JP2014065193A - 成型装置 - Google Patents

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Takuji Niifune
拓司 新舟
Atsushi Kajita
篤史 梶田
Kazuyuki Shimo
和幸 下
Yuki Namiki
裕樹 並木
Tomotaka Yamanoi
智隆 山野井
Hiroyuki Sakurai
寛之 櫻井
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Abstract

【課題】小型化が可能、且つ、作業者の作業範囲が小さい成型装置を提供すること。
【解決手段】成型装置1は、作業者Hがその上面で作業する作業台8と、複数の樹脂材料を供給可能なポンプユニット5と、ポンプユニット5から供給された複数の樹脂材料を混合可能、且つ、混合された複数の樹脂材料を供給可能な混合装置6と、混合装置6から供給された混合された複数の樹脂材料を成型する金型61、金型61を固定するベース81、及び、ベース81を回動させる回動手段82を具備し、作業台8及び混合装置6間に配置された複数の金型装置7と、を備える構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂成形品の成型装置に関する。
現在、樹脂材料を金型で成型することで、寝具、自動車用シート及び鉄道車両用シート等に用いられる、所謂軟質ポリウレタンフォームと呼ばれる樹脂成形品を製造する技術が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
この軟質ポリウレタンフォームは、高分子化合物を発泡させた樹脂材料を金型で成型することで形成される。具体的には、主原料の樹脂材料である発泡剤を含有するポリオール及びイソシアネートをそれぞれポンプユニットで混合部に供給し、混合部で混合されたポリオール及びイソシアネートから成る樹脂材料を金型に供給し、キュアさせることで、樹脂成形品が成型される。
このような樹脂成形品の成型装置は、複数の主原料である樹脂材料を供給するポンプユニットと、ポンプユニットに接続され、供給された複数の主原料を混合する混合部を具備する混合装置と、混合装置により混合された樹脂材料が供給される金型装置と、を備える。
また、複数の金型を備える成型装置として、水平方向に延設された回転軸に複数の金型を設け、回転軸を回転させることで、金型を移動させることで、繰り返し樹脂成型品を成型することが可能な技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−316442号公報 実開平6−70852号公報 特開2004−345180号公報
上述したポンプユニット及び成型装置では、以下の問題があった。即ち、成型する樹脂成形品の形状が多品種であって、少量を生産する場合には、成型装置は、金型装置の金型を頻繁に入れ替える必要があり、生産性が低下する、という問題がある。特に、コンベア等に多数の金型を設けた大量生産が可能な成型装置ではラインの稼動コストが高く、このような大量生産が可能な成型装置を用いて、多品種の樹脂成形品を成型する場合においては、製造コストが増大する。
例えば、多品種の樹脂成型品を成型するために適した成型装置、換言すると、少量生産に適した成型装置として、例えば少数の金型を有する構成とし、一人の作業者により作業を行う技術も知られている。しかし、このような少量生産に適した成型装置は、金型の数が増えると、金型間の距離が大きくなり、作業者の作業範囲が増大し、作業効率が低下する、という問題がある。また、金型の数が増えると、成型装置の大型化となり、成型装置の設置範囲が増加する、という問題もある。そこで、作業者の作業範囲が小さく、且つ、小型化が可能な成型装置が求められている。
また、樹脂成形品の物性等が異なる場合には、成型装置で金型に供給する樹脂材料の供給量が異なる。このため、成型装置は、同一のポンプユニットを用いる場合に、樹脂材料の供給量を調整可能なものが求められている。例えば、同様の供給量の樹脂成形品毎にポンプユニットを用いる構成も知られているが、異なる供給量の樹脂成形品の数に応じてポンプユニットを設ける必要があり、成型装置の大型化となる、という問題がある。
さらに、回転軸に複数の金型を設ける成型装置では、成型装置の小型化が可能となるものの、金型が大型となると、金型を支持可能な構成が大型となる、という問題がある。このため、使用可能な金型に制限が発生する虞もあった。
そこで本発明は、小型化が可能、且つ、作業者の作業範囲が小さい成型装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の成型装置は、次のように構成されている。
本発明の一態様として、作業者がその上面で作業する作業台と、複数の樹脂材料を供給可能なポンプユニットと、前記ポンプユニットから供給された前記複数の樹脂材料を混合可能、且つ、前記混合された前記複数の樹脂材料を供給可能な混合装置と、前記混合装置から供給された前記混合された前記複数の樹脂材料を成型する金型、前記金型を支持するベース、及び、前記ベースを回動させる回動手段を具備し、前記作業台及び前記混合装置間に配置された複数の金型装置と、を備える。
本発明によれば、小型化が可能、且つ、作業者の作業範囲が小さい成型装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る成型装置の構成を示す説明図。 同成型装置の構成を示す説明図。 同成型装置に用いられるポンプユニットの構成を示す正面図。 同ポンプユニットに用いられるポンプ及び駆動機構の構成を示す側面図。 同成型装置に用いられる金型装置の構成を示す正面図。 同金型装置の構成を示す背面図。 同金型装置の構成を示す側面図。 同成型装置の使用の一例を示す説明図。
以下、本発明の一実施の形態に係る成型装置1を、図1乃至図7を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る成型装置1の構成を示す平面図、図2は同成型装置1の構成を示す側面図、図3は成型装置1に用いられるポンプユニット5の構成を示す正面図、図4はポンプユニット5に用いられるポンプ13及び駆動機構14の構成を示す側面図、図5は成型装置1に用いられる金型装置7の構成を示す正面図、図6は金型装置7の構成を示す背面図、図7は金型装置7の構成を示す側面図、図8は成型装置1の使用の一例を示す平面図である。
図1、図2及び図8に示すように、成型装置1は、ポンプユニット5と、混合装置6と、一対の金型装置7と、作業台8と、制御部9と、を備えている。成型装置1は、例えば、ポンプユニット5、混合装置6及び作業台8が、それら中心が同一直線上に位置して、順次配置される。また、成型装置1は、金型装置7が混合装置6及び作業台8間を挟んで一対設けられる。換言すると、成型装置1は、混合装置6及び作業台8間であって、前述の混合装置6及び作業台8の中心を通る直線上を中心として、対称位置に一対の金型装置7が配置される。
また、成型装置1は、金型装置7がそれぞれ混合装置6及び作業台8の双方と対向可能に配置される。成型装置1は、例えば、図1及び図8に示すように、金型装置7が略90度回動することで、金型装置7の後述する金型61が、混合装置6及び作業台8の双方と対向可能に配置される。
成型装置1は、ポンプユニット5から供給された複数の樹脂材料を混合装置6で混合し、金型装置7に供給して、金型装置7でキュアすることで、樹脂成形品を成形可能に形成されている。このような成型装置1は、例えば、工場内等に設置される。
なお、成型装置1で製造される樹脂成形品は、寝具、自動車用シート及び鉄道車両用シート等に用いられる、所謂軟質ポリウレタンフォームである。図3に示すように、成型装置1は、軟質ポリウレタンフォームに、ポンプユニット5に貯留された複数の樹脂材料、例えば、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2が用いられる。
第1樹脂材料W1は、ポリオールを主原料としてなる樹脂材料により構成される。ポリオールは、ポリオール化合物単体、又は、ポリオールが2種類以上混合されたものが用いられる。ポリオールは、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリエール又はポリマーポリオール等が用いられる。
また、第1樹脂材料W1は、ポリオールとともに、発泡剤、触媒、整泡剤及びその他添加剤等が混合されることで形成されるが、これらをすべて含有する必要がなく、製造方法等に応じて適宜含有していればよい。
第2樹脂材料W2は、イソシアネートを主原料としてなる樹脂材料により構成される。イソシアネートは、軟質ポリウレタンフォーム発泡に用いるイソシアネート化合物単体、又は、イソシアネート化合物の混合物が用いられる。イソシアネート化合物は、例えば、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類、芳香族イソシアネート類、芳香族テトライソシアネート類、ポリイソシアネート類、又は、これらの混合物が用いられる。
脂肪族ジイソシアネート類は、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、エチリデンジイソシアネート又はブチリジイソシアネート等が用いられる。
脂環式ジイソシアネート類は、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート又は1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等が用いられる。
芳香族イソシアネート類は、例えば、ジアニンジンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネート又はクロロジフェニルジイソシアネート等が用いられる。
ポリイソシアネート類には、例えば、トルエンジイソシアネートダイマー又はトルエンジイソシアネートトリマー等が用いられる。
発泡剤は、例えば、水、有機系発泡剤、無機系発泡剤又は二酸化炭素等が用いられる。有機系発泡剤は、例えば、ジクロロメタン、ニトロアルカン又は活性メチレン化合物が用いられる。無機系発泡剤は、例えば、ホウ酸、固体炭酸、又は、水酸化アルミニウム等が用いられる。
触媒は、ポリオール及びイソシアネートの反応速度を調整可能に形成されている。触媒は、例えば、三級アミン又は反応アミン等が用いられる。整泡剤は、例えば、シリコン系整泡剤又はフッ素系整泡剤等が用いられる。
その他添加物は、例えば、活性水素化合物、架橋材、光安定剤、可塑剤、酸化防止剤、熱安定化剤、充填剤又は顔料等が用いられる。
図3に示すように、ポンプユニット5は、架台11と、貯留槽12と、ポンプ13と、駆動機構14と、ストレーナ15と、三方弁16と、配管17と、温度調整装置18と、を備えている。
架台11は、ポンプ13及び駆動機構14を支持可能に形成されている。架台11は、例えば、接地可能に形成され、ポンプユニット5の設置領域に配置された基部11aと、基部11a上に設けられた柱部11bと、柱部11bの上端に設けられた方形枠状の天部11cと、を備えている。基部11aは、柱部11bを支持可能に形成された、板材又は鋼材である。
また、架台11は、柱部11b間、又は、基部11a、柱部11b及び天部11cのいずれかを連結する補強部材11dを備えている。本実施の形態においては、補強部材11dは、架台11の両側方の柱部11b間をそれぞれ2箇所で連結する。
貯留槽12は、使用する樹脂材料を収納可能に、単数又は複数設けられる。貯留槽12は、本実施の形態においては、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を貯留可能に2つ設けられる。貯留槽12は、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を貯留可能なドラム缶21と、ドラム缶21内の圧力を一定に保持可能な加圧装置22と、を備えている。加圧装置22は、例えば、エアコンプレッサ22a及びエアコンプレッサ22aに接続されたエア配管22bにより構成され、エア配管22bがドラム缶21の蓋体を介してドラム缶21内に接続される。
図2乃至図4に示すように、ポンプ13は、シリンダポンプが用いられる。具体的には、ポンプ13は、シリンダ24と、シリンダ24内を摺動するピストン25と、を備えている。ポンプ13は、シリンダ24内に、シリンダ24及びピストン25により形成され、ピストン25の移動により容積が変化する2つのポンプ室である第1ポンプ室及び第2ポンプ室を備えている。
シリンダ24は、2つのポンプ室に接続された2つ第1ポート24a及び第2ポート24bを備えている。シリンダ24は、第1ポート24aに三方弁16が接続され、三方弁16を介して一次側にドラム缶21が接続され、その二次側に混合装置6が接続される。また、シリンダ24は、第2ポート24bに、充填液Xが貯留されたタンク26等に接続される。
第1ポート24aは、重力方向で第2ポート24bよりも上方に配置される。このような、ポンプ13は、例えば、その軸心方向が水平方向に交差する垂直方向(重力方向)に延設して配置される。ポンプ13は、第1ポート24aに接続された、重力方向で上方に位置する第1ポンプ室が、第1樹脂材料W1又は第2樹脂材料W2の吸込及び吐出を行う。
ピストン25は、シリンダ24内を2方向に摺動する、換言すると往復動するピストンヘッドと、ピストンヘッドに設けられたロッド部と、を備えている。
図4に示すように、駆動機構14は、駆動モータ31と、減速機32と、伝達機構33と、連結部34と、を備えている。駆動モータ31は、固定子、回転子及び回転子に固定された回転軸31aを備えている。駆動モータ31は、制御部9に接続され、所定の回転数で回転軸31aを回転可能、且つ、回転方向を切り替え可能に形成されている。駆動モータ31は、架台11の天部11cの上面に固定される。
減速機32は、回転軸31a及び伝達機構33を接続可能、且つ、回転軸31aの回転をボールねじ33に伝達可能に形成されている。また、減速機32は、回転軸31aの回転数を減速させて、伝達機構33に回転軸31aの回転を伝達可能に形成されている。なお、ここで、減速機32の減速比は、ピストン25の移動速度が、所定の移動速度を得られる回転数であれば、各構成に応じて適宜設定可能である。
具体的には、減速機32は、回転軸31a及び伝達機構33の回転する部材である後述するボールねじ38に、カップリング32aを介して接続される。減速機32は、異なる2方向に回転を伝達可能に形成されている。また、減速機32は、架台11の天部11cの上面に固定される。
伝達機構33は、減速機32を介して伝達された回転軸31aの回転運動を直進運動に変換可能に形成されている。伝達機構33は、ボールねじ38及びボールナット39を備えている。ボールねじ38は、減速機32を介して回転軸31aに接続され、回転可能に形成されている。ボールナット39は、ボールねじ38に接続され、ボールねじ38の回転数及び回転方向に応じて、ボールねじ38の軸心方向に沿って所定の移動速度で2方向に移動(往復動)可能に形成されている。
連結部34は、ピストン25のロッド部及びボールナット39を連結可能に形成されている。連結部34は、ピストン25の軸心方向及びボールねじ38の軸心方向を同方向に配置可能に、ピストン25及びボールナット39を連結する。換言すると、連結部34は、ピストン25及びボールナット39を、それら移動方向が同一方向となるように連結する。なお、連結部34は、高さ方向に延設される。
ストレーナ15は、ドラム缶21と三方弁16との間に設けられる。ストレーナ15は、ドラム缶21からポンプ13に移動する第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2内に含有する不純物をろ過可能に形成されている。
三方弁16は、図3に実線及び破線の矢印で示すように、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2のドラム缶21からポンプ13への流路、並びに、ポンプ13から混合装置6への流路の切り替えが可能に、ドラム缶21及びポンプ13、並びに、ポンプ13及び混合装置6を接続可能に形成されている。三方弁16は、制御部9により制御されるエアコンプレッサに接続され、制御部9の指示に基づいて、ドラム缶21及びポンプ13、並びに、ポンプ13及び混合装置6の接続を切り替え可能に形成された、例えば空気圧切替弁である。なお、三方弁16は、制御部9により切替可能な電磁弁であってもよい。
配管17は、ドラム缶21、ストレーナ15、三方弁16、ポンプ13、混合装置6を接続可能に形成されている。具体的には、配管17は、ドラム缶21及びストレーナ15、ストレーナ15及び三方弁16、三方弁16及びポンプ13、並びに、三方弁16及び混合装置6を接続する。
配管17は、金属材料若しくは樹脂材料で形成された配管、及び、樹脂材料等で形成された可撓性を有するホース等により構成される。なお、三方弁16及び混合装置6を接続する配管17、さらに具体的には、三方弁16及び混合装置6を接続する配管17であって、ポンプユニット5の外部に配置される部位は、可撓性を有するホース等により構成される。
ドラム缶21及びストレーナ15を接続する配管17は、その一方の端部が、ドラム缶21内の樹脂材料W1,W2内に配置される。また、ドラム缶21及びストレーナ15を接続する配管17は、その中途部に、混合装置6に接続された分岐管17aが接続される。分岐管17aは、混合装置6からのリターン流路を構成する配管17に接続される。
図3に示すように、温度調整装置18は、熱交換器41と、チラー装置42と、循環ポンプ43と、ヒータ44と、熱交換器41、チラー装置42、循環ポンプ43及びヒータ44を接続することで、熱交換媒体の循環回路を形成する配管45と、循環ポンプ43を駆動制御する制御モータ46と、を備えている。また、温度調整装置18は、制御部9に接続された、熱交換媒体の温度を検出する温度検出器47を備えている。
熱交換器41は、三方弁16の一次側に設けられ、三方弁16の一次側の配管17内を通過する第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2と熱交換可能に形成されている。
チラー装置42は、配管45を移動する熱交換媒体を冷却可能に形成された温度調整手段である。チラー装置42は、制御部9に接続されている。循環ポンプ43は、制御モータ46を備えている。循環ポンプ43は、熱交換媒体を圧送し、熱交換媒体を配管45内に循環させる。制御モータ46は、制御部9に接続されている。ヒータ44は、配管45を移動する熱交換媒体を加熱可能に形成された温度調整手段である。
このような温度調整装置18は、配管45を介して、チラー装置42及びヒータ44により所定の温度に温度調整を行った熱交換媒体を熱交換器41に供給可能に形成されている。
なお、ここで、所定の温度とは、混合された第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2が発泡するのに適した温度であり、より好ましくは、発泡に適した温度であって、且つ、ポンプ13において第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を吸い込むのに好ましい温度である。なお、ポンプ13において第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を吸い込むのに好ましい温度とは、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2の粘度が、吸い込みに適した所定の粘度となる温度である。
具体的には、温度調整装置18は、制御部9により、温度検出器47から検出された熱交換媒体の温度に基づいてチラー装置42及びヒータ44が制御され、樹脂材料を所定の温度に熱交換可能な温度に調整される。温度調整装置18は、当該温度が調整された熱交換媒体により、熱交換器41を介して第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2の熱交換を行う。
混合装置6は、混合部51と、駆動機構52と、配管部53と、を備えている。混合部51は、配管部53を介してポンプユニット5、具体的には、配管17及び一対の三方弁16を介して一対のポンプ13に接続されている。また、混合部51は、配管部53を介して、ポンプユニット5の分岐管17aに接続されている。
混合部51は、ポンプ13から供給された樹脂材料、本実施の形態では第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を混合可能に形成されている。混合部51は、その先端に、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を混合することで形成される混合液を供給する供給口51aを備えている。
また、混合部51は、ポンプ13から供給され、混合を行わなかった第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を、配管部53及び分岐管17aを介して、ポンプユニット5のドラム缶21及びポンプ13に戻すことが可能に形成されている。
混合部51は、制御部9に接続され、その内部に設けられた樹脂材料の流れ方向を切替可能に形成されている。混合部51は、当該樹脂材料の流れ方向を切り替えることで、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を混合して二次側に吐出する流れ、及び、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2をポンプユニット5へ戻す流れに切替可能に形成されている。
駆動機構52は、駆動手段として例えば制御部9に接続された複数のモータを備え、混合部51の供給口51aを金型装置7の後述する下型65に対向する位置に移動可能に形成されている。駆動機構52は、例えば、直交する三軸方向に混合部51を移動可能に形成されている。
配管部53は、ポンプユニット5の配管17及び混合部51を接続可能に形成されている。例えば、配管部53は、金属材料又は樹脂材料で形成された配管、並びに、樹脂材料で形成されたホース等により構成されている。
図1、図2及び図5乃至図8に示すように、金型装置7は、金型61と、開閉機構62と、移動機構63と、金型加熱手段64と、を備えている。一対の金型装置7は、図1及び図8に示すように、混合装置6及び作業台8間に、混合装置6及び作業台8の略中心を結ぶ直線を中心に対称位置に配置される。
また、金型装置7は、金型61が、混合装置6及び作業台8と対向可能に形成されている。具体的には、図1及び図8に示すように、金型装置7は、回動することで、混合装置6の供給口51aの可動範囲内並びに作業台8の後述する作業テーブル98と対向する位置に移動可能に形成されている。一対の金型装置7は、回動したときに、それぞれ干渉しない位置、換言すると、互いに接触しないように離間して配置される。
金型61は、例えば、金型装置7に二つ設けられる。金型61は、下型65及び上型66を備えている。金型61は、開閉機構62に固定され、下型65及び上型66を開閉可能に形成されている。
開閉機構62は、金型61にそれぞれ設けられる。開閉機構62は、下型65を支持し固定する第1支持部67と、上型66を支持し固定する第2支持部68と、第1支持部67及び第2支持部68を離接可能に形成された接続部69と、第2支持部68を駆動する駆動手段70と、第1支持部67及び第2支持部68を締め付け可能な固定具71と、を備えている。
開閉機構62は、駆動手段70により第1支持部67及び第2支持部68を駆動することで、下型65及び上型66を所定の力で閉塞するとともに、下型65及び上型66を開放可能に形成されている。
第1支持部67は、下型65に固定されている。第1支持部67は、接続部69により第2支持部68に接続されている。第1支持部67は、移動機構63の後述する傾斜手段83に接続されている。
第2支持部68は、上型66に固定されている。第2支持部68は、移動機構63に接続され、第1支持部67に対して回動可能に形成されている。第2支持部68は、第1支持部67に対して回動することで、上型66を下型65に対して離接可能に形成されている。
接続部69は、第1支持部67及び第2支持部68の端部に設けられ、第1支持部67を第2支持部68に対して回動可能に形成されたヒンジである。具体的には、図2に示すように、接続部69は、第1支持部67に接続された第1接続部73と、第2支持部68に接続された第2接続部74と、第1接続部73及び第2接続部74を回動自在に支持する回転軸75と、を備えている。
接続部69は、例えば、第1支持部67が駆動手段70により駆動されることで、回転軸75を中心に第2接続部74が第1接続部73に対して回動し、この第2接続部74の回動により、第2支持部68に固定された上型66を回動可能に形成される。
駆動手段70は、例えば、油圧によって駆動する油圧アクチュエータや、空圧により駆動する空圧アクチュエータである。具体的には、駆動手段70は、空圧シリンダ70a及びピストン70bを備えている。空圧シリンダ70aは、第1支持部67に支持される。
ピストン70bは、その端部が第2接続部74に接続されている。ピストン70bは、その往復動により、回転軸75を中心に第2接続部74を第1接続部73に対して回動させ、第2支持部68を第1支持部67に対して離接させる。
固定具71は、第1支持部67及び第2支持部68の端部、具体的には、接続部69が設けられた端部とは相対する端部に設けられ、第1支持部67及び第2支持部68を互いに近接する方向に固定可能に形成されている。固定具71は、第1支持部67に設けられた第1固定部77と、第2支持部68に設けられ、第1固定部77と固定される第2固定部78と、を備えている。
固定具71は、所謂締め具等と呼ばれ、下型65及び上型66が所定の力で互いに近接するように、第1支持部67及び第2支持部68を固定可能に形成されている。また、固定具71は、第1固定部77及び第2固定部78の固定、及び、当該固定の解除が可能に形成されている。固定具71は、当該固定及び固定の解除を、制御部9により、油圧的、電気的若しくは機械的に行う構成であればよい。
図1、図、2、及び、図8に示すように、移動機構63は、開閉機構62を混合装置6及び作業台8間に対向させるように、移動可能に形成されている。即ち、移動機構63は、金型61が混合装置6及び作業台8の一方に対向するように、開閉機構62を移動可能に形成されている。例えば、移動機構63は、開閉機構62を支持するベース81と、ベース81を回動させる回動手段82と、開閉機構62を傾斜させる傾斜手段83と、を備えている。
ベース81は、方形枠状に形成され、その上部に金型61が支持された開閉機構62及び傾斜手段83が配置される。ベース81は、開閉機構62を介して金型61を支持可能に形成されている。また、ベース81は、その中心に設けられた回転軸81aと、その下面に設けられた複数の車輪81bと、その外周部に設けられた半円状の案内部81cと、を備えている。ベース81は、車輪81bに移動可能に支持され、回転軸81aを中心に回転可能に設置される。案内部81cは、その外周面の曲率中心が、回転軸81aの回転中心に配置される。
回動手段82は、第1モータ86と、第1モータ86の回転をベース81に伝達する伝達手段87と、を備えている。第1モータ86は、制御部9に接続されている。伝達手段87は、例えば、第1モータ86の回転軸に設けられた第1スプロケット87aと、ベース81の案内部81cの外周面に設けられた第1チェーン87bと、を備えている。
回動手段82は、第1モータ86の回転力を、伝達手段87を介してベース81に伝達することで、ベース81を回転可能に形成されている。回動手段82は、ベース81を回転させることで、開閉機構62に支持された金型61を混合装置6及び作業台8の一方に対向させることが可能に形成されている。
回動手段82は、例えば、ベース81を180度回動させることが可能に形成されている。また、回動手段82は、例えば、ベース81を90度回動させることで、混合装置6及び作業台8に対向するように金型61を移動可能に形成されている。
図4乃至図7に示すように、傾斜手段83は、ベース81上に高さ方向に延設された柱部90と、ベース81に設けられた第2モータ91と、一方が第2モータ91の回転軸に設けられ、他方が柱部90に回転可能に固定された一対の第2スプロケット92と、一対の第2スプロケット92に設けられ、柱部90に沿ってそれぞれ延設された第2チェーン93と、第2チェーン93に固定され、開閉機構62の一部を支持する支持ブロック94と、ベース81上に設けられ、開閉機構62の下面の一部を支持する複数の支持ローラ95と、を備えている。
柱部90は、例えば、ベース81上に配置された2つの金型61をそれぞれ支持する開閉機構62にそれぞれ設けられる。柱部90は、開閉機構62の一方の端部側に隣接して一対設けられ、高さ方向に沿って延設される。
第2モータ91は、制御部9に接続され、回転することで、一方の第2スプロケット92を回転可能に形成されている。第2チェーン93は、第2モータ91の回転軸に固定された第2スプロケット92が回転することで、柱部90に沿って移動可能に形成されている。第2チェーン93は、その移動に伴って、固定された支持ブロック94を高さ方向に移動可能に形成されている。
支持ブロック94は、その両端が第2チェーン93に固定されるとともに、開閉機構62の一部、例えば、第1支持部67の、接続部69が設けられる側の端部に固定され、第1支持部67を介して開閉機構62を支持可能に形成されている。
支持ローラ95は、開閉機構62の一部、具体的には、第1支持部67の支持ブロック94が設けられる端部と相対する端部側の下面を複数個所又は所定の距離で支持可能に形成されている。なお、本実施の形態においては、支持ローラ95は、2つ配置される。
支持ローラ95は、第1支持部67を介して金型61を支持可能に形成されている。支持ローラ95は、例えば、ベース81上に回転可能に形成された円筒状のローラであり、支持ブロックの移動による第1支持部67(金型61)の傾斜(回動)時においても、第1支持部67を介して金型61を支持可能に形成されている。
金型加熱手段64は、金型61の下型65及び上型66を所定の温度、ここでは、混合された第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2のキュア温度に加熱可能に形成されており、制御部9に電気的に接続されている。
図1及び図8に示すように、作業台8は、ベース81に隣接して設けられている。作業台8は、作業者Hが、その上面に立って作業可能に形成されている。作業台8は、作業者Hがその上面に立つことで、ベース81上の金型61と対向可能に形成されている。作業台8は、作業者Hが、金型61を用いて作業を行う立ち台であって、作業者Hの行動範囲を限定する案内である。
具体的には、作業台8は、作業者Hがその上部を移動する作業範囲板97と、作業範囲板97の中心に設けられ、脱型した樹脂成型品をクラッシング及び修理などの加工を行う作業テーブル98と、を備えている。
作業範囲板97は、少なくとも、作業者Hが副資材のセット及び成型品の脱型等の作業を行う各金型61及び作業テーブル98間の移動する範囲(作業範囲)を有して形成される。図1及び図8に示すように、作業範囲板97は、混合装置6及び作業テーブル98を結ぶ直線を中心として対称形状に形成される。また、作業範囲板97は、混合装置6及び作業テーブル98を結ぶ直線に対して、混合装置6から作業テーブル98に向かって、当該直線から漸次離間するように傾斜して形成される。
具体的には、図1及び図8に示すように、金型61は、混合装置6及び作業テーブル98(作業台8)を結ぶ直線に対して、金型装置7の2つの金型61の端部を結ぶ直線が傾斜するように金型61が作業台8(作業範囲板97)に対向する。このとき、作業範囲板97は、金型61に対向する位置に作業者Hが立つことが可能な形状に形成されている。
作業テーブル98は、金型61から取り出した樹脂成型品を、クラッシング及び修理等の加工を行うための、クラッシング機及び修理用のり等が配置されている。作業テーブル98は、納品前に、樹脂成型品を最終形態に整えることが可能に形成されている。即ち、樹脂成型品の成型において、当該樹脂成型品を金型61から作業テーブル98へ作業者Hが運搬することから、作業テーブル98が作業者Hの各金型61への移動の基点となる。
制御部9は、三方弁16、駆動モータ31、チラー装置42、ヒータ44、制御モータ46、温度検出器47、混合部51、駆動機構52、金型加熱手段64、第1モータ86及び第2モータ91に、信号線Sを介して電気的に接続されている。また、制御部9は、空圧シリンダ70aを駆動する空圧回路70cに、信号線Sを介して電気的に接続されている。
制御部9は、三方弁16及び駆動モータ31を制御することで、ポンプ13を駆動し、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を、混合部51に供給可能に形成されている。また、制御部9は、チラー装置42、ヒータ44、制御モータ46を制御することで、所定の温度の熱交換媒体を熱交換器41に供給し、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2の熱交換が可能に形成されている。
制御部9は、混合部51を制御することで、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を混合して供給口51aから吐出するとともに、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を混合せずに、ポンプユニット5に戻すことが可能に形成されている。
制御部9は、第1モータ86及び第2モータ91を制御することで、ベース81を回転させて、金型61を混合部51及び作業台8の作業範囲板97に対向可能、且つ、金型61を傾斜可能に形成されている。また、制御部9は、空圧シリンダ70aを制御することで、金型61を開閉可能に形成されている。
次に、このように構成された成型装置1を用いた樹脂成形品の製造について説明する。
先ず、制御部9は、ポンプ13を駆動し、ドラム缶21に貯留された第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を混合部51に供給する。
具体的には、制御部9は、2つの三方弁16をそれぞれ制御し、図3に示すドラム缶21及びポンプ13が接続する流路に切り替える。また、制御部9は、駆動モータ31を駆動し、ボールねじ38を回転させることで、ボールナット39を移動させ、ピストン25を、第1ポンプ室の体積が増大する方向、換言するとピストン25、連結部34及びボールナット39が減速機32から離間する方向に移動させる。
また、制御部9は、温度検出器47により検出された熱交換媒体の温度に基づいて、チラー装置42及びヒータ44を駆動し、熱交換媒体の温度を所定の温度となるように制御を行う。また、制御部9は、循環ポンプ43を駆動することで、当該所定の温度となった熱交換媒体を熱交換器41に供給し、ポンプ13へ移動する前の第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2の熱交換を行い、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を所定の温度に制御する。
これにより、ドラム缶21にそれぞれ貯留された第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2が、熱交換器41により所定の温度に熱交換され、第1ポート24aからシリンダ24内に吸い込まれる。また、第2ポート24bからシリンダ24内の充填液Xがタンク26へ吐出される。
次に、制御部9は、2つの三方弁16をそれぞれ制御し、ポンプ13及び混合部51を接続する流路に切り替える。
また、制御部9は、駆動モータ31を駆動し、ボールねじ38を回転させることで、ボールナット39を移動させ、ピストン25を、第2ポンプ室の体積が増大する方向、換言すると、ピストン25、連結部34及びボールナット39が減速機32に近接する方向に移動させる。
これにより、第1ポンプ室に吸い込まれた第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2が、第1ポート24aから吐出され、混合部51に供給されるとともに、タンク26に貯留された充填液Xが、第2ポート24bから第2ポンプ室内に移動する。
次に、図8に示すように、制御部9は、駆動機構52、開閉機構62及び移動機構63を駆動することで混合部51及び金型61を移動させて互いに対向させる。具体的には、制御部9は、一対の金型装置7の一方の移動機構63の回動手段82の第1モータ86を駆動し、ベース81を回動させて、金型61を混合装置6と対向する位置であって、一対の金型61うち少なくとも混合液を供給する金型61を、混合部51の供給口51aの移動範囲内に配置させる。
また、制御部9は、傾斜手段83の第2モータ91を駆動し、開閉機構62を下降させて、金型61の傾斜角度を0度、即ち金型61が傾斜していない状態とする。次に制御部9は、駆動機構52を駆動し、供給口51aが混合液を供給する金型61の下型65と対向するように、混合部51を移動させる。
なお、このとき、開閉機構62は、固定具71を解除し、駆動手段70を駆動して第2支持部68を第1支持部67と離間する方向に移動させることで、金型61を開状態とする。
この状態で、制御部9は、混合部51を制御し、混合部51で第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を混合させる。制御部9は、供給口51aから下型65に第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2の混合液を供給する。
次に、制御部9は、駆動手段70を駆動して第2支持部68を第1支持部67に近接させて、金型61を閉状態とし、固定具71により、第1支持部67及び第2支持部68を固定する。
なお、金型61は、金型加熱手段64により所定の温度に加熱されており、制御部9は、所定の時間を経過するまで金型61の閉状態を維持し、供給された第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2の混合液をキュアさせる。
また、制御部9は、駆動機構52を駆動し、他方の金型61及び供給口51aを対向させる。また、制御部9は、開閉機構62を駆動し、当該他方の金型61を開状態とし、混合液を他方の金型61に供給する。
制御部9は、駆動手段70を駆動して、第2支持部68を第1支持部67に近接させて、他方の金型61を閉状態とし、固定具71により第1支持部67及び第2支持部68を固定し、混合液をキュアさせる。
制御部9は、駆動機構52及び移動機構63を駆動させ、当該キュアを行っている金型61が設けられた金型装置7とは他方の金型装置7のベース81及び当該ベース81の金型61を混合装置6に対向させる。次いで、制御部9は、当該他方の金型装置7の一対の金型61に混合液を供給し、当該混合液のキュアを行う。
これら、金型61に供給させた混合液を所定の時間キュアさせた後、制御部9又は作業者Hが固定具71を解除し、制御部9は、駆動手段70を駆動して第2支持部68を移動させて第1支持部67と離間させ、金型61を開状態とする。
また、制御部9は、第2モータ91を駆動して、開閉機構62を上昇させて、金型61を所定の傾斜角度とする。なお、ここで、金型61の所定の傾斜角度とは、作業者Hの作業性がよい角度であって、作業者Hの身長等によって予め設定される。次に、制御部9は、当該キュア中に、図1に示すように第1モータ86を駆動してベース81を回動させ、金型61を作業台8の作業範囲板97に対向する位置に移動させる。
作業者Hは、開状態となった金型61から、成型された樹脂成形品を取り出し、作業テーブル98に樹脂成型品を運搬し、適宜クラッシング及び修理等の加工を行った後、樹脂成型品を次工程(成型装置1の二次側)へと移動させる。
作業者Hがベース81上の一対の金型61から樹脂成型品を除去した後、作業者Hにより、金型内の残存した樹脂材料等のごみ等の除去、離型剤の塗布、及び、副資材のセット等の成型の準備作業が行われる。
制御部9は、樹脂成型品が除去され、作業者Hにより準備作業が終了した後、金型61が設けられたベース81を移動させ、ベース81及び金型61を、再び混合部51の供給口51aの移動範囲内に配置させる。その後、制御部9は、上述の工程により、金型61に混合液を供給し、繰り返し、樹脂成型品が成型される。
同様に、一方の金型装置7において、作業者Hにより準備作業が終了した後、作業者Hは、他方の金型装置7のベース81の金型61から、キュアが完了した樹脂成型品を取り出して、作業テーブル98に樹脂成型品を運搬し、適宜クラッシング及び修理等の加工を行う。また、作業者Hにより、金型内の残存した樹脂材料等のごみ等の除去、離型剤の塗布、及び、副資材のセット等の成型の準備作業が行われると、制御部9は、再び、金型61に混合液を供給し、一方の金型装置7と同様に、繰り返し、樹脂成型品が成型される。なお、一対の金型装置7は、例えば、交互に混合液の供給及び成型が行われる構成であるが、一対の金型装置7の準備作業等を、同時に行う構成であってもよい。
このように構成された成型装置1によれば、一対の金型装置7は、混合装置6及び作業台8を結ぶ直線を中心として対称位置に配置される。また、一対の金型装置7は、その回動により、混合装置6及び作業台8と対向可能であって、互いに干渉しない位置に配置される。このような金型装置7の配置とすることで、成型装置1の設置範囲を極力小さくすることが可能となる。また、作業者Hの作業範囲は、図1中、実線H及び破線Hで示すように、一対の金型装置7の各金型61と対向する位置、及び、作業テーブル98と対向する位置間の移動のみでよく、作業性の向上にもなる。
さらに、上述した成型装置1によれば、ベース81の回動させることで、金型61が混合装置6及び作業台8と対向可能に、金型装置7を混合装置6及び作業台8間に配置する構成とする。この構成により、成型装置1は、その設置範囲並びに作業者Hの作業範囲及び移動範囲を極力低減することが可能となる。作業者Hの移動距離が低減することから、作業時間の短縮にもなる。即ち、成型装置1は、作業台8に、一対の金型装置7をそれぞれ対向させる構成とすることで、作業台8上で作業者Hが作業のために必要な作業範囲を極力狭くすることが可能となる。これにより、成型装置1は、複数の金型61を備える一対の金型装置7を有する構成であっても、作業者が1人でも樹脂成型品を処理することが可能となる。
また、成型装置1は、ベース81及び回動手段82の構成も小型化とすることが可能となり、成型装置1の小型化及び製造コストの低減が可能となる。さらに、製造時のベース81の移動距離も短くなることから、金型61が混合装置6及び作業台8間を移動する距離及び移動する時間を短縮することが可能となる。
また、ポンプユニット5は、駆動モータ31による回転力を、ボールねじ38及びボールナット39により軸心方向の移動に変換し、当該軸心方向の移動により、ポンプ13のピストン25を移動させる構成である。このため、ポンプユニット5は、小型化が可能であって、ピストン25の移動量を制御することで、供給する樹脂材料(W1,W2)を定量供給することが可能となる。
具体的には、従来のポンプユニットにおいては、油圧ポンプ等が用いられており、油圧によりポンプを駆動することで、ポンプを駆動するための油圧回路や流量計の付帯設備等の構成が必要であり、このような構成が大型化の原因であった。また、油圧ポンプでは、正確な供給量の調整が困難であることから、第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2の供給量にばらつきが発生し、成型品の品質にバラつが発生する虞があった。
しかし、本実施形態のポンプユニット5においては、ポンプ13を駆動するのに必要な構成は、駆動モータ31、減速機32、伝達機構33及び連結部34であり、簡単な構成とすることが可能となる。このため、ポンプユニット5は、小型化が可能であって、且つ、製造コストを低減することが可能となる。
また、ポンプユニットは、駆動モータ31により供給されたピストン25の移動量によって、定量の第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2を定量供給することが可能となる。このように、ポンプユニット5は、樹脂材料(W1,W2)の正確な供給量を調整可能となり、個々で供給量が異なる成型装置1に適することが可能となる。これにより、成型装置1は、成型する樹脂成型品の品質を一定とすることが可能となる。
また、ポンプユニット5は、ポンプ13のピストン25の移動方向を重力方向とすることで、これら各構成品の配置は、高さ方向に配置することが可能となり、設置スペースの低減、及び、ポンプユニット5の小型化が可能となる。
このため、成型装置1は、このようなポンプユニット5、並びに、各配置により設置範囲の低減が可能な混合装置6、金型装置7及び作業台8を用いることで、小型化及び設置範囲の低減が可能となる。また、ポンプユニット5は、可撓性を有する配管17で混合装置6と接続されるため、ポンプユニット5の配置の自由度を向上させることが可能となる。
上述したように、本発明の一実施の形態に係る成型装置1によれば、混合装置6及び作業台8間に金型装置7を設けるとともに、駆動モータ31によりポンプ13を駆動するポンプユニット5を用いることで、小型化が可能、且つ、作業者の作業範囲が小さい、少量生産に適した構成とすることが可能となる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、伝達機構33はボールねじ38及びボールナット39を用いる構成を説明したがこれに限定されない。例えば、伝達機構33は、駆動モータ31の回転軸31aの回転運動を直進運動に変換可能に形成されていればよく、例えば、ラック及びピニオン、並びに、ボルト及びナット等であってもよい。ただし、好ましくは、小型化、摩擦、摺動抵抗、変換時の損失及びストローク量の精度等の観点から、伝達機構33は、ボールねじ38及びボールナット39が好ましい。
また、上述した例では、ポンプユニット5及び混合装置6は、2つの樹脂材料(第1樹脂材料W1及び第2樹脂材料W2)を供給して混合する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、樹脂材料は、3つの樹脂材料を混合する構成であってもよい。
また、上述した例では、金型装置7は、ベース81上に2つの金型61を設ける構成を説明したがこれに限定されない。例えば、金型装置7は、ベース81上に3つの金型61を設ける構成としてもよい。
さらに、上述した例では、成型装置1を用いた樹脂成型品の製造方法として、一対の金型装置7のうち、一方の金型装置7の2つの金型61に混合液をそれぞれ供給した後、他方の金型装置7の2つの金型61に混合液を供給する構成を説明したがこれに限定されない。たとえば、一方の金型装置7の一方の金型61に混合液を供給した後、他方の金型装置7の一方の金型61に混合液を供給し、次に、一方の金型装置7の他方の金型61に混合液を供給する等、一対の金型装置7のそれぞれの金型61に交互に樹脂材料を供給する構成であってもよい。
また、上述した例では、作業者Hが作業を行う作業台8は、作業者Hが乗る作業範囲板97を有する構成としたがこれに限定されない。即ち、作業範囲板97は、作業者Hが作業を行う範囲がわかればよく、必ずしも板状である必要がない。例えば、成型装置1が、工場内の硬い床面上に敷設される場合においては、当該床面に、作業者Hの作業範囲を案内するシール等により当該作業範囲を案内し、当該シール等により案内された床面を作業台8(作業範囲板97)として用いてもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
1…成型装置、5…ポンプユニット、6…混合装置、7…金型装置、8…作業台、9…制御部、11…架台、12…貯留槽、13…ポンプ、14…駆動機構、15…ストレーナ、16…三方弁、17…配管、18…温度調整装置、21…ドラム缶、22…加圧装置、24…シリンダ、25…ピストン、31…駆動モータ、31a…回転軸、32…減速機、33…伝達機構、34…連結部、39…ボールナット、41…熱交換器、51…混合部、51a…供給口、52…駆動機構、53…配管部、61…金型、62…開閉機構、63…移動機構、64…金型加熱手段、65…下型、66…上型、67…第1支持部、68…第2支持部、69…接続部、70…駆動手段、70a…空圧シリンダ、70b…ピストン、70c…空圧回路71…固定具、75…回転軸、81…ベース、82…回動手段、83…傾斜手段、86…第1モータ、87…伝達手段、87a…スプロケット、87b…チェーン、90…柱部、91…第2モータ、92…スプロケット、93…チェーン、94…支持ブロック、95…支持ローラ、97…作業範囲板、98…作業テーブル、H…作業者、S…信号線、W1…第1樹脂材料、W2…第2樹脂材料。

Claims (7)

  1. 作業者がその上面で作業する作業台と、
    複数の樹脂材料を供給可能なポンプユニットと、
    前記ポンプユニットから供給された前記複数の樹脂材料を混合可能、且つ、前記混合された前記複数の樹脂材料を供給可能な混合装置と、
    前記混合装置から供給された前記混合された前記複数の樹脂材料を成型する金型、前記金型を支持するベース、及び、前記ベースを回動させる回動手段を具備し、前記作業台及び前記混合装置間に配置された複数の金型装置と、
    を備えることを特徴とする成型装置。
  2. 前記金型装置は、前記作業台及び前記混合装置間を挟んで一対設けられることを特徴とする請求項1に記載の成型装置。
  3. 前記金型装置は、前記金型が、前記作業台及び前記混合装置と対向可能に形成され、
    前記回動手段は、前記金型が前記作業台及び前記供給装置に対向する範囲で前記ベースを回動可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成型装置。
  4. 前記金型は、前記ベース上に複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の成型装置。
  5. 前記ポンプユニットは、
    架台と、
    前記複数の樹脂材料をそれぞれ貯留する複数の貯留槽と、
    前記架台に設けられ、ピストン及びシリンダを備えるポンプと、
    前記貯留槽及び前記ポンプ又は前記ポンプ及びその二次側を接続するとともに、前記接続を切替可能に形成された三方弁と、
    前記樹脂材料の温度を調整する温度調整装置、並びに、前記架台に固定され、回転軸を有する駆動モータ、前記駆動モータの前記回転軸の回転を直進方向の運動に変換する伝達機構及び前記伝達機構及び前記ピストンを連結する連結部を具備する駆動機構と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の成型装置。
  6. 前記温度調整装置は、前記三方弁の一次側に設けられた熱交換器と、前記熱交換器に熱交換媒体を供給するポンプと、前記熱交換媒体の温度を調整する温度調整手段と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の成型装置。
  7. 前記金型装置は、前記金型を傾斜させる傾斜手段、及び、前記金型を開閉する開閉機構をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の成型装置。
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