JP2014062003A - 耐熱性向上剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】採掘地が宮崎県日之影町の見立礫岩の粉末を主成分とする耐熱性向上剤を提供する。この耐熱性向上剤に、耐熱性の無機物系フィラーと、ケイ酸ナトリウムとを混合して用いることができる。この無機物系フィラーとしては、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ホウ素系難燃剤、水酸化アルミニウムなどを用いることができ、また、珪藻土と有機物とを加えることで、板状の耐熱材を製造でき、適宜の被保護物上に塗布してもよい。
【選択図】なし
Description
この「見立礫岩(Mitate conglomerate)」は、宮崎県の宮崎デジタルミュージアムのホームページに示されたとおり、宮崎県日之影町に産する岩石である(非特許文献1参照)。この見立礫岩を用いた発明は、特許文献3は岩盤浴用石材パネルおよびその製造方法に関するものであり、特許文献4は健康ミネラル水に関するものであり、特許文献5は遠赤放出、殺菌材の製造方法及びこの方法によって製造された遠赤放出、殺菌材並びにこの遠赤放出、殺菌材の使用方法に関するものであり、このように、遠赤外線を放出する特徴を活かしたものに限られていた。
本願発明の他の目的は、繊維質の飛散、粉塵の発生が少なく、人的環境、生活環境に配慮した安全な耐熱材、皮膜材を提供することにある。
本願の請求項1の発明は、見立礫岩(採掘地:宮崎県日之影町)採掘地が宮崎県日之影町の見立礫岩の粉末を主成分とする耐熱性向上剤を提供することにより上記の課題を解決する。
本願の請求項2に係る発明は、耐熱性を有する無機物系フィラーと、ケイ酸ナトリウムと請求項1記載の耐熱性向上剤とが配合されたことを特徴とする耐熱性向上剤を提供する。
本願の請求項3に係る発明は、上記無機物系フィラーが、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ホウ素系難燃剤、水酸化アルミニウムから選択された少なくとも一種であることを特徴とする耐熱性向上剤を提供する。
本願の請求項4に係る発明は、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ホウ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸ナトリウムと、請求項1記載の耐熱性向上剤と有機物とが配合されて板状に成形されたことを特徴とする耐熱材を提供する。
本願の請求項5に係る発明は、請求項1又は2に記載の耐熱性向上剤を被保護物上に塗布して被膜を形成することを特徴とする耐熱性加工方法を提供する。
また、従来のケイ酸ナトリウムを用いた耐火ボードは、これが配置される環境により、特に水分、湿気、湿度に影響され、被膜材が溶け出して劣化する場合があったが、請求項3に係る耐熱材にあっては、水に対しても十分な耐久性を備えたものである。
から選ばれる少なくとも1種で、単独で使用しても良いし、また2種以上を任意に組み合わせてもよい。
表3に示す粉粒体状の各配合物を、回転攪拌装置の攪拌槽内に投入して、攪拌槽を回転させてこれらの配合物を満遍なく攪拌させる。この攪拌槽を開いて水を噴霧機で噴霧することにより供給した。さらに十分に攪拌した後、有底の型枠内に攪拌混合された配合物を注入した。同型枠内で平板状に均らして、加圧装置によって型枠の上部開口から加圧圧縮し、乾燥室にて乾燥、硬化させ、厚さ15mm、縦200mm、横200mmの平板状の耐熱材を得た。配合した水は、表3の配合物総量100重量部に対して、水20重量部であった。
実施例1に対する試験
実施例1の耐熱材aを表面に配位し、その裏側に45mmの間隔を隔ててポリプロピレン発泡体bを配位した。両者a、b間のスペーサとして、厚み15mmの木材で、矩形状の筒状体c(外法寸法は180mm×180mm)を形成し、両者a、bにネジ止めした。
実験方法は、耐熱材aの表面から80mm離した場所にバーナーを固定設置し、筒状体cの内部空間に温度計を差込、バーナーで燃焼させた時の耐熱材の状態と温度を測定した。また、実験開始30分後より、耐熱ボードとバーナーの距離を50mmにした。耐熱材aの表面状態の目視結果を表4に表す。
実施例2に係る塗装体を、財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所にて、プラズマ(約6000℃)で焼き切る実験を行なった。実験方法は+−の電流移動をするように設備し、裏面のステンレス部分から照射した。結果は、ステンレス面は燃焼し切断され黒く焦げたが、耐火材被膜面は燃焼の跡が見られなかった。このことから、当発明による耐火材は塗膜材としても充分な効果を発揮することが確認された。特に、6000℃の耐火性能は、従来の耐火材の常識を覆すものであった。
表5に示す各成分を配合し、実施例1と同じ製法によって、厚さ13mm、縦200mm、横200mmの平板状の耐熱材を得た。
これらの実施例に対する試験を行い、その結果を表5に示した。
「耐火性」の試験については、各実施例の耐熱板の表面から6cmの位置に、バーナーの火炎口を配位し、火炎温度約1200℃のバーナーの火炎を、当該耐熱板に約1分間当てて、その燃焼の有無を確認した。表には示さなかったが、実施例1についても同様の試験を行なったところ、結合性、耐火性とも「◎」であった。
×…燃焼した
△…耐火板の表面が、強く炭化した(指で触ると、炭が落ちる)
○…耐火板の表面が、少し炭化した(指で触ると、炭が指先に着く)
◎…耐火板の表面が、炭化しなかった(指で触れても、炭が指先に着かない)
×…溶けた(全体が溶けた)
△…ふやけた(厚みが約1.5〜2.5倍に膨れた)
○…少しふやけた(厚みが1.2倍程度に膨れた)
◎…ふやけなかった(全く変化なし)
実施例3〜実施例8の比較のために、これらの成分から岩見礫岩の粉末のみを抜いたものを、上記各実施例と同様の製法で製造し、これを比較例1〜6とした。これらの比較例1〜6は、表5において実施例3〜実施例8の隣に表示した。
これらの実施例及び比較例から、岩見礫岩の粉末を配合したものは、配合しないものに比して耐熱性が改善されたことが確認された。また、水に対する結合性についても、岩見礫岩の粉末を配合したものは、配合しないものに比して、改善の傾向を示した。
本願の請求項1の発明は、採掘地が宮崎県日之影町の見立礫岩の粉末と、珪藻土と、酸化アルミニウムと、酸化亜鉛と、ホウ酸と、水酸化アルミニウムと、ケイ酸ナトリウムとを含有したことを特徴とする耐熱性向上剤を提供する。
本願の請求項2に係る発明は、採掘地が宮崎県日之影町の見立礫岩の粉末と、酸化アルミニウムと、酸化亜鉛と、ホウ酸と、水酸化アルミニウムと、ケイ酸ナトリウムとを含有したことを特徴とする耐熱性向上剤を提供する。
本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の耐熱性向上剤と有機物とが配合されて板状に成形されたものであり、上記有機物が植物,繊維,及び紙からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする耐熱材を提供する。
本願の請求項4に係る発明は、請求項1又は2記載の耐熱性向上剤を被保護物上に塗布して被膜を形成することを特徴とする耐熱性加工方法を提供する。
Claims (5)
- 採掘地が宮崎県日之影町の見立礫岩の粉末を主成分とする耐熱性向上剤。
- 耐熱性を有する無機物系フィラーと、ケイ酸ナトリウムと請求項1記載の耐熱性向上剤とが配合されたことを特徴とする耐熱性向上剤。
- 上記無機物系フィラーが、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ホウ素系難燃剤、水酸化アルミニウムから選択された少なくとも一種であることを特徴とする耐熱性向上剤。
- 珪藻土、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、ホウ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸ナトリウムと、請求項1記載の耐熱性向上剤と有機物とが配合されて板状に成形されたことを特徴とする耐熱材。
- 請求項1又は2に記載の耐熱性向上剤を被保護物上に塗布して被膜を形成することを特徴とする耐熱性加工方法。
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