以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による情報処理装置を説明する図であり、図1(a)は、この情報処理装置の外観を示し、図1(b)は、この情報処理装置の信号処理システムの構成を示している。図2は、この情報処理装置を構成するタッチパネル表示装置を説明する図であり、図2(a)は、このタッチパネル表示装置の構成を機能ブロックで示し、図2(b)は、このタッチパネル表示装置におけるタッチパネル表示部の構造を概念的に示している。図3は、この情報処理装置を構成する周辺機器の構成(図3(a))およびメモリの構成(図3(b))を示している。
まず、本実施形態1の情報処理装置1000の基本構成について説明する。
この情報処理装置1000は、操作者による表示画面上でのタッチ操作が可能な携帯型の電子機器であり、ネットワーク上の情報処理端末として機能するものである。具体的には、この情報処理装置1000は、タッチパネルを搭載した情報機器、即ち、携帯電話、タブレット型情報端末、パーソナルコンピュータであり、これらの情報機器は、無線通信回線と共に活用するWEBカメラを含むカメラユニットが搭載されている。ただし、この情報処理装置1000は、ネットワークには繋がっていない電子辞書などの携帯用の電子情報機器などでもよい。
図1(a)に示すようにこの情報処理装置1000の筐体100aには、タッチ操作による情報の入力が可能なタッチパネル表示部100が装着されており、この筐体100aの、タッチパネル表示部100の周縁に位置する部分は、タッチ操作による情報入力ができない額縁部100bとなっている。
このタッチパネル表示部100は、図2(b)に示すように、画像を表示する画像表示面5051を有する表示部505と、操作者がタッチ操作を行うためのタッチ操作面5041を有するタッチパネル本体504とを組み合わせたものであり、表示部505の画像表示面5051にタッチパネル本体504のタッチ領域を構成するタッチ操作面5041が重ねて配置されている。
なお、以下では、説明の簡略化のため、表示部505の画像表示面5051およびタッチパネル本体504のタッチ操作面5041をそれぞれ、単にタッチパネル表示部100の画像表示面およびタッチ操作面ともいう。
また、この情報処理装置1000の信号処理システムは、コンピュータシステムとして構成されており、この情報処理装置1000は、図2(a)および図1(b)に示すように表示部505とタッチパネル本体504とを組み合わせたタッチパネル表示部100を含み、種々のタッチ操作キーの画像をタッチパネル表示部100の画像表示面に表示するタッチパネル表示装置500を有している。
また、この情報処理装置1000は、図1(b)に示すように、周辺機器530と、各種データを記憶するメモリ529と、システム制御部521とを有しており、システム制御部521は、タッチパネル表示装置500、周辺機器530およびメモリ529にデータバス503を介して接続されている。
また、この情報処理装置1000は、タッチパネル表示装置500、周辺機器530、メモリ529、およびシステム制御部521に電力を供給する電源部542を有しており、この電源部542は、一次電池としてのリチウム電池を搭載している。
以下、この情報処理装置1000の信号処理システムを構成する各部の構成についてより詳しく説明する。
〔タッチパネル表示装置500〕
図2は、タッチパネル表示装置500の構成を示している。
このタッチパネル表示装置500は、図2に示すように、タッチ操作を行うためのタッチ操作面5041を有するタッチパネル本体504と、このタッチ操作面5041と重なるようその下側に配置された画像表示面5051を有する表示部505と、タッチパネル本体504を駆動制御するタッチパネル制御回路506と、表示部505にて画像表示が行われるよう表示部505を制御する表示制御部507とを備え、この画像表示面5051に表示した操作ボタンに対する情報入力をタッチ操作面5041上でのタッチ操作により行うよう構成したものであり、タッチパネル表示装置500のタッチパネル本体504と表示部505とが上記筐体100aに取り付けられて上記タッチパネル表示部100を形成している。ここで、タッチパネル本体504とタッチパネル制御回路506とによりタッチパネル550が構成されており、表示部505と表示制御部507とにより表示装置560が構成されている。
(タッチパネル本体504)
ここで、タッチパネル本体504は、そのタッチ操作面5041を構成する部分が光透過性を有するものであり、タッチ操作面5041が表示部505の画像表示面5051上に重なって位置し、表示部505の画像表示面5051の、タッチ操作による接触点の座標が静電容量方式によってタッチ位置として検出されるように構成されている。このタッチパネル本体504は複数のタッチ位置を同時に検知可能なものが望ましいが、複数タッチに対応していなくてもよい。タッチパネル本体504で生成されたセンス信号はタッチパネル制御回路506で処理されてタッチ位置を示すタッチ位置情報として出力される。
つまり、タッチパネル本体504およびタッチパネル制御回路506は静電容量方式の位置入力装置(つまり静電容量方式タッチパネル)を構成しており、透明性基材に形成されたマトリクス状電極構造、例えば複数の行電極(ドライブライン)と複数の列電極(センスライン)とを立体的に交差させた構造における交差部での静電容量の変化を検出するものであり、また、表示部505の画像表示面5051上にはタッチパネル本体504のタッチ操作面5041が重ねられており、従って、画像表示面5051に表示された操作ボタンの画像上をタッチすることにより入力操作を行うことができる。ここで、ドライブラインは行方向に並ぶ複数の電極を接続してなるものであり、センスラインは列方向に並ぶ複数の電極を接続してなるものである。
(タッチパネル制御回路506)
タッチパネル制御回路506は、タッチパネル本体504にそのドライブ信号を供給するとともに、タッチパネル本体504で検出されたセンス信号を受け取り、このセンス信号に基づいて、タッチ位置を示すタッチ位置情報、タッチの強さ、およびタッチの大きさを含むタッチ情報を出力するものであり、このタッチパネル制御回路506からのタッチ位置情報はデータバス503を介してシステム制御部521に供給される。
(タッチパネル)
図4は、タッチパネル本体504およびタッチパネル制御回路506を含むタッチパネル550を説明する図である。
このタッチパネル550を構成するタッチパネル本体504は、フィルム状透明基板(ここでは、フレキシブルプリント基板)の透明性基材上に水平方向に沿って配置された複数のドライブラインDLと、複数のドライブラインDLと交差するように垂直方向に沿って配置された複数のセンスラインSLとを有しており、ドライブラインDLとセンスラインSLとは、その交差部Xでは絶縁膜により絶縁されており、この交差部Xでの容量の変化に基づいてタッチ位置を検出可能な構成となっている。
また、このタッチパネル550を構成するタッチパネル制御回路506は、ドライブラインDLに駆動信号を印加するドライブライン駆動部110と、センスラインSLからのセンス信号を検出してタッチ位置を算出するセンスライン検知部120と、センスライン検知部120からの出力信号に基づいてドライブライン駆動部110およびセンスライン検知部120を制御する制御部130とを有している。
このセンスライン検知部120は、センスラインSLからのセンス信号を増幅する増幅回路121と、この増幅回路121で増幅されたセンス信号を順次選択して出力する信号選択部122と、この信号選択部122で選択されたセンス信号をAD変換するA/D変換部123とを有している。
センスライン検知部120は、このA/D変換部123から出力されたデジタルセンス信号のうち、タッチパネル本体504のタッチ領域の端部に位置する電極ラインから得られたものを検出し、検出したデジタルセンス信号にこれが端部の電極ラインからのものであることを示す情報を付加して出力する端部検出部126aと、タッチパネル本体504のタッチ領域の端部に位置する電極ラインから得られたデジタルセンス信号を、端部以外の電極ラインから得られたデジタルセンス信号と同じ信号レベルとなるよう補正するタッチレベル補正処理部126bとを有している。
センスライン検知部120は、このタッチレベル補正処理部126bから出力されたデジタルセンス信号を復号化して、隣接する電極間の静電容量値を示す容量情報(具体的には、タッチ操作面(タッチ領域)5041における静電容量値の分布情報)を出力する復号処理部124と、この容量情報に基づいてタッチ位置を検出してタッチ位置を示す座標情報を算出するタッチ位置算出部125とを有している。
なお、ここでは、ドライブライン駆動部110は、ドライブラインDLに順次駆動信号を印加する構成としているが、ドライブライン駆動部110は、複数のドライブラインDLに対して、独立した複数の符号列に対応した複数系列の駆動信号を一斉に印加する構成としてもよく、その場合は、復号処理部124では、複数のセンスラインからの複数のセンス信号の復号化処理は、ドライブライン駆動部110の複数の駆動信号に対応した複数の符号列に基づいて行われる。
図5は、本発明の実施形態1による情報処理装置を説明する図であり、図5(a)は、この情報処理装置の断面構造を示し、図5(b)は、この情報処理装置を構成するタッチパネル表示装置に用いるフレキシブル配線基板(以下、タッチパネル用フレキシブル基板という。)の構成を示している。
この情報処理装置1000を構成するタッチパネル表示装置500は、タッチパネル(TP)550と表示装置(具体的には液晶パネルLCP)560とを有し、タッチパネル550と表示装置560とはタッチパネル550が表面側に位置するように上下に重ねて配置されている。このタッチパネル表示装置500では、タッチパネル550の上側には、表示装置560やタッチパネル550を保護するフロントパネル(透明カバー部材)FWが設けられている。
ここで、タッチパネル550は、タッチパネル用フレキシブル基板FPC上に形成したタッチパネル本体504と、タッチパネル用フレキシブル基板FPC上に実装したタッチパネル制御回路506とを有しており、このタッチパネル制御回路506は、タッチパネルコントローラIC(TPIC)により構成されている。タッチパネルコントローラICは接合部FOGによりタッチパネル用フレキシブル基板FPCに固着されている。ここで、タッチパネル用フレキシブル基板FPCは可撓性を有しているため、その下側に位置するガラス板(図示せず)により支持されている。
また、表示装置(LCP)560は、表示部505と表示制御部507とを有しており、表示部505は、薄膜トランジスタなどの回路素子が形成されているTFT基板TFTSと、カラーフィルタが形成されているカラーフィルタ基板(対向基板)CFSとを有し、TFT基板TFTSとカラーフィルタ基板CFSとは対向するように配置されている。TFT基板TFTSとカラーフィルタ基板CFSとの間の領域はシール材SHにより密閉されており、これらの基板の間の領域には液晶LCが充填されている。TFT基板TFTSの裏面側には下側偏光板SPPを介してバックライトユニットBLUが設けられており、カラーフィルタ基板CFSの上面側には上側偏光板UPPが設けられている。さらにTFT基板TFTSの、カラーフィルタ基板CFSの外側に位置する部分には、表示部505を駆動する表示制御部507としてのドライバチップDRCが実装されており、TFT基板TFTSの一端にはFOG圧着による接合部FOGによりタッチパネル用フレキシブル基板FPCの一端の接続領域534が接続されている。ここで、ドライバチップDRCは、FOG圧着による接合部FOGによりTFT基板TFTSに固着されている。
タッチパネル本体504は、タッチ操作により生じたタッチ信号を静電容量型タッチパネルの外部の回路基板に供給するタッチパネル用導体層514を有し、このタッチパネル用導体層514は、タッチパネル用フレキシブル基板FPC上に形成されている。
このタッチパネル用導体層514は、タッチ領域を形成する複数の電極を有するタッチパネル電極部(TPEP)514aと、これらの複数の電極に対する信号の印加および複数の電極からの信号の取出しを行う複数の信号配線を有するタッチ信号配線部514bと、複数の信号配線が静電容量型タッチパネル550の外部に設けられているTFT基板TFTSに接続されるように信号配線をTFT基板TFTSに引き出す複数の信号引出線を有するタッチ信号引出部514cとを含み、電気的に接続される電極、信号配線および信号引出線は一体に形成されている。
以下、タッチパネル用フレキシブル基板FPCについて詳しく説明する。
図6は、本発明の実施形態1による情報処理装置を説明する図であり、図5(b)に示すタッチパネル用フレキシブル基板FPCの電極および配線の構造を示している。
タッチパネル用フレキシブル基板FPCの透光性基材(例えばポリイミド膜)3(図6および図7(c)参照)のタッチ操作側面には、タッチ領域101が形成されるよう、タッチ操作を検知する所定の平面パターンを有する単位検知部15〜18が行列状に配列されている。ここでは、これらの単位検知部15〜18は、タッチパネル550のタッチパネル本体504を構成しており、このタッチパネル本体504におけるタッチ領域101の最外周に位置する単位検知部である最外周単位検知部17および18の平面パターンを、タッチパネル部504における最外周単位検知部以外の単位検知部である内側単位検知部15および16の平面パターンとは異なるパターンとし、タッチ領域101の側辺に沿って並ぶ複数の最外周単位検知部17および18を側辺毎に電気的に接続している。
具体的には、内側単位検知部15および16の平面パターンは、内側単位検知部の配列方向と平行な線を対称軸とする線対称な形状であり、内側単位検知部15および16は、光透過性の導電材料(例えば、ITO膜)からなる菱形形状の電極(以下、菱形電極ともいう。)である。また、最外周単位検知部17および18の平面パターンは、内側単位検知部(菱形電極)15および16の平面パターンの対称軸で切断して得られる形状にその切断部分に合わせてこの対称軸と同じ長さの帯状形状を接合した形状であり、最外周単位検知部17および18は、光透過性の導電材料からなる三角形形状の電極(以下、三角電極ともいう。)である。この三角電極17および18は上記菱形電極15および16の略半分の面積を有している。
そして、タッチ領域101では、第1の方向Xに並ぶ菱形電極15を電気的に接続してなる第1の方向Xに延びる第1の電極ライン11a〜11fが、第1の方向Xと直交する第2の方向Yに配列されており、また、第2の方向Yに並ぶ菱形電極16を電気的に接続してなる第2の方向Yに延びる第2の電極ライン12a〜12dが第1の方向Xに配列されている。
ここで、第1の電極ライン11a〜11fを構成する隣接する4つの菱形電極15に囲まれた隙間領域には、第2の電極ライン12a〜12dを構成する菱形電極16が位置している。また、第2の電極ライン12a〜12dを構成する隣接する4つの菱形電極16に囲まれた隙間領域には、第1の電極ライン11a〜11fを構成する菱形電極15が位置している。つまり、隣接する異なる電極ラインの菱形電極15および16はこれらの間に静電容量が形成されるよう配置されている。
また、タッチ領域101の第1の方向Xに平行な両側辺部分には、第1の方向Xに沿って並ぶ三角電極17を電気的に接続してなる第1の方向Xに延びる第3の電極ライン13aおよび13bが配置されており、タッチ領域101の第2の方向Yに平行な両側辺部分には、第2の方向Yに沿って並ぶ三角電極18を電気的に接続してなる第2の方向Yに延びる第4の電極ライン14aおよび14bが配置されている。
ここで、第1の電極ライン11a〜11fおよび第3の電極ライン13aおよび13bの一端側の菱形電極15および三角電極17とタッチ領域101の周縁との間の隙間には、第4の電極ライン14aを構成する三角電極18が位置し、第1の電極ライン11a〜11fおよび第3の電極ライン13aおよび13bの他端側の菱形電極15および三角電極17とタッチ領域101の周縁との間の隙間には、第4の電極ライン14bを構成する三角電極18が位置している。また、第2の電極ライン12a〜12dおよび第4の電極ライン14aおよび14bの一端側の菱形電極16および三角電極18とタッチ領域101の周縁との間の隙間には、第3の電極ライン13aを構成する三角電極17が位置し、第2の電極ライン12a〜12fおよび第4の電極ライン14aおよび14bの他端側の菱形電極16および三角電極18とタッチ領域101の周縁との間の隙間には、第3の電極ライン13bを構成する三角電極17が位置している。つまり、タッチ領域101の側縁部においても、隣接する異なる電極ラインの菱形電極15および三角電極17と、菱形電極16および三角電極18とは、これらの間に静電容量が形成されるよう配置されている。
また、第1の電極ライン11a〜11f、第2の電極ライン12a〜12d、第3の電極ライン13a〜13b、および第4の電極ライン14a〜14bは、透光性基材3の同一面上に同一導電層により形成されている。このため、第1の電極ライン11a〜11fおよび第3の電極ライン13bは、第2の電極ライン12a〜12dおよび第4の電極ライン14a〜14bに対して、交差部分19が複数存在する。
そこで、この実施形態1のタッチパネル550では、複数の交差部分19のいずれにおいても、第1の電極ライン11a〜11fおよび第3の電極ライン13a、13bは、隣接する菱形電極15同士および隣接する三角電極17同士が、これらの電極を構成する導電層により繋がった構造となっている一方で、第2の電極ライン12a〜12dおよび第4の電極ライン14a、14bは、隣接する菱形電極16同士、および隣接する三角電極18同士を分離した構成になっている。
図7は、上記交差部分の構造を説明する図であり、図7(a)は、第1の電極ライン11aと第2の電極ライン12aとの交差部分(図6のA2部分)を示し、図7(b)は、第1の電極ライン11aと第4の電極ライン14bとの交差部分(図6のB2部分)を示し、図7(c)は、第1の電極ライン11aと第2の電極ライン12aとの交差部分(図7のC2−C2’線部分)の断面構造を示している。
図7(a)および図7(c)に示すように、第1の電極ライン11aと第2の電極ライン12aとの交差部分では、第1の電極ライン11aを構成する隣接する菱形電極15は、この電極を構成する導電層によりつながっており、この菱形電極15を繋ぐ部分の上側には、透光性の層間絶縁膜4aが形成されている。また、上記交差部分では、第2の電極ライン12aを構成する隣接する菱形電極16は分離されており、これらの菱形電極16は、上記層間絶縁膜4aの上層として形成された透光性の中継導電部材4bにより電気的に接続されている。これにより、第2の電極ライン12aは、第2の方向Yに配列された菱形電極16が電気的に接続された構造となっている。
図7(b)に示すように、第1の電極ライン11aと第4の電極ライン14bとの交差部分では、第1の電極ライン11aを構成する菱形電極15の端部にはこの電極を構成する導電層により配線接続部15bが形成されており、この菱形電極15の配線接続部15bの上側には、透光性の層間絶縁膜4aが形成されている。図7(b)に示す交差部分では、第4の電極ライン14aを構成する隣接する三角電極18は分離されており、これらの三角電極18は、上記層間絶縁膜4aの上層として形成された透光性の中継導電部材4bにより電気的に接続されている。これにより、第4の電極ライン14bは、第2の方向Yに配列された三角電極18が電気的に接続された構造となっている。
なお、第1の電極ライン11aと第4の電極ライン14aとの交差部分も、図7(b)に示す、第1の電極ライン11aと第4の電極ライン14bとの交差部分と同様な構造となっている。また、その他の第1の電極ラインと第2および第4の電極ラインとの交差部分も図7で説明した交差部分の構造と同様の構造となっている。
さらに、タッチパネル用フレキシブル基板FPCの透光性基材3の、タッチ領域101の外側の領域には、第1の電極ライン11a〜11f及び第3の電極ライン13a、13bに対する信号の印加およびこれらの電極ラインからの信号の取出しを行う複数の信号配線L1a〜L1f及びL3a、L3bが形成されており、また、これらの信号配線L1a〜L1f及びL3a、L3bは、信号引出線T1a〜T1f及びT3a、T3bに接続されており、これらの信号引出線は、該複数の信号配線が該静電容量型タッチパネル550の外部に設けられているTFT基板TFTSに接続されるように信号配線をTFT基板TFTSに引き出す配線である。
また、同様に、第2の電極ライン12a〜12d及び第4の電極ライン14a、14bに対する信号の印加およびこれらの電極ラインからの信号の取出しを行う複数の信号配線L2a〜L2d及びL4a、L4bが形成されており、また、これらの信号配線L2a〜L2d及びL4a、L4bは、信号引出線T2a〜T2d及びT4a、T4bに接続されており、これらの信号引出線は、複数の信号配線が静電容量型タッチパネル550の外部に設けられているTFT基板TFTSに接続されるように信号配線をTFT基板TFTSに引き出す配線である。
このタッチパネル本体504では、これらの信号引出線T1a〜T1f及びT3a、T3bは駆動信号が印加され、また、信号引出線T2a〜T2d及びT4a、T4bからはセンス信号が出力されるようになっている。
また、このパネル部504では、信号引出線T1a〜T1f、T3a、T3b、T2a〜T2d及びT4a、T4bの一端側は、信号配線L1a〜L1f、L3a、L3b、L2a〜L2d及びL4a、L4bと一体に繋がっており、これらの信号引出線の他端側は、タッチパネルコントローラICを実装するIC実装領域(TPIC実装パターン領域)533における対応する電極パッド(図示せず)に導体層により一体に接続されている。
また、電気的に接続される電極ラインを構成する複数の電極と信号配線とは、導体層により一体に形成されている。
また、タッチパネル用フレキシブル基板FPCの透光性基材3の、IC実装領域533より先端側の部分には、外部の回路基板に接続される接続領域534が設けられており、透光性基材3におけるIC実装領域533と接続領域534との間の領域には、IC実装領域533における電極パッドと、接続領域534の対応する電極パッドとを接続する電源配線532および端子接続線531が、上記タッチパネル用導体層514によりこれらの電極パッドと一体に形成されている。
(表示部505)
表示部505は、表示制御部507より送られてくる表示信号に基づいて画像を画像表示面5051に表示するものである。
(表示制御部507)
表示制御部507は、表示部505の画像表示面5051に画像が表示されるよう表示部505に表示信号を供給するものであり、例えば、システム制御部521が、操作ボタンの画像とその他の画像(背景画像)とを合成して得られる合成画像の画像データを表示制御部507に供給すると、この表示制御部507が、画像データに基づいて合成画像を表示するための表示信号を表示部505に供給するようになっている。
〔メモリ529〕
図3(b)は、この実施形態1の情報処理装置1000を構成するメモリ529の構成を示している。
このメモリ529は、種々のデータを格納するものであり、このメモリ529には、揮発性メモリおよび不揮発性メモリが含まれる。このメモリ529は、図3(b)に示すように、この情報処理装置1000における信号処理を制御する制御プログラムを記憶している制御プログラム記憶部529aと、この情報処理装置1000に対する正規の操作者であるか否かを判定するための認証情報などのセキュリティー情報を記憶するセキュリティー情報記憶部529bと、この情報処理装置1000で処理される種々の情報を一時的に記憶する一時情報記憶部529cとを有している。
ここで、制御プログラムは、システム制御部521がメモリ529、タッチパネル制御回路506、表示制御部507、および周辺機器530を制御するプログラムを含んでいる。また、このメモリ529には、この情報処理装置1000で実行する他のアプリケーション(アプリケーションプログラム)が格納されている。
〔周辺機器530〕
図3(a)は、この実施形態1の情報処理装置1000を構成する周辺機器530の構成を示している。
この周辺機器530は、図3(a)に示すように、種々のデータを含む信号を無線で送受信する無線送受信部522と、この無線送受信部522に接続されたアンテナ523と、種々のデータを含む信号を有線で送受信する有線送受信部524と、被写体の撮影を行う画像撮影用カメラ525と、音声信号の処理を行う音声処理部526と、音声信号あるいは音声を出力する音声出力部5271と、受信した音声信号、あるいは集音により得られた音声信号を出力する集音部5272と、経時動作を行うタイマ528とを有している。
〔システム制御部521〕
この実施形態1の情報処理装置1000を構成するシステム制御部(制御プロセッサMPU)521は、メモリ529に格納されている制御プログラムをプログラム領域に展開して情報処理装置1000内の各部を制御する処理を実行するものであり、メモリ529、タッチパネル表示装置500、および周辺機器530とデータバス503により相互にデータの受け渡しが可能となるよう接続されている。
次に、動作について説明する。
操作者が、携帯型の情報処理装置1000における信号処理システムの電源をONにすると、システム制御部(MPU)521が、制御プログラムを自動実行する。
システム制御部521が制御プログラムを実行することにより、タッチパネル表示装置500では、表示装置560には、操作ボタンが表示され、タッチパネル550では、操作者による操作ボタンのタッチ操作による情報入力が可能となる。タッチパネル550で得られたタッチ位置情報Dtはシステム制御部521に出力され、システム制御部521はタッチ位置情報Dtからタッチ情報の有無とタッチ情報の位置座標に関する情報を得て、情報処理装置500の動作を制御する。
以下、タッチパネルでの動作について詳しく説明する。
タッチパネルのタッチ制御回路(タッチパネルコントロールIC)506では、制御部130により制御されるドライブライン駆動部110が駆動信号Drをタッチパネル本体504の信号引出線T1a〜T1f、T3a、T3bに印加すると、この駆動信号Drにより第1の電極ライン11a〜11f及び第3の電極ライン13a、13bが駆動され、これにより第2の電極ライン12a〜12f及び第4の電極ライン14a、14bに発生したセンス電圧がセンス信号Seとして信号引出線T2a〜T2d、T4a、T4bからセンスライン検知部120に出力される。
センスライン検知部120では、増幅回路121が、入力されたセンス信号Seを増幅して信号選択部122へ出力する。信号選択部122は、増幅回路121からのセンス信号を選択して順次A/D変換部123へ出力する。A/D変換部123はセンス信号をデジタル化して端部検出部126aに出力する。端部検出部126aは、タッチ領域101の両端部に位置する第4の電極ライン14a、14bからのセンス信号を検知し、検出したデジタルセンス信号にこれがタッチ領域101の端部に位置する第4の電極ライン14a、14bからのものであることを示す情報を付加してタッチレベル補正処理部126bに出力する。タッチレベル補正処理部126bは、パネル部504のタッチ領域101の端部に位置する第4の電極ライン14a、14bから得られたデジタルセンス信号を、端部以外の第2の電極ライン12a〜12dから得られたデジタルセンス信号と同じ信号レベルとなるよう補正する。タッチレベル補正処理部126bでは、タッチ領域端部以外に位置する第2の電極ライン12a〜12dから得られたデジタルセンス信号は補正せずにそのまま復号処理部124に出力する。
復号処理部124では、デジタル化されたセンス信号に対する復号化処理により、タッチパネルにおける隣接する電極間の静電容量値を検出してタッチ位置算出部125に出力する。タッチ位置算出部125は、検出された隣接する電極間の静電容量値に基づいて、タッチ領域におけるタッチ位置を示すタッチ位置情報Dtを作成して出力する。タッチパネル表示装置500から出力されたタッチ位置情報Dtはデータバス503を介してシステム制御部521に供給される。
また、制御部130はタッチ位置情報Dtに基づいて、ドライブライン制御部110、増幅回路121および信号選択部122での動作タイミングを制御する。
また、システム制御部521では、操作者の操作内容を判定し、表示部505で操作内容に応じた画像が表示されるよう表示制御部507に表示データを出力する。
ここで、タッチパネル550に対してタッチ操作が行われていない状態では、隣接する電極間の静電容量値はタッチ領域の全面にわたって均一である。つまり、タッチ領域でマトリクス状に分布した隣接する電極間の容量値は一定である。
このような状態で、タッチパネル本体のいずれかの箇所に導電体である指などが触れると、電極ラインと指との間でも容量を持ち、タッチ位置では、駆動信号が印加される電極ラインの電極と、センス信号が取り出される電極ラインの電極との間の静電容量値が低下する。タッチパネル制御回路560は、タッチパネル本体504でのこの低下分をセンス信号として取り出すことにより、指が触れた位置を検出する。
次にフレキシブルプリント基板の製造方法について説明する。
まず、第1の導電層形成工程では、タッチパネル用フレキシブル基板(フレキシブル配線基板)を構成する絶縁性の透明性基材(ポリイミド膜)3上に、タッチパネル用導体層514における配線が交差する交差部以外の部分、および該交差部で下側に位置する部分(菱形電極)15および16、並びに三角電極17および18を導電性材料で形成する。このとき、信号配線L1a〜L1f及びL3a、L3b、L2a〜L2d及びL4a、L4b、さらに、信号引出線T1a〜T1f及びT3a、T3b、T2a〜T2d及びT4a、T4bも同時に形成される。
次に、絶縁層形成工程では、透明性基材3上の、該交差部および該交差部の周辺部を含む領域に選択的に絶縁層4aを形成する。
続いて、第2の導電層形成工程では、透明性基材3上の、該絶縁層4aの上部および該絶縁層4aの周辺部を含む領域に導電性材料からなる導電層4bを形成して該タッチパネル用導体層の該交差部で上側に位置する部分を形成する。
このように、タッチパネル用導体層における配線が交差する交差部以外の部分、および該交差部で下側に位置する部分を導電性材料で形成した後、該交差部および該交差部の周辺部を含む領域に選択的に絶縁層を形成し、その後、該絶縁層の上部および該絶縁層の周辺部を含む領域に導電性材料からなる導電層を形成して該タッチパネル用導体層の該交差部で上側に位置する部分を形成することで、配線が立体的に交差する部分を含むタッチパネル用導体層を、層間絶縁膜を形成したり、コンタクトホールを形成したりすることなく、効率よく形成することができる。
ここで、第1の導電層形成工程と第2の導電層形成工程では導体層としてITO膜を形成する。タッチ領域を形成する複数の電極をITO膜で構成した場合は、中小型のタッチパネルを廉価に提供できる。
但し、第1の導電層形成工程と第2の導電層形成工程とは金属細線を形成する金属細線工程を含み、金属細線工程により、電極部を構成する複数の電極、つまり菱形電極、三角電極、信号配線、および信号引出線を形成してもよい。この場合は、電極などの抵抗が低くなり、これによりタッチパネルの応答速度が高まり、高速で大型のタッチパネルを実現することができる。つまり、大型タッチパネル表示装置および大型タッチパネル表示装置を備えた情報処理装置に必要なフレキシブル配線基板の効率よい製造方法を提供できる。
以下、本実施形態1の作用効果について説明する。
このように本実施形態1の情報処理装置1000におけるタッチパネル550を構成するタッチパネル用フレキシブル基板(フレキシブル配線基板)FPCとして、タッチ操作により生じたタッチ信号を静電容量型タッチパネル550の外部の回路基板に供給するタッチパネル用導体層514を透光性基材3上に形成した構造の基板を用い、このタッチパネル用導体層514を、タッチ領域を形成する複数の電極を有する電極部(TPEP)514aと、複数の電極に対する信号の印加および複数の電極からの信号の取出しを行う複数の信号配線を有する信号配線部514bと、複数の信号配線がタッチパネル550の外部に設けられているTFT基板TFTSに接続されるように信号配線をTFT基板TFTSに引き出す複数の信号引出線を有する信号引出部514cとを含み、電気的に接続される信号配線および信号引出線を一体に形成した構造としている。
このような構成のタッチパネル用フレキシブル基板FPCでは、タッチパネル本体504の信号配線部514bを構成する信号配線とタッチパネル本体504の信号引出部514cを構成する信号引出線とが一体につながっているため、信号配線と信号引出線の接合部が不要となり、これらの間での接続不良の問題を解消するとともに、タッチパネル550の電極部514a(つまりタッチ領域100)の周縁に位置するタッチ入力ができない額縁部100bを狭くすることができる。また、タッチパネル用フレキシブル基板FPCを特許文献1のように種類の異なる異方性導電フィルムで接合する必要がないので、製造の材料である異方性導電フィルムとして異なる材料を手配する手間を削減できる。
また、タッチパネル用フレキシブル基板FPC上にタッチパネルコントローラとしてのICを実装するタッチパネル実装パターン領域533を設けているので、タッチパネル本体504の電極部514aに印加する信号あるいは電極部514aから取得する信号に対するアナログ信号処理を行うタッチパネル制御回路(タッチパネルコントロールIC)506と電極部514aとの間の配線が短くなり、ノイズを抑制できる。
また、タッチパネルの電極部514aの周縁部に位置する電極の形状を、周縁部以外の領域に位置する電極の形状を電極ラインの延びる方向に沿った対称軸で分割した、対称軸部分を含む形状としたので、電極部の周縁ぎりぎりに配置した電極ラインからセンス信号を取得でき、電極部の周縁部でのノイズの影響を抑制したタッチパネルを提供できる。つまり、タッチ領域の周縁部のぎりぎりまで縦方向あるいは横方向に電気的に繋がった電極が配置されることとなり、これにより電極部の周縁部に位置する電極からS/N比の高いセンス信号を取得でき、電極部の周縁部でのノイズの影響を抑制することができる。
また、この実施形態1では、タッチパネル用導体層における配線が交差する交差部以外の部分、および該交差部で下側に位置する部分を導電性材料で形成した後、該交差部および該交差部の周辺部を含む領域に選択的に絶縁層を形成し、その後、該絶縁層の上部および該絶縁層の周辺部を含む領域に導電性材料からなる導電層を形成して該タッチパネル用導体層の該交差部で上側に位置する部分を形成するので、配線が立体的に交差する部分を含むタッチパネル用導体層を、層間絶縁膜を形成したり、コンタクトホールを形成したりすることなく、効率よく形成することができる。
(実施形態1の変形例1)
図8Aは、本発明の実施形態1の変形例1による情報処理装置を説明する図であり、この情報処理装置の断面構造を示している。
この実施形態1の変形例1による情報処理装置1000aは、実施形態1の情報処理装置1000におけるタッチパネル表示装置500に代わるタッチパネル表示装置500aを備えたものである。
この情報処理装置1000aは、実施形態1の情報処理装置1000において、表示装置(液晶パネルLCP)560を構成するバックライトBLの下側に、制御回路等を実装した制御回路基板CNTSを配置し、タッチパネルコントローラIC(TCIC)506をこの制御回路基板CNTS上に実装し、さらに、この変形例1のタッチパネル表示装置500aでは、実施形態1のタッチパネル用フレキシブル基板FPCに代わるタッチパネル用フレキシブル基板FPCaを用いている。また、この制御回路基板CNTS上には、システム制御部(MPU)521が実装されている。
このタッチパネル用フレキシブル基板FPCaは、実施形態1のタッチパネル用フレキシブル基板FPCにおけるタッチパネル外側の回路基板に接続する部分を2分岐したものであり、一方の分岐部分Dp1がTFT基板TFTSに接合部FOGにより接続され、他方の分岐部分Dp2が制御回路基板CNTSに接合部FOGにより接続されている。ここで、接合部FOGはFOG圧着によるものである。
つまり、この実施形態1の変形例1のタッチパネル表示装置500aでは、タッチパネル本体504aは、上記タッチパネル用フレキシブル基板FPCaにより構成されており、タッチパネル550aは、このタッチパネル用フレキシブル基板FPCaと、制御回路基板CNTS上に実装されたタッチパネルコントローラIC506とを有している。
このような構成の本実施形態1の変形例1では、タッチパネルコントローラIC506を、バックライトBLの下方に配置した制御回路基板CNTSに実装しているので、タッチパネル用フレキシブル基板FPCaでは、タッチパネルコントローラIC506の実装領域は不要となり、タッチパネル550aの電極部514a(つまりタッチ領域101)の周縁部である額縁部100b(図1(a)参照)を一層狭くすることができる。
(実施形態1の変形例2)
図8Bは、本発明の実施形態1の変形例2による情報処理装置を説明する図であり、この情報処理装置の断面構造を示している。
この実施形態1の変形例2による情報処理装置1000bは、実施形態1の情報処理装置1000におけるタッチパネル表示装置500に代わるタッチパネル表示装置500bを備えたものである。
この情報処理装置1000bは、実施形態1の情報処理装置1000において、液晶表示パネル560を構成するバックライトBLの下側に制御回路等を実装した制御回路基板CNTSを配置し、タッチパネルコントローラIC(TCIC)506をこの制御回路基板CNTS上に実装し、さらに、この変形例2のタッチパネル表示装置500bでは、実施形態1のタッチパネル用フレキシブル基板FPCに代わるタッチパネル用フレキシブル基板FPCbを用いている。なお、この制御回路基板CNTS上には、システム制御部(MPU)521が実装されている。
このタッチパネル用フレキシブル基板FPCbは、実施形態1のタッチパネル用フレキシブル基板FPCにおけるタッチパネルコントローラIC506の実装領域を削除したものであり、このタッチパネル用フレキシブル基板FPCbの、タッチパネル外側の回路基板に接続する部分は、制御回路基板CNTSに接続部FOGにより接続されている。
つまり、この実施形態1の変形例2のタッチパネル表示装置500bでは、タッチパネル本体504bは、上記タッチパネル用フレキシブル基板FPCbにより構成されており、タッチパネル550bは、このタッチパネル用フレキシブル基板FPCbと、制御回路基板CNTS上に実装されたタッチパネルコントローラIC506とを有している。
図9は、この実施形態1の変形例2によるタッチパネル表示装置500bのタッチパネル550bを構成するタッチパネル用フレキシブル基板FPCbの電極および配線の構造を示している。
このタッチパネル用フレキシブル基板FPCbでは、実施形態1のタッチパネル表示装置500のタッチパネル用フレキシブル基板FPCにおいて、タッチパネルコントローラICを実装するIC実装領域(TPIC実装パターン領域)533、IC実装領域533における電極パッドと接続領域534の対応する電極パッドとを接続する電源配線532および信号配線531を削除したものであり、このタッチパネル用フレキシブル基板FPCbの信号引出部514c2では、信号引出線T1a〜T1f、T3a、T3b、T2a〜T2d及びT4a、T4bの一端側は、信号配線L1a〜L1f、L3a、L3b、L2a〜L2d及びL4a、L4bと一体に繋がっており、これらの信号引出線の他端側は、外部の回路基板に接続される接続領域534の対応する電極パッド(図示せず)に一体に繋がっている。
その他の構成は、実施形態1のタッチパネル用フレキシブル基板FPCと同一である。
このような構成の本実施形態1の変形例2では、タッチパネルコントローラIC506を、バックライトBLの下方に配置した制御回路基板CNTSに実装しているので、タッチパネル用フレキシブル基板FPCbでは、タッチパネルコントローラIC506の実装領域は不要となり、タッチパネル550bの電極部(TPEP)514a(つまりタッチ領域101)の周縁部である額縁部100b(図1(a)参照)を一層狭くすることができる。
また、制御回路基板CNTSには、システム制御部521としての制御プロセッサMPU、メモリ529、周辺機器530とのインタフェース用回路、電源部などを、情報処理装置のシステム動作に必要な構成要素として実装し、TFT基板TFTS上にはタッチパネル用フレキシブル基板FPCbとの接続部をなくし、表示部(液晶パネルLCP)505を駆動する表示制御部507としてのドライバチップDRCへの信号は、制御回路基板から供給するようにしているので、表示装置560の表示面積を広くできる。
(実施形態1の変形例3)
図8Cは、本発明の実施形態1の変形例3による情報処理装置を説明する図であり、この情報処理装置の断面構造を示している。
この実施形態1の変形例3による情報処理装置1000cは、実施形態1の情報処理装置1000におけるタッチパネル表示装置500と同一のタッチパネル表示装置500を備えている。
この変形例3の情報処理装置1000cは、実施形態1の情報処理装置1000において、表示装置(液晶パネルLCP)560を構成するバックライトBLの下側に、制御回路等を実装した制御回路基板CNTSを配置したものである。この制御回路基板CNTSの表示面側(液晶パネルLCP側)の実装面には、システム制御部(MPU)521及び接触型電池としてのコンデンサ電池(以下充電池という。)BT2cが実装されており、また、制御回路基板CNTSの背面側(液晶パネルLCPとは反対側)の実装面には、カメラモジュール525、コイルCLc、および非接触充電対応の電池としてのリチウム電池(以下、充電池という。)BT1cが実装されており、充電池BT1cは、制御回路基板CNTSを貫通する貫通配線Wtにより充電池BT2cに接続されている。このコイルCLcは、非接触で充電池BT1cの充電を行うための受電用コイルであり、情報処理装置1000c外部の給電用コイルで生成された電磁波を受けて起電力を発生するものである。
なお、図8C中、GRSは、タッチパネル用フレキシブル基板FPCの下側に配置され、このタッチパネル用フレキシブル基板FPCを支持するガラス板であり、CVRは、フロントパネル(透明カバー部材)FWとともに、タッチパネル表示装置500及び制御回路基板CNTSを覆うように設けられ、これらを保護するカバー部材であり、制御回路基板CNTSの背面側のカメラモジュール525、コイルCLc、及び充電池BT1cはこのカバー部材により保護されている。また、実施形態1の変形例3では、説明の都合上、実施形態1及びその変形例1及び2では言及していないカバー部材CVRについて示したが、このカバー部材CVRは、実施形態1及びその変形例1及び2の情報処理装置においても通常は設けられているものである。
このような構成の実施形態1の変形例3では、携帯端末などの情報処理装置において、カメラモジュール525を、表示面とは反対側の面(装置背面)に配置しているので、端末の1つの面を全て液晶パネルなどの表示装置が占有することが可能となり、表示画面を大きくすることができ、しかも、装置背面側の、カメラモジュールの配置領域以外のスペースは、非接触充電のための受電用コイルの配置領域として活用し、大型の表示画面を備えるタブレット端末などの情報処理装置では、消費電力が大きく頻繁に行わなければならない内蔵電池の充電作業を、非接触での充電により手間のかからないものにすることができる。
つまり、この実施形態1の変形例3では、携帯端末などの情報処理装置において、表示画面が広がるように、カメラモジュールの撮像部を携帯端末の表示面とは反対の背面に配置して、携帯端末の一面すべてを液晶パネル等の表示デバイスが占有できるようにすると、背面には、カメラモジュールしか配置されていないために、大きなスペースが空いてしまうという問題、さらに大型の表示画面を備えるタブレット端末は、消費電力が大きく内蔵電池の充電に手間がかかるという課題を、カメラモジュールが配置される表示画面の背面部に非接触で充電を行うためのコイルCLcを設けることにより解決したものとなっている。
また、この実施形態1の変形例3では、非接触給電用コイルとの間で電磁的に結合し、該非接触給電用コイルで生成された電磁波を受けて電力を発生する非接触受電用コイルを備え、該非接触受電用コイルを、タッチパネルの電極や配線と一体的に、1つの導体層のパターニングにより、電極や信号配線などとともに形成しているので、非接触で給電されるタッチパネル表示装置を搭載した情報処理装置に必要なフレキシブル配線基板を廉価に提供できる。また、非接触受電用コイルをタッチパネルの電極などと同時に形成でき、製造プロセスの削減により、非接触で給電されるタッチパネル表示装置を搭載した情報処理装置を廉価に提供できる。
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2による情報処理装置を説明する図であり、図10(a)は、この情報処理装置の外観を示し、図10(b)は、この情報処理装置の信号処理システムの構成を示している。
この実施形態2の情報処理装置2000は、実施形態1の情報処理装置1000において無線給電システム600を備えたものである。
この情報処理装置2000は、その筐体100aの外部に設けられた非接触給電部610と、その筐体100aの内部に設けられた非接触受電部620とを有している。なお、この実施形態2では、実施形態1の情報処理装置1000におけるリチウム電池(一次電池)とともに接触充電方式のコンデンサ電池が電源部540aとして実装されている。説明の都合上、この非接触受電部620を電源部〔A〕とし、コンデンサ電池およびリチウム電池を搭載した電源部540aを電源部〔B〕とする。
図11は、上記無線給電システム600を説明する図であり、図11(a)は、無線給電システムを構成する非接触給電部610を示し、図11(b)は、無線給電システムを構成する非接触受電部620を示している。
非接触給電部610は、商用電源などの情報処理装置の外部の電源から電力を受けて交流電圧を発生する交流電源612と、この交流電源612に接続された給電用コイル611とを有している。非接触受電部620は、非接触給電部610の給電用コイル611に近接するように配置されたときに給電用コイル611と電磁的に結合して交流電圧を両端に発生する受電用コイル621と、この受電用コイル621に接続され、受電用コイル621からの交流電圧を受けて充電を行う非接触充電器622とを有している。この非接触充電器622は充電池(以下、バッテリともいう。)BT1を充電するようになっている。
図12は、本発明の実施形態2による情報処理装置を説明する図であり、図12(a)は、この情報処理装置の断面構造を示し、図12(b)は、この情報処理装置を構成するタッチパネル表示装置に用いるタッチパネル用フレキシブル基板の構成を示している。
この実施形態2の情報処理装置2000の断面構造は、無線給電システム600を搭載したことで、実施形態1の情報処理装置1000の断面構造とは異なった構造となっている。
つまり、この情報処理装置2000は、図12(a)に示すように、実施形態1のタッチパネル表示装置500(図5(a))における表示装置(液晶パネルLCP)560を構成するバックライトBLの下側に、制御回路等を実装した制御回路基板CNTSを配置し、さらに、実施形態1のタッチパネル用フレキシブル基板FPCに代わるタッチパネル用フレキシブル基板FPC2を用いている。また、この制御回路基板CNTSの表面側には、システム制御部(MPU)521が実装され、さらにコンデンサ電池などの接触充電型電池(以下、バッテリともいう。)BT2が1次電池であるリチウム電池とともに第2の電源部〔B〕として実装されている。ただし、第2の電源部〔B〕は、接触充電型電池と1次電池のいずれか一方のみを含むものでもよい。
このタッチパネル用フレキシブル基板FPC2は、実施形態1のタッチパネル用フレキシブル基板FPCにおけるタッチパネル電極部514aの、タッチ信号引出部514cとは反対側に受電用コイル621の配置領域(電源コイル部)CLを設けたものであり、この電源コイル部CLは、制御回路基板CNTSの裏面側に保持されている。ここで、受電用コイル621は、タッチパネル電極部514aの電極、タッチ信号配線部514bの信号配線、及びタッチ信号引出部514cの信号引出線を形成する導体層と同一の導体層のパターニングにより形成されたものである。また、この制御回路基板CNTSの裏面側には、この受電用コイル621に接続された非接触充電器622が搭載され、さらに、この非接触充電器622により充電される非接触充電バッテリBT1が第1の電源部〔A〕として搭載されている。このバッテリBT1は貫通配線Wtにより制御回路基板CNTSの表面側の回路と接続されている。ここで、接触充電型バッテリBT2はAC電源と非接触充電バッテリBT1のいずれからも充電でき、待ち受けモードなどの電力消費が少ない状況で充電される。
この実施形態2の情報処理装置2000におけるその他の構成は、実施形態1の情報処理装置1000と同一である。
また、上記非接触受電部620を構成する受電用コイル621は、実施形態1で説明したフレキシブルプリント基板の製造方法における第1の導電層形成工程、絶縁層形成工程、および第2の導電層形成工程で形成される。
例えば、第1の導電層形成工程と第2の導電層形成工程に含まれる金属細線工程により、電極部を構成する複数の電極と同時に受電用コイルが形成される。このとき、受電用コイルにおける交差部は、絶縁層形成工程で形成される絶縁層により電気的に絶縁される。
なお、非接触受電用コイルと電極部を構成する複数の電極とは別々の工程で形成してもよい。
このような構成の情報処理装置2000では、表示パネル560(液晶パネルLCP)の下方に制御回路基板CNTSを配置し、さらにこの制御回路基板CNTSの下面には、タッチパネル用フレキシブル基板FPC2の電源コイル部CLに形成した受電用コイル621を配置しているので、情報処理装置520の外部の非接触給電部610からの電磁波Ewを受電用コイル621で受けてこの受電用コイルの両端に起電力が発生し、情報処理装置2000に備えられた電源部〔A〕としてのバッテリBT1に充電される。特に、給電用コイル611の中心が受電用コイル621の中心に一致するようにこれらのコイルを配置すると、受電用コイル621の両端に発生する電力を大きくできる。この結果、実施形態1の情報処理装置の効果に加えて、以下の効果が得られる。
つまり、この実施形態2では、接触充電方式の電池と1次電池とを含む電源部〔B〕と、非接触充電方式の電源部〔A〕とを備えているので、情報処理装置の外部からの無線給電あるいは有線による給電により、タッチパネルの搭載に伴う一次電池の消耗を抑制することができ、薄型化の阻害要因となる一次電池の容量増大を回避しつつ一次電池の電力不足を補うことができる。
また、この情報処理装置2000では、筐体100aと、表示装置560および静電容量型タッチパネル550の前面側にこれらを覆うように配置されているフロントパネル((透明カバー部材)FWとの隙間を、筐体内部が密封されるように気密封止し、電源部としては非接触充電方式の電源部〔A〕のみを密封された筐体内に搭載することで、情報処理装置2000は洗浄液や消毒液などによる丸洗いが可能となり、屋外での使用や医療現場での使用により情報処理装置の外表面が汚れても、洗浄あるいは消毒などにより清浄な状態を回復することができる。
なお、この実施形態2の情報処理装置2000では、タッチパネルコントローラIC506はタッチパネル用フレキシブル基板FPC2上に配置しているが、制御回路基板CNTS上に配置してもよい。
このようにタッチパネルコントローラIC(タッチパネル制御回路)506をタッチパネル用フレキシブル基板FPC2上に配置することで、タッチパネル本体504からタッチパネル制御回路506までのアナログ信号の伝送路を短くできるので、ノイズ抑制に効果的である。また、タッチパネルコントローラICを制御回路基板CNTSに配置すると、タッチパネル用フレキシブル基板FPC2上でのタッチパネルコントローラICの配置スペースが不要となり、情報処理装置の筐体におけるタッチパネル表示部の周囲に位置する額縁部を狭くする上で効果的である。タッチパネルコントローラICをいずれの基板上に配置するかは、許容される範囲で適宜使い分けることができる。
また、フレキシブル配線基板を構成するタッチパネル用導体層における非接触受電用コイルを、金属細線を形成する工程で作成することで、タッチパネルの電極を低抵抗化したタッチパネル表示装置と非接触給電方式の受電コイルとを備えた情報処理装置に必要なフレキシブル配線基板の効率よい製造方法を提供でき、さらに上記フレキシブル配線基板の製造方法において、金属細線工程により非接触充電用コイルと電極部を構成する複数の電極とを同時に形成することで、一層効率良いタッチパネル用フレキシブル配線基板の製造方法を提供できる。
(実施形態2の変形例1)
図13は、本発明の実施形態2の変形例1および2による情報処理装置を説明する図であり、図13(a)は、実施形態2の変形例1による情報処理装置の断面構造を示している。
この実施形態2の変形例1による情報処理装置2000aは、実施形態2の情報処理装置2000におけるタッチパネル表示装置500に代わるタッチパネル表示装置500dを備えたものであり、このタッチパネル表示装置500dは、図8(b)に示す実施形態1の変形例2によるタッチパネル表示装置500bにおいて、液晶パネルLCPの下方に配置した回路基板CNTSの裏面側に、非接触受電用コイル621の配置領域(電源コイル部CL)を設け、制御回路基板CNTSの電源コイル部CLに非接触受電用コイル621を配置し、さらにこの電源コイル部CLの近傍に充電池(バッテリ)BT1を配置し、このバッテリBT1を貫通配線Wtにより制御回路基板CNTSの表面側の回路と接続したものである。
つまり、この実施形態2の変形例1による情報処理装置2000aは、実施形態2の情報処理装置2000におけるタッチパネル用フレキシブル基板FPC2に代わるタッチパネル用フレキシブル基板FPC2aを備え、このタッチパネル用フレキシブル基板FPC2aは、実施形態2におけるタッチパネル用フレキシブル基板FPC2の電源コイル部CLを、そのタッチパネル電極部の電極などを構成するタッチパネル用導体層と切り離して、他の基板である制御回路基板に実装したものであり、この電源コイル部CLに設けられている受電用コイル621での起電力により、制御回路基板の電源コイル部CLの近傍に実装された第1の電源部〔A〕としてのバッテリBT1が充電されるようになっている。また、この実施形態2の変形例1の情報処理装置2000aでは、実施形態2の情報処理装置2000における第2の電源部〔B〕は搭載されていない。
この実施形態2の変形例1の情報処理装置2000aでは、制御回路基板CNTSの電源コイル部CLに受電用コイル621を実装し、さらにその近傍部分にバッテリBT1を実装し、受電用コイル621とは別工程でタッチパネル用フレキシブル基板FPC2aおよび制御回路基板CMTSに実装されたタッチパネルと、TFT基板TFTSに実装された液晶パネルとを組わせて情報処理装置を完成させることができる。
(実施形態2の変形例2)
図13(b)は、実施形態2の変形例2によるタッチパネル用フレキシブル基板の構成を示している。
この実施形態2の変形例2によるタッチパネル用フレキシブル基板FPC2bは、実施形態2の情報処理装置を構成するタッチパネル表示装置で用いているタッチパネル用フレキシブル基板FPC2における、受電用コイルを配置する電源コイル部CLと、タッチパネル本体504を構成するタッチパネル用導体層514の配置領域である、タッチパネル電極部514a、タッチ信号配線部514b、およびタッチ信号引出部514cとを1つのユニット構成領域として、第1のユニット構成領域UR1と第2のユニット構成領域UR2とを設けたものである。ここで、第1のユニット構成領域UR1と第2のユニット構成領域UR2とは、タッチパネル用フレキシブル基板FPC2bを構成する透光性基材3(図7(c)参照)上に、電源コイル部CLと、タッチパネル電極部514a、タッチ信号配線部514b、およびタッチ信号引出部514cとが点対称となるように対向して配置されている。
具体的には、第1のユニット構成領域UR1は、第1のタッチパネル電極部514a1、第1のタッチ信号配線部514b1、および第1のタッチ信号引出部514c1を、第1の電源コイル部CL1とともに含んでおり、また、第2のユニット構成領域UR2は、第2のタッチパネル電極部514a2、第2のタッチ信号配線部514b2、および第2のタッチ信号引出部514c2を、第2の電源コイル部CL2とともに含んでいる。また、タッチパネル用フレキシブル基板FPC2bを構成する帯状透光性基材の長手方向に沿った両側辺部には、スプロケットの歯が挿入されるスプロケット孔SPLTが一定ピッチで形成されている。
このような構成のタッチパネル用フレキシブル基板FPC2bでは、タッチパネル本体と電源コイル部とを構成する2つのユニット構成領域を、これらの領域におけるタッチパネル用導体層514の配置が点対象になるように配置しているので、これら2つのユニット構成領域の対向する部分では、一方のユニット構成領域のタッチ信号引出部と、他方のユニット構成領域のタッチ信号引出部とがタッチパネル用フレキシブル基板FPC2bの幅方向に隣接して、タッチパネル用フレキシブル基板FPC2bを無駄なく占有することとなり、タッチパネル用フレキシブル基板FPC2bを無駄なく活用できる。
また、第1のユニット構成領域UR1のタッチ信号引出部514c1と第2のユニット構成領域UR2のタッチ信号引出部514c2とが対向する部分では、これらをタッチパネル用フレキシブル基板FPC2bの両側部に離して配置することで、これらの配置間隔としてノイズが発生しない程度の間隔を確保できる。つまり、フレキシブル配線基板に、電極部、信号配線部、および信号引出部の配置領域を無駄なく割当てることができ、タッチパネル表示装置、およびタッチパネル表示装置を備えた情報処理装置に必要なフレキシブル配線基板を廉価に提供できる。
さらに、タッチパネル用フレキシブル基板FPC2bの配線(導体層)や配線の欠陥有無の検査などを製造工程で行う際には、タッチパネル用フレキシブル基板FPC2bでは、その透光性基材に設けたスプロケット孔を活用して、適切な位置にタッチパネル用フレキシブル基板FPC2bを移動でき、タッチパネル用フレキシブル基板FPC2bはその製造の自動化に適した構造となっている。
(実施形態2の変形例3)
図14は、本発明の実施形態2の変形例3による情報処理装置を説明する図であり、図14(a)は、実施形態2の変形例3による情報処理装置の断面構造を示し、図14(b)は、この情報処理装置を構成するタッチパネル表示装置に用いるタッチパネル用フレキシブル基板の構成を示している。
この実施形態2の変形例3による情報処理装置2000bは、実施形態2の情報処理装置2000におけるタッチパネル表示装置500に代わるタッチパネル表示装置500eを備えたものであり、このタッチパネル表示装置500eは、図12に示す実施形態2のタッチパネル表示装置500におけるものと同一の表示装置560及びタッチパネル550を有している。
そして、この実施形態2の変形例3の情報処理装置2000bでは、タッチパネル表示装置500eを構成するタッチパネル用フレキシブル基板として、実施形態2のタッチパネル表示装置500を構成するタッチパネル用フレキシブル基板FPC2の一部をカメラモジュールCMの配置スペースScmが形成されるように変形した構造のタッチパネル用フレキシブル基板FPC2cを用いている。つまり、このタッチパネル用フレキシブル基板FPC2cでは、実施形態2のタッチパネル用フレキシブル基板FPC2における一部に、つまり電源コイル部CLのタッチ信号配線部514bに対向する隅部に対応する部分に基板切欠部3aが形成され、タッチパネル用フレキシブル基板FPC2cの電源コイル部CLを保持する制御回路基板CNTSの、この基板切欠部3aに露出する部分にはカメラモジュール525aが装着されている。
この実施形態2の変形例3による情報処理装置2000bにおけるその他の構成は、実施形態2の情報処理装置2000におけるものと同一である。
このような構成の実施形態2の変形例3では、実施形態2の効果に加えて、実施形態1の変形例3と同様に以下の効果が得られる。
つまり、この実施形態2の変形例3では、携帯端末などの情報処理装置において、カメラモジュール525aを、表示面とは反対側の面(装置背面)に配置しているので、端末の1つの面を全て液晶パネルなどの表示装置が占有することが可能となり、表示画面を大きくすることができ、しかも、装置背面側の、カメラモジュールの配置領域以外のスペースは、非接触充電のための受電用コイルの配置領域として活用し、大型の表示画面を備えるタブレット端末などの情報処理装置では、消費電力が大きく頻繁に行わなければならない内蔵電池の充電作業を、非接触での充電により手間のかからないものにすることができる。
言い換えると、この実施形態2の変形例3では、携帯端末などの情報処理装置において、表示画面が広がるように、カメラモジュールの撮像部を携帯端末の表示面とは反対の背面に配置して、携帯端末の一面すべてを液晶パネル等の表示デバイスが占有できるようにすると、背面には、カメラモジュールしか配置されていないために、大きなスペースが空いてしまうという問題、さらに大型の表示画面を備えるタブレット端末は、消費電力が大きく内蔵電池の充電に手間がかかるという課題を、カメラモジュールが配置される表示画面の背面部に非接触で充電を行うための受電用コイル621を設けることにより解決したものとなっている。
(実施形態2の変形例4)
図15は、本発明の実施形態2の変形例4による情報処理装置を説明する図であり、無線給電システムに用いる給電用コイル(図14(a))および受電用コイル(図14(b))を示している。
この実施形態2の変形例4による情報処理装置は、実施形態2による情報処理装置2000の非接触受電部620に代わる、隣接して配置された第1および第2の受電用コイル621aおよび621bを含む非接触受電部620aを備えたものであり、この非接触受電部620aでは、第1および第2の受電用コイル621aおよび621bは並列接続され、さらに、これらの受電用コイルで発生した起電力が非接触充電器622に印加されるように非接触充電器622に接続されている。
また、この実施形態2の変形例4による情報処理装置は、実施形態2による情報処理装置2000の非接触給電部610に代わる、占有面積の大きな給電用コイル611aを含む非接触給電部610aを備えたものであり、給電用コイル611aは、これに非接触給電部610aと非接触受電部620aとを対向させて配置したとき、隣接して配置された第1および第2の受電用コイル621aおよび621bに実質的に重なる程度の広さの平面形状を有している。
このような構成の実施形態2の変形例4の情報処理装置では、非接触給電部610aと非接触受電部620aとを近接して配置したとき、両者の位置ずれが生じていても、給電用コイル611aで発生する電磁波を、第1および第2の受電用コイル621aおよび621bのいずれかで適切に受電することができ、非接触給電部610aと非接触受電部620aとの位置ずれによる電源出力の低下を回避できる。
言い換えると、非接触充電用コイル(第1および第2の受電用コイル)を複数備えているので、非接触充電の電源を備えたタッチパネル表示装置に必要なタッチパネル用フレキシブル基板(フレキシブル配線基板)を非接触充電用コイルの位置精度を緩くして効率よく製造でき、これにより非接触で給電されるタッチパネル表示装置を搭載した情報処理装置に必要なフレキシブル配線基板を更に廉価に提供できる。
(実施形態2の変形例5)
図15は、本発明の実施形態2の変形例5による情報処理装置を説明する図であり、無線給電システムに用いる給電用コイル(図15(a))および受電用コイル(図15(b))を示している。
この実施形態2の変形例5による情報処理装置は、実施形態2による情報処理装置2000の非接触受電部620に代わる、マトリクス状に配置された複数のコイルユニット621kを含む非接触受電部620bを備えたものであり、この非接触受電部620bでは、複数のコイルユニット621kは並列接続され、さらに、これらの非接触受電部のコイルユニットで発生した起電力が非接触充電器622に印加されるように非接触充電器622に接続されている。
また、この実施形態2の変形例5による情報処理装置は、実施形態2による情報処理装置2000の非接触給電部610に代わる、マトリクス状に配列された複数のコイルユニット611kを含む非接触給電部610bを備えたものであり、この非接触給電部610bでは、複数のコイルユニット611kは並列接続され、さらに、外部の電源から電力が各コイルユニット611kに供給されるように交流電源612に接続されている。
この実施形態2の変形例5による情報処理装置の無線給電システムでは、非接触給電部610bに対して非接触受電部620bを所定の位置関係となるように近接させて配置したとき、非接触受電部620bの各コイルユニット621kが非接触給電部610bの各コイルユニット611kに対向するように非接触給電部および非接触受電部のコイルユニットは位置決めされている。
このような構成の実施形態2の変形例5の情報処理装置では、非接触給電部610bでは、給電用コイルを複数のコイルユニットに分割しているので、非接触給電部610bでは電磁波のピークが複数箇所に分散して現れる。また、非接触受電部620bでは、受電用コイルを複数のコイルユニットに分割しているので、非接触給電部610bで生成された電磁波を複数のピーク位置にて、非接触受電部620bの各コイルユニットが受けることとなる。その結果、非接触給電部610bと非接触受電部620bとが位置ずれしても、非接触給電部610bで生成された電磁波のピーク位置が、非接触受電部620bのいずれかのコイルユニットの配置領域内に位置することとなり、非接触給電部610bと非接触受電部620bとの位置ずれによる電源出力の低下を抑制することができる。
(実施形態2の変形例6)
図17は、本発明の実施形態2の変形例6による情報処理装置を説明する図であり、無線給電システムに用いる給電用コイル(図17(a))および受電用コイル(図17(b))を示している。
この実施形態2の変形例6による情報処理装置は、実施形態2の変形例5による情報処理装置の非接触受電部620bにおける複数のコイルユニットの1つをカメラユニットに置き換えたものであり、その他の構成は実施形態2の変形例5の情報処理装置と同一である。
つまり、この実施形態2の変形例6による情報処理装置の非接触受電部620cでは、複数のコイルユニット621kおよび1つのカメラユニット622cが全体としてマトリクス状に配列されている。
このような構成の実施形態2の変形例6による情報処理装置では、実施形態2の変形例5の情報処理装置における効果に加えて、情報処理装置の非接触受電部620cではカメラユニットによる撮影が可能となる効果が得られる。
なお、上記各実施形態では、本発明に係るフレキシブル配線基板として、情報処理装置に搭載した静電容量型タッチパネルに用いるフレキシブル配線基板(フレキシブルプリント基板)について具体的に説明しているが、本発明のフレキシブル配線基板は、少なくとも、情報の入力をタッチ操作により行うためのタッチ領域を有し、該タッチ領域上でのタッチ位置を検出する静電容量型タッチパネルを構成するフレキシブル配線基板であればよい。
つまり、このように静電容量型タッチパネルをフレキシブル配線基板により構成することにより、タッチパネルを構成する電極および配線がフレキシブル配線基板の導体層により一体的に形成されることとなり、これにより、タッチパネルとフレキシブル配線基板との間での接続部分がなくなり、これらの間での接続不良の問題を解消するとともに、タッチ領域の周囲のタッチ入力ができない額縁部を狭くするという本発明の目的が達成される。
また、上記各実施形態では、表示装置として液晶表示パネルを挙げているが、有機EL表示装置、電界放出型表示装置などのその他の表示装置でも本発明は適用可能であることは言うまでもない。
つまり、本発明の情報処理装置は、該表示装置として、液晶表示パネル(液晶表示装置)、有機EL表示装置、電界放出型表示装置のいずれかを用いることができ、表示装置を薄型化したコンパクトで、しかもタッチパネルとの組み合わせが簡単な情報処理装置である。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。