JP2014059448A - 顕微鏡システムおよび顕微鏡観察方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】標本を搭載するステージ7と、該ステージ7に搭載された標本に照射する光を発生する光源と、該光源から発生された光を照射することにより標本において発生した光を撮影する分光感度特性の異なる複数の撮像素子と、標本の観察方法に応じて、撮像素子を切り替える切替手段とを備える顕微鏡システム1を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明の一態様は、標本を搭載するステージと、該ステージに搭載された標本に照射する光を発生する光源と、該光源から発生された光を照射することにより標本において発生した光を撮影する分光感度特性の異なる複数の撮像素子と、前記標本の観察方法に応じて、前記撮像素子を切り替える切替手段とを備える顕微鏡システムを提供する。
このようにすることで、蛍光染色標本から発せられて長波長撮像素子により撮影される蛍光には、染色のための蛍光物質および自家蛍光物質からの近赤外領域の蛍光が含まれ、無染色標本から発せられて長波長撮像素子により撮影される蛍光には、自家蛍光物質からの近赤外領域の蛍光が含まれる。したがって、画像処理手段によって2つの蛍光画像間で減算処理を行うことにより、対応する領域の自家蛍光を除去して、目的部位を鮮明に表す蛍光画像を取得することができる。
このようにすることで、標本判別手段による標本の判別により、標本に適した観察方法を簡易に特定することができ、観察方法に適した撮像素子に切り替えて観察を行うことができる。
このようにすることで、観察開始時にカラー撮像素子により取得された明視野画像によって、色素染色標本であるか否かを容易に判別でき、色素染色標本である場合には明視野観察、色素染色標本ではない場合には蛍光観察等の明視野観察以外の観察方法を選択することができる。
このようにすることで、蛍光染色標本および無染色標本が、明視野観察では判別困難な透明標本であっても、位相差画像によって形状を特定し、画像間での位置合わせを容易にして、減算処理を精度よく行うことができる。
このようにすることで、蛍光染色標本および無染色標本が透明な場合であっても、位相差画像によって形状を特定し、画像間での位置合わせを容易にして、減算処理を精度よく行うことができる。
本実施形態に係る顕微鏡システム1は、図1に示されるように、顕微鏡本体2と、該顕微鏡本体2に取り付けられるカメラヘッド3と、該カメラヘッド3を操作する操作部4と、カメラヘッド3により取得された画像信号を処理する画像処理部5と、該画像処理部5により処理された標本Aの画像を表示するモニタ6とを備えている。
明視野観察光学系8および蛍光観察光学系9は、共通の光学部品として、標本Aからの光を集光する対物レンズ10と、該対物レンズ10により集光された光を2つに分岐するビームスプリッタ11と、該ビームスプリッタ11により分岐された一方の光を集光して観察者の網膜に結像させる接眼レンズ12と、ビームスプリッタ11により分岐された他方の光を集光してカメラヘッド3に結像させる結像レンズ13とを備えている。
本実施形態に係る顕微鏡観察方法は、図5に示されるように、観察を行う標本Aを準備する標本準備ステップS1と、標本Aに対して明視野観察を行う明視野観察ステップS2と、CCD22,23を切り替える切替ステップS3と、標本Aに対して蛍光観察を行う蛍光観察ステップS4とを含んでいる。
そして、蛍光観察ステップS4は、ステージ7上に載置された蛍光免疫染色標本を対物レンズ10の光軸上に配置するとともに、蛍光キューブ18として、励起光を偏向して対物レンズ10側に入射させ、可視領域の光を遮断し近赤外領域の光を透過する波長特性を有するものを対物レンズ10と結像レンズ13との間に挿入する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る顕微鏡システム1および顕微鏡観察方法と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
また、本実施形態に係る顕微鏡システム30においては、画像処理部33が画像間演算を行うように構成されている点においても第1の実施形態に係る顕微鏡システムと相違している。
これにより、図11に示されるように、蛍光キューブ18を透過する微弱な近赤外領域の自家蛍光F2を蛍光免疫染色標本の蛍光画像から除去した鮮明な蛍光画像を取得することができる。
上記各実施形態においては、CCD22,23の切り替え、蛍光キューブ18の切り替え、ステージ7による標本Aの移動、対物レンズ10の切り替え、コンデンサレンズ15の切り替え等を手動で行う場合について説明したが、本実施形態においては、これに代えて、これらを自動的に行うものである。
まず、制御部41は、図13に示されるように、操作部4から観察開始の入力がなされると、まず、標本を判別する標本判別ステップS20を行うようになっている。
すなわち、制御部41は、顕微鏡本体2に対しては、ステージ7を駆動していずれかの標本Aを対物レンズ10の光軸上に配置し、明視野観察用のコンデンサレンズ15および対物レンズ10に切り替えるとともに、蛍光キューブ18を空のキューブに設定する。また、シャッタ16は開放する。そして、制御部41は、カメラヘッド3に対しては、アクチュエータ21を駆動してミラー20を結像レンズ13とカラーCCD23との間から離脱する。
Imax=max{R,G,B} (1)
Imin=min{R,G,B} (2)
S=(Imax−Imin)/Imax (3)
ステージ7に載置されている標本Aが複数である場合には、各標本Aに対して上記判別を行い、標本Aの種別をタグ付けしておく。タグは、例えば、各標本Aのスライドガラスの中心座標に関連付けておく。
一方、上記判別の結果、標本AがEVG染色標本でないと判別された場合には、ステージ7を駆動して、もう一方の標本AすなわちEVG染色標本を対物レンズ10の光軸上に配置する。
すなわち、制御部41は、顕微鏡本体2に対しては、ステージ7を駆動して、判別の結果、蛍光免疫染色標本であると判別された標本Aを対物レンズ10の光軸上に配置し、対物レンズ10を位相差観察用対物レンズ31に、コンデンサレンズ15を位相差観察用コンデンサレンズ32に切り替える。また、制御部41は、カメラヘッド3に対しては、アクチュエータ21を駆動してミラー20を結像レンズ13とカラーCCD23との間に挿入させる。
これにより、白色光源14から発せられた白色光が標本Aに照射され、透過した光がモノクロCCD22により撮影されることにより、位相差画像が取得され、メモリに記憶される。
そして、2つの画像において対応する特徴点の座標から、EVG染色標本と、蛍光免疫染色標本の回転量および座標値の差分を算出する。
これにより、明視野画像における標本Aの外観と蛍光画像における各位置とを対応づけることができるようになる。
すなわち、制御部41は、顕微鏡本体2に対しては、蛍光観察用の対物レンズ10、蛍光観察用の蛍光キューブ18に切り替え、シャッタ16を閉鎖する。ステージ7およびカメラヘッド3は位相差観察時の状態に維持される。
取得された蛍光画像は、メモリに記憶されている明視野画像と対応づけて並列に、あるいは、重畳されてモニタ6に表示される。
この場合に、画像間の位置合わせは、貼り合わせ画像全体どうしで行ってもよいし、部分画像どうしで行ってもよい。
本実施形態に係る顕微鏡観察方法の説明において、上述した第3の実施形態に係る顕微鏡観察方法と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
標本判別ステップS20においては、3つの標本Aに対して、EVG染色標本か否かの判別が行われ、EVG染色標本かそれ以外かのタグ付けが行われる。
この後に、制御部41は切替ステップS3を行って、顕微鏡本体2およびカメラヘッド3に対して蛍光観察用の設定を行うようになっている。
そして、制御部41は、ステージ7を駆動して、無染色標本および蛍光免疫染色標本に対して順次蛍光観察ステップを行い、取得した蛍光画像を記憶する(ステップS4)。
この後に、制御部41は、無染色標本と蛍光免疫染色標本とを判別する第2の標本判別ステップS24を行う。
この第2の標本判別ステップS24は、取得された蛍光画像に基づいてヒストグラムを作成する。ヒストグラムは、横軸を画素値、縦軸を頻度としたグラフである。
例えば、本実施形態においては、結像レンズ13により集光された光が、ミラーを介してモノクロCCDに入射するようにしたが、ミラーを介してカラーCCDに入射するように、モノクロCCDとカラーCCDとの配置を逆にしてもよい。
また、カメラヘッドについては、本実施形態においては、1つのカメラヘッド内に2つの撮像素子を配置することとしたが、カメラヘッド自体を複数用意して、顕微鏡本体2に光学部材を追加して光路を分岐することや、分光感度の異なる複数のカメラヘッドを用いて画像を取得してもよい。
また、彩度Sの算出や特徴点検出で記述した式は代表的な式であり、これに限定されるものではない。
すなわち、標本Aとして、マルチカラー蛍光色素で染色したもの1つを用意する(ステップS1)。
マルチカラー蛍光染色とは、例えば1波長で励起し、発生した異なる蛍光色情報から多成分を同時に検出可能な蛍光色素で染色することを意味している。例えば、マルチカラー蛍光色素である量子ドットの糖鎖固定化蛍光性ナノ粒子は、紫外領域波長(400nm)で励起され、金属の組成比によって蛍光の色が緑色、黄色、赤色に変化する。
この状態で、励起光源から標本Aに励起光を照射し、発せられた蛍光をカラーCCDにより撮影する(ステップS30)。取得されたカラー画像はモニタに表示されるので、観察者は、観察したい波長を選択する。
そして、励起光源から励起光を標本Aに照射することにより、対物レンズによって集光された蛍光の中から、観察したい特定波長の蛍光のみが蛍光キューブを透過してモノクロCCDによって撮影される(ステップS31)。これにより、観察したい特定波長の蛍光のみが光る蛍光画像を取得することができる。
このことから、マルチカラー蛍光染色された標本Aを観察する際に、カラーCCDとモノクロCCDとを併用して観察することで、標本A中の目的部位の選択、目的部位の高感度撮影および蛍光強度の定量的評価を行うことができる。
1,30,40 顕微鏡システム
7 ステージ
14 白色光源(光源)
17 励起光源(光源)
18 蛍光キューブ(波長選択手段)
21 アクチュエータ(切替手段)
22 モノクロCCD(長波長撮像素子)
23 カラーCCD(撮像素子)
33 画像処理部(画像処理手段、標本判別手段)
S1 標本準備ステップ
S2 明視野観察ステップ(明視野撮影ステップ)
S3 切替ステップ
S4 蛍光観察ステップ(蛍光撮影ステップ)
S11 位相差観察ステップ(位相差撮影ステップ)
S13 演算ステップ(位置合わせステップ)
Claims (9)
- 標本を搭載するステージと、
該ステージに搭載された標本に照射する光を発生する光源と、
該光源から発生された光を照射することにより標本において発生した光を撮影する分光感度特性の異なる複数の撮像素子と、
前記標本の観察方法に応じて、前記撮像素子を切り替える切替手段とを備える顕微鏡システム。 - 前記撮像素子の少なくとも1つが近赤外領域に感度を有する長波長撮像素子であり、
前記切替手段によって、近赤外領域に感度を有する前記長波長撮像素子が選択されたときに、前記標本において発生した光から近赤外領域の波長の光を選択して前記長波長撮像素子に入射させる波長選択手段を備える請求項1に記載の顕微鏡システム。 - 近赤外領域の蛍光を発生する蛍光物質で染色した蛍光染色標本および染色されていない無染色標本に対し同一の光を照射して、前記長波長撮像素子により取得された2つの蛍光画像間で減算処理を行う画像処理手段を備える請求項2に記載の顕微鏡システム。
- 前記ステージに搭載された標本を判別する標本判別手段を備え、
前記切替手段が、前記標本判別手段による判別結果に応じて前記撮像素子を切り替える請求項1から請求項3のいずれかに記載の顕微鏡システム。 - 前記撮像素子の少なくとも1つがカラー撮像素子であり、
前記標本判別手段は、前記カラー撮像素子により取得された画像に特定の色が存在する場合に、当該色の色素により染色された色素染色標本であると判別する請求項4に記載の顕微鏡システム。 - 前記画像処理手段は、前記蛍光染色標本および前記無染色標本の位相差画像に基づいて2つの蛍光画像を位置合わせして減算処理を行う請求項3に記載の顕微鏡システム。
- 組織から切り出した連続切片のいずれかを特定色の色素により染色した色素染色標本と、他のいずれかの前記連続切片を蛍光物質により染色した蛍光染色標本とを用意する標本準備ステップと、
前記色素染色標本に可視光を照射してカラー撮像素子により撮影することにより明視野画像を取得する明視野撮影ステップと、
撮像素子を切り替える切替ステップと、
前記蛍光染色標本に近赤外光を照射して、標本から発せられる近赤外領域の蛍光をモノクロ撮像素子により撮影することにより蛍光画像を取得する蛍光撮影ステップとを含む顕微鏡観察方法。 - 前記標本準備ステップが、前記連続切片のいずれかの染色されていない無染色標本を用意し、
前記蛍光撮影ステップが、前記蛍光染色標本および前記無染色標本に近赤外光を照射して、前記標本から発せられる近赤外領域の蛍光をモノクロ撮像素子によりそれぞれ撮影し、
該蛍光撮影ステップにより取得された2つの蛍光画像に減算処理を行う演算ステップを含む請求項7に記載の顕微鏡観察方法。 - 前記蛍光染色標本および前記無染色標本の位相差画像を取得する位相差撮影ステップと、
該位相差撮影ステップにより取得された2つの位相差画像に基づいて2つの前記蛍光画像の位置合わせを行う位置合わせステップとを含む請求項8に記載の顕微鏡観察方法。
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