JP6198658B2 - 圧延中間品の生産管理方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、加熱炉の装入テーブル上に鋳造順に応じて載置されるスラブに対して、圧延側の制約を満足するように適切に加熱炉への装入順を入れ替えることができ、それによって、DHCRや仮置きHCRの実施を一層拡大することができる加熱炉装入方法が開示されている。
(要因1)熱間圧延工程との不整合
熱間圧延工程のスケジューリングには様々な制約条件が存在する。例えば、連続する2本のスラブの幅、厚みの違いには上限があり(ジャンプ制約)、強度が異なる鋳片を混在させることは、製品材の品質不良の原因となる。また、熱間圧延工程では、約100本の圧延材を圧延すると圧延ロールを交換するが、圧延ロールの交換直後の圧延ができない鋼種がある。そのような鋼種の圧延の前には、別鋼種のスラブをスケジュールする必要があり、そのような鋼種を熱上げ材とよぶ。熱上げ材を必要とする鋼種は、熱上げ材がない、又は少ない場合には圧延できない状況となる。
(要因2)連続鋳造工程後に発見される不具合
連続鋳造工程で製造された鋳片に、疵(表面疵)が発見された場合、手入れ(=疵取り)をしてから、熱間圧延工程へ導入する必要があるため、HCR操業は不可能となる。また、連続鋳造工程の上工程(溶銑予備処理、転炉、二次精錬処理)において不具合が発生したり、各工程の製造条件を外してしまう場合があったりした場合、連続鋳造工程で製造された鋳片は、熱間圧延工程前に、何らかの検査などが必要となる。このときも、HCR操業は不可能となる。
(要因3)受注を受けていないスラブ
高炉−転炉法を用いる製鉄所では、鋳造段階での製造単位(チャージ)は、概ね200ton〜300tonであり、転炉における同一チャージは同一鋼種(同一成分)である
。例えば、転炉での1チャージが200tonの場合であっても、受注の単位はもっと小さく、5tonや10tonの受注もある。
冷鋳片は、その鋼種を利用できる受注が入った場合に、その受注に紐つけ、そのサイズで圧延される。
前述した特許文献1などに開示された技術は、HCR操業の実施を一層拡大することができる加熱炉装入の技術を開示するものであるが、上記した(要因3)を回避し、圧延工程のコストダウンを図るための技術を開示するものとはなっていない。言い換えれば、連続鋳造工程後に生じる冷鋳片の発生を抑制する技術とはなっていない。
即ち、本発明の圧延中間品の生産管理方法は、圧延中間品である「連続鋳造工程で鋳造した鋳片」を熱間圧延工程に移送し、当該熱間圧延工程で圧延を行うことで圧延材を製造する圧延工程において、前記鋳片のなかに、受注を受けていない鋳片である「未紐付き鋳片」が存在した際には、前記未紐付き鋳片を熱間圧延工程へ移送し、仮の板幅及板厚にて圧延するものとし、前記未紐付き鋳片が該当する鋼種における過去の圧延実績を調べ、当該鋼種の鋳片の圧延後の板幅及板厚が1種類のみであった場合には、前記仮の板幅及板厚として、前記1種類の圧延後の板幅及板厚を採用し、当該鋼種の鋳片の圧延後の板幅及板厚が複数であった場合には、仮の板幅及板厚にて圧延した圧延材を製品として出荷したときの利益と、仮の板幅及板厚にて圧延した圧延材をリサイクルしたときの損失とを基に、コスト削減期待値を算出し、前記仮の板幅及板厚として、前記コスト削減期待値が最も大きい圧延後の板幅及板厚を採用することを特徴とする。
好ましくは、算出したコスト削減期待値を基に、熱間圧延工程へ移送する未紐付き鋳片の本数を決定するとよい。
なお、説明においては、薄鋼板を念頭におき、中間製品をスラブ、製品をコイル材と表現するが、条鋼線材、厚鋼板でも同様の議論が成り立つ。
[第1実施形態]
図1は、製鋼工場におけるHCR操業を示したものである。
しかしながら、「発明が解決しようとする課題」で精説したように、HCR操業の割合を増やそうとした場合、受注を受けていないスラブになる溶鋼(受注と紐ついていない部分、未紐付きスラブ)が存在し、HCR操業を阻むこととなる。
本実施形態では、上記した冷鋳片の発生を防ぐために、連続鋳造工程1で鋳造した鋳片Wの中に、受注を受けていない鋳片Wである「未紐付き鋳片W」が存在した際には、この未紐付き鋳片Wを熱間圧延工程2へ移送し、仮のサイズ(仮の板幅、仮の板厚)にて圧延するようにしている。
鋳片Wを圧延する際の仮のサイズ(仮の板幅、仮の板厚)としては、例えば、未紐付き鋳片Wが該当する鋼種における過去の圧延実績(過去の一定期間での実績)を調べ、当該鋼種の鋳片Wの圧延サイズが1種類のみであった場合には、仮のサイズとして、過去実績から得られた1種類の圧延サイズを採用することができる。
[第2実施形態]
第1実施形態で述べた圧延中間品の生産管理方法を用いることで、鋳片Wを仮のサイズで圧延することができ、連続鋳造工程1で鋳造した鋳片Wは冷鋳片となることがなく、直ちに熱間圧延工程2へ移送することが可能となり、ひいては、圧延工程における全操業に対するHCR操業の割合を増やすことが可能となる。
仮のサイズで圧延したコイル材が、その後の一定期間内に受注を受けることがなければ、そのコイル材はリサイクルされることとなる。リサイクルとは、「転炉での冷鉄源として溶解する」、「一般汎用コイル材として安価に出荷する」などである。リサイクルを行うと、前者の場合、熱延コストと再溶解の熱コストが無駄となり、後者の場合、本来の出荷価格との差額が損害となる。これらが頻発するようであると、HCR操業化によるコストダウン効果よりも損害の方が大きくなり、却って操業コストがアップすることになる。
すなわち、仮のサイズに圧延した鋳片Wに対する受注が、その後の一定期間に発生しない確率を導出し、その上で、HCR比率向上によるコスト削減と、受注未達によるコストアップをあわせた期待値を求め、その上で、何本の鋳片Wを仮のサイズで熱間圧延するかを決定するようにしている。
図2中の(1)に示される表は、過去6ヶ月の受注本数を示したものである。受注したコイル材のサイズは、幅X1、板厚Y1である。図2中の(1)の表から判るように、例えば、1月の1旬(10日間)でのコイル材の受注本数は5本、1月の2旬でのコイル材の受注本数は10本、1月の3旬でのコイル材の受注本数は0本、となっている。
図2中の(3)に示される表は、仮サイズで圧延した鋳片Wの本数nを可変とした場合での「3旬後の残存コイル数」及び「統計情報」を示したものである。図2中の(3)の表では、16旬分のデータ(1月1旬〜6月1旬)が示されている。
この表の右半分にある「30日後に残るコイル数の期待値」とは、残存するコイル数の平均値であり、仮のサイズで圧延する鋳片Wが15本の場合(図2中の(3)が示す表の1行目)、(1+6+4+4+2)/16=1.063(本/旬)となっている。
以上の情報を基に「コスト削減期待値」を計算する。例えば、図2中の(3)の表の1行目に対応するコスト削減期待値は、連続鋳造工程1で製造された鋳片Wのうち、15本の「未紐付き鋳片W」を仮の圧延サイズで圧延した場合における最終的なコストの推定値である。コスト削減期待値がプラスの場合は、コスト削減効果が生じることとなる。
上記した計算を、圧延本数14本〜1本に亘り計算した結果が、図2中の(3)に示し
てある。この結果から明らかなように、未紐付き鋳片Wを仮のサイズ(幅X1、板厚Y1)で11本以下で圧延し、HCR操業を行った場合、トータルコストを削減することができ、最も効果が大きいのは、未紐付き鋳片Wを仮のサイズ(幅X1、板厚Y1)で、且つ9本で圧延したとき(コスト削減期待値4万5千円)であることがわかる。
[第3実施形態]
なお、第2実施形態では、1つの仮サイズで鋳片Wを圧延した場合について、過去の受注実績などから得られる「統計情報」を基に、圧延本数を決めていた。
そこで、第3実施形態では、図2〜図4に示すように、複数の仮のサイズで鋳片Wを圧延した場合を考え、各サイズにおいて、第2実施形態の手法を適用し、コスト削減期待値を計算するとよい。
図2から明らかなように、仮のサイズ「幅X1、板厚Y1」では、9本圧延したときのコスト削減期待値が最も高く、4万5千円であり、図3から明らかなように、仮のサイズ「幅X2、板厚Y2」では、7本圧延したときのコスト削減期待値が最も高く、3万5千円である。また、図4から明らかなように、仮のサイズ「幅X3、板厚Y3」では、12本圧延したときのコスト削減期待値が最も高く、6万円である。
以上述べたように、複数の仮のサイズのそれぞれにおいて、コスト削減期待値を算出し、算出したコスト削減期待値を基に、熱間圧延工程2へ移送する未紐付き鋳片Wの仮のサイズ及び本数を決定することで、圧延工程での全操業に対するHCR操業の割合を正確に増やすことができ、圧延工程のコストダウンを図ることが可能となる。
2 熱間圧延工程
3 加熱炉
W 鋳片
Claims (2)
- 圧延中間品である「連続鋳造工程で鋳造した鋳片」を熱間圧延工程に移送し、当該熱間圧延工程で圧延を行うことで圧延材を製造する圧延工程において、
前記鋳片のなかに、受注を受けていない鋳片である「未紐付き鋳片」が存在した際には、前記未紐付き鋳片を熱間圧延工程へ移送し、仮の板幅及板厚にて圧延するものとし、
前記未紐付き鋳片が該当する鋼種における過去の圧延実績を調べ、当該鋼種の鋳片の圧延後の板幅及板厚が1種類のみであった場合には、前記仮の板幅及板厚として、前記1種類の圧延後の板幅及板厚を採用し、当該鋼種の鋳片の圧延後の板幅及板厚が複数であった場合には、仮の板幅及板厚にて圧延した圧延材を製品として出荷したときの利益と、仮の板幅及板厚にて圧延した圧延材をリサイクルしたときの損失とを基に、コスト削減期待値を算出し、前記仮の板幅及板厚として、前記コスト削減期待値が最も大きい圧延後の板幅及板厚を採用する
ことを特徴とする圧延中間品の生産管理方法。 - 算出したコスト削減期待値を基に、熱間圧延工程へ移送する未紐付き鋳片の本数を決定することを特徴とする請求項1に記載の圧延中間品の生産管理方法。
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