JP2014066523A - 信号処理装置、放射線検出装置及び蛍光x線分析装置 - Google Patents

信号処理装置、放射線検出装置及び蛍光x線分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】オフセット値の変更が不感時間に及ぼす影響を排除して、不感時間を短縮することができる信号処理装置、放射線検出装置及び蛍光X線分析装置を提供する。
【解決手段】積分部11は、X線検出器(放射線検出器)2からの信号を積分して、階段状に信号値が上昇する信号を生成する。オフセット部12は、積分部11からの信号を二つにして、夫々の信号にオフセット値を加算する。オフセット制御部14は、二つの信号で互いに異なったタイミングで、信号値が所定の上限値以下になるようにオフセット値を変更する。波高分析部16は、二つの信号の内でオフセット値を変更するタイミングになっていない信号を分析対象とする。オフセット値の変更による信号値の変化を避けて信号を分析することが可能となり、オフセット値の変更が不感時間に影響しなくなる。従って、従来に比べて不感時間を短くすることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線検出器からの信号を処理する信号処理装置、該信号処理装置を用いた放射線検出装置及び蛍光X線分析装置に関する。
従来、X線等の放射線を検出する放射線検出器が利用されている。例えば、放射線検出器は蛍光X線分析に利用される。放射線検出器を備える放射線検出装置では、放射線検出器は放射線に応じた強度の信号を出力し、出力した信号は積分され、更にA/D(アナログ/デジタル)変換される。放射線検出装置は、放射線のエネルギー別に信号をカウントして、放射線のスペクトルを得る。放射線検出器が出力した信号を積分した後の信号は、放射線が検出される都度信号値が上昇する階段状の信号となる。放射線検出装置は、一定値以下に収まるように積分後の信号を適宜リセットさせる構成となっている。この結果、積分後の信号は、階段状に上昇し、一定値に達したときに初期値に戻る信号となる。
リセットが行われている間は、信号の積分を行うことができないので、放射線を検出することができない不感時間となる。信号のダイナミックレンジを大きくすることにより、リセットの回数が減少し、不感時間を短くすることができる。しかしながら、A/D変換を行うA/D変換部のダイナミックレンジには限界があり、A/D変換を行うべき信号のダイナミックレンジがA/D変換部のダイナミックレンジよりも大きい場合は、A/D変換部は正常なA/D変換ができない。そこで、A/D変換部へ入力する信号に所定のオフセット値を加算し、信号がA/D変換部のダイナミックレンジを越えないようにオフセット値を適宜変更することにより、信号をA/D変換器のダイナミックレンジ内に納める技術が開発されている。この技術は、特許文献1に開示されている。
特開2001−21653号公報
オフセット値を変更するときには、オフセット値の変更量だけ信号強度が変化する。オフセット値の変更に必要な時間は、信号のリセットに必要な時間より短いものの、オフセット値の変更中は放射線の検出に応じた信号値の変化を検出することができないので、オフセット値の変更は不感時間の原因となる。放射線検出の不感時間を短縮するためには、オフセット値の変更の影響を小さくする必要がある。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、オフセット値の変更が不感時間に及ぼす影響を排除して、不感時間を短縮することができる信号処理装置、放射線検出装置及び蛍光X線分析装置を提供することにある。
本発明に係る信号処理装置は、複数のパルスを含む信号を積分することにより、階段状に信号値が上昇していく信号を生成し、一定値に信号値が達した場合に信号値を予め定められた初期値に戻す積分部と、該積分部が生成した信号に所定のオフセット値を加算するオフセット部と、該オフセット部がオフセット値を加算した後の信号を分析して、信号値が階段状に上昇する高さに対応する前記パルスの積分値及び前記パルスの数の関係を表すスペクトルを生成する波高分析部とを備える信号処理装置において、前記オフセット部は、前記積分部が生成した信号を並列な複数の信号にして夫々にオフセット値を加算するように構成してあり、前記波高分析部は、前記積分部が信号値を初期値に戻した場合に、前記オフセット部でのオフセット値を所定の値に定める手段と、前記複数の信号間で異なったタイミングで、オフセット値を変更する手段とを有し、前記オフセット部がオフセット値を加算した複数の信号の内、一つの信号を分析し、前記一つの信号のオフセット値が変更された場合に分析の対象を他の信号に替えるように構成してあることを特徴とする。
本発明に係る信号処理装置は、前記波高分析部は、前記所定の値を前記複数の信号間で異なった値にしてあり、前記オフセット部がオフセット値を加算した後の信号値を共通の上限値以下にすべくオフセット値を変更するように構成してあることを特徴とする。
本発明に係る信号処理装置は、前記オフセット部は、前記積分部が生成した信号を並列な二つの信号にするように構成してあり、前記波高分析部は、一方の信号の時間変化がゼロ以上である場合に、前記一方の信号を分析対象にする手段と、前記時間変化がマイナスである場合に、他方の信号を分析対象にする手段とを更に有することを特徴とする。
本発明に係る信号処理装置は、前記積分部は、外部から複数のパルスを含む信号を入力され、入力された信号を積分するように構成してあり、前記波高分析部は、前記オフセット部がオフセット値を加算した後の信号をA/D変換するA/D変換部を更に有し、該A/D変換部がA/D変換した信号に基づいて前記スペクトルを生成するように構成してあることを特徴とする。
本発明に係る放射線検出装置は、放射線検出時に放射線のエネルギーに応じたパルスを出力する放射線検出器と、該放射線検出器が出力したパルスを含む信号を入力され、放射線のエネルギーと検出回数との関係を表すスペクトルを生成する請求項4に記載の信号処理装置とを備えることを特徴とする。
本発明に係る蛍光X線分析装置は、試料へX線を照射する手段と、試料から発生した蛍光X線を検出する本発明に係る放射線検出装置とを備えることを特徴とする。
本発明においては、信号処理装置は、階段状に上昇する信号を並列な複数の信号にして夫々にオフセット値を加算し、オフセット値を変更するタイミングを信号別に異ならせ、オフセット値を変更するタイミングではない一つの信号を分析対象にする。これにより、信号処理装置は、オフセット値の変更による信号値の変化を避けて信号の分析を行うことができる。信号処理装置を備えた放射線検出装置又は蛍光X線分析装置では、オフセット値の変更とは無関係に、放射線又は蛍光X線の検出に応じた信号の分析を行うことができる。
また、本発明においては、信号処理装置は、リセット時に信号に加算するオフセット値を複数の信号間で異なった値とし、信号値が共通の上限値以下になるようにオフセット値を変更することにより、オフセット値を変更するタイミングを異ならせる。
また、本発明においては、信号処理装置は、二つの信号の内の一方の信号の時間変化がゼロ以上である場合に一方の信号の分析を行い、時間変化がマイナスである場合に他方の信号の分析を行う。これにより、オフセット値を変更するタイミングを避けて信号の分析が行われる。
また、本発明においては、信号処理装置は、放射線検出器からの複数のパルスが含まれる信号を積分して階段状に上昇する信号を生成し、放射線検出器が検出した放射線のスペクトルを生成する。
本発明にあっては、信号処理装置は、オフセット値の変更が不感時間に及ぼす影響を排除することができる。また、放射線検出装置は、従来に比べて不感時間を短くすることができ、より効率的に蛍光X線を検出することが可能となる。従って、蛍光X線分析装置は、試料の蛍光X線分析に必要な時間を短縮することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
実施の形態1に係る蛍光X線分析装置の機能構成を示すブロック図である。 積分部が生成する信号の例を示す特性図である。 オフセット部で生成する一方の信号の例を示す特性図である。 オフセット部で生成する他方の信号の例を示す特性図である。 実施の形態1に係るA/D変換部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る信号処理装置の機能構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る分析部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る蛍光X線分析装置の機能構成を示すブロック図である。蛍光X線分析装置は、試料5を保持する試料保持部4と、試料5へX線を照射するX線管31と、X線の照射によって試料5から発生する蛍光X線を検出するX線検出器2とを備えている。X線管31には、X線管31の動作を制御するX線管制御部32が接続されている。なお、蛍光X線分析装置は、X線管31以外のX線源を備えた形態であってもよい。X線検出器2は、SDD(Silicon Drift Detector)等の半導体検出器であり、入射した蛍光X線のエネルギーに応じた電荷を発生し、発生した電荷に応じたパルス電流を出力する。パルス電流の積分は電荷量に対応するので、X線検出器2が出力したパルス電流の積分は、X線検出器2が検出した蛍光X線のエネルギーに対応する。このように、X線検出器2は、蛍光X線を検出する都度、蛍光X線のエネルギーに応じたパルス電流を出力する。X線検出器2は、本発明における放射線検出器に対応する。図1中には、X線管31が照射するX線、及びX線検出器2が検出する蛍光X線を矢印で示す。
X線検出器2には、積分部11が接続されている。X線検出器2が出力する複数のパルス電流からなる電流信号は、積分部11へ入力される。積分部11は、X線検出器2からの電流信号を積分して、階段状に信号値が上昇していく電圧信号を生成する。また、積分部11は、電圧信号のリセットを適宜行う。積分部11は、生成した電圧信号を出力する。積分部11には、オフセット部12が接続されている。オフセット部12は、積分部11が出力した電圧信号にオフセット値を加算し、加算後の信号を出力する。
オフセット部12には、波高分析部16が接続されている。波高分析部16は、A/D変換部13、オフセット制御部14及び分析部15を含んで構成されている。A/D変換部13は、オフセット部12に接続されており、オフセット部12が出力した信号をA/D変換し、A/D変換後の信号を出力する。オフセット部12及びA/D変換部13には、オフセット制御部14が接続されている。オフセット制御部14は、オフセット部12でのオフセット値を変更し、また、オフセット値の変更のタイミングを制御する。A/D変換部13には、分析部15が接続されている。分析部15は、A/D変換後の信号に基づいて、X線検出器2が検出した蛍光X線のスペクトルを生成する処理を行う。本実施の形態に係る信号処理装置1は、積分部11、オフセット部12及び波高分析部16を含んでいる。また、信号処理装置1とX線検出器2との組み合わせは、本実施の形態に係る放射線検出装置である。
次に、蛍光X線分析装置の動作をより詳細に説明する。図2は、積分部11が生成する信号の例を示す特性図である。図2中の横軸は時間を示し、縦軸は信号値を示している。信号値は電圧である。積分部11は、X線検出器2からの電流信号を積分して、電圧信号を生成する。生成した電圧信号は、図2に示すように、時間経過に従って階段状に信号値が上昇していく信号となる。積分後の信号において信号値が階段状に上昇する夫々の部分の高さは、X線検出器2からの電流信号に含まれる各パルス電流の積分値に対応する。従って、積分部11が生成する信号に含まれる各階段の高さは、X線検出器2が検出した蛍光X線のエネルギーに応じた値である。また夫々の高さの階段が信号に含まれる回数は、夫々の積分値を有するパルス電流の数に対応し、夫々のエネルギーを有する蛍光X線の検出回数に対応する。更に、積分部11は、電圧信号の信号値が所定の基準値に達した場合に、信号値を初期値にリセットする処理を行う。図2には、初期値がゼロである例を示す。積分部11は、積分用のキャパシタを備えており、基準値に対応する電荷がキャパシタに蓄積された場合にキャパシタを放電させることにより、リセットを行う。図2には、リセットのタイミングを矢印で示している。結果として、積分部11からは、時間経過に従って信号値が階段状に上昇し、信号値が基準値から初期値に戻る信号が出力される。
オフセット部12は、夫々に入力端を有する処理回路を並列に二つ備えており、積分部11からの信号を夫々の入力端に並列に入力され、各処理回路において信号にオフセット値を加算する。なお、オフセット部12は、入力端は一つであり、入力された信号を内部で並列な二つの信号に分離する形態であってもよい。A/D変換部13は、A/D変換を行うことができる信号の上限値及び下限値が定められている。上限値と下限値との間のダイナミックレンジは、積分部11のダイナミックレンジよりも狭く、積分部11のダイナミックレンジの半分よりも広いとする。オフセット部12は、A/D変換部13でのA/D変換が可能な上限値及び下限値の範囲内に信号値が含まれるように、積分部11からの信号にオフセット値を加算する処理を行う。
図3は、オフセット部12で生成する一方の信号の例を示す特性図である。図3中の横軸は時間を示し、縦軸は信号値を示している。信号値は電圧である。図2に示す如き積分部11からの信号に対して、オフセット部12は、所定のオフセット値Aを加算する。図3に示す例では、オフセット値AはA/D変換部13でのA/D変換が可能な下限値に等しい値である。信号値は階段状に上昇し、信号値が上限値に達した場合に、オフセット制御部14は、オフセット部12でのオフセット値をAよりも小さい値に変更する。図3に示す例では、オフセット値をゼロに変更する。図3中には、オフセット値の変更のタイミングを矢印で示している。オフセット値がゼロになったことにより、信号値は値Aだけ減少する。信号値は、再度階段状に上昇し、積分部11のリセットによって減少する。積分部11のリセットが行われた場合に、オフセット制御部14は、オフセット値を値Aに変更する。図3中には、リセットのタイミングを矢印で示している。このように、リセット時とオフセット値の変更時に信号値が減少する階段状の信号が生成される。
図4は、オフセット部12で生成する他方の信号の例を示す特性図である。図4中の横軸は時間を示し、縦軸は信号値を示している。信号値は電圧である。図2に示す如き積分部11からの信号に対して、オフセット部12は、所定のオフセット値Bを加算する。オフセット値Bは、一方の信号に加算するオフセット値Aとは異なる値である。図4に示す例では、オフセット値BはA/D変換部13でのA/D変換が可能な下限値よりも小さい値である。このため、信号の一部は、信号値が下限値よりも小さくなる。信号値は階段状に上昇し、信号値が上限値に達した場合に、オフセット制御部14は、オフセット部12でのオフセット値をBよりも小さい値に変更する。図4に示す例では、オフセット値をゼロに変更する。図4中には、オフセット値の変更のタイミングを矢印で示している。オフセット値がゼロになったことにより、信号値は値Bだけ減少する。信号値は、再度階段状に上昇し、積分部11のリセットによって減少する。積分部11のリセットが行われた場合に、オフセット制御部14は、オフセット値を値Bに変更する。図4中には、リセットのタイミングを矢印で示している。
図3及び図4に示すように、オフセット部12は二つの信号を並行に生成する。二つの信号は、リセットのタイミングは同じであるものの、オフセット値を変更するタイミングは互いに異なっている。オフセット部12は、生成した二つの信号を出力する。
A/D変換部13は、オフセット部12からの二つの信号を入力される。図5は、実施の形態1に係るA/D変換部13が実行する処理の手順を示すフローチャートである。A/D変換部13は、入力された二つの信号の内、一方の信号の時間変化を計算する(S11)。例えば、A/D変換部13は、ステップS11で、信号値の時間に対する微分値を計算する。A/D変換部13は、次に、計算した信号の時間変化がゼロ以上であるか否かを判定する(S12)。信号の時間変化がゼロ以上である場合は(S12:YES)、A/D変換部13は、一方の信号をA/D変換の対象に選択し(S13)、選択した信号のA/D変換を行う(S14)。ステップS12で信号の時間変化がマイナスである場合は(S12:NO)、A/D変換部13は、他方の信号をA/D変換の対象に選択し(S15)、選択した信号のA/D変換を行う(S14)。ステップS14の後は、A/D変換部13は処理をステップS11へ戻す。なお、A/D変換部13は、信号の時間変化がマイナスである場合にリセットが行われているか否かを判定し、リセットが行われている場合にはA/D変換を行わずに待機する処理を行ってもよい。
一方の信号の時間変化がマイナスになっている場合は、一方の信号のオフセット値が変更された場合である。この場合は、オフセット値の変更によって信号値が変化しているので、蛍光X線の検出に応じた信号値は得られない。二つの信号でオフセット値を変更するタイミングは異なっているので、一方の信号のオフセット値が変更された場合は、他方の信号は蛍光X線の検出に応じた信号値を示している。従って、一方の信号の時間変化がマイナスになっている場合に他方の信号をA/D変換することにより、一方の信号でオフセット値を変更されるタイミングでも、蛍光X線の検出に応じた信号の分析が可能になる。このため、オフセット値変更が不感時間の原因になることは無い。
なお、A/D変換部13は、信号の時間変化がマイナスになる都度、A/D変換の対象の信号を変更する処理を行ってもよい。但し、二つの信号はノイズが同一にはならないので、一方の信号に加えて他方の信号を利用する頻度が多いほど、A/D変換の結果にノイズが大きくなり、蛍光X線の検出精度が悪化する。従って、図4に示したように、A/D変換部13は、主に一方の信号をA/D変換し、一方の信号の時間変化がマイナスになる場合に限って他方の信号のA/D変換を行うことが望ましい。また、A/D変換部13が主にA/D変換を行う一方の信号は、A/D変換部13でのA/D変換が可能な上限値及び下限値の範囲内に全てが含まれる信号であることが望ましい。なお、二つの信号は、A/D変換の対象に選択されたときに信号値が上限値及び下限値の範囲内に入っていればよい。
オフセット制御部14は、各信号を読み取り、読み取った信号に基づいて、オフセット部12でのオフセット値を変更する。例えば、オフセット制御部14は、A/D変換部13に入力される一方の信号を読み取り、読み取った信号値が上限値に達した場合に、一方の信号のオフセット値を変更する。他方の信号についても、同様に処理が行われる。また、オフセット制御部14は、リセットが行われた場合に、オフセット部12でのオフセット値を変更する。なお、オフセット制御部14は、A/D変換後の信号に基づいて制御を行ってもよい。
A/D変換部13は、A/D変換した信号を出力する。分析部15は、A/D変換部13からの信号を入力される。分析部15は、入力された信号を適宜整形し、整形前の信号値が階段状に上昇する高さに対応する蛍光X線のエネルギーを計算する。信号値が階段状に上昇することは、蛍光X線の検出に対応しており、分析部15は、信号中で階段状に上昇する部分を階段の高さ別にカウントすることにより、エネルギー別に蛍光X線の検出回数をカウントする。このようにして、分析部15は、蛍光X線の検出回数とエネルギーとの関係を表すスペクトルを生成する処理を行う。分析部15は、更に、スペクトルを図示しないディスプレイ等の出力部で出力する処理、又は蛍光X線の原因となる元素を同定する処理を実行してもよい。
以上詳述した如く、本実施の形態においては、オフセット部12は、積分部11が生成した信号を並列な二つの信号にしてオフセット値を加算し、オフセット制御部14は、オフセット値を変更するタイミングを信号別に異ならせる。このため、オフセット部12からA/D変換部13へ入力される二つの信号は、オフセット値の変更によって信号値が変化するタイミングが異なる。A/D変換部13は、一方の信号のオフセット値が変更された場合に他方の信号をA/D変換する。これにより、波高分析部16は、分析対象とする信号を選択し、オフセット値の変更による信号値の変化を避けて信号の分析を行うことができる。オフセット値の変更を行っても蛍光X線の検出に応じた信号を得ることができるようになり、信号処理装置1は、オフセット値の変更が不感時間に及ぼす影響を排除することができる。また、放射線検出装置は、従来に比べて不感時間を短くすることができ、より効率的に蛍光X線を検出することが可能となる。効率的な蛍光X線の検出が可能となったことによって、蛍光X線分析装置は、試料5の蛍光X線分析に必要な時間を短縮することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、オフセット制御部14がオフセット値を変更するための信号値の基準がA/D変換部13でA/D変換を行うことができる信号の上限値と同一であるとしたが、この基準は上限値よりも小さい他の値であってもよい。また、本実施の形態においては、オフセット値がゼロ以上の値である形態を示したが、オフセット値はマイナスの値であってもよい。同様に、A/D変換部13でA/D変換を行うことができる信号の上限値及び下限値はマイナスの値であってもよい。例えば、上限値がプラスの値であり、下限値がマイナスの値であってもよい。また、本実施の形態においては、リセット間のオフセット値の変更回数が一回である形態を示したが、信号処理装置1は、オフセット制御部14がリセット間に二回以上オフセット値を変更する形態であってもよい。また、信号処理装置1は、オフセット部12が並列な三つ以上の信号にオフセット値を加算する形態であってもよい。何れの形態においても、オフセット値を変更するタイミングが複数の信号で異なっており、A/D変換の対象の信号が上限値及び下限値の範囲内であれば、本発明は実現可能である。
(実施の形態2)
実施の形態1においては、波高分析部16での分析対象となる信号をA/D変換部13で選択する形態を示したが、実施の形態2においては、分析対象となる信号を分析部15で選択する形態を示す。図6は、実施の形態2に係る信号処理装置1の機能構成を示すブロック図である。信号処理装置1は、実施の形態1と同様に、X線検出器2に接続されている。オフセット部12は、オフセット回路121及び122を備え、積分部11にオフセット回路121とオフセット回路122とが並列に接続されている。積分部11は、同一の信号をオフセット回路121及び122へ入力する。オフセット回路121及び122は、夫々に、積分部11からの信号にオフセット値を加算し、加算後の信号を出力する。オフセット回路121には、A/D変換部131及びオフセット制御部141が接続されており、オフセット回路122には、A/D変換部132及びオフセット制御部142が接続されている。また、A/D変換部131及び132は、分析部15に接続されている。波高分析部16は、A/D変換部131及び132、オフセット制御部141及び142並びに分析部15を含んで構成されている。
オフセット回路121、A/D変換部131及びオフセット制御部141と、オフセット回路122、A/D変換部132及びオフセット制御部142とは、並行して信号を生成する。また、オフセット回路121、A/D変換部131及びオフセット制御部141と、オフセット回路122、A/D変換部132及びオフセット制御部142とは、信号中のオフセット値を変更するタイミングが互いに異なるように動作する。例えば、実施の形態1と同様に、A/D変換部131及び132でA/D変換を行うことができる信号の上限値を同一とし、オフセット回路121とオフセット回路122とでのオフセット値を互いに異ならせてもよい。また、例えば、オフセット回路121及び122でのオフセット値を同一の値とし、A/D変換部131とA/D変換部132とでA/D変換の上限値を互いに異ならせることで、オフセット値を変更するタイミングを異ならせてもよい。
分析部15は、A/D変換部131及び132から信号を入力される。図7は、実施の形態2に係る分析部15が実行する処理の手順を示すフローチャートである。分析部15は、信号値が階段状に上昇する高さを得るために、所定の方法で、入力された二つの信号を整形する処理を行う(S21)。ステップS21では、分析部15は、整形前の信号の時間変化がゼロ以上である場合に整形後の信号値がゼロ以上になり、整形前の信号の時間変化がマイナスである場合に整形後の信号値がゼロ未満になるように信号を整形する処理を行う。例えば、分析部15は、信号の移動平均を計算する処理、又は適宜のフィルタを用いたフィルタリングを行う。整形前の信号の時間変化がゼロ以上である場合に整形後の信号値がゼロ以上になり、整形前の信号の時間変化がマイナスである場合に整形後の信号値がゼロ未満になるような処理であれば、分析部15は、その他の信号処理を行ってもよい。
分析部15は、次に、整形後の一方の信号値がゼロ以上であるか否かを判定する(S22)。整形後の信号値がゼロ以上であることは、整形前の信号の時間変化がゼロ以上であることを意味し、整形後の信号値がゼロ未満であることは、整形前の信号の時間変化がマイナスであることを意味する。整形後の一方の信号値がゼロ以上である場合は(S22:YES)、分析部15は、分析対象として一方の信号を選択する(S23)。分析部15は、次に、選択した信号から蛍光X線のスペクトルを生成するためのスペクトル生成処理を行う(S24)。ステップS24では、分析部15は、整形前の信号に含まれる階段の高さに対応する蛍光X線のエネルギーを計算し、計算したエネルギーの蛍光X線の検出回数をカウントする処理を行う。ステップS22で信号値がゼロ未満である場合は(S22:NO)、分析部15は、分析対象として他方の信号を選択する(S25)。分析部15は、次に、選択した信号から蛍光X線のスペクトルを生成するためのスペクトル生成処理を行う(S24)。ステップS24の後は、分析部15は処理をステップS21へ戻す。なお、分析部15は、整形後の信号値がゼロ未満である場合にリセットが行われているか否かを判定し、リセットが行われている場合に待機する処理を行ってもよい。分析部15は、ステップS21〜S25の処理を繰り返すことによって、蛍光X線のスペクトルを生成する。
なお、分析部15は、整形後の信号値がゼロ未満になる都度、分析対象の信号を変更する処理を行ってもよい。但し、図7に示した処理のように、分析部15は、主に一方の信号を分析対象とし、一方の信号の分析ができない場合に限って他方の信号を分析対象とすることが望ましい。また、分析部15が主に分析対象とする一方の信号は、A/D変換部131又は132でA/D変換ができない部分がなく連続した信号であることが望ましい。
本実施の形態においては、分析部15へ入力される二つの信号は、オフセット値の変更によって信号値が変化するタイミングが異なり、分析部15は、分析対象の信号を適宜選択して、オフセット値の変更による信号値の変化を避けて信号の分析を行うことができる。このため、信号処理装置1は、オフセット値の変更が蛍光X線検出の不感時間に及ぼす影響を排除することができる。従って、本実施の形態においても、放射線検出装置は、従来に比べて不感時間を短くすることができ、より効率的に蛍光X線を検出することが可能となり、蛍光X線分析装置は、試料5の蛍光X線分析に必要な時間を短縮することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、二つの信号から分析部15が分析対象を選択する形態を示したが、信号処理装置1は、並列な三つ以上の信号を生成し、三つ以上の信号から分析部15が分析対象を選択する形態であってもよい。
また、以上の実施の形態1及び2においては、放射線検出装置が蛍光X線分析装置に備えられた形態を示したが、放射線検出装置は、他の装置を構成した形態であってもよい。また、放射線検出装置は、X線以外の放射線を検出する形態であってもよい。また、実施の形態1及び2においては、信号処理装置に必要な処理をハードウェアで実行する形態を示したが、信号処理装置は、一部のデジタル処理をソフトウェアで実行する形態であってもよい。
1 信号処理装置
11 積分部
12 オフセット部
121、122 オフセット回路
13、131、132 A/D変換部
14、141、142 オフセット制御部
15 分析部
16 波高分析部
2 X線検出器(放射線検出器)
31 X線管

Claims (6)

  1. 複数のパルスを含む信号を積分することにより、階段状に信号値が上昇していく信号を生成し、一定値に信号値が達した場合に信号値を予め定められた初期値に戻す積分部と、
    該積分部が生成した信号に所定のオフセット値を加算するオフセット部と、該オフセット部がオフセット値を加算した後の信号を分析して、信号値が階段状に上昇する高さに対応する前記パルスの積分値及び前記パルスの数の関係を表すスペクトルを生成する波高分析部とを備える信号処理装置において、
    前記オフセット部は、前記積分部が生成した信号を並列な複数の信号にして夫々にオフセット値を加算するように構成してあり、
    前記波高分析部は、
    前記積分部が信号値を初期値に戻した場合に、前記オフセット部でのオフセット値を所定の値に定める手段と、
    前記複数の信号間で異なったタイミングで、オフセット値を変更する手段とを有し、
    前記オフセット部がオフセット値を加算した複数の信号の内、一つの信号を分析し、前記一つの信号のオフセット値が変更された場合に分析の対象を他の信号に替えるように構成してあること
    を特徴とする信号処理装置。
  2. 前記波高分析部は、
    前記所定の値を前記複数の信号間で異なった値にしてあり、
    前記オフセット部がオフセット値を加算した後の信号値を共通の上限値以下にすべくオフセット値を変更するように構成してあること
    を特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記オフセット部は、前記積分部が生成した信号を並列な二つの信号にするように構成してあり、
    前記波高分析部は、
    一方の信号の時間変化がゼロ以上である場合に、前記一方の信号を分析対象にする手段と、
    前記時間変化がマイナスである場合に、他方の信号を分析対象にする手段と
    を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の信号処理装置。
  4. 前記積分部は、外部から複数のパルスを含む信号を入力され、入力された信号を積分するように構成してあり、
    前記波高分析部は、
    前記オフセット部がオフセット値を加算した後の信号をA/D変換するA/D変換部を更に有し、
    該A/D変換部がA/D変換した信号に基づいて前記スペクトルを生成するように構成してあること
    を特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の信号処理装置。
  5. 放射線検出時に放射線のエネルギーに応じたパルスを出力する放射線検出器と、
    該放射線検出器が出力したパルスを含む信号を入力され、放射線のエネルギーと検出回数との関係を表すスペクトルを生成する請求項4に記載の信号処理装置と
    を備えることを特徴とする放射線検出装置。
  6. 試料へX線を照射する手段と、
    試料から発生した蛍光X線を検出する請求項5に記載の放射線検出装置と
    を備えることを特徴とする蛍光X線分析装置。
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