JP2014069897A - 荷役装置の走行エリア識別システム - Google Patents

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裕次郎 宗
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Abstract

【課題】フォークリフトの走行ルールが異なるエリアを自動的に識別し、フォークリフトの進入エリアの走行ルールをフォークリフトの操作者及び周囲の作業者に報知する。
【解決手段】フォークリフト4の走行ルールが異なる隣接エリアの境界の床面に異なる色の複数の着色域11a〜dを帯幅方向に配列して設けられたエリア区分帯11と、エリア区分帯の着色域の色配列、エリア種別及び各エリア種別の走行ルールとが規定されたルールテーブル(1)、(2)と、フォークリフト4に取り付けられエリア区分帯の複数の着色域の色を判別して色信号を出力するカラー判別センサ29と、カラー判別センサ29から入力される色信号の配列に基づいてフォークリフト4の少なくとも進入エリア種別をルールテーブルを参照して識別し、進入エリア種別の走行ルールをルールテーブルから読み出してフォークリフト4の操作者に報知する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、荷役装置の走行エリア識別システムに係り、特に、荷役装置の走行ルールが異なるエリアを自動的に識別し、荷役装置が進入したエリアごとに定められた走行ルールを操作者(運転者)及び周囲の作業者に報知する荷役装置の走行エリア識別システムに関する。
倉庫、流通センター、工場などの作業エリアにおいては、多くの作業者が様々なエリアで、様々な作業を行っている。また、例えば、手押式の台車、自走式の台車、フォークリフト、エアー浮上式パレットなどの荷役装置が走行するエリアにおいて、原材料や製品等の物品を積み降ろしする荷役作業が並行して行われている。一般には、荷役装置が走行するエリアと、作業者が通行するエリアと、荷役作業の作業者と荷役装置が混在せざるを得ない混在エリアなどがあるが、荷役装置と他の作業者とが接触するおそれがあるエリアにおける作業者への安全、あるいは荷役装置のみが走行するエリアにおける荷役装置の操作者の安全を確保する必要がある。
例えば、作業エリアを複数に区分して、作業者が通行するエリアについては、荷役装置が進入して走行するのを禁止する走行ルールが定められている。一般には、走行ルール等が異なるエリアの床面を白線などの区分帯で仕切って、作業者の通行エリアと通行禁止エリア、荷役装置の進入・走行を許容する走行許容エリア、荷役装置の進入を禁止する進入禁止エリア、荷役装置への物品の積み降ろしエリアのような作業者及び荷役装置の双方の混在を許容する混在エリア、などに区分している。さらに、異なるエリアごとに区分帯の色を変えて、それらの異なるエリアを識別可能にすることも行われている。
一方、特許文献1には、特定のエリア内で荷役装置を自律走行させる技術が提案されている。これによれば、荷役装置の予め定めた走行経路の天井又は床面に、荷役装置の走行停止、方向転換、加速、減速等を制御するための異なる単色の着色テープを適宜布設し、荷役装置に搭載した撮像装置によって着色テープを撮像して色を識別し、色ごとに決められた制御ルールに従って荷役装置を自律走行させることが提案されている。
また、特許文献2には、荷役装置を予め定めたルートに沿って自動走行させる技術が提案されている。これによれば、磁気バーコードを走行ルートの路面に適宜設置し、荷役装置に搭載した磁気バーコードリーダにより磁気バーコードの識別情報を読み取って、方向転換あるいは走行制御している。また、特許文献3には、特許文献2の磁気バーコードに代えてRFIDチップが内蔵された走行ルートガイド杭を路面に適宜設置し、荷役装置に搭載したRFIDリーダによりRFIDチップの情報を読み取って方向転換あるいは走行制御することが提案されている。
特開2010−61533号公報 実開平6−2412号公報 特開2011−76215号公報
ところで、従来の作業エリアにおける作業者の安全、荷役装置の操作者の安全を確保することについて改善すべき余地がある。例えば、荷役装置が頻繁に行き交う混在エリアにおいて、歩行中の作業者が荷役装置に接触することを防止するため、荷役装置に超音波を用いた近接センサを搭載し、荷役装置が作業者に近づいたときに警報を発して、荷役装置の操作者と作業者に注意を促す警報システムが考えられる。しかし、近接センサを用いた警報システムは一般に高価であることが、導入の妨げとなる。
また、異なるエリアの境界を色の異なる区分帯で区画しても、その区分帯のどちら側のエリアが、荷役装置の走行許容エリア又は進入禁止エリアかを直ちに判別できない場合がある。特に、荷役装置である例えばフォークリフトの操作者は、操作に集中しているため、フォークリフトが区分帯で分けられた走行許容エリアに進入したのか、退出したのかを速やかに判断できなくなる場合がある。また、区分帯の両側のエリアの走行ルールを間違えることがあり得るから、荷役装置が現在位置しているエリアの走行ルールを、その操作者が正しく判断できるようにすることが望まれる。
本発明が解決しようとする課題は、荷役装置の走行ルールが異なるエリアを自動的に識別し、荷役装置が進入したエリアごとに定められた走行ルールを荷役装置の操作者(運転者)に報知する荷役装置の走行エリア識別システムを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明の荷役装置の走行エリア識別システムは、手押式又は自走式の荷役装置の走行ルールが異なる隣接エリアの境界の床面に異なる色の複数の着色域を帯幅方向に配列して設けられたエリア区分帯と、前記エリア区分帯の前記着色域の色配列、前記隣接エリアの各エリア種別及び前記各エリア種別の前記走行ルールとが規定されたルールテーブルと、前記荷役装置に取り付けられ前記エリア区分帯の前記複数の着色域の色を判別して色信号を出力するカラー判別センサと、前記カラー判別センサから入力される前記色信号の配列に基づいて前記荷役装置の少なくとも進入エリア種別を前記ルールテーブルを参照して識別し、前記進入エリア種別の走行ルールを前記ルールテーブルから読み出して前記荷役装置の操作者に報知するエリア識別装置とを備えてなることを特徴とする。
すなわち、本発明は、走行ルールが異なる隣接エリアの境界の床面に、それぞれのエリア側が異なる色の複数の着色域を幅方向に配列したエリア区分帯を設けたことを特徴とする。また、複数の着色域の色配列、隣接エリアの各エリア種別及び各エリア種別の走行ルールとが規定されたルールテーブルを設ける。そして、荷役装置の走行中にカラー判別センサにより判別して出力される色信号の配列に基づいて、エリア識別装置によりルールテーブルを参照して、荷役装置の少なくとも進入エリア種別を識別できる。
この場合、エリア識別装置は、表示装置、音声装置、警報器の少なくとも1つを備えて形成することができる。ここで、表示装置は、走行ルールの内容を文字情報と画像情報の少なくとも1つを表示するように形成することができる。音声装置は、走行ルールの内容を音声で報知するように形成することができる。警報器は、走行ルールに対応させたパターンで鳴動するブザー、チャイム、信号灯などの警報器により報知するように形成することができる。これらの報知装置によれば、操作者は荷役装置が例えば「通常走行エリア」から「進入禁止エリア」に進入したことを、画像、音声又は警報音により直ちに知ることができる。この場合、操作者は報知された走行ルールに応じて、荷役装置を停止させて後退させて進入禁止エリアから退出させることにより、走行ルールを順守することができる。さらに、進入禁止エリアから退出すれば、エリア識別装置によるエリア区分帯の着色域の色配列が進入時と逆になり、画像情報が通常走行エリアに切り変わり、あるいは音声又は警報器が切り替わる。これにより、荷役装置の操作者はエリアごとの走行ルールの記憶による走行操作から解放される。また、フォークリフトなどの荷役装置の操作者に、荷役装置が現在どのエリアにいるのか、どのエリアに入ったのかを判り易く伝えることができる。しかも、荷役装置の操作者が、エリアの変更や走行ルールの変更を認識することなく、走行ルールを順守できるから安全を確保することができる。
また、エリア区分帯は、異なる色の着色テープを床面に並べて貼付して複数の着色域を形成することができる。つまり、複数の着色域は、塗料あるいは着色セメントなど床面に塗布して形成することができるが、着色テープを貼付することにより、エリアの変更及び走行ルールの変更に容易に対応することができる。特に、工場や倉庫などの作業エリアは、荷物の物品の集荷状況、生産計画の変更などにより、エリアをしばしば変更することがあるから、エリア区分帯を異なる色の着色テープを床面に並べて貼付して設定できれば、エリアを容易に変更できる。
また、各エリアの走行ルールには、進入禁止エリア、通常走行エリア、作業者との混在走行エリア、トラックピットのプラットフォームのような転落注意走行エリア、通常走行エリア等が交差する交差走行エリア等に応じて、種々の走行ルールを定めることができる。
さらに、前記エリア識別装置は、複数のエリアにおける荷役装置の現在位置を表示装置に表示するとともに内部メモリに記憶し、さらに外部に送信可能に形成することができる。これによれば、外部に設けた監視装置の表示画面に荷役装置の現在位置を表示できるから、走行ルール違反の荷役装置を監視するだけでなく、複数の荷役装置の動きを把握して荷役作業を管理することができる。
また、自走式の荷役装置の制御装置に、エリア識別装置により識別した進入エリア種別の走行ルールを入力させるようにすれば、進入禁止エリアに進入した場合、強制的に停止させる制御を行わせて、自動的に作業の安全を確保することができる。また、混在走行エリア、交差走行エリアあるいは転落注意走行エリアに進入した場合、強制的に走行速度を減速するようにすることができる。
本発明によれば、荷役装置の走行ルールが異なるエリアを自動的に識別し、荷役装置が進入したエリアごとに定められた走行ルールを荷役装置の操作者(運転者)に報知することができる。
本発明の荷役装置の走行エリア識別システムを適用した一実施形態の作業エリアの平面図である。 図1の実施形態の他の作業エリアを示す平面図である。 図1及び図2の実施形態のエリア識別装置の構成図である。 図1のエリア識別装置の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の荷役装置の走行エリア識別システムを実施形態に基づいて説明する。本実施形態では、フォークリフトの走行エリア識別システムを説明するが、本発明はフォークリフトに限らず、手押式の台車、自走式の台車、エアー浮上式パレットなど、周知の荷役装置の走行エリア識別システムに適用することができる。
図1,2に本発明のフォークリフトの走行エリア識別システムを適用した一実施形態の倉庫の作業エリアの平面図を示す。図1は物品の出荷又は入荷の荷役作業を行うトラックピット周りの作業エリアを示し、図2は荷役装置の走行路が交差するエリアを含む作業エリアを示している。なお、本発明でいう荷役作業には、倉庫の場合は、物品の積み降ろし作業、荷役装置の走行、その他種々の作業が含まれる。また、物品の積み降ろし作業には、パレットなどへの物品の積み込み、パレットなどからの物品を降ろして棚などの集積場所への収容、荷役装置によるパレットの積み降ろし作業などである。荷役装置は、例えば、工場などの場合は、原材料エリア、製造エリア、製品出荷エリア、物品集積エリア、などの異なるエリア間で物品を搬送する作業に用いられる。
図1に示すように、トラックピット1の周りの作業エリアは、トレーラトラック2が後ろ向きに停車されるプラットフォームエリア3が設けられている。また、プラットフォームエリア3は、トレーラトラック2の物品の積み降ろし作業をするために、フォークリフト4が走行するエリアである。プラットフォームエリア3のトラックピット1の反対側には、例えば矩形のフォークリフト4のフォーク通常走行エリア5が隣接されている。フォーク通常走行エリア5内には、作業者6により物品が搭載されたパレット7をフォークリフト4に積み込み、あるいはフォークリフト4から降ろす作業を行う例えば矩形のパレット積み降ろしエリア8が設定されている。パレット積み降ろしエリア8の一辺には、パレット7に物品を積載し、あるいはパレット7から物品を降ろす例えば矩形の物品積み降ろしエリア9が隣接して設定されている。さらに、フォーク通常走行エリア5の外周には、作業者通行エリア10が設定されている。なお、図において、フォーク通常走行エリア5の右辺と作業者通行エリア10の上辺と左辺は、壁などにより仕切られている。
ここで、図1に示した実施形態の特徴部について説明する。図1において、プラットフォームエリア3、フォーク通常走行エリア5、パレット積み降ろしエリア8、物品積み降ろしエリア9、作業者通行エリア10は、いずれも同じ床面に設定されるエリアである。これらのエリアは、表1に示すルールテーブル(1)のように、複数のエリア種別が設定され、エリア種別ごとに荷役装置の異なる走行ルールが規定されている。
Figure 2014069897
すなわち、プラットフォームエリア3は、フォークリフト4の操作を誤ると、トラックピット1に転落する恐れがあるから、転落注意走行エリアに設定され、徐行して転落に注意する走行ルールが規定されている。フォーク通常走行エリア5は、通常走行エリアに分類され、通常の注意及び制限速度に従って走行する走行ルールが規定され、一般の作業者は立ち入りが規制される。また、パレット積み降ろしエリア8は、フォークリフト4と作業者6が混在せざるを得ないから、混在走行エリアに設定され、フォークリフト4には注意・徐行の走行ルールが規定されている。一方、物品積み降ろしエリア9と作業者通行エリア10は、作業者6のみが立ち入ることができるエリアであり、ルールテーブル(1)に示すように、フォークリフト4の進入禁止エリアに分類されている。一般に、作業者のみが立ち入ることができるエリアは、緑色の線で区画されている場合が多く、作業者等にも安全のために緑線で囲まれた範囲のみに留まり、そこから出ないように周知させることができる。
このように、フォークリフト4の走行ルールが異なるエリア種別が隣接する境界の床面に、帯状のエリア区分帯11が設けられている。エリア区分帯11は、隣接する各エリアのエリア種別に対応させて、本実施形態では表1のルールテーブル(1)に示すように、異なる色が設定されている。例えば、プラットフォームエリア3とフォーク通常走行エリア5の境界のエリア区分帯11は、プラットフォームエリア3側の着色域11aが「赤」,通常走行エリア5側の着色域11bが「青」に設定されている。フォーク通常走行エリア5とパレット積み降ろしエリア8の境界のエリア区分帯11は、フォーク通常走行エリア5側の着色域11bが「青」、パレット積み降ろしエリア8側の着色域11cが「黄」に設定されている。パレット積み降ろしエリア8と物品積み降ろしエリア9の境界のエリア区分帯11は、パレット積み降ろしエリア8側の着色域11cが「黄」、物品積み降ろしエリア9側が「緑」に設定されている。フォーク通常走行エリア5と物品積み降ろしエリア9又は作業者通行エリア10との境界のエリア区分帯11は、フォーク通常走行エリア5側の着色域11bが「青」、物品積み降ろしエリア9と作業者通行エリア10側の着色域11dが「緑」に設定されている。なお、ルールテーブル(1)では、混在走行エリアと交差走行エリアが、いずれも「黄」に設定されている。これは、それらのエリア種別が隣接することがないからであり、例えば一方をルールテーブル(1)では設定されていない唯一の色を選択することができる。
したがって、図1において、プラットフォームエリア3とフォーク通常走行エリア5のように、異なる走行ルールが規定された隣接するエリア種別の境界にエリア区分帯11が設けられている。エリア区分帯11は、隣り合うエリア種別に合わせて異なる2色の着色域が帯幅方向に配列して形成されている。つまり、プラットフォームエリア3側の着色域の色が「赤」、フォーク通常走行エリア5側の着色域が「青」である。同様に、フォーク通常走行エリア5とパレット積み降ろしエリア8の境界は、「青」と「黄」の色配列のエリア区分帯11で区画されている。パレット積み降ろしエリア8と物品積み降ろしエリア9の境界は、「黄」と「緑」の色配列のエリア区分帯11で区画されている。さらに、フォーク通常走行エリア5と物品積み降ろしエリア9の境界、及びフォーク通常走行エリア5と作業者通行エリア10の境界は、「青」と「緑」の色配列のエリア区分帯11で区画されている。物品積み降ろしエリア9と作業者通行エリア10は、走行ルールが同じでありから、エリア区分帯11は設けられていない。
一方、図2に示したフォークリフト4の走行路が交差するエリアを含む作業エリアのエリア種別及びエリア区分帯11の実施形態について説明する。図示のように、作業者通行エリア21に隣接してフォークリフト4と作業者が混在する混在走行エリア22が設定されている。さらに、混在走行エリア22に隣接してフォーク通常走行エリア23が設定され、フォーク通常走行エリア23にはT字路が設定されている。したがって、T字路の交差点ではフォークリフト4の走行が交差することから、交差走行エリア24が設定されている。交差走行エリア24は、フォーク通常走行エリア23側が「赤」の着色域に設定され、交差走行エリア24側は「黄」の着色域に設定された色配列のエリア区分帯11が設けられている。その他の隣接エリアのエリア区分帯11の色配列は、図1と同一であるから説明を省略する。
次に、図3を参照して、本実施形態の他の特徴部であるエリア識別装置について説明する。本実施形態のエリア識別装置30は、演算処理部32、システムバス33、メモリ34、画像表示装置35、音声装置36、警報器37、通信装置38を備えて形成され、演算処理部32はシステムバス33を介して他の構成部品とに通信可能に接続されている。エリア識別装置30には、カラー判別センサ29から、エリア区分帯11の色配列を判別した色信号が入力されるようになっている。メモリ34には、本発明のルールテーブルである表1のルールテーブル(1)及び後述する表2のルールテーブル(2)が格納されている。なお、画像表示装置35、音声装置36、警報器37は、それぞれ本発明の報知手段を構成するものであるが、それらの報知手段の少なくとも1つを備えていればよい。
カラー判別センサ29は、適宜距離離れたスポット領域を撮像して、その色をRGB成分に分解し、各成分の輝度に基づいてその色を判別するものであり、エリア区分帯11を撮像可能にフォークリフト4に搭載される。例えば、フォークリフト4のフォークの先端部がエリア区分帯11に達する前にエリア区分帯11を撮像できるように、フォークリフト4の側面からエリア区分帯11を視認可能な位置に搭載することが望ましい。なお、側面に限らず、カラー判別センサ29をフォークリフト4の適当な場所に、センサの感知部を床に向けて取り付けて、エリア区分帯11における走行方向の手前側から判別した色信号I,IIを順に出力するように構成することができる。
エリア識別装置30の演算処理部32は、図4に示すフローチャートに従ってエリア識別処理を実行する。図4のフローチャートは、エリア識別装置30とカラー判別センサ29の電源をオン・オフすることによって開始・停止するようになっている。演算処理部32は、フォークリフト4の走行が開始されたことにより起動する(S1)。そして、カラー判別センサ29から色信号Iと色信号IIが入力されたか否かを判断し(S2,S3)、両方の色信号が入力されたときにステップS4に進む。ステップS4において、メモリ34に格納されている表2に示したルールテーブル(2)を参照し、色信号Iと色信号IIの色配列に一致する組合せを検索する。つまり、ルールテーブル(2)には、隣接するエリア種別に対応させて、フォークリフト4の走行方向に従ってエリア区分帯11の着色域の色配列が設定されている。
Figure 2014069897
例えば、フォークリフト4がフォーク通常走行エリア5から物品積み降ろしエリア9又は作業者通行エリア10に向かって走行すると、エリア区分帯11の着色域の色配列は、「青」→「緑」の順に色分けされているから、「青」の色信号Iと「緑」の色信号IIの順で演算処理部32に入力する(S2,S3)。演算処理部32は、ルールテーブル(2)を参照して、入力された色信号I,IIの色配列に該当するエリア区分帯11を挟んで隣り合うエリア種別を、走行方向に応じて退出エリアと進入エリアとして識別する(S4)。例えば、信号I,IIの色配列が「青」→「緑」の順の場合は、フォーク通常走行エリア5から「進入禁止エリア」である物品積み降ろしエリア9又は作業者通行エリア10に進入したことを識別できる。
次いで、演算処理部32は、ルールテーブル(1)を参照して、「進入禁止エリア」の走行ルールを読み出して、フォークリフト4の操作者に報知する(S5)。報知の方法は、画像表示装置35、音声装置36、警報器37のいずれか一つあるいはそれらを組み合わせて報知することができる。例えば、画像表示装置35の表示画面に、「ここは、進入禁止エリアです。安全に注意して速やかに退出してください。」などの文字情報、あるいは交通標識で知られている「進入禁止マーク」の画像情報を表示する。また、音声装置36の場合は、「ここは、進入禁止エリアです。安全に注意して速やかに退出してください。」などの音声情報を発することができる。さらに、警報器37の場合は、ブザーあるいはチャイムを鳴動させ、又は、信号灯を点灯して報知する。ブザーあるいはチャイムの鳴動パターンは、走行ルールの内容に応じて異なるパターンを選択することができる。
さらに、エリア識別装置30は、図1、2等のようなエリアマップをメモリ34に記憶しておき、フォークリフト4の走行に合わせて現在位置をエリアマップにプロットして、メモリ34に記憶する(S6)。そして、フォークリフト4が停止していなければ、S2に戻って待機する(S7)。フォークリフト4が停止すれば、処理を終了する。
なお、エリア識別装置30は、エリアマップにプロットしたフォークリフト4の現在位置を画像表示装置35に表示することができる。さらに、エリアマップにプロットした現在位置の情報を通信装置38を介して外部に送信可能に形成されている。これによれば、外部に設けた監視装置の表示画面に荷役装置の現在位置を表示できるから、走行ルール違反の荷役装置を監視するだけでなく、複数の荷役装置の動きを把握して荷役作業を管理することができる。なお、フォークリフト4などの荷役装置の現在位置は、周知のGPSシステムを用いて検出することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、フォークリフト4の走行ルールが異なる隣り合う2つのエリアの境界の床面に帯状のエリア区分帯11を設け、エリア区分帯11を異なる色の複数の着色域を帯幅方向に配列して形成し、エリア区分帯11の着色域の色配列と隣接する2つのエリアの各エリア種別及び各エリア種別の走行ルールとをルールテーブルに規定し、フォークリフト4に搭載されたカラー判別センサによりエリア区分帯11の着色域の色配列を判別し、エリア識別装置によりカラー判別センサから入力される色信号の配列とルールテーブルに基づいて、フォークリフト4の退出エリアと進入エリアのエリア種別を識別し、進入エリア種別の走行ルールをルールテーブルから読み出してフォークリフト4の操作者に報知するようにしたから、フォークリフト4の操作者の安全走行を支援することができる。
本実施形態では、エリア区分帯11を異なる2つの色の着色域を幅方向に形成したが、本発明は、異なる2つの色に限られるものではなく、さらに多色の着色域を幅方向に複数設けてもよい。これによれば、さらに複雑な走行ルールが規定された多数のエリア種別の境界に本発明を適用して、荷役装置の走行エリア識別システムを構成することができる。また、また、エリア区分帯11は、異なる色の着色テープを床面に並べて貼付して形成することができ、あるいは、塗料又は着色セメントなど床面に塗布して形成することができる。しかし、エリア区分帯11を着色テープを貼付して形成すれば、エリアの変更及び走行ルールの変更に容易に対応することができる。つまり、工場や倉庫などの作業エリアは、荷物の物品の集荷状況、生産計画の変更などにより、エリアをしばしば変更することがあるから、エリア区分帯11を異なる色の着色テープを床面に並べて貼付して設定できれば、エリアの変更が容易にできる。
また、本実施形態によれば、報知手段により、進入エリアの走行ルールを報知するようにしたことから、操作者は荷役装置が例えば「通常走行エリア」から「進入禁止エリア」に進入したことを、画像、音声又は警報音により直ちに知ることができる。したがって、操作者は報知された走行ルールに応じて、荷役装置を停止させて後退させることにより、進入禁止エリアから退出させて走行ルールを順守することができる。さらに、進入禁止エリアから退出すれば、エリア識別装置による着色帯の色配列の判別により、画像情報及び音声情報が通常走行エリアの走行ルールに切り変わり、あるいは警報器が停止する。これにより、フォークリフトなどの荷役装置の操作者はエリアごとの走行ルールの記憶による走行操作から解放される。また、荷役装置の操作者に、荷役装置が現在どのエリアにいるのか、どのエリアに入ったのかを判り易く伝えることができる。しかも、荷役装置の操作者が、エリアの変更や走行ルールの変更を認識することなく、走行ルールを順守できるから安全を確保することができる。
また、本実施形態は、荷役装置の操作者だけでなく、周囲の作業者に荷役装置の走行を報知する装置にも適用することができる。例えば、フォークリフトに周囲の作業者に対する警報装置(例えば、ブザー、音声装置など)を設置し、作業者の通行が禁止されている通常走行エリア内では警報装置は作動させず、作業者との混在走行エリアに進入したら警報装置を作動させる。このようにすると、一般に行われている、常に警報装置を作動させている状態よりも、周囲の作業者に対する注意喚起の効果が高くなり、より安全となる。
また、フォークリフト4のような自走式の荷役装置の制御装置に、エリア識別装置30により識別した進入エリアの走行ルールを入力して、進入禁止エリアに進入した場合には強制的に停止させる制御を行わせることができる。これにより、自動的にフォークリフト4の走行の安全を確保することができる。また、混在注意エリア、交差走行エリアあるいは転落注意走行エリアに進入した場合には、強制的に走行速度を落とすようにすることができる。
また、本実施形態において、フォークリフト4に速度警報機能を設けることができる。例えば、フォークリフト4の走行経路に一定の距離間隔で設定色配列の速度検知用マークを少なくとも2箇所に設置し、それらの速度検知用マーク間の通過時間を測定して、フォークリフト4の走行速度を検出し、操作者への速度表示、速度超過時の警告を行うことができる。これにより、更なる安全の向上を図ることが可能である。
1 トラックピット
2 トレーラトラック
3 プラットフォームエリア
4 フォークリフト
5 フォーク通常走行エリア
6 作業者
7 パレット
8 パレット積み降ろしエリア
9 物品積み降ろしエリア
10 作業者通行エリア
11 エリア区分帯
11a〜d 着色域
29 カラー判別センサ
30 エリア識別装置

Claims (5)

  1. 手押式又は自走式の荷役装置の走行ルールが異なる隣接エリアの境界の床面に異なる色の複数の着色域を帯幅方向に配列して設けられたエリア区分帯と、前記エリア区分帯の前記着色域の色配列、前記隣接エリアの各エリア種別及び前記各エリア種別の前記走行ルールとが規定されたルールテーブルと、前記荷役装置に取り付けられ前記エリア区分帯の前記複数の着色域の色を判別して色信号を出力するカラー判別センサと、前記カラー判別センサから入力される前記色信号の配列に基づいて前記荷役装置の少なくとも進入エリア種別を前記ルールテーブルを参照して識別し、前記進入エリア種別の走行ルールを前記ルールテーブルから読み出して前記荷役装置の操作者に報知するエリア識別装置とを備えてなる荷役装置の走行エリア識別システム。
  2. 前記エリア識別装置は、表示装置、音声装置、警報器の少なくとも1つを備え、
    前記表示装置は、前記走行ルールの内容を文字情報と画像情報の少なくとも1つを表示するように形成され、前記音声装置は、前記走行ルールの内容を音声で報知するように形成され、前記警報器は、前記走行ルールの内容をブザー、チャイム、信号灯などにより警報するように形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の荷役装置の走行エリア識別システム。
  3. 前記エリア区分帯は、異なる色の着色テープを床面に幅方向に並べて貼付して形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷役装置の走行エリア識別システム。
  4. 前記走行ルールは、進入禁止、走行許容、走行注意、転落注意、複数の走行許容エリアが交差する交差点注意を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の荷役装置の走行エリア識別システム。
  5. 前記エリア識別装置は、複数のエリアにおける前記荷役装置の現在位置を前記表示装置に表示するとともにメモリに記憶し、さらに外部に送信可能に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の荷役装置の走行エリア識別システム。

JP2012214714A 2012-09-27 2012-09-27 荷役装置の走行エリア識別システム Pending JP2014069897A (ja)

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