JP2014069190A - 熱間圧延設備及び熱間圧延方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可逆式熱間圧延機3の上流側に保持装置2を配置して、リフト材を選択し、追越材を適正に割り付けて組み合わせることによって、保持装置2を用いた追い越し圧延を適切に行う。
【選択図】図1
Description
しかしながら、抽出順は圧延状況に左右されるため、それらの組合せを意図して連続抽出することは困難であり、追越圧延を適用できる機会が少ない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リフト材と追越材との組合せの自由度を上げ、追越圧延の適用性向上を図ることができる熱間圧延設備及び熱間圧延方法を提供することにある。
本発明は、本発明者による上記知見に基づくものであり、上記課題を解決するためのある実施形態に係る熱間圧延設備は、可逆式熱間圧延機の上流側に、制御圧延材である第1のスラブを搬送テーブル上から後続の第2のスラブが通過できる場所に待機させ、当該第1のスラブを空冷するための保持部を備え、
第2のスラブの圧延時間よりも、第1のスラブの空冷時間と当該第1のスラブと第2のスラブとの入替時間との和が小さい場合に、第1のスラブが前記保持部によって空冷される前の可逆式熱間圧延機による圧延パスを1パス分少なくする制御を行う制御部を備える。
ここで、上記熱間圧延設備においては、第2のスラブが複数あってもよい。この場合、上記「第2のスラブの圧延時間」は、「複数の第2のスラブの圧延時間の和」となる。
当該第1のスラブを保持部によって搬送テーブル上から後続の第2の圧延材が通過できる場所に待機させる待機工程と、
第2のスラブを前記可逆式熱間圧延機に送って圧延を行うとともに、待機装置で待機させた第1のスラブを搬送テーブル上に戻して再び前記可逆式熱間圧延機に送って仕上圧延を行う第2の圧延工程とを含む熱間圧延方法であって、
前記第1の圧延工程は、第2のスラブの圧延時間よりも、第1のスラブの空冷時間と当該第1のスラブと第2のスラブとの入替時間との和が小さい場合に、圧延パスを1パス分少なくする。
また、上記熱間圧延設備と同様に、本発明のある実施形態に係る熱間圧延方法においては、第2のスラブが複数あってもよい。この場合、上記「第2のスラブの圧延時間」は、「複数の第2のスラブの圧延時間の和」となる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る熱間圧延設備のレイアウトと、その熱間圧延設備を用いた鋼材の熱間圧延方法の手順を示す概略図であり、(a)は「追越圧延組合せ処理」を用いていない態様、(b)は「追越圧延組合せ処理」を用いた態様である。また、図2は、本発明の第1の実施形態に係る熱間圧延方法の手順を示すフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態に係る熱間圧延設備は、上流側から順に、加熱炉1と、待機装置としての保持装置2と、可逆式熱間圧延機3と、制御装置4とを備えている。
なお、可逆式熱間圧延機3において制御圧延材を圧延する際に、スラブ厚(例えば、215mm)から制御圧延開始板厚(例えば、80mm)までの圧延を粗圧延と呼び、制御圧延開始板厚から仕上板厚(仕上圧延後の板厚)までの圧延を仕上圧延と呼ぶことにする。
まず、加熱炉1で所定温度(例えば、1150℃)に加熱された第1のスラブAは、搬送テーブル上を搬送され、保持装置2をそのまま通過して可逆式熱間圧延機3へ送られ、可逆式熱間圧延機3で第1のスラブAの粗圧延が行われる。
[待機工程]
次に、粗圧延を終了した第1のスラブAは、保持装置2に送られ、保持装置2によって搬送テーブル上から持ち上げられて保持される。
続いて、可逆式熱間圧延機3での第1のスラブAの粗圧延の進行に合わせて、第2のスラブBが加熱炉1から抽出され、保持装置2をそのまま通過し、保持装置2に持ち上げられている第1のスラブAを追い越して可逆式熱間圧延機3に送られる。
その後、可逆式熱間圧延機3に送られた第2のスラブBは、所定の仕上板厚まで圧延された後、精整工程へ送られる。一方、保持装置2に保持されている第1のスラブAは、第2のスラブBの圧延中に搬送テーブル上に戻され、制御圧延可能な温度まで空冷される。
そして、制御圧延可能な温度まで空冷された第1のスラブAは、可逆式熱間圧延機3に送られ、所定の仕上板厚まで圧延された後、精整工程へ送られる。
しかし、図1(a)に示すように、上記待機工程に要する第1のスラブAの温調時間(t3)が、第2のスラブBの圧延時間t1と、当該第2のスラブBと第1のスラブAとの入れ替え時間t2(図中、省略している)との和よりも少ないと、適正な追い越し圧延が行えない可能性がある。
そこで、本実施形態の熱間圧延方法では、図1(b)に示すように、「追越圧延組合せ処理」が行われる。この「追越圧延組合せ処理」は、「リフト材選択工程」と、「追越材割付工程」と、「判別工程」とを含む処理である。
まず、加熱炉1内のスラブからリフト材を選択する(S1)。
ここで、リフト材を選択する条件としては、CR材であり、温調厳格材でなければよい。温調厳格材とは、品質設計上、温調を行う寸法・温度条件が厳密に指定されている材料を指す。その他の条件としては、温調(リフト空冷)時の予測厚(例えば、40〜200mm)や、温調(リフト空冷)時の予測幅(例えば、1.5〜4.2m)や、温調(リフト空冷)時の予測長(例えば、4〜15m)や、実績重量(例えば、30t以下)が考慮される。
次に、加熱炉1内のスラブから追越材を選択する(S2)。
ここで、追越材を選択する条件としては、以下(a),(b)が挙げられる。
(a)当該追越圧延材の圧延時間t1と、当該圧延材と追越材との入れ替え時間t2との和が、リフト空冷時間t3よりも小さいこと。
(b)既に当該追越材が、追越材として指定されている圧延材でないこと。
したがって、上記追越材の割付条件が成立しなかった場合(S2A−No)、従来では、このまま追越材の組合せ処理自体が終了したが、本実施形態では、後述する判別工程に移行する。
一方、上記追越材の割付条件が成立した場合(S2A−Yes)、制御部4によって追越材の割付が実行される(S2B)と共に、再び追越材割付工程(S2)が行われる。
判別工程では、リフト空冷時間t3の不足時間が所定時間以内(例えばX秒以下)か否かを、制御部4が判別する(S3)。この制御部4による判別は、リフト空冷時間t3の不足時間が所定時間以内、すなわち、t3<t1+t2を満たす場合、制御部4が、元々のリフト空冷パスから1パス前に変更、すなわち、圧延パスを1パス分少なくする処理を行うものである(S4)。
このように、本実施形態によれば、リフト材の温調時間t3とそれに続く追越材の圧延時間t1等とに基づいてリフト材の粗圧延からリフトするタイミングを制御するようにしたので、リフト材と追越材との組合せの自由度を上げ、追越圧延の適用性向上を図ることができる熱間圧延設備及び熱間圧延方法を提供することができる。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る熱間圧延設備のレイアウトと、その熱間圧延設備を用いた鋼材の熱間圧延方法の手順を示す概略図であり、(a)は「追越圧延組合せ処理」を用いていない態様、(b)は「追越圧延組合せ処理」を用いた態様である。本実施形態は、追越材(スラブB,C)を複数にした以外は、上述の実施形態と同様の構成であるので、上述の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
このように、本実施形態によれば、リフト材の温調時間t3とそれに続く複数の追越材の圧延時間t1等とに基づいてリフト材の粗圧延からリフトするタイミングを制御するようにしたので、追越本数を増加させ、圧延効率を向上させることができる。
以上、上述の実施形態においては、圧延材が鋼材の場合を例にして説明したが、本発明は、それに限定されることはなく、圧延材がアルミニウム等の非鉄金属材料の場合にも適用することができる。
2 保持装置
3 可逆式熱間圧延機
4 制御部
Claims (4)
- 可逆式熱間圧延機の上流側に、制御圧延材である第1のスラブを搬送テーブル上から後続の第2のスラブが通過できる場所に待機させ、当該第1のスラブを空冷するための保持部を備え、
第2のスラブの圧延時間よりも、第1のスラブの空冷時間と当該第1のスラブと第2のスラブとの入替時間との和が小さい場合に、第1のスラブが前記保持部によって空冷される前の可逆式熱間圧延機による圧延パスを1パス分少なくする制御を行う制御部を備えたことを特徴とする熱間圧延設備。 - 第2のスラブが複数あることを特徴とする請求項1に記載の熱間圧延設備。
- 制御圧延材である第1のスラブを可逆式熱間圧延機にて所定板厚まで粗圧延する第1の圧延工程と、
当該第1のスラブを保持部によって搬送テーブル上から後続の第2の圧延材が通過できる場所に待機させる待機工程と、
第2のスラブを前記可逆式熱間圧延機に送って圧延を行うとともに、待機装置で待機させた第1のスラブを搬送テーブル上に戻して再び前記可逆式熱間圧延機に送って仕上圧延を行う第2の圧延工程とを含む熱間圧延方法であって、
前記第1の圧延工程は、第2のスラブの圧延時間よりも、第1のスラブの空冷時間と当該第1のスラブと第2のスラブとの入替時間との和が小さい場合に、圧延パスを1パス分少なくすることを特徴とする熱間圧延方法。 - 第2のスラブが複数あることを特徴とする請求項3に記載の熱間圧延方法。
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