JP2014069375A - サーマルプリントヘッドおよびそれを用いたサーマルプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命を長くする
【課題を解決するための手段】副走査方向に搬送される被印刷媒体に熱印刷するサーマルプリントヘッドに、セラミック基板22およびグレーズ層25からなる絶縁基板と、絶縁基板の表面に間隔を置いて主走査方向に配列されて副走査方向に延びる複数の発熱抵抗体と、発熱抵抗体が形成された発熱領域24の下流側に接続された折返し電極71と、上流側に接続された個別電極72とを備える。個別電極72は、折返し電極71よりも熱伝導率が高い。このため、発熱領域24の中心に対して上流側の温度が高くなる非対称な温度分布となる。上流側のグレーズ層25を厚くして、上流側の蓄熱量を高め、温度を高くしてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、サーマルプリントヘッドおよびそれを用いたサーマルプリンタに関する。
サーマルプリントヘッドは、発熱部の発熱によって感熱記録紙、製版フィルム印画紙、各種カード類などの被印刷媒体に文字などからなる画像を形成する出力用デバイスであり、ビデオプリンター、イメージャー、シールプリンターなどの用途に用いられている。サーマルプリントヘッドは、基板上に配列された発熱抵抗体を有している。これらの発熱抵抗体を所定のパターンで発熱させることにより、サーマルプリントヘッドを用いて感熱紙、製版フィルム印画紙などのメディアへの記録が行われる。低騒音、低ランニングコストなどの利点を持つため、様々な開発が行われている。
サーマルプリントヘッドは、アルミナなどのセラミック基板の表面に保温層としてグレーズ層を形成した支持基体を有している。この支持基体上に発熱抵抗体層とアルミニウムなどの電極となる導電層とをスパッタ法などの薄膜形成方法によって積層した後、フォトエングレービングプロセスで発熱抵抗体、個別電極などをパターニングする。その後、発熱抵抗体層および電極の所定の部分を覆う絶縁保護被膜層をスパッタ法などの薄膜形成方法によって形成する。
このようにして製造された発熱体板と別途製造された回路基板とが放熱板の表面に固定される。さらに発熱体板の電極と回路基板に搭載された駆動ICとがボンディングワイヤなどで接続され、駆動ICなどが樹脂で封止されてサーマルプリントヘッドが製造される。
このようなサーマルプリントヘッドを用いたサーマルプリンタにおいては、印画時に、たとえば被印刷媒体と感熱リボンなどの転写媒体とをサーマルプリントヘッドの発熱抵抗体が形成された領域にプラテンローラで押し付けられる。プラテンローラで被印刷媒体などを搬送しながら、直線状に延びる発熱抵抗体の列に所定のパターンで発熱させることによって、所望の画像が得られる。
特開2011−140138号公報
サーマルプリンタにおいては、メンテナンスフリー、すなわち、サーマルプリンタの寿命の途中でサーマルプリントヘッドの交換が不要となるように、サーマルプリントヘッドの長寿命化が求められている。サーマルプリントヘッドの寿命に影響を与える因子としては、保護被膜層の摩耗速度、摩耗形状が挙げられる。このため、サーマルプリントヘッドだけでなく、サーマルプリントヘッドと接触する被印刷媒体あるいは転写媒体の改善も行われている。サーマルプリントヘッド側としては、保護被膜層の強化による対応が行われている。
そこで、本発明は、サーマルプリントヘッドの寿命を長くすることを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、副走査方向に搬送される被印刷媒体に熱印刷するサーマルプリントヘッドにおいて、絶縁基板と、前記絶縁基板の表面に間隔を置いて前記副走査方向に垂直な主走査方向に配列されて前記副走査方向に延びる複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の下流側に接続された下流側電極と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の上流側に接続されて前記折返し電極よりも熱伝導率が高い上流側電極と、を具備することを特徴とする。
また、本発明は、副走査方向に搬送される被印刷媒体に熱印刷するサーマルプリントヘッドにおいて、前記副走査方向に垂直な主走査方向に延びる厚大部とその厚大部よりも薄く前記厚大部の前記副走査方向の下流側に設けられた厚小部とからなるグレーズ層を有する絶縁基板と、前記グレーズ層の表面に間隔を置いて前記主走査方向に配列されて前記副走査方向に延びる複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の下流側に接続された下流側電極と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の上流側に接続されて前記厚大部に設けられた個別電極と、を具備することを特徴とする。
また、本発明は、副走査方向に搬送される被印刷媒体に感熱リボンから熱転写するサーマルプリンタにおいて、絶縁基板と、前記絶縁基板の表面に間隔を置いて前記副走査方向に垂直な主走査方向に配列されて前記副走査方向に延びる複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の下流側に接続された下流側電極と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の上流側に接続されて前記折返し電極よりも熱伝導率が高い上流側電極と、を備えるサーマルプリントヘッドと、前記発熱抵抗体を発熱させる駆動素子と、前記被印刷媒体を搬送する第1搬送手段と、前記被印刷媒体と前記サーマルプリントヘッドとの間に前記感熱リボンを搬送する第2搬送手段と、前記被印刷媒体および前記感熱リボンを前記サーマルプリントヘッドの前記発熱抵抗体が配列された領域に押し付ける円筒状のプラテンローラと、を具備することを特徴とする。
また、本発明は、副走査方向に搬送される被印刷媒体に感熱リボンから熱転写するサーマルプリンタにおいて、前記副走査方向に垂直な主走査方向に延びる厚大部とその厚大部よりも薄く前記厚大部の前記副走査方向の下流側に設けられた厚小部とからなるグレーズ層を有する絶縁基板と、前記グレーズ層の表面に間隔を置いて前記主走査方向に配列されて前記副走査方向に延びる複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の下流側に接続された下流側電極と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の上流側に接続されて前記厚大部に設けられた個別電極と、を備えるサーマルプリントヘッドと、前記発熱抵抗体を発熱させる駆動素子と、前記被印刷媒体を搬送する第1搬送手段と、前記被印刷媒体と前記サーマルプリントヘッドとの間に前記感熱リボンを搬送する第2搬送手段と、前記被印刷媒体および前記感熱リボンを前記サーマルプリントヘッドの前記発熱抵抗体が配列された領域に押し付ける円筒状のプラテンローラと、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、サーマルプリントヘッドの寿命を長くすることができる。
本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1の実施の形態における発熱体板の断面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1の実施の形態の一部切欠き上面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1の実施の形態を用いたサーマルプリンタの断面図である。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1の実施の形態の動作時の表面温度分布のグラフである。 本発明に係るサーマルプリントヘッドの第2の実施の形態における発熱体板の断面図である。
本発明に係るサーマルプリントヘッドの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの第1の実施の形態における発熱体板の断面図である。図2は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドの一部切欠き上面図である。図3は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドを用いたサーマルプリンタの断面図である。
本実施の形態のサーマルプリントヘッド10は、放熱板30と発熱体板20と回路基板40とを有している。放熱板30は、たとえばアルミニウムなどの金属で形成された長方形の平板である。
発熱体板20は、セラミック基板22およびグレーズ層25からなる絶縁基板を有している。セラミック基板22は、たとえばアルミナ(Al)で形成された長方形の平板である。セラミック基板22の一方の表面は放熱板30と向かい合っており、他方の表面にはグレーズ層25が融着している。グレーズ層25は、ガラスで形成されている。グレーズ層25の厚さは、たとえば100μmである。
グレーズ層25の表面には、抵抗体層26が形成されている。また、抵抗体層26の表面には、電極層が形成されている。電極層に切欠部が形成されていて、抵抗体層26の電極層と重なり合わない部分が発熱抵抗体となる。発熱抵抗体は、セラミック基板22の短手方向、すなわち主走査方向に垂直な方向(副走査方向)に延びている。
発熱抵抗体の副走査方向の下流側の端部には、電極層に形成された折返し電極71が接続している。折返し電極71は、隣り合う2つの発熱抵抗体を接続している。折返し電極71に対して反対側の端部では、電極層に形成された個別電極72が発熱抵抗体に接続している。このようにして発熱抵抗体が全面グレーズ層25の表面に間隔を置いて複数配列されて、セラミック基板22の長手方向(主走査方向)に延びる帯状の発熱領域24が形成されている。
折返し電極71は、個別電極72に比べて副走査方向の熱伝導率が低い。たとえば折返し電極71は、個別電極72と同じ厚さで、個別電極72よりも熱伝導率が低い材料で形成されている。折返し電極71は、熱伝導率が小さく、かつ、電気抵抗が小さいものが好ましい。また、折返し電極71は、耐熱性が高い材料で形成することが好ましい。たとえば、個別電極72はアルミニウム(Al)で形成されていて、折返し電極71は、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)あるいはこれらの合金で形成されている。
折返し電極71、個別電極72および発熱抵抗体の表面には、保護被膜層29が形成されている。保護被膜層29は、たとえばSiONで形成されている。
サーマルプリントヘッド10は、発熱領域24を発熱させる駆動回路を有している。その駆動回路は、たとえば発熱体板20と同じ側の表面で放熱板30に載置された回路基板40の上に形成されている。回路基板40には、発熱領域24に所定の発熱パターンを形成するための制御信号や駆動電力が入力される。この駆動回路は、たとえば回路基板40に設けられた駆動素子42などの電気部品を有している。発熱体板20と駆動回路とは、たとえば発熱体板20と回路基板40との間に架け渡されたボンディングワイヤ44によって電気的に接続される。さらに、回路基板40の表面に形成された配線パターンと駆動素子42との間もボンディングワイヤ44で電気的に接続される。駆動素子42およびボンディングワイヤ44は、たとえば樹脂48によって封止される。
次に、本実施の形態の製造方法を説明する。
まず、セラミック基板22の主面にガラスペーストを印刷する。ガラスペーストの厚さは、たとえば30〜120μmとする。その後、セラミック基板22に付着したガラスペーストを焼成する。この際、ガラスペーストの温度をガラスの軟化点温度以上にして、所定の時間保持し、その後、常温まで冷却する。これによりグレーズ層25が形成される。
次に、グレーズ層25の全面に抵抗体層26の材料で成膜する。その後、抵抗体材料層の表面の折返し電極71が形成されるべき部分以外を被覆するマスクを被せた状態でTiなどの折返し電極71の材料でスパッタリングなどにより成膜する。その後、Alなどの個別電極72の材料でスパッタリングなどにより成膜する。この際、スパッタリングによって個別電極72の材料の層の温度もたとえば300℃程度に上昇するため、個別電極72としては、耐熱性が高い材料で形成しておくことが好ましい。
また、折返し電極71の材料の層を個別電極72の材料の層よりも厚くしておいてもよい。個別電極72の形成の際、その後、抵抗膜層および金属層を所定の形状にエッチングすることにより、所定のパターンの抵抗体層26、折返し電極71および個別電極72が形成される。折返し電極71の表面に形成されたAl層は、個別電極72のパターニングの際に同時に除去できる。
さらに、抵抗体層26および電極層28を被覆する保護被膜層29を形成する。保護被膜層29は、たとえばスパッタリングによって形成される。これにより、発熱体板20が得られる。一枚のセラミック板に複数の発熱体板20となる部分を形成し、製造過程の途中あるいは最後に分割して、複数の発熱体板20を得てもよい。
このようにして製造された発熱体板20および駆動素子42を搭載した回路基板40を放熱板30に載置し、駆動素子42と発熱体板20との間にボンディングワイヤ44を架け渡し、駆動素子42およびボンディングワイヤ44を封止することにより、サーマルプリントヘッド10が完成する。
本実施の形態のサーマルプリントヘッド10を用いたサーマルプリンタは、紙などの被印刷媒体64の搬送手段を有している。被印刷媒体64の搬送手段は、たとえばプラテンローラ60である。プラテンローラ60は、線状の発熱領域24に平行な直線を軸61とする弾性を持った円柱である。
また、このサーマルプリンタは、感熱記録媒体である感熱リボン63を有している。感熱リボン63は、プラテンローラ60の軸61に平行な軸65の周りにロール状に巻かれている。ロール状に巻かれた感熱リボン63は、その軸65に平行な軸66の周りに巻き取られる。巻き取り側の軸66は、モータなどによって駆動される。
感熱リボン63は、プラテンローラ60の側面とサーマルプリントヘッドとの間を通るように搬送される。被印刷媒体64は、感熱リボン63とプラテンローラ60の間を通るように搬送される。
感熱リボン63は、巻き取り方向に複数の種類の色の領域が形成されている。感熱リボン63の各色の領域は、所定の温度以上になると発色し、その際に接触している被印刷媒体64にその色が転写される。また、感熱リボン63には潤滑剤と研磨剤が含まれている。
駆動素子42は、印画時すなわち感熱リボン63の各色の領域が発熱領域24上に位置しているときに、所定の位置の発熱抵抗体に電流を流して発熱させる。これにより、所定の画像の1ライン分が被印刷媒体64上に描かれる。
図4は、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッドの動作時の表面温度分布のグラフである。図4には、本実施の形態のサーマルプリントヘッドの表面温度を実線で示すとともに、比較のため上流側電極と下流側電極を同じ材料で形成した場合の表面温度を破線で示した。
発熱抵抗体が発熱すると、発熱領域24の温度が上昇するとともに、折返し電極71および個別電極72を通して熱が伝搬し、発熱領域24の上流側および下流側の温度も上昇する。下流側電極である折返し電極71と上流側電極である個別電極72とを同じ材料で形成した場合には、発熱抵抗体で発生した熱は、被印刷媒体の搬送方向の両側にほぼ同じように流れて、発熱領域中心に対してほぼ対称な温度分布が生じる。
一方、本実施の形態では、下流側電極である折返し電極71の熱伝導率が上流側電極である個別電極72に比べて小さい。このため、発熱抵抗体で発生した熱は、搬送方向上流側により多く流れることとなる。その結果、発熱領域中心に対して上流側の温度が上昇し、下流側が低下する。
感熱リボン63に含まれる潤滑剤は、与えられる熱量に応じて活性化度合が変化し、性状が変化する。入熱量が小さい場合には溶解せず潤滑剤として機能せず、入熱量が大きくなると液状となる。このため、印画濃度によって潤滑剤の粘性が異なる。感熱リボン63に含まれる潤滑剤と研磨剤の作用には相間関係があり、サーマルプリントヘッド10の表面の摩耗はこの研磨剤の影響を受けていることから印画濃度と摩耗形状には相関がある。
上流側電極と下流側電極を同じ材料で形成し、発熱領域中心を境に上流側および下流側に対称な温度分布が形成された場合、低印画濃度では発熱領域近傍の全体が摩耗し、高濃度域では、上流側の摩耗が顕著になる。つまり、温度が低い状態で発熱領域の近傍に到達する感熱リボン63が十分に加熱されない場合には、発熱領域近傍の全体が摩耗し、十分に加熱された場合には発熱領域の下流側の摩耗を抑制することができる。
本実施の形態では、上流側電極と下流側電極を同じ材料で形成した場合に比べて上流側の温度を高めているため、感熱リボン63がサーマルプリントヘッド10と接触する初期で温度を高めることができる。その結果、感熱リボン63に含まれる潤滑剤を早期に溶解させ、潤滑剤としての機能を高めることができる。したがって、低印画濃度の場合でも上流側で潤滑剤を溶解させることができ、発熱領域の上流側および下流側での摩耗量を低減できる。また、高印画濃度の場合には、より上流側で潤滑剤を溶解させることができるため、発熱領域の上流側での摩耗量を低減できる。
このように本実施の形態では、サーマルプリントヘッドの摩耗量を低減することができ、寿命を長くすることができる。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの第2の実施の形態における発熱体板の断面図である。
本実施の形態のサーマルプリントヘッドは、第1の実施の形態と発熱体板20の構造が異なる。本実施の形態において、発熱体板20のグレーズ層25は段差が形成されていて、発熱領域24の上流側および下流側で発熱抵抗体に接続する電極の材質は同じである。つまり電極層28は、全体にわたって同一の材料で形成されている。
本実施の形態においてグレーズ層25は、副走査方向の発熱領域24の上流側で主走査方向に延びる段差が形成されている。この段差よりも上流側は、グレーズ層25の厚さが厚い厚大部82である。段差よりも下流側は、グレーズ層25の厚さが厚大部82よりも小さい厚小部81である。厚大部82および厚小部81は、いずれも主走査方向に延びる帯状の領域を形成している。厚大部82の厚さはたとえば100μmであり、厚小部81の厚さはたとえば50μmである。
このようなグレーズ層25を有する絶縁基板は、セラミック基板22にガラスペーストを塗布した後、厚小部81に相当する部分をエッチングによって除去し、その後焼成することによって形成できる。あるいは、セラミック基板22の全面にガラスペーストを一様な厚さで塗布した後、厚大部82に相当する部分にさらにガラスペーストを塗布し、その後焼成することによって形成できる。このようにしてグレーズ層25が形成された後、抵抗体層26、電極層28を積層し、所定のパターンにエッチングし、その後、保護被膜層29を形成することにより発熱体板20が得られる。
発熱抵抗体が発熱すると、発熱領域24の温度が上昇するとともに、発熱領域24の両側で発熱抵抗体に接続した電極を通して熱が伝搬し、発熱領域24の上流側および下流側の温度も上昇する。下流側および上流側のグレーズ層25の厚さを同じとした場合には、発熱抵抗体で発生した熱は、被印刷媒体の搬送方向の両側にほぼ同じように流れて、発熱領域中心に対してほぼ対称な温度分布が生じ、グレーズ層25に蓄積される熱量も対称となる。
一方、本実施の形態において、グレーズ層25の厚さは、発熱領域24の下流側の厚小部81で薄く、上流側の厚大部82で厚い。このため、発熱抵抗体で発生した熱は、搬送方向上流側でより多く蓄熱される。その結果、発熱領域中心に対して上流側の温度が上昇し、下流側が低下する。
このように本実施の形態では、グレーズ層25の厚さを発熱領域24の上流側と下流側で同じとした場合に比べて、上流側の蓄熱量を高めて温度を高めているため、感熱リボン24がサーマルプリントヘッド10と接触する初期で温度を高めることができる。その結果、感熱リボン24に含まれる潤滑剤を早期に溶解させ、潤滑剤としての機能を高めることができる。したがって、低印画濃度の場合でも上流側で潤滑剤を溶解させることができ、発熱領域の上流側および下流側での摩耗量を低減できる。また、高印画濃度の場合には、より上流側で潤滑剤を溶解させることができるため、発熱領域の上流側での摩耗量を低減できる。
このように本実施の形態では、サーマルプリントヘッドの摩耗量を低減することができ、寿命を長くすることができる。
[他の実施の形態]
上述の各実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。たとえば、グレーズ層25にセラミック基板22から突出し主走査方向に延びる突条部を設けてもよい。この場合、グレーズ層25の突条部の最頂部を跨ぐように発熱抵抗体を配置する。また、第2の実施の形態では、発熱領域24の下流側端部に厚大部82と厚小部81の境界が位置するようにしているが、発熱領域24の途中にこの境界が位置していてもよい。
各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。たとえば第2の実施の形態のサーマルプリントヘッドの発熱領域24よりも下流側の電極を、上流側の電極よりも熱伝導率が小さい材料で形成してもよい。
10…サーマルプリントヘッド、20…発熱体板、22…セラミック基板、24…発熱領域、25…グレーズ層、26…抵抗体層、28…電極層、29…保護被膜層、30…放熱板、40…回路基板、42…駆動素子、44…ボンディングワイヤ、48…樹脂、60…プラテンローラ、61…軸、63…感熱リボン、64…被印刷媒体、65…軸、66…軸、71…折返し電極、72…個別電極、81…厚小部、82…厚大部

Claims (6)

  1. 副走査方向に搬送される被印刷媒体に熱印刷するサーマルプリントヘッドにおいて、
    絶縁基板と、
    前記絶縁基板の表面に間隔を置いて前記副走査方向に垂直な主走査方向に配列されて前記副走査方向に延びる複数の発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体の前記副走査方向の下流側に接続された下流側電極と、
    前記発熱抵抗体の前記副走査方向の上流側に接続されて前記折返し電極よりも熱伝導率が高い上流側電極と、
    を具備することを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  2. 前記下流側電極はMo、W、Niのいずれかで形成されていて、前記上流側電極はAlで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
  3. 副走査方向に搬送される被印刷媒体に熱印刷するサーマルプリントヘッドにおいて、
    前記副走査方向に垂直な主走査方向に延びる厚大部とその厚大部よりも薄く前記厚大部の前記副走査方向の下流側に設けられた厚小部とからなるグレーズ層を有する絶縁基板と、
    前記グレーズ層の表面に間隔を置いて前記主走査方向に配列されて前記副走査方向に延びる複数の発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体の前記副走査方向の下流側に接続された下流側電極と、
    前記発熱抵抗体の前記副走査方向の上流側に接続されて前記厚大部に設けられた個別電極と、
    を具備することを特徴とするサーマルプリントヘッド。
  4. 前記上流側電極は前記下流側電極よりも熱伝導率が高いことを特徴とする請求項3に記載のサーマルプリントヘッド。
  5. 副走査方向に搬送される被印刷媒体に感熱リボンから熱転写するサーマルプリンタにおいて、
    絶縁基板と、前記絶縁基板の表面に間隔を置いて前記副走査方向に垂直な主走査方向に配列されて前記副走査方向に延びる複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の下流側に接続された下流側電極と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の上流側に接続されて前記折返し電極よりも熱伝導率が高い上流側電極と、を備えるサーマルプリントヘッドと、
    前記発熱抵抗体を発熱させる駆動素子と、
    前記被印刷媒体を搬送する第1搬送手段と、
    前記被印刷媒体と前記サーマルプリントヘッドとの間に前記感熱リボンを搬送する第2搬送手段と、
    前記被印刷媒体および前記感熱リボンを前記サーマルプリントヘッドの前記発熱抵抗体が配列された領域に押し付ける円筒状のプラテンローラと、
    を具備することを特徴とするサーマルプリンタ。
  6. 副走査方向に搬送される被印刷媒体に感熱リボンから熱転写するサーマルプリンタにおいて、
    前記副走査方向に垂直な主走査方向に延びる厚大部とその厚大部よりも薄く前記厚大部の前記副走査方向の下流側に設けられた厚小部とからなるグレーズ層を有する絶縁基板と、前記グレーズ層の表面に間隔を置いて前記主走査方向に配列されて前記副走査方向に延びる複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の下流側に接続された下流側電極と、前記発熱抵抗体の前記副走査方向の上流側に接続されて前記厚大部に設けられた個別電極と、を備えるサーマルプリントヘッドと、
    前記発熱抵抗体を発熱させる駆動素子と、
    前記被印刷媒体を搬送する第1搬送手段と、
    前記被印刷媒体と前記サーマルプリントヘッドとの間に前記感熱リボンを搬送する第2搬送手段と、
    前記被印刷媒体および前記感熱リボンを前記サーマルプリントヘッドの前記発熱抵抗体が配列された領域に押し付ける円筒状のプラテンローラと、
    を具備することを特徴とするサーマルプリンタ。

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JP2021146512A (ja) * 2020-03-16 2021-09-27 京セラ株式会社 サーマルヘッドおよびサーマルプリンタ

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