JP2014070130A - キサンテン化合物 - Google Patents

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沙織 鈴木
Akihiro Mitsufuji
彰洋 三藤
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Abstract

【課題】高い鮮明性及び発色性の特徴を有し、耐熱性などの堅牢性に優れたキサンテン化合物及びその油性または水性染料組成物の提供。
【解決手段】式(1)で表されるキサンテン化合物。
Figure 2014070130

【選択図】なし

Description

本発明は新規なキサンテン化合物に関する。
C.I.Acid Red 52は、赤色染料として各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ及びカラーフィルターなど幅広い用途で使用されている。一般に染料に要求される特性は用途によって異なるものの、色相が鮮明で、高発色性を有し、着色物が光や熱等に対し堅牢である事が求められている。
非特許文献1には、C.I.Acid Red 52がナトリウム塩のキサンテン化合物であることが記載されているが、本発明者らの検討の結果、C.I.Acid Red 52を用いた染料組成物は熱に対する堅牢性が不十分であった。
特開2011−148973号公報
新版 染料便覧
本発明は、耐熱性等の堅牢性に優れる新規なキサンテン化合物並びに該化合物を染料として用いた染料組成物を提供する事を目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するキサンテン化合物を染料着色体に用いることにより、従来公知のキサンテン化合物を用いた場合に比べて飛躍的に耐熱性等の堅牢性が向上する事を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(1)で表されるキサンテン化合物
Figure 2014070130
(式(1)中、R乃至Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至10のアルキル基を表し、該炭素数1乃至10のアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルキル置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、スルホ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。R乃至Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1乃至10のアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルキル置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、スルホ基又はハロゲン原子を表し、該炭素数1乃至10のアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルキル置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、スルホ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(2)式(1)におけるR乃至Rがそれぞれ独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基及びt−ブチル基よりなる群から選択される基であり、かつR乃至Rの少なくとも1つがメチル基又はエチル基である前記(1)に記載のキサンテン化合物、
(3)式(1)におけるR、R、R及びRがそれぞれ独立にメチル基又はエチル基である前記(1)又は(2)に記載のキサンテン化合物、
(4)式(1)におけるR、R、R及びRがそれぞれ独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基又はn−ブチル基である前記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載のキサンテン化合物、
(5)前記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の化合物及び油溶性有機溶媒を含有する油性染料組成物、
(6)前記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の化合物及び水性媒体を含有する水性染料組成物、
(7)前記(5)に記載の油性染料組成物または前記(6)に記載の水性染料組成物を用いて得られる印刷物、
(8)前記(5)に記載の油性染料組成物または前記(6)に記載の水性染料組成物を用いて得られるカラーフィルター、
に関する。
本発明のキサンテン化合物は鮮明性および発色性に優れ、該キサンテン化合物を用いて調整した油性または水性染料組成物によって加工した染料着色体は、従来公知のキサンテン化合物を用いて調整した染料着色体よりも堅牢性に優れた特性を示すものである。すなわち、本発明のキサンテン化合物は染料着色体に利用可能であり、カラーフィルター用インキやインクジェット用インキ等の幅広い用途に使用できる。
本発明のキサンテン化合物は、前記式(1)で表される。
式(1)中、R乃至Rが表す炭素数1乃至10のアルキル基としては、直鎖または分岐鎖の炭素数1乃至10のアルキル基が挙げられる。その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。R乃至Rが表すアルキル基としては、炭素数が1乃至6であることが好ましく、炭素数が1乃至4であることがより好ましい。また、R乃至Rが表す炭素数1乃至10のアルキル基としては直鎖のものが好ましい。即ち、R乃至Rが表す炭素数1乃至10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びn−ブチルが特に好ましい。
式(1)中、R乃至Rが表す炭素数1乃至10のアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルキル置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、スルホ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。これら置換基の置換数は好ましくは1又は2であり、よpり好ましくは1である。また、これら置換基の置換位置は特に制限されないが、アルキル基に含まれる末端の水素原子に置換することが好ましい。
式(1)中、R乃至Rが表すヒドロキシ基で置換された炭素数1乃至10のアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、上記したR乃至Rが表す炭素数1乃至10のアルキル基に酸素原子が結合したアルコキシ基が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポロポキシ基及びn−ブトキシ基であることが好ましい。R乃至Rが表すアルコキシ基で置換された炭素数1乃至10のアルキル基の具体例としては、メトキシメチル基、iso−プロポキシメチル基及びiso−ブトキシメチル基等が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されてもよいアルコキシアルコキシ基におけるアルコキシ基としては、いずれも上記したR乃至Rが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。R乃至Rが表すアルコキシアルコキシ基で置換された炭素数1乃至10のアルキル基の具体例としては、メトキシメトキシメチル基、iso−プロポキシメトキシメチル基及びiso−ブトキシメトキシメチル基等が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルキル置換アミノ基におけるアルキル基としては、上記したR乃至Rが表す炭素数1乃至10のアルキル基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。また、該アルキル置換アミノ基におけるアルキル基の置換数は、1又は2のいずれでもよい。R乃至Rが表すアルキル置換アミノ基で置換された炭素数1乃至10のアルキル基の具体例としては、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基及びエチルメチルアミノメチル基等が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すシアノ基で置換された炭素数1乃至10のアルキル基の具体例としては、シアノメチル基、シアノエチル基及びシアノプロピル基等が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すニトロ基で置換された炭素数1乃至10のアルキル基の具体例としては、ニトロメチル基、ニトロエチル基及びニトロプロピル基等が挙げられる
式(1)中、R乃至Rが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されてもよいアルキルスルホニル基におけるアルキル基としては、R乃至Rが表す炭素数1乃至10のアルキル基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。R乃至Rが表すアルキルスルホニル基で置換された炭素数1乃至10のアルキル基の具体例としては、メチルスルホニルメチル基、エチルスルホニルメチル基及びメチルスルホニルエチル基等が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すスルホ基で置換された炭素数1乃至10のアルキル基の具体例としては、スルホメチル基スルホエチル基及びスルホプロピル基等が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すアルコキシ基としては、アルキルが直鎖又は分岐鎖のいずれのものでもよく、上記したR乃至Rが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。その具体例としては、メトキシ基、iso−プロポキシ基及びiso−ブトキシ基等が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すアルコキシアルコキシ基としては、アルキルが直鎖又は分岐鎖のいずれのものでもよく、上記したR乃至Rが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルコキシアルコキシ基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。その具体例としては、メトキシメトキシ基、iso−プロポキシメトキシ基及びiso−ブトキシメトキシ基等が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すアルキル置換アミノ基としては、アルキルが直鎖又は分岐鎖のいずれのものでもよく、上記したR乃至Rが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルキル置換アミノ基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。その具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基及びメチル(iso−プロピル)アミノ基等が挙げられる。
式(1)中、R乃至Rが表すアルキルスルホニル基としては、アルキルが直鎖又は分岐鎖のいずれのものでもよく、上記したR乃至Rが表すアルキル基に含まれる水素原子が置換されていてもよいアルキルスルホニル基と同様のものが挙げられ、好ましいものもまた同様である。その具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基及びiso−プロピルスルホニル基等が挙げられる。
式(1)中のR乃至Rとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロポキシメチル基、iso−ブトキシメチル基及びジメチルアミノメチル基が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びn−ブチル基が特に好ましい。
式(1)中、R乃至Rとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロポキシメチル基、iso−ブトキシメチル基、iso−プロトキシ基、iso−ブトキシ基、ジメチルアミノメチル基及びジメチルアミノが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びn−ブチル基が特に好ましい。
式(1)中、R、R、R及びRとしては、メチル基又はエチル基であることが最も好ましい。
式(1)中、R、R、R及びRとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はn−ブチル基であることが最も好ましい。
上記式(1)で表される化合物の具体例を、以下の表1−1〜表1−4に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2014070130
Figure 2014070130
Figure 2014070130
Figure 2014070130
本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物は、例えば特開2011−148973号公報に記載の公知技術で製造することができる。その合成スキームの一例を以下に示す。
Figure 2014070130
上記に例示した合成スキームでは、1ステップ目に示した一次縮合工程、2ステップ目に示した2次縮合工程によって、本発明の色素化合物(1)を合成する方法である。
1ステップ目に示した1次縮合工程では化合物(2)と化合物(3)とを有機溶剤や縮合剤の存在下で加熱し、縮合させる。次に2ステップ目に示した2次縮合工程では、1次縮合で得た化合物(4)と化合物(5)とを再び加熱し、縮合させることによって本発明の化合物(1)を得ることができる。
上記に例示した合成スキームの縮合反応において用いる有機溶媒については、1ステップ目に示した1次縮合工程では、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール及びn−ブタノール等を単独で、もしくは混合して使用することが好ましい。2ステップ目に示した2次縮合工程では、例えば、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン及びニトロベンゼン等を単独で、もしくは混合して使用することが好ましい。
上記一次縮合工程における反応温度は、50〜100℃であることが好ましく、中でも90℃以下であることが好ましい。上記2次縮合工程における反応温度は、60〜180℃であることが好ましく、中でも70〜140℃であることが好ましい。
一般式(1)中のR1、R3、R6及びR8がそれぞれ同一の基、R2、R4、R5及びR7がそれぞれ同一の基である化合物を合成する場合、上記合成スキーム中の化合物(3)と(5)は同一のものを用いることができる。したがって、この場合は化合物(2)より一段階の縮合工程で化合物(1)を得ることができる。その際の反応温度としては、70〜140℃であることが好ましい。
縮合剤としては、例えば、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等を用いることが好ましい。
本発明の油性または水性染料組成物は、本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物及び、油性染料組成物の場合は油溶性有機溶媒を、水性染料の場合は水性媒体を含有する。本発明の油性または水性染料組成物における式(1)で表されるキサンテン化合物の含有量は、通常0.1〜50質量%、好ましくは0.2〜40質量%、より好ましくは0.5〜20質量%である。
本発明の油性染料組成物は、少なくとも1種類の油溶性有機溶媒に本発明の式(1)で表される化合物を溶解または分散させて調製する事ができる。用いられる油溶性有機溶媒としては、例えば、エタノール、ペンタノール、オクタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、テトラフルオロプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のグリコール誘導体;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ブチルフェニルエーテル、ベンジルエーテル、ヘキシルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の極性有機溶媒等が挙げられ、これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の水性染料組成物は、水性媒体に本発明の式(1)で表される化合物を溶解または分散させて調製する事ができる。水性媒体としては、水または水溶性有機溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール誘導体;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等のアミン類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の油性または水性染料組成物には、色相の調整などの目的で必要に応じて前記式(1)以外の色材を併用してもよい。併用し得る色材としては、例えば酸性染料、反応性染料、直接性染料、カチオン染料、塩基性染料等の水溶性染料、分散染料、ソルベント染料等の油溶性染料、有機顔料、カーボンブラック等が挙げられるがこれらに限定されず、溶媒に溶解した状態あるいは分散した状態で添加される。本発明の油性または水性染料組成物びおける併用し得る色材の使用量は、染料着色体の耐熱性等の堅牢性が向上するという本発明の目的を損なわない限り特に限定されず、式(1)で表される化合物に対して、通常15質量%以下、好ましくは5〜10質量%が用いられる。
本発明の油性染料組成物及び水性染料組成物には、式(1)で表される化合物の分散性を改善する目的で、必要により分散剤を併用することが出来る。
油性染料組成物に用いられる分散剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートのアンモニウム塩、ポリオキシアルキルエーテル燐酸エステル塩等公知のアニオン界面活性剤、ビニルナフタレン誘導体、α、β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、スチレン、スチレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、無水マレイン酸、無水マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、フマール酸誘導体等から選ばれた少なくとも2つ以上の単量体からなるブロック共重合体、或いはランダム共重合体、またはこれらの塩等の高分子分散剤等が挙げられ、これらの1種以上が、式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常500質量%以下、好ましくは10〜450質量%、より好ましくは100〜400質量%用いられる。
水性染料組成物に用いられる分散剤としては、界面活性剤の他、顔料分散液を調整するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を好適に使用することができる。高分子分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸塩−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常100質量%以下、好ましくは10〜70質量%用いられる。
式(1)で表されるキサンテン化合物を微粒状に分散させる方法としては、サンドミル(ビーズミル)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いる方法が挙げられるが、これらの中でもサンドミル(ビーズミル)が好ましい。またサンドミル(ビーズミル)を用いて分散を行う場合は、径の小さいビーズを使用したり、ビーズの充填率を大きくすること等、粉砕効率を高め得る条件で処理することが好ましく、更に粉砕処理後に濾過、遠心分離などで素粒子を除去することも好ましい。
本発明の染料組成物にはその他の添加剤として表面調整剤、消泡剤、防腐・防黴剤、pH調整剤等を含んでも良い。表面調整剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合物等の公知のノニオン系、ポリシロキサン系あるいはポリジメチルシロキサン系の界面活性剤、消泡剤としては、シリコーン系、アセチレン系の公知の消泡剤、防腐・防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等の公知の防腐・防黴剤、pH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の3級アミン類等の公知のpH調整剤が挙げられ、これらはそれぞれ必要に応じて添加する事ができる。
また本発明の油性または水性染料組成物には被着色体への染料の定着性を向上させる目的で、組成中の媒体と相溶性のあるポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系又はポリアクリル系樹脂並びにエチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマー等のバインダー樹脂を含有させることが好ましく、また、バインダー樹脂が重合性を有する場合には、更に重合開始剤や硬化剤等を併用することがより好ましい。バインダー樹脂は染料組成物中の式(1)で表される化合物及び必要により併用される色材に対して通常10000質量%以下が用いられる。尚、重合開始剤や硬化剤等は、バインダー樹脂の使用量に応じて適当量を用いればよい。本発明の油性または水性染料組成物は上記各成分を溶媒に溶解あるいは分散及び混合することによって調製することができる。
本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物は、油性染料組成物または水性染料組成物として各種塗料、水性インキ、油性インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルター用着色組成物に用いられる。油性染料組成物および水性染料組成物は、例えば普通紙、コート紙、プラスチックフィルム、プラスチック基板などの被着色材料に用いられる。また、本発明の染料組成物を被着色材料に付与する方法としては、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの各種印刷方法あるいはスピンコーター、ロールコーターなどによる塗工方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは無い。実施例中、合成によって得られた化合物の極大吸収波長及び耐湿熱性等は、染料着色体の色度(L値、a値、b値)を分光光度計「株式会社島津製作所製UV−3150」により測定した。
実施例1(表1−1における化合物No.1のキサンテン化合物の合成)
500mlの四つ口フラスコに、下記式(100)のフルオラン化合物15部、スルホラン150部、ジイソブチルアミン(東京化成工業社製)24部、塩化亜鉛8部を入れ、85℃で6時間反応させた。この反応液を2M塩酸500部に加え、15分間懸濁撹拌、ろ過し、固形分をメタノール40部で溶解させた。この溶液を2M塩酸1000部に滴下し、撹拌、ろ過、乾燥することにより表1−1における化合物No.1のキサンテン化合物を11.7部得た。該化合物の極大吸収波長は562nm(メタノール)であった。
Figure 2014070130
合成例1(バインダー樹脂(共重合体(A))の合成)
500mlの四つ口フラスコにメチルエチルケトン160部、メタクリル酸10部、ベンジルメタクリレート33部及びα,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)1部を仕込み、攪拌しながら30分間窒素ガスをフラスコ内に流入した。その後、80℃まで昇温し、80〜85℃でそのまま4時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、無色透明で均一な共重合体溶液を得た。これをイソプロピルアルコールと水の1:1混合溶液中で沈殿させ、濾過し、固形分を取り出し、乾燥し、共重合体(A)を得た。得られた共重合体(A)のポリスチレン換算重量平均分子量は18000であり、酸価は152(mgKOH/部)であった。尚、酸価はJIS K−2501に準拠した方法で測定した、また、重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)の測定結果に基づいて算出した値をである。
実施例2 油性染料組成物及び染料着色体1の作成
実施例1で得られた化合物No.1のキサンテン化合物/Disperbyk−2001(分散剤、ビックケミー・ジャパン製)/PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)/エトキシプロパノール/合成例1で得られた共重合体(A)=0.3部/1.0部/16.0部/2.0部/1.0部の組成比で混合した後、0.3mmジルコニアビーズ20部を添加し、ペイントシェーカーで60分間処理を行い、ろ過し、得られた溶液に合成例1で得られた共重合体(A)20部を加え攪拌することにより、油性染料組成物を作成した。得られた油性染料組成物をガラス基盤にスピンコートし、200℃で20分間乾燥し、染料着色体1を作成した。
比較例1
実施例2における化合物No.1のキサンテン化合物を、C.I.Acid Red 52に変更したこと以外は実施例2と同様にして、比較用染料着色体1を得た。
耐熱性試験
実施例2で得られた染料着色体1を、オーブン中に230℃で3時間放置した。試験前後の染料着色体のL値、a値、b値を、分光光度計を用いて標準光としてC光源、2度視野角で測色した。耐熱性試験の結果を下記の表2に示した。
また、比較用染料着色体1についても染料着色体1と同様に耐熱性試験を実施した。結果を下記の表3に示した。
表2(染料着色体1の耐熱性試験前後の分光特性)
L値 a値 b値
試験前 76.87 44.67 −35.49
試験後 78.27 41.34 −29.11
試験前後差 −1.40 3.33 −6.38
表3(比較用染料着色体1の耐熱性試験前後の分光特性)
L値 a値 b値
試験前 65.56 60.59 −50.10
試験後 72.44 40.50 −20.76
試験前後差 −6.88 20.09 −29.34
表2および表3の結果から、下記式により色差を求めた。結果を下記の表4に示した。尚、色差が小さいほど、色相の変化が少ないため堅牢性に優れていることを示している。
色差=[(試験前L値−試験後L値)+(試験前a値−試験後a値)+(試験前b値−試験後b値)1/2
表4(染料着色体1及び比較用染料着色体1の耐熱性試験前後の色差)
色 差
染料着色体1 7.33
比較用染料着色体1 35.56
上記の結果から、本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物を含有する染料組成物を用いた染料着色体1は、公知の酸性染料を含有する染料組成物を用いた比較用染料着色体1に比べて耐熱性試験前後における色差が低い値を示しており、耐熱性にきわめて優れていることは明らかである。
以上のように本発明の式(1)で表されるキサンテン化合物を含有する染料組成物を用いて得られた染料着色体は耐熱性に優れ、高い堅牢性を有するものであり、カラーフィルター用インキやインクジェット用インキ等、高い堅牢性が要求される幅広い用途で使用可能であり、産業的な価値が高いことが明らかとなった。
本発明のキサンテン化合物は鮮明性および発色性に優れ、該キサンテン化合物を用いて調整した油性または水性染料組成物によって加工した染料着色体は、従来公知のキサンテン化合物を用いて調整した染料着色体よりも堅牢性に優れた特性を示すものである。よって、本発明のキサンテン化合物は染料着色体に利用可能であり、カラーフィルター用インキやインクジェット用インキ等の幅広い用途に使用できる。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表されるキサンテン化合物。
    Figure 2014070130
    (式(1)中、R乃至Rはそれぞれ独立に炭素数1乃至10のアルキル基を表し、該炭素数1乃至10のアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルキル置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、スルホ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。R乃至Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1乃至10のアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルキル置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、スルホ基又はハロゲン原子を表し、該炭素数1乃至10のアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルキル置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、スルホ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。)
  2. 式(1)におけるR乃至Rがそれぞれ独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、t−ブチル基よりなる群から選択される基であり、かつR乃至Rの少なくとも1つがメチル基又はエチル基である請求項1に記載のキサンテン化合物。
  3. 式(1)におけるR、R、R及びRがそれぞれ独立にメチル基又はエチル基である請求項1又は2に記載のキサンテン化合物。
  4. 式(1)におけるR、R、R及びRがそれぞれ独立にメチル基、エチル基、n−プロピル基又はn−ブチル基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のキサンテン化合物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物及び油溶性有機溶媒を含有する油性染料組成物。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物及び水性媒体を含有する水性染料組成物。
  7. 請求項5に記載の油性染料組成物または請求項6に記載の水性染料組成物を用いて得られる印刷物。
  8. 請求項5に記載の油性染料組成物または請求項6に記載の水性染料組成物を用いて得られるカラーフィルター。
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