JP2014066202A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの冷間始動時に燃料を圧縮行程で気筒内に噴射してエンジンを始動する始動モードと、AWS作動条件が成立したときは少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射してエンジンを運転するAWSモードとを行うエンジンの制御装置において、始動モード後に、エンジンが失火したり、エミッションが低下したり、燃費が低下する問題を抑制する。
【解決手段】エンジンの制御装置は、始動モードからAWSモードへの移行時に、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期を始動モードよりはリタードするがAWSモードよりもアドバンスしてエンジンを運転するつなぎモードを行うECU30を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンの制御装置、詳しくは、エンジンの冷間始動時に、燃料を圧縮行程で気筒内に噴射してエンジンを始動する始動モードと、AWS作動条件が成立したときは、排気ガス浄化触媒の早期活性化を図るために、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期をリタードしてエンジンを運転するAWSモードとを行うエンジンの制御装置に関する。
従来、エンジンの冷間始動時に、燃料を圧縮行程で気筒内に噴射してエンジンを始動する始動モードを行うことが知られている(特許文献1参照)。このような始動モードにより、点火プラグ近傍で理論空燃比に近い空燃比の成層燃焼をさせることができるため、冷間時であっても始動性が向上する、HCの排出量が低減する、燃費が向上する、等の利点が得られる。
また、エンジンの始動時に、AWS作動条件が成立したときは排気ガス浄化触媒の早期活性化を図るAWS(Accelerated Warm-up System)モードを行うことも知られている。AWSモードは、エンジンの始動時に吸入空気量を増量すると共に点火時期を大幅にリタードさせることにより、高温の排気ガスを多量に排気通路に流して排気ガス浄化触媒の暖機を促進するモードである。AWSモードでは、少なくとも一部の燃料が圧縮行程で噴射される。これにより、エンジンを失火させることなく点火時期をより大幅にリタードさせることができ、より高温の排気ガスを排気通路に流すことが可能となる。
特開2005−30228号公報
ところで、前記始動モードから前記AWSモードへの移行時に、燃料を吸気行程で噴射してエンジンを運転するアイドルモードを行うと、始動モードでは、燃料が圧縮行程で噴射され、アイドルモードでは、燃料が吸気行程で噴射され、AWSモードでは、少なくとも一部の燃料が圧縮行程で噴射されるので、次のような問題が生じる。
すなわち、圧縮行程噴射は吸気弁及び排気弁が閉じた状態で気筒内に燃料が噴射されるので、噴射した燃料の全てが気筒内に残留するのに対し、吸気行程噴射は吸気弁が開いた状態で気筒内に燃料が噴射されるので、噴射した燃料の一部が気筒外へ流出することがある。その場合に、噴射した燃料のどれだけの量が気筒外へ流出し、どれだけの量がまた気筒内に戻ってくるのかは予測困難である。しかも、冷間始動時であるから、気筒外へ流出した燃料の一部が吸気ポートの壁面等に付着することがあり、気筒内に戻ってくる量の予測がより一層困難である。したがって、始動モードの圧縮行程噴射からアイドルモードの吸気行程噴射に移行したときに、燃料噴射量の調整がうまくいかず、始動モード後に、エンジンが失火したり、エミッションが低下したり、燃費が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、エンジンの冷間始動時に、燃料を圧縮行程で気筒内に噴射してエンジンを始動する始動モードと、AWS作動条件が成立したときは、排気ガス浄化触媒の早期活性化を図るために、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期をリタードしてエンジンを運転するAWSモードとを行うエンジンの制御装置において、始動モード後に、エンジンが失火したり、エミッションが低下したり、燃費が低下する問題を抑制することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明は、エンジンの冷間始動時に、燃料を圧縮行程で気筒内に噴射してエンジンを始動する始動モードと、AWS作動条件が成立したときは、排気ガス浄化触媒の早期活性化を図るために、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期をリタードしてエンジンを運転するAWSモードとを行う制御手段を有するエンジンの制御装置であって、前記制御手段は、前記始動モードから前記AWSモードへの移行時に、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期を前記始動モードよりはリタードするが前記AWSモードよりもアドバンスしてエンジンを運転するつなぎモードを行うことを特徴とするエンジンの制御装置である(請求項1)。
本発明によれば、始動モードからAWSモードへの移行時に、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期を始動モードよりはリタードするがAWSモードよりもアドバンスしてエンジンを運転するつなぎモードを行うため、始動モードとつなぎモードとは圧縮行程噴射を含む点で相互に共通し、また、噴射した燃料が気筒内に残留する点で相互に共通する。そのため、始動モードからつなぎモードに移行したときに、燃料噴射量の調整が精度よく行え、始動モード後に、エンジンが失火したり、エミッションが低下したり、燃費が低下する問題が抑制される。
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、前記つなぎモード及び前記AWSモードでは、燃料を2段に分割して噴射し、前記つなぎモードでは、1段目の噴射を吸気行程又は圧縮行程で噴射し、2段目の噴射を1段目の噴射より遅いタイミングで圧縮行程で噴射し、1段目の噴射を圧縮行程から吸気行程に徐々にアドバンスし、前記AWSモードでは、1段目の噴射を吸気行程で噴射し、2段目の噴射を圧縮行程で噴射する(請求項2)。
この構成によれば、吸気行程噴射を行うことにより、燃焼の安定性が向上する。
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、前記始動モードでは、点火時期をMBTとし、前記AWSモードでは、点火時期を圧縮上死点より所定量リタードした時期とし、前記つなぎモードでは、点火時期をMBTから徐々にリタードする(請求項3)。
この構成によれば、始動モードからつなぎモード、つなぎモードからAWSモードへの移行をスムーズに行うことができる。
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、AWS作動条件が成立しないときは、前記つなぎモードの後、前記AWSモードに代えて、燃料を吸気行程で噴射してエンジンを運転するアイドルモードを行う(請求項4)。
この構成によれば、AWS作動条件が成立しないときは、始動モードからつなぎモード、つなぎモードからアイドルモードへの移行をスムーズに行うことができる。
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、前記アイドルモードでは、燃料を吸気行程のみで噴射し、点火時期をアイドル用点火時期とする(請求項5)。
この構成によれば、アイドルモードでのエンジンの運転が安定する。
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、AWS作動条件が成立したときは、前記AWSモードの後、燃料を吸気行程で噴射してエンジンを運転するアイドルモードを行い、前記AWS作動条件が成立したときのつなぎモード及び前記AWS作動条件が成立しないときのつなぎモードでは、少なくとも一部の燃料を吸気行程で噴射し、その噴射時期を前記アイドルモードの噴射時期よりリタードする(請求項6)。
この構成によれば、吸気行程噴射を行うことにより、燃焼の安定性が向上する。
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、前記始動モードでは、燃料を圧縮行程で2段に分割して噴射する(請求項7)。
この構成によれば、エンジンの冷間始動性がより一層向上する。
本発明によれば、エンジンの冷間始動時に、燃料を圧縮行程で気筒内に噴射してエンジンを始動する始動モードと、AWS作動条件が成立したときは、排気ガス浄化触媒の早期活性化を図るために、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期をリタードしてエンジンを運転するAWSモードとを行うエンジンの制御装置において、始動モード後に、エンジンが失火したり、エミッションが低下したり、燃費が低下する問題を抑制することができる。
本発明の実施形態に係るエンジンの全体構成図である。 前記エンジンのシステム構成図である。 前記エンジンに搭載されたECUが行う始動時エンジン制御のタイムチャートである。 前記始動時エンジン制御で実行される燃焼形態の説明図である。 前記始動時エンジン制御のフローチャートである。
以下、発明の実施形態を通して本発明を詳しく説明する。
(1)全体構成
図1は、本実施形態に係るエンジンEの全体構成図であり、図2は、前記エンジンEのシステム構成図である。本実施形態に係るエンジンEは気筒内噴射型の火花点火式エンジンである。前記エンジンEは4気筒エンジンであるが、図1では1つの気筒のみを示し、他の気筒の図示は省略してある。なお、本発明は4気筒エンジンに限定されるものではなく、4気筒以外の多気筒エンジンにも適用可能である。
図1に示すように、エンジンEの本体部は、シリンダヘッド1とシリンダブロック2とで構成されている。エンジンEは4気筒4サイクルエンジンであり、第1〜第4の4つの気筒3を備えている。このエンジンEにおいては、各気筒3が所定の位相差で、吸気、圧縮、膨張、排気の4行程からなるサイクルを繰り返すようになっており、これらのサイクルは、第1気筒、第3気筒、第4気筒、第2気筒の順にクランク角で180°(180°CA)の位相差で繰り返される。
各気筒3内にはピストン4が嵌挿され、ピストン4の上方に燃焼室5が形成されている。ピストン4はコネクティングロッド6等を備えた連結機構を介してクランクシャフト7に連結されている。各気筒3の燃焼室5の頂部には点火プラグ8が設けられ、点火プラグ8の先端部は燃焼室5を臨んでいる。燃焼室5の側方には、気筒3内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁9が設けられている。燃料噴射弁9は、ニードル弁及びソレノイドを内蔵し、入力されたパルス信号の入力時期にパルス幅に対応する時間だけ駆動されて開弁し、その開弁時間に応じた量の燃料を噴射する。燃料噴射弁9は、点火プラグ8の先端部の近傍に向けて燃料を噴射するように配置されている。燃料噴射弁9には、電動式の高圧燃料ポンプ29(図2参照)によって図外の燃料供給通路等を介して燃料が供給され、圧縮行程における気筒3内の圧力よりも高い圧力で燃料を噴射する。なお、高圧燃料ポンプはエンジンEのクランクシャフト7で駆動される機械式でもよく、また、電動式の高圧燃料ポンプと機械式の高圧燃料ポンプとを併用してもよい。
各気筒3の燃焼室5に対して吸気ポート10及び排気ポート11が開口し、両ポート10、11にそれぞれ吸気弁12及び排気弁13が設けられている。各気筒3の吸気弁12及び排気弁13の開閉時期は、各気筒3が所定の位相差で、吸気、圧縮、膨張、排気の4行程からなるサイクルを繰り返すように設定されている。
吸気弁12は、吸気カム14によって、クランクシャフト7と同期して所定のタイミングで開閉される。吸気カム14に対して、吸気バルブタイミング可変機構(VVT)15が設けられている。同様に、排気弁13は、排気カム17によって、クランクシャフト7と同期して所定のタイミングで開閉される。排気カム17に対して、排気バルブタイミング可変機構(VVT)18が設けられている。これらの吸気バルブタイミング可変機構15及び排気バルブタイミング可変機構18は、ECU(エンジン制御ユニット)30(図2参照)によって制御される。吸気バルブタイミング可変機構15及び排気バルブタイミング可変機構18は、それぞれ、クランクシャフト7と連動するカムプーリとカムシャフトとの間に設けられ、クランクシャフト7に対するカムシャフトの位相を機械的に変更することにより、吸気弁12及び排気弁13の開弁期間を一定としつつ所定の角度範囲内で吸気弁12及び排気弁13の開弁時期及び閉弁時期を変更する。このような吸気バルブタイミング可変機構15及び排気バルブタイミング可変機構18は周知であるからこれ以上の説明は省略する。
吸気ポート10には、燃料燃焼用の空気を燃焼室5に供給する吸気通路20が接続されている。吸気通路20は、燃焼室5に吸入される空気の流れ方向にみて、上流側では単一の共通吸気通路であるが、下流側では分岐し、各分岐吸気通路はそれぞれ対応する気筒3の吸気ポート10に接続されている。
吸気通路20の上流側の共通吸気通路には、吸入空気の流れ方向にみて、上流側から順に、吸入空気中のダスト等を除去するエアクリーナ(図示せず)、吸入空気の流量(吸入空気量)を検出するエアフローセンサ(図示せず)、スロットル弁21を備えたスロットルボディ22、吸入空気の流れを安定させるサージタンク(図示せず)等が設けられている。
エンジンEには、燃焼室5内で発生した燃焼ガスすなわち排気ガスをエンジン外(大気中)に排出するための排気通路25(共通排気通路)が設けられている。排気ガスの流れ方向にみて、排気通路25の上流端は排気マニホールド26に接続され、この排気マニホールド26は、気筒3毎に分岐して各気筒3の排気ポート11に接続されている。
排気通路25には、排気ガスを浄化するために、例えば、白金、ロジウム、パラジウム等を含有し、HC(炭化水素)及びCO(一酸化炭素)を酸化して浄化する酸化触媒と、白金、バリウム等を含有し、NOx(窒素酸化物)を還元して浄化する還元触媒とを含む排気ガス浄化触媒を備えた排気ガス浄化装置28が設けられている。排気ガス浄化触媒は、その温度が活性化温度以上であるときに、触媒作用すなわち排気ガス浄化作用を有効に発揮する。
本実施形態に係る車両には、エンジン水温を検出するためのエンジン水温センサ31と、エンジン回転数を検出するためのエンジン回転数センサ32と、クランクシャフト7の回転角を検出するためのクランク角センサ33と、運転者のアクセル操作(アクセルペダルの踏込み)の有無及びアクセル操作量(アクセルペダルの踏込み量)を検出するためのアクセルポジションセンサ34と、燃料噴射弁9から噴射される燃料の圧力(燃圧)を検出するための燃圧センサ35とが設けられており、これらの各種センサ31〜35とECU30とが相互に電気的に接続されている。
ECU30は、周知の通り、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサであり、本発明の制御手段に相当する。ECU30は、車両に備えられた前記各種センサ31〜35から入力される種々の情報に基き、特に、エンジンEの冷間始動時に、燃料を圧縮行程で気筒3内に噴射してエンジンEを始動する始動モードを行うと共に、AWS作動条件が成立したときは排気ガス浄化触媒の早期活性化を図るAWSモードを行うように、前記吸気バルブタイミング可変機構15及び排気バルブタイミング可変機構18の他、点火プラグ8、燃料噴射弁9、及び高圧燃料ポンプ29に制御信号を出力する。
(2)具体的制御
図3は、前記ECU30が行う始動時エンジン制御のタイムチャートであり、図4は、前記始動時エンジン制御で実行される燃焼形態の説明図である。図3において、エンジン回転数(rpm)がゼロから立ち上がる時点t1から所定回転数まで上昇する時点t2までを始動期間、エンジン完爆後エンジン回転数が安定する時点t3以降をアイドル期間、始動期間とアイドル期間との間の時点t2から時点t3までをつなぎ期間とする。
図3に示すように、ECU30は、始動時のエンジン水温及びAWSの作動・非作動に応じて各期間の燃焼形態が異なるように燃料噴射弁9及び点火プラグ8を制御する。
始動時水温が所定の高水温側閾値超のとき(ケース1)は、始動期間中は燃焼形態(vi)が実行され、つなぎ期間中及びアイドル期間中は燃焼形態(iv)が実行される。始動時水温が高水温側閾値以下且つ所定の低水温側閾値以上のときでAWSが作動される場合(ケース2)は、始動期間中は燃焼形態(i)が実行され、つなぎ期間中は燃焼形態(ii)が実行され、次いで時点t3から時点t4までAWSモードが行われた後、アイドル期間中は燃焼形態(iv)が実行される。ここで、AWSモード中は燃焼形態(iii)が実行される。始動時水温が高水温側閾値以下且つ低水温側閾値以上のときでAWSが作動されない場合(ケース3)、及び、始動時水温が低水温側閾値未満のとき(ケース4)は、始動期間中は燃焼形態(i)が実行され、つなぎ期間中は燃焼形態(v)が実行され、アイドル期間中は燃焼形態(iv)が実行される。
AWS(Accelerated Warm-up System)は、エンジンEの始動時に吸入空気量を増量するシステムである。そして、AWSモードは、例えばエンジンEの冷間始動時に、スロットル弁21を開いて吸入空気量を増量すると共に、点火プラグ8の点火時期を大幅にリタード(遅角)させることにより、高温の排気ガスを多量に排気通路25に流して排気ガス浄化触媒の暖機ひいては活性化を促進する制御である。
所定のAWS作動条件が成立していると判定されると、AWSモードが所定時間行われる。本実施形態では、AWS作動条件が成立しているか否かの判定は、後述するように、始動期間中に行われる。
AWSモード中、燃料を圧縮行程で気筒3内に噴射すると、点火プラグ8の先端部の近傍にリッチな混合気が生成するため、失火させることなく点火時期をより大幅にリタードさせることができ、より高温の排気ガスを排気通路25に流すことが可能となる。したがって、本実施形態においては、AWSモード中は、排気ガス浄化触媒の暖機ひいては活性化をより促進するために、燃料を圧縮行程で噴射する。
図3に示すケース1(始動時水温が高水温側閾値超の場合)では、エンジン回転数が所定回転(ケース1の完爆回転数)を超えた時点で始動期間からつなぎ期間に移行し、ケース2(始動時水温が高水温側閾値以下且つ低水温側閾値以上のときでAWSが作動される場合)では、エンジン回転数が他の所定回転(ケース2の完爆回転数)を超えた時点で始動期間からつなぎ期間に移行し、ケース3(始動時水温が高水温側閾値以下且つ低水温側閾値以上のときでAWSが作動されない場合)及びケース4(始動時水温が低水温側閾値未満の場合)では、エンジン回転数がさらに他の所定回転(ケース3及び4の完爆回転数)を超えた時点で始動期間からつなぎ期間に移行する。
図3において、燃焼形態(vi)が実行されるモードを温間時の始動モード、燃焼形態(i)が実行されるモードを冷間時の始動モード、燃焼形態(ii)が実行されるモードをつなぎモード、燃焼形態(v)が実行されるモードを第2のつなぎモード、燃焼形態(iii)が実行されるモードをAWSモード、燃焼形態(iv)が実行されるモードをアイドルモードとする。
図4に示すように、燃焼形態(i)では、圧縮行程で燃料が2段に分割噴射され(分割比は5:5)、MBT(Minimum advance for Best Torque)で火花点火が行われる。2段分割噴射のうち、1段目の噴射開始時期は、圧縮行程前半から後半の間とされ、2段目の噴射開始時期は、1段目の噴射開始時期よりリタードした圧縮行程後半とされる。
この燃焼形態(i)では、高圧燃料ポンプ29によって燃料噴射弁9に供給される燃料の圧力(燃圧)は、所定範囲内に調節される。この燃焼形態(i)により、高燃圧で気筒3内に圧縮行程噴射が行われ、冷間時であっても、エンジンEが低エミッションで燃費よく良好に始動される(冷間時の始動モード)。
燃焼形態(ii)では、噴射については、1段目の噴射開始時期が圧縮行程から吸気行程後半に向けて徐々に移行され、2段目の噴射開始時期が1段目の噴射開始時期より遅い圧縮行程後半から前記噴射形態(i)の2段目の噴射開始時期よりアドバンスした圧縮行程後半に向けて徐々に移行される。点火については、MBTから徐々にリタードされる。この燃焼形態(ii)では、燃圧は、燃焼形態(i)と同様、所定範囲内に調節される。この燃焼形態(ii)により、つなぎモードが行われ、冷間時であっても、始動モードによって完爆したエンジンEが始動モード後に、失火したり、エミッションが低下したり、燃費が低下する問題が抑制される。このつなぎモードでは、点火時期は始動モードよりはリタードするがAWSモードよりもアドバンスする。
燃焼形態(iii)では、噴射については、1段目の噴射開始時期が吸気行程後半とされ、2段目の噴射開始時期が前記噴射形態(i)の2段目の噴射開始時期よりアドバンスした圧縮行程後半とされる。点火については、AWSモード用の点火時期で火花点火が行われる。この燃焼形態(iii)では、燃圧は、燃焼形態(i)、(ii)と同様、所定範囲内に調節される。この燃焼形態(iii)により、AWSモードが行われ、高温の排気ガスが気筒3から多量に排気通路25に排出され、排気ガス浄化触媒の暖機ひいては活性化が促進される。
燃焼形態(iv)では、吸気行程で燃料が一括噴射され、アイドル用の点火時期で火花点火が行われる。この燃焼形態(iv)では、燃圧は、燃焼形態(i)、(ii)、(iii)と比べて、低めに調節される。この燃焼形態(iv)により、低圧で気筒3内に吸気行程噴射が行われ、混合気の燃焼安定性が向上し、アイドルモード中のエンジン回転数が安定する。
燃焼形態(v)では、噴射については、1段目の噴射開始時期が圧縮行程から吸気行程に向けて徐々に移行され、2段目の噴射開始時期が圧縮行程から同じく吸気行程に向けて徐々に移行される(図4には2段目の噴射開始時期が圧縮行程前半を通過中であることを示している)。点火については、燃焼期間(iv)と同じく、アイドル用の点火時期で火花点火が行われる。この燃焼形態(v)では、燃圧は、燃焼形態(i)、(ii)、(iii)と同様、所定範囲内に調節される。この燃焼形態(v)により、第2のつなぎモードが行われ、冷間時であっても、始動モードによって完爆したエンジンEが始動モード後に、失火したり、エミッションが低下したり、燃費が低下する問題が抑制される。この第2のつなぎモードでは、点火時期は始動モードよりはリタードするがAWSモードよりもアドバンスする。
燃焼形態(vi)では、圧縮行程で燃料が一括噴射され、通常始動用の点火時期で火花点火が行われる。この燃焼形態(vi)では、燃圧は、燃焼形態(i)、(ii)、(iii)、(v)と同様、所定範囲内に調節される。この燃焼形態(vi)により、高燃圧で気筒3内に圧縮行程噴射が行われ、温間時のエンジンE始動が燃費よく良好に行われる(温間時の始動モード)。
ECU30が行う始動時エンジン制御において、ケース1では、燃焼形態(vi)、(iv)がこの順に連続して実行される。すなわち、温間時の始動モードと、アイドルモードとが連続して行われる。
ケース2では、燃焼形態(i)、(ii)、(iii)、(iv)がこの順に連続して実行される。すなわち、冷間時の始動モードと、つなぎモードと、AWSモードと、アイドルモードとが連続して行われる。その場合、始動モードで実行される燃焼形態(i)と、つなぎモードで実行される燃焼形態(ii)と、AWSモードで実行される燃焼形態(iii)とは、燃料噴射形態が高燃圧及び圧縮行程噴射を含む点で相互に共通する。また、AWSモードで実行される燃焼形態(iii)と、アイドルモードで実行される燃焼形態(iv)とは、燃料噴射形態が吸気行程噴射を含む点で相互に共通する。さらに、始動モードから、つなぎモード、AWSモードに亘って、点火時期がMBTからAWSモード用の点火時期まで徐々にリタードされる。
ケース3及び4では、燃焼形態(i)、(v)、(iv)がこの順に連続して実行される。すなわち、冷間時の始動モードと、第2のつなぎモードと、アイドルモードとが連続して行われる。その場合、始動モードから、第2のつなぎモード、アイドルモードに亘って、燃料噴射形態が圧縮行程噴射から吸気行程噴射に徐々に移行される。さらに、始動モードから、第2のつなぎモード、アイドルモードに亘って、点火時期がMBTからアイドル用の点火時期に移行される。
次に、図5のフローチャートを参照して、ECU30が行う始動時エンジン制御の動作を説明する。
この始動時エンジン制御は、運転者がイグニッションスイッチをオンにすることによりスタートする。この始動時エンジン制御がスタートすると、ECU30は、ステップS1で、前記各種センサ31〜35から入力される信号を読み込む。
次いで、ECU30は、ステップS2で、始動ゾーンか否かを判定する。具体的に、ECU30は、エンジン回転数センサ32から入力される情報に基き特定されるエンジン回転数がゼロのときに始動ゾーンと判定する。その結果、始動ゾーンと判定されたときは、ECU30は、高圧燃料ポンプ29に制御信号を出力して所定範囲内に燃圧を高める。一方、始動ゾーンと判定されないときは、ECU30は、ステップS17に進む。
また、始動ゾーンと判定されたときは、ECU30は、ステップS3で、エンジン水温センサ31から入力される情報に基き特定されるエンジン水温が高水温側閾値以下か否かを判定する。
その結果、エンジン水温が高水温側閾値以下と判定されたときは、ECU30は、ステップS4で、燃焼形態(i)を実行する。すなわち、ECU30は、噴射については圧縮行程で分割噴射し、点火についてはMBTで火花点火するように、燃料噴射弁9及び点火プラグ8を制御する(冷間時の始動モード)。一方、エンジン水温が高水温側閾値以下と判定されないときは、ECU30は、ステップS15に進む。
ステップS4に次いで、ECU30は、ステップS5で、AWS作動条件が成立しているか否かを判定する。
その結果、AWS作動条件が成立していると判定されたときは、ECU30は、ステップS6で、エンジン回転数(Ne)が所定回転(ケース2の完爆回転数)を超えているか否かを判定する。一方、AWS作動条件が成立していると判定されないときは、ECU30は、ステップS12に進む。
ステップS6の判定の結果、エンジン回転数が所定回転を超えていると判定されたときは、ECU30は、ステップS7で、燃焼形態(ii)を実行する。すなわち、ECU30は、噴射については始動モードの圧縮行程で分割噴射をAWSモードの吸気行程と圧縮行程とで分割噴射に徐々に移行し、点火については始動モードのMBTから徐々にリタードされるように、燃料噴射弁9及び点火プラグ8を制御する(つなぎモード)。一方、ステップS6でエンジン回転数が所定回転を超えていると判定されないときは、ECU30は、ステップS4に戻る。
ステップS7に次いで、ECU30は、ステップS8で、つなぎモードに移行してから所定時間が経過したか否かを判定する。具体的に、ECU30は、つなぎモードに移行してから所定点火分の時間が経過したときに所定時間が経過したと判定する。その結果、つなぎモードに移行してから所定時間が経過したと判定されないときは、ECU30は、ステップS7に戻り、つなぎモードに移行してから所定時間が経過したと判定されたときは、ECU30は、ステップS9に進む。
ステップS9では、ECU30は、燃焼形態(iii)を実行する。すなわち、ECU30は、噴射については吸気行程と圧縮行程とで分割噴射し、点火についてはAWSモード用の点火時期で火花点火するように、燃料噴射弁9及び点火プラグ8を制御する(AWSモード)。
次いで、ECU30は、ステップS10で、AWSモードに移行してから所定時間が経過したか否かを判定する。その結果、AWSモードに移行してから所定時間が経過したと判定されないときは、ECU30は、ステップS9に戻り、AWSモードに移行してから所定時間が経過したと判定されたときは、ECU30は、ステップS11に進む。
ステップS11では、ECU30は、燃焼形態(iv)を実行する。すなわち、ECU30は、噴射については吸気行程で一括噴射し、点火についてはアイドル用の点火時期で火花点火するように、燃料噴射弁9及び点火プラグ8を制御する(アイドルモード)(ケース2)。
この始動時エンジン制御は、エンジンEの運転がアイドルモードに移行したことによりエンドとなる。
前記ステップS12では、エンジン回転数(Ne)が所定回転(ケース3の完爆回転数)を超えているか否かを判定する。その結果、エンジン回転数が所定回転を超えていると判定されたときは、ECU30は、ステップS13で、燃焼形態(v)を実行する。すなわち、ECU30は、噴射については始動モードの圧縮行程で分割噴射をアイドルモードの吸気行程で一括噴射に徐々に移行し(図5のステップS13には2段目の噴射開始時期がまだ圧縮行程にある場合を示している)、点火についてはアイドル用の点火時期で火花点火するように、燃料噴射弁9及び点火プラグ8を制御する(第2つなぎモード)。一方、ステップS12でエンジン回転数が所定回転を超えていると判定されないときは、ECU30は、ステップS4に戻る。
次いで、ECU30は、ステップS14で、第2つなぎモードに移行してから所定の待機時間が経過したか否かを判定する。その結果、第2つなぎモードに移行してから所定の待機時間が経過したと判定されないときは、ECU30は、ステップS13に戻り、第2つなぎモードに移行してから所定の待機時間が経過したと判定されたときは、ECU30は、前記ステップS11に進んで、アイドルモードに移行する(ケース3)。
前記ステップS15では、ECU30は、燃焼形態(vi)を実行する。すなわち、ECU30は、噴射については圧縮行程で一括噴射し、点火については通常始動用の点火時期で火花点火するように、燃料噴射弁9及び点火プラグ8を制御する(温間時の始動モード)。
次いで、ECU30は、ステップS16で、エンジン回転数(Ne)が所定回転(ケース1の完爆回転数)を超えているか否かを判定する。その結果、エンジン回転数が所定回転を超えていると判定されないときは、ECU30は、ステップS15に戻り、エンジン回転数が所定回転を超えていると判定されたときは、ECU30は、前記ステップS11に進んで、アイドルモードに移行する(ケース1)。
前記ステップS17では、ECU30は、始動ゾーン以外の通常ゾーンのエンジン制御を実行する。すなわち、ECU30は、噴射及び点火について、エンジン回転数及びエンジン負荷に応じて、燃料噴射弁9及び点火プラグ8を可変に制御する。
(3)作用等
以上のように、本実施形態に係るエンジンEの制御装置は、エンジンEの冷間始動時に、燃料を圧縮行程で気筒3内に噴射してエンジンEを始動する始動モード(燃焼形態i)を行うと共に、AWS作動条件が成立したとき(ステップS5でYES)は排気ガス浄化触媒の早期活性化を図るために、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期をリタードしてエンジンEを運転するAWSモード(燃焼形態iii)を行うものであって、次のような特徴的構成を備えている。
まず、ECU30は、始動モード(ステップS4)からAWSモード(ステップS9)への移行時に、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期を始動モードよりはリタードするがAWSモードよりもアドバンスしてエンジンEを運転するつなぎモード(ステップS7)を行うように、燃料噴射弁9及び点火プラグ8を制御する。
本実施形態によれば、始動モードとつなぎモードとは圧縮行程噴射を含む点で相互に共通し、また、噴射した燃料が気筒3内に残留する点で相互に共通する。そのため、始動モードからつなぎモードに移行したときに、燃料噴射量の調整が精度よく行え、始動モード後に、エンジンEが失火したり、エミッションが低下したり、燃費が低下する問題が抑制される。
本実施形態では、ECU30は、つなぎモード及びAWSモードでは、燃料を2段に分割して噴射し、つなぎモードでは、1段目の噴射を吸気行程又は圧縮行程で噴射し、2段目の噴射を1段目の噴射より遅いタイミングで圧縮行程で噴射し、1段目の噴射を圧縮行程から吸気行程に徐々にアドバンスし、AWSモードでは、1段目の噴射を吸気行程で噴射し、2段目の噴射を圧縮行程で噴射する。
この構成によれば、吸気行程噴射を行うことにより、燃焼の安定性が向上する。
本実施形態では、ECU30は、始動モードでは、点火時期をMBTとし、AWSモードでは、点火時期を圧縮上死点より所定量リタードした時期とし、つなぎモードでは、点火時期をMBTから徐々にリタードする。
この構成によれば、始動モードからつなぎモード、つなぎモードからAWSモードへの移行をスムーズに行うことができる。
本実施形態では、ECU30は、AWS作動条件が成立しないとき(ステップS5でNO)は、第2のつなぎモード(ステップS13)の後、AWSモードに代えて、燃料を吸気行程で噴射してエンジンを運転するアイドルモードを行う。
この構成によれば、AWS作動条件が成立しないときは、始動モードから第2のつなぎモード、第2のつなぎモードからアイドルモードへの移行をスムーズに行うことができる。
本実施形態では、ECU30は、アイドルモードでは、燃料を吸気行程のみで噴射し、点火時期をアイドル用点火時期とする。
この構成によれば、アイドルモードでのエンジンの運転が安定する。
本実施形態では、ECU30は、AWS作動条件が成立したときは、AWSモードの後、燃料を吸気行程で噴射してエンジンを運転するアイドルモードを行い、AWS作動条件が成立したときのつなぎモード(ステップS7)及びAWS作動条件が成立しないときの第2のつなぎモード(ステップS13)では、少なくとも一部の燃料を吸気行程で噴射し、その噴射時期をアイドルモードの噴射時期よりリタードする。
この構成によれば、吸気行程噴射を行うことにより、燃焼の安定性が向上する。
本実施形態では、ECU30は、始動モードでは、燃料を圧縮行程で2段に分割して噴射する。
この構成によれば、エンジンEの冷間始動性がより一層向上する。
さらに、本実施形態に係るエンジンEの制御装置の作用の説明を続ける。
本実施形態では、ECU30は、AWS作動条件が成立していると判定されたときは(ステップS5でYES)、つなぎモード(ステップS7)の後、燃料を圧縮行程で噴射するAWSモード(ステップS9)に移行し、AWS作動条件が成立していると判定されないときは(ステップS5でNO)、第2のつなぎモード(ステップS13)の後、燃料を吸気行程で噴射するアイドルモード(燃焼形態iv、ステップS11)に移行する。
この構成によれば、AWS作動条件が成立していると判定されたとき(ケース2)は、つなぎモード(ステップS7)の後、燃料を圧縮行程で噴射するAWSモードが行われる。そのため、つなぎモードとAWSモードとは燃料噴射形態が圧縮行程噴射を含む点で相互に共通し、また、AWSモード中は、始動モード中やつなぎモード中と同じく、噴射した燃料が気筒3内に残留する。そのため、つなぎモードからAWSモードに移行したとき(時点t3)も、燃料噴射量の調整が精度よく行える。ここで、AWSモードにおいて、燃料を圧縮行程で気筒3内に噴射すると、点火プラグ8の先端部の近傍にリッチな混合気が生成するため、エンジンEを失火させることなく点火時期をより大幅にリタードさせることができ、より高温の排気ガスを排気通路25に流すことが可能となり、排気ガス浄化触媒の暖機をより促進することができる。したがって、つなぎモードからAWSモードに移行したとき(時点t3)に燃料噴射量の調整が精度よく行えることにより、前記のような利点が確実に得られることになる。
一方、AWS作動条件が成立していると判定されないとき(ケース3)は、第2のつなぎモード(ステップS13)の後、燃料を吸気行程で噴射するアイドルモードが行われる。待機時間が経過する頃(ステップS14でYESと判定される頃)には、エンジンEは暖機されているので、燃料噴射形態が第2のつなぎモードの圧縮行程噴射からアイドルモードの吸気行程噴射に急激に移行しても(時点t3)、失火等することなく、混合気は安定に燃焼する。
本実施形態では、ECU30は、始動モード(燃焼形態i)では、燃料が圧縮行程で2段に分割して噴射され、つなぎモード(燃焼形態ii)及び第2のつなぎモード(燃焼形態v)では、始動モードの1段目の燃料噴射が圧縮行程から吸気行程に徐々に移行され、AWSモード(燃焼形態iii)では、燃料が吸気行程及び圧縮行程で噴射され、アイドルモード(燃焼形態iv)では、燃料が吸気行程のみで噴射されるように燃料噴射弁9を制御する。
この構成によれば、つなぎモード及び第2のつなぎモードでは、始動モードの1段目の燃料噴射が圧縮行程から吸気行程に徐々に移行されるので、エンジンEの暖機に伴い、つなぎモード中及び第2のつなぎモード中の混合気の燃焼安定性が向上する。また、AWSモードでは、燃料が吸気行程及び圧縮行程で噴射されるので、エンジンEの暖機に伴い、AWSモード中の混合気の燃焼安定性が向上する。また、アイドルモードでは、燃料が吸気行程のみで噴射されるので、エンジンEの暖機に伴い、アイドルモード中の混合気の燃焼安定性が向上する。加えて、始動モードから、つなぎモード、AWSモードに亘って変化する燃料噴射時期(ケース2)、及び、始動モードから、第2のつなぎモード、アイドルモードに亘って変化する燃料噴射時期(ケース3)の移行が円滑となる。
本実施形態では、ECU30は、始動モード(燃焼形態i)では、MBTで点火され、つなぎモード(燃焼形態ii)では、点火時期がMBTから徐々にリタードされ、AWSモード(燃焼形態iii)では、圧縮上死点より所定量リタードした時期に点火され、アイドルモード(燃焼形態iv)では、アイドル用の点火時期で点火されるように点火プラグ8を制御する。
この構成によれば、始動モードでは、MBTで点火が行われるので、エンジンEの冷間始動が確実に行われる。加えて、始動モードから、つなぎモード、AWSモードに亘って変化する点火時期(ケース2)の移行が円滑となる。
なお、前記実施形態では、AWSモード(燃焼形態iii)の燃料噴射形態を吸気行程と圧縮行程との分割噴射としたが、これに限らず、AWSモードの燃料噴射形態を圧縮行程のみの分割噴射とし、これに伴い、つなぎモード(燃焼形態ii)の燃料噴射形態を圧縮行程のみの分割噴射としても構わない。同様に、第2のつなぎモード(燃焼形態v)の燃料噴射形態を圧縮行程のみの分割噴射とすることもできる。
3 気筒
8 点火プラグ
9 燃料噴射弁
28 排気ガス浄化装置
29 高圧燃料ポンプ
30 ECU(制御手段)
E エンジン

Claims (7)

  1. エンジンの冷間始動時に、燃料を圧縮行程で気筒内に噴射してエンジンを始動する始動モードと、AWS作動条件が成立したときは、排気ガス浄化触媒の早期活性化を図るために、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期をリタードしてエンジンを運転するAWSモードとを行う制御手段を有するエンジンの制御装置であって、
    前記制御手段は、前記始動モードから前記AWSモードへの移行時に、少なくとも一部の燃料を圧縮行程で噴射し、且つ点火時期を前記始動モードよりはリタードするが前記AWSモードよりもアドバンスしてエンジンを運転するつなぎモードを行うことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記つなぎモード及び前記AWSモードでは、燃料を2段に分割して噴射し、
    前記つなぎモードでは、1段目の噴射を吸気行程又は圧縮行程で噴射し、2段目の噴射を1段目の噴射より遅いタイミングで圧縮行程で噴射し、1段目の噴射を圧縮行程から吸気行程に徐々にアドバンスし、
    前記AWSモードでは、1段目の噴射を吸気行程で噴射し、2段目の噴射を圧縮行程で噴射することを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記始動モードでは、点火時期をMBTとし、
    前記AWSモードでは、点火時期を圧縮上死点より所定量リタードした時期とし、
    前記つなぎモードでは、点火時期をMBTから徐々にリタードすることを特徴とするエンジンの制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、
    AWS作動条件が成立しないときは、前記つなぎモードの後、前記AWSモードに代えて、燃料を吸気行程で噴射してエンジンを運転するアイドルモードを行うことを特徴とするエンジンの制御装置。
  5. 請求項4に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記アイドルモードでは、燃料を吸気行程のみで噴射し、点火時期をアイドル用点火時期とすることを特徴とするエンジンの制御装置。
  6. 請求項5に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、
    AWS作動条件が成立したときは、前記AWSモードの後、燃料を吸気行程で噴射してエンジンを運転するアイドルモードを行い、
    前記AWS作動条件が成立したときのつなぎモード及び前記AWS作動条件が成立しないときのつなぎモードでは、少なくとも一部の燃料を吸気行程で噴射し、その噴射時期を前記アイドルモードの噴射時期よりリタードすることを特徴とするエンジンの制御装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御手段は、前記始動モードでは、燃料を圧縮行程で2段に分割して噴射することを特徴とするエンジンの制御装置。
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