JP2014072126A - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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礼隆 遠藤
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Abstract

【課題】透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供する。
【解決手段】画素電極と対向電極との間に第1有機発光層を挟持してなる第1有機発光素子と、第1有機発光素子が設けられた基板と、を備えた有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、第1有機発光素子の基板側若しくは基板とは反対側において、基板の法線方向から見て、少なくとも第1有機発光素子の画素電極と重なる位置に、第1有機発光素子から発せられた光によって変色し、可視光の少なくとも一部を吸収する第1フォトクロミック層が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
近年、液晶ディスプレイに変わり、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称する。)ディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイは、自発光であり、表示品質が高く、応答性能に優れ、薄型軽量化が可能、といった利点を有している。
有機ELディスプレイの場合は、非表示状態で透明なディスプレイ(以下、透明ディスプレイと称する。)が可能である。使用する有機材料が薄膜で透過率が高く、且つ、一対の透明電極を用いることで、透過率の高い透明ディスプレイが可能となる。
例えば、下記の特許文献1には、画素ごとに表示状態と非表示状態とが切り替わる第1の表示パネルと、第1の表示パネルの背面に重ねられた第2の表示パネルと、第2の表示パネルの表示状態を制御する制御手段と、を備えた表示装置が開示されている。第2の表示パネルが一部の領域ごとに光透過率を変化させる手段を有する。第2の表示パネルの透過性を制御して遮光状態にすることにより、第1のパネルの表示内容の視認性を向上させることができる。
特開2008−83510号公報
特許文献1には、第1の表示パネルとして有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた表示素子を用い、第2の表示パネルとして透過型の液晶表示パネルを用いることが記載されている。特許文献1では、遮光領域を画面の上半分、下半分のように比較的大きな領域として設定している。そのため、画像だけをくっきり浮き上がらせることができない。画像の周囲には黒い遮光領域がブロック状に形成され、表示装置の背後の物体が十分に視認できなくなる。したがって、透明ディスプレイとしての機能が十分に発揮できないという課題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
(1)すなわち、本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、画素電極と対向電極との間に第1有機発光層を挟持してなる第1有機発光素子と、前記第1有機発光素子が設けられた基板と、を備えた有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、前記第1有機発光素子の前記基板側若しくは前記基板とは反対側において、前記基板の法線方向から見て、少なくとも前記第1有機発光素子の画素電極と重なる位置に、前記第1有機発光素子から発せられた光によって変色し、可視光の少なくとも一部を吸収する第1フォトクロミック層が設けられている。
(2)上記(1)に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、前記第1有機発光素子の前記第1フォトクロミック層が設けられた側とは反対側に、前記第1有機発光素子から発せられた光によって励起され蛍光を発する蛍光体層が設けられていてもよい。
(3)上記(2)に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、前記第1フォトクロミック層の前記第1有機発光素子とは反対側に、前記第1有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長の光を反射若しくは吸収し、可視光の少なくとも一部を透過する第1バンドパスフィルターが設けられていてもよい。
(4)上記(2)または(3)に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、前記蛍光体層の前記第1有機発光素子とは反対側に、前記第1有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長の光を反射若しくは吸収し、前記蛍光体層の発光スペクトルのピーク波長の光を透過する第2バンドパスフィルターが設けられていてもよい。
(5)上記(2)から(4)までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、前記第1有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長が紫外線領域に存在してもよい。
(6)上記(1)から(5)までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、前記第1フォトクロミック層は、前記基板の法線方向から見て、前記画素電極よりも大きな面積を有していてもよい。
(7)上記(1)から(6)までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、前記基板と前記第1有機発光素子との間に前記第1フォトクロミック層が設けられ、前記第1フォトクロミック層と前記基板との間に、前記第1有機発光素子と接続された薄膜トランジスタが設けられていてもよい。
(8)上記(1)に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、前記第1有機発光素子の前記第1フォトクロミック層が設けられた側とは反対側に、可視光を発する第2有機発光素子が設けられ、前記第1有機発光素子と前記第2有機発光素子とは互いに独立に発光が制御されてもよい。
(9)上記(8)に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、前記基板上に前記第1有機発光素子と隣接して第3有機発光素子が設けられ、前記第3有機発光素子は画素電極と対向電極との間に第3有機発光層を挟持してなり、前記第3有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長が紫外線領域に存在し、前記第3有機発光素子の前記基板側若しくは前記基板とは反対側において、前記基板の法線方向から見て、少なくとも前記第3有機発光素子の画素電極と重なる位置に、前記第3有機発光素子から発せられた光によって変色し、可視光の少なくとも一部を吸収する第3フォトクロミック層が設けられていてもよい。
(10)上記(1)に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、前記第1有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長が可視光領域に存在し、前記基板上に前記第1有機発光素子と隣接して第3有機発光素子が設けられ、前記第3有機発光素子は画素電極と対向電極との間に第3有機発光層を挟持してなり、前記第3有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長が紫外線領域に存在し、前記第3有機発光素子の前記基板側若しくは前記基板とは反対側において、前記基板の法線方向から見て、少なくとも前記第3有機発光素子の画素電極と重なる位置に、前記第3有機発光素子から発せられた光によって変色し、可視光の少なくとも一部を吸収する第3フォトクロミック層が設けられていてもよい。
(11)本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、画素電極と対向電極との間に第4有機発光層を挟持してなる第4有機発光素子と、前記第4有機発光素子が設けられた基板と、を備えた有機EL表示装置であって、前記第4有機発光素子の前記基板側若しくは前記基板とは反対側において、前記基板の法線方向から見て、少なくとも前記第4有機発光素子の画素電極と重なる位置に、前記第4有機発光素子から発せられた光によって電流を生じる光電変換層と、前記光電変換層によって生じた電流によって変色し、可視光の少なくとも一部を吸収するエレクトロクロミック層と、が設けられている。
(12)上記(11)に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置では、前記第4有機発光素子の前記エレクトロクロミック層が設けられた側とは反対側に、可視光を発する第5有機発光素子が設けられ、前記第4有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長が紫外線領域に存在し、前記第5有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長が可視光領域に存在してもよい。
本発明の態様によれば、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することができる。
第1実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 有機発光素子の要部を例示する断面図である。 第1フォトクロミック層の大きさを説明するための図である。 第1フォトクロミック層の作用を説明するための図である。 比較例に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の作用を説明するための図である。 第1実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の作用を説明するための図である。 第1実施形態の第1変形例に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 第1実施形態の第2変形例に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 第2実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 第3実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 第4実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 第5実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 第6実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 有機発光層を例示する平面図である。 第7実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 有機発光層及び第3フォトクロミック層の配置構成を示す平面図である。 第7実施形態の第1変形例に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置における有機発光層及び第3フォトクロミック層の配置構成を示す平面図である。 第8実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 第9実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 第10実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の断面図である。 有機発光素子の発光強度及び外光の強度の関係と視認性との関係を示す図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図8を用いて説明する。
なお、以下の全ての図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1は、第1実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、有機EL表示装置と称する)の断面図である。なお、以下の説明においては、有機EL表示装置1として、表示画像が表示されない非表示状態で透明なディスプレイ(以下、透明ディスプレイと称する。)を挙げて説明する。
図1に示すように、有機EL表示装置1は、第1有機発光素子11と、第1有機発光素子11が設けられた基板10と、基板10の第1有機発光素子11とは反対側に設けられた第1フォトクロミック層15と、を備えている。
なお、図1においては、便宜上、第1有機発光素子11及び第1フォトクロミック層15をそれぞれ1つずつ図示している。実際の有機EL表示装置1には、第1有機発光素子11及び第1フォトクロミック層15をそれぞれ複数設けられており、文字などの表示画像を形成できるように構成されている。
本実施形態の有機EL表示装置1は、第1有機発光素子11の発光光を基板10とは反対側(上側)から取り出すトップエミッション型である。
本実施形態の第1有機発光素子11の発光スペクトルのピーク波長は、可視光領域(波長380nm〜750nmの範囲内の光)に存在する。第1有機発光素子11は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光等の色光を発する。第1有機発光素子11から発せられた色光は視認側から射出される。これにより、フルカラー表示が可能となる。
第1有機発光素子11は、画素電極12と対向電極14との間に第1有機発光層13を挟持してなる。
画素電極12は基板10と第1有機発光層13との間に形成されており、対向電極14は第1有機発光層13上に形成されている。
画素電極12及び対向電極14の形成材料としては、公知の電極材料を用いることができる。画素電極12及び対向電極14の形成材料として好ましくは、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム錫)、IZO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム亜鉛)や酸化スズ、酸化亜鉛等の酸化物や他の透明性を有する導電材料が例示できる。
画素電極12及び対向電極14の膜厚は、5〜30nmが好ましい。画素電極12及び対向電極14の膜厚が5nm未満の場合には、配線抵抗が高くなることから、駆動電圧の上昇が生じるおそれがある。一方、画素電極12及び対向電極14の膜厚が30nmを超える場合には、光の透過率が急激に低下するため、無点灯時の透明度が低下するおそれがある。
基板10としては、ガラス基板が例示できる。基板10の厚みは、0.1mm〜3mmであることが好ましい。
図2は、第1有機発光素子11の要部を例示する断面図である。
図2に示す第1有機発光素子11は、基板10上に、画素電極12、第1有機発光層13、対向電極14がこの順に積層されて構成されている。図2に示す例では、第1有機発光層13は、画素電極12側から、対向電極14側へかけて、正孔注入層13a、正孔輸送層13b、発光層13c、正孔防止層13d、電子輸送層13e及び電子注入層13fがこの順に積層され、概略構成されている。正孔注入層13a、正孔輸送層13b、発光層13c、正孔防止層13d、電子輸送層13e及び電子注入層13fの各層は、単層構造でも多層構造でもよい。
なお、第1有機発光層13は、上記の構成に限定されるものではなく、発光層の単層構造であっても、発光層と電荷輸送層との多層構造であってもよい。第1有機発光層13の構成としては、具体的に、下記のものが挙げられる。
(1)画素電極12側から対向電極14側へかけて、正孔輸送層及び発光層がこの順に積層された構成
(2)画素電極12側から対向電極14側へかけて、発光層及び電子輸送層がこの順に積層された構成
(3)画素電極12側から対向電極14側へかけて、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層がこの順に積層された構成
(4)画素電極12側から対向電極14側へかけて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層がこの順に積層された構成
(5)画素電極12側から対向電極14側へかけて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層がこの順に積層された構成
(6)画素電極12側から対向電極14側へかけて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔防止層及び電子輸送層がこの順に積層された構成
(7)画素電極12側から対向電極14側へかけて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔防止層、電子輸送層及び電子注入層がこの順に積層された構成
(8)画素電極12側から対向電極14側へかけて、正孔注入層、正孔輸送層、電子防止層、発光層、正孔防止層、電子輸送層及び電子注入層がこの順に積層された構成
これら発光層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔防止層、電子防止層、電子輸送層および電子注入層の各層は、単層構造または多層構造のいずれであってもよい。
正孔注入層13aは、画素電極12からの正孔の注入を効率よく行うものである。
正孔輸送層13bは、発光層13cへの正孔の輸送を効率よく行うものである。
電子輸送層13eは、発光層13cへの電子の輸送を効率よく行うものである。
電子注入層13fは、対向電極14からの電子の注入を効率よく行うものである。
これらの層は、キャリア注入輸送層に該当する。
正孔注入層13a、正孔輸送層13b、正孔防止層13d、電子輸送層13e及び電子注入層13fの各層は、有機薄膜でも無機薄膜でもよい。
正孔注入層13a及び正孔輸送層13bの形成材料としては、公知のものを用いることができる。
正孔注入層13a及び正孔輸送層13bの形成材料として好ましくは、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物や無機p型半導体材料;ポルフィリン化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(α−NPD)、4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N−ジカルバゾリル−3,5−ベンゼン(m−CP)、4,4’−(シクロヘキサン−1,1−ジイル)ビス(N,N−ジ−p−トリルアニリン)(TAPC)、2,2’−ビス(N,N−ジフェニルアミン)−9,9’−スピロビフルオレン(DPAS)、N1,N1’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(N1−フェニル−N4,N4−ジ−m−トリルベンゼン−1,4−ジアミン)(DNTPD)、N3,N3,N3”’, N3”’−テトラ−p−トリル−[1,1’:2’,1”:2”,1”’−クオーターフェニル]−3,3”’−ジアミン(BTPD)、4,4’−(ジフェニルシランジイル)ビス(N,N−ジ−p−トリルアニリン)(DTASi)、2,2−ビス(4−カルバゾール−9−イルフェニル)アダマンティン(Ad−Cz)等の芳香族第三級アミン化合物;ヒドラゾン化合物、キナクリドン化合物、スチリルアミン化合物等の低分子含窒素化合物;ポリアニリン(PANI)、ポリアニリン−樟脳スルホン酸(PANI−CSA)、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイト(PEDOT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン)誘導体(Poly−TPD)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)(PNV)等の高分子化合物;2−メチル−9,10−ビス(ナフタレン−2−イル)アントラセン(MADN)等の芳香族炭化水素化合物等が例示できる。
正孔注入層13aの形成材料としては、画素電極12からの正孔の注入及び輸送をより効率よく行う観点から、正孔輸送層13bの形成材料よりも、HOMOのエネルギー準位が低い材質が好ましい。
正孔輸送層13bの形成材料としては、正孔注入層13aの形成材料よりも、正孔の移動度が高いものが好ましい。
正孔注入層13a及び正孔輸送層13bは、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよい。
正孔の注入性及び輸送性をより向上させるためには、正孔注入層13a及び正孔輸送層13bは、アクセプターを含むことが好ましい。
アクセプターは、公知のものでよく、無機材料及び有機材料のいずれでもよい。
アクセプターとして無機材料を用いる場合、好ましくは、金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、オキシ塩化リン(POCl)、六フッ化ヒ酸イオン(AsF )、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等が例示できる。
アクセプターとして有機材料を用いる場合、好ましくは、7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(TCNQF)、テトラシアノエチレン(TCNE)、ヘキサシアノブタジエン(HCNB)、ジシクロジシアノベンゾキノン(DDQ)等のシアノ基を有する化合物;トリニトロフルオレノン(TNF)、ジニトロフルオレノン(DNF)等のニトロ基を有する化合物;フルオラニル;クロラニル;ブロマニル等が例示できる。
アクセプターは、これらのなかでも、正孔濃度を増加させる効果がより高いことから、シアノ基を有する化合物が好ましい。
正孔注入層13aの膜厚は、1〜500nmであることが好ましい。
正孔輸送層13bの膜厚は、5〜500nmであることが好ましい。
発光層13cの形成材料は、公知のものでよく、有機発光材料のみでもよいし、発光性のドーパントとホスト材料との組み合わせでもよく、さらに任意に正孔輸送材料、電子輸送材料、添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよい。また、上記の各材料が高分子材料(結着用樹脂)又は無機材料中に分散されていてもよい。発光効率及び耐久性の観点からは、発光層13cの形成材料としては、ホスト材料中に発光性のドーパントが分散されたものが好ましい。
有機発光材料は、低分子発光材料及び高分子発光材料等に分類でき、蛍光材料又は燐光材料等に分類されるものでもよい。
発光層13cに用いる低分子有機材料(ホスト材料を含む)として好ましくは、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(DPVBi)等の芳香族ジメチリデン化合物;5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール等のオキサジアゾール化合物;3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体;1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン等のスチリルベンゼン化合物;チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体等の蛍光性有機材料;アゾメチン亜鉛錯体、(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)等の蛍光発光有機金属錯体;BeBq(ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体);4,4’−ビス−(2,2−ジ−p−トリル−ビニル)−ビフェニル(DTVBi);トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオノ)(モノフェナントロリン)Eu(III)(Eu(DBM)(Phen));ジフェニルエチレン誘導体;トリス[4−(9−フェニルフルオレン−9−イル)フェニル]アミン(TFTPA)等のトリフェニルアミン誘導体;ジアミノカルバゾール誘導体;ビススチリル誘導体;芳香族ジアミン誘導体;キナクリドン系化合物;ペリレン系化合物;クマリン系化合物;ジスチリルアリーレン誘導体(DPVBi);オリゴチオフェン誘導体(BMA−3T);4,4’−ジ(トリフェニルシリル)−ビフェニル(BSB)、ジフェニル−ジ(o−トリル)シラン(UGH1)、1,4−ビストリフェニルシリルベンゼン(UGH2)、1,3−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH3)、トリフェニル−(4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル)シラン(TPSi−F)等のシラン誘導体;9,9−ジ(4−ジカルバゾール−ベンジル)フルオレン(CPF)、3,6−ビス(トリフェニルシリル)カルバゾール(mCP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル(CDBP)、N,N−ジカルバゾリル−3,5−ベンゼン(m−CP)、3−(ジフェニルホスホリル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(PPO1)、3,6−ジ(9−カルバゾリル)−9−(2−エチルヘキシル)カルバゾール(TCz1)、9,9’−(5−(トリフェニルシリル)−1,3−フェニレン)ビス(9H−カルバゾール)(SimCP)、ビス(3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ジフェニルシラン(SimCP2)、3−(ジフェニルホスホリル)−9−(4−ジフェニルホスホリル)フェニル)−9H−カルバゾール(PPO21)、2,2−ビス(4−カルバゾリルフェニル)−1,1−ビフェニル(4CzPBP)、3,6−ビス(ジフェニルホスホリル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(PPO2)、9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール(CzSi)、3,6−ビス[(3,5−ジフェニル)フェニル]−9−フェニル−カルバゾール(CzTP)、9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ジトリチル−9H−カルバゾール(CzC)、9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ビス(9−(4−メトキシフェニル)−9H−フルオレン−9−イル)−9H−カルバゾール(DFC)、2,2’−ビス(4−カルバゾール−9−イル)フェニル)−ビフェニル(BCBP)、9,9’−((2,6−ジフェニルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラン−3,7−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(9H−カルバゾール)(CZBDF)等のカルバゾール誘導体;4−(ジフェニルフォスフォイル)−N,N−ジフェニルアニリン(HM−A1)等のアニリン誘導体;1,3−ビス(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ベンゼン(mDPFB)、1,4−ビス(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ベンゼン(pDPFB)、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチルフルオレン(DMFL−CBP)、2−[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン(BDAF)、2−(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン(BSBF)、9,9−ビス[4−(ピレニル)フェニル]−9H−フルオレン(BPPF)、2,2’−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−Pye)、2,7−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−Spiro−Pye)、2,7−ビス[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン(TDAF)、2,7−ビス(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン(TSBF)、9,9−スピロビフルオレン−2−イル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(SPPO1)等のフルオレン誘導体;1,3−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン(m−Bpye)等のピレン誘導体;プロパン−2,2’−ジイルビス(4,1−フェニレン)ジベンゾエート(MMA1)等のベンゾエート誘導体;4,4’−ビス(ジフェニルフォスフィンオキサイド)ビフェニル(PO1)、2,8−ビス(ジフェニルフォスフォリル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(PPT)等のフォスフィンオキサイド誘導体;4,4”−ジ(トリフェニルシリル)−p−ターフェニル(BST)等のターフェニル誘導体;2,4−ビス(フェノキシ)−6−(3−メチルジフェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン(BPMT)等トリアジン誘導体が例示できる。
発光層13cに用いる高分子有機材料として好ましくは、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド(PPP−NEt3+)、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビス−(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体;ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)等のポリスピロ誘導体;ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)等のカルバゾール誘導体等が例示できる。
有機発光材料は、低分子発光材料が好ましく、低消費電力化の観点から、発光効率が高い燐光材料が好ましい。
発光性のドーパントのうち、紫外発光材料であれば、p−クォーターフェニル、3,5,3,5テトラ−tert−ブチルセクシフェニル、3,5,3,5テトラ−tert−ブチル−p−クィンクフェニル等の蛍光発光材料等が例示できる。
青色発光材料であれば、スチリル誘導体等の蛍光発光材料;ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)、ビス(4’,6’−ジフルオロフェニルポリジナト)テトラキス(1−ピラゾイル)ボレート イリジウム(III)(FIr6)等の燐光発光有機金属錯体等が例示できる。
緑色発光材料であれば、トリス(2−フェニルピリジナート)イリジウム(Ir(ppy))等の燐光発光有機金属錯体等が例示できる。
発光層13cの膜厚は、5〜500nmであることが好ましい。
正孔防止層13d、電子輸送層13e及び電子注入層13fの形成材料としては、公知のものを用いることができる。
正孔防止層13d、電子輸送層13e及び電子注入層13fの形成材料として好ましくは、低分子材料であれば、n型半導体である無機材料;1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(Bpy−OXD)、1,3−ビス(5−(4−(tert−ブチル)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾールー2−イル)ベンゼン(OXD7)等のオキサジアゾール誘導体;3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体;チオピラジンジオキシド誘導体;ベンゾキノン誘導体;ナフトキノン誘導体;アントラキノン誘導体;ジフェノキノン誘導体;フルオレノン誘導体;ベンゾジフラン誘導体;8−ヒドロキシキノリノラート−リチウム(Liq)等のキノリン誘導体;2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン(Bpy−FOXD)等のフルオレン誘導体;1,3,5−トリ[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン(TmPyPB)、1,3,5−トリ[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン(TpPyPB)等のベンゼン誘導体;2,2’,2”−(1,3,5−ベンジントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンゾイミダゾール)(TPBI)等のベンゾイミダゾール誘導体;3,5−ジ(ピレン−1−イル)ピリジン(PY1)等のピリジン誘導体;3,3’,5,5’−テトラ[(m−ピリジル)−フェン−3−イル]ビフェニル(BP4mPy)等のビフェニル誘導体;4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BPhen)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等のフェナントロリン誘導体;トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン(3TPYMB)等のトリフェニルボラン誘導体;ジフェニルビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)シラン(DPPS)等のテトラフェニルシラン誘導体が例示できる。また、高分子材料であれば、ポリ(オキサジアゾール)(Poly−OXZ)、ポリスチレン誘導体(PSS)等が例示できる。特に、電子注入層13fの材質としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF)等のフッ化物;酸化リチウム(LiO)等の酸化物等が例示できる。
電子注入層13fの形成材料としては、陰極からの電子の注入及び輸送をより効率よく行う観点から、電子輸送層13eの形成材料よりも、LUMOのエネルギー準位が高いものが好ましい。
電子輸送層13eの形成材料としては、電子注入層13fの形成材料よりも、電子の移動度が高いものが好ましい。
電子輸送層13e及び電子注入層13fは、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよい。
電子の輸送及び注入性をより向上させるためには、電子輸送層13e及び電子注入層13fは、ドナーを含むことが好ましい。
ドナーは、公知のものでよく、無機材料及び有機材料のいずれでもよい。
ドナーとして無機材料を用いる場合、好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属;希土類元素;アルミニウム(Al);銀(Ag);銅(Cu);インジウム(In)等が例示できる。
ドナーとして有機材料を用いる場合、好ましくは、芳香族3級アミン骨格を有する化合物、フェナントレン、ピレン、ペリレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン等の置換基を有していてもよい縮合多環化合物、テトラチアフルバレン(TTF)類、ジベンゾフラン、フェノチアジン、カルバゾール等が例示できる。
芳香族3級アミン骨格を有する化合物としては、アニリン類;フェニレンジアミン類;N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン等のベンジジン類;トリフェニルアミン、4,4’4”−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4”−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4”−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン等のトリフェニルアミン類;N,N’−ジ−(4−メチル−フェニル)−N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミンのトリフェニルジアミン類が例示できる。
縮合多環化合物が「置換基を有する」とは、縮合多環化合物中の一つ以上の水素原子が、水素原子以外の基(置換基)で置換されていることを指す。なお、置換基の数は特に限定されず、すべての水素原子が置換基で置換されていてもよい。そして、置換基の位置も特に限定されない。
置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数6〜15のアリールオキシ基、水酸基、ハロゲン原子等が例示できる。
アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基が例示できる。
環状のアルキル基は、単環状及び多環状のいずれでも良く、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
アルコキシ基としては、アルキル基が酸素原子に結合した一価の基が例示できる。
アルケニル基としては、炭素数が2〜10のアルキル基において、炭素原子間の一つの単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換されたものが例示できる。
アルケニルオキシ基としては、アルケニル基が酸素原子に結合した一価の基が例示できる。
アリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、環員数は特に限定されず、好ましいものとしては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が例示できる。
アリールオキシ基としては、アリール基が酸素原子に結合した一価の基が例示できる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示できる。
ドナーは、これらのなかでも、電子濃度を増加させる効果がより高いことから、芳香族3級アミン骨格を有する化合物、置換基を有していてもよい縮合多環化合物、アルカリ金属が好ましい。
電子輸送層13eの膜厚は、5〜500nmであることが好ましい。
電子注入層13fの膜厚は、0.1〜100nmであることが好ましい。
なお、ここまで、第1有機発光層13を構成する各層の形成材料について説明したが、例えば、ホスト材料は正孔輸送材料又は電子輸送材料としても使用でき、正孔輸送材料及び電子輸送材料もホスト材料として使用できる。
図1に戻り、第1フォトクロミック層15は、第1有機発光素子11の基板10側において、基板10の法線方向から見て、第1有機発光素子11の画素電極12と重なる位置に設けられている。第1フォトクロミック層15は、第1有機発光素子11から発せられた光(色光)によって変色し、外光の少なくとも一部を吸収する。ここで外光とは、第1有機発光素子11の外部から視認側に向かう光である。外光としては、太陽光、照明光等が挙げられる。
図3は、第1フォトクロミック層15の大きさを説明するための図である。図3は、画素電極12及び第1フォトクロミック層15を、基板10の法線方向から見た図である。
図3に示すように、第1フォトクロミック層15は、基板10の法線方向から見て、画素電極12よりも大きい面積を有している。具体的には、基板10の法線方向から見て、画素電極12は矩形であり、第1フォトクロミック層15は画素電極12よりも大きいサイズの矩形である。画素電極12は、第1フォトクロミック層15の概ね中心に位置している。画素電極12の周辺部には、第1フォトクロミック層15の外周部が配置されている。
第1フォトクロミック層15は、フォトクロミック材料を含む層である。
ここで、クロミック材料は、光や電気、熱等のエネルギーを与えることにより、分子内で可逆的な異性化反応が起こし、この構造変化により吸収、発光、電気的特性等が変化するものである。クロミック材料は、膜等の固体状態で使用しても良く、気体、液体状態でも使用できる。
クロミック材料のうちフォトクロミック材料は、紫外光や可視光線等により異性体へと構造変化を起こすものである。例えば、フォトクロミック材料は、通常の状態(第1状態)において無色透明の特性を示すが、紫外線等の光を照射することにより第1状態から異性化構造の発色状態(第2状態)に変化する。更に、この第2状態に、発色状態での吸収帯に対応する光や熱等のエネルギーを与えることにより発色状態から再び無色透明に消色する。このようなフォトクロミック材料は、第1状態と第2状態で可逆的な異性化反応を起こすことができる。
発色状態の色相は、フォトクロミック材料の分子構造を制御することによって変化させることができる。
フォトクロミック材料としては、アゾベンゼン誘導体の4‐(ジメチルアミノ)アゾベンゼン、スピロピラン誘導体の1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐3,3−ジメチルインドリノ‐6’‐ニトロベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ‐6’‐ブロモベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ‐8’‐メトキシベンゾピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ‐B‐ナフトピリロスピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ‐6’‐ニトロベンゾピリロスピラン等やジアリールエテン誘導体のシス−1,2−ジシアノ‐ビス(2,4,5−トリメチル‐3−チエニル)エテン、1,2−ビス[2−メチルベンゾ[b]チオフェン‐3−イル]−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ‐1−シクロペンテン、1,2−ビス(2,4−ジメチル‐5‐フェニル‐3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ‐1−シクロペンテン、2,3−ビス(2,4,5‐トリメチル‐3−チエニル)マレイン アニヒドリド、2,3−ビス(2,4,5‐トリメチル‐3−チエニル)マレイミド等やビオロゲン化合物の4,4’ビピリジル、1,1’ジフェニル‐4,4’‐ビピリジウム ジクロライド等やフルギド化合物の2‐[1−{5‐メチル‐2‐(4‐ピリジル)‐4‐オキサゾリル}エチルイデン]‐3‐イソプロピルイデン‐無水コハク酸等やパラシクロファン骨格を有するビス(ジフェニルイミダゾール)[2.2]パラシクロファン、ビス(3,3’,4,4’−テトラメトキシジフェニルイミダゾール)[2.2]パラシクロファンなどの有機材料が例示できる。
なお、第1フォトクロミック層15は、高分子材料とフォトクロミック材料とを混合し、成膜できる。高分子材料としては、例えば、エチレン系、エステル系、エチレン系、アクリル系、エポキシ系、ビニル系、イミド系、アニリン系、ポリ(トリフェニルアミン)誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリ(p−フェニレンビニレン)、及びポリ(p−ナフタレンビニレン)ポリ(2−デシルオキシ−1、4−フェニレン)、ポリ[2、5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1、4−フェニル−アルト−1、4−フェニルレン]ジブロマイド、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1、4−フェニレンビニレン]等が挙げられる。
溶剤としては、上記高分子材料を溶解又は分散することができる溶剤であればよく、例えば、純水、メタノール、エタノール、THF(テトラヒドロフラン)、クロロホルム、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等が挙げられる。
なお、本実施形態では、クロミック材料としてフォトクロミック材料について説明したが、これに限らない。例えば、クロミック材料としては、エレクトロクロミック材料、クロミックミラー材料、サーモクロミック材料、ソルバクロミック材料、ピエゾクロミック材料、ベイポクロミック材料等も使用できる。
図4は、第1フォトクロミック層15の作用を説明するための図である。
図4に示すように、第1フォトクロミック層15は、第1有機発光層13から発せられた光によって変色する。例えば、第1フォトクロミック層15は、第1有機発光層13が発光しない状態(非発光状態)では無色透明であり、第1有機発光層13が発光する状態(発光状態)では黒色に変色する。このような構成により、発光状態において第1フォトクロミック層15により外光を吸収可能になっている。
なお、第1フォトクロミック層15は、第1有機発光層13が非発光状態のときに、無色透明であることに限らず、半透明であったり、若干の色味がかかっていたりしてもよい。すなわち、第1フォトクロミック層15は、第1有機発光層13が非発光状態のときに、有機EL表示装置1の背後の物体を視認可能な程度に透けていればよい。
また、第1フォトクロミック層15は、第1有機発光層13が発光状態のときに、黒色であることに限らず、灰色であったり、その他の色であったりしてもよい。すなわち、第1フォトクロミック層15は、第1有機発光層13が発光状態のときに、外光(可視光)の少なくとも一部を吸収可能になっていればよい。
(有機EL表示装置の製造方法)
有機EL表示装置1は、例えば、以下の方法で製造できる。
まず、基板10の一面に、第1フォトクロミック層15を形成する。第1フォトクロミック層15は、公知のウエットプロセス、ドライプロセス、レーザ転写法等により形成できる。
次に、基板10の第1フォトクロミック層15が形成された面とは反対側の面に、スパッタリング法、真空蒸着法等により画素電極12を形成する。
次に、画素電極12上に、正孔注入層13a、正孔輸送層13b、発光層13c、正孔防止層13d、電子輸送層13e及び電子注入層13fをこの順に積層し、第1有機発光層13を形成する。これら第1有機発光層13を構成する各層は、公知のウエットプロセス、ドライプロセス、レーザ転写法等により形成できる。
ウエットプロセスとしては、各層を構成する上記の各形成材料を溶媒に溶解又は分散させた液体を用いるスピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法;インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法が例示できる。液体は、レベリング剤、粘度調整剤等の、液体の物性を調整するための添加剤を含んでいてもよい。
ドライプロセスとしては、各層を構成する上記の各形成材料を用いる抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等が例示できる。
第1有機発光層13を形成後は、第1有機発光層13上に、真空蒸着法等により対向電極14を形成する。
以上の工程により、第1有機EL表示装置1が得られる。
図5は、比較例に係る有機EL表示装置の作用を説明するための図である。
図6は、本実施形態に係る有機EL表示装置の作用を説明するための図である。
図5及び図6では、第1有機発光素子11の上側を視認側とする。
図5及び図6において、符号L1は第1有機発光素子11から発せられた光(以下、発光光と称することがある)であり、符号L2は外光である。なお、図5及び図6においては、便宜上、基板10の図示を省略している。
図5に示すように、比較例に係る有機EL表示装置には、第1フォトクロミック層15が設けられていない。この場合、外界が明るいと、外光L2が強く観測されることになり、発光光L1の視認性が低下する。つまり、外光L2が気になり、発光光L1を良好に観測することができなくなる。その結果、表示画像の視認性が低下してしまう。
なお、発光光L1の強度を外光L2の強度に比して格段に大きくする方法も考えられるが、現実的ではない。
これに対し、図6に示すように、本実施形態に係る有機EL表示装置には、第1フォトクロミック層15が設けられている。この場合、外界が明るくても、外光L2が第1フォトクロミック層15で吸収され、遮光される。そのため、外光L2が気になることはなく、発光光L1を良好に観測することができる。よって、表示画像の視認性の低下を抑制することができる。
また、第1フォトクロミック層15が第1有機発光素子11から発せられた光によって変色するため、第1フォトクロミック層15の変色タイミングを第1有機発光素子11の発光タイミングに同期させることができる。例えば、第1有機発光素子11の発光光が時間順次に切り替わる場合、第1フォトクロミック層15は、第1有機発光素子11の発光光が切り替わるタイミングに同期して、無色透明の状態と黒色の状態とが切り替わる。よって、第1フォトクロミック層15の透光性(透明度)を容易に制御できる。
さらに、複数の第1有機発光素子11のうちの一部の第1有機発光素子11を発光させて文字などの表示画像を形成する場合、複数の第1フォトクロミック層15のうち、発光した第1有機発光素子11の画素電極12と重なる位置に配置された第1フォトクロミック層15が選択的に変色する。つまり、複数の第1フォトクロミック層15のうち、発光した第1有機発光素子11の画素電極12と重なる位置に配置された第1フォトクロミック層15は黒色になり、それ以外の発光しない第1有機発光素子11の画素電極12と重なる位置に配置された第1フォトクロミック層15は無色透明のままとなる。そのため、この無色透明の領域では、有機EL表示装置1の背後の物体を十分に視認することができる。よって、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。
また、第1フォトクロミック層15が基板10の法線方向から見て画素電極12よりも大きい面積を有しているため、表示画像の視認性の低下を確実に抑制することができる。例えば、外光が有機EL表示装置1に対して斜めに入射する場合、第1フォトクロミック層15が基板10の法線方向から見て画素電極12よりも小さい面積を有していると、外光の一部が透過して視認性が低下してしまう。また、第1フォトクロミック層15が基板10の法線方向から見て画素電極12と同じ面積であっても、外光が基板10の法線方向に対して斜めに入射するときには同様の問題が生ずる。これに対し、本実施形態では、第1フォトクロミック層15が基板10の法線方向から見て画素電極12よりも大きい面積を有しているため、上述のような問題を解消することができる。
[第1実施形態の第1変形例]
図7は、第1実施形態の第1変形例に係る有機EL表示装置1Aの断面図である。
上記第1実施形態では、第1フォトクロミック層15が、基板10の第1有機発光素子11とは反対側に設けられていた。
これに対し、本変形例では、第1フォトクロミック層15Aが、基板10と画素電極12との間に設けられている。
本変形例の有機EL表示装置1Aにおいても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。
[第1実施形態の第2変形例]
図8は、第1実施形態の第2変形例に係る有機EL表示装置1Bの断面図である。
上記第1実施形態では、第1フォトクロミック層15が、第1有機発光素子11の基板10側に設けられていた。また、上記第1実施形態の有機EL表示装置1は、第1有機発光素子11の発光光を基板10とは反対側(上側)から取り出すトップエミッション型であった。
これに対し、本変形例では、第1フォトクロミック層15Bが、第1有機発光素子11の基板10とは反対側に設けられている。具体的には、第1フォトクロミック層15Bが、対向電極14の第1有機発光層13とは反対側の面に設けられている。また、本変形例の有機EL表示装置1Bは、第1有機発光素子11の発光光を基板10の側(下側)から取り出すボトムエミッション型である。
本変形例の有機EL表示装置1Bにおいても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図9を用いて説明する。
本実施形態の有機EL表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、第1有機発光素子11の第1フォトクロミック層15が設けられた側とは反対側に、第1有機発光素子11から発せられた光によって励起され蛍光を発する蛍光体層16が設けられている点が第1実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、有機EL表示装置の基本構成の説明は省略し、蛍光体層16について説明する。
図9は、第2実施形態に係る有機EL表示装置2の断面図である。
本実施形態の第1有機発光素子11の発光スペクトルのピーク波長は紫外線領域(波長10nm〜400nmの範囲内)に存在する。以下の説明においては、発光スペクトルのピーク波長が紫外線領域に存在する光を「紫外光」と称する。
蛍光体層16は、第1有機発光素子11から発せられた紫外光によって励起され蛍光を発する。蛍光体層16としては、例えば、紫外光を励起光として赤色光を発する赤色蛍光体層と、紫外光を励起光として緑色光を発する緑色蛍光体層と、紫外光を励起光として青色光を発する青色蛍光体層と、を備えたものが例示できる。
ただし、第1有機発光素子11の発光スペクトルのピーク波長が青色光領域に存在する場合、すなわち励起光として青色光を適用する場合には、青色蛍光体層を設けずに、励起光を青色画素からの発光としてもよい。
蛍光体層16は、以下に例示する蛍光体材料のみから構成されていてもよく、任意に添加剤等を含んでいてもよく、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)または無機材料中に分散された構成であってもよい。
蛍光体材料としては、公知の蛍光体材料を用いることができる。このような蛍光体材料は、有機系蛍光体材料と無機系蛍光体材料に分類される。以下に、有機系蛍光体材料と無機系蛍光体材料の具体的な化合物を例示するが、蛍光体材料はこれらの材料に限定されるものではない。
有機系蛍光体材料としては、青色蛍光色素として、スチルベンゼン系色素:1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、トランス−4,4’−ジフェニルスチルベンゼン、クマリン系色素:7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン等が挙げられる。
また、緑色蛍光色素としては、クマリン系色素:2,3,5,6−1H、4H−テトラヒドロ−8−トリフロメチルキノリジン(9,9a、1−gh)クマリン(クマリン153)、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、ナフタルイミド系色素:ベーシックイエロー51、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等が挙げられる。
また、赤色蛍光色素としては、シアニン系色素:4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン、ピリジン系色素:1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウム−パークロレート、および、ローダミン系色素:ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、ベーシックバイオレット11、スルホローダミン101等が挙げられる。
無機系蛍光体材料としては、青色蛍光体として、Sr:Sn4+、SrAl1425:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、SrGa:Ce3+、CaGa:Ce3+、(Ba、Sr)(Mg、Mn)Al1017:Eu2+、(Sr、Ca、Ba、Mg)10(POCl:Eu2+、BaAlSiO:Eu2+、Sr:Eu2+、Sr(POCl:Eu2+、(Sr,Ca,Ba)(POCl:Eu2+、BaMgAl1627:Eu2+、(Ba,Ca)(POCl:Eu2+、BaMgSi:Eu2+、SrMgSi:Eu2+等が挙げられる。
また、緑色蛍光体としては、(BaMg)Al1627:Eu2+、Mn2+、SrAl1425:Eu2+、(SrBa)Al12Si:Eu2+、(BaMg)SiO:Eu2+、YSiO:Ce3+、Tb3+、Sr−Sr:Eu2+、(BaCaMg)(POCl:Eu2+、SrSi−2SrCl:Eu2+、ZrSiO、MgAl1119:Ce3+、Tb3+、BaSiO:Eu2+、SrSiO:Eu2+、(BaSr)SiO:Eu2+等が挙げられる。
また、赤色蛍光体としては、YS:Eu3+、YAlO:Eu3+、Ca(SiO:Eu3+、LiY(SiO:Eu3+、YVO:Eu3+、CaS:Eu3+、Gd:Eu3+、GdS:Eu3+、Y(P,V)O:Eu3+、MgGeO5.5F:Mn4+、MgGeO:Mn4+、KEu2.5(WO6.25、NaEu2.5(WO6.25、KEu2.5(MoO6.25、NaEu2.5(MoO6.25等が挙げられる。
蛍光体層16は、上記の蛍光体材料と樹脂材料を溶剤に溶解、分散させた蛍光体層形成用塗液を用いて、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等による公知のウエットプロセス、上記の材料を抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等の公知のドライプロセス、または、レーザー転写法等により形成することができる。
本実施形態の有機EL表示装置2においても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。さらに、蛍光体層16として、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体層を備えたものを用いることにより、フルカラー表示が可能となる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図10を用いて説明する。
本実施形態の有機EL表示装置の基本構成は第2実施形態と同一であり、第1フォトクロミック層15の第1有機発光素子11とは反対側に、第1有機発光素子11の発光スペクトルのピーク波長の光を反射若しくは吸収し、可視光の少なくとも一部を透過する第1バンドパスフィルター17が設けられている点が第2実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、有機EL表示装置の基本構成の説明は省略し、第1バンドパスフィルター17について説明する。
図10は、第3実施形態に係る有機EL表示装置3の断面図である。
本実施形態の第1有機発光素子11の発光スペクトルのピーク波長は、第2実施形態と同様に、紫外線領域(波長10nm〜380nmの範囲内)に存在する。すなわち、励起光として紫外光を適用する。
第1バンドパスフィルター17としては、励起光の波長帯域外の光を透過させる特性を持つものを用いる。つまり、第1バンドパスフィルター17は、励起光の波長帯域に光の非透過帯域を有し、且つ、可視光の波長帯域に光の透過帯域を有する。例えば、励起光が紫外光の場合は、紫外線領域の光(波長10nm〜400nmの範囲内の光)を反射若しくは吸収し、可視光領域の光(波長380nm〜750nmの範囲内の光)を透過する機能を有する。第1バンドパスフィルター17は、例えば金や銀等の薄膜、あるいは誘電体多層膜によって構成されていればよい。
本実施形態の有機EL表示装置3においても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。さらに、第1バンドパスフィルター17により、外部からの紫外光(第1フォトクロミック層15の下方からの紫外光)が第1フォトクロミック層15に入射することを抑制できる。そのため、第1フォトクロミック層15が外部からの紫外光によって変色することを抑制できる。よって、第1フォトクロミック層15が第1有機発光素子11の発光光以外の光で変色するといった誤動作を抑制できる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図11を用いて説明する。
本実施形態の有機EL表示装置の基本構成は第3実施形態と同一であり、蛍光体層16の第1有機発光素子11とは反対側に、第1有機発光素子11の発光スペクトルのピーク波長の光を反射若しくは吸収し、蛍光体層16の発光スペクトルのピーク波長の光を透過する第2バンドパスフィルター18が設けられている点が第3実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、有機EL表示装置の基本構成の説明は省略し、第2バンドパスフィルター18について説明する。
図11は、第4実施形態に係る有機EL表示装置4の断面図である。
本実施形態の第1有機発光素子11の発光スペクトルのピーク波長は、第3実施形態と同様に、紫外線領域(波長10nm〜380nmの範囲内)に存在する。すなわち、励起光として紫外光を適用する。
第2バンドパスフィルター18としては、励起光の波長帯域外の光を透過させる特性を持つものを用いる。つまり、第2バンドパスフィルター18は、励起光の波長帯域に光の非透過帯域を有し、且つ、蛍光の波長帯域に光の透過帯域を有する。例えば、励起光が紫外光の場合は、紫外光(波長10nm〜400nmの範囲内の光)を反射若しくは吸収し、蛍光(例えば、赤色領域の光、緑色領域の光及び青色領域の光)を透過する機能を有する。第2バンドパスフィルター18は、例えば金や銀等の薄膜、あるいは誘電体多層膜によって構成されていればよい。
本実施形態の有機EL表示装置4においても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。さらに、第2バンドパスフィルター18により、外部からの紫外光(蛍光体層16の上方からの紫外光)が第1フォトクロミック層15に入射することを抑制できる。そのため、第1フォトクロミック層15が外部からの紫外光によって変色することを抑制できる。よって、第1フォトクロミック層15が第1有機発光素子11の発光光以外の光で変色するといった誤動作を抑制できる。
なお、図11では、バンドパスフィルターとして2つのバンドパスフィルター(第1バンドパスフィルター17及び第2バンドパスフィルター18)を備えた構成を示したが、これに限らない。例えば、第1フォトクロミック層15の第1有機発光素子11とは反対側に第1バンドパスフィルター17が設けられていなくてもよい。すなわち、バンドパスフィルターとして1つのバンドパスフィルター(第2バンドパスフィルター18)が設けられた構成であってもよい。
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態について、図12を用いて説明する。
本実施形態の有機EL表示装置の基本構成は第1実施形態の第1変形例と同一であり、基板10と第1有機発光素子11との間に第1フォトクロミック層68が設けられ、第1フォトクロミック層68と基板10との間に、第1有機発光素子11と接続された薄膜トランジスタ60(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)が設けられている点が第1実施形態の第1変形例と異なる。そのため、本実施形態では、有機EL表示装置の基本構成の説明は省略する。
図12は、第5実施形態に係る有機EL表示装置5の断面図である。
基板10の第1フォトクロミック層68の面には、ゲート電極61、ゲート絶縁膜62、半導体層63、ソース電極64及びドレイン電極65を有するTFT60が形成されている。
基板10上には、ゲート電極61が形成されている。ゲート電極61の材料としては、例えばW(タングステン)/TaN(窒化タンタル)の積層膜、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)等が用いられる。
基板10上には、ゲート電極61を覆うようにゲート絶縁膜62が形成されている。ゲート絶縁膜62の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。
ゲート絶縁膜62上には、ゲート電極61と対向するように半導体層63が形成されている。半導体層63の材料としては、例えばCGS(Continuous Grain Silicon:連続粒界シリコン)、LPS(Low-temperature Poly-Silicon:低温多結晶シリコン)、α−Si(Amorphous Silicon:非結晶シリコン)、インジウム、ガリウム、及び亜鉛から構成される酸化物であるIGZO(In−Ga−Zn−O系半導体)等の半導体材料が用いられる。
ゲート絶縁膜62上には、ソース電極64及びドレイン電極65が形成されている。ソース電極64は、半導体層63のソース領域に接続されている。ドレイン電極65は、半導体層63のドレイン領域に接続されている。ソース電極64及びドレイン電極65の材料としては、上述のゲート電極61と同様の導電性材料が用いられる。
ゲート絶縁膜62上には、半導体層63、ソース電極64及びドレイン電極65を覆うように層間絶縁膜66が形成されている。層間絶縁膜66の材料としては、例えばシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、もしくはこれらの積層膜等が用いられる。
層間絶縁膜66と第1フォトクロミック層68とには、コンタクトホール65hが、層間絶縁膜66と第1フォトクロミック層68とを貫通して形成されている。ドレイン電極65は、コンタクトホール65hを介して、第1有機発光素子11の画素電極12に接続されている。
この構成により、TFT60がオン状態となったとき、ソース電極64に供給された画像信号が、半導体層63、ドレイン電極65を経て画素電極12に供給される。
第1フォトクロミック層68上には、第1有機発光素子11の側面を囲み、画素を区画するエッジカバー(隔壁)67が形成されている。エッジカバー67は、画素電極12のエッジ部において、画素電極12と対向電極14の間でリークを起こすことを防止する目的で設けられている。エッジカバー67は、絶縁材料を用いて、電子線(EB)蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法等の公知の方法により形成することができる。また、エッジカバー67は、公知のドライ法またはウエット法のフォトリソグラフィー法によりパターン化することができる。なお、エッジカバー67の形成方法は、これらの形成方法に限定されるものではない。
第1フォトクロミック層68上には、画素電極12及びエッジカバー67を覆うように有機発光層13が形成されている。有機発光層13上には対向電極14が形成されている。
本実施形態の有機EL表示装置5においても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。さらに、第1フォトクロミック層68により、第1有機発光素子11の発光光のうちTFT60の半導体層63に向かう光を遮光することができ、半導体層63に光が入射することを抑制できる。よって、リーク電流を抑制できる。
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態について、図13を用いて説明する。
本実施形態の有機EL表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、第1有機発光素子11の第1フォトクロミック層15が設けられた側とは反対側に、可視光を発する第2有機発光素子21が設けられている点、第1有機発光素子11と第2有機発光素子21とは互いに独立に発光が制御される点が第1実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、有機EL表示装置の基本構成の説明は省略する。
図13は、第6実施形態に係る有機EL表示装置6の断面図である。
本実施形態の第1有機発光素子11の発光スペクトルのピーク波長は、紫外線領域(波長10nm〜380nmの範囲内)に存在する。本実施形態の第1フォトクロミック層15は、第1有機発光素子11から発せられた紫外光によって変色する。
本実施形態の第2有機発光素子21の発光スペクトルのピーク波長は、可視光領域(波長380nm〜750nmの範囲内の光)に存在する。第2有機発光素子21は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光等の色光を発する。第2有機発光素子21から発せられた色光は視認側から射出される。これにより、フルカラー表示が可能となる。
第2有機発光素子21は、画素電極22と対向電極24との間に第2有機発光層23を挟持してなる。
第2有機発光素子21において、画素電極22は第1有機発光素子11の対向電極14と第2有機発光層23との間に形成されており、対向電極24は第2有機発光層23上に形成されている。第2有機発光層23は、例えば図14に示すように、赤色光を発する赤色有機発光層23Rと、緑色光を発する緑色有機発光層23Gと、青色光を発する青色有機発光層23Bと、を備えている。
有機EL表示装置6には、第1有機発光素子11及び第2有機発光素子21を制御する制御部20が設けられている。制御部20は、第1有機発光素子11及び第2有機発光素子21の発光制御を互いに独立して制御する。
本実施形態の有機EL表示装置6においても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。さらに、制御部20により、第1フォトクロミック層15の変色タイミングを第1有機発光素子11の発光タイミングに同期させることができる。例えば、第2有機発光素子21の発光光(色光)が時間順次に切り替わる場合、第2有機発光素子21の発光光(紫外光)の切り替わるタイミングは、第1有機発光素子11の色光が切り替わるタイミングに同期する。これにより、第1フォトクロミック層15は、第1有機発光素子11の発光光が切り替わるタイミングに同期して、無色透明の状態と黒色の状態とが切り替わる。よって、第1フォトクロミック層15の透光性(透明度)を容易に制御できる。
また、第1有機発光素子11からの発光光(紫外光)を、第1フォトクロミック層15を変色させる光として適用することができる。一方、第2有機発光素子21からの発光光(色光)を、表示画像を得るための光として適用することができる。そのため、第1有機発光素子11の発光光の波長領域を適宜調整することによって、第1フォトクロミック層15の形成材料の選択の自由度を高めることができる。
なお、上記第2実施形態のように蛍光体層を設けた場合には、発光光と励起光を分けることで、赤色蛍光体層、緑色蛍光体層及び青色蛍光体層に共通の励起用の第2有機発光素子を設けることができる。この場合、フォトクロミック層も各蛍光体層で共通化できるため、各蛍光体層ごとにフォトクロミック層を別々の材料で形成する場合に比べて、製造が容易になる。
[第7実施形態]
以下、本発明の第7実施形態について、図15を用いて説明する。
本実施形態の有機EL表示装置の基本構成は第6実施形態と同一であり、基板10上に第1有機発光素子11と隣接して第3有機発光素子31が設けられている点が第6実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、有機EL表示装置の基本構成の説明は省略し、第3有機発光素子31について説明する。
図15は、第7実施形態に係る有機EL表示装置7の断面図である。図15においては、便宜上、第1有機発光素子11が設けられた基板10と第3有機発光素子31が設けられた基板10とを2つに分けて示しているが、実際は一つの基板10からなっている。
第3有機発光素子31は、画素電極32と対向電極34との間に第3有機発光層33を挟持してなる。
第3有機発光素子31の発光スペクトルのピーク波長は、紫外線領域(波長10nm〜380nmの範囲内)に存在する。
第3有機発光素子31の基板10側において、基板10の法線方向から見て、第3有機発光素子31の画素電極32と重なる位置には、第3フォトクロミック層35が設けられている。第3フォトクロミック層35は、第3有機発光素子31から発せられた光(紫外光)によって変色し、外光の少なくとも一部を吸収する。例えば、第3フォトクロミック層35は、第3有機発光層33が発光しない状態(非発光状態)では無色透明であり、第3有機発光層33が発光する状態(発光状態)では黒色に変色する。
図16は、第2有機発光層23及び第3フォトクロミック層35の配置構成を示す平面図である。
本実施形態の有機EL表示装置7は、図16に示すように、赤色光を発する赤色有機発光層23Rと、緑色光を発する緑色有機発光層23Gと、青色光を発する青色有機発光層23Bと、黒色に変色する第3フォトクロミック層35と、を備えている。平面視において、赤色有機発光層23R、緑色有機発光層23G、青色有機発光層23B及び第3フォトクロミック層35は、互いに間隔を空けて配置されている。
本実施形態の有機EL表示装置7においても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。さらに、黒色表示が可能となる。
なお、本実施形態では、第3フォトクロミック層35が、第3有機発光素子31の基板10側に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。第3フォトクロミック層35が、第3有機発光素子31の基板10とは反対側に設けられていてもよい。具体的には、第3フォトクロミック層35が、対向電極34の第3有機発光層33とは反対側の面に設けられていてもよい。この場合、有機EL表示装置7はボトムエミッション型となる。
[第7実施形態の第1変形例]
図17は、第7実施形態の第1変形例に係る有機EL表示装置7Aにおける第2有機発光層23及び第3フォトクロミック層35Aの配置構成を示す平面図である。
上記第7実施形態では、平面視において、赤色有機発光層23R、緑色有機発光層23G、青色有機発光層23B及び第3フォトクロミック層35が、互いに間隔を空けて配置されていた。
これに対し本変形例では、図17に示すように、平面視において、赤色有機発光層23R、緑色有機発光層23G及び青色有機発光層23Bが互いに間隔を空けて配置されており、第3フォトクロミック層35Aが赤色有機発光層23R、緑色有機発光層23G及び青色有機発光層23Bの間隔を埋めるように赤色有機発光層23R、緑色有機発光層23G及び青色有機発光層23Bの周囲を囲んで配置されている。
本変形例の有機EL表示装置7Aにおいても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができ、さらに黒色表示が可能となる。
[第8実施形態]
以下、本発明の第8実施形態について、図18を用いて説明する。
本実施形態の有機EL表示装置の基本構成は第1実施形態と同一であり、基板10上に第1有機発光素子11と隣接して第3有機発光素子31が設けられている点が第1実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、有機EL表示装置の基本構成の説明は省略し、第3有機発光素子31について説明する。
図18は、第8実施形態に係る有機EL表示装置8の断面図である。図18においては、便宜上、第1有機発光素子11が設けられた基板10と第3有機発光素子31が設けられた基板10とを2つに分けて示しているが、実際は一つの基板10からなっている。
本実施形態の第1有機発光素子11の発光スペクトルのピーク波長は可視光領域(波長380nm〜750nmの範囲内の光)に存在する。第1有機発光素子11は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光等の色光を発する。第1有機発光素子11から発せられた色光は視認側から射出される。これにより、フルカラー表示が可能となる。
第3有機発光素子31は、画素電極32と対向電極34との間に第3有機発光層33を挟持してなる。
第3有機発光素子31の発光スペクトルのピーク波長は、紫外線領域(波長10nm〜380nmの範囲内)に存在する。
第3有機発光素子31の基板10側において、基板10の法線方向から見て、第3有機発光素子31の画素電極32と重なる位置には、第3フォトクロミック層35が設けられている。第3フォトクロミック層35は、第3有機発光素子31から発せられた光(紫外光)によって変色し、外光の少なくとも一部を吸収する。例えば、第3フォトクロミック層35は、第3有機発光層33が発光しない状態(非発光状態)では無色透明であり、第3有機発光層33が発光する状態(発光状態)では黒色に変色する。
本実施形態の有機EL表示装置8においても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。さらに、黒色表示が可能となる。
なお、本実施形態では、第3フォトクロミック層35が、第3有機発光素子31の基板10側に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。第3フォトクロミック層35が、第3有機発光素子31の基板10とは反対側に設けられていてもよい。具体的には、第3フォトクロミック層35が、対向電極34の第3有機発光層33とは反対側の面に設けられていてもよい。この場合、有機EL表示装置8はボトムエミッション型となる。
[第9実施形態]
以下、本発明の第9実施形態について、図19を用いて説明する。
上記実施形態(第1実施形態から第8実施形態)においては、クロミック層としてフォトクロミック層を備えていた。これに対し、本実施形態においては、クロミック層としてエレクトロクロミック層を備えている。以下、本実施形態に係る有機EL表示装置101について説明する。
図19は、第9実施形態に係る有機EL表示装置101の断面図である。
図19に示すように、有機EL表示装置101は、第4有機発光素子41と、第4有機発光素子41が設けられた基板10と、第4有機発光素子41の基板10側に設けられた光電変換層40と、光電変換層40と基板10との間に設けられたエレクトロクロミック層45と、エレクトロクロミック層45と基板10との間に設けられた電極46と、を備えている。
なお、図19においては、便宜上、第4有機発光素子41及びエレクトロクロミック層45をそれぞれ1つずつ図示している。実際の有機EL表示装置101には、第4有機発光素子41及びエレクトロクロミック層45をそれぞれ複数設けられており、表示画像を形成できるように構成されている。
本実施形態の有機EL表示装置101は、第4有機発光素子41の発光光を基板10とは反対側(上側)から取り出すトップエミッション型である。
本実施形態の第4有機発光素子41の発光スペクトルのピーク波長は、可視光領域(波長380nm〜750nmの範囲内の光)に存在する。第4有機発光素子41は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光等の色光を発する。第4有機発光素子41から発せられた色光は視認側から射出される。これにより、フルカラー表示が可能となる。
第4有機発光素子41は、画素電極42と対向電極44との間に第4有機発光層43を挟持してなる。
画素電極42は光電変換層40と第4有機発光層43との間に形成されており、対向電極44は第4有機発光層43上に形成されている。電極46は、接地されている。
光電変換層40とエレクトロクロミック層45とは、第4有機発光素子41の基板10側において、基板10の法線方向から見て、第4有機発光素子41の画素電極42と重なる位置に設けられている。光電変換層40は、第4有機発光素子41から発せられた光(色光)によって電流を生じる。エレクトロクロミック層45は、光電変換層40によって生じた電流によって変色し、外光の少なくとも一部を吸収する。
エレクトロクロミック層45は、エレクトロクロミック材料を含む層である。
クロミック材料のうちエレクトロクロミック材料は、電気エネルギーにより分子内で可逆的な異性化反応を起こし、この構造変化により吸収特性が変化するものである。エレクトロクロミック材料と光電変換素子を組み合わせることにより、フォトクロミック材料のような特性をエレクトロクロミック材料で得ることができる。
エレクトロクロミック材料としては、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化ロジウム、酸化ニオブ、酸化ニッケル、酸化イリジウム又は、これらの酸化物に水素又はリチウム、ナトリウム若しくはカリウムがドーピングされたのから形成される材料が例示できる。
本実施形態の有機EL表示装置101によれば、外界が明るくても、外光がエレクトロクロミック層45で吸収され、遮光される。そのため、外光が気になることはなく、発光光を良好に観測することができる。よって、表示画像の視認性の低下を抑制することができる。
また、光電変換層40が第4有機発光素子41から発せられた光によって電流を生じ、エレクトロクロミック層45が光電変換層40によって生じた電流によって変色するため、エレクトロクロミック層45の変色タイミングを第4有機発光素子41の発光タイミングに同期させることができる。例えば、第4有機発光素子41の発光光が時間順次に切り替わる場合、エレクトロクロミック層45は、第4有機発光素子41の発光光が切り替わるタイミングに同期して、無色透明の状態と黒色の状態とが切り替わる。よって、エレクトロクロミック層45の透光性(透明度)を容易に制御できる。
さらに、複数の第4有機発光素子41のうちの一部の第4有機発光素子41を発光させて文字などの表示画像を形成する場合、複数のエレクトロクロミック層45のうち、発光した第4有機発光素子41の画素電極42と重なる位置に配置されたエレクトロクロミック層45が選択的に変色する。つまり、複数のエレクトロクロミック層45のうち、発光した第4有機発光素子41の画素電極42と重なる位置に配置されたエレクトロクロミック層45は黒色になり、それ以外の発光しない第4有機発光素子41の画素電極42と重なる位置に配置されたエレクトロクロミック層45は無色透明のままとなる。そのため、この無色透明の領域では、有機EL表示装置101の背後の物体を十分に視認することができる。よって、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。
[第10実施形態]
以下、本発明の第10実施形態について、図20を用いて説明する。
本実施形態の有機EL表示装置の基本構成は第9実施形態と同一であり、第4有機発光素子41のエレクトロクロミック層45が設けられた側とは反対側に、可視光を発する第5有機発光素子51が設けられている点が第9実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、有機EL表示装置の基本構成の説明は省略する。
図20は、第10実施形態に係る有機EL表示装置102の断面図である。
本実施形態の第4有機発光素子41の発光スペクトルのピーク波長は、紫外線領域(波長10nm〜380nmの範囲内)に存在する。本実施形態の光電変換層40は、第4有機発光素子41から発せられた紫外光によって電流を生じる。
第5有機発光素子51は、画素電極54と対向電極44との間に第5有機発光層53を挟持してなる。第5有機発光素子51において、画素電極54は第5有機発光層53上に形成されている。第5有機発光素子51の対向電極44と、第4有機発光素子41の対向電極44とは、一体化されている。対向電極44は共通電極として機能する。
本実施形態の第5有機発光素子51の発光スペクトルのピーク波長は、可視光領域(波長380nm〜750nmの範囲内の光)に存在する。第5有機発光素子51は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光等の色光を発する。第5有機発光素子51から発せられた色光は視認側から射出される。これにより、フルカラー表示が可能となる。
本実施形態の有機EL表示装置102においても、透明ディスプレイとしての機能を十分に発揮することができる。さらに、第5有機発光素子51の対向電極44と第4有機発光素子41の対向電極44とが一体化されており、対向電極44が共通電極として機能するため、エレクトロクロミック層45の変色タイミングを第5有機発光素子51の発光タイミングに同期させることができる。例えば、第5有機発光素子51の発光光(色光)が時間順次に切り替わる場合、第4有機発光素子41の発光光(紫外光)の切り替わるタイミングは、第5有機発光素子51の色光が切り替わるタイミングに同期する。これにより、光電変換層40は、第4有機発光素子41の発光光が切り替わるタイミングに同期して、第4有機発光素子41から発せられた光によって電流を生じる。エレクトロクロミック層45は、光電変換層40によって生じた電流によって変色するため、第4有機発光素子41の発光光が切り替わるタイミングに同期して、無色透明の状態と黒色の状態とが切り替わる。よって、エレクトロクロミック層45の透光性(透明度)を容易に制御できる。
また、第4有機発光素子41からの発光光(紫外光)を、光電変換層40に電流を生じさせる光として適用することができる。一方、第5有機発光素子51からの発光光(色光)を、表示画像を得るための光として適用することができる。そのため、第4有機発光素子41の発光光の波長領域を適宜調整することによって、光電変換層40の形成材料の選択の自由度を高めることができる。
なお、本実施形態では、第5有機発光素子51の対向電極44と第4有機発光素子41の対向電極44とが一体化されており、対向電極44が共通電極として機能する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、第5有機発光素子51の対向電極と第4有機発光素子41の対向電極44とが別部材により構成されていてもよい。この場合には、第4有機発光素子41及び第5有機発光素子51の発光制御を互いに独立して制御する制御部を設けるとよい。
以上、図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されないことは言うまでもない。上記の実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
その他、有機EL表示装置の各構成部材の材料、数、配置等に関する具体的な構成は上記実施形態に限ることなく、適宜変更が可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
実施例に係る有機EL表示装置として、フォトクロミック層を備えた有機EL表示装置を用いた。本実施例に係る有機EL表示装置は、上記第2実施形態に係る有機EL表示装置2に対応する。
以下、本実施例に係る有機EL表示装置の作製方法について説明する。
(フォトクロミック層の作製方法)
フォトクロミック層の形成工程においては、フォトクロミック材料のビス(ジフェニルイミダゾール)[2.2]パラシクロファン0.5gに、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)2gを加え、100mlのクロロホルム中に溶解したフォトクロミック溶液を作製した。基板としては、0.7mmの厚みのガラス基板を用いた。
次に、作製したフォトクロミック溶液を基板上にスピンコート法で成膜した。その後、80℃で30分間プリベークし、膜厚100μmのフォトクロミック層を形成した。
(有機発光素子の作製方法)
基板のフォトクロミック層が形成された側とは反対側の面に、画素電極の形成材料(IZO)を、膜厚110nmとなるようスパッタ法により成膜し、画素電極を形成した。
次に、基板をインライン型抵抗加熱蒸着装置内の基板ホルダーに固定し、1×10−4Pa以下の真空まで減圧して、有機発光層の各有機層の成膜を行った。
まず、正孔注入材料としてN,N’−di−l-ナフチル-N,N’-ジフェニル-1,1’−ビフェニル-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン(α-NPD)を用い、抵抗加熱蒸着法により膜厚30nmの正孔注入層を形成した。
次いで、正孔輸送材料として4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(TCTA)を用い、抵抗加熱蒸着法により膜厚10nmの正孔輸送層を形成した。
次いで、正孔輸送層上の所望の画素位置に、青色の発光層(厚さ:25nm)を形成した。この青色の発光層は、1,4-ビス-トリフェニルシリル-ベンゼン(UGH−2)(ホスト材料)と、トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2’)(Ir(pmb))(青色燐光発光ドーパント)とを、それぞれ0.9Å/sec、0.1Å/ secの蒸着速度で共蒸着することによって作製した。
次いで、有機発光層の上に、2,9−ジメチルー4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を用いて、正孔防止層(厚さ:10nm)を形成した。
次いで、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を用いて電子注入層(厚さ:0.5nm)を形成した。
以上の処理によって、有機発光層の各有機層を成膜した。
この後、対向電極を形成した。具体的には、まず基板を金属蒸着用チャンバーに固定し、対向電極形成用のシャドーマスクと基板とをアライメントした。なお、当該シャドーマスクは、反射電極のストライプと対抗する向きに2mm幅のストライプ状に対向電極を形成できるように開口部が空いているマスクである。次いで、有機EL層の表面に、真空蒸着法により、マグネシウムと銀とをそれぞれ0.1Å/sec、0.9Å/secの蒸着速度で共蒸着し、マグネシウム銀を所望のパターンで形成(厚さ:1nm)した。さらに、対向電極での配線抵抗による電圧降下を抑制する目的で、銀を1Å/secの蒸着速度で所望のパターンで形成(厚さ:19nm)した。以上の処理によって、対向電極を形成した。
この対向電極上に(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)及び1mol%−ルブレン及び0.85mol%−-キナクリドン誘導体(DEQを蛍光体層として蒸着した。有機発光素子の発光光である紫外光により、DEQの黄色い発光を得ることができる。
[比較例]
比較例に係る有機EL表示装置として、フォトクロミック層を備えていない有機EL表示装置を用いた。比較例に係る有機EL表示装置の作製方法において、フォトクロミック層の作製方法以外の方法は、実施例と同様とした。
(視認性の評価)
以上のように作製した実施例及び比較例に係る有機EL表示装置のそれぞれについて、有機EL表示装置の下面側(視認側とは反対側)から外光として400lmの白色光を入射させ、有機発光素子を所定の輝度に発光させた場合の視認性を確認した。有機発光素子の発光輝度は、低輝度(10cd/m)、中輝度(100cd/m)、高輝度(1000cd/m)の3つの輝度を設定した。
視認性の評価結果を表1に示す。
Figure 2014072126
視認性については、目視により、以下の評価基準に基づき評価した。
「○(good)」:外光が気にならず、有機発光素子の発光光が良好に観測できる。
「△(fair)」:外光が気になるが、有機発光素子の発光光が普通に観測できる。
「×(bad)」:外光が気になり、有機発光素子の発光光が観測しにくい。
表1に示すように、比較例の評価結果から、以下のことが確認された。有機発光素子の発光輝度が低輝度(10cd/m)の場合、外光が気になり、有機発光素子の発光光が観測しにくい。有機発光素子の発光輝度が中輝度(100cd/m)の場合、外光が気になるが、有機発光素子の発光光が普通に観測できる。有機発光素子の発光輝度が高輝度(1000cd/m)の場合、外光が気にならず、有機発光素子の発光光が良好に観測できる。
これに対し、実施例の評価結果から、以下のことが確認された。有機発光素子の発光輝度が低輝度(10cd/m)、中輝度(100cd/m)、高輝度(1000cd/m)のいずれの場合においても、外光が気にならず、有機発光素子の発光光が良好に観測できる。
このように、実施例に係る有機EL表示装置によれば、有機発光素子の発光輝度に関わらず、比較例に係る有機EL表示装置よりも高い視認性を得ることができることが分かった。
図21は、有機発光素子の発光強度及び外光の強度の関係と視認性との関係を示す図である。図21において、横軸は有機発光素子の発光強度及び外光の強度の関係を示し、縦軸は視認性を示す。符号L1は有機発光素子の発光強度であり、符号L2は外光の強度である。
横軸に示す有機発光素子の発光強度及び外光の強度の関係において、L1<<L2は、外光の強度に対して有機発光素子の発光強度を極端に小さくしたときである。L1=L2は、外光の強度と有機発光素子の発光強度とを同じくしたときである。L1>>L2は、外光の強度に対して有機発光素子の発光強度を極端に大きくしたときである。
図21に示すように、比較例においては、有機発光素子の発光強度を大きくするに従って、視認性が高くなる。これにより、フォトクロミック層を備えていない有機EL表示装置において視認性を高めるには、有機発光素子の発光強度を大きくする必要があることが分かる。
これに対し、実施例においては、有機発光素子の発光強度に関わらず、コンスタントに高い視認性を得ることができる。これにより、フォトクロミック層を備えた有機EL表示装置によれば、有機発光素子の発光強度を大きくしなくても、高い視認性が得られることが分かる。
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置に利用可能である。
1,1A,1B,2,3,4,5,6,7,7A,8,9,101,102…有機EL表示装置(有機エレクトロルミネッセンス表示装置)、10…基板、11…第1有機発光素子、12…画素電極、13…第1有機発光層、14…対向電極、15,15A,15B…第1フォトクロミック層、16…蛍光体層、17…第1バンドパスフィルター、18…第2バンドパスフィルター、21…第2有機発光素子、31…第3有機発光素子、35,35A…第3フォトクロミック層、40…光電変換層、45…エレクトロクロミック層、51…第5有機発光素子、60…TFT(薄膜トランジスタ)


Claims (5)

  1. 画素電極と対向電極との間に第1有機発光層を挟持してなる第1有機発光素子と、前記第1有機発光素子が設けられた基板と、を備えた有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、
    前記第1有機発光素子の前記基板側若しくは前記基板とは反対側において、前記基板の法線方向から見て、少なくとも前記第1有機発光素子の画素電極と重なる位置に、前記第1有機発光素子から発せられた光によって変色し、可視光の少なくとも一部を吸収する第1フォトクロミック層が設けられている有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  2. 前記第1有機発光素子の前記第1フォトクロミック層が設けられた側とは反対側に、可視光を発する第2有機発光素子が設けられ、
    前記第1有機発光素子と前記第2有機発光素子とは互いに独立に発光が制御される請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  3. 前記第1有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長が可視光領域に存在し、
    前記基板上に前記第1有機発光素子と隣接して第3有機発光素子が設けられ、
    前記第3有機発光素子は画素電極と対向電極との間に第3有機発光層を挟持してなり、
    前記第3有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長が紫外線領域に存在し、
    前記第3有機発光素子の前記基板側若しくは前記基板とは反対側において、前記基板の法線方向から見て、少なくとも前記第3有機発光素子の画素電極と重なる位置に、前記第3有機発光素子から発せられた光によって変色し、可視光の少なくとも一部を吸収する第3フォトクロミック層が設けられている請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  4. 画素電極と対向電極との間に第4有機発光層を挟持してなる第4有機発光素子と、前記第4有機発光素子が設けられた基板と、を備えた有機EL表示装置であって、
    前記第4有機発光素子の前記基板側若しくは前記基板とは反対側において、前記基板の法線方向から見て、少なくとも前記第4有機発光素子の画素電極と重なる位置に、前記第4有機発光素子から発せられた光によって電流を生じる光電変換層と、前記光電変換層によって生じた電流によって変色し、可視光の少なくとも一部を吸収するエレクトロクロミック層と、が設けられている有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  5. 前記第4有機発光素子の前記エレクトロクロミック層が設けられた側とは反対側に、可視光を発する第5有機発光素子が設けられ、
    前記第4有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長が紫外線領域に存在し、
    前記第5有機発光素子の発光スペクトルのピーク波長が可視光領域に存在する請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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