JP2014071017A - 燃料要素および炉心燃料集合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】事故が発生し、原子炉内で燃料溶融が起こった場合でも、事故の進展状態によらず再臨界を防止して原子炉の安全性を確保可能な燃料要素および炉心燃料集合体を提供する。
【解決手段】燃料要素50は、核分裂性物質を富化した炉心燃料51を被覆管54に封入して構成され、炉心燃料51は、炉心燃料51の軸中心を含む一部領域に自己遮へい効果を有する吸収部56を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料要素および炉心燃料集合体に関する。
図6は従来の高速炉1の縦断面図、図7は従来の高速炉1における炉心の横断面図、図8は従来の高速炉1における炉心燃料集合体10の縦断面図、図9は図8に示されるI−I線断面図(炉心燃料集合体10の横断面図)、および図10は従来の高速炉1における燃料要素15の部分縦断面図である。
高速炉1は、例えば図6に示されるように、炉心支持板2により支持される炉心3、一次冷却材(例えば、液体ナトリウム等)4を循環供給させる冷却材入口配管5および冷却材出口配管6、および炉心支持板2の下部に配設されるコアキャッチャー7等を原子炉容器8内に収容する。
原子炉容器8内において、冷却材入口配管5から流れ出た一次冷却材4は、炉心支持板2を通過し、熱の発生源である炉心3を通過し、熱交換するために冷却材出口配管6へと流れていく。
高速炉1の炉心3は、例えば図7(横断面図)に示されるように、核分裂性物質を多く含む炉心燃料集合体10と、中性子吸収により核分裂性物質に変換される核分裂性親物質を多く含む径ブランケット炉心燃料集合体11と、中性子吸収物質を多く含み核分裂反応を制御する制御棒集合体12と、を備えて構成される。
炉心燃料集合体10は、例えば図8(縦断面図)および図9(I−I線断面図)に示されるように、六角柱状に形成されるラッパ管13内にステンレス鋼等の金属材料からなる被覆管14を有する燃料要素15が多数装荷されている。
ラッパ管13の上部には、炉心燃料集合体10を炉心3へ装荷する際、または炉心3から取出する際の把持部となるハンドリングヘッド16が設けられている。また、ラッパ管13の下部には、炉心燃料集合体10を固定指示するためのエントランスノズル17が設けられている。このエントランスノズル17の側壁には、一次冷却材4が流入する一次冷却材流入口18が穿設されている。なお、符号19は炉心燃料集合体10内における一次冷却材4の流路(一次冷却材流路)である。
一方、燃料要素15は、例えば図10に示されるように、燃料領域20として炉心燃料21、上部軸ブランケット燃料22、および下部軸ブランケット燃料23を有する構造となっている。
上述の説明は、従来の高速炉1を例に説明したものであるが、燃料要素および炉心燃料集合体の基本的な構成は、沸騰水型原子炉(BWR)や加圧水型原子炉(PWR)の軽水炉でも、形状、材質等は異なるとしても、ほぼ同様である。軽水炉における燃料要素および炉心燃料集合体は、例えば、特許第2809626号公報(特許文献1)に記載される。
高速炉および軽水炉等の原子炉において、何らかの深刻な事故が発生した場合、事故の進展具合によっては、燃料溶融が生じる。このような燃料溶融時において、溶融燃料の体積膨張による被覆管破壊を回避することによって溶融燃料の凝固(デブリ状態での蓄積)による正の反応度の発生を抑制する燃料要素は、例えば、特開平6−258473号公報(特許文献2)に記載される。
特許第2809626号公報 特開平6−258473号公報
上述したように、高速炉および軽水炉等の原子炉において、何らかの深刻な事故が発生した場合、事故の進展具合によっては、燃料溶融が生じる。燃料溶融が生じると、その溶融物がデブリ状態で被覆管内、炉心燃料集合体内、炉心支持板、およびコアキャッチャー等に蓄積されると推定される。
このように燃料溶融物がデブリ状態で蓄積された場合、その後のデブリ状態において、条件次第では再臨界の可能性も否定できない。事故発生時における原子炉の安全性を確保するためには、事故の進展状態によらず再臨界を防止することが重要である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、事故が発生し、原子炉内で燃料溶融が起こった場合でも、事故の進展状態によらず再臨界を防止して原子炉の安全性を確保可能な燃料要素および炉心燃料集合体を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る燃料要素は、上述した課題を解決するため、核分裂性物質を富化した炉心燃料を被覆管に封入して構成される燃料要素であり、前記炉心燃料は、前記炉心燃料の軸中心を含む一部領域に自己遮へい効果を有する吸収部を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る炉心燃料集合体は、上述した課題を解決するため、前記燃料要素を複数個集合して構成される。
本発明によれば、原子炉内で燃料溶融が起こった場合でも、事故の進展状態によらず、再臨界を防止することができ、原子炉の安全性を確保することができる。
本発明の実施形態に係る燃料要素の部分縦断面図。 本発明の実施形態に係る燃料要素内の中空部に充填される吸収体の一例(表面に皮膜を有する皮膜付吸収体)の断面図。 本発明の実施形態に係る燃料要素における吸収部を構成する粒子状の吸収体の粒子径と反応度価値との関係を示す説明図。 本発明の実施形態に係る燃料要素における炉心燃料の直径(燃料径)に対する中空部の直径(吸収体充填径)の比(=吸収体充填径/燃料径)と燃料溶融反応度(相対値)との関係を示す説明図。 原子炉内における軸方向中性子束分布を示す説明図。 従来の高速炉の縦断面図。 従来の高速炉における炉心の横断面図。 従来の高速炉における炉心燃料集合体の縦断面図。 図8に示されるI−I線断面図(炉心燃料集合体の横断面図)。 従来の高速炉における燃料要素の部分縦断面図。
以下、本発明の実施形態に係る燃料要素および炉心燃料集合体について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料要素の一例である燃料要素50の部分縦断面図である。
燃料要素50は、燃料領域70として、例えば、核分裂性物質を富化した炉心燃料51と、燃料親物質を主成分とし、炉心燃料51の軸方向上下に配置される軸ブランケット燃料52,53とを備え、炉心燃料51、上部軸ブランケット燃料52、および下部軸ブランケット燃料53をステンレス鋼等の金属材料で形成された被覆管54に封入して構成される。燃料51,52,53は、例えば、ペレット状に構成される燃料ペレット51a,52a,53aの集合体として構成される。
炉心燃料51は、軸中心部に自己遮へい効果の大きい吸収部56を有する。吸収部56は、例えば、炉心燃料51の軸中心部に設けられた中空部57に自己遮へい効果の大きい材料(吸収材)58が充填されて構成される。中空部57に充填される吸収材58の大きさは、燃料溶融時に溶融燃料と混合するように、各燃料ペレット51aよりも小さく構成される。吸収材58の形状は溶融燃料と混合する限り任意であり、例えば、球状、直方体状、円柱状、多角柱状等に形成される。
このように軸中心部に自己遮へい効果の大きい吸収部56を有する炉心燃料51を備えた燃料要素50および燃料要素50が集合して形成される炉心燃料集合体では、通常運転時(燃料健全時)は自己遮へい効果により負の反応度効果は小さいが、何らかの事故が発生し燃料溶融が起こった場合には、溶融燃料と吸収部56に充填される吸収材58が混ざり合って反応度を減少させる負の反応度が大きくなる。すなわち、負の反応度が投入されることとなり、原子炉を未臨界状態として原子炉の安全性を確保することができる。
なお、燃料要素50における炉心燃料51の吸収部56については、後述するような実施例があり、これらの実施例の少なくとも1個を適用することで、本発明の実施形態に係る燃料要素および炉心燃料集合体は構成される。そこで、炉心燃料51の吸収部56の各実施例について説明する。後述する実施例のうち、第1−4の実施例は吸収部56の中空部57に充填する吸収材58に関するものであり、第5−7の実施例は吸収部56の中空部57に関するものである。
(第1の実施例)
中空部57に充填する吸収材58は、細かな粒子状または微細な紛体を押し固めて粒状に成形した顆粒状の吸収体58aとして構成される。すなわち、吸収部56を粒子状または顆粒状の吸収体58aの集合体として構成する。吸収材58を粒子状または顆粒状の吸収体58aとすることで、個々の大きさがミリメートル(mm)オーダー以上の大きさを有する場合と比較して、何らかの事故が発生し燃料溶融が起こった場合に溶融燃料と吸収部56とがより均一に混ざり合いやすくなるため、負の反応度が大きくする効果をより高めることができる。
このように吸収材58を粒子状または顆粒状とした吸収体58aとし、吸収部56を吸収体58aの集合体で構成することで、燃料溶融が起こった場合には、溶融燃料と粒子状または顆粒状の吸収体58aがより均一に混ざり合いやすくなるので、より負の反応度が大きくなり、負の反応度が投入され未臨界状態となり原子炉の安全性を確保することができる。
(第2の実施例)
例えば酸化物燃料の炉心燃料51の融点は、約2730℃である。何らかの事象によって燃料溶融が生じてしまった場合、中空部57に充填する充填物である吸収材58の融点が燃料側の融点よりも低いと、吸収材58は燃料より早く溶融してしまい、溶融燃料と均一に混ざるのが困難になる。溶融燃料と吸収材58との混合が不均一な場合、負の反応度を大きくする効果のバラツキを生じ得る。
そこで、負の反応度を大きくする効果のバラツキを抑制する観点から、吸収材58の一実施例として、吸収材58の融点が炉心燃料51の融点以上となる物質で構成する。炉心燃料51の融点以上の融点をもつ吸収材58としては、例えば、炭化ハフニウム(融点が3890℃)、窒化ハフニウム(融点が3305℃)、および酸化ハフニウム(融点が2810℃)の少なくとも1種類が選択される。
本実施例のように、中空部57への充填物として、例えば、炭化ハフニウム、窒化ハフニウム、および酸化ハフニウムの少なくとも1種類から成る物質等の炉心燃料51の融点である約2730℃以上の融点をもつ吸収材58を選択することによって、燃料溶融が生じてしまった場合において、吸収材58と溶融燃料とが均一的に混合するので、負の反応度を大きくする効果をより均一化することができる。
(第3の実施例)
図2は燃料要素50内の中空部57に充填される吸収材58の一例であり、吸収材58で構成される材料(例えば、吸収体58a)の表面に皮膜59を有する皮膜付吸収材58bの断面図である。なお、図2に示される皮膜付吸収材58bは、一例として、粒子状または顆粒状に構成される場合を示している。
本実施例は、第3の実施例において説明した中空部57に充填する吸収材58として皮膜付吸収材58bを適用する実施例である。
ここで、皮膜59は、酸化物燃料の炉心燃料51の融点(約2730℃)よりも高い融点をもつ物質であり、例えば、タングステン(融点3422℃)、およびタンタル(融点3017℃)の少なくとも1種類の物質等が選択される。
また、皮膜付吸収材58bでは、皮膜59が炉心燃料51の融点(約2730℃)よりも高い融点をもつため、皮膜59の内包物である吸収材58は、第2の実施例に係る吸収材58のように、必ずしも、炉心燃料51の融点よりも高い融点をもつ必要はない。例えば、ガドリニウム(融点1310℃)、酸化ガドリニウム(融点2310℃)、炭化ホウ素(融点2427℃)、およびカドミウム(融点321℃)等の炉心燃料51の融点よりも低い融点をもつ吸収材58についても、皮膜59に内包される吸収材58として選択することができる。
本実施例のように、中空部57への充填物として、炉心燃料51の融点である約2730℃以上の融点をもつ皮膜付吸収材58bを選択することで、炉心燃料51の融点である約2730℃以上の融点をもつ吸収材58を選択する場合と同様の効果が得られる。すなわち、燃料溶融が生じてしまった場合において、皮膜付吸収材58bと溶融燃料とが均一的に混合するので、負の反応度を大きくする効果をより均一化することができる。
また、皮膜付吸収材58bでは、皮膜59に内包される吸収材58自身が、必ずしも、炉心燃料51の融点よりも高い融点をもつ必要はないので、吸収材58を選択する選択幅をより広げることができる。
(第4の実施例)
図3は燃料要素50における吸収部56を構成する吸収体58aの粒子径と反応度価値(相対値)との関係を示す説明図(グラフ)であり、吸収体58aの粒子径を20μmから150μmまでの範囲で変化させた場合における反応度価値の変化を記録(プロット)したものである。
なお、図3に示される反応度価値は、吸収体58aの粒子径が20μm(図3に示される最低粒子径)の場合における反応度価値を1.0とした相対値表示である。
図3に示されるように、吸収体58aの反応度価値は、吸収体58aの粒子径が100μm以下の範囲では粒子径が増大するにつれて低下する特性を示し、100μmを超える範囲では粒子径が増大してもほぼ一定となる。従って、吸収体58aの反応度価値を高める観点からすれば、吸収体58aの粒子径は100μm以下の範囲に設定することが好ましい。
また、図3に示されるように、吸収体58aの粒子径が50μm以下の範囲では、吸収体58aの粒子径が小さくなるほど反応度価値は上昇し、反応度価値の上昇度合いも大きくなる。当該事情を考慮すれば、吸収体58aの粒子径は50μm以下の範囲に設定することがより好ましい。
なお、図3においては、吸収体58aの粒子径が比較的加工が容易とされる20μmまでの場合を示しているが、吸収体58aの粒子径の下限値を20μmとするものではない。吸収体58aの粒子径が20μmよりもさらに小さくなる場合、吸収体58aの反応度価値はさらに上昇することが知見されており、吸収体58aの反応度価値を高める点からすれば、吸収体58aの粒子径は、製造し得る限り小さくすることが望ましい。
本実施例のように、中空部57へ充填する吸収体58aの粒子径を、100μm以下の製造可能な範囲、より好ましくは50μm以下の製造可能な範囲に設定することで、燃料溶融が生じてしまった場合において、溶融燃料と吸収体58aが均一に混ざり合って負の反応度を大きくする効果をさらに高めることができる。
(第5の実施例)
図4は、燃料要素50における炉心燃料51の直径(燃料径)に対する中空部57の直径(吸収体充填径)の比(=吸収体充填径/燃料径)と燃料溶融反応度(相対値)との関係を示す説明図(グラフ)である。
図4に示されるように、燃料溶融反応度は、吸収体充填径が燃料径に対して約0.4付近までは吸収体充填径が大きくなると負方向に大きくなるが、約0.4を超えると燃料溶融反応度はほぼ一定となる。また、燃料溶融反応度の変化に着目すると、吸収体充填径が燃料径に対して約0.2〜0.3(2〜3割)の場合に変化が顕著であり、その他の場合では変化が緩慢である。すなわち、吸収体充填径/燃料径が約0.2未満または約0.3超となる場合には、燃料溶融反応度の変化が小さくなり、吸収体充填径を変化させることに対して得られる効果が小さくなる。
そこで、炉心燃料51の直径(燃料径)に対する中空部57の直径(吸収体充填径)が約0.4以下(より好ましくは約0.2〜0.3)となる中空部57を設けた炉心燃料51を構成する。
このように、燃料領域70として、炉心燃料51の直径(燃料径)に対する中空部57の直径(吸収体充填径)が約0.4以下(より好ましくは約0.2〜0.3)となる中空部57を有する炉心燃料51を備える燃料要素50および燃料要素50が集合して形成される炉心燃料集合体では、燃料の割合を必要以上に減少させることなく、燃料溶融が生じた場合における負の反応度を大きくする効果を得ることができる。
(第6の実施例)
図5は、原子炉内における軸方向中性子束分布を示す説明図(グラフ)である。なお、横軸の軸方向位置は炉心の下端位置を0.0とし、上端位置を1.0とした相対値位置である。
図5に示されるように、一般的な原子炉の炉心における中性子束は、炉心中心領域(軸方向位置が0.5付近)が高くなり、外側(上端または下端側)に位置する領域ほど低くなることが知られている。
原子炉では、炉心内位置による中性子束のバラツキを是正(中性子束を平坦化)するために、外側(上端または下端側)に位置する領域における核分裂性物質の富化度を高くする方法が採用されることがある。このような核分裂性物質の富化度が相対的に高くなる領域では、燃料溶融が起こった場合に負の反応度がより大きくなるようにすることが好ましい。
そこで、核分裂性物質の富化度が相対的に高くなる領域では、直径が大きい(中空となる体積が大きい)中空部57を設けた炉心燃料51を構成する。すなわち、核分裂性物質の富化度が高い領域では、より多くの吸収材58を充填可能に構成することで、炉心燃料51における吸収部56の割合がより高くなる炉心燃料51を構成する。
本実施例のように、吸収部56の割合が、核分裂性物質の富化度が相対的に高くなる領域でより高くなる炉心燃料51を構成することで、燃料溶融が生じた場合に、負の反応度を大きくする効果を得ることができる
(第7の実施例)
本実施例は、反応度に与える効果が高くなる領域、すなわち、インポータンスの大きい領域に位置する中空部57の直径を他の領域に位置する中空部57の直径よりも大きくした炉心燃料51を構成する実施例である。すなわち、反応度効果が高い領域に位置する炉心燃料51については、吸収部56の割合が他の領域に位置する炉心燃料51よりも高い構成とする。
インポータンスの大きい領域は、反応度効果が高く、燃料溶融が起こった場合に負の反応度がより大きくなるようにすることが好ましい。例えば、中性子束のバラツキを是正(中性子束を平坦化)していない原子炉では、炉心中心領域でインポータンスは大きくなり、炉心中心領域から離れるほど小さくなることが知られている。すなわち、炉心中心領域よりも外側(上端または下端側)に位置する領域ではインポータンスは小さくなる。
そこで、インポータンスの大きい領域で直径が大きい(中空となる体積が大きい)中空部57を設けた炉心燃料51を構成する。すなわち、反応度効果が高い領域でより多くの吸収材58を充填可能に構成することで、炉心燃料51における吸収部56の割合がより高くなる炉心燃料51を構成する。
本実施例のように、インポータンスの大きい領域、すなわち、反応度効果が高い領域において吸収部56の割合がより高くなる炉心燃料51を構成することで、燃料溶融が生じた場合に、インポータンスの大きい領域で、負の反応度を大きくする効果を得ることができる。
以上、燃料要素50およびこの燃料要素50を集合させて構成される炉心燃料集合体によれば、通常運転時(燃料健全時)は自己遮へい効果により負の反応度効果は小さいが、何らかの事故が発生し燃料溶融が起こった場合は、溶融燃料と吸収部56の吸収材58が均一に混ざり合って負の反応度が大きくなり、負の反応度が投入され未臨界状態となり原子炉の安全性を確保することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、図1に示される燃料要素50の燃料領域70は、炉心燃料51の他に、上部軸ブランケット燃料52および下部軸ブランケット燃料53をさらに備える構成であるが、必ずしも、上部軸ブランケット燃料52および下部軸ブランケット燃料53を備えている必要はなく、燃料領域70を炉心燃料51のみで構成されるようにしても良い。なお、燃料領域70が軸ブランケット燃料52,53を備えないことによって、燃料要素50の溶融燃料と吸収材58とが混ざり合って負の反応度が大きくなる効果が損なわれることもない。
1…高速炉、2…炉心支持板、3…炉心、4…一次冷却材、5…冷却材入口配管、6…冷却材出口配管、7…コアキャッチャー、8…原子炉容器、10…炉心燃料集合体、11…径ブランケット炉心燃料集合体、12…制御棒集合体、13…ラッパ管、14…被覆管、15…燃料要素、16…ハンドリングヘッド、17…エントランスノズル、18…一次冷却材流入口、19…一次冷却材流路、20…燃料領域、21…炉心燃料、22…上部軸ブランケット燃料、23…下部軸ブランケット燃料、50…燃料要素、51…炉心燃料、51a…炉心燃料ペレット、52…上部軸ブランケット燃料、52a…上部軸ブランケット燃料ペレット、53…下部軸ブランケット燃料、53a…下部軸ブランケット燃料ペレット、54…被覆管、56…吸収部、57…中空部、58…吸収材、58a…吸収体(粒子状または顆粒状の吸収材)、58b…皮膜付吸収材、59…皮膜、70…燃料領域。

Claims (10)

  1. 核分裂性物質を富化した炉心燃料を被覆管に封入して構成される燃料要素であり、
    前記炉心燃料は、前記炉心燃料の軸中心を含む一部領域に自己遮へい効果を有する吸収部を備えることを特徴とする燃料要素。
  2. 前記吸収部は、前記炉心燃料の前記一部領域を中空に形成した中空部とし、この中空部に粒子状の吸収体を充填して構成されることを特徴とする請求項1記載の燃料要素。
  3. 前記中空部の直径は、前記炉心燃料の直径に対して、2割〜3割となるように設定されることを特徴とする請求項2記載する燃料要素。
  4. 前記中空部の直径は、前記核分裂性物質の富化度が高い領域ほど大きくなるように設定されることを特徴とする請求項2または3記載の燃料要素。
  5. 前記中空部の直径は、前記炉心燃料の軸方向に対して設定される領域毎に設定されており、前記設定される領域のうち原子炉内に装荷された場合に炉心中心領域に位置する領域で最大となり、前記炉心中心領域に位置する領域から離れた領域ほど小さくなるように設定されることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の燃料要素。
  6. 前記吸収体は、自身が前記炉心燃料の融点以上をもつ吸収体、および前記炉心燃料の融点以上の融点となる物質から成る皮膜を表面にコーティングして構成される吸収体の何れか一方であることを特徴とする請求項2から5の何れか1項に記載の燃料要素。
  7. 前記吸収体は、自身が前記炉心燃料の融点以上をもつ吸収体である場合には、炭化ハフニウム、窒化ハフニウム、および酸化ハフニウムの少なくとも1種類が選択された物質であり、前記炉心燃料の融点以上の融点となる物質から成る皮膜を表面にコーティングして構成される吸収体である場合には、ガドリニウム、酸化ガドリニウム、炭化ホウ素、およびカドミウムの少なくとも1種類が選択された物質であることを特徴とする請求項6記載の燃料要素。
  8. 前記吸収体が前記炉心燃料の融点以上の融点となる物質から成る皮膜を表面にコーティングして構成される吸収体である場合、前記皮膜は、タングステン、およびタンタルの少なくとも1種類が選択された物質であることを特徴とする請求項6または7記載の燃料要素。
  9. 前記吸収体の直径は、100μm以下に設定されることを特徴とする請求項2から8の何れか1項に記載の燃料要素。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載する燃料要素を複数個集合して構成されることを特徴とする炉心燃料集合体。
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