を通過(或いは入賞)させることで普図当りを発生させ、第2始動入賞口を開放状態に制御可能となっている。
しかしながら遊技状態が通常状態である場合は、通過ゲート96SG041や普図始動入賞口96SG042に遊技球が通過(或いは入賞)したとしても、時短状態である場合と比較して、普図当りが発生する確率が極めて低い(図55−6(B)参照)上、普通図柄の変動時間が長尺となる、第2始動入賞口が開放状態に制御される期間が短い等の理由により遊技球が第2始動入賞口に入賞し難いようになっている。このため、仮に遊技者が通常状態において遊技球を右遊技領域96SG002Rに向けて打ち出したとしても、該遊技球の打ち出しによる第2始動入賞口への入賞が遊技に及ぼす影響が無い(或いは極めて小さい)ようになっている。
更に、大当り遊技状態中においては、遊技者が遊技球を右遊技領域96SG002Rに向けて打ち出すことによって、これら遊技球が大入賞口や通過ゲート96SG041、普図始動入賞口96SG042を通過(或いは入賞)可能となっているが、大当り遊技中は時短制御が実施されていないため、遊技球が通過ゲート96SG041を通過したり、普図始動入賞口96SG042に入賞したとしても、前述の理由(普図当りが発生する確率が極めて低い(図55−6(B)参照)上、普通図柄の変動時間が長尺となる、第2始動入賞口が開放状態に制御される期間が短い等)により時短状態よりも遊技球が第2始動入賞口に入賞し難くなっている。つまり、大当り遊技中は、遊技球が通過ゲート96SG041を通過したり普図始動入賞口96SG042に入賞したことにもとづいて普通図柄の変動表示が実行されたとしても、時短状態と比較して遊技球が第2始動入賞口に極めて入賞し難いため、第2始動入賞口への入賞が大当り遊技中における有利度(出玉率や役物比率等)に影響を与え難くなっている。
尚、この実施の形態では、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した際に払い出される賞球数が、遊技球が一般入賞口9010に入賞した際に払い出される賞球数よりも少ない形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した際に払い出される賞球数は、遊技球が一般入賞口9010に入賞した際に払い出される賞球数よりも多い或いは同数であってもよい。
また、図55−1に示すように、右遊技領域96SG002Rにおける普図始動入賞口96SG042の周囲には、複数の障害釘96SGK2、96SGK3が配設されているので、これら複数の障害釘96SGK2、96SGK3によって大当り遊技中における普図始動入賞口96SG042への入賞球数を調整することができ、大当り遊技における1ラウンドあたりに要する期間を適宜調整することが可能となっている。
尚、この実施の形態では、複数の障害釘96SGK2、96SGK3を用いて普図始動入賞口96SG042への入賞球数を調整する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、障害釘96SGK2、96SGK3以外の部材や、遊技球を普図始動入賞口96SG042側と大入賞口側とに振り分ける振分装置等を用いて普図始動入賞口96SG042への入賞球数を調整してもよい。
また、この実施の形態では、複数の障害釘96SGK2、96SGK3を用いて普図始動入賞口96SG042への入賞球数を調整する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、これら複数の障害釘96SGK2、96SGK3を通過ゲート96SG041の周囲に設けることによって遊技球が通過ゲート96SG041を通過する割合を調整するようにしてもよい。しかしながら、このように通過ゲート96SG041の周囲に障害釘96SGK2、96SGK3を設けることによって遊技球が通過ゲート96SG041を通過する割合を低下させた場合は、可変入賞球装置96SG006Bの開放契機(普通図柄の変動表示結果が「当り」となること)が得られ難くなる、つまり、遊技者にとって不利な状態となり遊技興趣が低下してしまう。そこでこの実施の形態のように通過ゲート96SG041の周囲に障害釘96SGK2、96SGK3を設けないようにすることによって右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球が通過ゲート96SG041を通過し易くし、可変入賞球装置96SG006Bの開放契機を得られやすくすることで遊技興趣の低下を抑えることができる。
また、確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技中は、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞することによって普図始動口入賞演出が実行されるので、遊技者に対して普図始動入賞口96SG042に遊技球が入賞したことを報知することができ、遊技興趣を向上できる。
尚、この実施の形態では、確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技中に遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞することによって普図始動口入賞演出を実行する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技中に普図始動入賞口96SG042に入賞した遊技球に応じて普図始動口入賞演出の演出態様を変化させたり、保留記憶内に変動表示結果が大当りとなる保留記憶が存在するか否かに応じて普図始動口入賞演出の演出態様を異ならせることによって、普図始動口入賞演出の演出態様に対して遊技者を注目させることができるようにしてもよい。
また、右遊技領域96SG002Rにおいて、特別可変入賞球装置96SG007は普図始動入賞口96SG042の下流位置に設けられているので、大当り遊技中に右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球の一部が大入賞口に入賞するよりも前に普図始動入賞口96SG042に入賞可能となるので、普通図柄の変動機会が増加することにより遊技興趣の低下を抑えつつ、大当り遊技の長期化を図ることができる。
尚、この実施の形態では、右遊技領域96SG002Rにおいて、特別可変入賞球装置96SG007が普図始動入賞口96SG042の下流位置に設けられている形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、特別可変入賞球装置96SG007は、右遊技領域96SG002Rにおける普図始動入賞口96SG042の上流位置に設けられていてもよい。
また、大当り遊技終了後に確変制御と時短制御の両方が実行される大当り遊技(大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBの大当り遊技)中においては、普図始動口入賞演出を実行可能である一方、大当り遊技終了後に時短制御のみが実行される大当り遊技(大当り種別が非確変大当りの大当り遊技)や大当り遊技終了後に確変制御のみが実行される大当り遊技(大当り種別が確変大当りCの大当り遊技)中においては、普図始動口入賞演出が実行されることがないので、普図始動口入賞演出に特別感を付与することができ、遊技興趣を向上できる。
尚、この実施の形態では、大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBの大当り遊技中は普図始動口入賞演出を実行可能である一方で、大当り種別が非確変大当りや確変大当りCの大当り遊技においては普図始動口入賞演出を実行しない形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技中であれば大当り種別にかかわらず普図始動口入賞演出を実行可能としてもよい。尚、大当り遊技中であれば大当り種別にかかわらず普図始動口入賞演出を実行可能とする場合は、小当り遊技中に普図始動入賞口96SG042に遊技球が入賞しても普図始動口入賞演出が実行されないこととなる、つまり、確変大当りCの大当り遊技中と小当り遊技中とで普図始動入賞口96SG042に遊技球が入賞したことにより普図始動口入賞演出が実行されるか否かによって遊技状態が確変状態に移行するか否かを遊技者が特定可能となってしまうので、小当り遊技中においても普図始動口入賞演出を実行可能とすることが望ましい。
更に、この実施の形態では、確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技中に遊技球が普図始動入賞口に入賞したことにもとづいて普図始動口入賞演出を実行する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、高確高ベース状態や低確低ベース状態等の大当り遊技状態以外の遊技状態において普図始動入賞口96SG042に遊技球が入賞したことにもとづいて普図始動口入賞演出を実行してもよい。
また、大当り遊技中に遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した場合には普図始動口入賞演出が実行される一方で、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合には普図始動口入賞演出が実行されない、つまり、普図始動入賞口96SG042への入賞に伴う賞球が払い出されたことに応じて普図始動口入賞演出を実行することができるので、賞球の払い出しと普図始動口入賞演出との関連性を明確にすることができ、遊技興趣を向上できる。
尚、この実施の形態では、大当り遊技中に遊技球が通過ゲート96SG041を通過しても何ら演出を実行しない形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技中に遊技球が通過ゲート96SG041を通過したことにもとづいて特定の演出を実行することで、遊技者に対して遊技球が通過ゲート96SG041を通過したことを報知するようにしてもよい。
また大当り遊技中は、画像表示装置905において連荘中における大当りにて払い出された賞球数と、当該大当り遊技中に払い出された賞球数と、を表示するとともに、右打ちにより右遊技領域96SG002Rを流下する遊技球が大入賞口や普図始動入賞口96SG042、第2始動入賞口に入賞したことにもとづいて払い出された賞球数のみが反映され、左打ちにより左遊技領域96SG002Lを流下する遊技球が一般入賞口9010に入賞したことにもとづいて払い出された賞球数が反映されないようになっているので、右打ちを行う大当り遊技状態であるにもかかわらず一般入賞口9010に遊技球が入賞したことにもとづく違和感を遊技者に与えてしまうことを防止できる。
また、この実施の形態では、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合と普図始動入賞口96SG042に入賞した場合とで普通図柄の変動表示が実行可能となるが、図55−2及び図55−4に示すように、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合と普図始動入賞口96SG042に入賞した場合とでCPU90103が演出制御基板9012に対して出力するコマンドが異なっている(遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合にはゲート通過通知コマンド、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した場合は賞球数通知コマンドをそれぞれ出力)するようになっているので、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合と普図始動入賞口96SG042に入賞した場合とでコマンドの送信を適切に実行することができる。
尚、この実施の形態では、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合と普図始動入賞口96SG042に入賞した場合とでCPU90103が演出制御基板9012に対して出力するコマンドを異ならせる形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、CPU90103は、普図始動入賞口96SG042に入賞した場合には演出制御基板9012に対して賞球数通知コマンドを出力する一方で、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合には、演出制御基板9012に対してコマンドを出力しない、または、演出制御基板9012に対してコマンドを出力するための処理を実行しないようにしてもよい。つまり、この発明における「特定領域(通過ゲート96SG041)を遊技媒体が通過したときと、特別領域(普図始動入賞口96SG042)に遊技媒体が進入したときとで、異なる内容の制御情報送信処理を実行する」については、CPU90103が演出制御基板9012に対して送信(出力)するコマンドの内容が異なるのもの、コマンドの送信(出力)を実行しないものを含んでいる。
このように、普図始動入賞口96SG042に入賞した場合にはCPU90103が演出制御基板9012に対して賞球数通知コマンドを出力する一方で、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合には、演出制御基板9012に対してコマンドを出力しない場合は、コマンドを出力する際のCPU90103の制御負荷を抑えることができる。
また、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した場合と遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合とでCPU90103が演出制御基板9012に対して異なるコマンドを出力する場合は、演出制御基板9012(演出制御用CPU90120)に対して遊技球が通過ゲート96SG041と普図始動入賞口96SG042のどちらを通過したかを適切に通知することができる。
更に、CPU90103は、普図始動入賞口96SG042に入賞した場合には演出制御基板9012に対して賞球数通知コマンドを出力する(コマンドを送信するための処理を実行する)一方で、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合には、演出制御基板9012に対してコマンドを出力するための処理を実行しないようにしてもよい。逆に、CPU90103は、普図始動入賞口96SG042に入賞した場合には演出制御基板9012に対してコマンドを出力するための処理を実行しないようにする一方で、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合には、演出制御基板9012に対して遊技球が通過ゲート96SG041を通過した旨を示すコマンドを出力する(該コマンドを送信するための処理を実行する)ようにしてもよい。
また、CPU90103は、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞したことに応じて該普図始動入賞口96SG042への入賞にもとづく賞球数通知コマンドを演出制御基板9012に対して出力するので、CPU90103は、演出制御基板9012に対して遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞したことにもとづく賞球数を適切に通知できる。
尚、この実施の形態では、CPU90103は、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞したことにもとづく賞球数通知コマンドを演出制御基板9012に対して出力することで、演出制御基板9012に対して遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞したことにもとづく賞球数を通知する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、CPU90103は、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した場合は、遊技球が該普図始動入賞口96SG042へ入賞したことに応じたコマンド(普図始動口入賞通知コマンド)を演出制御基板9012に対して出力してもよい。この場合、演出制御基板(演出制御用CPU90120)は、普図始動口入賞通知コマンドを受信したことにもとづいて遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞したことにもとづく賞球数を特定すればよい。更に、演出制御用CPU90120は、大当り遊技状態中に普図始動口入賞通知コマンドを受信したことにもとづいて普図始動口入賞演出を実行する一方で、低確低ベース状態、高確低ベース状態、高確高ベース状態等の大当り遊技状態以外の遊技状態において普図始動口入賞通知コマンドを受信しても普図始動口入賞演出を実行しないようにすればよい。
また、左遊技領域96SG002Lに向けて遊技球を打ち出す通常状態(低確低ベース状態)において遊技球が右遊技領域96SG002Rに設けられている通過ゲート96SG041を通過した場合や普図始動入賞口96SG042に入賞した場合は、CPU90103が演出制御基板9012に対してゲート通過通知コマンドを出力することによって演出制御用CPU90120が左打ち報知演出を実行するので、遊技者に対して遊技球を左遊技領域96SG002Lに向けて打ち出すよう促すことができ、遊技興趣を向上できる。
尚、この実施の形態では、低確低ベース状態において遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合や普図始動入賞口96SG042に入賞した場合に左打ち報知演出を実行して遊技者に対して遊技球を左遊技領域96SG002Lに向けて打ち出すよう促す形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、例えば、右打ちを行う高確高ベース状態、低確高ベース状態、大当り遊技状態において遊技球が左遊技領域96SG002Lに設けられている一般入賞口9010や第1始動入賞口に入賞した場合は、遊技者に対して遊技球を右遊技領域96SG002Rに向けて打ち出すよう促す演出(右打ち報知演出)を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態には、以下に示す第2発明も含まれている。つまり、従来の遊技機としては、例えば、特開2017−63808号公報に記載されているものがある。しかしながら特開2017−63808号公報に記載されている遊技機にあっては、遊技媒体がいずれの特定領域を通過しても何ら演出が実行されず、遊技興趣を向上できないという問題がある。そのため、該問題点に着目した場合に、該問題を解決する第2発明の手段1の遊技機として、
普通識別情報(例えば、普通図柄)の可変表示を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
遊技媒体の通過経路のうちの特定経路(例えば、上方経路96SG002C)を通過する遊技媒体が流下可能な特定遊技領域(例えば、右遊技領域96SG002R)に設けられ、遊技媒体の通過によって普通識別情報の可変表示が実行可能となる特定領域(例えば、通過ゲート96SG041)と、
前記特定遊技領域に設けられ、普通識別情報の可変表示結果にもとづいて非所定状態(例えば、閉鎖状態)から該非所定状態よりも遊技媒体が進入し易い所定状態(例えば、開放状態)に変化可能な普通可変装置(例えば、可変入賞球装置96SG006B)と、
前記特定遊技領域における前記特定領域の下流側に設けられ、非容易状態(例えば、閉鎖状態)から該非容易状態よりも遊技媒体が進入し易い容易状態(例えば、開放状態)に変化可能な特別可変装置(例えば、特別可変入賞球装置96SG007)と、
前記特定遊技領域における前記特定領域の下流側に設けられ、遊技媒体の進入によって普通識別情報の可変表示が実行可能となる特別領域(例えば、普図始動入賞口96SG042)と、
演出を制御可能な演出制御手段(例えば、演出制御用CPU90120が演出制御プロセス処理を実行する部分)と、
を備え、
前記演出制御手段は、前記特別領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて特別演出(例えば、普図始動口入賞演出や画像表示装置905における賞球数表示)を実行可能である
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、特別領域への遊技媒体の進入にもとづいて特別演出が実行されるため、遊技興趣を向上できる。
更には、第2発明の手段2の遊技機として、
特別識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、
特別識別情報の可変表示結果にもとづいて前記特別可変装置が前記容易状態に変化する有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技制御手段(例えば、CPU90103が特別図柄プロセス処理を実行する部分)を備え、
前記特別可変装置は、前記特別領域の下流側に設けられている(例えば、図55−1に示すように、特別可変入賞球装置96SG007が普図始動入賞口96SG042の下流位置に設けられている部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、興趣の低下を抑えつつ、有利状態の長期化を図ることができる。
更には、第2発明の手段3の遊技機として、
特別識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、
特別識別情報の可変表示結果にもとづいて前記特別可変装置が前記容易状態に変化する有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技制御手段(例えば、CPU90103が特別図柄プロセス処理を実行する部分)を備え、
前記特別演出は、前記有利状態にて実行可能な演出であり、
前記有利状態は、第1有利状態(例えば、確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態)と、該第1有利状態とは遊技者にとっての有利度が異なる第2有利状態(例えば、確変大当りCや非確変大当りの大当り遊技状態)と、を含み、
前記演出制御手段は、前記第1有利状態において前記特別演出を実行可能であるが、前記第2有利状態において前記特別演出を実行しない(例えば、図55−13に示すように、確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技中は普図始動口入賞演出を実行可能であるが、確変大当りCや非確変大当りの大当り遊技中は普図始動口入賞演出を実行しない部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、特別演出に特別感を付与することができるので、遊技興趣を向上できる。
更には、第2発明の手段4の遊技機として、
前記特別領域は、遊技媒体の進入にもとづいて遊技価値(例えば、賞球)が付与される領域であって、
前記演出制御手段は、前記特別領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて前記特別演出を実行可能であるが、前記特定領域に遊技価値が進入したことにもとづいて前記特別演出を実行しない(例えば、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞したことにもとづいて普図始動口入賞演出を実行するが、遊技球が通過ゲート96SG041を通過してことにもとづいて普図始動口入賞演出を実行しない部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、の特徴によれば、遊技価値の付与に応じて特別演出を実行することができるので、遊技価値の付与と特別演出の関連性を明確にすることができ、遊技興趣を向上できる。
更には、第2発明の手段5の遊技機として、
特別識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、
前記特定遊技領域以外の遊技媒体が流下可能な所定遊技領域(例えば、左遊技領域96SG002L)に設けられ、遊技媒体の進入にもとづいて遊技価値が付与される所定領域(例えば、一般入賞口9010)と、
特別識別情報の可変表示結果にもとづいて前記特別可変装置が前記容易状態に変化する有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技制御手段(例えば、CPU90103が特別図柄プロセス処理を実行する部分)と、
付与された遊技価値数を表示可能な表示手段(例えば、画像表示装置905)と、
を備え、
前記特別演出は、前記有利状態において前記表示手段に表示されている遊技価値数を更新表示する更新表示演出(例えば、画像表示装置905における賞球数表示)であり、
前記演出制御手段は、前記特別領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて前記更新表示演出を実行するが、前記所定領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて前記更新表示演出を実行しない(例えば、図55−14に示すように、普図始動入賞口や大入賞口、第1始動入賞口、第2始動入賞口への入賞である場合は賞球数表示の更新表示を行い、一般入賞口9010への入賞である場合は賞球数表示を更新しない部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、有利状態であるときに、所定領域に遊技媒体が進入したことにもとづく違和感を遊技者に与えしまうことを防止できる。
また、この実施の形態には、以下に示す第3発明も含まれている。つまり、従来、設定機能付きのパチンコ遊技機として、例えば、特開2017−63808号公報に記載されているものがある。しかしながら、特開2017−63808号公報に記載の遊技機にあっては、遊技媒体がいずれの特定領域を通過しても何ら制御情報の送信が実行されないため、該制御情報の送信(制御情報送信処理)を適切に実行できないという問題がある。そのため、該問題点に着目した場合に、該問題を解決する第3発明の手段1の遊技機として、
普通識別情報(例えば、普通図柄)の可変表示を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、
遊技媒体の通過経路のうちの特定経路(例えば、上方経路96SG002C)を通過する遊技媒体が流下可能な特定遊技領域(例えば、右遊技領域96SG002R)に設けられ、遊技媒体の通過によって普通識別情報の可変表示が実行可能となる特定領域(例えば、通過ゲート96SG041)と、
前記特定遊技領域に設けられ、普通識別情報の可変表示結果にもとづいて非所定状態(例えば、閉鎖状態)から該非所定状態よりも遊技媒体が進入し易い所定状態(例えば、開放状態)に変化可能な普通可変装置(例えば、可変入賞球装置96SG006B)と、
前記特定遊技領域に設けられ、非容易状態(例えば、閉鎖状態)から該非容易状態よりも遊技媒体が進入し易い容易状態(例えば、開放状態)に変化可能な特別可変装置(例えば、特別可変入賞球装置96SG007)と、
前記特定遊技領域に設けられ、遊技媒体の進入によって普通識別情報の可変表示が実行可能となる特別領域(例えば、普図始動入賞口96SG042)と、
遊技の進行を制御可能であり、制御情報を送信するための制御情報送信処理を実行可能な遊技制御手段(例えば、演出制御用CPU90120が演出制御プロセス処理を実行する部分)と、
演出を制御可能な演出制御手段(例えば、演出制御用CPU90120が演出制御プロセス処理を実行する部分)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、前記特定領域を遊技媒体が通過したときと、前記特別領域に遊技媒体が進入したときとで、異なる内容の制御情報送信処理を実行する(例えば、CPU90103は、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した場合には賞球数通知コマンドを送信し、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合にはゲート通過通知コマンドを送信する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、遊技媒体が通過した領域が特定領域であるか特別領域であるかで異なる内容の制御情報送信処理が実行されるので、制御情報送信処理を適切に実行できる。
更には、第3発明の手段2の遊技機として、
普通識別情報(例えば、普通図柄)の可変表示を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、
遊技媒体の通過経路のうちの特定経路(例えば、上方経路96SG002C)を通過する遊技媒体が流下可能な特定遊技領域(例えば、右遊技領域96SG002R)に設けられ、遊技媒体の通過によって普通識別情報の可変表示が実行可能となる特定領域(例えば、通過ゲート96SG041)と、
前記特定遊技領域に設けられ、普通識別情報の可変表示結果にもとづいて非所定状態(例えば、閉鎖状態)から該非所定状態よりも遊技媒体が進入し易い所定状態(例えば、開放状態)に変化可能な普通可変装置(例えば、可変入賞球装置96SG006B)と、
前記特定遊技領域に設けられ、非容易状態(例えば、閉鎖状態)から該非容易状態よりも遊技媒体が進入し易い容易状態(例えば、開放状態)に変化可能な特別可変装置(例えば、特別可変入賞球装置96SG007)と、
前記特定遊技領域に設けられ、遊技媒体の進入によって普通識別情報の可変表示が実行可能となる特別領域(例えば、普図始動入賞口96SG042)と、
遊技の進行を制御可能であり、制御情報を送信するための制御情報送信処理を実行可能な遊技制(例えば、演出制御用CPU90120が演出制御プロセス処理を実行する部分)と、
演出を制御可能な演出制御手段(例えば、演出制御用CPU90120が演出制御プロセス処理を実行する部分)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、前記特定領域を遊技媒体が通過したときと、前記特別領域に遊技媒体が進入したときとで、制御情報送信処理の実行の有無が異なる(例えば、CPU90103は、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した場合には賞球数通知コマンドを送信し、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合にはコマンドを送信するための処理を実行しない部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、遊技媒体が通過した領域が特定領域であるか特別領域であるかで制御情報送信処理の実行有無が異なるので、制御情報送信処理を適切に実行できる。
更には、第3発明の手段3の遊技機として、
特別識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機901)であって、
特別識別情報の可変表示結果にもとづいて前記特別可変装置が前記容易状態に変化する有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技制御手段(例えば、CPU90103が特別図柄プロセス処理を実行する部分)を備え、
前記特別可変装置は、前記特別領域の下流側に設けられている(例えば、図55−1に示すように、特別可変入賞球装置96SG007が普図始動入賞口96SG042の下流位置に設けられている部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、興趣の低下を抑えつつ、有利状態の長期化を図ることができる。
更には、第3発明の手段4の遊技機として、
前記特別領域は、遊技媒体の進入にもとづいて遊技価値(例えば、賞球)が付与される領域であって、
前記遊技制御手段は、前記制御情報送信処理において、前記特別領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて、付与される遊技価値の量に関する遊技価値付与情報(例えば、賞球数通知コマンド)を出力可能である
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、演出制御手段に対して特別領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて付与された遊技価値数を適切に通知することができる。
更には、第3発明の手段5の遊技機として、
前記遊技制御手段は、前記制御情報送信処理において、前記特別領域に遊技媒体が進入したことに関する進入情報(例えば、賞球数通知コマンドや普図始動口入賞通知コマンド)を出力可能であって、
前記演出制御手段は、前記進入情報が出力されたことにもとづいて特別演出を実行可能である(例えば、賞球数通知コマンドや普図始動口入賞通知コマンドを受信したことにもとづいて普図始動口入賞演出を実行する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、特別領域への遊技媒体の進入にもとづいて特別演出が実行されるため、遊技興趣を向上できる。
更には、第3発明の手段6の遊技機として、
前記遊技制御手段は、前記制御情報送信処理において、前記特定領域に遊技媒体が進入したときと前記特別領域に遊技媒体が進入したときとのいずれか一方にて情報を出力しない(例えば、CPU90103は、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した場合には賞球数通知コマンドを送信し、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合にはコマンドを送信するための処理を実行しない部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、制御情報送信処理として情報を出力しない場合があるので、制御情報送信処理における遊技制御手段の制御負荷を抑えることができる。
更には、第3発明の手段7の遊技機として、
前記遊技制御手段は、前記特定領域に遊技媒体が進入したときと前記特別領域に遊技媒体が進入したときとで、前記制御情報送信処理として出力する情報が異なる(例えば、CPU90103は、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞した場合には賞球数通知コマンドを送信し、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合にはゲート通過通知コマンドを送信する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、遊技媒体が通過した領域が特定領域であるか特別領域であるかで、制御情報送信処理として異なる情報が出力されるので、演出制御手段に対して遊技媒体が通過した領域を適切に通知することができる。
更には、第3発明の手段8の遊技機として、
前記遊技制御手段は、前記普通可変装置が前記所定状態に変化する頻度が高いが前記特別可変装置が前記容易状態に変化しない特別状態(例えば、高確高ベース状態や低確高ベース状態)と、前記普通可変装置が前記所定状態に変化する頻度が前記特別状態よりも低いが前記特別可変装置が前記容易状態に変化する有利状態(例えば、大当り遊技状態)とに制御可能であって、
前記演出制御手段は、前記有利状態及び前記特別状態でないときに遊技媒体が前記特定領域に進入したことにもとづいて、前記特定遊技領域以外の遊技媒体が流下可能な所定遊技領域に向けて遊技媒体を発射することを促す促進演出を実行可能である(例えば、低確低ベース状態において遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞したことにもとづいて左打ち報知演出を実行する部分)
ことを特徴とする遊技機が記載されており、この特徴によれば、遊技者に対して適切な遊技を促すことができる。
以上、この発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技中において画像表示装置905に第1賞球数カウンタの値96SG005Aや第2賞球数カウンタの値96SG005Bを表示し、大入賞口や普図始動入賞口96SG042、第2始動入賞口への入賞が発生する毎にこれら第1賞球数カウンタの値96SG005Aや第2賞球数カウンタの値96SG005Bの表示を賞球数分更新する形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技中における普図始動入賞口96SG042への入賞に伴う賞球については、大当り遊技の終了時等にまとめて第1賞球数カウンタの値96SG005Aや第2賞球数カウンタの値96SG005Bに追加して更新表示してもよい。
また、前記実施の形態では、特別図柄が大当りを示す組み合わせで導出表示された場合、自動的に大当り遊技が開始される形態を例示しているが、この発明はこれに限定されるものではなく、右遊技領域96SG002Rに役連作動ゲートを設け、特別図柄が大当りを示す組み合わせで導出表示された場合に遊技球が該役連作動ゲートを通過したことにもとづいた大当り遊技が開始されるようにしてもよい。尚、役連作動ゲートは通過ゲート96SG041と同一体としてもよい。更に、通過ゲート96SG041と役連作動ゲートとを同一体とする場合、CPU90103は、遊技球が普図始動入賞口96SG042に入賞したことにもとづいて演出制御基板12に対して賞球数通知コマンドを出力する一方で、遊技球が通過ゲート96SG041を通過した場合は、役連作動ゲートを通過したとして、演出制御基板9012に対して該役連作動ゲートを通過したことを示すコマンド(役連作動ゲート通過コマンド)を出力してもよい。