JP2014065029A - シリコアルミノリン酸塩を含む水蒸気吸脱着剤 - Google Patents

シリコアルミノリン酸塩を含む水蒸気吸脱着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒートポンプシステム、湿度調整壁剤、湿度調整用シート等に有用である水蒸気吸脱着剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表され、粉末X線回折パターンとして、面間隔6.60Å付近、5.24Å付近及び4.17Å付近にブロードピークを持つことを特徴とするCHA構造とAEI構造の連晶体結晶構造を有するシリコアルミノリン酸塩を含む水蒸気吸脱着剤を用いる。(SiAl)O(1)(式中、xはSiのモル分率、yはAlのモル分率、zはPのモル分率、x+y+z=1を表す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコアルミノリン酸塩を含む新規な水蒸気吸脱着剤に関する。本発明に係る水蒸気吸脱着剤は、吸着式ヒートポンプシステム、デシカント空調システム、湿度調整壁剤、湿度調整用シートなどに適した水蒸気吸脱着剤に関する。
吸着式ヒートポンプシステム、デシカント空調システム等のシステムにおいては、システム系外に水蒸気を排出するための水蒸気吸脱着剤が用いられている。当該システムでは、25℃〜40℃の吸着温度で水蒸気吸脱着剤に水蒸気(水)を吸着させた後、これを60℃〜100℃の脱離温度まで加熱する。水蒸気吸脱着剤に吸着した水は加熱により脱離し、これにより、水蒸気吸脱着剤が乾燥する。乾燥した水蒸気吸脱着剤は吸着温度まで冷却されて、再度、水の吸着に使用される。当該システムでは、この様な水蒸気の吸着及び脱離(以下、「吸脱着」とする。)が繰返される。この様なシステムに使用される水蒸気吸脱着剤として、吸着温度から脱離温度の温度範囲における水蒸気吸脱着量が多い吸着剤が望まれており、様々な吸着剤が提案されている(特許文献1又は2)。
特許文献1には、ゼオライト類縁物質を含む吸着ヒートポンプ用水蒸気吸脱着剤が報告されている。当該ゼオライト類縁物質はアルミニウム、リンおよびケイ素を骨格構造に含み、なおかつ、構造コードがCHAのゼオライト類縁物質であった。当該ゼオライト類縁物質を含む水蒸気吸脱着剤は、水蒸気吸着等温線において相対蒸気圧0.05以上0.30以下の範囲で相対蒸気圧が0.15変化したときの水の吸着量変化が0.18g/g以上の相対蒸気圧域を有するものであった。
特許文献2には、骨格を構成する元素として少なくともAlとPを含み、なおかつ、MgまたはSiを含むゼオライト類縁物質からなる吸脱着剤が開示されている。当該ゼオライト類縁物質は、細孔が3.8から7.1オングストロームの径を有する1次元構造を有し、なおかつ、その結晶構造がATS構造、ATN構造、AWW構造、LTL構造、及びSAS構造の何れかの結晶構造を有するものであった。
特開2003−340236号公報 特開2007−181795号公報
これまで提案されている水蒸気吸脱着剤は、その水蒸気吸脱着量が十分なものではなかった。
本発明は、上記の課題を解決し、吸着式ヒートポンプシステム、デシカント空調システム、湿度調整壁剤、湿度調整用シート等に有用な水蒸気吸脱着剤を提供する。すなわち、本発明は水分除去システムとして使用した場合に、高い水蒸気吸脱着量を有する水蒸気吸脱着剤を提供することを目的とする。
本発明者は、シリコアルミノリン酸塩の結晶構造と水蒸気吸脱着特性について検討した。その結果、CHA構造とAEI構造とからなる結晶構造を有するシリコアルミノリン酸塩において、シリコアルミノリン酸塩に含まれるCHA構造とAEI構造の連晶比(Intergrowth ratio)が制御されたものが、優れた水蒸気吸脱着特性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記一般式(1)で表され、下記表1に示す粉末X線回折(以下、「XRD」とする。)パターンを特徴とするCHA構造とAEI構造とからなる結晶構造を有するシリコアルミノリン酸塩を含む水蒸気吸脱着剤である。
(SiAl)O (1)
(式中、xはSiのモル分率、yはAlのモル分率、zはPのモル分率、x+y+z=1を表す。)
Figure 2014065029
以下、本発明の水蒸気吸脱着剤について説明する。
本発明の水蒸気吸脱着剤は、CHA構造とAEI構造とからなる結晶構造を有するシリコアルミノリン酸塩(以下、「連晶SAPO」とする。)を含む水蒸気吸脱着剤であり、連晶SAPOからなる水蒸気吸脱着剤であってもよい。
連晶SAPOは、その結晶構造が、CHA構造とAEI構造とからなる結晶構造(以下、「連晶体結晶構造」とする。)である。したがって、結晶構造がCHA構造のみからなるシリコアルミノリン酸塩、あるいは結晶構造がAEI構造のみからなるシリコアルミノリン酸塩と、連晶SAPOとは異なる。さらに、連晶SAPOは、CHA構造のシリコアルミノリン酸塩とAEI構造のシリコアルミノリン酸塩とを混合して得られるシリコアルミノリン酸塩とも異なる。
水蒸気吸脱着剤に含まれる連晶SAPOは、表1に示すXRDパターンを有する。
このXRDパターンは、SAPO−34シリコアルミノリン酸塩のXRDパターンには存在しないブロードピークを、面間隔6.60Å付近(回折角2θ=13.4°付近)、5.24Å付近(回折角2θ=16.9°付近)、及び4.17Å付近(回折角2θ=21.3°付近)に有する。これらのブロードピークは、本発明の水蒸気吸脱着剤に含まれる連晶SAPOが、連晶体結晶構造を有することを示している。
さらに、本発明の水蒸気吸脱着剤に含まれる連晶SAPOは、結晶構造保持率が50%以上100%以下であることが好ましい。結晶構造保持率とは、80℃の飽和水蒸気中に8日間保存する前の結晶化度に対する、当該保存後の結晶化度の割合である。
本発明において結晶化度はシリコアルミノリン酸塩のXRDパターンにおける主なピークのピーク強度の合計値から求めることができる。連晶SAPOであれば、そのXRDパターンにおける主なピークは2θ=16.1±0.2°、19.1±0.2°、20.7±0.2°、及び26.1±0.2°の4つである。また、SAPO−34であれば、そのXRDパターンにおける主なピークは2θ=16.1±0.2°、17.8±0.2°、20.8±0.2°、及び25.1±0.2°の4つである。なお、本発明における2θの値(°)は、いずれも銅Kα線を線源とした場合の値である。
また、本発明の水蒸気吸脱着剤に含まれる連晶SAPOのCHA構造とAEI構造の割合(Intergrowth ratio;以下、「連晶比」とする。)は、CHA/AEI比で80/20〜20/80であることが好ましく、50/50〜30/70であることがさらに好ましく、45/55〜30/70であることがより好ましい。連晶比がCHA/AEI比でこの範囲であれば、連晶SAPOの耐水性が低下しにくくなり、なおかつ、結晶構造保持率が低くなりにくい。
また、本発明の水蒸気吸脱着剤に含まれる連晶SAPOは、上記一般式(1)において、Siのモル分率xが0.05<x≦0.10、Alのモル分率yが0.47≦y≦0.52、及びPのモル分率zが0.40≦z≦0.46であることが好ましい。上記の範囲の組成であれば、結晶構造保持率がより高くなりやすい。
さらに、本発明の水蒸気吸脱着剤は、水和処理前の固体酸量に対する水和処理後の固体酸量(以下、「固体酸維持率」とする。)が50%以上であることが好ましい。固体酸維持率が50%以上であれば、本発明の水蒸気吸脱着剤の耐水性がより高くなりやすい。固体酸は水蒸気吸着の活性点となる。そのため、水和処理前後の固体酸維持率が高いほど耐水性が高く、水蒸気吸脱着剤として好ましい特性を有する。
固体酸は、一般的なNH−TPD法により確認及び定量することができる。固体酸はアンモニア(NH)を吸着する性質を有する。NH−TPD法は、この性質を利用した測定法であり、シリコアルミノリン酸塩にアンモニアを吸着及び脱離させ、特定の温度範囲においてシリコアルミノ酸塩から脱離されるアンモニアを確認及び定量し、これを固体酸として確認及び定量する測定方法である。
NH−TPD法としては、以下の3つの工程を有する方法を例示することができる。
1)シリコアルミノリン酸塩に吸着したガスや水分等を除去する前処理工程
2)アンモニアをシリコアルミノリン酸塩に吸着させるアンモニア吸着工程、及び
3)シリコアルミノリン酸塩に吸着されたアンモニアを、そこから脱離させるアンモニア脱離工程
前処理工程としては、処理温度400〜600℃で不活性ガスをシリコアルミノリン酸塩に流通させることが例示できる。また、アンモニア吸着工程としては、処理温度100〜150℃で、1〜20容量%のアンモニアを含む不可性ガスをシリコアルミノリン酸塩に流通させることが例示できる。さらに、アンモニア脱離工程としては、不活性ガスをシリコアルミノリン酸塩に流通しながら100℃〜700℃程度まで昇温することが例示できる。
アンモニア脱離工程において、脱離したアンモニアを確認及び定量することで、固体酸の確認及び定量ができる。なお、シリコアルミノリン酸塩に吸着されるアンモニアは、物理的に吸着されるアンモニアと、固体酸により吸着されるアンモニアがある。固体酸の確認及び定量を行う際は、この両者を分離する必要がある。例えば、250〜450℃の温度で脱離したアンモニアのピークをもって固体酸の存在が確認でき、当該ピークに相当するアンモニア量を定量し、これを固体酸量とみなすことが挙げられる。
さらに、本発明の水蒸気吸脱着剤は、アルカリ土類金属が担持された連晶SAPOを含んでいてもよい。連晶SAPOにアルカリ土類金属が担持されることで、複数回の水和処理を施した処理(以下、「サイクル水和処理」とする。)後の固体酸量の低下が抑制されやすくなる。
ここで、サイクル水和処理として、例えば、60℃以上、100℃以下の飽和水蒸気雰囲気下に水蒸気吸脱着剤を1時間以上、60日間以下、静置する処理をした後に、60℃以上、200℃以下の乾燥雰囲気下(すなわち、水分含有量0.05体積%以下の雰囲気下)に水蒸気吸脱着剤を1時間以上、60日間以下、静置する処理をすること1サイクルとし、当該サイクルを10回以上、50回以下繰り返すこと、が挙げられる。
アルカリ土類金属は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)群から選ばれる少なくともいずれか1種であることが好ましく、カルシウムであることがより好ましい。
アルカリ土類金属がカルシウムである場合、カルシウム担持量は0.1重量%以上、更には0.2重量%以上、また更には0.4重量%以上であることが好ましい。カルシウム担持量がこの範囲であれば、サイクル水和処理後の固体酸量の低下がより抑制されやすくなる。また、カルシウム含有量は、2.5重量%以下、更には2重量%以下、また更には1.5重量%以下であれば、十分な固体酸量の低下を抑制する効果が得られる。なお、アルカリ土類金属がカルシウム以外である場合、その含有量は、上記のカルシウム含有量(重量%)に対応する物質量(mol)と同程度の量、であればよい。
本発明の水蒸気吸脱着剤は、これを任意の形態とすることができる。例えば、これを粉末で使用してもよく、コーティングや成形体として使用してもよい。コーティングとして使用する場合、本発明の水蒸気吸脱着剤を粉末スラリーとし、これをハニカムローターなどの基材にコーティングすればよい。
成形体として使用する場合、バインダーや成形助剤を本発明の水蒸気吸脱着剤に混合して粒状成形体として使用すればよい。さらに、他の材料と一体成型してもよく、紙又は樹脂に混合することによりシート状にしてもよい。
本発明の水蒸気吸脱着剤の製造方法を以下に説明する。
本発明の水蒸気吸着剤は、連晶SAPOを含ませれば任意の製造方法により得ることができる。さらに、連晶SAPOは、以下のモル組成比を有する反応混合物を130℃以上220℃以下の温度に5時間以上100時間以下保持することにより製造方法により得られるものであることが好ましい。
/Al(モル比)=0.7〜1.5
SiO/Al(モル比)=0.1〜1.2
O/Al(モル比)=5〜100
R/Al(モル比)=0.5〜5
(Rは、有機鉱化剤を表す。)
ケイ素源は特に限定されないが、水溶性または水に分散されたケイ素源、固体状のケイ素源、又は有機ケイ素源などが挙げられる。水溶性のケイ素源としては、コロイダルシリカ、シリカゾル、及び水ガラスの群から選ばれる少なくとも1種、固体状ケイ素源としては、無定形シリカ、フュームドシリカ、及び珪酸ナトリウムの群から選ばれる少なくとも1種、有機ケイ素源としては、オルトケイ酸エチルを例示することができる。
燐源として、例えば、正リン酸又は亜リン酸など水溶性の燐源、ピロリン酸などの縮合リン酸、リン酸カルシウムなどの固体状の燐源が挙げられる。
アルミニウム源として、例えば、水溶性または水に分散されたアルミニウム源、固体状アルミニウム源、有機アルミニウム源などが挙げられる。水溶性アルミニウム源として、硫酸アルミニウム溶液、アルミン酸ソーダ溶液、及びアルミナゾルの群から選ばれる少なくとも1種、固体状アルミニウム源として、無定形アルミナ、擬ベーマイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、及びアルミン酸ナトリウムの群から選ばれる少なくとも1種、有機アルミニウム源としてアルミニウムイソプロポキシドを例示することができる。
有機鉱化剤として、例えば、3級アミン、更にはトリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジエチルプロピルアミン、エチルジプロピルアミン、及びジエチルイソプロピルアミンの群から選ばれる少なくとも1種の3級アミン、また更にはトリエチルアミンを挙げることができる。有機鉱化剤としてトリエチルアミンを使用する場合、トリエチルアミン以外の3級アミン、あるいはシリコアルミノリン酸塩の合成に使用される他の有機鉱化剤とトリエチルアミンとを混合して使用してもよい。上記の他の有機鉱化剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウム塩、ジエチルアミン、メチルブチルアミン、モルフォリン、シクロへキシルアミン、及びプロピルアミンの群から選ばれるいずれか1つ以上を挙げることができる。
これらケイ素源、燐源、アルミニウム源、水、及び有機鉱化剤の添加順序は特に限定されない。それぞれを個別に、あるいは2原料以上を同時に添加混合することにより、反応混合物を調製してもよい。さらには、あらかじめ無定形のアルミノ燐酸ゲル、無定形のシリコアルミノ燐酸ゲルを調製し、これに水と有機鉱化剤、必要によりケイ素源、燐源、アルミニウム源を追加、混合することにより反応混合物を調製してもよい。反応混合物は、必要により、塩酸、硫酸、フッ酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウムなどの酸、アルカリによりpHを調製してもよい。
燐源とアルミニウム源は、酸化物換算でP/Alモル比が0.7〜1.5となるよう混合する。P/Alモル比が0.7以上であれば収量の低下が防げる。P/Alモル比が1.5以下であれば、結晶化速度が低下しにくくなり、短時間で結晶化できる。好ましいP/Alモル比は0.8〜1.2である。
ケイ素源とアルミニウム源は、酸化物換算でSiO/Alモル比が0.1〜1.2となるよう混合する。SiO/Alモル比が0.1以上であれば固体酸量の不足が生じない。SiO/Alモル比が1.2以下であれば結晶化速度が低下しにくくなり、短時間で結晶化できる。好ましいSiO/Alモル比は0.2〜0.8である。
水とアルミニウム源は、酸化物換算でHO/Alモル比が5〜100となるよう混合する。原料としてコロイダルシリカやリン酸などの水溶液を使用する際には水溶液中の水を含めた量をHOとする必要がある。HO/Alモル比は、生成物の収量に影響するため小さい方が好ましい。しかしながら、HO/Alモル比は5以上であれば反応混合物の粘度の上昇が抑えられる。好ましいHO/Alモル比は10〜100、さらには15〜60である。
有機鉱化剤(R)とアルミニウム源は、酸化物換算でR/Alモル比が0.5〜5となるように混合する。有機鉱化剤は、R/Alモル比は大きい方が好ましい。R/Alモル比が0.5以上とすることで、本発明の水蒸気吸脱着剤に含まれる連晶SAPOが得られやすくなる。一方、有機鉱化剤をR/Alモル比が5以下であれば、十分な構造形成効果が得られる。好ましいR/Alモル比は1〜3である。
連晶SAPOの製造に際しては、反応混合物にシリコアルミノリン酸塩を種晶として0.05〜10重量%添加することにより、結晶化時間の短縮化を図ってもよい。この際、種晶とする本発明のシリコアルミノリン酸塩は粉砕して使用することがより効果的である。
ここでの種晶添加量(重量%)は、反応混合物中のケイ素源、燐源、及びアルミニウム源のSi、P及びAlの量を、それぞれ酸化物(SiO、P、Al)として換算した場合の総重量に対する、種晶の重量割合である。種晶添加量が0.05重量%以上であれば、結晶化時間の短縮化の効果が十分に得られる。一方、種晶添加量の上限は特に限定されないが、10重量%を超えて添加しても効果が変わらない。したがって、好ましい種晶添加量は0.05〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜5重量%である。
以上のように調製された反応混合物を密閉耐圧容器に入れ、130℃以上220℃以下の温度に5時間以上100時間以下保持する。これにより、本発明の水蒸気吸脱着剤に含まれる連晶SAPOを製造することができる。生成物の組成や結晶径を均一にするために、反応混合物は保持中に撹拌することが好ましい。
結晶化温度が高いと反応混合物を短時間で結晶化させることが可能である。好ましい結晶化温度は150〜200℃である。
結晶化された連晶SAPOは、ろ過、デカンテーション、遠心分離など常法の固液分離法により結晶化母液と分離し、必要により水洗を行った後、常法により乾燥することにより回収すればよい。
回収された乾燥状態のシリコアルミノリン酸塩は、結晶化に使用した有機鉱化剤を細孔内に含有している。水蒸気吸脱着剤として、得られたシリコアルミノリン酸塩を使用するためには、含有する有機鉱化剤の焼成除去を行うことができる。有機鉱化剤は、含酸素雰囲気下で400〜800℃の温度で焼成することにより除去すればよい。酸素濃度が高い雰囲気で焼成を行うと、有機鉱化剤が激しく燃焼するために、シリコアルミノリン酸塩の構造が破壊され、焼成炉の温度制御ができなくなることがある。このような場合には、焼成初期は低酸素雰囲気あるいは無酸素雰囲気として有機鉱化剤の燃焼を抑制することが好ましい。
以上のようにして得られた連晶SAPOは、使用する原料によっては、アルカリ金属、アルカリ土金属など原料中の金属カチオンをイオン交換サイトに含有することがある。そのため、必要により、酸洗浄、あるいはイオン交換により金属カチオンを除去、あるいは所望の金属カチオンを含有させることができる。
本発明の水蒸気吸脱着剤に含まれる連晶SAPOは、これにアルカリ土類金属を担持させてもよい。
アルカリ土類金属元素としては、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)群から選ばれる少なくともいずれか1種であることが好ましく、カルシウムであることがより好ましい。
アルカリ土類金属担持に供する連晶SAPOを、プロトン型(H型)の連晶SAPO、またはアンモニア型(NH 型)の連晶SAPOのいずれかとすることが好ましい。これにより、連晶SAPOへのアルカリ土類金属の担持がより効率的に行える傾向にある。
連晶SAPOをプロトン型(H型)の連晶SAPOとするためには、例えば、結晶化後の連晶SAPOを、大気中、400℃以上で焼成することが挙げられる。また、連晶SAPOをアンモニア型(NH 型)の連晶SAPOにするには、例えば、結晶化後の連晶SAPOを塩化アンモニウム水溶液でイオン交換することを挙げられる。
アルカリ土類金属の原料は、連晶SAPOに担持させるアルカリ土類金属を含む硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、錯塩、酸化物及び複合酸化物の群から選ばれるいずれか、並びにこれらの混合物を使用することができ、硝酸塩または酢酸塩であることが好ましい。
アルカリ土類金属が担持されれば、その担持方法は任意の方法を選択することができる。担持方法として、イオン交換法、含浸担持法、蒸発乾固法、沈殿担持法又は物理混合法などの方法を例示することができ、連晶SAPOに担持するアルカリ土類金属量が制御しやすいため、担持方法は含浸担持法、又は蒸発乾固法のいずれかであることが好ましい。
これらのアルカリ土類金属の原料は、目的とする担持量となる量を使用すればよい。例えば、アルカリ土類金属がカルシウムである場合、連晶SAPOの重量に対するカルシウムの重量が0.1重量%以上、更には0.2重量%以上、また更には0.4重量%以上となる量を挙げることができる。一方、連晶SAPOの重量に対するカルシウムの重量が2.5重量%以下、更には2重量%以下、また更には1.5重量%以下となる量を用いればよい。なお、アルカリ土類金属がカルシウム以外である場合、当該アルカリ土類金属の原料中のアルカリ土類金属が、上記のカルシウム量(重量%)に対応する物質量(mol)と同程度の量となるように、当該原料を使用すればよい。
本発明の水蒸気吸脱着剤は高い水蒸気吸着量を有しており、吸着式ヒートポンプシステム、デシカント空調システム、湿度調整壁剤、湿度調整用シートなどの水蒸気吸脱着剤に使用することができる。
実施例1で得られたシリコアルミノリン酸塩の25℃で測定した水蒸気吸着等温線を示す図である。 比較例1で得られたシリコアルミノリン酸塩の25℃で測定した水蒸気吸着等温線を示す図である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(連晶比)
国際ゼオライト学会より配布されているDIFFaXプログラム(v1.813)を用いたXRDシミュレーションパターンと試料のXRDパターンとの比較により、試料の連晶比(CHA/AEI比)を決定した。
(結晶構造保持率)
シャーレに試料を約0.5g量り取った。これを80℃に保持した水を入れたデシケーター中で、80℃の飽和水蒸気中に8日間保存した。8日間保存の後、600℃×1時間の焼成を行い、X線回折の評価を行った。
結晶構造保持率は、当該保存前後の試料について、銅Kα線を線源として測定したXRDパターンにおける主なピーク強度の総和を求めた。当該総和から、以下の式により結晶構造保持率を求めた。なお、実施例1,2,3においては2θ=16.1°、19.1°、20.7°、及び26.1°の4本のピークを主なピークとした。一方、比較例1においては2θ=16.1°、17.8°、20.8°、及び25.1°の4本を主なピークとした。
結晶構造保持率(%)=(保存後のピーク強度/保存前のピーク強度)×100
(固体酸量の測定)
試料の固体酸量の測定は、以下に示したNH−TPD法により行った。
測定に先立ち、試料を加圧成形し、粉砕した後、20〜30メッシュに整粒した。整粒後の試料を0.1g量りとり、これを固定床常圧流通式反応管(以下、単に「反応管」という)に充填した。
試料が充填された反応管にヘリウムガスを流通しながら、これを500℃まで加熱した。これにより、試料とヘリウムガスとを接触させた。500℃で1時間保持した後、試料が充填された反応管を100℃まで冷却した。
冷却後、試料が充填された反応管の温度を100℃に保持しながら、10体積%のアンモニアを含むアンモニア−ヘリウム混合ガスを流速60mL/minで1時間流通させた。これにより、試料にアンモニアを吸着させた。試料へのアンモニア吸着後、アンモニア−ヘリウム混合ガスを止め、その代わりにヘリウムガスを60mL/minで1時間流通させた。これにより、反応管の雰囲気中に残存するアンモニアガス、すなわち、試料に吸着されなかったアンモニアを反応管から除去した。
その後、流速60mL/minでヘリウムガスを流通しながら、10℃/minの昇温速度で100℃から700℃まで試料を昇温した。これにより、試料に吸着されたアンモニアを試料から脱離させた。試料から脱離されたアンモニアは、熱伝導度検出器(TCD)を備えたガスクロマトグラフによって連続的に定量され、これによりアンモニアの脱離スペクトルを得た。
得られた脱離スペクトルにおいて、脱離温度100℃以上250℃未満にピークトップを持つ脱離ピークを、試料へ物理吸着したアンモニアの脱離に由来するピーク(以下、「物理吸着ピーク」という)とみなし、脱離温度250℃以上450℃以下にピークトップを持つ脱離ピークを、試料の固体酸に由来するピーク(以下、「固体酸ピーク」という)とみなした。
脱離スペクトルにおける固体酸ピークのピーク面積を求め、これと、予め測定したアンモニア量(mmol)が既知のガス(0.25mLの10容量%アンモニア−ヘリウム混ガス)のNH−TPDピークのピーク面積との比を求めた。これにより固体酸ピーク
に相当するアンモニア脱離量(mmol)を求め、以下の式により、試料の固体酸量を求めた。
試料の固体酸量(mmol/g)
=固体酸ピークに相当するアンモニア脱離量(mmol)/シリコアルミノリン酸塩質量(g)
(水蒸気吸着量の評価)
測定に先立ち、試料を加圧成形し、粉砕した後、20〜30メッシュに整粒し、これを350℃、2時間で前処理した。前処理後、以下の条件で水蒸気吸着量の評価を行った。
装置 :磁気浮遊式天秤(日本ベル株式会社製)
吸着温度 :25℃
空気恒温層温度 :80℃
初期導入圧力 :5kPa
当該条件により水蒸気吸着等温線を得、これより、相対圧力0.05〜0.30における水蒸気吸着量を求めた。なお、水蒸気吸着量は、試料100gに対する水蒸気の吸着量(g/100g)として求めた。
実施例1
水29.4g、85%リン酸水溶液(キシダ化学:特級試薬)9.00g、30%コロイダルシリカ(日産化学:ST−N30)1.53g、トリエチルアミン(キシダ化学:特級試薬)11.9g、及び77%擬ベーマイト(サソール:Pural SB)5.19g、結晶性シリコアルミノリン酸塩をボールミルで1時間湿式粉砕して得られた種晶0.075gを混合し、次の組成の反応混合物を調製した。
/Al(モル比)=1.0
SiO/Al(モル比)=0.20
O/Al(モル比)=50
TEA/Al(モル比)=3
(TEAは、有機鉱化剤として使用するトリエチルアミンを表す。)
種晶添加量=0.6重量%
この反応混合物を80mlのステンレス製密閉耐圧容器に入れ、撹拌しながら180℃で62時間保持した。
生成物をろ過、水洗後、110℃で一晩乾燥した後、600℃で2時間焼成した。
生成物について、銅Kα線を線源とするX線回折装置(マックサイエンス:MPX3)により得たXRDパターンから、ピーク位置の面間隔値(d値)とそのピークの相対強度を求めて表2に示す。
Figure 2014065029
表2に示す通り、本発明の結晶性シリコアルミノリン酸塩の特徴、即ち、SAPO−34シリコアルミノリン酸塩の粉末X線回折パターンには存在しない面間隔6.60Å付近(回折角2θ=13.4°付近)、5.24Å付近(回折角2θ=16.9°付近)及び4.17Å付近(回折角2θ=21.3°付近)にブロードピークを有していた。
乾燥後の生成物を誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)により組成分析を行ったところ、酸化物換算で下記の組成を有していた。
(Si0.055Al0.500.44)O
得られたシリコアルミノリン酸塩は、CHA構造とAEI構造の連晶比(Intergrowth ratio)がCHA/AEI比で40/60であった。
結晶構造保持率は100%であり、高い結晶構造保持率であった。
(水和処理)
得られたシリコアルミノリン酸塩を600℃で2時間焼成した。これにより、有機鉱化剤を除去し、プロトン型(H型)のシリコアルミノリン酸塩とした。焼成後のシリコアルミノリン酸塩を0.5gシャーレに量りとり、底部に純水を含むデシケーターにこれを配置した後、デシケーターを密閉した。当該デシケーターを80℃に保持した乾燥機中に配置することにより、シリコアルミノリン酸塩を80℃の飽和水蒸気濃度(291g/m)雰囲気下に置いた。当該雰囲気下に8日間静置することにより、シリコアルミノリン酸塩を水和処理した。
(固体酸量の測定)
焼成後のシリコアルミノリン酸塩(すなわち、水和処理前のシリコアルミノリン酸塩)、及び、水和処理後のシリコアルミノリン酸塩のそれぞれの固体酸量を測定した。その結果、焼成後のシリコアルミノリン酸塩の固体酸量は0.78mmol/g、及び、水和処理後のシリコアルミノリン酸塩の固体酸量は0.54mmol/gであり、水和処理後の固体酸維持率は70%であった。
水蒸気吸着等温線から、相対圧力0.05〜0.30における水蒸気吸着量は24.3(g/100g)であった。25℃で測定した水蒸気吸着等温線を図1に示す。
実施例2
水1698g、85%リン酸水溶液559g、30%コロイダルシリカ284g、トリエチルアミン736g、77%擬ベーマイト322g、結晶性シリコアルミノリン酸塩をボールミルで1時間湿式粉砕した種晶4.2gを混合し、次の組成の反応混合物を調製した。
/Al(モル比)=1.0
SiO/Al(モル比)=0.6
O/Al(モル比)=50
TEA/Al(モル比)=3
(TEAは、有機鉱化剤として使用するトリエチルアミンを表す。)
種晶0.5重量%
この反応混合物を4000mlのステンレス製密閉耐圧容器に入れ、270rpmで撹拌しながら180℃で64時間保持した。
生成物をろ過、水洗後、110℃で一晩乾燥した後、600℃で2時間焼成した。
生成物について、銅Kα線を線源とする粉末X線回折装置(マックサイエンス:MPX3)により得たX回折パターンから、ピーク位置の面間隔値(d値)とそのピークの相対強度を求めて表3に示す。
Figure 2014065029
表3に示す通り、得られた生成物は、本発明の結晶性シリコアルミノリン酸塩の特徴を有していた。即ち、得られた生成物は、SAPO−34シリコアルミノリン酸塩のXRDパターンには存在しないブロードピークである、面間隔6.60Å付近(回折角2θ=13.4°付近)、5.24Å付近(回折角2θ=16.9°付近)及び4.17Å付近(回折角2θ=21.3°付近)にブロードピークを有していた。
乾燥後の生成物を誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)により組成分析を行ったところ、酸化物換算で下記の組成を有していた。
(Si0.08Al0.500.42)O
得られたシリコアルミノリン酸塩は、CHA構造とAEI構造の連晶比(Intergrowth ratio)がCHA/AEI比で35/65であった。
結晶構造保持率は100%であり、高い結晶構造保持率であった。
(固体酸量の測定)
実施例1と同様な方法で、シリコアルミノリン酸塩を焼成、水和処理し、その固体酸量の測定を行った。その結果、焼成後のシリコアルミノリン酸塩の固体酸量は0.80mmol/g、及び、水和処理後のシリコアルミノリン酸塩の固体酸量は0.51mmol/gであり、水和処理後の固体酸維持率は64%であった。
水蒸気吸着等温線から、相対圧力0.05〜0.30における水蒸気吸着量は22.16(g/100g)であった。
実施例3
結晶化の温度を175℃とした以外は、実施例2と同様の操作を行った。
生成物について、銅Kα線を線源とする粉末X線回折装置(マックサイエンス:MPX3)により得たX回折パターンから、ピーク位置の面間隔値(d値)とそのピークの相対強度を求めて表4に示す。
Figure 2014065029
表4に示す通り、本発明の結晶性シリコアルミノリン酸塩の特徴、即ち、SAPO−34シリコアルミノリン酸塩の粉末X線回折パターンには存在しない面間隔6.60Å付近(回折角2θ=13.4°付近)、5.24Å付近(回折角2θ=16.9°付近)及び4.17Å付近(回折角2θ=21.3°付近)にブロードピークを有していた。
乾燥後の生成物を誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)により組成分析を行ったところ、酸化物換算で下記の組成を有していた。
(Si0.08Al0.500.42)O
得られたシリコアルミノリン酸塩は、CHA構造とAEI構造の連晶比(Intergrowth ratio)がCHA/AEI比で40/60であった。
結晶構造保持率は83%であり、高い結晶構造保持率であった。
(固体酸量の測定)
実施例1と同様な方法で、シリコアルミノリン酸塩を焼成、水和処理し、その固体酸量の測定を行った。その結果、焼成後のシリコアルミノリン酸塩の固体酸量は0.94mmol/g、及び、水和処理後のシリコアルミノリン酸塩の固体酸量は0.55mmol/gであり、水和処理後の固体酸維持率は58%であった。
水蒸気吸着等温線から、相対圧力0.05〜0.30における水蒸気吸着量は20.9(g/100g)であった。
(カルシウム担持SAPO−47の製造)
焼成して水素型としたシリコアルミノリン酸塩を乾燥重量で7.0g量り取り、硝酸カルシウム四水和物(キシダ化学:試薬特級)0.38gを純水2.75gに溶解した硝酸カルシウム溶液をこれに滴下した後、乳鉢で10分間混練した。
混練後の試料を110℃で一晩乾燥した後、空気中、550℃で2時間焼成してカルシウム含有シリコアルミノリン酸塩を得た。カルシウム担持量は0.91重量%であった。
カルシウム担持シリコアルミノリン酸塩の水蒸気吸着等温線から、相対圧力0.05〜0.30における水蒸気吸着量は21.8(g/100g)であった。
比較例1
水244g、85%リン酸水溶液(キシダ化学:特級試薬)279g、30%コロイダルシリカ(日産化学:ST−N30)135g、35%テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド(アルファーエイサー)1159g、77%擬ベーマイト(サソール:Pural SB)183gを混合し、次の組成の反応混合物を調製した。
/Al(モル比)=0.88
SiO/Al(モル比)=0.5
O/Al(モル比)=50
TEAOH/Al(モル比)=2
(TEAOHは、有機鉱化剤として使用するテトラエチルアンモニウムヒドロキサイドを表す。)
この反応混合物を4000mLのステンレス製密閉耐圧容器に入れ、270rpmで撹拌しながら200℃で92時間保持した。
生成物をろ過、水洗後、110℃で一晩乾燥した後、600℃で2時間焼成した。
生成物について、銅Kα線を線源とする粉末X線回折装置(マックサイエンス:MPX3)により得たXRDパターンから、ピーク位置の格子面間隔値(d値)とそのピークの相対強度を求めて表5に示す。
Figure 2014065029
表5に示す通り、SAPO−34の格子面間隔−相対強度の特徴を有していた。
乾燥後の生成物を誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP)により組成分析を行ったところ、酸化物換算で下記の組成を有していた。
(Si0.12Al0.490.39)O
結晶構造保持率は41%であり、結晶構造保持率が低下していた。
(固体酸量の測定)
実施例1と同様な方法で、SAPO−34を焼成、水和処理し、その固体酸量の測定を行った。その結果、焼成後のSAPO−34の固体酸量は1.06mmol/g、及び、水和処理後のSAPO−34の固体酸量は0.42mmol/gであり、水和処理後の固体酸維持率は40%であった。
水蒸気吸着等温線から、相対圧力0.05〜0.30における水蒸気吸着量は15.6(g/100g)であり、低い吸着量であった。25℃で測定した水蒸気吸着等温線を図2に示す。
図1の実施例1の水蒸気吸着等温線と比較すると、比較例1は、相対圧力0.05〜0.30における水蒸気吸着量が小さかった。これより、実施例1のシリコアルミノリン酸塩の方が、80℃の飽和水蒸気中に8日間保存した時の結晶構造保持率が高く、耐水性に優れ、結果として80℃の飽和水蒸気中に8日間保存した後の水蒸気吸着量が高い。
本発明の水蒸気吸脱着剤は、吸着式ヒートポンプシステム、デシカント空調システム、湿度調整壁剤、湿度調整用シートなどの水蒸気吸脱着剤として使用することができる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表され、下記表1に示す粉末X線回折パターンを特徴とするCHA構造とAEI構造とからなる結晶構造を有するシリコアルミノリン酸塩を含む水蒸気吸脱着剤。
    (SiAl)O (1)
    (式中、xはSiのモル分率、yはAlのモル分率、zはPのモル分率、x+y+z=1を表す。)
    Figure 2014065029
  2. 前記シリコアルミノリン酸塩のCHA構造とAEI構造の連晶比が、CHA/AEI比で80/20〜20/80であることを特徴とする請求項1に記載の水蒸気吸脱着剤。
  3. 前記シリコアルミノリン酸塩が、下記一般式(1)で表される組成であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水蒸気吸脱着剤。
    (SiAl)O (1)
    xはSiのモル分率:0.05<x≦0.10、yはAlのモル分率:0.47≦y≦0.52、zはPのモル分率:0.40≦z≦0.46、x+y+z=1
  4. 前記シリコアルミノリン酸塩が、80℃の飽和水蒸気中で8日間保存する前の結晶化度に対する、当該保存後の結晶化度の割合が、50%以上100%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水蒸気吸脱着剤。
  5. 前記シリコアルミノリン酸塩が、水和処理前の固体酸量に対する水和処理後の固体酸量が50%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水蒸気吸脱着剤。
  6. 前記シリコアルミノリン酸塩が、アルカリ土類金属を含むことを特徴とする請求項1乃至5に記載の水蒸気吸脱着剤。
  7. 前記シリコアルミノリン酸塩が、カルシウムを含むことを特徴とする請求項6に記載の水蒸気吸脱着剤。
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