JP2014070834A - 加湿ユニット及び室外機 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の加湿ユニットでは、外気に含まれる塵埃が開口周辺の支持台の上方に堆積して、加湿ロータのギア部に入り、加湿ロータの回転が妨害される問題がある。
【解決手段】この加湿ユニットは、加湿ロータ63と、加湿ロータ63の外周面63sに設けられたギア部64に接続されるモータ(駆動手段)と、加湿ロータ63の外周部63cを下方から支持する第1支持台93(支持台)とを備えている。そして、第1支持台93(支持台)には、加湿ロータ63の外周部63cに対向する開口97が設けられている。
【選択図】図16

Description

本発明は、加湿空気を室内機に供給する加湿ユニット、及びこの加湿ユニットを備えた室外機に関する。
従来の加湿ユニットには、加湿ロータと、加湿ロータの外周面に設けられたギア部と、ギア部に接続され、加湿ロータを回転駆動させるモータとを備えたものがある。加湿ロータは、空気流が通過する開口を有する支持台(底板)上で水平に回転するが、開口周辺の支持台によって加湿ロータの外周部分が支持される。
特開2002−106899号公報
ところで、この加湿ユニットでは、外気が加湿ユニットに供給されたときに、その外気に含まれる塵埃が加湿ユニットによって捕集されるが、その塵埃が開口周辺の支持台の上方に堆積して、加湿ロータのギア部に入り、加湿ロータの回転が妨害される問題がある。
そこで、本発明の目的は、外気に含まれる塵埃が加湿ロータのギア部に入ることを抑制し、加湿ロータを円滑に回転させることができる加湿ユニットを提供することである。
第1の発明にかかる加湿ユニットは、加湿ロータと、前記加湿ロータの外周面に設けられたギア部に接続される駆動手段と、前記加湿ロータの外周部を下方から支持する支持台とを備え、前記支持台には、前記加湿ロータの外周部に対向する開口が設けられることを特徴とする。
この加湿ユニットでは、加湿ロータの外周部を下方から支持する支持台に、加湿ロータの外周部に対向する開口が設けられているので、外気に含まれる塵埃を支持台から落下させることができる。したがって、外気に含まれる塵埃が加湿ロータのギア部に入ることを抑制し、加湿ロータを円滑に回転させることができる。
第2の発明にかかる加湿ユニットは、第1の発明にかかる加湿ユニットにおいて、前記支持台が、周方向に離れた位置に配置され、かつ、前記加湿ロータの外周部の下面に当接する複数の支持部を有しており、前記開口が、周方向に隣り合う2つの支持部の間に配置されることを特徴とする。
この加湿ユニットでは、開口が周方向に隣り合う2つの支持部の間、即ち非支持部に配置されるので、支持台のうち塵埃が堆積しやすい非支持部に堆積した塵埃を支持台から落下させることができる。したがって、外気に含まれる塵埃が加湿ロータのギア部に入ることを抑制できる。
第3の発明にかかる加湿ユニットは、第2の発明にかかる加湿ユニットにおいて、前記開口が、前記支持部の回転方向上流側端部近くに配置されることを特徴とする。
この加湿ユニットでは、開口が支持部の回転方向上流側端部近くに配置されるので、塵埃が堆積しやすい支持部と非支持部との境界部分に堆積した塵埃を支持台から落下させることができる。したがって、外気に含まれる塵埃が加湿ロータのギア部に入ることを抑制できる。
第4の発明にかかる室外機は、第1−第3のいずれかの発明にかかる加湿ユニットと、室外ファンとを備え、前記加湿ユニットが、前記室外ファンが配置された送風室の上方に設けられており、前記開口が、前記送風室に開口することを特徴とする。
この室外機では、加湿ユニットが、室外ファンが配置された送風室の上方に設けられると共に、開口が、送風室に開口しているので、支持台から落下した塵埃を、室外ファンによって室外機の外部に排出することができる。
第5の発明にかかる室外機は、第4の発明にかかる室外機において、前記室外ファンによって発生する空気流が、前記加湿ロータの上方から下方に向かって流れるように構成されることを特徴とする。
この室内機では、室外ファンによって発生する空気流が、加湿ロータの上方から下方に向かって流れるように構成されているので、室外ファンによって発生する空気流が、加湿ロータの下方から上方に向かって流れる場合に比べて、塵埃が支持台上に堆積しやすくなる。したがって、上記開口によって、多くの塵埃を落下させることができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、加湿ロータの外周部を下方から支持する支持台に、加湿ロータの外周部に対向する開口が設けられているので、外気に含まれる塵埃を支持台から落下させることができる。したがって、外気に含まれる塵埃が加湿ロータのギア部に入ることを抑制し、加湿ロータを円滑に回転させることができる。
第2の発明では、開口が周方向に隣り合う2つの支持部の間、即ち非支持部に配置されるので、支持台のうち塵埃が堆積しやすい非支持部に堆積した塵埃を支持台から落下させることができる。したがって、外気に含まれる塵埃が加湿ロータのギア部に入ることを抑制できる。
第3の発明では、開口が支持部の回転方向上流側端部近くに配置されるので、塵埃が堆積しやすい支持部と非支持部との境界部分に堆積した塵埃を支持台から落下させることができる。したがって、外気に含まれる塵埃が加湿ロータのギア部に入ることを抑制できる。
第4の発明では、加湿ユニットが、室外ファンが配置された送風室の上方に設けられると共に、開口が、送風室に開口しているので、支持台から落下した塵埃を、室外ファンによって室外機の外部に排出することができる。
第5の発明では、室外ファンによって発生する空気流が、加湿ロータの上方から下方に向かって流れるように構成されているので、室外ファンによって発生する空気流が、加湿ロータの下方から上方に向かって流れる場合に比べて、塵埃が支持台上に堆積しやすくなる。したがって、上記開口によって、多くの塵埃を落下させることができる。
本発明の実施形態に係る空気調和機の概略構成を示す図である。 空気調和機の回路図である。 室外機からグリルを取り外した状態を示す斜視図である。 図3の室外機からケーシングの前板および天板を取り外した状態の斜視図である。 グリルとケーシングの背面図である。 グリルの背面図である。 グリルを背面側から見た斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 加湿ロータとヒータの分解斜視図である。 加湿ユニットの斜視図である。 図8のB部拡大図である。 図11のC部拡大図である。 加湿ユニットの底板の斜視図である。 加湿ロータと底板の平面図である。 底板の平面図である。 図8のD部拡大図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
[空気調和機10の概要]
図1に示すように、本実施形態の空気調和機10は、室内に設置される室内機20と屋外に設置される室外機30とが連絡配管12によって接続されて構成されている。空気調和機10は、冷房運転、暖房運転、加湿運転、除湿運転、給気運転などの複数の運転モードを有しており、これらの運転モードは適宜組み合わせて実施することもできる。
冷房運転および暖房運転では、室外機30から送られた冷媒と室内空気とを室内機20の室内熱交換器21において熱交換させて、室内空気を冷却または加熱する。また、加湿運転では、室外機30の加湿ユニット60において、外気から水分を取り込んで加湿空気を生成し、この加湿空気を室内機20に供給する。給気運転では、外気を加湿せずに室内機20に供給する。
図2に示すように、空気調和機10は、室外機30と室内機20の間で冷媒を循環させる冷媒回路を有している。この冷媒回路は、室内機20の室内熱交換器21、室外機30の圧縮機31、四路切換弁32、室外熱交換器33、電動弁34、アキュムレータ35、液閉鎖弁36、およびガス閉鎖弁37が接続されて構成されている。また、連絡配管12の中には、室内熱交換器21と液閉鎖弁36とを接続する液冷媒配管14、および、室内熱交換器21とガス閉鎖弁37とを接続するガス冷媒配管16が収容されている。
冷房運転時には、四路切換弁32は図2中、実線の状態になっており、圧縮機31で圧縮された冷媒は、四路切換弁32を介して室外熱交換器33に供給される。室外熱交換器33において外気との熱交換により熱を奪われた冷媒は、電動弁34で減圧された後、液閉鎖弁36、および液冷媒配管14を順に通って室内熱交換器21に供給される。室内熱交換器21において室内空気との熱交換により温度が上昇した冷媒は、ガス冷媒配管16、ガス閉鎖弁37、四路切換弁32、アキュムレータ35とを順に通って圧縮機31に戻される。
暖房運転時には、四路切換弁32は図2中、点線の状態になっており、圧縮機31で圧縮された冷媒は、四路切換弁32、ガス閉鎖弁37、ガス冷媒配管16を順に通って、室内熱交換器21に供給される。室内熱交換器21において室内空気との熱交換により熱が奪われた冷媒は、液冷媒配管14、液閉鎖弁36を順に通過した後、電動弁34で減圧されて、その後、室外熱交換器33に供給される。室外熱交換器33において外気との熱交換により温度が上昇した冷媒は、アキュムレータ35を介して圧縮機31に戻される。
図2に示すように、室内機20は、室内熱交換器21に加えて、クロスフローファンからなる室内ファン22を備えている。室内ファン22が駆動されると、室外機30の上部の吸込口23から室内空気が吸い込まれて、室内熱交換器21を通過した後、吹出口24から室内に吹き出される。
また、室内機20は、連絡配管12内に収容された加湿ダクト18を介して、室外機30の加湿ユニット60に接続されている。加湿ダクト18の給気口25は、空気の流れ方向に関して室内熱交換器21の上流側に配置されている。加湿運転時には、室外機30から加湿ダクト18を介して加湿空気が供給された状態で、室内ファン22が駆動されることで、吹出口24から加湿空気が室内に吹き出される。
[室外機30の構成]
室外機30は、ケーシング40と、ケーシング40の前面に取り付けられたグリル56とを有する。図1および図4に示すように、ケーシング40の内部は、仕切板43によって送風室41と機械室42とに仕切られており、送風室41内には、室外熱交換器33と、室外ファン39と、加湿ユニット60とが配置されており、機械室42内には、圧縮機31、四路切換弁32、電動弁34、およびアキュムレータ35が配置されている。なお、以下の説明において、室外機30を正面から見たときの左右方向、前後方向、上下方向を、それぞれ単に左右方向、前後方向、上下方向と称する。
図3に示すように、ケーシング40は、略直方体状であって、前板46、後板50(図5参照)と、右側板47、左側板51(図4参照)、天板48、および室外機底板49で構成されている。
前板46には、円形状の吹出口46aが形成されている。吹出口46aは、前板46の左右方向中央部より左寄りに形成されている。吹出口46aの周囲には、リング状のベルマウス52が取り付けられている。前板46の左上部には、横長の略矩形状の吸湿用開口部46bが形成されている。この吸湿用開口部46bの右側には、横長の略矩形状の放湿用開口部46cが形成されている。
図5に示すように、後板50は、右端以外の大部分が開口しており、この開口部50aには図示しない保護金網が取り付けられている。また、左側板51には、格子状の開口部(図示省略)が形成されている。後板50と左側板51の開口部が、ケーシング40内に外気を取り込む吸込口を構成している。
図4に示すように、仕切板43は、室外機底板49に設置されており、上下方向に延びている。仕切板43の上端の高さは、ケーシング40の側板の上端の高さよりも低い。仕切板43は、上方から見て、後板50の右端部から湾曲して前板46まで延びている。仕切板43の左側が送風室41であって、仕切板43の右側が機械室42である。
室外熱交換器33は、上方から見て略L字状であって、ケーシング40の左側板51と後板50に沿って配置されている。室外熱交換器33は、室外機底板49に設置されており、上下方向に延びている。室外熱交換器33の上端の高さは、ケーシング40の側板の上端の高さとほぼ同じである。
室外ファン39は、プロペラファンであって、ファンモータ38で駆動される。ファンモータ38は室外ファン39の後方に配置されて、室外ファン39の回転軸39aに連結されている。室外ファン39は、ファンモータ支持部材53に支持されている。ファンモータ支持部材53は、室外機底板49と室外熱交換器33の上端に取り付けられている。
室外ファン39が駆動されると、後板50の吸込口50aと左側板51の吸込口(図示省略)とから外気が吸い込まれて、室外熱交換器33を通過した後、前板46の吹出口46aから吹き出される。
グリル56は、矩形板状であって、前板46の左右方向中央部より左寄りの位置に取り付けられて、吹出口46aを覆っている。図8に示すように、グリル56は、前板46との間に隙間を空けて配置されている。図1に示すように、グリル56のほぼ全面には、多数の桟56dが設けられている。図6および図7に示すように、グリル56の下側略3/4の部分において、桟56dと桟56dの間は開口しており、グリル56の下側略3/4の部分には、格子状の開口部56aが形成されている。
また、グリル56の上側略1/4の部分のうち、前板46の放湿用開口部46cに対向する位置には、格子状の放湿用開口部56pが形成されている(図5参照)。放湿用開口部56pの周囲には、後方に突出するリブ56qが形成されている(図7参照)。リブ56qの突出先端は、前板46に接している。
また、グリル56の上側略1/4の部分のうち、放湿用開口部56p以外の部分56b(以下、非開口部56bとする)では、桟56dと桟56dの間は塞がれている。この非開口部56bは、正面視において前板46の吹出口46aの一部分と重なっている。この重なり部分を重なり部56b2とする。また、非開口部56bのうち、正面視において、吹出口46aの外周側部分と重なる部分を重なり部56b1とする。
また、非開口部56bの下端の左右両端部には、後方に突出するリブ56sが形成されている。また、非開口部56bには、リブ56qとリブ56sとを連結するリブ56rが形成されている。リブ56rは、吹出口46aの外周側に形成されている。つまり、リブ56rは、重なり部56b1に形成されている。リブ56r、56sの突出先端は、前板46に接している。
非開口部56bの図7中二点鎖線で表示した領域Arに、前板46の吸湿用開口部46bは対向している。そのため、吹出口46aの上端付近から吹き出された空気流r(図7参照)は、リブ56r、56qと非開口部56bと前板46とによって囲まれる流路に案内されて、吸湿用開口部46bからケーシング40内に流れ込む。
[加湿ユニット60の構成]
図4に示すように、加湿ユニット60は、ケーシング40の内部空間の上部に配置されている。加湿ユニット60は、仕切板43と、ファンモータ支持部材53の前方に延びる部分の上に配置されている。加湿ユニット60の上面の高さは、室外熱交換器33の上端の高さとほぼ同じである。
図9に示すように、加湿ユニット60は、モータ65(駆動手段、図14参照)によって回転駆動される円盤状の加湿ロータ63を備えている。加湿ロータ63は、ゼオライト等の吸放湿材で形成されている。また、加湿ロータ63は、ハニカム構造に形成されており、厚み方向に空気が通過可能である。ゼオライト等の吸放湿材は、常温の空気に接すると空気中の水分を吸湿し、加熱されると保持している水分を空気中に放湿する性質をもっている。
加湿ロータ63の外周面63sにはギア部64が設けられている。このギア部64とモータ65の歯車が噛み合うことで、加湿ロータ63は回転駆動される。
また、加湿ユニット60には、外気中の水分を加湿ロータ63に吸湿させるための吸湿流路61と、加湿ロータ63に保持された水分を放湿させて空気を加湿するための放湿流路62とが形成されている。吸湿流路61と放湿流路62とは互いに連通しないように仕切られている。加湿ロータ63のうち吸湿流路61の空気流が通過する領域を吸湿部63aとし、放湿流路62の空気流が通過する領域を放湿部63bとする。
吸湿流路61は、吹出口46aから吸湿用開口部46bに流入した空気を加湿ロータ63の吸湿部63aに導くための吸湿用ダクト68(図4参照)と、加湿ロータ63の吸湿部63aを通過した空気を室外ファン39に導くための吸湿用ガイド壁69とを有する。
吸湿用ダクト68は、加湿ロータ63の吸湿部63aの上面を覆うように配置されている。吸湿用ダクト68は、図4に示すように、前板46の吸湿用開口部46bに対向する位置に、吸気口68aを有する。吸気口68aは吸湿用開口部46bとほぼ同じ大きさである。吸気口68aにはフィルタ68fが取り付けられている。
吸湿用ガイド壁69は、加湿ロータ63の吸湿部63aの下方に配置されている。吸湿用ガイド壁69は、図13に示すように、後述する第1支持台93の内側から下方に延びる略筒状であって、その下端には排気口69aが形成されている。排気口69aの下方には、室外ファン39のプロペラ39bが配置されている。
室外ファン39が駆動されると、図8に示すように、吹出口46aの上端付近から吹き出された空気が、グリル56の非開口部56bと前板46との間の隙間を通過した後、前板46の吸湿用開口部46bを介して、吸気口68aから吸湿用ダクト68に吸い込まれる。その際、空気は、吸気口68aに取り付けられたフィルタ68fを通過する。
吸湿用ダクト68に流入した空気は、図9に示すように、加湿ロータ63の吸湿部63aを上から下に通過した後、吸湿用ガイド壁69の排気口69aから室外ファン39に送られて、吹出口46aから再び吹き出される。加湿ロータ63の吸湿部63aを空気が通過する際に、空気中に含まれる水分が加湿ロータ63に吸湿される。
放湿流路62には、図4に示すように、加湿ロータ63の放湿部63bを加熱するヒータ71と、ターボファンからなる加湿ファン75とが配置されている。放湿流路62は、加湿ロータ63の放湿部63bに外気を導くための放湿用第1ダクト72と、加湿ロータ63の放湿部63bを通過した空気を加湿ダクト18に導くための放湿用第2ダクト73(図8参照)とを有する。
ヒータ71は、加湿ロータ63の上方に配置されている。ヒータ71は、図8に示すように、加湿ロータ63の放湿部63bの上面を覆うように配置されたヒータカバー71aと、ヒータカバー71aの内側に配置された電熱線71bとを有する。ヒータカバー71aの内側は、空気が通過可能となっている。
放湿用第1ダクト72は、加湿ロータ63の放湿部63bの下面の一部を覆うように配置されている。放湿用第1ダクト72は、図4に示すように、前板46の放湿用開口部46cに対向する位置に、吸気口72aを有する。吸気口72aは放湿用開口部46cとほぼ同じ大きさである。
放湿用第2ダクト73は、加湿ロータ63の放湿部63bの下方に配置されており、放湿部63bのうち放湿用第1ダクト72で覆われていない部分を覆っている。放湿用第2ダクト73の排気口は、加湿ファン75の吸入側に接続されている。この加湿ファン75の吹出側は、加湿ダクト18に接続されている。また、放湿用第2ダクト73には、空気の逆流を防止するためのダンパ74(図2参照)が設けられている。
加湿ファン75が駆動されると、外気が前板46の放湿用開口部46cを介して、吸気口72aから放湿用第1ダクト72に吸い込まれる。放湿用第1ダクト72に流入した空気は、加湿ロータ63の放湿部63bを下から上に通過した後、ヒータ71に流れ込み、その後、加湿ロータ63の放湿部63bを上から下に通過する。加湿ロータ63はヒータ71によって加熱されることで、放湿部63bにおいて吸湿した水分を放湿するため、空気が加湿ロータ63の放湿部63bを通過する際に、空気が加湿される。加湿ロータ63の放湿部63bを上から下に通過した空気は、放湿用第2ダクト73と、加湿ダクト18とを通過して、室内機20に供給される。
[フィルタ68f]
フィルタ68fは、図10に示すように、網目状のフィルタであって、吸湿用ダクト68に吸い込まれる空気に含まれる塵埃を捕集する。このフィルタ68fは、図11及び図12に示すように、鉛直向きに配置され、その下端部が、吸湿用開口部46b近傍において、底板81の端部82に支持されている。また、その上端部が吸湿用ダクト68の端部68bに支持されている。なお、底板81とは、加湿ユニット60の各構成物品を下方から支持する部材である。このフィルタ68fは、図4から明らかなように、室外ファン39が配置された送風室41よりも鉛直上方に配置されている。
前板46は、図12に示すように、その背面に固定された取付片46eによって、底板81の端部82前方(風上側)に配置されている。前板46は底板81との間に隙間ができないように配置されている。前板46に形成された吸湿用開口部46bの下端46blは、底板81の端部82よりも上方に位置している。また、この前板46には、前板46の前面46fのうち、下端46blよりも下方において、フィルタ68fの前方(風上側)において鉛直下方に向かう壁面84が形成されている。このフィルタ68fは、前板46の前面46f近傍に配置されている。なお、フィルタ68fは、壁面84の上端84uよりも上方まで延在している。
ここで、近傍とは、特に限定されるものではないが、フィルタ68fの前面68faから、前板46の壁面84までの距離Dが、2mm以下であることを意味する。
このように、フィルタ68fが、前板46に形成された吸湿用開口部46b近傍において底板81の端部82に配置されるので、フィルタ68fの前面68faで捕集された塵埃の大部分は、図11中の点線の矢印で示すように、塵埃の自重により壁面84の前方に自然落下する。自然落下した塵埃は、送風室41に配置された室外ファン39によって吹出口46aから室外機30の外部に排出される。
なお、フィルタ68fの前面68faで捕集された塵埃の一部は、底板81の上や壁面84の上部に落下するが、フィルタ68fの前面68faから前板46の壁面84までの距離Dが2mm以下と小さいため、問題とはならない。距離Dが2mm以下なので、加湿ロータ63に付着してヒータ71に加熱されると臭い汚れが発生するような比較的大きな塵埃は、ほとんど堆積せず、また、底板81の上や壁面84の上端84uに落下する塵埃量自体少ないためである。
[底板81]
底板81は、図13に示すように、加湿ロータ63が載置される加湿ロータ載置部91、加湿ファン75が固定される加湿ファン固定部101、モータ65が固定されるモータ固定部102、放湿用第1ダクト72を形成する底板103、放湿用第2ダクト73を形成する底板104などを有する。
加湿ファン75は、加湿ファン固定部101に設けられた6つの螺子穴105に固定される。また、ヒータ71は、図14に示すように、加湿ロータ載置部91に加湿ロータ63が固定された後に、ヒータ71の端部が3つの螺子穴106に固定されることで、加湿ロータ63の放湿部63b上方に固定される。
加湿ロータ載置部91は、加湿ロータ63の外周面63sと対向する外壁92と、外壁92から水平方向内側に延在し、加湿ロータ63の外周部63c(図16参照)を下方から支持する第1支持台93(支持台)と、加湿ロータ63の中心に形成された孔63h(図9参照)に挿入される軸部94aを有し、加湿ロータ63の中心部を下方から支持する第2支持台94と、上記した吸湿用ガイド壁69などを有する。なお、加湿ロータ63の外周部63cとは、図16に示すように、ギア部64を含む部分である。
外壁92及び第1支持台93は、図15に示すように、放湿用第1ダクト72及び放湿用第2ダクト73が加湿ロータ載置部91側と加湿ファン固定部101側で連通するように、一部が切欠かれている。この外壁92及び第1支持台93は、平面視においてC字型をしている。第1支持台93は、ギア部64の下面64b(即ち、加湿ロータ63の外周部63cの下面)に当接する支持部95と、支持部95の周方向外側に配置され、ギア部64の下面64bとは当接しない非支持部96とを有する。
支持部95(95a〜95c)は、図15に示すように、周方向に離れた位置(90°間隔毎)に3箇所配置されている。支持部95aは、第1支持台93のうち加湿ロータ63の回転方向R1に対して最上流側であって最上流側端部93aの近くに配置されている。支持部95cは、第1支持台93の最下流側に配置されている。支持部95bは、支持部95aと支持部95cの間に配置される。なお、モータ65は、支持部95cよりも下流側であって、第1支持台93の最下流側端部93bの近くに配置されている。
非支持部96(96a〜96d)は、周方向に隣り合う2つの支持部95の間に配置されている。非支持部96aは、周方向に隣り合う支持部95aと支持部95cとの間であって、より正確には、支持部95aよりも上流側に配置されている。非支持部96dは、支持部95aと支持部95cとの間であって、より正確には、支持部95cよりも下流側に配置されている。また、非支持部96bは、支持部95aと支持部95bとの間に配置され、非支持部96cは、支持部95bと支持部95cとの間に配置されている。
非支持部96は、図16に示すように、その上面96uが、支持部95の上面95uに比べて低い。そのため、支持部95だけがギア部64の下面64bと当接し、非支持部96はこの下面64bと当接しないようになっている。なお、非支持部96は、吸湿用ダクト68に流入した空気が、加湿ロータ63を通過せずに、ギア部64と外壁92との間からバイパスすることを防止する役割を果たしている。非支持部96は、図15に示すように、周方向の長さが支持部95に比べて十分に長い。また、支持部95と非支持部96との境界には、段差が形成される。
この非支持部96には、加湿ロータ63の外周部63cに対向し、送風室41に開口する2つの開口97が形成されている。開口97aは、非支持部96aのうち、支持部95aの回転方向上流側端部95au近くに形成される。開口97bは、非支持部96cのうち、支持部95cの回転方向上流側端部95cu近くに形成される。即ち、開口97bは、加湿ロータ63の回転方向R1に対して下流側であって、モータ65の上流側近傍かつ最下流側端部93b上流側近傍に配置されている。
この2つの開口97によって、第1支持台93上に落下し、加湿ロータ63の回転に伴って加湿ロータ63の回転方向下流側に運ばれる塵埃は、図16中の矢印で示すように、送風室41側に落下する。その結果、吸気口68aから吸湿用ダクト68に吸い込まれる空気流に含まれる塵埃が、第1支持台93上に堆積して、ギア部64、さらには、モータ65の歯車に入り込んで、加湿ロータ63の回転が妨害されることを抑制できる。なお、開口97aは、加湿ロータ63が正常に設置されているかを検査する検査窓を兼ねている。
また、第1支持台93に堆積した塵埃が、加湿ロータ63の回転によって発生する空気流により回転方向下流側に流されて、放湿用第2ダクト73を形成する底板104上に落下・堆積し、底板104上に堆積した塵埃が、加湿ファン75によって発生した空気流によって、室内機20側に運ばれることを抑制できる。
また、従来の室外ファンと加湿ユニットを備える室外機においては、室外ファンによって発生する空気流が、加湿ロータの下方から上方に向かって流れるため、空気流に含まれる塵埃は、加湿ロータの下面において捕集される。そのため、加湿ロータを下方から支持する支持台(本実施形態の第1支持台93に相当するもの)に堆積する塵埃量は、それほど多くない。しかし、本実施形態にかかる室外機30は、室外ファン39によって発生する空気流が、加湿ロータ63の上方から下方に向かって流れるため、塵埃が、直接、外壁92とギア部64との間に入り込み、多くの塵埃が第1支持台93に堆積する。
そのため、本実施形態にかかる室外機30においては、空気流が加湿ロータの下方から上方に向かって流れる従来の室外機に比べて、塵埃がギア部64に入り込んで、加湿ロータ63の回転が妨害される問題が生じやすい。したがって、本実施形態にかかる室外機30に開口97を設ける場合、従来の室外機に開口97を設ける場合と比べて、より大きな効果を得ることができる。
[本実施形態の加湿ユニット60及び室外機30の特徴]
本実施形態の加湿ユニット60及び室外機30には、以下の特徴がある。
この加湿ユニット60では、加湿ロータ63の外周部63cを下方から支持する第1支持台93(支持台)に、加湿ロータ63の外周部63cに対向する開口97が設けられているので、外気に含まれる塵埃が第1支持台93上に落下しても、開口97によって、その塵埃を第1支持台93から落下させることができる。したがって、外気に含まれる塵埃が加湿ロータ63のギア部64に入ることを抑制し、加湿ロータ63を円滑に回転させることができる。
また、この加湿ユニット60では、開口97が周方向に隣り合う2つの支持部95の間、即ち非支持部96に配置されるので、非支持部96の上面96uとギア部64の下面64bとの隙間に塵埃が入り込むことによって塵埃が堆積しやすい非支持部96に堆積した塵埃を、支持台から落下させることができる。したがって、外気に含まれる塵埃が加湿ロータのギア部に入ることを抑制できる。
また、この加湿ユニット60では、開口97が支持部95の回転方向上流側端部(95au、95cu)近くに配置されるので、加湿ロータ63の回転に伴って加湿ロータ63の回転方向下流側に運ばれることにより、塵埃が堆積しやすい支持部95と非支持部96との段差部分に堆積した塵埃を第1支持台93から落下させることができる。したがって、外気に含まれる塵埃が加湿ロータ63のギア部64に入ることを抑制できる。
また、この加湿ユニット60では、加湿ユニット60が、室外ファン39が配置された送風室41の上方に設けられると共に、開口97が、送風室41に開口しているので、第1支持台93から落下した塵埃を、室外ファン39によって室外機30の外部に排出することができる。
また、この加湿ユニット60では、2つの開口97のうち開口97bが、加湿ロータ63の回転方向R1に対して下流側であって、モータ65の上流側近傍に配置されているので、モータ65の直前で塵埃を第1支持台93から落下させることができる。したがって、ギア部64に入り込んだ塵埃がモータ65に入り込んで加湿ロータ63の回転が妨害されることを抑制できる。
また、この加湿ユニット60では、2つの開口97のうち開口97bが、加湿ロータ63の回転方向R1に対して下流側であって、最下流側端部93b上流側近傍に配置されているので、第1支持台93に落下した塵埃が放湿用第2ダクト73を形成する底板104上に落下・堆積することを抑制できる。したがって、底板104上に堆積した塵埃が、加湿ファン75によって発生した空気流によって、室内機20側に運ばれることを抑制できる。
また、この室外機30では、室外ファン39によって発生する空気流が、加湿ロータ63の上方から下方に向かって流れるように構成されているので、室外ファン39によって発生する空気流が、加湿ロータ63の下方から上方に向かって流れる場合に比べて、塵埃が第1支持台93上に堆積しやすくなる。したがって、開口97によって、多くの塵埃を落下させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成は、上記実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
[変形例]
本実施形態では、開口97が2つ形成されているが、開口97は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
また、本実施形態では、非支持部96のうち、非支持部96a、96cに開口97が1つずつ形成されているが、非支持部96a、96cに複数の開口97が形成されていてもよいし、非支持部96b、96dに開口が形成されていてもよい。
また、本実施形態では、非支持部96の回転方向上流側端部95au、95cuに、開口が形成されているが、開口97は非支持部96のどこに形成されていてもよい。
また、本実施形態では、非支持部96に開口97が形成されているが、支持部95に形成されていてもよい。
また、本実施形態では、支持部95が周方向に離れた位置に複数配置され、その間に非支持部96が配置されたが、非支持部96はなく、第1支持台93(支持台)全てが支持部95であってもよい。
また、本実施形態では、ギア部64の下面64bが支持部95に当接しているが、加湿ロータ63の下面が支持部95に当接していてもよい。
また、本実施形態では、加湿ユニット60が、室外ファン39が配置された送風室41の上方に設けられており、開口97が送風室41に開口しているが、必ずしも開口97が送風室41に開口している必要はないし、また、加湿ユニット60が送風室41の上方に設けられている必要もない。
また、本実施形態では、室外ファン39によって発生する空気流が、加湿ロータ63の上方から下方に向かって流れるように構成されているが、室外ファン39によって発生する空気流が、加湿ロータ63の下方から上方に流れるように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、第1支持台93(支持台)の一部が切欠かれているが、この切欠きはなくてもよい。
本発明を利用すれば、外気に含まれる塵埃が加湿ロータのギア部に入ることを抑制し、加湿ロータを円滑に回転させることができる。
30 室外機
39 室外ファン
41 送風室
60 加湿ユニット
63 加湿ロータ
63s 外周面
63c 外周部
64 ギア部
64b 下面
65 モータ(駆動手段)
93 第1支持台(支持台)
95 支持部
95au、95cu 回転方向上流側端部
97 開口

Claims (5)

  1. 加湿ロータと、
    前記加湿ロータの外周面に設けられたギア部に接続される駆動手段と、
    前記加湿ロータの外周部を下方から支持する支持台とを備え、
    前記支持台には、前記加湿ロータの外周部に対向する開口が設けられることを特徴とする加湿ユニット。
  2. 前記支持台が、周方向に離れた位置に配置され、かつ、前記加湿ロータの外周部の下面に当接する複数の支持部を有しており、
    前記開口が、周方向に隣り合う2つの支持部の間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の加湿ユニット。
  3. 前記開口が、前記支持部の回転方向上流側端部近くに配置されることを特徴とする請求項2に記載の加湿ユニット。
  4. 請求項1−3のいずれかに記載の加湿ユニットと、室外ファンとを備え、
    前記加湿ユニットが、前記室外ファンが配置された送風室の上方に設けられており、
    前記開口が、前記送風室に開口することを特徴とする室外機。
  5. 前記室外ファンによって発生する空気流が、前記加湿ロータの上方から下方に向かって流れるように構成されることを特徴とする請求項4に記載の室外機。
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