JP2014061163A - 拡張デバイス及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な形状に形成された生体管腔内に対しても好適に処置することが可能な拡張デバイスを提供する。
【解決手段】バルーンカテーテル10(拡張デバイス)は、生体管腔内に挿入されるチューブ12と、チューブ12の径方向外側に拡張及び収縮自在な主筒部28と、主筒部28の周面に複数設けられ主筒部28よりもさらに外側に拡張可能な延出筒部30とを有する。延出筒部30は、その拡張状態において主筒部28の周面から突出する胴体部の長さが該胴体の断面の幅よりも長い筒状に形成される。
【選択図】図1
【解決手段】バルーンカテーテル10(拡張デバイス)は、生体管腔内に挿入されるチューブ12と、チューブ12の径方向外側に拡張及び収縮自在な主筒部28と、主筒部28の周面に複数設けられ主筒部28よりもさらに外側に拡張可能な延出筒部30とを有する。延出筒部30は、その拡張状態において主筒部28の周面から突出する胴体部の長さが該胴体の断面の幅よりも長い筒状に形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、生体管腔内を送達され、生体管腔内の所望位置にて拡張可能な拡張デバイス及びその使用方法に関する。
従来、生体器官(例えば、血管、リンパ管、胆管、気管、食道、尿道、鼻腔、或いはその他の臓器等)内の処置対象に対しては、生体管腔内を通してカテーテルを送達することにより様々な処置を行っている(特許文献1及び2参照)。
例えば、特許文献1には、血管内を送達して、所望位置の血管壁に放射線を照射可能なカテーテルが開示されている。また、カテーテルの先端側は、血管内において拡張して半球状の隆起が複数形成される構成となっている。複数の隆起は、血液を流通させつつカテーテルの先端側の軸心を血管の軸心に合わせることで、血管壁に対する放射線の照射の均一化を可能としている。
また、特許文献2には、血管内において拡張可能なバルーンを有し、このバルーンにより血管の治療(例えば、血管壁を押し広げる血管形成術)を施す拡張カテーテルが開示されている。バルーンの外周面には凹凸が形成されており、この凹凸は、血管に対するバルーンの位置決めを容易化する、又は位置決め位置からの滑動を抑制することを可能としている。
ところで、リンパ管等の生体管腔は、蛇行や歪み、弁、隆起等により複雑な形状に形成されているところも多い。近年は、このような複雑な形状に形成された生体管腔に対しても、生体管腔内で拡張可能な拡張デバイス(カテーテル)により、例えば、生体管腔の形状を確認する、生体管腔の管腔壁に薬剤を塗布する、生体管腔を閉塞する等の種々の処置を行うことが要望されている。
本発明は、生体管腔内を介して所望位置に送達し、所定の処置を施すための手技に関連して開発されたものであり、複雑な形状に形成された生体管腔内に対しても好適に用いることが可能な汎用性の高い拡張デバイス及びその使用方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る拡張デバイスは、生体管腔内に挿入される長尺体と、前記長尺体に設けられ、前記長尺体の径方向外側に拡張及び収縮自在な第1拡張体と、前記第1拡張体の周面に複数設けられ、前記第1拡張体よりもさらに外側に拡張して筒状を呈する第2拡張体とを有することを特徴とする。
上記によれば、拡張デバイスは、第1拡張体の周面に複数設けられ第1拡張体よりもさらに外側に拡張して筒状を呈する第2拡張体を有することで、第2拡張体が拡張すると、複雑な形状に形成された生体管腔の管腔壁に対しても筒状の第2拡張体を各々当接させることができる。そのため、例えば、第2拡張体に放射線造影剤を供給することにより、放射線撮影下に生体管腔の形状を精度良く確認することができる。また、例えば、第2拡張体の延出端部に薬剤を付着することで、拡張した第2拡張体により管腔壁に薬剤を塗布することができる。さらに、第2拡張体を管腔壁に沿って拡張させることにより、生体管腔を閉塞することもできる。このように、拡張デバイスは、前記第2拡張体を有することで、複雑な形状に形成された生体管腔に対して種々の処置を行うことが可能な高い汎用性を備えることになる。
この場合、前記第2拡張体は、その拡張状態で前記第1拡張体の周面から突出する胴体の長さが該胴体の断面の幅よりも長くなることが好ましい。
このように、第2拡張体は、その拡張状態で第1拡張体の周面から突出する胴体の長さが該胴体の断面の幅よりも長く形成されると、生体組織の歪み等により内径が急激に変化した生体管腔に対しても、第2拡張体を延出することでその管腔壁に当接させることができる。
また、前記第2拡張体は、前記第1拡張体の拡張後に拡張する構成であることが好ましい。
このように、第2拡張体が第1拡張体の拡張後に拡張することで、第1拡張体を先に拡張して生体管腔の所定位置に第1拡張体を固定した後に、第2拡張体を拡張させることができる。従って、第1拡張体により第2拡張体を安定的に支持して延出させていくことができ、第2拡張体を生体管腔の形状に容易に沿わせることができる。
この場合、前記第2拡張体は、前記第1拡張体よりも柔軟性を有する材料によって構成され、さらに、拡張前の収縮状態における前記第2拡張体の膜厚が前記第1拡張体の膜厚よりも厚い構成とすることが好ましい。
このように、第2拡張体の膜厚が第1拡張体の膜厚よりも厚いことにより、第1拡張体の拡張時には第2拡張体の収縮状態を維持し、第1拡張体の拡張後に第2拡張体の拡張を促すことができる。
上記の構成に加えて、前記収縮状態における前記第2拡張体は、前記第1拡張体の周面と面一になる、又は前記第1拡張体の周面よりも内側にあることが好ましい。
このように、収縮状態における第2拡張体が第1拡張体の周面と面一になることで、第1拡張体を径方向内側に簡単に収縮させることができる。また、収縮状態における第2拡張体が第1拡張体の周面よりも内側にあることで、第2拡張体の外面に薬剤を付着させた状態で生体管腔内を送達しても、薬剤の剥離を防ぐことができる。
ここで、前記第1拡張体は、放射線造影剤を流入可能な第1内部空間を有し、前記第2拡張体は、前記第2拡張体内に第2内部空間が形成されるように前記第1内部空間から前記放射線造影剤が流入することで拡張するとよい。
このように、第1拡張体の第1内部空間と第2拡張体の第2内部空間に対して放射線造影剤が流入されることで、放射線撮影によって生体管腔の形状を容易に確認することができる。
また、前記第2拡張体の外面には、前記生体管腔内に塗布される薬剤が付着されていてもよい。
これにより、複雑な形状に形成された生体管腔の管腔壁に対しても、第2拡張体の拡張にともない薬剤を塗布することができる。
前記の目的を達成するために、本発明は、生体管腔内に挿入される長尺体と、前記長尺体に設けられ、前記長尺体の径方向外側に拡張及び収縮自在な第1拡張体と、前記第1拡張体の周面に複数設けられ、前記第1拡張体よりもさらに外側に拡張して筒状を呈する第2拡張体とを有する拡張デバイスの使用方法であって、前記第1拡張体と前記第2拡張体を収縮した状態で、前記生体管腔内の所望位置に送達する送達ステップと、前記送達ステップの後、拡張操作により前記第1拡張体を拡張する第1拡張ステップと、拡張状態の第1拡張体から前記第2拡張体を拡張させる第2拡張ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、拡張デバイスは、複雑な形状からなる生体管腔内に対しても好適に用いることができる。
以下、本発明に係る拡張デバイスについて、その使用方法との関係で好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る拡張デバイス10の全体構成を示す斜視図である。本実施形態に係る拡張デバイス10は、長尺なチューブ12(長尺体)と、チューブ12の径方向に拡縮可能なバルーン14とを有する、いわゆるバルーンカテーテルとして構成されている(以下、拡張デバイス10をバルーンカテーテル10ともいう)。このバルーンカテーテル10は、生体管腔内インターベンション的手技により生体管腔内の所望位置(処置対象)に送達され、この送達後、バルーン14を拡張して所望位置への処置を施すデバイスである。
バルーン14による処置としては、例えば、X線撮影による生体管腔の形状の造影(確認)、生体管腔の管腔壁に対する薬剤の塗布、或いは生体管腔内の閉塞等が挙げられる。特に、本実施形態に係るバルーンカテーテル10は、例えばリンパ管のような複雑な形状に形成された生体管腔に対し好適に用いることが可能となっている。
以下の説明では、バルーンカテーテル10によって処置される生体管腔として代表的にリンパ管100(図5A参照)をとり上げて詳述していくが、このバルーンカテーテル10は、リンパ管100への処置に限定されるものではなく、種々の生体器官(例えば、血管、胆管、気管、食道、尿道、鼻腔、その他の臓器等)の処置に適用できることは勿論である。
人体内に形成されているリンパ管100(例えば、集合リンパ管や胸管)は、静脈よりも細い複雑な形状に形成され、収縮及び拡張してリンパ液(タンパク質や老廃物)を運搬する循環系の生体管腔であり、末梢の血管やリンパ節等に接続されている。このリンパ管100は、管状の管腔壁102(内皮細胞)と、この管腔壁102を囲う図示しない平滑筋と、管腔壁102内に形成された逆流防止用の弁104とを有している(図5A参照)。リンパ管100は、リンパ液の過剰や腫瘍の形成等の原因により、管内の閉塞や炎症等の疾患を生じる。
バルーンカテーテル10は、X線造影下に、リンパ管100の疾患部位(処置対象)に送達されて拡張されることで処置を行う。そのため、バルーンカテーテル10のチューブ12は、生体の外部から挿入されリンパ管100内の処置対象まで到達される全長と、リンパ管100を大きく押し広げずに挿通される外径とを有している。チューブ12の先端寄りには、上記のバルーン14が設けられており、チューブ12の基端部にはハブ16が連結されている。
ハブ16は、術者が把持し易いようにチューブ12よりも大径に形成されている。ハブ16の基端面には、ガイドワイヤ24を露出可能な基端開口16aが形成され、ハブ16の外周面には、バルーン14の拡張用流体であるX線造影剤を供給可能なポート18が設けられている。術者は、このハブ16を把持して所定の操作(進退操作や回動操作)を行うことで、チューブ12の先端部(バルーン14)をリンパ管100内の所望位置まで導くことができる。
図2は、図1のバルーンカテーテル10の先端部を拡大して示す要部拡大断面図である。図1及び図2に示すように、チューブ12の内部には、該チューブ12の先端から基端にわたって軸方向に延在する貫通ルーメン20が設けられている。貫通ルーメン20は、ハブ16内部においてポート18に連通しており、ポート18から供給されるX線造影剤をチューブ12の先端側に流通させる。また、チューブ12は、貫通ルーメン20の軸心を挿通するように配設されたシャフト22を備える。シャフト22の基端部は、チューブ12とともにハブ16に連結されている。
シャフト22は、チューブ12よりも細い中空管として構成され、その内部にはガイドワイヤ24を挿通可能なガイドワイヤルーメン26が設けられている。ガイドワイヤルーメン26は、シャフト22の先端開口22aに連通するとともに、ハブ16の内部に連通している。ガイドワイヤ24は、シャフト22の先端開口22aからハブ16内を挿通して基端開口16aから送出される。すなわち、バルーンカテーテル10は、リンパ管100内に先行して挿入されるガイドワイヤ24がデバイスの先端から基端まで挿通した構造、いわゆるオーバーザワイヤー(over the wire)タイプのカテーテルとして構成されている。なお、バルーンカテーテル10は、上記の構成に限定されるものではなく、ガイドワイヤ24をチューブ12の途中位置から露出した構造(ラピッドエクスチェンジタイプ)に形成してもよい。
チューブ12及びシャフト22は、複雑な形状からなるリンパ管100に追従可能な柔軟性を有するとともに、バルーン14を支持可能な程度の剛性を有することが好ましい。この場合、チューブ12及びシャフト22を構成する材料としては、金属や樹脂が挙げられる。金属としては、例えば、Ni−Ti系合金のような擬弾性合金(超弾性合金を含む)、形状記憶合金、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等、SUSの全品種)、コバルト系合金、金、白金のような貴金属、タングステン系合金、炭素系材料(カーボンファイバー、炭素鋼、ピアノ線を含む)等が挙げられる。樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら2種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料又はこれらの混合物、或いは上記2種以上の高分子材料が挙げられる。また、チューブ12及びシャフト22は、上記の金属や樹脂の複合物からなる多層チューブ等を適用してもよい。チューブ12又はシャフト22の先端付近には、X線撮影下で認識可能なようにX線非透過性マーカーが設置されていてもよい。
このシャフト22は、チューブ12の開口端12aから先端方向に向かって所定長さ延出している。そして、チューブ12の先端部とシャフト22の先端部の間には、チューブ12及びシャフト22の径方向に対し拡縮可能なバルーン14が取り付けられている。
バルーン14は、リンパ管100内を収縮状態で送達され、貫通ルーメン20を介して供給されるX線造影剤が内部に流入されることにより拡張状態に移行する。このバルーン14は、シャフト22の外方を囲い、このシャフト22の軸方向にわたって所定長さ延在する主筒部28(第1拡張体)と、主筒部28の周面からさらに外側に突出する複数の延出筒部30(第2拡張体)とを備える。
主筒部28は、その一端がシャフト22の先端開口22aの近傍位置の外周面に固着され、他端がチューブ12の開口端12aの近傍位置の外周面に固着されることで、比較的大きな袋状のバルーンとして構成されている。主筒部28の内部には、貫通ルーメン20に連通する第1内部空間32が設けられており、主筒部28は、この第1内部空間32にX線造影剤が流入されることで収縮状態から拡張状態に移行する。
拡張状態における主筒部28は、先端固着部28aからテーパ状に拡径する先端傾斜部28bと、先端傾斜部28bに連なりシャフト22の軸心と略平行に延在する延在部28cと、延在部28cに連なり基端固着部28eに向かってテーパ状に縮径する基端傾斜部28dと有する紡錘形状に形成される。
主筒部28は、膜厚が比較的薄い外膜34及び内膜36を上下に重ねた積層構造に構成されている。外膜34及び内膜36は、X線造影剤の流入及び流出により拡縮可能な可撓性を有するとともに、拡張状態の紡錘形状を維持可能な剛性を有するように構成される。外膜34及び内膜36を構成する材料としては、例えば、織物、編物、不織布、紙材のような繊維性多孔質膜、その他、非繊維性多孔質膜、高分子シートのような緻密膜等を挙げることができる。なお、外膜34と内膜36は、同じ材料によって構成されてもよく、異なる材料によって構成されてもよい。
主筒部28の延在部28cの周面には、上述した延出筒部30が複数設けられている。延在部28cは、拡張状態において、シャフト22から所定間隔離間した位置で複数の延出筒部30の突出を支持している。複数の延出筒部30は、延在部28cの外膜34と内膜36の間に挟み込まれた1つの膜材38によって構成されている。すなわち、複数の延出筒部30は、主筒部28の外周面から個々に突出可能であるが、主筒部28の内側において互いに連なり合っている。
図3Aは、拡張状態における主筒部28及び延出筒部30の関係性を説明するための要部側面断面図であり、図3Bは、収縮状態における主筒部28及び延出筒部30の関係性を説明するための要部側面断面図である。
1つの延出筒部30は、拡張状態において、主筒部28の外周面から径方向外側に向かって延在する胴体部30aと、胴体部30aの延出端を閉塞する底部30bと有する有底円筒状に形成される。この延出筒部30は、収縮状態において、第1内部空間32内に入り込むように撓む。すなわち、主筒部28の周壁(外膜34及び内膜36)には、複数の延出筒部30に対応した孔部40が複数形成されており、収縮状態において内膜36の孔部40bを介して、延出筒部30を内側に撓ませるとともに、拡張状態において外膜34の孔部40aを介して、延出筒部30を外側に拡張させることが可能となっている。
延出筒部30を構成する膜材38は、主筒部28を構成する外膜34及び内膜36の材料よりも柔軟性を有する材料により構成されることが好ましい。このような膜材38としては、例えば、ポリブタジエン系、ニトリル系、クロロプレン系等の合成ゴムやポリイソプレン等の天然ゴム、又はウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム等の熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー、或いは他のエストラマー等が挙げられる。特に、シリコンゴムは、弾性力の他に耐熱、耐水、耐薬品性等に優れるので、生体に対し好適に用いることができる。
バルーン14は、収縮状態において、延出筒部30の膜材38の膜厚Aが、外膜34の膜厚B及び内膜36の膜厚Cよりも厚くなる、すなわちA>B+Cの関係性に設定されていることが好ましい。これにより、延出筒部30は、主筒部28よりも柔軟性を有する材料で構成されるが、膜厚Aに応じて剛性が高くなることにより、変形に所定の作用力を要するようになる。すなわち、収縮状態から拡張状態に移行する際に、延出筒部30は、延在部28c(主筒部28)の径方向外側の変位よりも変形に抵抗を示し、延在部28cの変位後に、拡張状態へ移行(変形)するように作用する。
従って、バルーン14は、拡張する際に、主筒部28の第1内部空間32へのX線造影剤の流入にともない主筒部28が先に拡張し、この主筒部28の拡張後に、延出筒部30がX線造影剤の押圧力を受けて弾性的に変形する。
主筒部28の内側に撓んでいた延出筒部30は、X線造影剤の押圧力にともない外側に押し出され、X線造影剤が流入される第2内部空間42を内部に形成する。この第2内部空間42は、X線造影剤の流入をさらに受けることで、その容積を増やしていき、これにともない延出筒部30を外側に突出させて円筒形状を構築する。拡張時には、延出筒部30の膜材38は、主筒部28の孔部40から所定量突出すると、その膜厚を薄くしてさらに弾性的に伸びていき、延出筒部30の底部30bを主筒部28の外周面から大きく離間させる。このように、バルーン14は、第1内部空間32から第2内部空間42にX線造影剤を流入させて延出筒部30を拡張させる構成とすれば、X線造影剤を流通させるチューブ12を簡単な構造とすることができ、チューブ12を細く形成して、細径な生体管腔にも好適に適用することができる。
拡張状態における延出筒部30は、胴体部30aの長さXがこの胴体部30aの外径Y(断面の幅)よりも長くなり、細長い筒状に形成される。この延出筒部30は、突出に応じて膜厚が薄くなり、リンパ管100の管腔壁102への当接により突出が停止される。或いは、延出筒部30は、リンパ管100への当接にともない横方向に膨張する等の変形がなされてもよい。すなわち、拡張状態の延出筒部30は、リンパ管100の管腔壁102よりも変形しやすい。そのため、延出筒部30は、リンパ管100を殆ど押し広げることなく、拡張位置の管腔壁102の形状に沿うように展開が促される。
図1に戻り、バルーン14は、主筒部28及び延出筒部30が拡張することで、多数の延出筒部30が中心側の主筒部28から外側に広がる毬状に形成される。主筒部28の周方向に設けられる複数の延出筒部30は、互いに均等間隔に並設されており、シャフト22の軸心を中心に放射状に突出する。また、主筒部28の軸方向に沿って隣り合う延出筒部30同士は、間隔が充分に近く、且つ主筒部28に対する周方向の配設位置の位相が互いにずれるように配設されている。
これら複数の延出筒部30は、上述したように、生体管腔の形状に応じて突出量及び形状が適宜調整される。そのため、バルーン14の拡張位置において、X線造影を実施すると、主筒部28及び延出筒部30の造影に基づき、リンパ管100の形状を容易に把握することが可能となる。また、延出筒部30の底部30bの外面には、管腔壁102に塗布される薬剤44が塗られていてもよい。これにより、バルーンカテーテル10は、バルーン14の拡張により、複雑な形状からなるリンパ管100に対しても薬剤44を良好に塗布することができる。
なお、バルーン14の主筒部28及び延出筒部30の構成は、上述した構成に限定されるものではなく、種々の構成を取り得る。以下、バルーン14の他の構成例をいくつか説明していく。なお、以下の説明において本実施形態に係るバルーン14と同一の構成又は同一の機能を有する構成については、同じ符号を付しその詳細な説明については省略する。
図4Aに示す第1構成例に係るバルーン14Aは、収縮状態における延出筒部50の膜材38の膜厚が、主筒部28の外膜34及び内膜36の膜厚よりもさらに厚く形成されている。また延出筒部50の膜材38は、内膜36の孔部40bから内側に殆ど撓まない状態となっている。このように延出筒部50を構成しても、拡張時には、本実施形態に係る延出筒部30と同様に、X線造影剤の押圧力にともない主筒部28から径方向外側に突出させることができる。また、収縮状態における延出筒部50が、主筒部28の内側に撓んでいないことにより、主筒部28(すなわちバルーン14)の収縮を一層容易且つ細くすることもできる。
図4Bに示す第2構成例に係るバルーン14Bは、収縮状態における延出筒部52が主筒部28の外側に露出した状態となっている。この延出筒部52は、底部52bが主筒部28の側面の近傍位置に位置するように畳まれており、延出筒部52が有する第2内部空間42にX線造影剤が流入されることで主筒部28から径方向外側に突出する。また、延出筒部52の膜材38の膜厚は、本実施形態に係る延出筒部30の膜厚よりも薄く形成されており、延出筒部52が容易に撓むようになっている。すなわち、バルーンは、収縮時における延出筒部30、50、52の状態について特に限定されるものではなく、拡張状態への移行等を考慮して自由に設計されることが好ましい。
図4Cに示す第3構成例に係るバルーン14Cは、主筒部28の内膜36が設けられておらず、外膜34に対して延出筒部30が接着されている。このように、外膜34と延出筒部30の積層構造に構成されていても、本実施形態に係る延出筒部30と同様に作用させることができる。
図4Dに示す第4構成例に係るバルーン14Dは、拡張状態における主筒部28の1つの孔部54から複数(図4D中では2つ)の延出筒部56、56が突出した構成となっている。2つの延出筒部56、56は、隣接し合う胴体部56aの側面において互いに連なる。突出方向に分枝した部分は、根本部分に比べて充分に細くなっている。そのため、延出筒部56、56aは、リンパ管100のより狭い箇所にも届く(入り込む)ことが可能となっている。このように、拡張状態における延出筒部(第2拡張体)についても、主筒部28の周壁から突出して筒状に形成されれば、その具体的な形状については特に限定されるものではない。
本実施形態に係るバルーンカテーテル10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用及び効果について説明する。
図5Aは、図1のバルーンカテーテル10の使用方法を説明するための第1説明図であり、図5Bは、図1のバルーンカテーテル10の使用方法を説明するための第2説明図であり、図5Cは、図5BのVC−VC線断面図であり、図6Aは、図1のバルーンカテーテル10の使用方法を説明するための第3説明図であり、図6Bは、図6AのVIB−VIB線の断面図であり、図6Cは、図6AのVIC−VIC線の断面図である。バルーンカテーテル10の使用方法の説明では、図5A〜図6Cの図示に基づき、バルーンカテーテル10を用いてリンパ管造影を行う手技について代表的に述べていく。
リンパ管造影において、術者は、患者の所定位置を切開してガイドワイヤ24を体内に導入し、このガイドワイヤ24をリンパ管100の所定位置(処置対象)まで送達する。次に、バルーン14が収縮状態となったバルーンカテーテル10を、先行挿入されたガイドワイヤ24に沿って患者の体内に導入する。ガイドワイヤ24は、シャフト22の先端開口22aから挿入され、ハブ16の基端開口16aから外部に露出される。
術者は、バルーンカテーテル10のハブ16等を把持操作しつつ、ガイドワイヤ24の延在方向に沿ってチューブ12及びバルーン14を送達していく(送達ステップ)。この際、バルーン14が収縮状態となっていることで、バルーンカテーテル10の先端部が細径になっており、複雑な形状で蛇行しているリンパ管100内でも比較的容易に案内することが可能である。これにより、図5Aに示すように、バルーン14がリンパ管100の所望位置に短時間に案内される。
バルーン14を送達し位置決めした後は、バルーンカテーテル10を固定した状態で、バルーン14の拡張を実施する。すなわち、ハブ16のポート18(図1参照)からX線造影剤を供給し、チューブ12内の貫通ルーメン20を介してX線造影剤をチューブ12の先端側(バルーン14)に流入させる。このX線造影剤は、図5Bに示すように、貫通ルーメン20からバルーン14内部に流入されて、バルーン14の主筒部28を先に拡張させる(第1拡張ステップ)。
第1拡張ステップを実施して主筒部28を拡張した状態では、延出筒部30が主筒部28の内側に存在しているため、主筒部28の外周面が部分的に管腔壁102に当接する。例えば、図5Bに示すように、延在部28cの先端側や基端側の一部が管腔壁102に接触することになり、リンパ管100に対する主筒部28の位置決めがなされる。この位置決め状態では、図5Cに示すように、主筒部28の中央部が管腔壁102に非接触状態となるため、造影したい箇所のリンパ管100の形状を変形させることがない。なお、図5C、図6B、図6C、及び後に説明する図7に示すバルーンの断面図においては、説明の便宜上、シャフト22の図示を省略している。
上述したように、延出筒部30は、比較的厚い膜厚により構成されていることで、主筒部28の拡張動作とは独立的に収縮状態を維持するように作用する。そして、主筒部28の延在部28cが、シャフト22の側面から所定間隔離間し第1内部空間32の容積変動が小さくなると、第1内部空間32に流入されたX線造影剤が延出筒部30に対し所定以上の押圧力を付与するようになる。これにより、X線造影剤は、内側に撓んでいた複数の延出筒部30を外側に押し出す。すなわち、主筒部28の拡張後に、時間差をおいて延出筒部30が径方向外側に拡張する(第2拡張ステップ)。このように、延出筒部30が遅れて拡張することで、主筒部28を拡張してリンパ管100に主筒部28を固定した後に、延出筒部30を拡張することができる。
主筒部28の周面に設けられた複数の延出筒部30は、X線造影剤からの押圧力を一体且つ均等的に受けることで、主筒部28の外周面から略同時に突出する。そして、第1内部空間32から第2内部空間42にX線造影剤が流入していくことで、各延出筒部30は主筒部28の周面から放射状に突出していく。図6Aに示すように、延出筒部30は、径方向外側に突出した延出筒部30の底部30bがリンパ管100の管腔壁102に当接するまで拡張する。
拡張状態において突出した延出筒部30は、膜材38の伸び等により、管腔壁102よりも変形しやすくなっており、管腔壁102に当接することによって突出方向の拡張を停止する。そのため、複数の延出筒部30は、複雑な形状からなるリンパ管100の形状を大きく変形させずに、底部30bの突出量が個々に調整される。
また、軸方向に隣り合う延出筒部30は、互いに近い位置で周方向の位相がずれるように設けられているため、バルーン14を側面方向から見た場合(図6A参照)は、軸方向に並ぶ延出筒部30が隙間のないように立設した状態を構築する。第1及び第2内部空間32、42に流入されたX線造影剤は、X線撮影によって造影され、バルーン14の側面方向から撮影されたX線画像には、リンパ管100の形状が明瞭に造影される。
さらに、図6B及び図6Cに示すように、バルーン14は、リンパ管100の内径が軸方向に大きく変動しても、周方向に並ぶ複数の延出筒部30が個々に管腔壁102に当接する。この際、延出筒部30は、リンパ管100の周方向に対して略均等的に当接して、管腔壁102を局所的に押圧することがない。また、リンパ管100が周方向に歪んでいても、延出筒部30の突出量が調整されるので、リンパ管100の形状を良好に造影することができる。
X線撮影を行いリンパ管100の形状を特定した後は、ポート18を介してX線造影剤を第1及び第2内部空間32、42から流出させることで、バルーン14を収縮させる。この際、X線造影剤の流出速度等を調整することにより、拡張時とは逆に、延出筒部30を収縮して、その後に主筒部28を収縮するように動作させてもよい。これにより、延出筒部30の収縮が容易になされ、その状態で主筒部28が収縮されるので、バルーン14を挿入時と同程度の細さに縮径することができる。最後に、バルーン14が収縮状態となったバルーンカテーテル10をリンパ管100から引き抜くことで、リンパ管造影が終了する。
なお、本実施形態に係るバルーンカテーテル10による手技は、上記のX線造影によるリンパ管100(生体管腔)の形状特定に限定されるものではなく、種々の処置を行うことができることは勿論である。
例えば、延出筒部30の底部30bの外面に薬剤44(図2参照)を付着させた場合は、図6Aに示すように、延出筒部30の拡張に基づき延出筒部30の底部30bをリンパ管100の管腔壁102に当接させた際に薬剤44を管腔壁102に塗布することができる。また、管腔壁102に薬剤44を塗布する際に、チューブ12及びバルーン14を軸中心に回転操作させることにより管腔壁102に満遍なく薬剤44を塗布することもできる。
また、図7に示す第5構成例に係るバルーン14Eは、拡張状態における延出筒部58が一層柔軟に形成されている。このように延出筒部58が柔軟に形成されていることで、延出筒部58は、拡張して管腔壁102に当接すると管腔壁102に沿って周方向又は軸方向に広がるように展開し、主筒部28の周囲を殆ど拡張した延出筒部58によって充満させることができる。これにより、複雑な形状に形成されたリンパ管100内を、バルーン14Eにより略閉塞することができ、手技中等に体液(リンパ液)の流れをせき止めることも可能となる。
以上のように、本実施形態に係るバルーンカテーテル10によれば、主筒部28の周面に複数設けられ主筒部28よりもさらに外側に拡張可能な筒状の延出筒部30を有することで、複雑な形状に形成されたリンパ管100に対しても延出筒部30を各々当接することができる。そのため、延出筒部30にX線造影剤を供給することにより、X線撮影によりリンパ管100の形状を精度良く特定することができる。
また、複数の延出筒部30は、拡張状態において、主筒部28の周面から突出する胴体部30aの長さが該胴体部30aの断面の幅よりも長いことで、生体組織の歪み等により内径が急激に拡径したリンパ管100に対しても、延出筒部30を延出してその管腔壁102に確実に当接させることができる。
さらに、延出筒部30が主筒部28の拡張後に拡張することで、主筒部28を先に拡張してリンパ管100の所定位置に主筒部28を固定した後に、延出筒部30を拡張させることができる。従って、延出筒部30を安定的に延出させることができ、リンパ管100の形状に延出筒部30を容易に沿わせることができる。
またさらに、リンパ管100の管腔壁102に薬剤44を塗布する手技を行う場合は、収縮状態における延出筒部30が主筒部28の周面よりも内側にあるバルーンカテーテル10を適用することで、延出筒部30の外面に薬剤44を付着させた状態でリンパ管100内を送達しても、薬剤44の剥離を防ぐことができる。
また上述したように、バルーンカテーテル10は、延出筒部30を管腔壁102に沿って柔軟に拡張させることにより、リンパ管100内を閉塞することもできる。すなわち、バルーンカテーテル10は、主筒部28よりも径方向外側に突出する延出筒部30を有することにより、種々の処置を行うことが可能な高い汎用性を有することができる。
また、本発明に係るバルーンカテーテル10は、上述した構成に限定されるものではなく、種々の構成を適用できることは勿論である。例えば、主筒部28と延出筒部30は、1つの膜材によって一体成形されてもよい。また、主筒部28と延出筒部30は、X線造影剤の供給に基づき同時に拡張するように構成されてもよい。
図8に示す第1変形例に係るバルーンカテーテル10Aは、主筒部60の第1内部空間60aと延出筒部62の第2内部空間62aが分離した室として構成され、X線造影剤が別経路で供給されるバルーン15を備えている。また、チューブ64は、シャフト22、内管66及び外管68を有する多重管体に形成されており、主筒部60はシャフト22の先端部と内管66の先端部間を覆うように取り付けられ、延出筒部62は、主筒部60の外面の一部と外管68の先端部間を覆うように取り付けられている。
複数の延出筒部62は、互いに根本部分において連なることで一つの膜材38によって構成されており、この膜材38は、主筒部60の外周面に対し連結糸70を介して接続されている。連結糸70は、X線造影剤の流入にともない、主筒部28の外周面と膜材38の間にX線造影剤を流通可能な隙間72を形成することができる。従って、主筒部28とは別に複数の延出筒部62を拡張させることができる。このように、主筒部28と延出筒部62を別々に拡張可能な構成とすることで、主筒部28と延出筒部62を所望のタイミングで拡張させることができる。
上記において、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10、10A…バルーンカテーテル(拡張デバイス)
12、64…チューブ 14、14A〜14E…バルーン
28、60…主筒部 30、50、52、56、58、62…延出筒部
32、60a…第1内部空間 34…外膜
36…内膜 38…膜材
42、62a…第2内部空間 100…リンパ管
102…管腔壁
12、64…チューブ 14、14A〜14E…バルーン
28、60…主筒部 30、50、52、56、58、62…延出筒部
32、60a…第1内部空間 34…外膜
36…内膜 38…膜材
42、62a…第2内部空間 100…リンパ管
102…管腔壁
Claims (8)
- 生体管腔内に挿入される長尺体と、
前記長尺体に設けられ、前記長尺体の径方向外側に拡張及び収縮自在な第1拡張体と、
前記第1拡張体の周面に複数設けられ、前記第1拡張体よりもさらに外側に拡張して筒状を呈する第2拡張体とを有する
ことを特徴とする拡張デバイス。 - 請求項1記載の拡張デバイスにおいて、
前記第2拡張体は、その拡張状態で前記第1拡張体の周面から突出する胴体の長さが該胴体の断面の幅よりも長くなる
ことを特徴とする拡張デバイス。 - 請求項1又は2記載の拡張デバイスにおいて、
前記第2拡張体は、前記第1拡張体の拡張後に拡張する
ことを特徴とする拡張デバイス。 - 請求項3記載の拡張デバイスにおいて、
前記第2拡張体は、前記第1拡張体よりも柔軟性を有する材料によって構成され、
さらに、拡張前の収縮状態における前記第2拡張体の膜厚が前記第1拡張体の膜厚よりも厚い
ことを特徴とする拡張デバイス。 - 請求項4記載の拡張デバイスにおいて、
前記収縮状態における前記第2拡張体は、前記第1拡張体の周面と面一になる、又は前記第1拡張体の周面よりも内側にある
ことを特徴とする拡張デバイス。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の拡張デバイスにおいて、
前記第1拡張体は、放射線造影剤を流入可能な第1内部空間を有し、
前記第2拡張体は、前記第2拡張体内に第2内部空間が形成されるように前記第1内部空間から前記放射線造影剤が流入することで拡張する
ことを特徴とする拡張デバイス。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の拡張デバイスにおいて、
前記第2拡張体の外面には、前記生体管腔内に塗布される薬剤が付着されている
ことを特徴とする拡張デバイス。 - 生体管腔内に挿入される長尺体と、前記長尺体に設けられ、前記長尺体の径方向外側に拡張及び収縮自在な第1拡張体と、前記第1拡張体の周面に複数設けられ、前記第1拡張体よりもさらに外側に拡張して筒状を呈する第2拡張体とを有する拡張デバイスの使用方法であって、
前記第1拡張体と前記第2拡張体を収縮した状態で、前記生体管腔内の所望位置に送達する送達ステップと、
前記送達ステップの後、拡張操作により前記第1拡張体を拡張する第1拡張ステップと、
拡張状態の第1拡張体から前記第2拡張体を拡張させる第2拡張ステップとを有する
ことを特徴とする拡張デバイスの使用方法。
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JP2012208551A JP2014061163A (ja) | 2012-09-21 | 2012-09-21 | 拡張デバイス及びその使用方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101875027B1 (ko) * | 2017-03-20 | 2018-07-09 | 연세대학교 산학협력단 | 유연성 소재로 된 커프가 구비된 기관내 튜브 |
JP2018171318A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | テルモ株式会社 | 医療用長尺体 |
-
2012
- 2012-09-21 JP JP2012208551A patent/JP2014061163A/ja active Pending
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