JP2014071198A - 撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動や衝撃が加わることで偏光フィルタの挿脱位置がずれたときであっても、偏光フィルタを振動や衝撃が加わる前の挿脱位置に復帰させて、ユーザに高い使用感を与えられる撮影装置を得る。
【解決手段】撮影光学系の光路上で該撮影光学系の光軸を中心に回転する回転光学要素;前記回転光学要素を前記撮影光学系の光路上への挿入位置と同光路上からの離脱位置との間で挿脱駆動させる挿脱駆動機構;所定レベル以上の振動衝撃を検知する振動衝撃検知手段;及び前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したとき、前記挿脱駆動機構を介して、前記回転光学要素をその検知直前の挿脱位置に強制復帰させる復帰制御手段;を備えることを特徴とする撮影装置。
【選択図】図19

Description

本発明は、撮影光学系の光路に挿脱自在に回転光学要素(例えば偏光フィルタ)を設けた撮影装置に関する。
従来、デジタルカメラなどの撮影装置として、撮影光学系の光路に挿脱自在に設けられその挿入状態で光軸中心に回転することで偏光状態を変化させる偏光フィルタ(回転光学要素)を備えたものが知られている(特許文献1、2)。このタイプの撮影装置では、振動や衝撃が加わったときに偏光フィルタの挿脱位置がずれることで、ユーザの使用感が損なわれるおそれがある。例えば、偏光フィルタが挿入位置または離脱位置にある場合において、振動や衝撃によって偏光フィルタが挿入位置と離脱位置の中間位置にずれたときには、偏光フィルタを保持するフィルタ枠(保持部材)が撮影光学系の有効光束(可変開口絞りの可変開口によって規定される)を遮ることでケラレが発生してしまう。
特開2006−337695号公報 特開平3−192231号公報
本発明は、上記問題意識に基づいて完成されたものであり、振動や衝撃が加わることで偏光フィルタの挿脱位置がずれたときであっても、偏光フィルタを振動や衝撃が加わる前の挿脱位置に復帰させて、ユーザに高い使用感を与えられる撮影装置を得ることを目的とする。
本発明の撮影装置は、撮影光学系の光路上で該撮影光学系の光軸を中心に回転する回転光学要素;前記回転光学要素を前記撮影光学系の光路上への挿入位置と同光路上からの離脱位置との間で挿脱駆動させる挿脱駆動機構;所定レベル以上の振動衝撃を検知する振動衝撃検知手段;及び前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したとき、前記挿脱駆動機構を介して、前記回転光学要素をその検知直前の挿脱位置に強制復帰させる復帰制御手段;を備えることを特徴としている。
本発明の撮影装置は、前記回転光学要素が離脱位置にあるか否かを検知する離脱検知センサをさらに備えており、前記離脱検知センサは、前記挿脱駆動機構を介して前記回転光学要素が離脱位置に到達したことを検知したときに出力オン状態から出力オフ状態に切り替わり、この出力オフ状態で前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したときに出力オフ状態から出力オン状態に切り替わって前記回転光学要素が離脱位置にあるか否かを検知することができる。
本発明の撮影装置は、前記回転光学要素が挿入位置の特定の回転角度位置にあるか否かを検知する挿入検知センサをさらに備えており、前記挿入検知センサは、前記挿脱駆動機構を介して前記回転光学要素が挿入位置の特定の回転角度位置に到達したことを検知したときに出力オン状態から出力オフ状態に切り替わり、この出力オフ状態で前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したときに出力オフ状態から出力オン状態に切り替わって前記回転光学要素が挿入位置の特定の回転角度位置にあるか否かを検知することができる。
前記挿脱駆動機構は、その一態様では、支持部材;前記支持部材に前記撮影光学系の光軸を中心とする方向へ回転可能に支持され、駆動源によって前記回転方向に回転駆動される原動回転部材;前記支持部材に前記光軸を中心とする方向へ回転可能に支持され、前記原動回転部材に対して前記回転方向に相対回転が可能な従動回転部材;前記従動回転部材に回転抵抗を与える抵抗付与手段;前記回転光学要素を保持し、前記原動回転部材から前記回転方向の力を伝達される回転伝達部と、前記従動回転部材に対する軸支部とを有し、前記軸支部を中心とする正逆方向の回動によって前記回転光学要素を前記光路上に挿脱させる保持部材;前記保持部材を前記光路上への挿入位置で回動規制する挿入制御手段;及び前記保持部材に対し、前記光軸を中心とする回転方向の特定位置で前記光路からの完全離脱位置までの移動を許し、前記回転方向の特定位置以外で前記完全離脱位置よりも離脱方向への移動量が小さい制限離脱位置で回動規制する離脱制御手段;を備え、前記挿脱駆動機構は、前記保持部材が前記挿入制御手段と前記離脱制御手段による回動規制を受けない方向に前記原動回転部材を回転させることにより、前記抵抗付与手段による回転抵抗を受ける前記従動回転部材と前記原動回転部材との間で前記回転方向の差動が生じて前記保持部材が前記軸支部を中心とする挿脱方向の回動を行う差動回転動作;前記保持部材が前記挿入位置にあるときに、前記保持部材が前記挿入制御手段による回動規制を受ける方向へ前記原動回転部材を回転させることにより、前記抵抗付与手段による回転抵抗に抗して前記従動回転部材と前記保持部材が前記光軸を中心として前記原動回転部材と共に回転する連れ回り正回転動作;及び前記保持部材が前記制限離脱位置にあるときに、前記保持部材が前記離脱制御手段による回動規制を受ける方向へ前記原動回転部材を回転させることにより、前記抵抗付与手段による回転抵抗に抗して前記従動回転部材と前記保持部材が前記原動回転部材と共に回転し、前記回転方向の特定位置で前記保持部材が前記完全離脱位置まで回動される連れ回り逆回転動作;を行うことができる。
前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知した後に前記回転光学要素が離脱位置にないことを前記離脱検知センサが検知したとき、前記挿脱駆動機構に、前記連れ回り逆回転動作または前記差動回転動作と前記連れ回り逆回転動作の組み合わせを実行させることで、前記回転光学要素を離脱位置に強制復帰させることができる。
前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知した後に前記回転光学要素が挿入位置の特定の回転角度位置にないことを前記挿入検知センサが検知したとき、前記挿脱駆動機構に、前記連れ回り正回転動作または前記差動回転動作と前記連れ回り正回転動作の組み合わせを実行させることで、前記回転光学要素を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させることができる。
前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したとき、前記挿脱駆動機構に、前記連れ回り逆回転動作もしくは前記差動回転動作と前記連れ回り逆回転動作の組み合わせを実行させることで前記回転光学要素を離脱位置に強制復帰させ、または前記連れ回り正回転動作もしくは前記差動回転動作と前記連れ回り正回転動作の組み合わせを実行させることで前記回転光学要素を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させることができる。
前記挿脱駆動機構は、別の態様では、前記撮影光学系の光軸と平行な回動軸によって軸支され、前記回転光学要素の挿入位置と離脱位置に往復回動可能な挿脱枠;前記挿脱枠に回動可能に支持され、前記回転光学要素を保持する環状保持枠;及び前記環状保持枠にモータの回転駆動力を伝達するギヤ列;を備え、前記モータの正転と逆転によって前記回転光学要素を挿入位置と離脱位置に挿脱させ、かつ挿入位置では前記モータの挿入方向駆動によって前記回転光学要素を定位置回転させることができる。
前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知した後に前記回転光学要素が離脱位置にないことを前記離脱検知センサが検知したとき、前記モータの離脱方向駆動によって前記回転光学要素を離脱位置に強制復帰させることができる。
前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知した後に前記回転光学要素が挿入位置の特定の回転角度位置にないことを前記挿入検知センサが検知したとき、前記モータの挿入方向駆動によって前記回転光学要素を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させることができる。
前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したとき、前記モータの離脱方向駆動によって前記回転光学要素を離脱位置に強制復帰させ、または前記モータの挿入方向駆動によって前記回転光学要素を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させることができる。
前記振動衝撃検知手段はジャイロセンサから構成することができる。
あるいは、前記撮影光学系に該撮影光学系の光軸を偏心させるための防振レンズ群を設けて、前記振動衝撃検知手段を前記防振レンズ群の位置を検知する位置検知センサから構成することができる。
前記回転光学要素は偏光フィルタとすることができる。
本発明によれば、振動や衝撃が加わることで偏光フィルタの挿脱位置がずれたときであっても、偏光フィルタを振動や衝撃が加わる前の挿脱位置に復帰させて、ユーザに高い使用感を与えられる撮影装置を得ることができる。
本発明による撮影装置を搭載したズームレンズ鏡筒の一実施形態を示す撮影状態(ズーム域)での断面図である。 同ズームレンズ鏡筒の収納(沈胴)状態での断面図である。 同ズームレンズ鏡筒を構成する2群レンズブロックの斜視図である。 2群レンズブロックの分解斜視図である。 2群レンズブロックに含まれる偏光フィルタユニットの分解斜視図である。 偏光フィルタ離脱状態の偏光フィルタユニットをモータ支持部材を省略して光軸方向前方から見た正面図である。 偏光フィルタ離脱状態の偏光フィルタユニットをベース部材を省略して光軸方向後方から見た背面図である。 図6のVIII- VIII線に沿う断面図である。 偏光フィルタ挿入状態の偏光フィルタユニットをモータ支持部材を省略して光軸方向前方から見た正面図である。 偏光フィルタ挿入状態の偏光フィルタユニットをベース部材を省略して光軸方向後方から見た背面図である。 図10のXI-XI線に沿う断面図である。 図10のXII-XII線に沿う断面図である。 図10のXIII-XIII線に沿う断面図である。 図9のXIV-XIV線に沿う断面図である。 偏光フィルタを離脱状態から挿入状態にさせ、さらに挿入状態の偏光フィルタを光軸中心に回転させる動作を(A)から(F)の順に示した正面図である。 偏光フィルタを離脱状態から挿入状態にさせ、さらに挿入状態の偏光フィルタを光軸中心に回転させる動作を(A)から(E)の順に示した背面図である。 偏光フィルタを挿入状態から離脱状態にさせる動作を(A)から(F)の順に示した正面図である。 図1及び図2のズームレンズ鏡筒を搭載するカメラの電気部品の一部を概念的に示すブロック図である。 偏光フィルタが離脱位置にあるときの制御回路(復帰制御手段)による強制復帰動作を示している。 偏光フィルタが挿入位置の特定の回転角度位置(初期位置)にあるときの制御回路(復帰制御手段)による強制復帰動作を示している。 本発明の別実施形態に係る挿脱駆動機構の分解斜視図である。 フィルタ挿脱枠の一部を光軸と直交する方向の断面で示した断面図である。 偏光フィルタが挿入位置にあるときの挿脱駆動機構の正面図である。 偏光フィルタが離脱位置にあるときの挿脱駆動機構の正面図である。 本発明の別実施形態に係る挿脱駆動機構を搭載した場合において、偏光フィルタが離脱位置にあるときの制御回路(復帰制御手段)による強制復帰動作を示している。 本発明の別実施形態に係る挿脱駆動機構を搭載した場合において、偏光フィルタが挿入位置の特定の回転角度位置(初期位置)にあるときの制御回路(復帰制御手段)による強制復帰動作を示している。
図1及び図2は、本発明を適用した沈胴式ズームレンズ鏡筒ZLの一実施形態を示している。このズームレンズ鏡筒ZLの撮像光学系は、物体(被写体)側から順に第1レンズ群LG1、シャッタS、第2レンズ群LG2、第3レンズ群LG3、ローパスフィルタ25及び撮像素子26を備えている。また、第2レンズ群LG2の前方の光路上に挿脱可能な偏光フィルタ(回転光学要素)43を有する。以下の説明中で光軸方向とは、この撮影光学系の光軸Oと平行な方向を意味し、前方とは光軸方向の前方(被写体側)、後方とは光軸方向の後方(像面側)を意味する。また、光軸Oを中心とする径方向において、光軸Oに近い側を内径側、光軸Oから遠い側を外径側とする。
ズームレンズ鏡筒ZLは固定部材として筒状のハウジング22を有し、ハウジング22の後部に撮像素子ホルダ21が固定される。ローパスフィルタ25と撮像素子26はユニット化されて撮像素子ホルダ21の前面部に固定されている。
第3レンズ群LG3は、ズームレンズ鏡筒ZLにおけるフォーカスレンズ群であり、3群レンズ枠51に保持されている。3群レンズ枠51は、図示を省略するガイド軸を介して光軸方向に直進移動可能に支持されており、AFモータ160(図18)の駆動力によって前後に移動させることができる。
ハウジング22の内側には、3群レンズ枠51の支持駆動手段とは別に、鏡筒駆動モータ150(図18)により駆動制御される変倍群(カム環)ブロックが支持されている。変倍群(カム環)ブロックは、カム環11、繰出筒12、直進案内環13及び2群レンズブロック80を含んでいる。
カム環11は、繰出筒12と共にズームレンズ鏡筒ZLの外観筒を構成しており、ハウジング22の内周面に形成したカム環ガイド溝22aに対して摺動可能に嵌るガイド突起(不図示)を有する。カム環11は、鏡筒駆動モータ150により回転駆動されるズームギヤ(不図示)の駆動力を受けて回転され、カム環ガイド溝22aの案内により回転しながら光軸方向に移動する。ハウジング22内には直進案内環13が支持されている。直進案内環13は、ハウジング22の内面に形成した直進案内溝を介して光軸方向に直進移動可能に案内されており、カム環11とは相対回転は可能で光軸方向に共に移動するように結合されている。
図3及び図4に示すように、2群レンズブロック80は2群レンズ移動環8の前部に偏光フィルタユニット40を固定した構成であり、2群レンズ移動環8の本体部分を構成する筒状部8aの後端付近から外径方向に突出する直進案内キー8bを、直進案内環13に形成した光軸方向への長穴である直進案内スロット(不図示)に対して摺動可能に係合させることにより光軸方向へ直進案内されている。直進案内キー8bは周方向に位置を異ならせて3つ設けられており、図3及び図4にはそのうちの2つが示されている。
第2レンズ群LG2は、2群レンズ移動環8に対して固定的に支持される前部レンズ群LG2-Fと、この前部レンズ群LG2-Fの後方に防振ユニット30によって支持される後部レンズ群(防振レンズ群)LG2-Rから構成されている。前部レンズ群LG2-Fは、2群レンズ移動環8の筒状部8a内に形成した保持枠部8cによって保持されている。防振ユニット30は、後部レンズ群LG2-Rを光軸Oと直交する平面に沿って移動可能に支持しており、ズームレンズ鏡筒10に加わった振れの大きさと方向に応じて後部レンズ群LG2-Rを光軸直交面内で移動させて撮影光学系の光軸を偏心させることによって、撮影時における画像振れを軽減させる。
2群レンズ移動環8の前部には、偏光フィルタユニット40とシャッタユニット81が取り付けられる。シャッタユニット81は内部に開閉可能なシャッタS(図1、図2)を有し、アクチュエータによってシャッタSを開閉駆動する。偏光フィルタユニット40は、光軸Oを通る光路上に偏光フィルタ43を挿脱させ、かつ挿入した偏光フィルタ43を光軸Oを中心として回転させることが可能であり、その詳細については後述する。
2群レンズ移動環8の3つの直進案内キー8b上にはそれぞれ2群用カムフォロア8dが固定されている。2群用カムフォロア8dは、カム環11の内周面に形成した2群制御カム溝CG2に対して摺動可能に係合している。2群レンズ移動枠8(2群レンズブロック80)は直進案内環13を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環11が回転すると、2群用カムフォロア8dが2群制御カム溝CG2の案内を受けて、2群レンズ移動枠8(2群レンズブロック80)が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
繰出筒12内には第1レンズ群LG1が保持されている。繰出筒12は内面側に設けた直進案内キー(不図示)を直進案内環13に形成した直進案内溝(不図示)に対して摺動可能に係合させることで光軸方向へ直進案内されている。繰出筒12の後端付近の外周面上には1群用カムフォロア12aが設けられ、この1群用カムフォロア12aがカム環11の内周面に形成した1群制御カム溝CG1に対して摺動可能に係合している。繰出筒12は直進案内環13を介して光軸方向に直進案内されているため、カム環11が回転すると、1群用カムフォロア12aが1群制御カム溝CG1の案内を受けて、繰出筒12が光軸方向へ所定の軌跡で移動する。
図18はズームレンズ鏡筒ZLを搭載するカメラの電気部品の一部を概念的に示したものである。鏡筒駆動モータ150、AFモータ160、シャッタユニット81は制御回路(復帰制御手段)70によって制御される。さらに制御回路70は偏光フィルタユニット40に関して後述する制御を行う。
以上の構造からなるズームレンズ鏡筒ZLは次のように動作する。図1に示す撮影状態(ズーム域)では、ハウジング22に対してカム環11が光軸方向前方に繰り出され、カム環11の繰り出し量はカム環ガイド溝22aの軌跡により制御される。第1レンズ群LG1を支持する繰出筒12と、第2レンズ群LG2を支持する2群レンズブロック80はそれぞれ、カム環11の回転に応じてカム溝CG1、CG2の案内を受けて光軸方向に相対移動する。
図1に示す撮影状態から鏡筒駆動モータ150を鏡筒収納方向に駆動させると、カム環ガイド溝22aの案内を受けたカム環11が回転しながら光軸方向後方へ移動される。繰出筒12と2群レンズブロック80(2群レンズ移動枠8)は、カム環11上のカム溝CG1、CG2の軌跡による所定の相対移動を伴いつつ、カム環11と共に光軸方向後方へ移動する。やがて図2の鏡筒収納状態まで達すると、鏡筒駆動モータ150の鏡筒収納方向の駆動が停止される。また、第3レンズ群LG3を保持する3群レンズ枠51も、図2に示す後退位置になるようにAFモータ160によって位置制御される。
偏光フィルタユニット40に保持された偏光フィルタ43は、第2レンズ群LG2の前方へ任意に挿脱させ、かつ光軸Oを中心とする回転を行わせることができる。この偏光フィルタ43の保持と駆動を行う偏光フィルタユニット40の詳細構造を説明する。図5に示すように、偏光フィルタユニット40は、ベース部材(支持部材)100とモータ支持部材(支持部材)41の間に、フィルタ枠(保持部材)42、偏光フィルタ43、環状摩擦板(従動回転部材)44、回転環(従動回転部材)45、原動環(原動回転部材)46、摩擦シート47、保護シート(従動回転部材)48、抵抗付与バネ(抵抗付与手段、付勢部材)49といった部材を保持した構成になっている。偏光フィルタ(回転光学要素)43を除く各構成要素は、偏光フィルタ43を、偏光フィルタ43が撮影光学系の光路上に位置する挿入位置と偏光フィルタ43が撮影光学系の光路上から離脱した離脱位置との間で挿脱駆動させる挿脱駆動機構を構成する。
ベース部材100は、光軸Oを中心とする円形状の中央開口100aを囲む環状をなし、中央開口100aの周囲に、光軸Oに対して略直交する支持面100bが前方に向けて形成され、支持面100bの外側に外囲壁部(離脱制御手段、円筒壁部)100cを有する。外囲壁部100cは支持面100bから前方に突出し、光軸Oを中心とした一定径の内壁面(内周面)を有する円筒状の壁部である。この外囲壁部100cに連続してフィルタ収納壁部(離脱制御手段、収納壁部)100dが形成されている。フィルタ収納壁部100dは外囲壁部100cよりも外径方向に突出しており、外囲壁部100cに比して曲率の大きい部分円筒状の内壁面(内周面)を有する壁部である。図6と図9に示すように、このフィルタ収納壁部100dと外囲壁部100cとの境界付近に、径方向に貫通するセンサ用穴100eが形成されている。外囲壁部100cのうちセンサ用穴100eに臨む縁部に、外囲壁部100cの一部として規制壁部100iが形成されている。規制壁部100iの外側には薄板状のセンサ支持片100jが形成されている。また、外囲壁部100cの外周側には周方向位置を異ならせて3つの係止片100fと、3つの係止突起100hが設けられている。それぞれの係止片100fは前方に突出し、径方向に貫通する穴を有する。
ベース部材100の後部にシャッタユニット81が固定されている。シャッタユニット81はベース部材100の外囲壁部100cとほぼ同径の外径サイズの環状部を有し、シャッタSは開かれるとこの環状部内に格納され、閉じられるときに環状部から内径方向に突出する。シャッタユニット81の環状部の後部に、シャッタSを駆動させるシャッタアクチュエータ82が突出している(図1、図2)。図1と図2ではベース部材100とシャッタユニット81が一体的に描かれているが、ベース部材100とシャッタユニット81は別部材として形成されてから固定される。なお、本発明ではシャッタユニット81を省略可能であり、シャッタユニット81と一体化させずに偏光フィルタユニット40を単独で構成してもよい。
モータ支持部材41は、ベース部材100に対応する外径サイズの環状部材であり、内周側には中央開口100aよりも大径の前方開口41aが形成され、外周上には、ベース部材100のセンサ用穴100eに対応する位置にセンサ支持部41bが形成され、3つの係止片100fに対応する位置に3つの係止突起41cが形成されている。この3つの係止突起41cをそれぞれ対応する係止片100fの穴に係合させて、モータ支持部材41とベース部材100が組み合わされる。モータ支持部材41のセンサ支持部41bには離脱検知センサ66が保持される。この離脱検知センサ66は、後述するモータ支持部材41とベース部材100の組み合わせ状態で、ベース部材100の規制壁部100iとセンサ支持片100jによる支持も受ける。離脱検知センサ66は、光軸方向に離間する発光部と受光部を有するフォトインタラプタであり、発光部から受光部への光の入射の有無を検出して制御回路70へ出力する。
図11ないし図14に示すように、モータ支持部材41の内周部には、前方開口41aの後方に位置させて挿入規制面41dが形成され、挿入規制面41dの後方には、径方向と光軸方向に位置を異ならせて回転案内面41eと回転案内面41fが形成されている。回転案内面41eと回転案内面41fはいずれも光軸Oを中心とする円筒の内面であり、光軸方向の前方に位置する回転案内面41eよりも光軸方向の後方に位置する回転案内面41fの方が大径になっている。回転案内面41fの外周側には、ベース部材100の外囲壁部100cの前端が嵌合する外周嵌合部41gが形成されている。また、回転案内面41eと回転案内面41fの間の光軸方向位置には、当付凸部41hが後方に向けて突設されている。当付凸部41hは、光軸Oを中心とする環状の領域に形成された後方への突出部である。
モータ支持部材41のモータ支持部41iとベース部材100のギヤ支持部100gとの間に光軸Oと平行なギヤ支持軸60a、61aが設けられ、ギヤ支持軸60aに第1ギヤ60、ギヤ支持軸61aに第2ギヤ61がそれぞれ軸支されている(図14)。モータ支持部41iの前面側には、制御回路70によって駆動制御されるフィルタ駆動モータ(挿脱駆動機構、回転光学要素の駆動源)180が支持される。フィルタ駆動モータ180は光軸Oと平行な方向に回転軸を突出させたステッピングモータであり、この回転軸上にピニオン180aが設けられ、モータ本体のうち回転軸が突出する側の端部に支持板180bが設けられている。フィルタ駆動モータ180はモータ支持部41iに対して支持板180bを当接させてモータ支持部材41に固定され、図14に示すように、この固定状態でピニオン180aが第1ギヤ60に噛合する。第1ギヤ60は大径ギヤと小径ギヤからなる2段ギヤであり、ピニオン180aは第1ギヤ60の大径ギヤに噛合し、第1ギヤ60の小径ギヤが第2ギヤ61に噛合する。第2ギヤ61は原動環46の外周に形成した周縁ギヤ46aに噛合する。
原動環46は、周縁ギヤ46aの内側に光軸Oを中心とする環状の回転ガイド部46bを有し、回転ガイド部46bの前端付近の外周部がモータ支持部材41の回転案内面41eに対して摺動可能に支持されている。この回転案内面41eの案内を受けることにより、原動環46は光軸Oを中心とする回転が可能に支持される。モータ支持部材41内の挿入規制面41dに対して回転ガイド部46bの前端部が当接することにより、原動環46はモータ支持部材41に対する前方への移動が規制される。原動環46にはさらに、回転ガイド部46bの内径側に光軸Oと直交する方向に延びる環状フランジ46cが形成され、環状フランジ46c上に光軸方向に貫通する回転伝達穴(長穴)46d(図6、図9、図11)が形成される。環状フランジ46cの内縁部は、ベース部材100の中央開口100aよりも大径の中央開口46fとなっている。また、環状フランジ46cの後面側には、周方向に位置を異ならせて3つの後方突出部46e(図7、図10、図12)が形成されており、後方突出部46eをベース部材100の支持面100bに当接させることで、原動環46の後方への移動が規制される(図12)。つまり、原動環46は、挿入規制面41dと支持面100bに挟まれてモータ支持部材41とベース部材100に対する光軸方向の移動が規制され、光軸Oを中心とする回転は可能となっている。
図11ないし図14に示すように、回転環45は原動環46の回転ガイド部46bの外側を囲む位置に配された環状部材であり、その外周部がモータ支持部材41の回転案内面41fに対して摺動可能に支持されている。この回転案内面41fの案内を受けることにより、回転環45は光軸Oを中心とする回転が可能に支持される。回転環45の前方に環状摩擦板44が位置し、環状摩擦板44の前方には摩擦シート47が位置する。環状摩擦板44と摩擦シート47はそれぞれ光軸Oを中心とする薄板の環状部材であり、回転環45に対応する径サイズを有する。回転環45の外周部に設けた係合突起45aと、環状摩擦板44に設けた係合片部44aを係合させることで環状摩擦板44と回転環45が結合される(図12)。より詳しくは、係合片部44aには係合突起45aを挿入させるスリットが形成され、このスリットは、光軸方向への係合突起45aの若干の相対移動を許す長さになっている。一方、光軸Oを中心とする周方向へは、係合片部44aのスリットに対して係合突起45aが移動を規制されて係合している。つまり、回転環45と環状摩擦板44は、回転方向には一体化され、光軸方向には若干の相対移動が許容された状態で結合されている。摩擦シート47は、環状摩擦板44とモータ支持部材41の当付凸部41hとの間に挿入されており、摩擦シート47が当付凸部41hに当接することで、環状摩擦板44(環状摩擦板44と回転環45の結合体)の前方への移動が規制される。
一方、回転環45は後面側に設けた複数の後方突出部45bをベース部材100の支持面100bに当接させることで、後方への移動が規制される(図12)。つまり、回転環45はモータ支持部材41の当付凸部41hとベース部材100の支持面100bの間に挟まれる光軸方向位置にあり、当付凸部41hと回転環45の間に環状摩擦板44と摩擦シート47が挿入された関係にある。回転環45には、前方に向けて開口するバネ支持穴45cが周方向位置を異ならせて3つ形成され、それぞれのバネ支持穴45c内に抵抗付与バネ49が挿入されている(図12)。抵抗付与バネ49は、前端部を環状摩擦板44に当接させ、後端部をバネ支持穴45cの底面に当接させた圧縮バネであり、環状摩擦板44と回転環45を光軸方向における離間方向に付勢している。すなわち、環状摩擦板44を前方、回転環45を後方に付勢している。この抵抗付与バネ49の付勢力によって、摩擦シート47が当付凸部41hに対して押し付けられ、回転環45の後方突出部45bが支持面100bに対して押し付けられ、環状摩擦板44と回転環45の結合体に対して光軸Oを中心とする回転方向へ所定の大きさの摩擦抵抗が付与される。なお、摩擦シート47は環状摩擦板44に対する摩擦の大きさを調整するものであり、環状摩擦板44と当付凸部41hの間で十分な摩擦力が得られる場合には摩擦シート47を省略することも可能である。
フィルタ枠42は概ね半月状の形状をなす薄板部材であり、一端部付近に前方へ突出する第1支持軸(軸支部)42aと第2支持軸(回転伝達部、突起部)42bが形成され、他端部に内径方向へ折れる鈎状のストッパ突起(挿入制御手段、当接部)42cが設けられている。フィルタ枠42の中央部分には円形のフィルタ開口42dが形成され、フィルタ開口42dを挟んだ外径側と内径側に、外径方向に突出する円弧状をなす外径側縁部(離脱制御手段、離脱規制部)42eと、概ね直線状をなす内径側縁部42fが形成されている。また、外径側縁部42eに隣接する位置にセンサ通過片42gが形成されている。センサ通過片42gは、フィルタ枠42の本体部分と一体に形成され、光軸Oと直交する平面に沿って延設された突出部である。フィルタ枠42の前面側に偏光フィルタ43が固定される。偏光フィルタ43は、フィルタ開口42dの全体を覆い、かつ第1支持軸42a、第2支持軸42b、ストッパ突起42c及びセンサ通過片42gとは重ならない形状をなしている。
図11に示すように、フィルタ枠42の第1支持軸42aは、回転環45に形成した軸穴45eに対して挿入されている。第1支持軸42aは円筒状の外周面形状を有し、軸穴45eはこれに対応する円筒状の内周面形状を有する。これにより、フィルタ枠42は回転環45に対して第1支持軸42aを中心とする回動(揺動)が可能に支持されている。フィルタ枠42の第2支持軸42bは、原動環46に形成した回転伝達穴46dに対して嵌合している。図6や図9に示すように、第2支持軸42bは円筒状の外周面形状を有する一方、回転伝達穴46dは光軸Oを中心とする径方向への長穴として形成されており、回転伝達穴46dの対向する一対の内面によって第2支持軸42bを挟むことにより、原動環46の回転力を第2支持軸42bに伝える。つまり、第2支持軸42bと回転伝達穴46dの嵌合関係により、フィルタ枠42は原動環46と共に光軸Oを中心として回転する。回転伝達穴46dが径方向への長穴であるため、原動環46に対するフィルタ枠42の径方向への若干量の相対移動が許容される。
フィルタ枠42は、後述する回転環45と原動環46の動作によって、フィルタ開口42dの中心を光軸Oと一致させる挿入位置(図9、図10、図15(B)ないし(F)、図16(C)ないし(E)、図17(A))と、光軸Oを通る光路上からフィルタ開口42dを離脱させた完全離脱位置(図6、図7、図15(A)、図16(A)、図17(F))との間で移動可能である。フィルタ枠42の完全離脱位置では、外径側縁部42eがフィルタ収納壁部100dの内周面に近接しており、さらなる離脱方向(外径方向)へのフィルタ枠42の回動が、外径側縁部42eとフィルタ収納壁部100dとの当接によって規制される。外径側縁部42eがフィルタ収納壁部100dに対応しない回転方向位置にあるときは、図17(B)ないし(D)のように、外径側縁部42eが外囲壁部100cの内周面に当接することによって、完全離脱位置よりも手前(内径側)の制限離脱位置で、光軸Oからの離脱方向(外径方向)へのフィルタ枠42の回動が制限される。図12に示すように、回転環45と原動環46にフィルタ枠42を支持させた状態で、フィルタ枠42と回転環45の後方突出部45bは光軸方向における同位置にあり(共通の光軸直交平面内に位置し)、フィルタ枠42を挿入位置に回動させると、図10のように複数の後方突出部45bのうちの1つに対してストッパ突起42cが当接して、フィルタ枠42のそれ以上の挿入方向への回動が規制される。このフィルタ枠42の挿入位置でのストッパ突起42cの当接対象である後方突出部45bをストッパ部(挿入制御手段、当接部)45b-1と呼ぶ。なお、ストッパ部45b-1は、他の後方突出部45bのようにベース部材100の支持面100bへ当接させず、フィルタ枠42の回動規制のみを行う部位とすることも可能である。
回転環45及び原動環46とフィルタ枠42との間には、薄板状の保護シート48が支持される。保護シート48は、回転環45及び原動環46に対するフィルタ枠42の引っ掛かりを防いでスムーズな動作を行わせる機能を有しており、光軸Oが通る中央付近から外径側に向けて貫通する開放開口48aを有するC字状の形状をなしている。開放開口48aを挟んで一対の位置決め穴48bが形成され、それぞれの位置決め穴48bに対して回転環45に突設した位置決め突起45d(図7、図10)が係合することにより、保護シート48は回転環45に対して固定的に支持されている。保護シート48には、開放開口48aの周囲に周方向に位置を異ならせて3つの周方向長穴48cが形成されている。それぞれの周方向長穴48cは光軸Oを中心とする円弧状の長穴であり、各周方向長穴48cに対して原動環46の後方突出部46eが挿入されている。周方向長穴48cは後方突出部46eよりも周方向に長く、保護シート48及び回転環45に対する原動環46の所定量の相対回転を許す。3つの周方向長穴48cのうちの1つに連通させて、第1支持軸42aや第2支持軸42bとの干渉を防ぐ逃げ穴48dが形成されている(図5、図10、図11)。また、保護シート48は、回転環45の後方突出部45bと重なる位置に複数の切欠き48eを有しており、回転環45の後部に支持させたときに後方突出部45bと干渉しない。
偏光フィルタユニット40を組み立てる際には、モータ支持部材41に対して後方側から各部材を組み付け、最後にモータ支持部材41の後部にベース部材100を取り付ける。詳細には、まず原動環46の回転ガイド部46bの前端部を、モータ支持部材41の挿入規制面41dに当接させる。これにより原動環46は、モータ支持部材41に対する前方への移動が規制されると共に、回転案内面41eに沿う光軸中心の回転が可能に支持される。続いて、環状摩擦板44とモータ支持部材41の当付凸部41hの間に摩擦シート47を挟持させつつ、環状摩擦板44と回転環45の結合体をモータ支持部材41に組み付ける。これにより環状摩擦板44と回転環45は、モータ支持部材41に対する前方への移動が規制されると共に、回転案内面41fに沿う光軸中心の回転が可能に支持される。なお、環状摩擦板44と回転環45は、抵抗付与バネ49を互いの間に挿入したアッセンブリとして予め組み立てておくことが望ましい。さらに回転環45の後部に保護シート48が取り付けられ、保護シート48に形成した周方向長穴48cに対して原動環46の後方突出部46eが挿入される。この段階で、回転環45の軸穴45eと原動環46の回転伝達穴46dが後方に向けて露出しており、軸穴45eと回転伝達穴46dに対してそれぞれに対応する第1支持軸42aと第2支持軸42bを挿入させてフィルタ枠42を組み付ける。フィルタ枠42には偏光フィルタ43を予め取り付けておく。
最後に、外周嵌合部41gに対して外囲壁部100cの前端を嵌合させ、かつ3つの係止突起41cと係止片100fを係合させて、モータ支持部材41の後部にベース部材100を固定する。各係止突起41cは、後方から前方に進むにつれて外径方向への突出量を大きくするテーパー面を有し、モータ支持部材41に対してベース部材100を相対的に前方に移動させると、係止片100fが弾性変形しながら係止突起41cのテーパー面を乗り越え、係止片100fの穴が係止突起41cに対応する位置まで達すると、係止片100fの弾性変形が解除されて係止突起41cとの係合状態が維持される。こうしてモータ支持部材41とベース部材100を組み合わせた状態では、モータ支持部材41内に組み付けた各部材の後方への脱落が、ベース部材100の支持面100bによって防がれる。つまり、モータ支持部材41とベース部材100の間に各部材が保持される。また、抵抗付与バネ49が環状摩擦板44と回転環45の間で圧縮された状態になり、環状摩擦板44と回転環45に対して前述した摩擦抵抗が作用するようになる。
以上のように組み立てた偏光フィルタユニット40(シャッタユニット81を含む)は、筒状部8aの前端部に形成した挿入規制部8e(図1、図2、図4)に対してシャッタユニット81の後部を当接させて、2群レンズ移動環8の前部に固定される。2群レンズ移動環8は筒状部8aから前方に突出する3つの係止片8fを有し、この係止片8fをそれぞれベース部材100の係止突起100hに係合させることで、偏光フィルタユニット40が固定される。各係止片8fは、径方向に貫通する穴を有している。各係止突起100hは、後方から前方に進むにつれて外径方向への突出量を大きくするテーパー面を有し、偏光フィルタユニット40に対して2群レンズ移動環8を相対的に前方に移動させると、係止片8fが弾性変形しながら係止突起100hのテーパー面を乗り越え、係止片8fの穴が係止突起100hに対応する位置まで達すると、係止片8fの弾性変形が解除されて係止突起100hとの係合状態が維持される。
図18に示すように、ズームレンズ鏡筒ZLが搭載されるカメラには、偏光フィルタユニット40に関する操作手段として、フィルタ挿入スイッチ71、フィルタ離脱スイッチ72、フィルタ回転スイッチ73が設けられている。偏光フィルタ43が完全離脱位置にあるときにフィルタ挿入スイッチ71が操作されると、フィルタ挿入スイッチ71から制御回路70に挿入駆動指示信号が入力する。偏光フィルタ43が挿入位置にあるときにフィルタ離脱スイッチ72が操作されると、フィルタ離脱スイッチ72から制御回路70に離脱駆動指示信号が入力する。フィルタ回転スイッチ73が操作されると、フィルタ回転スイッチ73から制御回路70にフィルタ回転指示信号が入力する。
図18に示すように、ズームレンズ鏡筒ZLが搭載されるカメラには、防振撮影モード切替スイッチ62と、ジャイロセンサ(振動衝撃検知手段)63と、防振レンズ群位置検知センサ(振動衝撃検知手段)64とが設けられている。ジャイロセンサ63と防振レンズ群位置検知センサ64の出力オンオフ状態は、制御回路70によって制御される。
防振撮影モード切替スイッチ62は、デジタルカメラの防振撮影モードを設定する(切り替える)ためのスイッチである。
ジャイロセンサ63はいわゆる振動型ジャイロセンサであり、カメラボディに所定レベル以上の振動衝撃が加わったことを検知してその旨を制御回路70に出力する。ジャイロセンサ63は、デジタルカメラが防振撮影モードに設定されているときは駆動電力が供給された出力オン状態(振動衝撃を検知可能な状態)となり、デジタルカメラが防振撮影モードに設定されていないときは駆動電力の供給が停止された出力オフ状態(振動衝撃を検知不能な状態)となる。
防振レンズ群位置検知センサ64は防振ユニット30に内蔵されており、防振レンズ群である後部レンズ群LG2-Rの位置に応じた位置信号を検知するものである。防振レンズ群位置検知センサ64は、後部レンズ群LG2-Rの位置に応じた位置信号の変化に基づいて、カメラボディに所定レベル以上の振動衝撃が加わったことを検知してその旨を制御回路70に出力する。防振レンズ群位置検知センサ64は、デジタルカメラが防振撮影モードに設定されているか否かにかかわらず出力オン状態(振動衝撃を検知可能な状態)となる。
図18に示すように、ズームレンズ鏡筒ZLが搭載されるカメラには、偏光フィルタユニット40に関するセンサ類として、挿入検知センサ65と、上述した離脱検知センサ66とを備えている。挿入検知センサ65と離脱検知センサ66はともに、光軸方向に離間する発光部と受光部を有するフォトインタラプタからなる。挿入検知センサ65と離脱検知センサ66の出力オンオフ状態は、制御回路70によって制御される。
挿入検知センサ65は、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にあるときに、フィルタ枠42のセンサ通過片(センサ通過片42gとは別の図示しないセンサ通過片)がフォトインタラプタの発光部と受光部の間に進入する位置に設けられており、センサ通過片によってフォトインタラプタの受光部への光の入射が遮られることで、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置(初期位置)にあることが検出される。挿入検知センサ65は、例えばフィルタ挿入スイッチ71が操作されて偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置に到達したことを検知したときに、出力オン状態から出力オフ状態に切り替わる(つまりフォトインタラプタへの駆動電力の供給を停止する)。挿入検知センサ65は、この出力オフ状態でジャイロセンサ63または防振レンズ群位置検知センサ64が所定レベル以上の振動衝撃を検知したときに、出力オフ状態から出力オン状態に切り替わって(つまりフォトインタラプタへの駆動電力の供給を再開させて)、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にあるか否かを検知する。このように挿入検知センサ65は、カメラボディに加わった振動や衝撃によって偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置から脱したおそれがあるときに限って出力オン状態となるので、挿入検知センサ65の消費電力を低減することができる。
離脱検知センサ66は、偏光フィルタ43が離脱位置にあるときに、フィルタ枠42のセンサ通過片42gがフォトインタラプタの発光部と受光部の間に進入する位置に設けられており、センサ通過片42gによってフォトインタラプタの受光部への光の入射が遮られることで、偏光フィルタ43が離脱位置にあることが検出される。離脱検知センサ66は、例えばフィルタ離脱スイッチ72が操作されて偏光フィルタ43が離脱位置に到達したことを検知したときに、出力オン状態から出力オフ状態に切り替わる(つまりフォトインタラプタへの駆動電力の供給を停止する)。離脱検知センサ66は、この出力オフ状態でジャイロセンサ63または防振レンズ群位置検知センサ64が所定レベル以上の振動衝撃を検知したときに、出力オフ状態から出力オン状態に切り替わって(つまりフォトインタラプタへの駆動電力の供給を再開させて)、偏光フィルタ43が離脱位置にあるか否かを検知する。このように離脱検知センサ66は、カメラボディに加わった振動や衝撃によって偏光フィルタ43が離脱位置から脱したおそれがあるときに限って出力オン状態となるので、離脱検知センサ66の消費電力を低減することができる。
以上の構成による偏光フィルタユニット40の動作を説明する。前述のように、偏光フィルタユニット40は、モータ支持部材41とベース部材100の間に、環状摩擦板44、回転環45、原動環46、摩擦シート47、保護シート48といった環状の部材を保持しており、これらの各部材が光路(光軸O)上に有する開口よりもベース部材100の中央開口100aの方が小径である(図11ないし図14参照)。つまり、フィルタ枠42と偏光フィルタ43を除いた偏光フィルタユニット40における光路上の最小開口は、ベース部材100の中央開口100aによって規定される(逆に言うとフィルタ枠42と偏光フィルタ43は中央開口100aの内部に入り得る)。偏光フィルタ43は、この中央開口100aの前方に進出する挿入状態と、中央開口100aの外径側に離脱する離脱状態にすることが可能であり、さらに挿入状態では光軸Oを中心とする回転(自転)を行うことができる。光路に対する偏光フィルタ43の挿脱は、前述したフィルタ枠42の挿入位置と完全離脱位置との回動によって行われ、挿入状態での偏光フィルタ43の回転は、回転環45と原動環46の回転によって行われる。
より具体的に、偏光フィルタ43を挿脱するための偏光フィルタユニット40の動作は、「フィルタ枠42の完全離脱位置から挿入位置への差動回転動作」と、「フィルタ枠42の挿入位置における連れ回り正回転動作」と、「フィルタ枠42の挿入位置から制限離脱位置への差動回転動作」と、「フィルタ枠42の制限離脱位置における連れ回り逆回転動作」との4つに大別される。以下では、これらの各動作について詳細に説明する。
「フィルタ枠42の完全離脱位置から挿入位置への差動回転動作」
図6、図7、図15(A)、図16(A)、図17(F)は偏光フィルタ43の離脱状態を示している。フィルタ枠42は、ベース部材100のフィルタ収納壁部100d内に進入した完全離脱位置にあり、フィルタ収納壁部100dの内壁面に沿って外径側縁部42eが位置し、フィルタ枠42のそれ以上の離脱位置方向(外径方向)への回動が規制される。フィルタ枠42の内径側縁部42fはベース部材100の中央開口100aよりも外径側に位置していて、フィルタ枠42が中央開口100aを通る光束を遮ることがない。フィルタ枠42のセンサ通過片42gが、センサ用穴100eを通して、離脱検知センサ66を構成するフォトインタラプタの発光部と受光部の間に進入している。センサ通過片42gによってフォトインタラプタの受光部への光の入射が遮られることで、フィルタ枠42が完全離脱位置にあることが検出される。
フィルタ挿入スイッチ71の操作によって偏光フィルタ43の挿入動作が実行される。偏光フィルタ43の挿入時には、フィルタ駆動モータ180によって原動環46が図15及び図16のN1方向に回転される。N1は、偏光フィルタ43を挿入させる方向の回転である。原動環46がN1方向に回転すると、回転伝達穴46dの側面からフィルタ枠42の第2支持軸42bに対して光軸中心の回転方向の力が伝えられる。ここで、フィルタ枠42の第1支持軸42aを軸穴45eで支持する回転環45には、抵抗付与バネ49の付勢力によって回転方向への摩擦抵抗が作用しており、第1支持軸42aと偏心した位置にある第2支持軸42bを原動環46によってN1方向に押圧されたフィルタ枠42が、第1支持軸42aと軸穴45eの軸線を中心として、完全離脱位置から挿入位置方向へ回動しようとする。しかし、センサ用穴100eに挿入されたフィルタ枠42のセンサ通過片42gに対向して、光軸Oに近い径方向内側にベース部材100の規制壁部100iが位置しており、センサ通過片42gと規制壁部100iの当接によって挿入位置方向へのフィルタ枠42の回動が規制される。すると、第1支持軸42aと軸穴45eの嵌合によってフィルタ枠42から回転環45に伝達されるN1方向の回転駆動力が、抵抗付与バネ49の付勢力による摩擦抵抗を上回り、回転環45(環状摩擦板44と回転環45と保護シート48の結合体)が原動環46と共にN1方向に回転する。回転環45に伴ってフィルタ枠42もN1方向に回転し、センサ通過片42gがセンサ用穴100eから抜ける。
これにより、規制壁部100iによる規制が解除されてフィルタ枠42が挿入位置へ回動可能になる。抵抗付与バネ49の付勢力は、フィルタ枠42の挿脱方向の回動が規制されない状態では、フィルタ枠42のみを挿脱方向に回動させて回転環45を回転させない摩擦抵抗を与える大きさに設定されている。よって、センサ通過片42gがセンサ用穴100eから抜けると、回転環45が原動環46と連れ回りせずに停止した状態になり、第2支持軸42bを原動環46によってN1方向に押圧されたフィルタ枠42が、第1支持軸42aと軸穴45eの軸線を中心として、完全離脱位置から挿入位置方向への回動を開始する(図16(B))。この回転環45に対する原動環46の相対回動時には、後方突出部46eが周方向長穴48c内を周方向に移動し、保護シート48が原動環46の回転を妨げない。
フィルタ枠42が図9、図10、図15(B)、図16(C)の挿入位置まで達すると、回転環45に設けたストッパ部45b-1(複数の後方突出部45bのうちの1つ)に対してストッパ突起42cが当接する。このときフィルタ枠42のフィルタ開口42dの中心が光軸Oと一致し、偏光フィルタ43がベース部材100の中央開口100aの前方の光路上に挿入された状態になる。ストッパ突起42cがストッパ部45b-1に当接すると、回転環45に対するフィルタ枠42の挿入位置方向への回動が規制される。そして本実施形態では、フィルタ枠42が図9、図10、図15(B)、図16(C)の挿入位置まで達したときに、フィルタ枠42のセンサ通過片(センサ通過片42とは別の図示しないセンサ通過片)が挿入検知センサ65をなすフォトインタラプタの発光部と受光部の間に進入し、センサ通過片によってフォトインタラプタの受光部への光の入射が遮られることで、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置(初期位置)にあることが検出される。
「フィルタ枠42の挿入位置における連れ回り正回転動作」
フィルタ枠42が挿入位置にある状態で、フィルタ回転スイッチ73の操作に応じて偏光フィルタ43を光軸中心に回転させることができる。偏光フィルタ43の光軸中心の回転を行わせるときには、フィルタ駆動モータ180によって原動環46がN1方向に回転される。すると、回転伝達穴46dと第2支持軸42bとの嵌合関係によってフィルタ枠42に対してN1方向の回転力が伝えられる。ここで、ストッパ突起42cとストッパ部45b-1の当接によって回転環45に対するフィルタ枠42の挿入位置方向への回動が規制されているため、第1支持軸42aと軸穴45eの嵌合によってフィルタ枠42から回転環45に伝達されるN1方向の回転駆動力が、抵抗付与バネ49の付勢力による摩擦抵抗を上回り、回転環45(環状摩擦板44と回転環45と保護シート48の結合体)が原動環46と共にN1方向に回転する(図15(C)〜(F)、図16(D)〜(E))。回転環45と原動環46が連れ回りする状態では、フィルタ枠42の第1支持軸42aと第2支持軸42bが挿入する軸穴45eと回転伝達穴46dの相対位置が変化しないため、フィルタ枠42は偏光フィルタ43を光路上に挿入した挿入位置を保ちつつ、回転環45及び原動環46と共に光軸Oを中心として回転する。つまり、偏光フィルタ43が光軸Oを中心として回転される。フィルタ駆動モータ180を停止させると偏光フィルタ43の回転が停止する。
「フィルタ枠42の挿入位置から制限離脱位置への差動回転動作」
フィルタ離脱スイッチ72の操作によって偏光フィルタ43の離脱動作が実行される。偏光フィルタ43の離脱時には、フィルタ駆動モータ180によって原動環46が図17のN2方向に回転される。N2は、偏光フィルタ43を離脱させる方向の回転である。原動環46のN2方向の回転力が回転伝達穴46dと第2支持軸42bを介してフィルタ枠42に対して伝えられると、回転環45に対してフィルタ枠42が、第1支持軸42aと軸穴45eの軸線を中心として、ストッパ突起42cをストッパ部45b-1から離間させる方向、すなわち挿入位置から離脱位置方向へ回動される。このとき回転環45には抵抗付与バネ49の付勢力による摩擦抵抗が作用しており、回転環45は原動環46と連れ回りせずに停止した状態を保つ。フィルタ枠42が離脱位置方向へ向けて回動すると、図17(B)のように、フィルタ枠42の外径側縁部42eがベース部材100の外囲壁部100cの内壁面に当接し、フィルタ枠42が完全離脱位置よりも離脱量の小さい制限離脱位置で停止される。この制限離脱位置では、フィルタ枠42の内径側縁部42fがベース部材100の中央開口100aよりも内径側に位置していて、内径側縁部42fが中央開口100aを通る光束を遮る可能性がある。
「フィルタ枠42の制限離脱位置における連れ回り逆回転動作」
フィルタ枠42が制限離脱位置にある状態で原動環46をさらにN2方向に回転させると、フィルタ枠42の第1支持軸42aと軸穴45eの嵌合によって回転環45に伝達されるN2方向の回転駆動力が、抵抗付与バネ49の付勢力による摩擦抵抗を上回り、回転環45(環状摩擦板44と回転環45と保護シート48の結合体)が原動環46と共に回転する。回転環45と原動環46がN2方向に連れ回りすると、図17(C)〜(D)のように外囲壁部100cに対して外径側縁部42eを摺接させながら、フィルタ枠42が光軸Oを中心とするN2方向の回転動作を行う。
ここで、フィルタ枠42が制限離脱位置でN2方向に回転動作するとき、フィルタ枠42の内径側縁部42fが、中央開口100aの内径側で仮想円を描くように光軸Oを中心として回動する。このため、撮影光学系の有効光束の径(可変開口絞りの可変開口径により規定される)がこの仮想円の径よりも大きいときは、離脱駆動に伴ってフィルタ枠42の内径側縁部42fが撮影光学系の有効光束を遮ることでケラレが発生する。
ベース部材100の外囲壁部100cとフィルタ収納壁部100dの境界部を超える位置までフィルタ枠42がN2方向に回転されると、フィルタ枠42は、外囲壁部100cによる制限離脱位置での保持が解除され、図17(E)のように外径側縁部42eをフィルタ収納壁部100dの内壁面に当接させる位置まで離脱位置方向へ回動され、外径側縁部42eをフィルタ収納壁部100dの内壁面に対して摺接させながら引き続きN2方向に回転される。外囲壁部100cの内壁面は光軸Oを中心とする円筒面であるため、フィルタ枠42が外囲壁部100cに対して外径側縁部42eを摺接させている図17(C)〜(D)の状態では、回転環45と原動環46は一体的に回転されている。一方、フィルタ収納壁部100dの内壁面は、外囲壁部100cの内壁面よりも曲率の大きい曲面であるため、外径側縁部42eをフィルタ収納壁部100dの内壁面に沿って移動させるときのフィルタ枠42は、光軸Oを中心とするN2方向への回転動作(原動環46に伴う回転)に加えて、第1支持軸42aと軸穴45eの軸線を中心とする回動(回転環45に対する相対回動)も行う。この回転環45に対するフィルタ枠42の相対回動時には、N2方向への回転を継続する原動環46と、抵抗付与バネ49による摩擦抵抗で回転停止しようとする回転環45との間で単位時間あたりの回転量に差が生じ、回転環45よりも原動環46の方が回転量が大きくなる。これによりフィルタ枠42が完全離脱位置まで回動される。つまり、フィルタ収納壁部100dの内壁面が、フィルタ枠42を制限離脱位置から完全離脱位置まで案内するガイド面として機能する。そして、フィルタ枠42の離脱動作の最終段階で、センサ通過片42gがセンサ用穴100eを通して離脱検知センサ66の発光部と受光部の間に進入し、フィルタ枠42の完全離脱位置への到達が検出される。このセンサ検出に応じてフィルタ駆動モータ180が停止され、偏光フィルタ43の離脱動作が完了する(図17(F))。換言すれば、フィルタ枠42は、フィルタ収納壁部100dの内壁面によって案内されるときの光軸中心(N2方向)回転と第1支持軸42aを中心とする回動との複合動作によって、確実に完全離脱位置まで到達すると共に、センサ通過片42gを離脱検知センサ66による検出位置まで進入させるようになっている。
なお、特定の回転方向位置からフィルタ枠42の離脱動作を開始した場合は、外径側縁部42eが外囲壁部100cに当接する制限離脱位置の段階を経ずに、最初から図17(E)のようにフィルタ収納壁部100dの内壁面に当接する。この場合も離脱動作の最終段階は前述と同様であり、フィルタ枠42は、第1支持軸42aを中心とする回動を行いながらN2方向に回転し、センサ通過片42gをセンサ用穴100eに進入させて完全離脱位置に達する。
本実施形態では、制御回路(復帰制御手段)70が、振動衝撃検知手段としてのジャイロセンサ63または防振レンズ群位置検知センサ64が所定レベル以上の振動衝撃を検知したとき、挿脱駆動機構を介して、偏光フィルタ43をその検知直前の挿脱位置に強制復帰させる。以下、制御回路70による偏光フィルタ43の強制復帰動作について、図19、図20のフローチャートを参照して説明する。
図19は、偏光フィルタ43(フィルタ枠42)が離脱位置にあるときの制御回路70による強制復帰動作を示している。
偏光フィルタ43が離脱位置にあるときは、離脱検知センサ66は出力オフ状態である(ステップS1)。
偏光フィルタ43が離脱位置にあるときに、ジャイロセンサ63または防振レンズ群位置検知センサ64が所定レベル以上の振動衝撃を検知すると(ステップS2:YES)、離脱検知センサ66が出力オフ状態から出力オン状態に切り替わって(ステップS3)、偏光フィルタ43が離脱位置にあるか否かを検知する(ステップS4)。
偏光フィルタ43が離脱位置にあることを離脱検知センサ66が検知したときは(ステップS4:YES)、カメラボディに加わった振動衝撃によって偏光フィルタ43の挿脱位置が変化していないことになるので、離脱検知センサ66が出力オン状態から出力オフ状態に切り替わった後に(ステップS5)、制御回路70は処理を終了する。
一方、偏光フィルタ43が離脱位置にないことを離脱検知センサ66が検知したときは(ステップS4:NO)、カメラボディに加わった振動衝撃によって偏光フィルタ43が離脱位置から外れたことになるので、制御回路70による強制復帰動作が実行される。より具体的に、偏光フィルタ43が離脱位置から外れたときは、フィルタ枠42が制限離脱位置もしくは制限離脱位置と完全離脱位置の中間位置、または挿入位置もしくは挿入位置と制限離脱位置の中間位置にあることになる。そこで制御回路70は、フィルタ駆動モータ180を介して原動環46をN2方向に回転させることで、「連れ回り逆回転動作(フィルタ枠42が制限離脱位置または制限離脱位置と完全離脱位置の中間位置にある場合)」または「差動回転動作と連れ回り逆回転動作の組み合わせ(フィルタ枠42が挿入位置または挿入位置と制限離脱位置の中間位置にある場合)」によってフィルタ枠42を完全離脱位置に移行させて、偏光フィルタ43を離脱位置に強制復帰させる(ステップS6)。
なお、ここでは「連れ回り逆回転動作」または「差動回転動作と連れ回り逆回転動作の組み合わせ」によってフィルタ枠42を完全離脱位置に移行させて、偏光フィルタ43を離脱位置に強制復帰させているが、必要に応じて所定量の「連れ回り正回転動作」をさらに組み合わせてもよい。つまり偏光フィルタ43を離脱位置に強制復帰させる動作は本実施形態に限定されるものではない。
偏光フィルタ43が離脱位置に強制復帰させられたことを離脱検知センサ66が検知すると、離脱検知センサ66が出力オン状態から出力オフ状態に切り替わった後に(ステップS7)、制御回路70は処理を終了する。
図20は、偏光フィルタ43(フィルタ枠42)が挿入位置の特定の回転角度位置(初期位置)にあるときの制御回路70による強制復帰動作を示している。
偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にあるときは、挿入検知センサ65は出力オフ状態である(ステップS11)。
偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にあるときに、ジャイロセンサ63または防振レンズ群位置検知センサ64が所定レベル以上の振動衝撃を検知すると(ステップS12:YES)、挿入検知センサ65が出力オフ状態から出力オン状態に切り替わって(ステップS13)、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にあるか否かを検知する(ステップS14)。
偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にあることを挿入検知センサ65が検知したときは(ステップS14:YES)、カメラボディに加わった振動衝撃によって偏光フィルタ43の挿脱位置(さらには回転角度位置)が変化していないことになるので、挿入検知センサ65が出力オン状態から出力オフ状態に切り替わった後に(ステップS15)、制御回路70は処理を終了する。
一方、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にないことを挿入検知センサ65が検知したときは(ステップS14:NO)、カメラボディに加わった振動衝撃によって偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置から外れたことになるので、制御回路70による強制復帰動作が実行される。より具体的に、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置から外れたときは、フィルタ枠42が挿入位置の特定の回転角度位置とは異なる回転角度位置、制限離脱位置、制限離脱位置と挿入位置の中間位置、完全離脱位置、または完全離脱位置と制限離脱位置の中間位置にあることになる。そこで制御回路70は、フィルタ駆動モータ180を介して原動環46をN1方向に回転させることで、「連れ回り正回転動作(フィルタ枠42が挿入位置の特定の回転角度位置とは異なる回転角度位置にある場合)」または「差動回転動作と連れ回り正回転動作の組み合わせ(フィルタ枠42が制限離脱位置、制限離脱位置と挿入位置の中間位置、完全離脱位置、または完全離脱位置と制限離脱位置の中間位置にある場合)」によって偏光フィルタ43(フィルタ枠42)を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させる(ステップS16)。
なお、ここでは「連れ回り正回転動作」または「差動回転動作と連れ回り正回転動作の組み合わせ」によって偏光フィルタ43(フィルタ枠42)を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させているが、必要に応じて所定量の「連れ回り逆回転動作」をさらに組み合わせてもよい。つまり偏光フィルタ43を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させる動作は本実施形態に限定されるものではない。
偏光フィルタ43が挿入位置の回転角度位置に強制復帰させられたことを挿入検知センサ65が検知すると、挿入検知センサ65が出力オン状態から出力オフ状態に切り替わった後に(ステップS17)、制御回路70は処理を終了する。
ところで、偏光フィルタ43を挿入位置と離脱位置との間で挿脱駆動させる挿脱駆動機構は上述の構成に限定されるものではない。図21ないし図24は本発明の別実施形態の挿脱駆動機構を示している。この挿脱駆動機構は、本出願人が既に出願して特許権を取得している(特願2005−161915号、特許第4744939号)。
偏光フィルタ43は、回動軸97を中心として回動可能なフィルタ挿脱枠(挿脱枠)90に保持されており、さらにフィルタ挿脱枠90に対しても回転可能となっている。
図21に示すように、フィルタ挿脱枠90は前方支持板90aと後方支持板90bからなっており、前方支持板90aの一端部に、回動軸97に対して相対回動自在に嵌まる軸孔90cを有している。前方支持板90aは、軸孔90cを中心とする円筒突起90c-1を有しており、後方支持板90bは、軸孔90cに対向する位置に円形孔90c-2を有している。前方支持板90aと後方支持板90bはそれぞれ、軸孔90cを中心とする径方向に延出された揺動アーム90dと、該揺動アーム90dに連続して設けられ円形開口90eを有するフィルタ挟持部90fを有している。前方支持板90aにはさらに、軸孔90cと反対側の端部に位置するストッパ部90gと、フィルタ挟持部90fにおける支持板90bとの対向面側に形成した回転支持フランジ91xとが設けられている。回転支持フランジ91xは、円形開口90eを囲む環状をなしており、その中心軸は撮影光学系の光軸と平行である。前方支持板90aと後方支持板90bは、係止爪90hを係止孔90iに係合させた状態で、固定ねじ90jによって互いに固定される。そして、前方支持板90aと後方支持板90bを組み合わせた状態で、軸孔90cと円形孔90c-2に対して回動軸97を挿入することによって、フィルタ挿脱枠90が回動軸97を中心として回動可能に支持される。
偏光フィルタ43はフィルタ保持環(環状保持枠)91に保持されている。図22に示すように、フィルタ保持環91は、前方支持板90aと後方支持板90bのそれぞれのフィルタ挟持部90fの間に挟まれ、かつ回転支持フランジ91xに対して回転自在に嵌まっている。フィルタ保持環91がフィルタ挿脱枠90に支持された状態では、偏光フィルタ43は前方支持板90aと後方支持板90bのそれぞれの円形開口90eに臨んで位置される。
フィルタ保持環91の外縁部にはフィルタギヤ91aが形成されており、フィルタギヤ91aに対してフリクションギヤ(中継ギヤ)92が噛合している。フリクションギヤ92にはアイドルギヤ(遊星ギヤ)93が噛合し、アイドルギヤ93には回動制御ギヤ(太陽ギヤ)94が噛合している。フリクションギヤ92とアイドルギヤ93はそれぞれ、前方支持板90aに突設した回転軸92xと回転軸93xによって軸支されている。また、回動制御ギヤ94は、前方支持板90aに設けた円筒突起90c-1に対して回転自在に嵌まっている。円筒突起90c-1は回動軸97と同心であるため、回動制御ギヤ94は回動軸97を中心として回転される。回動制御ギヤ94にはアイドルギヤ95が噛合しており、アイドルギヤ95には駆動ギヤ96が噛合している。アイドルギヤ95の回転軸95xと駆動ギヤ96の回転軸96xはそれぞれ、図示しないレンズ枠支持板に形成した軸孔によって支持されている。各ギヤの回転軸92x、93x、95x、96xの軸線はそれぞれ撮影光学系の光軸と平行であり、また前述の通り、フィルタギヤ91a(フィルタ保持環91)の回転中心である回転支持フランジ91xと、回動制御ギヤ94の回転中心である回動軸97のそれぞれの軸線も撮影光学系の光軸と平行である。したがって、フィルタギヤ91aから駆動ギヤ96までのギヤ列を構成する各ギヤは、いずれも撮影光学系の光軸と平行な回転中心によって回転される。フリクションギヤ92は、ワッシャばね(駆動制御手段、回転抵抗部材)92aによって後方支持板90b側に押圧付勢されており、所定の大きさの回転抵抗が作用している。
駆動ギヤ96は、フィルタ駆動モータ180(図18)によって正逆に回転駆動される。駆動ギヤ96が回転されると、アイドルギヤ95を介して回動制御ギヤ94が回転する。ここで、フリクションギヤ92はワッシャばね92aによって回転抵抗が与えられているため、回動制御ギヤ94が回転すると、該回動制御ギヤ94とアイドルギヤ93が太陽ギヤと遊星ギヤの関係になってアイドルギヤ93が回動制御ギヤ94の周面上を移動(公転)する。その結果、駆動ギヤ96の正逆回転に応じてフィルタ挿脱枠90が回動軸97を中心として往復回動され、偏光フィルタ43が、撮影光学系の光軸上に進出する挿入位置(図23)と、同光軸上から離脱した離脱位置(図24)とに移動される。具体的には、図23と図24におけるK1方向に駆動ギヤ96が回転すると、偏光フィルタ43が挿入位置に進出し、K2方向に駆動ギヤ96が回転すると、偏光フィルタ43が離脱位置へ離脱する。
フィルタ挿脱枠90が偏光フィルタ43の挿入位置まで回動されると、図示しないストッパ部に対してストッパ部90gが当接し、挿入方向へのフィルタ挿脱枠90の回動が規制される。また、フィルタ挿脱枠90が偏光フィルタ43の離脱位置まで回動されると、図示しないストッパ部に対してストッパ部90gが当接し、離脱方向へのフィルタ挿脱枠90の回動が規制される。
以上の構造により、ズームレンズ鏡筒が撮影状態にあるときには、撮影光学系の光軸上への偏光フィルタ43の挿脱動作(フィルタ挿脱枠90の回動)を任意に行うことができる。
偏光フィルタ43が挿入位置にあるときは、前述の通りストッパ部90gが図示しないストッパ部に当接して挿入方向へのフィルタ挿脱枠90の回動が規制されている。そして、このフィルタ挿脱枠90の回動規制状態において、さらに駆動ギヤ96をフィルタ挿入方向(前述のK1方向)に回転駆動すると、フリクションギヤ92に作用している回転抵抗を越える大きさの回転駆動力が作用して、アイドルギヤ93とフリクションギヤ92がそれぞれ図23に破線矢印で示す方向へ回転(自転)する。その結果、フィルタ保持環91が同図の時計方向に回転し、フィルタ挿脱枠90に対して撮影光学系の光軸を中心として偏光フィルタ43を定位置回転させることができる。逆に、フィルタ挿入状態において駆動ギヤ96をフィルタ離脱方向(前述のK2方向)に回転駆動させた場合には、フリクションギヤ92は回転(自転)せず、アイドルギヤ93が回動制御ギヤ94の周面上を移動(公転)して、回動軸97を回動中心としてフィルタ挿脱枠90が同図の時計方向へと回動される。そして、偏光フィルタ43が撮影光学系の光軸上から離脱して図24の離脱状態になる。
フィルタ駆動モータ180は、フィルタ挿入スイッチ71とフィルタ離脱スイッチ72の操作に応じて正転及び逆転駆動される(図18)。具体的には、フィルタ挿入スイッチ71を操作すると、フィルタ駆動モータ180によって駆動ギヤ96が前述のK1方向に回転され、フィルタ離脱スイッチ72を操作すると、フィルタ駆動モータ180によって駆動ギヤ96が前述のK2方向に回転される。フィルタ駆動モータ180はパルスモータであり、制御回路70は、フィルタ挿入スイッチ71のオン信号(フィルタ挿入信号)が入力されたときには、フィルタ挿脱枠90を前述の離脱位置から挿入位置まで回動させるようにフィルタ駆動モータ180の駆動パルス数を制御し、フィルタ離脱スイッチ72のオン信号(フィルタ離脱信号)が入力されたときには、フィルタ挿脱枠90を挿入位置から離脱位置まで回動させるようにフィルタ駆動モータ180の駆動パルス数を制御する。
また、フィルタ挿脱枠90が挿入位置にあるときにフィルタ回転スイッチ73を操作すると、フィルタ駆動モータ180によって駆動ギヤ96がフィルタ挿入方向(K1方向)に回転駆動される。前述の通り、フィルタ挿脱枠90の挿入状態で駆動ギヤ96をフィルタ挿入方向に回転させることにより、フィルタ保持環91が撮影光学系の光軸を中心として回転駆動される。
以下、上述した別実施形態の挿脱駆動機構を搭載した場合における制御回路70による偏光フィルタ43の強制復帰動作について、図25、図26のフローチャートを参照して説明する。
図25は、偏光フィルタ43が離脱位置にあるときの制御回路70による強制復帰動作を示している。
偏光フィルタ43が離脱位置にあるときは、離脱検知センサ66は出力オフ状態である(ステップS21)。
偏光フィルタ43が離脱位置にあるときに、ジャイロセンサ63または防振レンズ群位置検知センサ64が所定レベル以上の振動衝撃を検知すると(ステップS22:YES)、離脱検知センサ66が出力オフ状態から出力オン状態に切り替わって(ステップS23)、偏光フィルタ43が離脱位置にあるか否かを検知する(ステップS24)。
偏光フィルタ43が離脱位置にあることを離脱検知センサ66が検知したときは(ステップS24:YES)、カメラボディに加わった振動衝撃によって偏光フィルタ43の挿脱位置が変化していないことになるので、離脱検知センサ66が出力オン状態から出力オフ状態に切り替わった後に(ステップS25)、制御回路70は処理を終了する。
一方、偏光フィルタ43が離脱位置にないことを離脱検知センサ66が検知したときは(ステップS24:NO)、カメラボディに加わった振動衝撃によって偏光フィルタ43が離脱位置から外れたことになるので、制御回路70による強制復帰動作が実行される。より具体的に制御回路70は、フィルタ駆動モータ180を離脱方向駆動して駆動ギヤ96をK2方向に回転させることにより、偏光フィルタ43を離脱位置に強制復帰させる(ステップS26)。
偏光フィルタ43が離脱位置に強制復帰させられたことを離脱検知センサ66が検知すると、離脱検知センサ66が出力オン状態から出力オフ状態に切り替わった後に(ステップS27)、制御回路70は処理を終了する。
図26は、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置(初期位置)にあるときの制御回路70による強制復帰動作を示している。
偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にあるときは、挿入検知センサ65は出力オフ状態である(ステップS31)。
偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にあるときに、ジャイロセンサ63または防振レンズ群位置検知センサ64が所定レベル以上の振動衝撃を検知すると(ステップS32:YES)、挿入検知センサ65が出力オフ状態から出力オン状態に切り替わって(ステップS33)、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にあるか否かを検知する(ステップS34)。
偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にあることを挿入検知センサ65が検知したときは(ステップS34:YES)、カメラボディに加わった振動衝撃によって偏光フィルタ43の挿脱位置(さらには回転角度位置)が変化していないことになるので、挿入検知センサ65が出力オン状態から出力オフ状態に切り替わった後に(ステップS35)、制御回路70は処理を終了する。
一方、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にないことを挿入検知センサ65が検知したときは(ステップS34:NO)、カメラボディに加わった振動衝撃によって偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置から外れたことになるので、制御回路70による強制復帰動作が実行される。より具体的に制御回路70は、フィルタ駆動モータ180を挿入方向駆動して駆動ギヤ96をK1方向に回転させることにより、偏光フィルタ43を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させる(ステップS36)。
偏光フィルタ43が挿入位置の回転角度位置に強制復帰させられたことを挿入検知センサ65が検知すると、挿入検知センサ65が出力オン状態から出力オフ状態に切り替わった後に(ステップS37)、制御回路70は処理を終了する。
以上の実施形態では、ジャイロセンサ63または防振レンズ群位置検知センサ64が所定レベル以上の振動衝撃を検知した後に、偏光フィルタ43が離脱位置にないことを離脱検知センサ66が検知したときまたは偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置にないことを挿入検知センサ65が検知したときに、制御回路70による強制復帰動作を実行している。しかし、離脱検知センサ66と挿入検知センサ65を省略して、ジャイロセンサ63または防振レンズ群位置検知センサ64が所定レベル以上の振動衝撃を検知したときに、即座に制御回路70による強制復帰動作を実行するようにしてもよい。
以上の実施形態では、発光部と受光部を有するフォトインタラプタからなる挿入検知センサ65と、フィルタ枠42のセンサ通過片(センサ通過片42gとは別の図示しないセンサ通過片)とが備えられており、センサ通過片によってフォトインタラプタの受光部への光の入射が遮られることで、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置(初期位置)にあることを検出している。しかし、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置(初期位置)にあることを検出するための挿入検知センサの構成はこれに限定されるものでない。例えば、フィルタ駆動モータ180にホールICを設けて、このホールICの出力(フィルタ駆動モータ180のロータの回転角度に応じて変動する)を読み取ることで、偏光フィルタ43が挿入位置の特定の回転角度位置(初期位置)にあることを検出することも可能である。
以上の実施形態では、フィルタ挿入スイッチ71、フィルタ離脱スイッチ72及びフィルタ回転スイッチ73の操作によって偏光フィルタ43の挿脱動作と光路上での回転動作を行わせるとしているが、これ以外の操作手段によって偏光フィルタ43の動作を行わせてもよい。あるいは、手動操作によらず自動制御で偏光フィルタ43を動作させるタイプの光学機器にも適用が可能である。
以上の実施形態では、回転光学要素として偏光フィルタ43を適用しているが、偏光フィルタ以外にもクロスフィルタや多面効果フィルタなど、光路上に挿入された状態で回転することにより光学的効果を生ずる光学要素の駆動装置であれば、本発明は適用可能である。
LG1 第1レンズ群
LG2 第2レンズ群
LG2-F 前部レンズ群
LG2-R 後部レンズ群(防振レンズ群)
LG3 第3レンズ群
O 光軸
S シャッタ
ZL ズームレンズ鏡筒
8 2群レンズ移動環
8e 挿入規制部
8f 係止片
11 カム環
12 繰出筒
13 直進案内環
21 撮像素子ホルダ
22 ハウジング
26 撮像素子
30 防振ユニット
40 偏光フィルタユニット
41 モータ支持部材(挿脱駆動機構、支持部材)
41a 前方開口
41b センサ支持部
41c 係止突起
41d 挿入規制面
41e 41f 回転案内面
41g 外周嵌合部
41h 当付凸部
41i モータ支持部
42 フィルタ枠(挿脱駆動機構、保持部材)
42a 第1支持軸(軸支部)
42b 第2支持軸(回転伝達部、突起部)
42c ストッパ突起(挿入制御手段、当接部)
42d フィルタ開口
42e 外径側縁部(離脱制御手段、離脱規制部)
42f 内径側縁部
42g センサ通過片
43 偏光フィルタ(回転光学要素)
44 環状摩擦板(挿脱駆動機構、従動回転部材)
44a 係合片部
45 回転環(挿脱駆動機構、従動回転部材)
45a 係合突起
45b 後方突出部
45b-1 ストッパ部(挿入制御手段、当接部)
45c バネ支持穴
45d 位置決め突起
45e 軸穴
46 原動環(挿脱駆動機構、原動回転部材)
46a 周縁ギヤ
46b 回転ガイド部
46c 環状フランジ
46d 回転伝達穴(長穴)
46e 後方突出部
46f 中央開口
47 摩擦シート(挿脱駆動機構)
48 保護シート(挿脱駆動機構、従動回転部材)
48a 開放開口
48b 位置決め穴
48c 周方向長穴
48d 逃げ穴
48e 切欠き
49 抵抗付与バネ(挿脱駆動機構、抵抗付与手段、付勢部材)
51 3群レンズ枠
60 第1ギヤ
60a ギヤ支持軸
61 第2ギヤ
61a ギヤ支持軸
62 防振撮影モード切替スイッチ
63 ジャイロセンサ(振動衝撃検知手段)
64 位置検出センサ(振動衝撃検知手段)
65 挿入検知センサ
66 離脱検知センサ
70 制御回路(復帰制御手段)
71 フィルタ挿入スイッチ
72 フィルタ離脱スイッチ
73 フィルタ回転スイッチ
80 2群レンズブロック
81 シャッタユニット
82 シャッタアクチュエータ
90 フィルタ挿脱枠(挿脱駆動機構、挿脱枠)
90a 前方支持板
90b 後方支持板
90c 軸孔
90c-1 円筒突起
90c-2 円形孔
90d 揺動アーム
90e 円形開口
90f フィルタ挟持部
90g ストッパ部
90h 係止爪
90i 係止孔
90j 固定ねじ
91 フィルタ保持環(挿脱駆動機構、環状保持枠)
91a フィルタギヤ
91x 回転支持フランジ
92 フリクションギヤ(挿脱駆動機構、中継ギヤ)
92a ワッシャばね(駆動制御手段、回転抵抗部材)
92x 回転軸
93 アイドルギヤ(挿脱駆動機構、遊星ギヤ)
93x 回転軸
94 回動制御ギヤ(挿脱駆動機構、太陽ギヤ)
95 アイドルギヤ(挿脱駆動機構)
95x 回転軸
96 駆動ギヤ(挿脱駆動機構)
96x 回転軸
97 回動軸(挿脱駆動機構)
100 ベース部材(挿脱駆動機構、支持部材)
100a 中央開口
100b 支持面
100c 外囲壁部(離脱制御手段、円筒壁部)
100d フィルタ収納壁部(離脱制御手段、収納壁部)
100e センサ用穴
100f 係止片
100g ギヤ支持部
100h 係止突起
100i 規制壁部
100j センサ支持片
150 鏡筒駆動モータ
160 AFモータ
180 フィルタ駆動モータ(挿脱駆動機構、回転光学要素の駆動源)
180a ピニオン
180b 支持板

Claims (14)

  1. 撮影光学系の光路上で該撮影光学系の光軸を中心に回転する回転光学要素;
    前記回転光学要素を前記撮影光学系の光路上への挿入位置と同光路上からの離脱位置との間で挿脱駆動させる挿脱駆動機構;
    所定レベル以上の振動衝撃を検知する振動衝撃検知手段;及び
    前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したとき、前記挿脱駆動機構を介して、前記回転光学要素をその検知直前の挿脱位置に強制復帰させる復帰制御手段;
    を備えることを特徴とする撮影装置。
  2. 請求項1記載の撮影装置において、
    前記回転光学要素が離脱位置にあるか否かを検知する離脱検知センサをさらに備えており、
    前記離脱検知センサは、前記挿脱駆動機構を介して前記回転光学要素が離脱位置に到達したことを検知したときに出力オン状態から出力オフ状態に切り替わり、この出力オフ状態で前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したときに出力オフ状態から出力オン状態に切り替わって前記回転光学要素が離脱位置にあるか否かを検知する撮影装置。
  3. 請求項1記載の撮影装置において、
    前記回転光学要素が挿入位置の特定の回転角度位置にあるか否かを検知する挿入検知センサをさらに備えており、
    前記挿入検知センサは、前記挿脱駆動機構を介して前記回転光学要素が挿入位置の特定の回転角度位置に到達したことを検知したときに出力オン状態から出力オフ状態に切り替わり、この出力オフ状態で前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したときに出力オフ状態から出力オン状態に切り替わって前記回転光学要素が挿入位置の特定の回転角度位置にあるか否かを検知する撮影装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の撮影装置において、
    前記挿脱駆動機構は、
    支持部材;
    前記支持部材に前記撮影光学系の光軸を中心とする方向へ回転可能に支持され、駆動源によって前記回転方向に回転駆動される原動回転部材;
    前記支持部材に前記光軸を中心とする方向へ回転可能に支持され、前記原動回転部材に対して前記回転方向に相対回転が可能な従動回転部材;
    前記従動回転部材に回転抵抗を与える抵抗付与手段;
    前記回転光学要素を保持し、前記原動回転部材から前記回転方向の力を伝達される回転伝達部と、前記従動回転部材に対する軸支部とを有し、前記軸支部を中心とする正逆方向の回動によって前記回転光学要素を前記光路上に挿脱させる保持部材;
    前記保持部材を前記光路上への挿入位置で回動規制する挿入制御手段;及び
    前記保持部材に対し、前記光軸を中心とする回転方向の特定位置で前記光路からの完全離脱位置までの移動を許し、前記回転方向の特定位置以外で前記完全離脱位置よりも離脱方向への移動量が小さい制限離脱位置で回動規制する離脱制御手段;を備え、
    前記挿脱駆動機構は、
    前記保持部材が前記挿入制御手段と前記離脱制御手段による回動規制を受けない方向に前記原動回転部材を回転させることにより、前記抵抗付与手段による回転抵抗を受ける前記従動回転部材と前記原動回転部材との間で前記回転方向の差動が生じて前記保持部材が前記軸支部を中心とする挿脱方向の回動を行う差動回転動作;
    前記保持部材が前記挿入位置にあるときに、前記保持部材が前記挿入制御手段による回動規制を受ける方向へ前記原動回転部材を回転させることにより、前記抵抗付与手段による回転抵抗に抗して前記従動回転部材と前記保持部材が前記光軸を中心として前記原動回転部材と共に回転する連れ回り正回転動作;及び
    前記保持部材が前記制限離脱位置にあるときに、前記保持部材が前記離脱制御手段による回動規制を受ける方向へ前記原動回転部材を回転させることにより、前記抵抗付与手段による回転抵抗に抗して前記従動回転部材と前記保持部材が前記原動回転部材と共に回転し、前記回転方向の特定位置で前記保持部材が前記完全離脱位置まで回動される連れ回り逆回転動作;を行う撮影装置。
  5. 請求項2を引用する請求項4記載の撮影装置において、
    前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知した後に前記回転光学要素が離脱位置にないことを前記離脱検知センサが検知したとき、前記挿脱駆動機構に、前記連れ回り逆回転動作または前記差動回転動作と前記連れ回り逆回転動作の組み合わせを実行させることで、前記回転光学要素を離脱位置に強制復帰させる撮影装置。
  6. 請求項3を引用する請求項4記載の撮影装置において、
    前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知した後に前記回転光学要素が挿入位置の特定の回転角度位置にないことを前記挿入検知センサが検知したとき、前記挿脱駆動機構に、前記連れ回り正回転動作または前記差動回転動作と前記連れ回り正回転動作の組み合わせを実行させることで、前記回転光学要素を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させる撮影装置。
  7. 請求項1を引用する請求項4記載の撮影装置において、
    前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したとき、前記挿脱駆動機構に、前記連れ回り逆回転動作もしくは前記差動回転動作と前記連れ回り逆回転動作の組み合わせを実行させることで前記回転光学要素を離脱位置に強制復帰させ、または前記連れ回り正回転動作もしくは前記差動回転動作と前記連れ回り正回転動作の組み合わせを実行させることで前記回転光学要素を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させる撮影装置。
  8. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の撮影装置において、
    前記挿脱駆動機構は、
    前記撮影光学系の光軸と平行な回動軸によって軸支され、前記回転光学要素の挿入位置と離脱位置に往復回動可能な挿脱枠;
    前記挿脱枠に回動可能に支持され、前記回転光学要素を保持する環状保持枠;及び
    前記環状保持枠にモータの回転駆動力を伝達するギヤ列;を備え、
    前記モータの正転と逆転によって前記回転光学要素を挿入位置と離脱位置に挿脱させ、かつ挿入位置では前記モータの挿入方向駆動によって前記回転光学要素を定位置回転させる撮影装置。
  9. 請求項2を引用する請求項8記載の撮影装置において、
    前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知した後に前記回転光学要素が離脱位置にないことを前記離脱検知センサが検知したとき、前記モータの離脱方向駆動によって前記回転光学要素を離脱位置に強制復帰させる撮影装置。
  10. 請求項3を引用する請求項8記載の撮影装置において、
    前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知した後に前記回転光学要素が挿入位置の特定の回転角度位置にないことを前記挿入検知センサが検知したとき、前記モータの挿入方向駆動によって前記回転光学要素を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させる撮影装置。
  11. 請求項1を引用する請求項8記載の撮影装置において、
    前記復帰制御手段は、前記振動衝撃検知手段が所定レベル以上の振動衝撃を検知したとき、前記モータの離脱方向駆動によって前記回転光学要素を離脱位置に強制復帰させ、または前記モータの挿入方向駆動によって前記回転光学要素を挿入位置の特定の回転角度位置に強制復帰させる撮影装置。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項記載の撮影装置において、
    前記振動衝撃検知手段はジャイロセンサからなる撮影装置。
  13. 請求項1ないし11のいずれか1項記載の撮影装置において、
    前記撮影光学系は、該撮影光学系の光軸を偏心させるための防振レンズ群を備えており、
    前記振動衝撃検知手段は、前記防振レンズ群の位置を検知する位置検知センサからなる撮影装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1項記載の撮影装置において、
    前記回転光学要素は偏光フィルタである撮影装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104954675A (zh) * 2014-06-13 2015-09-30 广东欧珀移动通信有限公司 移动终端及其摄像头的旋转角度检测方法
CN108712591A (zh) * 2018-03-19 2018-10-26 广东欧珀移动通信有限公司 摄像头模组及具有其的电子设备

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CN104954675B (zh) * 2014-06-13 2018-09-04 广东欧珀移动通信有限公司 移动终端及其摄像头的旋转角度检测方法
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