JP2014070973A - 鋼板検査装置および鋼板検査方法 - Google Patents

鋼板検査装置および鋼板検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造ラインを停止することなく連続的に鋼板の磁区構造を可視化検査すること。
【解決手段】本発明の鋼板検査装置1は、鋼板2の製造ラインの板幅方向に架渡された中心軸3と、鋼板2と中心軸3との距離が一定となるように鋼板2を押え付けながら中心軸3を中心に回転するロール4と、鋼板2に近接され、鋼板2の磁区構造を光学特性として検出可能な磁気光学素子5と、中心軸3に固定され、磁気光学素子5を中心軸3から一定の距離に保つ固定治具6と、磁気光学素子5に直線偏光を照射するための光源と、磁気光学素子5に転写された鋼板2の磁区構造に応じて偏光面が回転された直線偏光を検出する検出器7を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板検査装置および鋼板検査方法に関する。
電磁鋼板は、透磁率が高くて鉄損が少ないという磁気特性に優れた鋼板である。例えば、方向性電磁鋼板は、変圧器のコアに多く用いられている。変圧器のコアに巻かれた電線に流れる交流電流は、コアの内部に交流磁場を発生させ、一般に鋼板内に交流磁場が印加された場合には、渦電流損とヒステリシス損とが生じる。電磁鋼板では、これら渦電流損およびヒステリシス損を低減することが要請されている。
鋼板内に交流磁場が印加された際の渦電流損の発生は不可避であり、周波数が高いほど渦電流損は大きくなる。この渦電流損に影響を与える因子の一つとして鋼板の磁区の幅があり、この幅が狭いほど、渦電流損を低減することができる。このように鋼板の磁気特性と磁区の形状とは、非常に深い結びつきがあることが知られている。
そこで、方向性電磁鋼板の製造工程では、渦電流損を低減するために、磁区を細分化する手法(磁区細分化処理)が施されている。方向性電磁鋼板の磁区は圧延方向に延びており、この磁区を横切る方向に歪みを入れたり、溝を形成したりすることにより、磁区を細分化することができる。歪みを入れる方法としては、例えば、レーザや電子ビームなどを磁区を横切る方向に照射して、熱歪みを与える方法が知られている。この磁区細分化処理が適切に施されているか否かを検査するために、磁区構造を観察する技術が知られている(特許文献1および2参照)。
特開2007−101519号公報 特開2002−257718号公報
しかしながら、従来の検査技術では、磁区細分化処理が施された鋼板の磁区構造を磁区細分化処理直後に直ちに検出することができず、別途鋼板をサンプリングしてオフラインで検査する必要があった。例えば、特許文献1に記載の検査技術では、磁性粉が溶液中を移動して磁区構造を反映した像を形成するのに時間が必要である。このため、磁区細分化処理にて不具合が発生した場合でも、その不具合が検出されるまでに長時間を要するため、不適合品を製造し続けることによる歩留まりの低下が発生してしまう。また、特許文献2に記載の検査技術は磁気光学効果を利用するものであるが、光ビームスポットを形成して、この光ビームスポットを1次元または2次元走査して磁区の検査を行うので、製造ライン上での検査としては長時間の検査時間が必要となってしまう。しかも、鋼板などの製造ラインには、板厚を薄くするための圧延ロールに代表されるように、非常に多くの金属製のロールが使用されている。一方、鋼板の表面を検査するためには、板の表面性状が安定していることが求められる。特許文献2のような光学特性を用いた表面検査では、鋼板の平坦度が重要となり、磁気特性を用いた表面検査では、鋼板の表面とセンサ間の距離(リフトオフ)を一定に保つことが重要となる。そのため、鋼板の表面検査では、ロールの配置を工夫して鋼板のパスラインを持ち上げることにより張力を持たせて鋼板の表面が平坦となる状況で検査したり、ロールに鋼板が巻きついて張力がかかっている状況で検査したりするなどの工夫がなされているが、磁区構造を検出する場合には、距離制御の精度が不十分であり、検出結果が安定しないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、製造ラインを停止することなく連続的に鋼板の磁区構造を安定的にかつ、直ちに検出することができる鋼板検査装置および鋼板検査方法を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる鋼板検査装置は、鋼板の製造ラインの板幅方向に架渡された中心軸と、前記鋼板と前記中心軸との距離が一定となるように前記鋼板を押え付けながら前記中心軸を中心に回転するロールと、前記鋼板に近接され、前記鋼板の磁区構造を光学特性として検出可能な磁気光学素子と、前記中心軸に固定され、前記磁気光学素子を前記中心軸から一定の距離に保つ固定治具と、前記磁気光学素子に直線偏光を照射するための光源と、前記磁気光学素子に転写された前記鋼板の磁区構造に応じて偏光面が回転された前記直線偏光を検出する検出器とを備えることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる鋼板検査方法は、鋼板の製造ラインの板幅方向に架渡された中心軸に回転可能に設けられたロールにより、前記鋼板と前記中心軸との距離が一定となるように前記鋼板を押え付けるステップと、前記中心軸に固定された固定治具により前記中心軸から一定の距離に保ちながら前記鋼板に近接された磁気光学素子に前記鋼板の磁区構造を転写するステップと、前記磁気光学素子に直線偏光を照射することにより前記磁気光学素子に転写された前記鋼板の磁区構造を前記直線偏光の偏光面の回転に変換するステップと、前記磁気光学素子から反射された前記直線偏光の偏光面の回転を検出するステップとを含むことを特徴とする。
本発明にかかる鋼板検査装置および鋼板検査方法は、製造ラインを停止することなく連続的に鋼板の磁区構造を安定的にかつ、直ちに検出することができ、磁区細分化に不具合を生じた場合でも迅速に発見できるという効果を奏する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置を示す概略構成図である。 図2は、ロールの構成例を示す断面図である。 図3は、磁気光学素子の構成例を示す断面図である。 図4は、固定治具の構成例を示す部分構成図である。 図5は、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置の断面図である。 図6は、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置における磁気光学素子の近傍のみを抽出した模式図である。 図7は、本発明の第2実施形態にかかる鋼板検査装置を示す概略構成図である。 図8は、本発明の第2実施形態にかかる鋼板検査装置を同一製造ラインに複数設ける配置例を示す模式図である。 図9は、本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置による方向性電磁鋼板の検査画像の例を示す画像である。 図10は、磁区不連続部の幅の測定を行った長手方向に関する測定結果の変化を記録したグラフである。 図11は、磁区幅の1000mごとの平均値の長手方向に関する測定結果の変化を記録したグラフである。
以下に、本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置および鋼板検査方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置1を示す概略構成図である。図1に示されるように、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置1は、鋼板2の製造ラインの板幅方向に架渡された中心軸3と、鋼板2と中心軸3との距離が一定となるように鋼板2を押え付けながら中心軸3を中心に回転するロール4とを備える。
さらに、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置1は、鋼板2に近接され、鋼板2の磁区構造を光学特性として検出可能な磁気光学素子5と、中心軸3に固定され、磁気光学素子5を中心軸3から一定の距離に保つ固定治具6とを備える。また、固定治具6は、別途図示する光源、偏光子、ハーフミラー、ならびに検光子、および検出器7を保持している。
図1に示されるように、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置1では、中心軸3が鋼板2の製造ラインの板幅方向に架渡されて、軸受8により固定されている。すなわち、中心軸3は、それ自身が回転することはなく、ロール4のみが中心軸3を中心に回転する。例えば、ロール4は、図2に示されるように、中心にベアリング9を備え、ベアリング9を介して中心軸3を中心に回転可能に保持されている。図2は、ロール4の構成例を示す断面図である。
ロール4は、半径が一定であることにより、鋼板2と中心軸3との距離を一定に保ちながら回転する。一方、図1に示されるように、鋼板2に関してロール4の反対側に、鋼板2の垂れ下がり防止のためのロール10を設けることが好ましい。鋼板2を押え付けるロール4と垂れ下がり防止のためのロール10とにより鋼板2を表裏から保持することにより、より安定的に鋼板2と中心軸3との距離が一定に保たれる。なお、垂れ下がり防止のためのロール10を設けず、鋼板2に張力を加えて鋼板2の垂れ下がりを防止する方法も可能である。なお、ロールと鋼板の間に異物が入り込まないようエアパージを行うことが好ましい。
磁気光学素子5は、ファラデー効果と呼ばれる磁気光学効果により鋼板2の磁区構造を光学特性へ変換する素子である。ファラデー効果とは、直線偏光を物質に透過させたときに、その物質が感じる磁場によって偏光面が回転する効果であり、このファラデー効果を奏する代表的な物質として磁性ガーネットが挙げられる。
図1に示されるように、鋼板2に近接して配置されることにより、鋼板2の磁区構造が磁気光学素子5に転写され、磁気光学素子5に照射される直線偏光の偏光面が回転する。なお、この磁気光学素子5に照射される偏光の偏光面の回転については、後に図6を参照しながらより詳細に説明を行う。
図3は、磁気光学素子5の構成例を示す断面図である。図3に示されるように、磁気光学素子5は、鋼板2に面する方向から順に、保護膜5a、反射膜5b、磁気光学膜5c、および基板5dにより構成される。なお、磁気光学膜5cは、磁性ガーネットを組成に含むことが好ましい。この磁気光学素子5に照射される偏光は、基板5dに入射され、磁気光学膜5cを透過し、反射膜5bにて反射した後、再度磁気光学膜5cおよび基板5dを透過して、磁気光学素子5から射出される。
図4は、固定治具6の構成例を示す部分構成図である。図4に示されるように、固定治具6は、中心軸3に固定され、磁気光学素子5を中心軸3から一定の距離に保つ機能を有する。さらに、固定治具6は、光源11、偏光子(偏光フィルター)12、ハーフミラー13、検光子(偏光フィルター)14、および検出器7を保持する機能を有する。また、磁気光学素子5を保持するホルダ15は、磁気光学素子5と中心軸3との距離を微調整するための調節機構を備えている。
光源11は、磁気光学素子5に直線偏光を照射するためのものであり、例えば半導体レーザ光源またはLED光源など一般的光源が用いられる。光源11は、直接的に偏光を射出する光源である必要はなく、偏光子(偏光フィルター)12と組合わせて磁気光学素子5に照射する直線偏光を発生させる。また、光源11は、偏光を平行光として射出し得るように、コリメータレンズなど光学素子を有する。
偏光子12は、光源11から射出された光線を直線偏光に変換する偏光フィルターである。偏光子12は、検光子14との相対的角度を調整することにより、検出器7にて検出される偏光の調整を行う。すなわち、偏光子12は、回転機構を有し、直線偏光の偏光面の角度を調整することができる。なお、検光子14に回転機構を有した場合、偏光子12における回転機構は省略可能である。
ハーフミラー13は、偏光子12を透過した直線偏光を磁気光学素子5へ導き、磁気光学素子5から反射される反射偏光を検出器7へ導く光路分割手段である。検光子14は、先述の偏光子12との相対的角度を調整することにより、検出器7にて検出される偏光の調整を行う。検出器7は、いわゆるCCDカメラまたはCMOSカメラなど一般的な2次元画像取得装置である。
固定治具6は、これら磁気光学素子5、光源11、偏光子(偏光フィルター)12、ハーフミラー13、検光子(偏光フィルター)14、および検出器7が適切に機能する配置を維持し得るように保持する。なお、本発明の第1実施形態にかかる固定治具6は、磁気光学素子5、光源11、偏光子(偏光フィルター)12、ハーフミラー13、検光子(偏光フィルター)14、および検出器7の全てを保持するよう構成された例であるが、磁気光学素子5以外は、別途の固定手段によって固定することも可能である。すなわち、ミラーまたは光ファイバーなどを用いて光路を外部へ導き、検出器7および光源11などの構成要素を図4に図示された位置とは異なる位置に設けることも可能である。
なお、図4には図示されないレンズ等の光学素子より、磁気光学素子5に照射される直線偏光は平行光束となるように調整されている。また、磁気光学素子5に照射される際の光束径が磁気光学素子5の大きさに一致することが好ましい。さらに、磁気光学素子5から検出器7までの光学系は、テレセントリック光学系となるように設計されている。
図5は、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置1の断面図である。図5に示されるように、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置1では、固定治具6により磁気光学素子5が中心軸3から一定の距離に保たれ、その一定の距離は、ロール4の半径より若干短い。例えば、この中心軸3から磁気光学素子5までの距離とロール4の半径との差は、100μmである。本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置1は、上述のような構成を有することにより、ロール4の回転によらずに、鋼板2と磁気光学素子5との間が近接した状態、つまり100μmの距離を保つことができる。
次に、図6を参照しながら、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置1における磁気光学素子5の作用について説明する。図6は、本発明の第1実施形態にかかる鋼板検査装置1における磁気光学素子5の近傍のみを抽出した模式図である。なお、図6では、記載を容易にするために作用の説明に必要とされない構成要素は省略されている。
図6に示されるように、磁気光学素子5の反射膜5bおよび磁気光学膜5cは、鋼板2に近接されて配置しているが、鋼板2とは接触していない。一方、鋼板2は、ロール4により磁気光学素子5の両側にて押し付けられている。したがって、ロール4の回転に伴って鋼板2は製造ライン上を通板することができるが、磁気光学素子5は、鋼板2に近接された状態を維持される。
上記のように、磁気光学素子5が鋼板2に近接した状態(上記例では鋼板2と磁気光学素子5との距離が100μm)では、鋼板2の磁区構造が磁気光学膜5cに転写される。そして、磁気光学素子5に対して磁気光学膜5c側から入射された偏光Pは、反射膜5bにて反射されて磁気光学素子5から射出する間に、磁気光学膜5c内を往復する。結果、偏光Pは、磁気光学膜5cによるファラデー効果により偏光面が回転する。なお、上記のように、偏光Pを反射膜5bにて反射されて磁気光学膜5c内を往復させることにより、偏光Pの偏光面の回転量は増幅される。また、磁気光学膜5cは、磁性ガーネットを組成に含むことが好ましい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる鋼板検査装置1について説明する。図7は、本発明の第2実施形態にかかる鋼板検査装置1を示す概略構成図である。
図7に示されるように、本発明の第2実施形態にかかる鋼板検査装置1も、第1実施形態と同様に、鋼板2の製造ラインの板幅方向に架渡された中心軸3と、鋼板2と中心軸3との距離が一定となるように鋼板2を押え付け中心軸3を中心に回転するロール4とを備える。図7に示されるように、第2実施形態にかかる鋼板検査装置1のロール4は、同一の中心軸3に複数設けられている。すなわち、第2実施形態にかかる鋼板検査装置1のロール4は、所定の間隔を隔てて複数に分割され同一の中心軸3に設けられている。
また、本発明の第2実施形態にかかる鋼板検査装置1は、各ロール4の間隙に、鋼板2に近接され、鋼板2の磁区構造を光学特性として検出可能な磁気光学素子5と、中心軸3に固定され、磁気光学素子5を中心軸3から一定の距離に保つ固定治具6とを備える。
なお、第2実施形態においても、図2に示されるように、各ロール4の中心にベアリング9が設けられていることにより、中心軸3自体は回転することなく、各ロール4が独立して回転可能となっている。さらに、各ロール4の間隙に設けられた磁気光学素子5および固定治具6のそれぞれは、第1実施形態における磁気光学素子5および固定治具6と共通構成であるので、ここでは説明を省略する。
図8は、本発明の第2実施形態にかかる鋼板検査装置1を同一製造ラインに複数設ける配置例を示す模式図である。図8に示されるように、各鋼板検査装置1におけるロール4の位置をずらすことにより、各鋼板検査装置1の検査領域を相互にずらすことにより、鋼板2の多くの位置にて検査が可能になる。
〔効果〕
以下、本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置1による効果の検証について説明する。以下に説明する効果の検証において使用された鋼板検査装置1は、ロール4の径が400mmであり、材質がステンレス(非磁性金属)である。
ロール4は、同一の中心軸3に4個設けられており、ロール4の間に磁気光学素子5および固定治具6を配置する構成である。つまり、以下に説明する効果の検証において使用された鋼板検査装置1は、図7に示された構成となっている。また、一つのロール4の幅は500mmであり、ロール4間の間隔は25mmである。また、検査対象は幅が1800mmの方向性電磁鋼板である。
磁気光学素子5における磁気光学膜5cは、磁性ガーネットの例としてBi置換した鉄ガーネットが用いられている。そして、磁性ガーネットによるファラデー効果を視認しやすくするために、光源11は、緑色LED光源(波長505nm)と偏光フィルタと組合わせて用い、検出器7にはCCDカメラが用いられている。
図9は、本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置1による方向性電磁鋼板の検査画像の例を示す画像である。なお、図9に示される画像は、方向性電磁鋼板の検査画像における圧延方向10mm×板幅方向10mmを切り取ったものである。
図9に示されるように、方向性電磁鋼板には、電子ビームまたはレーザを照射させた部分には、圧延方向を向いた主磁区を分断するように還流磁区(以下、磁区不連続部)が形成される。磁区不連続部の幅は、鉄損と良い相関があることが明らかになっている。磁区不連続部は周囲の磁区とは磁気特性が異なっており、本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置1を用いれば、磁区不連続部の幅の測定を行うことができることが図9から解る。
磁区不連続部の幅が150μm〜300μmであるとき、鋼板の鉄損が小さくなるという実験結果がある(例えば特開2012−52230号公報参照)。また、細分化された磁区の幅が小さくなるほど励磁した際の磁壁の移動距離が短くなり、これに伴う損失も小さくなり、例えば、磁区の幅を200μm以下とすることが好ましい。このような、磁区不連続部の幅や磁区の幅を評価する場合、それぞれの幅を測定してもよいが、ある区間について測定した平均値により評価するのが一般的である。図8に示される磁区不連続部の幅は約200μmであることが解り、適正範囲内の磁区不連続部が形成されていることが解る。このように、本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置1および鋼板検査方法を用いれば、鋼板Sの品質評価が可能である。
図10および図11は、本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置1を用いて方向性電磁鋼板の測定を行った長手方向(圧延方向)に関する測定結果の変化を記録したグラフである。図10は、磁区不連続部の幅の測定を行った長手方向に関する測定結果の変化を記録したグラフであり、図11は、磁区幅の1000mごとの平均値の長手方向に関する測定結果の変化を記録したグラフである。
図10および図11に示されるように、本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置1によれば、方向性電磁鋼板の磁気特性に大きく影響を与える磁区および磁区不連続部の幅を検査することができるので、電磁鋼板の品質管理に大きく寄与する。
以上より、本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置1は、鋼板2の製造ラインの板幅方向に架渡された中心軸3と、鋼板2と中心軸3との距離が一定となるように鋼板2を押え付けながら中心軸3を中心に回転するロール4と、鋼板2に近接され、鋼板2の磁区構造を光学特性として検出可能な磁気光学素子5と、中心軸3に固定され、磁気光学素子5を中心軸3から一定の距離に保つ固定治具6と、磁気光学素子5に直線偏光を照射するための光源と、磁気光学素子5に転写された鋼板2の磁区構造に応じて偏光面が回転された直線偏光を検出する検出器7を備えるので、製造ラインを停止することなく連続的に鋼板の磁区構造を可視化検査することができる。
また、本発明の実施形態にかかる磁気光学素子5は、鋼板2に面する方向から順に、保護膜5a、反射膜5b、磁気光学膜5c、および基板5dにより構成され、直線偏光が、基板5d側から入射され、反射膜5bにて反射されるので、入射された直線偏光が磁気光学膜5cを往復することにより、ファラデー効果を2倍得ることができる。また、磁気光学膜5cは、磁性ガーネットを組成に含むことが好ましい。
本発明の実施形態にかかる鋼板検査装置1のロール4は、同一の中心軸3に対して複数設けられ、磁気光学素子5が近接する鋼板2の位置の両側を押え付けるので、鋼板2の振動を確実に抑制し、安定して磁気光学素子5を鋼板2に近接させることができる。
1 鋼板検査装置
2 鋼板
3 中心軸
4 ロール
5 磁気光学素子
5a 保護膜
5b 反射膜
5c 磁気光学膜
5d 基板
6 固定治具
7 検出器
8 軸受
9 ベアリング
10 ロール
11 光源
12 偏光子
13 ハーフミラー
14 検光子
15 ホルダ

Claims (8)

  1. 鋼板の製造ラインの板幅方向に架渡された中心軸と、
    前記鋼板と前記中心軸との距離が一定となるように前記鋼板を押え付けながら前記中心軸を中心に回転するロールと、
    前記鋼板に近接され、前記鋼板の磁区構造を光学特性として検出可能な磁気光学素子と、
    前記中心軸に固定され、前記磁気光学素子を前記中心軸から一定の距離に保つ固定治具と、
    前記磁気光学素子に直線偏光を照射するための光源と、
    前記磁気光学素子に転写された前記鋼板の磁区構造に応じて偏光面が回転された前記直線偏光を検出する検出器と、
    を備えることを特徴とする鋼板検査装置。
  2. 前記磁気光学素子は、前記鋼板に面する方向から順に、保護膜、反射膜、磁気光学膜、および基板により構成され、
    前記直線偏光は、前記基板側から入射され、前記反射膜にて反射される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の鋼板検査装置。
  3. 前記磁気光学膜は、磁性ガーネットを組成に含むことを特徴とする請求項2に記載の鋼板検査装置。
  4. 前記ロールは、同一の前記中心軸に対して複数設けられ、前記磁気光学素子が近接する前記鋼板の位置の両側を押え付ける、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の鋼板検査装置。
  5. 前記固定治具は、さらに前記光源、偏光子、ハーフミラー、検光子、および前記検出器を保持し、
    前記光源から射出された光線は、前記偏光子、前記ハーフミラー、前記磁気光学素子、前記ハーフミラー、前記検光子、および前記検出器の順に伝播されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の鋼板検査装置。
  6. 鋼板の製造ラインの板幅方向に架渡された中心軸に回転可能に設けられたロールにより、前記鋼板と前記中心軸との距離が一定となるように前記鋼板を押え付けるステップと、
    前記中心軸に固定された固定治具により前記中心軸から一定の距離に保ちながら前記鋼板に近接された磁気光学素子に前記鋼板の磁区構造を転写するステップと、
    前記磁気光学素子に直線偏光を照射することにより前記磁気光学素子に転写された前記鋼板の磁区構造を前記直線偏光の偏光面の回転に変換するステップと、
    前記磁気光学素子から反射された前記直線偏光の偏光面の回転を検出するステップと、
    を含むことを特徴とする鋼板検査方法。
  7. 前記磁気光学素子は、前記鋼板に面する方向から順に、保護膜、反射膜、磁気光学膜、および基板により構成され、
    前記直線偏光は、前記基板側から入射され、前記反射膜にて反射される、
    ことを特徴とする請求項6に記載の鋼板検査方法。
  8. 前記磁気光学膜は、磁性ガーネットを組成に含むことを特徴とする請求項7に記載の鋼板検査方法。
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