JP2014069235A - 自動車パネル材のプレス成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】図1のような複雑形状のドアアウタパネルを成形するため、6000系などの素材アルミニウム合金板に復元処理として220℃〜280℃の温度範囲で150秒以下のごく短時間だけ保持する加熱処理を行った後に常温まで冷却し、その後常温で通常のプレス成形を行う。
【選択図】図1
Description
本発明では、自動車パネル材用の素材アルミニウム合金板として、成形性および焼付硬化性に優れた熱処理型合金として、特にAl−Mg−Si系である6000系アルミニウム合金板材(圧延板材)が好ましい。
自動車パネル材として、例えば前記図1のドアアウタパネルとしての必要な強度、張り剛性、耐デント性、曲げ剛性、ねじり剛性などの基本性能を満足するためには、具体的には、質量%で、Si:0.4〜1.5%、Mg:0.4〜1.0%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなる、6000系アルミニウム合金組成の板からなることが好ましい。また、素材板の製造において、アルミニウム合金の溶解、鋳造の際に、純度の低い地金やスクラップ材などを使用することにより不可避的に混入する、不純物元素があり、前記不可避的不純物に含まれる具体例として、以下の元素の含有が許容される。Fe:0.5%以下、Zn:0.5%以下、Cu:1.0%以下、Mn:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Zr:0.3%以下、Ti:0.1%以下。なお、%で記載する元素量は全て質量%である。
でとする。
このような6000系組成、あるいはそれ以外の3000系や5000系のアルミニウム合金組成からなる素材板は、常法あるいは公知の方法で製造される。すなわち、所望の組成のアルミニウム合金鋳塊を鋳造後に均質化熱処理し、熱間圧延、あるいは更に冷間圧延が施されて、所定の素材板厚とされる。また、所定の素材板厚とされた素材アルミニウム合金板(熱延板、冷延板)は、通常の溶体化および焼入れ処理や、その後の低温での再加熱処理あるいは予備時効処理などの調質処理が施されて、素材アルミニウム合金板として製造される。
本発明では、このように製造した調質処理後の素材アルミニウム合金板に対して、自然時効以外は人工的に調質することなく、自動車パネル材へのプレス成形前に復元処理を行う。調質処理後の素材アルミニウム合金板に対する自然時効以外の人工的な時効硬化処理や熱処理は不要なだけでなく、復元処理の効果の発現を阻害し、却って有害である。
本発明の復元処理の条件は、この復元処理による前記効果の発現のために重要である。すなわち、熱処理の条件については、前記熱的に不安定な常温時効生成微小析出物Aの再固溶のみが適切に行われ、ベークハード性に寄与する微小析出物Bを再固溶させずに残存させる条件とする。
前記した復元処理の効果を、プレス成形において発現させるためには、前記復元処理後に、なるべく早く(時間的な遅滞なく)プレス成形することが好ましい。すなわち、6000系などの素材アルミニウム合金板の、前記復元処理後の自然時効が進まないうちに、あるいは自然時効が進んでも微小なうちに、行うことが好ましい。
前記供試材を切り出して、圧延方向に直角に50mm×25mmのJIS5号引張試験片を作製した。この試験片を常温にてJISZ2241に準じて引張試験を行って、0.2%耐力を測定した。
前記供試材について、前記図1のドアアウタパネルの実サイズの大型の金型を用いた、汎用される前記常温での通常のプレス成形試験を行って、ドアエンボス部と呼ばれる取手部分の凹部周囲でのスプリングバックに起因する微小な形状精度不良(面歪み)の発生の有無を調査し、成形性を評価した。プレス成形品の凹部周囲での形状測定を行い、金型形状とパネル形状の最大差が70μm以下のものを合格とした。なお、潤滑油として、プレス洗浄防錆油(粘度4mm2/s)を用い、シワ押さえ力(以降、BHFと呼ぶ)は50トンとした。
前記供試材について、BHFを変化させた成形試験を行い、プレス成形品に割れやくびれが発生する限界BHFを求めた。限界BHFが70トン以上であるものを合格とした。
曲げ性の評価として、前記プレス加工後のプレス成形品外周部から試験片を、圧延方向の長さ180mm×圧延直角方向の長さ30mmの大きさに切り出して、圧延直角方向に沿って折り目が付くように、フラットヘム加工を模擬した、以下の工程からなる曲げ加工を行った。
次に加工代をさらに約45°(累計約135°)内側に折り曲げた(プリヘム工程)。
最後に厳しいヘム加工を想定して、インナパネルを模した板厚0.8mmのアルミニウム合金板(インナパネル材)を試験片の折り曲げられた間に装入し、インナパネル材の両面に試験片が密着するように、加工代を略180°に内側に折り曲げた(フラットヘム工程)。
プレス成形により導入される歪み量が比較的少ない部位においても所定の強度を確保できることを確認するため、前記プレス加工後のプレス成形品中央部より切り出してJIS5号引張試験片を作製し、塗装、焼付け処理を模擬して、予歪みを付与し、熱処理炉により170℃で20分の熱処理をした。この試験片について、引張試験を行って0.2%耐力(AB耐力)を測定した。合格基準は200MPa以上とした。なお、プレス成形時にパネル中央部に導入されたひずみ量はおよそ2%であった。
Claims (3)
- 素材アルミニウム合金板に、復元処理として220℃〜280℃の温度範囲で0.1秒以上、150秒以下の時間保持する加熱処理を行った後に常温まで冷却し、その後常温でプレス成形を行うことを特徴とする自動車パネル材のプレス成形方法。
- 前記加熱処理後の冷却を10℃/秒以上の平均冷却速度で行い、常温まで冷却してから240時間以内に、前記常温でのプレス成形を行う請求項1に記載の自動車パネル材のプレス成形方法。
- 前記プレス成形される際の素材アルミニウム合金板の0.2%耐力が80〜130MPaの範囲である請求項1または2に記載の自動車パネル材のプレス成形方法。
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