JP2014169877A - X線検出装置および試料分析装置 - Google Patents

X線検出装置および試料分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ノイズの影響を低減させることができるX線検出装置を提供する。
【解決手段】 X線検出装置100は、X線を検出して、階段波S110を出力するX線検出器100と、階段波S110を第1パルス信号S120に変換する第1微分フィルター部120と、第1パルス信号S120が閾値を超えたか否かを判定するイベント検出部140と、第1パルス信号S120が閾値を超えている時間が、所与の時間よりも短いか否かを判定するノイズイベント検出部150と、階段波S110を、段差の高さに応じた高さのピークを有する第2パルス信号S160に変換する第2微分フィルター部160と、第1パルス信号S120が閾値を超えたと判定された場合に、第2パルス信号S160の最大値の検出を開始する最大値検出部170と、ノイズイベント検出部150の判定結果に基づいて、最大値の情報を出力するか否かを判定する判定部180と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線検出装置および試料分析装置に関する。
X線検出装置として、エネルギー分散型X線検出装置(Energy Dispersive X−ray spectroscopy、EDS)や、波長分散型X線検出装置(Wavelength−Dispersive X−ray spectroscopy、WDS)が知られている。
エネルギー分散型のX線検出装置は、試料から発生したX線を、直接、半導体検出器で検出し、電気信号に変えて分光分析する。
例えば、特許文献1に開示されているエネルギー分散型のX線検出器を備えた蛍光X線分析装置では、まず、半導体検出器がX線を検出し、当該半導体検出器の出力をプリアンプで増幅して階段状の電圧パルス信号とする。この電圧パルス信号を各階段の高さに応じた波高を持つパルスに成形して出力し、A/D変換器でデジタル化する。そして、マルチチャンネルアナライザで、このデジタル化されたパルス信号の波高値に応じて各パルス信号を弁別した後にそれぞれ計数し、波高分布図(エネルギースペクトルヒストグラム)を作成している。
特開2007−327902公報
図9は、従来のX線検出装置1の構成を説明するための機能ブロック図である。
X線検出装置1では、X線検出器10の出力信号が、信号処理回路2で波高分析処理される。波高分析処理の結果は、PC(パーソナルコンピューター)50で取得され、スペクトルとして表示される。
ここで、信号処理回路2の処理について説明する。図10は、メインフィルター20の処理を説明するための図である。図11は、イベント検出処理部30の処理を説明するための図である。図12は、波高分析処理部40の処理を説明するための図である。
メインフィルター20は、図10(A)に示すX線検出器10の出力(階段波S10)を、図10(B)に示す、縦軸がX線エネルギーに対応するパルス信号S20に変換する処理を行う。
イベント検出処理部30は、図11(A)に示すX線検出器10の出力(階段波S10)を、図11(B)に示す、縦軸がX線エネルギーに対応するパルス信号S3に変換する処理を行う。そして、イベント検出処理部30は、図11(C)に示すように、パルス信号S3に閾値THを設定して、パルス信号S30が閾値THを超えた場合に、イベント信号S30を出力する処理を行う。
波高分析処理部40は、メインフィルター20の出力信号S20およびイベント検出処
理部30のイベント信号S30に基づいて、パルス信号S20のピークの高さを分析する処理を行う。波高分析処理部40は、図12に示すように、イベント信号S30を受けて、パルス信号S20の最大値を検出する処理を開始する。そして、メインフィルター20の時定数に応じた期間L内で、パルス信号S20の最大値を検出し出力する処理を行う。この結果は、PC50にX線エネルギー信号S40として送られる。
PC50は、X線エネルギー信号S40を、X線エネルギーに応じて弁別した後に計数し、横軸がX線エネルギー、縦軸がカウント数となるX線スペクトルに変換する処理を行う。
ここで、X線分析装置1では、イベント検出処理部30が、閾値THを超えたものをすべてX線のイベントとして、イベント信号S30を出力している。しかしながら、図13に示すように、パルス信号S3にもノイズがあり、このノイズが閾値THを超える場合がある。
ここで、閾値THを超えたのはノイズであるため、エネルギーが「0」のイベントである。しかしながら、エネルギーが「0」のイベントであるにも関わらず、イベント信号S30が出力されるため、波高分析処理部40では、最大値検出処理が行われる。したがって、PC50では、エネルギーが「0」ではなく、低いエネルギーを持つものとしてカウントされる。これにより、例えばX線スペクトルの低エネルギー側のバックグラウンド強度が増大したり、X線スペクトルに、試料に含まれない元素に対応するピークが観測されたりする場合がある。
図14は、従来のX線検出装置1でB(ボロン)を測定したときのX線スペクトルである。
図14に示すように、X線スペクトルの低エネルギー側には、実際に元素は存在しないにも関わらず、ピークが観測されている。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、ノイズの影響を低減させることができるX線検出装置、および試料分析装置を提供することができる。
(1)本発明に係るX線検出装置は、
X線を検出して、段差の高さが前記X線のエネルギーに相当する階段波を出力するX線検出器と、
前記階段波を、前記段差の高さに応じた高さのピークを有する第1パルス信号に変換する第1微分フィルター部と、
前記第1パルス信号が閾値を超えたか否かを判定するイベント検出部と、
前記第1パルス信号が前記閾値を超えている時間が、所与の時間よりも短いか否かを判定するノイズイベント検出部と、
前記第1微分フィルター部よりも大きい時定数を有し、前記階段波を、前記段差の高さに応じた高さのピークを有する第2パルス信号に変換する第2微分フィルター部と、
前記第1パルス信号が前記閾値を超えたと判定された場合に、前記第2パルス信号の最大値の検出を開始する最大値検出部と、
前記ノイズイベント検出部の判定結果に基づいて、前記最大値の情報を出力するか否かを判定する判定部と、
を含む。
このようなX線検出装置によれば、第1パルス信号が閾値を超えた場合に、閾値を超えたピークが、ノイズに起因するものか否かを判定することができる。そのため、閾値を超えたピークがノイズに起因するピークと判定された場合に、当該ピークの情報を出力しないことができる。したがって、X線スペクトルには、ノイズに起因するピークは反映されず、ノイズに起因するピークの影響を低減させることができる。これにより、例えばX線スペクトルの低エネルギー側のバックグラウンド強度が増大したり、X線スペクトルに、実際には試料に含まれない元素に対応するピークが観測されたりすることを防ぐことができる。
(2)本発明に係るX線検出装置は、
X線を検出して、段差の高さが前記X線のエネルギーに相当する階段波を出力するX線検出器と、
前記階段波を、前記段差の高さに応じた高さのピークを有する第1パルス信号に変換する第1微分フィルター部と、
前記第1パルス信号が第1閾値を超えたか否かを判定するイベント検出部と、
前記第1パルス信号が第2閾値を下まわったか否かを判定するノイズイベント検出部と、
前記第1微分フィルター部よりも大きい時定数を有し、前記階段波を、前記段差の高さに応じた高さのピークを有する第2パルス信号に変換する第2微分フィルター部と、
前記第1パルス信号が前記第1閾値を超えたと判定された場合に、前記第2パルス信号の最大値の検出を開始する最大値検出部と、
前記ノイズイベント検出部の判定結果に基づいて、前記最大値の情報を出力するか否かを判定する判定部と、
を含む。
このようなX線検出装置によれば、第1パルス信号が第1閾値を超えた場合に、第1閾値を超えたピークが、ノイズに起因するものか否かを判定することができる。そのため、第1閾値を超えたピークがノイズに起因するピークと判定された場合に、当該ピークの情報を出力しないことができる。したがって、X線スペクトルには、ノイズに起因するピークは反映されず、ノイズに起因するピークの影響を低減させることができる。これにより、例えばX線スペクトルの低エネルギー側のバックグラウンド強度が増大したり、X線スペクトルに、実際には試料に含まれない元素に対応するピークが観測されたりすることを防ぐことができる。
(3)本発明に係るX線検出装置において、
前記第1パルス信号において、前記ピークは、プラス側に現れ、
前記第1閾値は、プラス側に設定され、
前記第2閾値は、マイナス側に設定されていてもよい。
(4)本発明に係る試料分析装置は、
本発明に係るX線検出装置を含む。
このような試料分析装置によれば、本発明に係るX線検出装置を含むため、ノイズの影響を低減させることができる。
第1実施形態に係るX線検出装置の構成を説明するための機能ブロック図。 第1実施形態に係るX線検出装置のX線検出器の出力信号の一例を模式的に示す図。 第1実施形態に係るX線検出装置の各部材の出力信号の一例を模式的に示す図。 第1実施形態に係るX線検出装置のスペクトル生成部が作成したX線スペクトルの一例を模式的に示す図。 第1実施形態に係るX線検出装置の処理で得られたX線スペクトルと、従来のX線検出装置の処理で得られたX線スペクトルと、を比較した図。 第2実施形態に係るX線検出装置の構成を説明するための機能ブロック図。 第2実施形態に係るX線検出装置の各部材の出力信号の一例を模式的に示す図。 第3実施形態に係る試料分析装置の構成を説明するための機能ブロック図。 従来のX線検出装置の構成を説明するための機能ブロック図。 従来のX線検出装置のメインフィルターの処理を説明するための図。 従来のX線検出装置のイベント検出処理部の処理を説明するための図。 従来のX線検出装置の波高分析処理部の処理を説明するための図。 従来のX線検出装置のイベント検出処理部のパルス信号のノイズについて説明するための図。 従来のX線検出装置でB(ボロン)を測定したときのX線スペクトル。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. X線検出装置の構成
まず、第1実施形態に係るX線検出装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係るX線検出装置100の構成を説明するための機能ブロック図である。
X線検出装置100は、図1に示すように、X線検出器110と、信号処理部101と、スペクトル生成部190と、を含んで構成されている。
X線検出装置100は、エネルギー分散型のX線検出装置である。
X線検出器110は、X線を検出する。X線検出器110は、例えば、シリコン単結晶にリチウムをドリフトさせたSi(Li)検出器、Siにドリフト電圧を印加したシリコンドリフト検出器等の半導体検出器である。X線検出器110は、エネルギー分散型の検出器である。X線検出器110は、例えば、増幅器を備えていてもよく、半導体検出器の出力を、増幅器で増幅して出力してもよい。
図2は、X線検出器110の出力信号S110の一例を模式的に示す図である。X線検出器110は、X線を検出して、検出したX線のエネルギーに相当する高さh1,h2の段差を有する階段波を出力する。すなわち、出力信号S110の各段差の高さh1,h2が、それぞれ検出されたX線のエネルギーに対応する。図2に示す例では、高さh1に相当するエネルギーを持つX線、高さh2に相当するエネルギーを持つX線が検出されている。
X線検出器110の出力信号(階段波)S110は、信号処理部101のイベントフィルター部120と、信号処理部101のメインフィルター部160と、に入力される。
信号処理部101は、イベントフィルター部(第1微分フィルター)120と、比較器
130と、イベント検出部140と、ノイズイベント検出部150と、メインフィルター部(第2微分フィルター)160と、最大値検出部170と、ノイズ判定部180と、を含んで構成されている。信号処理部101の機能は、例えば、ハードウェア(専用回路)やパーソナルコンピューター(PC)等で実現することができる。
イベントフィルター部120は、X線検出器110の出力信号S110を、段差の高さh1,h2に応じた高さ(波高値)のピークを有するパルス信号に変換する処理を行う。イベントフィルター部120は、X線検出器110の出力信号S110を微分する微分フィルターとして機能する。イベントフィルター部120の時定数は、後述するメインフィルター部160の時定数よりも小さい。ここで、時定数とは、応答の速さを表す指標であり、時定数が小さいと応答が速く、時定数が大きいと応答が遅い。
図3(A)は、イベントフィルター部120の出力信号S120の一例を模式的に示す図である。図3(A)に示す出力信号(パルス信号)S120のピークp1の高さp1maxは、図2に示す出力信号(階段波)S110の段差の高さh1に対応し、図3(A)に示す出力信号(パルス信号)S120のピークp2の高さp2maxは、図2に示す出力信号(階段波)S110の段差の高さh2に対応している。すなわち、ピークp1の高さp1maxおよびピークp2の高さp2maxは、それぞれX線検出器110で検出されたX線のエネルギーに対応している。
図3(A)に示すピークdNPは、図2に示すX線検出器110の出力信号(階段波)S110のノイズピークNPに対応するピークである。すなわち、ピークdNPは、ノイズピークNPを微分して得られるピークである。
このように、図3(A)に示すイベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120には、X線のエネルギーに対応する高さp1max,p2maxを有するピークp1,p2と、ノイズに起因するピークdNPと、が現れている。
イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120は、比較器130に入力される。
比較器130は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120と、基準信号(閾値TH)とを、比較する処理を行う。
図3(B)は、比較器130の出力信号S130の一例を模式的に示す図である。比較器130の出力信号S130は、図3(B)に示すように、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が閾値THよりも大きくなると「High」レベルとなり、閾値THよりも小さくなると「Low」レベルとなる。閾値THは、例えば、ピークp1,p2の立ち上がりを検出できる値に設定される。
比較器130の出力信号S130は、イベント検出部140とノイズイベント検出部150とに入力される。
イベント検出部140は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が閾値THを超えたか否かを判定する処理を行う。具体的には、イベント検出部140は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が閾値THを超えた場合に、イベント信号S140を出力する処理を行う。
図3(C)は、イベント検出部140の出力信号(イベント信号)S140の一例を模式的に示す図である。イベント検出部140は、図3(C)に示すように、比較器130
の出力信号S130が「Low」レベルから「High」レベルに切り替わると、イベント信号S140を出力する処理を行う。このようにして、イベント検出部140は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が閾値THを超えたこと、すなわち、出力信号(パルス信号)S120のピークp1,p2,dNPの立ち上がりを検出することができる。
イベント検出部140の出力信号(イベント信号)S140は、最大値検出部170に入力される。
ノイズイベント検出部150は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が閾値THを超えている時間が、所与の時間よりも短いか否かを判定する処理を行う。そして、ノイズイベント検出部150は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が閾値THを超えている時間が所与の時間よりも短いと判定した場合に、ノイズイベント信号S150を出力する処理を行う。
図3(D)は、ノイズイベント検出部150の出力信号S150の一例を模式的に示す図である。ノイズイベント検出部150は、例えば、比較器130の出力信号S130(図3(B)参照)が、「High」レベルの状態を保っている時間を計測する処理を行う。なお、「High」レベルの状態を保っている時間とは、比較器130の出力信号S130が、「Low」レベルから「High」レベルに切り替わってから「Low」レベルに戻るまでの時間である。ノイズイベント検出部150は、例えば、図3(D)に示すように、比較器130の出力信号S130が、「High」レベルの状態を保っている時間が所与の時間よりも短いと判定した場合に、ノイズイベント信号S150を出力する処理を行う。
ここで、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120の各ピークp1,p2の幅W(図3(A)参照)は、イベントフィルター部120の時定数で決まる。したがって、図2に示すX線検出器110の出力信号(階段波)S110の段差の高さh1,h2によらず(すなわちX線のエネルギーによらず)、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120の各ピークp1,p2の幅Wは、ほぼ等しい。
これに対して、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)のピークdNPは、階段波S110の段差ではなく、階段波S110に現れるピーク(ノイズピークNP、図2参照)を微分したものである。そのため、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120のピークdNPの幅WNPは、ピークp1,p2の幅Wに比べて、小さい。
したがって、ノイズイベント検出部150は、出力信号(パルス信号)S120が閾値THを超えている時間が、所与の時間よりも短いか否かを判定することにより、出力信号(パルス信号)S120の閾値THを超えるピークが、ノイズピークNPに起因するピークdNPであるか否かを判定することができる。
例えば、ノイズイベント検出部150は、出力信号(パルス信号)S120が閾値THを超えている時間が、X線のエネルギーに対応する高さp1max,p2maxを有するピークp1,p2の幅Wよりも小さい場合に、ノイズピークNPに起因するピークdNPであると判定することができる。
ノイズイベント検出部150において、ノイズであるか否かの判定の基準となる所与の時間は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120において、X線のエネルギーに起因するピークp1、p2と、ノイズピークNPに起因するピークdNP
とを、区別することができる時間であれば特に限定されない。
ノイズイベント検出部150の出力信号(ノイズイベント信号)S150は、ノイズ判定部180に入力される。
メインフィルター部160は、X線検出器110の出力信号(階段波)S110を、段差の高さに応じた高さ(波高値)のピークを有する第2パルス信号に変換する処理を行う。メインフィルター部160は、X線検出器110の出力信号S110を微分する微分フィルターとして機能する。メインフィルター部160の時定数は、イベントフィルター部120の時定数よりも大きい。
図3(E)は、メインフィルター部160の出力信号S160の一例を模式的に示す図である。図3(E)に示す出力信号(パルス信号)S160のピークP1の高さP1maxは、図2に示す出力信号(階段波)S110の段差の高さh1に対応し、図3(E)に示す出力信号(パルス信号)S160のピークP2の高さP2maxは、図2に示す出力信号(階段波)S110の段差の高さh2に対応している。なお、図3(E)に示す出力信号(パルス信号)S160のピークDNPは、図2に示す出力信号(階段波)S110のノイズピークNPに対応するピークである。
メインフィルター部160の出力信号(パルス信号)S160は、最大値検出部170に入力される。
最大値検出部170は、メインフィルター部160の出力信号(パルス信号)S160の各ピークの最大値を検出する処理を行う。最大値検出部170は、イベント検出部140によって、イベントフィルター部120の出力信号S120が閾値THを超えたと判定された場合に、出力信号(パルス信号)S160の最大値の検出を開始する。
図3(F)は、最大値検出部170の処理を説明するための図である。図3(F)に示すように、最大値検出部170は、イベント信号S140が入力されると出力信号(パルス信号)S160最大値の検出を開始する。そして、最大値検出部170は、検出を開始してから所与の期間L内において、出力信号(パルス信号)S160の最大値を検出する処理を行う。所与の期間Lは、例えば、出力信号S160の1つのピーク(例えばピークP1)が立ち上がってから、立ち下がるまでの時間である。所与の期間Lは、例えば、メインフィルター部160の時定数に応じてあらかじめ設定されている。最大値検出部170は、所与の期間Lが経過すると、検出した出力信号(パルス信号)S160の最大値の情報を出力する処理を行う。
最大値検出部170の出力信号S170は、ノイズ判定部180に入力される。
ノイズ判定部180は、ノイズイベント検出部150の判定結果に基づいて、最大値検出部170で検出された出力信号(パルス信号)S160の最大値の情報を出力するか否かを判定する処理を行う。
図3(G)は、ノイズ判定部180の処理を説明するための図である。ノイズ判定部180は、図3(G)に示すように、ノイズイベント信号S150が、所与の期間L内に入力されなかった場合、出力信号(パルス信号)S160の最大値P1max,P2maxの情報を出力する処理を行う。また、ノイズ判定部180は、ノイズイベント信号S150が、所与の期間L内に入力されると、出力信号(パルス信号)S160の最大値Pnpmaxの情報を出力しない処理を行う。これにより、ノイズピークNP(図2参照)を、スペクトル生成部190で生成されるX線スペクトルに反映させないことができる。
ノイズ判定部180の出力信号S180は、スペクトル生成部190に入力される。
スペクトル生成部190は、ノイズ判定部180の出力信号S180を受けると、最大値P1max,P2maxの値に応じて弁別してそれぞれ計数し、横軸が出力信号(パルス信号)S160のピークP1,P2の高さ(最大値)P1max,P2max、すなわち、X線のエネルギー、縦軸がカウント数となるX線スペクトル(エネルギースペクトル、波高分布図)を作成する処理を行う。
図4は、スペクトル生成部190が作成したX線スペクトルの一例を模式的に示す図である。
スペクトル生成部190の機能は、例えば、パーソナルコンピューター(PC)やハードウェア(専用回路)で実現することができる。
1.2. X線検出装置の動作
次に、X線検出装置100の動作について説明する。
X線検出器110は、X線を検出すると、図2に示す出力信号(階段波)S110を出力する。イベントフィルター部120は、X線検出器110の出力信号(階段波)S110を、パルス信号S120(図3(A)参照)に変換する処理を行う。そして、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120は、比較器130に入力される。また、メインフィルター部160は、イベントフィルター部120と同様に、X線検出器110の出力信号(階段波)S110を、パルス信号S160に変換する処理を行う。そして、メインフィルター部160の出力信号(パルス信号)S160は、最大値検出部170に入力される。
ここで、ピークp1によって、時刻t1でパルス信号S120が閾値THを超えると、比較器130の出力信号S130が「Low」レベルから「High」レベルに切り替わる。これにより、イベント検出部140がイベント信号S140を出力する。最大値検出部170は、このイベント信号S140を受けて、出力信号(パルス信号)S160の最大値を検出する処理を開始する。最大値検出部170は、所与の期間L内において、出力信号(パルス信号)S160の最大値P1maxを検出する処理を行う。
また、時刻t1で比較器130の出力信号S130が「Low」レベルから「High」レベルに切り替わると、ノイズイベント検出部150は、出力信号S130が「High」レベルの状態を保っている時間を計測する処理を行う。ピークp1は、X線エネルギーに対応するピークであるため、「High」レベルの状態を保っている時間が所与の時間以上である。したがって、ノイズイベント検出部150は、比較器130の出力信号S130が、「High」レベルの状態を保っている時間が所与の時間よりも短くないと判定し、ノイズイベント信号S150を出力する処理を行わない。
時刻t1から所与の期間L経過後の時刻t2に、最大値検出部170は、最大値P1maxの情報を含む出力信号S170を出力する。ここで、ノイズ判定部180には、時刻t1から所与の期間L経過する間に、ノイズイベント信号S150が入力されていない。そのため、ノイズ判定部180は、最大値P1maxの情報を含む出力信号S180を、出力する。スペクトル生成部190は、出力信号S180を受けて、最大値P1maxに対応するX線エネルギー値(波高値)をカウントする。
次に、ピークp2によって、時刻t3でパルス信号S120が、再び、閾値THを超え
ると、上述したピークp1のときと同様の処理が行われ、時刻t3から所与の期間L経過後の時刻t4に、最大値検出部170が最大値P2maxの情報を含む出力信号S170を出力し、出力信号S170がノイズ判定部180に入力される。
ここで、ピークp2もピークp1と同様に、X線エネルギーに対応するピークであるため、「High」レベルの状態を保っている時間が所与の時間以上である。したがって、ノイズイベント検出部150は、比較器130の出力信号S130が「High」レベルの状態を保っている時間が所与の時間よりも短くないと判定し、ノイズイベント信号S150を出力する処理を行わない。これにより、ノイズ判定部180には、時刻t3から所与の期間L経過する間に、ノイズイベント信号S150が入力されず、ノイズ判定部180は、最大値P2maxの情報を含む出力信号S180を出力する。スペクトル生成部190は、出力信号S180を受けて、最大値P2maxに対応するX線エネルギー値(波高値)をカウントする。
次に、ピークdNPによって、時刻t5でパルス信号S120が、閾値THを超えると、上述したピークp1、p2のときと同様の処理が行われ、時刻t5から所与の期間L経過後に、最大値検出部170が最大値Pnpmaxの情報を含む出力信号S170を出力し、出力信号S170がノイズ判定部180に入力される。
ここで、ピークdNPは、ノイズピークNP(図2参照)に対応するピークであるため、「High」レベルの状態を保っている時間が所与の時間よりも短い。したがって、ノイズイベント検出部150は、比較器130の出力信号S130が「High」レベルの状態を保っている時間が所与の時間よりも短いと判定し、時刻t5から所与の期間L経過する前の時刻t6に、ノイズイベント信号S150を出力する。
これにより、ノイズ判定部180には、時刻t5から所与の期間L経過する前に、ノイズイベント信号S150が入力され、ノイズ判定部180は、最大値Pnpmaxの情報を含む出力信号を出力する処理を行わない。したがって、スペクトル生成部190において、最大値Pnpmaxに対応するX線エネルギー値(波高値)はカウントされない。
上述した処理を繰り返すことにより、X線スペクトルを作成することができる。
本実施形態に係るX線検出装置100によれば、ノイズイベント検出部150が、イベントフィルター部120のパルス信号S120が閾値THを超えたか否かを判定し、ノイズ判定部180が、ノイズイベント検出部150の判定結果に基づいて、メインフィルター部160の出力信号(パルス信号)S160の最大値の情報を出力するか否かを判定するため、パルス信号S120が閾値THを超えた場合に、当該閾値THを超えたピークが、ノイズに起因するものか否かを判定することができる。そのため、閾値THを超えたピークがノイズに起因するピークと判定された場合に、当該ピークの情報を出力しないことができる。したがって、X線スペクトルには、ノイズに起因するピークは反映されず、ノイズピークNP(図2参照)の影響を低減させることができる。これにより、例えばX線スペクトルの低エネルギー側のバックグラウンド強度が増大したり、X線スペクトルに、実際には試料に含まれない元素に対応するピーク(ノイズに起因するピーク)が観測されたりすることを防ぐことができる。
図5は、本実施形態に係るX線検出装置100の処理で得られたX線スペクトルと、従来のX線検出装置1(図9参照)の処理で得られたX線スペクトルと、を比較した図である。図5において、実線で示すX線スペクトルSp1は、X線検出装置100の処理で得られたものであり、破線で示すX線スペクトルSp2は、従来のX線検出装置1の処理で得られたものである。なお、ここでは、B(ボロン)を測定した結果を示している。
図5に示すように、従来のX線検出装置1のX線スペクトルSp2には、低エネルギー側(0.10keV以下)にノイズに起因するピークが観測されている。これに対して、X線検出装置100のX線スペクトルSp1では、当該ピークが観測されていない。
2. 第2実施形態
2.1. X線検出装置の構成
次に、第2実施形態に係るX線検出装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図6は、第2実施形態に係るX線検出装置200の構成を説明するための機能ブロック図である。以下で説明する第2実施形態に係るX線検出装置において、上述した図1に示す第1実施形態に係るX線検出装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述したX線検出装置100では、ノイズイベント検出部150が、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が閾値THを超えている時間が、所与の時間よりも短いか否かを判定する処理を行うことにより、ノイズピークNPか否かを判定していた。
これに対して、X線検出装置200では、ノイズイベント検出部220が、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が第2閾値を下まわったか否かを判定する処理を行うことにより、ノイズピークNPか否かを判定する。
X線検出装置200の信号処理部101は、イベントフィルター部120と、比較器130(以下「第1比較器130」ともいう)と、第2比較器210と、イベント検出部140と、ノイズイベント検出部220と、メインフィルター部160と、最大値検出部170と、ノイズ判定部180と、を含んで構成されている。
X線検出装置200では、図6に示すように、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120は、第1比較器130と、第2比較器210と、に入力される。図7(A)は、イベントフィルター部120の出力信号S120の一例を模式的に示す図である。
第1比較器130は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120と、基準信号(第1閾値TH+)とを、比較する処理を行う。なお、第1閾値TH+は、図3に示す閾値THと同じ値を有することができる。図7(B)は、第1比較器130の出力信号S130の一例を模式的に示す図である。
第1比較器130の出力信号S130は、イベント検出部140に入力される。
第2比較器210は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120と、基準信号(第2閾値TH−)とを、比較する処理を行う。
図7(H)は、第2比較器210の出力信号S210の一例を模式的に示す図である。第2比較器210の出力信号S210は、図7(H)に示すように、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が第2閾値TH−よりも大きくなると「High」レベルとなり、第2閾値TH−よりも小さくなると「Low」レベルとなる。
第2比較器210の出力信号S210は、ノイズイベント検出部220に入力される。
ノイズイベント検出部220は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号
)S120が第2閾値TH−を下まわったか否かを判定する処理を行う。そして、ノイズイベント検出部220は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が第2閾値TH−を下まわった場合に、ノイズイベント信号S220を出力する処理を行う。
図7(D)は、ノイズイベント検出部220の出力信号S220の一例を模式的に示す図である。ノイズイベント検出部220は、例えば、図7(D)に示すように、第2比較器210の出力信号S210が、「High」レベルから「Low」レベルに切り替わると、ノイズイベント信号S220を出力する処理を行う。これにより、ノイズイベント検出部220は、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120が第2閾値TH−を下まわったことを検出することができる。
ここで、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120の各ピークp1,p2は、図2に示す階段波S110の段差を、微分フィルターを通して得られるものである。そのため、各ピークp1,p2は、図7(A)に示すように、プラス側に現れる。したがって、第1閾値TH+は、プラス側に設定される。
これに対して、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120のピークdNPは、図2に示す階段波S110のノイズピークNPを、微分フィルターを通して得られるものである。そのため、ピークdNPは、図7(A)に示すように、ピークp1、p2が現れるプラス側とは反対側のマイナス側にも表れる。したがって、第2閾値TH−は、マイナス側に設定される。
このように、ノイズイベント検出部220は、出力信号(パルス信号)S120がマイナス側に設定された第2閾値TH−を下まわっているか否かを判定することにより、出力信号(パルス信号)S120の第1閾値TH+を超えるピークが、ノイズピークNP(図2参照)に起因するピークdNPであるか否かを判定することができる。
なお、プラス側とは、図7(A)に示すイベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120において、ピークp1,p2,dNPが出現しない基準レベルを境界とする一方側であり、マイナス側とは、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120において、基準レベルを境界とする他方側である。
ノイズイベント検出部220の出力信号(ノイズイベント信号)S220は、ノイズ判定部180に入力される。
2.2. X線検出装置の動作
次に、X線検出装置200の動作について説明する。
X線検出器110がX線を検出すると、図2に示す出力信号(階段波)S110を出力する。イベントフィルター部120は、X線検出器110の出力信号(階段波)S110を、パルス信号S120(図7(A)参照)に変換する処理を行う。そして、イベントフィルター部120の出力信号(パルス信号)S120は、第1比較器130と、第2比較器210と、に入力される。
ここで、ピークp1によって、時刻t1でパルス信号S120が第1閾値TH+を超えると、第1比較器130の出力信号S130が「Low」レベルから「High」レベルに切り替わる。これにより、イベント検出部140がイベント信号S140を出力する。最大値検出部170は、このイベント信号S140を受けて、出力信号S160の最大値を検出する処理を開始する。最大値検出部170は、所与の期間L内において、出力信号
(パルス信号)S160の最大値P1maxを検出する処理を行う。
また、時刻t1から所与の期間L内では、出力信号S120は、第2閾値TH−を下まわらないため、第2比較器210の出力信号S210は「High」レベルの状態を保っている。したがって、時刻t1から所与の期間L内では、ノイズイベント検出部220は、ノイズイベント信号S220を出力する処理を行わない。
時刻t1から所与の期間L経過後の時刻t2に、最大値検出部170は、最大値P1maxの情報を含む出力信号S170を出力する。ここで、ノイズ判定部180には、時刻t1から所与の期間L経過する間に、ノイズイベント信号S220が入力されていない。そのため、ノイズ判定部180は、最大値P1maxの情報を含む出力信号S180を、出力する。スペクトル生成部190は、出力信号S180を受けて、最大値P1maxに対応するX線エネルギー値(波高値)をカウントする。
次に、ピークp2によって、時刻t3でパルス信号S120が、再び、第1閾値TH+を超えると、上述したピークp1のときと同様の処理が行われ、時刻t3から所与の期間L経過後の時刻t4に、最大値検出部170が最大値P2maxの情報を含む出力信号S170を出力し、出力信号S170がノイズ判定部180に入力される。
時刻t3から所与の期間L内では、出力信号S120は、第2閾値TH−を下まわらないため、時刻t3から所与の期間L内では、ノイズイベント検出部220は、ノイズイベント信号S220を出力する処理を行わない。
時刻t3から所与の期間L経過後の時刻t4に、最大値検出部170は、最大値P2maxの情報を含む出力信号S170を出力する。ここで、ノイズ判定部180には、時刻t3から所与の期間L経過する間に、ノイズイベント信号S220が入力されていない。そのため、ノイズ判定部180は、最大値P2maxの情報を含む出力信号S180を、出力する。スペクトル生成部190は、出力信号S180を受けて、最大値P2maxに対応するX線エネルギー値(波高値)をカウントする。
次に、ピークdNPによって、時刻t5でパルス信号S120が第1閾値TH+を超えると、第1比較器130の出力信号S130が「Low」レベルから「High」レベルに切り替わる。これにより、イベント検出部140がイベント信号S140を出力する。最大値検出部170は、このイベント信号S140を受けて、出力信号S160の最大値を検出する処理を開始する。最大値検出部170は、所与の期間L内において、出力信号(パルス信号)S160の最大値Pnpmaxを検出する処理を行う。
また、ピークdNPがマイナス側に振れて、時刻t6でパルス信号S120が第2閾値TH−を下まわると、第2比較器210の出力信号S210が「High」レベルから「Low」レベルに切り替わる(図7(H)参照)。これにより、ノイズイベント検出部220が、時刻t5から所与の期間L経過する前の時刻t6に、ノイズイベント信号S220を出力する。
これにより、ノイズ判定部180には、時刻t5から所与の期間L経過する前に、ノイズイベント信号S220が入力され、ノイズ判定部180は、最大値Pnpmaxの情報を含む出力信号を出力する処理を行わない。したがって、スペクトル生成部190において、最大値Pnpmaxに対応するX線エネルギー値(波高値)はカウントされない。
上述した処理を繰り返すことにより、X線スペクトルを作成することができる。
本実施形態に係るX線検出装置200によれば、ノイズイベント検出部220が、イベントフィルター部120のパルス信号S120が第2閾値TH−を下まわったか否かを判定し、ノイズ判定部180が、ノイズイベント検出部150の判定結果に基づいて、メインフィルター部160の出力信号(パルス信号)S160の最大値の情報を出力するか否かを判定するため、パルス信号S120が第1閾値TH+を超えた場合に、当該第1閾値TH+を超えたピークが、ノイズに起因するものか否かを判定することができる。そのため、第1閾値TH+を超えたピークがノイズに起因するピークと判定された場合に、当該ピークの情報を出力しないことができる。したがって、X線スペクトルには、ノイズに起因するピークは反映されず、ノイズピークNP(図2参照)の影響を低減させることができる。
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係る試料分析装置300について、図面を参照しながら説明する。図8は、第3実施形態に係る試料分析装置300の構成を説明するための機能ブロック図である。
試料分析装置300は、図8に示すように、本発明に係るX線検出装置を含んで構成されている。ここでは、本発明に係るX線検出装置として、X線検出装置100を含んで構成されている場合について説明する。
試料分析装置300は、X線照射部310と、X線検出装置100と、を含んで構成されている。試料分析装置300は、X線照射部310で試料Sに一次X線Pxを照射し、一次X線Pxを照射することにより試料Sから発生した二次X線(蛍光X線)Sxを、X線検出装置100で検出する。試料分析装置300は、エネルギー分散型の蛍光X線分析装置である。
X線照射部310は、試料Sに一次X線Pxを照射する。X線照射部310は、例えば、X線管、および高圧電源を含んで構成されている。X線照射部310は、例えば、図示はしないが、フィラメントから発生した熱電子を高電圧で加速させ、金属ターゲットに衝突させて、一次X線Pxを発生させる。
X線照射部310で発生した一次X線Pxは、試料Sに照射される。一次X線Pxを照射することにより試料Sから発生した二次X線(蛍光X線)Sxは、X線検出装置100で検出される。そして、X線検出装置100は、検出した二次X線Sxに基づいて、X線スペクトルを作成する処理を行う。
試料分析装置300によれば、X線検出装置100を含んで構成されているため、ノイズの影響を低減させることができる。
なお、ここでは、本発明に係る試料分析装置が、X線を照射して試料からX線を発生させて、発生したX線を検出する蛍光X線分析装置である場合について説明したが、本発明に係る試料分析装置は、電子線やイオンを照射して試料からX線を発生させて、発生したX線を検出する装置であってもよい。例えば、本発明に係る試料分析装置は、本発明に係るX線検出装置を搭載した透過電子顕微鏡(TEM)、走査透過電子顕微鏡(STEM)、および走査電子顕微鏡等の電子顕微鏡、電子プローブマイクロアナライザー等であってもよい。
なお、上述した実施形態は、一例であってこれらに限定されるわけではない。
例えば、上述した図1に示すX線検出装置100では、ノイズ判定部180は、ノイズ
イベント信号S150が、所与の期間L内に入力されると、出力信号(パルス信号)S160の最大値Pnpmaxの情報を出力しない処理を行った(図3(G)参照)。これに対してノイズ判定部180は、ノイズイベント信号S150が、所与の期間L内に入力されると、最大値検出部170の処理を中止する処理を行ってもよい。これにより、ノイズ判定部180には、出力信号(パルス信号)S160の最大値Pnpmaxの情報が入力されず、ノイズピークNP(図2参照)を、スペクトル生成部190で生成されるX線スペクトルに反映させないことができる。なお、図6に示すX線検出装置200においても、同様である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…X線検出装置、2…信号処理回路、10…X線検出器、20…メインフィルター、30…イベント検出処理部、40…波高分析処理部、50…PC、100…X線検出装置、101…信号処理部、110…X線検出器、120…イベントフィルター部、130…比較器(第1比較器)、140…イベント検出部、150…ノイズイベント検出部、160…メインフィルター部、170…最大値検出部、180…ノイズ判定部、190…スペクトル生成部、200…X線検出器、210…第2比較器、220…ノイズイベント検出部、300…試料分析装置、310…X線照射部

Claims (4)

  1. X線を検出して、段差の高さが前記X線のエネルギーに相当する階段波を出力するX線検出器と、
    前記階段波を、前記段差の高さに応じた高さのピークを有する第1パルス信号に変換する第1微分フィルター部と、
    前記第1パルス信号が閾値を超えたか否かを判定するイベント検出部と、
    前記第1パルス信号が前記閾値を超えている時間が、所与の時間よりも短いか否かを判定するノイズイベント検出部と、
    前記第1微分フィルター部よりも大きい時定数を有し、前記階段波を、前記段差の高さに応じた高さのピークを有する第2パルス信号に変換する第2微分フィルター部と、
    前記第1パルス信号が前記閾値を超えたと判定された場合に、前記第2パルス信号の最大値の検出を開始する最大値検出部と、
    前記ノイズイベント検出部の判定結果に基づいて、前記最大値の情報を出力するか否かを判定する判定部と、
    を含む、X線検出装置。
  2. X線を検出して、段差の高さが前記X線のエネルギーに相当する階段波を出力するX線検出器と、
    前記階段波を、前記段差の高さに応じた高さのピークを有する第1パルス信号に変換する第1微分フィルター部と、
    前記第1パルス信号が第1閾値を超えたか否かを判定するイベント検出部と、
    前記第1パルス信号が第2閾値を下まわったか否かを判定するノイズイベント検出部と、
    前記第1微分フィルター部よりも大きい時定数を有し、前記階段波を、前記段差の高さに応じた高さのピークを有する第2パルス信号に変換する第2微分フィルター部と、
    前記第1パルス信号が前記第1閾値を超えたと判定された場合に、前記第2パルス信号の最大値の検出を開始する最大値検出部と、
    前記ノイズイベント検出部の判定結果に基づいて、前記最大値の情報を出力するか否かを判定する判定部と、
    を含む、X線検出装置。
  3. 請求項2において、
    前記第1パルス信号において、前記ピークは、プラス側に現れ、
    前記第1閾値は、プラス側に設定され、
    前記第2閾値は、マイナス側に設定されている、X線検出装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のX線検出装置を含む、試料分析装置。
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