JP2014066070A - 既設堤体の補強構造及び既設堤体の補強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既設の堤体を有効活用しつつ、想定を超える津波が襲来しても耐え得る既設堤体の補強構造及び既設堤体の補強方法を実現する。
【解決手段】表層地盤G1上に構築された既設堤体3を補強する場合に、既設堤体3が延在する方向に沿って所定の間隔を空けて連設し、表層地盤G1よりも下層側にある基盤層G2に達するように既設堤体3の頂部3aから圧入した複数の杭材10と、頂部3aに突出している杭材10の上端部10a同士を連結する連結部材11と、杭材10の上端部10aおよび連結部材11を覆ってそれらを既設堤体3に緊結させる固化部材12と、を用いて改修を行うこととした。
【選択図】図1

Description

本発明は、既設堤体の補強構造及び既設堤体の補強方法に関する。
堤防、防波堤、防潮堤など既設の堤体は、築造後相当の年月が経過しているものが多く、堤体を構成している部材の経年劣化に加え、波力等の作用により堤体自体の損傷や機能低下が進行している。
また近年、地球温暖化の影響等による高潮被害や海岸侵食の進行・破堤による被害が増加傾向にあり、さらに巨大地震や巨大津波が発生したなど、これらへの対応が喫緊の課題となっている。
従来、これらの対策として、部分的なひび割れや損傷箇所の修復、波浪・潮位等の条件変更に伴う天端高の嵩上げ、断面拡幅、消波ブロック等の追加、設計震度の変更に伴う重量増工のための断面拡幅、地形や地盤条件変更に伴う基礎工、根固工及び水叩工等の改良などを行っている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
特開2001−207424号公報 特開2003−20625号公報
しかしながら、これらの方法では設計の見直しや用地確保など多くの労力と時間を要す。一方、既設堤体3,30は、図8に示すような盛土表面にコンクリート被覆した構造や、図10に示すようなコンクリート造であるため、これらコンクリート造の長大構造物が巨大地震の際に表層地盤G1に生じるせん断ひずみに対して延在方向に十分な耐力を有しているとは言い難い。
また、これら既設堤体3,30の多くが海岸や河川の水際に在って、外部からの圧力に対して自重で抵抗する構造であり、砂や粘土質の表層地盤G1上に単に置かれた状態となっているため、巨大地震で損傷を受けた堤体が地震後に襲来する津波に押し流されてしまい、堤体として機能できないことがあった。
したがって、既設堤体3,30を補強するにあたっては、損傷個所の修復や嵩上げなど従来の補修に加え、来るべき巨大地震に備え、巨大地震後も堤体として機能し続けることができる構造的な補強を行う必要がある。
本発明の目的は、既設の堤体を有効活用しつつ、想定を超える津波が襲来しても耐え得る既設堤体の補強構造及び既設堤体の補強方法を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
表層地盤上に構築された既設堤体の補強構造であって、
前記既設堤体が延在する方向に沿って所定の間隔を空けて連設され、前記表層地盤よりも下層側にある基盤層に達するように前記既設堤体の頂部から圧入された複数の杭材と、
前記頂部に突出している前記杭材の上端部同士を連結させた連結部材と、
前記杭材の上端部および前記連結部材を覆って前記既設堤体に緊結させる固化部材と、
を備えていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の既設堤体の補強構造において、
前記複数の杭材が連設されてなる杭列に沿った鋼矢板壁が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の既設堤体の補強構造において、
前記複数の杭材は、前記既設堤体の延在方向に沿う千鳥配置に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の既設堤体の補強構造において、
前記杭材は、その周面に杭材内部より押圧して拡開する複数のスリット開口部が設けられており、前記スリット開口部を拡開した箇所に固化材料を充填して形成した突部を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の既設堤体の補強構造において、
前記杭材を挿通する筒部と、前記筒部の下方に筒部より径が大きい笠部を有する笠状部材が、前記杭材に沿って前記頂部に埋設されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
表層地盤上に構築された既設堤体の補強方法であって、
前記既設堤体が延在する方向に沿い所定の間隔を空けて、複数の杭材を前記表層地盤よりも下層側にある基盤層に達するように前記既設堤体の頂部から圧入する工程と、
前記頂部に突出している前記杭材の上端部同士を連結部材で連結する工程と、
前記杭材の上端部および前記連結部材を固化部材で覆って前記既設堤体に緊結させる工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、既設の堤体を有効活用しつつ、その既設堤体の強度を大幅に増強させることができ、想定を超える津波が襲来しても耐え得る堤体を得ることができる。
本発明に係る既設堤体の補強構造を示す概略断面図である。 図1のII−II線における断面図である。 既設堤体の補強構造の他の実施例を示す断面図である。 既設堤体の補強構造の他の実施例を示す断面図である。 既設堤体の補強構造の他の実施例を示す概略断面図であり、杭材内にコンクリートを加圧充填する注入装置を示している。 杭材の周面に設けたスリット開口部を示す説明図であり、拡開前(a)と、拡開後(b)である。 既設堤体の補強構造の他の実施例を示す概略断面図であり、笠状部材を利用した変形例を示している。 既設堤体を示す概略断面図である。 他の既設堤体の補強構造を示す概略断面図であり、突部を有する杭材を利用した変形例を示している。 他の既設堤体を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る既設堤体の補強構造および補強方法の実施形態について詳細に説明する。
既設堤体3は、例えば、図1に示すように、盛土1の法面をコンクリートなどからなる保護壁2,2で被覆した構造物であり、海岸や川岸に沿う方向に延在して表層地盤G1上に構築されている。
この既設堤体3が経年劣化などにより強度低下した場合や、設計震度の変更などにより強度不足となった場合に、新たな堤体を築造するのではなく、既設堤体3を有効活用しつつ、既設堤体3の強度を増強させて改修する技術が本発明の技術である。
本実施形態における既設堤体3の補強構造は、図1、図2に示すように、既設堤体3が延在する方向に沿って所定の間隔を空けて連設された複数の杭材10と、既設堤体3の頂部3aに突出している杭材10の上端部10a同士を連結させた連結部材11と、杭材10の上端部10aおよび連結部材11を覆ってそれらを既設堤体3に緊結させる固化部材12と、を備えている。特に、杭材10は、表層地盤G1よりも下層側にある基盤層G2に達するように既設堤体3の頂部3aから圧入されている。
杭材10は、例えば、鋼管杭であり、既設堤体3の高さの約2倍の長さを有し、その上端部10aが既設堤体3の頂部3aに突出するように埋設されている。
この杭材10は、既設堤体3の大きさ(高さ、延在長)、既設堤体3が構築されている地盤の状態、津波の想定高さ等を勘案して、その長さや太さが選択されている。また、その勘案結果に基づいて、杭材10を圧入する間隔が設定されている。
連結部材11は、例えば、補強鉄筋や補強プレート、形鋼材であり、隣接している杭材10の上端部10aを連結させて固定することで、その上端部10a同士が互いの姿勢を規制・補強するようになっている。
固化部材12は、例えば、コンクリートであり、その材料(例えば、生コンクリート)を既設堤体3の頂部3aに打設して固化することで、杭材10の上端部10aおよび連結部材11を既設堤体3に緊結させている。
また、固化部材12の充填量などを適宜調整することで、既設堤体3を嵩上げすることができる。
上述した既設堤体3の補強構造は、下記の手順(1)〜(3)に従った補強方法によって築成することができる。
(1)既設堤体3の大きさ等の条件に基づき最適であると選択された杭材10を、既設堤体3の頂部3aから基盤層G2に達するように圧入する。また、各種条件に基づき最適であると設定された所定間隔で複数の杭材10を連設する。杭材10の圧入は、回転圧入で行うことが好ましい。回転圧入であれば、既設の構造物を打ち抜けるうえ、地盤が硬質であっても騒音・振動もなく圧入でき、既設堤体3および周辺地盤への影響を抑止できる。
(2)既設堤体3の頂部3aに突出している杭材10の上端部10a同士を連結部材11で連結する。
(3)既設堤体3の頂部3aに固化部材12の材料を打設して固化部材12を形成し、その固化部材12で杭材10の上端部10aおよび連結部材11を覆ってそれらを既設堤体3に緊結させる。
このような補強方法によって得られる既設堤体3の補強構造であれば、基盤層G2に達するように圧入された複数の杭材10が、連結部材11と固化部材12によって既設堤体3と一体化しているので、補強後の既設堤体3に作用する水平力やせん断応力に抗することに十分な強度を既設堤体3に付与している。
つまり、補強後の既設堤体3は、基盤層G2に達している複数の杭材10によって強固に地盤(G1、G2)と一体化されているので、例えば巨大地震のような強大な破壊力が作用した後に襲来する津波に対しても堤体として機能する強度を有している。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図3に示すように、複数の杭材10が連設されてなる杭列に沿った鋼矢板壁13を設ける。
鋼矢板壁13は、例えば、一対の継手を有するU形の鋼矢板からなり、鋼矢板の継手を連結して複数の鋼矢板を繋げた構造体である。この鋼矢板壁13を構成する鋼矢板は、基盤層G2まで根入れしなくてもよい。また、鋼矢板はU形に限らず、ハット形の鋼矢板など他の鋼矢板でもよい。
このような鋼矢板壁13を設けることによれば、既設堤体3の遮水性を向上させることができ、豪雨による水位上昇や津波などの被害を防ぐ機能が向上する。また、仮に地震により堤体が損傷しても、その後襲来する津波に対して堅実な遮水壁として機能する。
またこの場合、地震に伴う液状化等によって地盤とともに堤体が不同沈下しても、杭材10と既設堤体3の頂部3aに構築された固化部材12によって鋼矢板壁13は吊下げられた状態で原位置に残るので、堤体としての機能が損なわれることはない。
なお、複数の杭材10を圧入して杭列を造った後に鋼矢板壁13を設けても、鋼矢板壁13を設けた後に複数の杭材10を圧入して杭列を造ってもよいが、鋼矢板壁13を先に設けるようにすれば、鋼矢板壁13上(杭列上)を自走可能な周知の杭圧入装置を用いて、杭材10を所定間隔で圧入することができる。また、その杭圧入装置を用いて鋼矢板を圧入して鋼矢板壁13を延長しながら、所定の位置に杭材10を圧入するようにすれば、鋼矢板壁13と杭材10杭列の施工をより効率的に行うことができる。
また、図4に示すように、複数の杭材10を、既設堤体3の延在方向に沿う千鳥配置に設けるようにしてもよい。
既設堤体3に圧入された複数の杭材10が千鳥配置に設けられていれば、補強後の既設堤体3に作用する水平力やせん断応力に抗する強度がより一層向上するのでより好ましい。
なお、図4に示した既設堤体3の補強構造では、隣接する杭材10の上端部10aを連結するように連結部材11をジグザグに配したが、堤内側の杭材10の列に沿う連結部材と、堤外側の杭材10の列に沿う連結部材をそれぞれ設けるようにしてもよい。
また、図5に示すように、杭材10として、杭材周面にスリット開口部10bが形成されている鋼管杭を用い、そのスリット開口部10bを内側から押圧して拡開した後、杭材10の内部および拡開箇所に固化材料であるコンクリート14を充填して突部10cを形成する補強構造、補強方法であってもよい。
スリット開口部10bは、図6(a)に示すように、例えば、杭材10の周面に設けられた略X字形状を呈する切込み状の開口である。そして、所定の機器を用いるなどして杭材10の内部からスリット開口部10bを押圧することによって、図6(b)に示すように、スリット開口部10bは拡開してスリット片を外方に突出させるようになっている。
このスリット開口部10bが拡開されて突出したスリット片は地山に当接し、圧密補強する効果が見込まれる。
そして、杭材10である鋼管杭内にコンクリート14を注入することで、拡開したスリット片が固化したコンクリートによって押し戻されることはなく、地山に食い込む突部10cを構成する。
また、杭材周面のスリット開口部10bから漏出したコンクリート14がさらに地山を圧密するとともに、杭材10の突部10cと相まって押込み・引抜抵抗として機能するので、既設堤体3の沈下・浮き上がりを抑止することができる。
更に、杭材10内(鋼管杭内)にコンクリート14が充填されていることで、杭材10の靱性が大幅に向上し、補強後の既設堤体3の強度がより一層向上する。
一方、杭体10先端の開口部から押し出されたコンクリートは、杭体10直下の地盤を圧密補強するとともに杭体10の根固めとして機能することは言うまでもない。
なお、スリット開口部10bは、略X字形状であることに限らず、スリット片を外方に突出させることができる任意の形状であってよく、また目的に応じて任意の箇所に任意の個数を設けるようにすればよい。
ここで、杭材10の内部にコンクリート14を加圧充填する注入装置50について説明する。
注入装置50は、図5に示すように、注入管51と、中央の開口部分に注入管51が固定された円盤状の隔壁52と、隔壁52の周囲に設けられ杭材10の内面に密着するシール部53と、コンクリート14の流入量を切り替える開閉部54と、隔壁52の下面に設けられた圧力センサー55と、装置支持体56に取り付けられた加圧手段57と係止手段58とを備え、任意の位置に据え付けることができる。
この注入装置50を既設堤体3に圧入した杭材10の内部に挿入し、所定の位置で係止手段58を作動させると、シリンダの駆動によって進退する当接部58aが杭材10の内面に当接して、注入装置50の姿勢を安定させる。
次いで、注入管51を通じて隔壁52の開口から杭材10内にコンクリート14を注入する。
そして、隔壁52までコンクリート14が満たされたら、加圧手段57を作動させ、シリンダの駆動によって隔壁52を下方に押し下げることで、予め設定された圧力でコンクリート14を加圧する。この加圧によって杭材10内にコンクリート14を加圧充填すると、杭材周面のスリット開口部10bからコンクリート14が漏出する。この際、コンクリート14中の余剰水や空気もスリット開口部10bから排出される。
次いで、加圧手段57と係止手段58を停止させ、注入装置50を杭材10の内部から引き上げて、コンクリート14を固化させると突部10cが形成される。
このように注入装置50によって、鋼管杭(杭材10)の内部にコンクリート14を加圧充填することで、杭材周面のスリット開口部10bからコンクリート14を適量漏出させることができ、突部10cと相まって杭材10の引抜抵抗として機能させることができる。
図9は、堤防である既設堤体30に本発明を適用し、拡開したスリット開口部10bにコンクリート14を充填してなる突部10cを有する杭材10によって、既設堤体30を補強した事例を示している。
既設堤体30は、例えば、図9に示すように、基礎砕石31aを被覆石31bで覆ってなる基礎31と、中詰砂32aが詰められて基礎31の上に載置されたケーソン32と、ケーソン32上に設けられた上部コンクリート33等からなる構造物であり、表層地盤G1上に構築されている。
この既設堤体30の頂部から、スリット開口部10bが設けられた杭材10を圧入し、杭材10の下端側の基盤層G2に相当する部分に突部10cを形成し、また杭材10の上端側にも突部10cを形成することによって、既設堤体30を地盤(基盤層G2)に一体化する補強を行うことができる。
また、図示はしないが、杭材10の上端部には隣接する杭材同士を連結する連結部材が設けられ、その連結部材と杭材上端部を覆い上部コンクリート33と一体化する固化部材が設けられている。
なお、このとき杭体10の圧入は、杭体10の先端に切削刃を付けて回転圧入することが好ましい。こうすることで既設堤体30を打ち抜けるとともに、振動を伴わず基礎砕石31aの崩れなどを抑止できる。
また、図7に示すように、杭材10に挿通した笠状部材15を、その杭材10に沿って既設堤体3の頂部3aに埋設するようにしてもよい。
この笠状部材15を用いることで、杭材10と既設堤体3をより強固に緊結でき、既設堤体3を地盤(G1、G2)に一体化させることができる。
笠状部材15は、例えば、図7に示すように、杭材10を挿通する筒部15aと、筒部15aより下方に向かって拡径した笠部15bを有している、鋼製の部材である。
筒部15aは、笠状部材15の上端側にあって、杭材10の外径より僅かに大きい内径を有している。
笠部15bは、筒部15aの下方にあって筒部15aよりも径が大きい部分であり、笠状部材15の下端側に位置して筒部15aの約2〜3倍の内径を有する円筒状の大径部と、その大径部と筒部15aを繋ぐテーパ状の傾斜面部とを有している。
このような笠状部材15の筒部15aに杭材10の上端部10aを挿通させ、その杭材10に沿わせて笠状部材15を既設堤体3の頂部3aに打設するなどして埋設する。
そして、筒部15aのみを地表に残して、笠部15b(大径部および傾斜面部)を地中に埋設した後、筒部15aを杭材10の上端部10aに接合する。この接合には、楔を用いた接合、ボルト接合、溶接など、任意の接合手段を適用できる。
こうして杭材10の上端部10aに挿通させて、既設堤体3の頂部3aに埋設した笠状部材15は、その笠部15b内およびその下面に堤体の土砂を圧密するため、既設堤体3と地盤の一体化が図られる。
なお、杭材10の上端部10aに笠状部材15を接合した後、連結部材11と固化部材12を配設することになる。
以上のように、既設堤体3(30)を有効活用する、本発明に係る既設堤体3(30)の補強構造及び補強方法は、その構成が簡便であるので、容易に且つ安価に既設堤体3の強度を大幅に増強させることができる。その結果、想定を超える津波が襲来しても耐え得る堤体を得ることができる。
なお、以上の実施の形態においては、杭材10は鋼管杭であるとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、杭材はI形鋼、H形鋼であってもよい。杭材がI形鋼やH形鋼である場合、ケーシングを用いて既設堤体3を掘削した後、ケーシング内にコンクリートを充填し、そのコンクリートが固まらないうちに杭材を投入するように埋設すればよい。
また、本願の技術は、海岸におけるコンクリート造の堤防施設の他、河川堤防やフィルダム、土堰堤などにも適用することができる。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
1 盛土
2 保護壁
3、30 既設堤体
3a 頂部
10 杭材
10a 上端部
10b スリット開口部
10c 突部
11 連結部材
12 固化部材
13 鋼矢板壁
14 コンクリート
15 笠状部材
15a 筒部
15b 笠部
50 注入装置
G1 表層地盤
G2 基盤層

Claims (6)

  1. 表層地盤上に構築された既設堤体の補強構造であって、
    前記既設堤体が延在する方向に沿って所定の間隔を空けて連設され、前記表層地盤よりも下層側にある基盤層に達するように前記既設堤体の頂部から圧入された複数の杭材と、
    前記頂部に突出している前記杭材の上端部同士を連結させた連結部材と、
    前記杭材の上端部および前記連結部材を覆って前記既設堤体に緊結させる固化部材と、
    を備えていることを特徴とする既設堤体の補強構造。
  2. 前記複数の杭材が連設されてなる杭列に沿った鋼矢板壁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の既設堤体の補強構造。
  3. 前記複数の杭材は、前記既設堤体の延在方向に沿う千鳥配置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の既設堤体の補強構造。
  4. 前記杭材は、その周面に杭材内部より押圧して拡開する複数のスリット開口部が設けられており、前記スリット開口部を拡開した箇所に固化材料を充填して形成した突部を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の既設堤体の補強構造。
  5. 前記杭材を挿通する筒部と、前記筒部の下方に筒部より径が大きい笠部を有する笠状部材が、前記杭材に沿って前記頂部に埋設されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の既設堤体の補強構造。
  6. 表層地盤上に構築された既設堤体の補強方法であって、
    前記既設堤体が延在する方向に沿い所定の間隔を空けて、複数の杭材を前記表層地盤よりも下層側にある基盤層に達するように前記既設堤体の頂部から圧入する工程と、
    前記頂部に突出している前記杭材の上端部同士を連結部材で連結する工程と、
    前記杭材の上端部および前記連結部材を固化部材で覆って前記既設堤体に緊結させる工程と、
    を含むことを特徴とする既設堤体の補強方法。
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