JP2014070063A - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な塗布性と良好な初期温感を有しつつバニリルブチルエーテルの安定性を高め、長時間に亘って良好な温感をもたらすことができる皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)水、或いは水及びグリセリン 合計で5質量%以上40質量%以下
(B)バニリルブチルエーテル
(C)25℃で液状である、グリセリン以外の多価アルコール
(D)エタノール 1質量%以上70質量%以下
を含有し、成分(A)の合計含有量に対する成分(C)及び成分(D)の合計含有量の質量比({(C)+(D)}/(A))が、1.4以上である皮膚外用剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚外用剤に関する。
バニリルブチルエーテルは、低刺激性であるとともに、皮膚に良好に温感作用をもたらすことができることが知られており、極めて有用性の高い成分である。
こうしたなか、例えば、特許文献1には、バニリルブチルエーテル等の化合物と、ポリアクリル酸等の水溶性高分子化合物を特定量で含有する外用剤組成物が開示されており、適度な温感とその持続性を高めている。また、特許文献2には、バニリルブチルエーテル、l−メントール、特定のオレイン酸誘導体及びエタノールを含有する毛髪化粧料が開示されており、優れた清涼感や使用感をもたらしている。さらに、特許文献3には、バニリルブチルエーテル、特定量の一価低級アルコール、ベンジルアルコール及び/又は高級脂肪酸エステルを含有する温感外用剤組成物が開示されており、良好な温感と優れた速乾性を発揮することが記載されている。
特開2002−020277号公報 特開2008−143785号公報 特開2004−026721号公報
しかしながら、かかるバニリルブチルエーテルは多価アルコールやエタノールに溶解する性質を有するため、バニリルブチルエーテルを配合した皮膚外用剤を得るにあたり、多価アルコールやエタノールと共に配合することが好ましく、また、皮膚への塗布性を考慮すれば、さらに水を配合することも好ましいものの、かかる多価アルコール及びエタノールと水との比率や、多価アルコールの種類によっては、バニリルブチルエーテルを経時的に安定に保持することができず、特に高温保存下においてその安定性の低下が顕著となることが判明した。
したがって、本発明の課題は、良好な塗布性及び良好な初期温感を有しつつバニリルブチルエーテルの安定性を高め、高温保存後においても良好な温感をもたらすことができる皮膚外用剤を提供することにある。
そこで、本発明者は、種々検討したところ、バニリルブチルエーテルは、高温下での保存によって不安定になる傾向にあり、バニリルブチルエーテルによる温感等を長期保存後も十分にもたらすのが困難となるものの、特定の多価アルコールを特定比率にて添加することが有効であることを見出した。すなわち、多価アルコールとして特定のものを用いつつ、かかる多価アルコール及びエタノールと水との比率を制御することにより、良好な塗布性及び良好な初期温感を有しつつ、バニリルブチルエーテルを長時間に亘り安定に保持することができる皮膚外用剤が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)水、或いは水及びグリセリン 合計で5質量%以上40質量%以下
(B)バニリルブチルエーテル
(C)25℃で液状である、グリセリン以外の多価アルコール
(D)エタノール 1質量%以上70質量%以下
を含有し、成分(A)の合計含有量に対する成分(C)及び成分(D)の合計含有量の質量比({(C)+(D)}/(A))が、1.4以上である皮膚外用剤を提供するものである。
本発明の皮膚外用剤によれば、良好な塗布性及び良好な初期温感を有しながら、高温下での保存後においてもバニリルブチルエーテルを非常に安定に保持することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の皮膚外用剤は、水、或いは水及びグリセリン(A)を合計で5質量%以上40質量%以下含有する。成分(A)を含有することにより、皮膚外用剤として皮膚への良好な塗布性を付与することができる。成分(A)としては、水のみを単独で含有してもよく、水とグリセリンの双方を含有してもよい。成分(A)に対する成分(B)のバニリルブチルエーテルの溶解性は低いものの、後述するように、成分(A)の合計含有量に対する成分(C)の多価アルコール及び成分(D)のエタノールの合計含有量が、特定の質量比を有することにより、良好な塗布性及び良好な初期温感を有しながら、高温保存下においても成分(B)のバニリルブチルエーテルの良好な安定性を保持することができる。
成分(A)の含有量は、良好な塗布性を付与する観点、及び後述する成分(B)のバニリルブチルエーテルによる初期温感を良好に発揮させる観点から、本発明の皮膚外用剤中に、合計で5質量%以上であって、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。成分(A)の含有量は、後述する成分(B)のバニリルブチルエーテルの高温保存下における安定性を確保して優れた温感を発揮させる観点から、本発明の皮膚外用剤中に、合計で40質量%以下であって、好ましくは37質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下である。また、成分(A)の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、合計で5〜40質量%であって、好ましくは10〜37質量%であり、より好ましくは15〜35質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、バニリルブチルエーテル(B)を含有する。成分(B)は、皮膚への刺激性が低く、本発明の皮膚外用剤を塗布した後においても皮膚に良好に残存して、温感作用をもたらすことができる。また、成分(B)は、上記成分(A)の水やグリセリンに対する溶解性が低く、後述する成分(C)の25℃で液状である、グリセリン以外の多価アルコールや成分(D)のエタノールに対する溶解性が高いという性質を有する。
成分(B)の含有量は、良好な温感をもたらす観点から、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%以上であり、さらに好ましくは0.07質量%以上である。成分(B)の含有量は、良好な溶解性及び低刺激性を確保しつつ優れた温感を発揮させる観点から、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以下である。また、成分(B)の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.01質量%〜1質量%であり、より好ましくは0.03〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.07〜0.6質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、25℃で液状である、グリセリン以外の多価アルコール(C)を含有する。成分(C)を含有することにより、成分(B)のバニリルブチルエーテルを皮膚外用剤中に良好に溶解させることができ、成分(B)のバニリルブチルエーテルの高温保存下における安定性を確保して優れた温感を発揮させる。かかる成分(C)としては、具体的には、例えば、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールから選択される1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、成分(B)を良好に溶解させつつ高温保存下における安定性を確保して優れた温感を発揮させる観点から、ポリプロピレングリコール、ジプロピレングリコール及びポリエチレングリコールから選択される1種又は2種以上が好ましい。
成分(C)の含有量は、成分(B)を良好に溶解させつつ高温保存下における安定性を確保して優れた温感を発揮させる観点から、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは25質量%以上である。成分(C)の含有量は、成分(B)による温感を良好に発揮させる観点から、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは75質量%以下であり、より好ましくは65質量%以下であり、さらに好ましくは55質量%以下である。また、成分(C)の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは5〜75質量%であり、より好ましくは15〜65質量%であり、さらに好ましくは25〜55質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、エタノール(D)を1質量%以上70質量%以下含有する。成分(D)を含有することにより、成分(B)の溶解を促進しつつ経皮吸収性を高めて優れた温感をもたらすことができる。
成分(D)の含有量は、成分(B)の溶解性及び経皮吸収性を高める観点から、本発明の皮膚外用剤中に、1質量%以上であって、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。成分(D)の含有量は、成分(D)の気化熱によって温感が弱められるのを回避する観点、及び低刺激性を確保する観点から、70質量%以下であって、好ましくは65質量%以下であり、より好ましくは55質量%以下である。また、成分(D)の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、1〜70質量%であって、好ましくは10〜65質量%であり、より好ましくは15〜55質量%である。
本発明の皮膚外用剤において、成分(A)の合計含有量に対する成分(C)及び成分(D)の合計含有量の質量比({(C)+(D)}/(A))は、1.4以上である。このように、成分(B)のバニリルブチルエーテルの溶解性が低い成分(A)に対し、成分(B)のバニリルブチルエーテルの溶解性が高い成分(C)及び成分(D)が特定の質量比を満たすことにより、バニリルブチルエーテルの経時的な安定性を高めることができ、高温保存下においても優れた安定性を発揮し、良好な温感をもたらすことが可能である。
成分(A)の合計含有量に対する成分(C)及び成分(D)の合計含有量の質量比({(C)+(D)}/(A))は、成分(B)の高温保存下における安定性を高めて良好な温感をもたらす観点から、1.4以上であって、好ましくは1.45以上であり、より好ましくは1.5以上である。成分(A)の合計含有量に対する成分(C)及び成分(D)の合計含有量の質量比({(C)+(D)}/(A))は、良好な温感を確保する観点から、好ましくは8以下であり、より好ましくは5以下である。また、成分(A)の合計含有量に対する成分(C)及び成分(D)の合計含有量の質量比({(C)+(D)}/(A))は、好ましくは1.45〜8であり、より好ましくは1.5〜5である。
本発明の皮膚外用剤において、成分(B)の含有量に対する成分(D)の含有量の質量比((D)/(B))は、成分(B)の経皮吸収性を高め、良好な温感をもたらす観点から、好ましくは30以上であり、より好ましくは60以上であり、さらに好ましくは70以上である。成分(B)の含有量に対する成分(D)の含有量の質量比((D)/(B))は、成分(D)の気化熱によって温感が弱められるのを回避する観点から、好ましくは750以下であり、より好ましくは650以下であり、さらに好ましくは550以下である。また、成分(B)の含有量に対する成分(D)の含有量の質量比((D)/(B))は、好ましくは30〜750であり、より好ましくは60〜650であり、さらに好ましくは70〜550である。
本発明の皮膚外用剤は、さらに増粘剤を含有することができる。増粘剤を含有させることで、本発明の皮膚外用剤を皮膚へ塗布した時に、皮膚への塗布性がさらに良好となる。好ましくは、本発明の皮膚外用剤は、増粘剤としてビニル系高分子を含有することができる。ビニル系高分子としては、メタクリロイル基及び/又はアクリロイル基を含有する重合体又は共重合体であればよく、なかでも皮膚への良好な塗布性を付与する観点から、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、カルボキシビニルポリマーが好ましい。
このようなビニル系高分子としては、具体的には、例えば、「ペムレンTR−1」、「ペムレンTR−2」、「カーボポール980」(いずれも、Lubrizol社製)等の市販品を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記ビニル系高分子の含有量は、皮膚への塗布性を向上させる観点から、本発明の皮膚外用剤中、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、さらに好ましくは0.04質量%以上である。ビニル系高分子の含有量は、皮膚への塗布性を向上させる観点から、本発明の皮膚外用剤中、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.6質量%以下である。また、ビニル系高分子の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.01〜1質量%であり、より好ましくは0.02〜0.8質量%、さらに好ましくは0.04〜0.6質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、さらにメントールを含有することができる。かかるメントールを含有することにより、成分(B)による良好な温感を保持しながら清涼感を高めることが可能である。
メントールの含有量は、適度な清涼感をもたらす観点から、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.08質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。メントールの含有量は、成分(B)による良好な温感を保持する観点から、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。また、メントールの含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.05〜5.0質量%であり、より好ましくは0.08〜3質量%であり、さらに好ましくは0.1〜1質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、さらにpH調整剤を含有することができる。かかるpH調整剤を含有することで、本発明の皮膚外用剤を皮膚へ塗布した時に、皮膚への塗布性がさらに良好となる。pH調整剤としては、皮膚への良好な塗布性を付与する観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、L−アルギニン、アミノメチルプロパノール、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが挙げられる。なかでも、皮膚への良好な塗布性を付与する観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、L−アルギニン、アミノメチルプロパノール、トロメタミンから選択される1種又は2種以上が好ましい。pH調整剤の含有量は、皮膚への良好な塗布性を付与する観点から、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.002質量%以上であり、さらに好ましくは0.004質量%以上である。また、pH調整剤の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である。また、pH調整剤の含有量は、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは0.001〜1質量%であり、より好ましくは0.002〜0.8質量%であり、さらに好ましくは0.004〜0.5質量%である。
本発明の皮膚外用剤は、さらに油剤を含有することができる。油剤を含有させることで、本発明の皮膚外用剤を皮膚へ塗布した時に、皮膚への塗布性がさらに良好となる。油剤としては、良好な塗布性を付与する観点から、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類;ジメチルポリシロキサン、ジヒドロキシジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどのシリコーン油類、2−エチルヘキサン酸エチル、トリ(2−エチルヘキサン酸)グリセリル、ジネオペンタン酸トリプロピレンポリグリコールなどの合成エステル油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油などの植物油などが挙げられる。なかでも、良好な塗布性を付与する観点から、流動パラフィン、スクワラン等の炭化水素類;ジメチルポリシロキサン、ジヒドロキシジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどのシリコーン油類から選択される1種又は2種以上が好ましい。油剤の含有量は、良好な塗布性を付与する観点から、本発明の皮膚外用剤中に、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、好ましくは1質量%以上である。
本発明の皮膚外用剤は、上記成分以外に、例えば、防腐剤、着色剤、界面活性剤、収斂剤、美白剤、皮脂分泌抑制剤、抗酸化剤、抗炎症剤、キレート剤、香料等を適宜配合してもよい。
本発明の皮膚外用剤は、化粧品、医薬部外品、医薬品用途として用いることができ、例えば、保湿用、抗老化用、美白用の化粧水(ローション)、水性エッセンス、パック等の皮膚化粧料として好適に適用することができる。本発明の皮膚外用剤の形態としては、液体、ゲル状、固体、クリーム、水−油の2層分離状又はエアゾールが挙げられる。使用する際には、皮膚に直接塗布又は噴霧してもよく、或いは予め布、不織布、紙等に含浸させた後にこれを用いて皮膚に塗布してもよい。
上述した実施態様に関し、本発明はさらに以下の皮膚外用剤を開示する。
[1]次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)水、或いは水及びグリセリン 合計で5質量%以上40質量%以下
(B)バニリルブチルエーテル
(C)25℃で液状である、グリセリン以外の多価アルコール
(D)エタノール 1質量%以上70質量%以下
を含有し、成分(A)の合計含有量に対する成分(C)及び成分(D)の合計含有量の質量比({(C)+(D)}/(A))が、1.4以上である皮膚外用剤。
[2]成分(A)の含有量が、合計で5質量%以上であって、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、40質量%以下であって、好ましくは38質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下である上記[1]の皮膚外用剤。
[3]成分(B)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.03質量%以上であり、さらに好ましくは0.07%以上であり、好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下である上記[1]又は[2]の皮膚外用剤。
[4]成分(C)が、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上である上記[1]〜[3]のいずれか1記載の皮膚外用剤。
[5]成分(C)の含有量が、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは25質量%以上であり、好ましくは75質量%以下であり、より好ましくは65質量%以下であり、さらに好ましくは55質量%以下である上記[1]〜[4]のいずれか1記載の皮膚外用剤。
[6]成分(D)の含有量が、1質量%以上であって、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、70質量%以下であって、好ましくは65質量%以下であり、より好ましくは55質量%以下である上記[1]〜[5]のいずれか1記載の皮膚外用剤。
[7]成分(A)の合計含有量に対する成分(C)及び成分(D)の合計含有量の質量比({(C)+(D)}/(A))は、1.4以上であって、好ましくは1.45以上であり、より好ましくは1.5以上であり、好ましくは8以下であり、より好ましくは5以下である上記[1]〜[6]のいずれか1記載の皮膚外用剤。
[8]成分(B)の含有量に対する成分(D)の含有量の質量比((D)/(B))は、好ましくは30以上であり、より好ましくは60以上であり、さらに好ましくは100以上であり、好ましくは750以下であり、より好ましくは650以下であり、さらに好ましくは550以下である上記[1]〜[7]のいずれか1記載の皮膚外用剤。
[9]さらに、ビニル系高分子を含有する上記[1]〜[8]のいずれか1記載の皮膚外用剤。
[10]ビニル系高分子の含有量が、好ましくは0.01%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、さらに好ましくは0.04質量%以上であり、好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.6質量%以下である上記[9]の皮膚外用剤。
[11]ビニル系高分子が、好ましくはメタクリロイル基及び/又はアクリロイル基を含有する重合体又は共重合体であり、より好ましくはアクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、及びカルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種である上記[9]又は[10]の皮膚外用剤。
[12]さらに、メントールを含有する上記[1]〜[11]のいずれか1記載の皮膚外用剤。
[13]メントールの含有量が、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.08質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である上記[12]の皮膚外用剤。
[14]さらに、pH調整剤を含有する上記[1]〜[13]のいずれか1記載の皮膚外用剤。
[15]pH調整剤の含有量が、好ましくは0.001質量%以上であり、より好ましくは0.002質量%以上であり、さらに好ましくは0.004質量%以上であり、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である上記[14]の皮膚外用剤。
[16]さらに、油剤を含有する上記[1]〜[15]のいずれか1記載の皮膚外用剤。
[17]油剤の含有量が、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、好ましくは1質量%以上である上記[16]の皮膚外用剤。
[18]皮膚化粧料である上記[1]〜[17]の皮膚外用剤。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1〜14、比較例1〜5]
表1〜2に示す処方にしたがって各皮膚外用剤を調製し、下記の方法により評価を行った。
結果を表1〜2に示す。
《初期温感》
入浴直後の肌が濡れた状態で、各皮膚外用剤3.0gを片脚の脹脛に塗布し、1分間放置した後、シャワーで洗い流した。洗い流し直後から5分後までに感じた温感について、下記基準に従って評価した。
A:温かいと感じた
B:やや温かいと感じた
C:温かいと感じなかった
《バニリルブチルエーテル残存率》
各皮膚外用剤を調製した直後における剤中のバニリルブチルエーテル濃度をガスクロマトグラフ法により求めた。別途、各皮膚外用剤を50℃、1ヶ月保存した後における剤中のバニリルブチルエーテルの濃度を同様にして求めた。これらの値をもとに、下記式より高温保存下におけるバニリルブチルエーテル残存率(%)を算出した。
得られたバニリルブチルエーテル残存率(%)の値が80%以上であれば、高温保存下において良好な安定性を示すものであると判断した。
バニリルブチルエーテル残存率(%)
=(50℃1ヶ月保存後のバニリルブチルエーテル濃度/
調製直後のバニリルブチルエーテル濃度)×100
Figure 2014070063
Figure 2014070063
上記結果より、質量比({(C)+(D)}/(A))が1.4未満である比較例1及び比較例4〜5は、高温保存下における安定性が低下することがわかる。また、エタノールを含有しない比較例2、及びエタノールを70質量%を超える量で含有する比較例3は、いずれも初期温感が低下することがわかる。
これに対し、実施例1〜14は、優れた初期温感を示し、高温保存下においてもバニリルブチルエーテルの残存率が高く、これを安定に保持して良好な温感をもたらし得ることがわかる。

Claims (8)

  1. 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
    (A)水、或いは水及びグリセリン 合計で5質量%以上40質量%以下
    (B)バニリルブチルエーテル
    (C)25℃で液状である、グリセリン以外の多価アルコール
    (D)エタノール 1質量%以上70質量%以下
    を含有し、成分(A)の合計含有量に対する成分(C)及び成分(D)の合計含有量の質量比({(C)+(D)}/(A))が、1.4以上である皮膚外用剤。
  2. 成分(C)が、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコールから選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 成分(B)の含有量に対する成分(D)の含有量の質量比((D)/(B))が、30以上750以下である請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 成分(C)の含有量が、5質量%以上75質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  5. 成分(B)の含有量が、0.01質量%以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  6. さらに、ビニル系高分子を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  7. さらに、メントールを含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
  8. 皮膚化粧料である請求項1〜7のいずれか1項に記載の皮膚外用剤。
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