JP2013222086A - 顕微鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サンプルの深さ方向に異なる組織が存在する場合においてもサンプルの合焦点をより正確に算出し、サンプルに合焦した画像を撮像することができる。
【解決手段】ステージ102は、組織を含むサンプル101を載置する。光学系200は、少なくともサンプル101の一部の領域を含む第1の領域の像を第1の平面に結像させる。撮像素子109は、第1の平面に結像された像を撮像する。光路差検出部は、第1の領域に含まれる第2の領域の第1の深さに存在する組織と、第2の領域の第2の深さに存在する組織とが一致しているか否かを判定し、組織が一致していると判定した第2の領域の光路差信号を出力する。合焦処理部は、光路差検出部が出力する光路差信号に基づいて、ステージ102と光学系200との相対位置を変えて第1の平面に結像させる第1の領域の像の合焦動作を行う。
【選択図】図1
【解決手段】ステージ102は、組織を含むサンプル101を載置する。光学系200は、少なくともサンプル101の一部の領域を含む第1の領域の像を第1の平面に結像させる。撮像素子109は、第1の平面に結像された像を撮像する。光路差検出部は、第1の領域に含まれる第2の領域の第1の深さに存在する組織と、第2の領域の第2の深さに存在する組織とが一致しているか否かを判定し、組織が一致していると判定した第2の領域の光路差信号を出力する。合焦処理部は、光路差検出部が出力する光路差信号に基づいて、ステージ102と光学系200との相対位置を変えて第1の平面に結像させる第1の領域の像の合焦動作を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、顕微鏡装置に関する。
従来、顕微鏡等の光学機器では、生物標本等のサンプルからの光を受光素子へ照射し、その受光素子から出力される信号からサンプルのコントラスト値を検出し、その検出したコントラスト値に基づいてサンプルの合焦点を決定するコントラストAF(Autofocus、オートフォーカス)制御が用いられている。例えば、コントラストAFの方式の一つとして、光軸方向に沿うレンズを移動させながら、撮像素子で取得した画像信号のコントラスト値をコントラスト検出器で検出し、そのコントラスト値が最大となる位置を合焦点と判定する山登りサーボ方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、山登りサーボ方式では、合焦点に向けたレンズの駆動方向が分からず、コントラスト値の増加や減少を検出しながらそのコントラスト値が最大となる位置を検出しなければならないため、合焦点を検出するまでに時間がかかる。
一方、山登りサーボ方式の弱点を改善したコントラストAFの方式として、予定合焦点に対して前後2ヶ所に前ピンセンサと後ピンセンサとの受光素子を配置し、前ピンセンサと後ピンセンサとにおけるサンプルのコントラスト値の差分を検出し、検出したコントラスト値の差分が0となる位置を合焦点と判定する光路差方式が知られている(例えば、特許文献2参照)。光路差方式では、検出したコントラスト値に基づいて、合焦点に向けたレンズの駆動方向を常に判定しながら合焦制御を行うことができる。
上記の光路差方式を用いたオートフォーカス処理について図10および図11を参照して説明する。図10は、従来知られている、前ピンセンサと後ピンセンサとにおけるサンプルのコントラスト値の特性を示した図である。ここで、前ピンセンサはサンプルから予定合焦点に対して後ろの位置に配置された受光素子であり、後ピンセンサはサンプルから予定合焦点に対して前の位置に配置された受光素子である。図示するグラフの横軸はデフォーカス量を示しており、縦軸はコントラスト値を示している。曲線1001は、デフォーカス量と、前ピンセンサが出力するコントラスト値との関係を示している。また、曲線1002は、デフォーカス量と、後ピンセンサが出力するコントラスト値との関係を示している。また、破線1003は、前ピンセンサの合焦点を示している。また、破線1004は、後ピンセンサの合焦点を示している。また、破線1005は、予定合焦点を示している。
図11は、従来知られている、前ピンセンサのコントラスト値から後ピンセンサのコントラスト値を差分した値(以下、「差分コントラスト値」という)の特性を示した図である。図示するグラフの横軸はデフォーカス量を示し、縦軸は差分コントラスト値を示している。曲線1101は、デフォーカス量と、差分コントラスト値との関係を示している。また、破線1102は、予定合焦点を示している。
図10に示すように、前ピンセンサのコントラスト値は、予定合焦点1005よりもマイナス方向へ離れた位置で最大となる。また、後ピンセンサのコントラスト値は、予定合焦点1005よりもプラス方向へ離れた位置で最大となる。このとき、前ピンセンサと後ピンセンサとの位置を予定合焦点から等距離に配置すると、前ピンセンサと後ピンセンサのコントラスト値が最大となる位置は、それぞれ予定合焦点から等距離の位置となる。よって、前ピンセンサと後ピンセンサのコントラスト値が一致する位置は予定合焦点となる。
すなわち、図11に示すように、差分コントラスト値が0となる位置は予定合焦点となる。また、サンプルの位置が合焦点より対物レンズ側に近い場合には、差分コントラスト値は負の値となる。一方、サンプルの位置が合焦点より反対物レンズ側へ離れている場合には、差分コントラスト値は正の値となる。従って、光路差方式による合焦制御では、差分コントラスト値を算出して、その差分コントラスト値の極性に応じた方向にステージを移動させる処理を、差分コントラスト値が0に最接近するまで繰り返し行うことで、予定合焦点を検出することができる。
また、上述したコントラストAFを用いてサンプルの合焦点を検出し、観察対象であるサンプル全体を撮像する顕微鏡装置が知られている。図12は、従来知られている光路差方式を用いた顕微鏡装置の構成を示した概略図である。図示する顕微鏡装置1400は、ステージ1402と、透過光源1403と、コンデンサレンズ1404と、対物レンズ1405と、光路分割装置1406と、第1の結像レンズ1407と、第2の結像レンズ1408と、分割プリズム1409と、撮像素子1410と、ラインセンサ1411と、合焦点検出部1412とを備えている。なお、図示する例では、透過光源1403と、コンデンサレンズ1404と、対物レンズ1405と、光路分割装置1406と、第1の結像レンズ1407と、撮像素子1410とが並んでいる方向、すなわち透過光源1403が発光した光が撮像素子1410に入射する方向(光軸方向)をZ軸方向とし、ステージ1402の平面をXY平面とする。
スライドガラス上に薄くスライスされて固定されたサンプル1401が、ステージ1402に設置されている。コンデンサレンズ1404は、透過光源1403が発光した照明光を集光する。サンプル1401には、透過光源1403からの照明光がコンデンサレンズ1404を通して照射されている。サンプル1401の透過光は、対物レンズ1405を通して、光路分割装置1406に入射される。
光路分割装置1406に入射されたサンプル1401の透過光のうち、一部の透過光は光路分割装置1406を透過して第1の結像レンズ1407に入射され、一部の透過光は光路分割装置1406で反射して第2の結像レンズ1408に入射される。第1の結像レンズ1407は、入射された光を集光し、撮像素子1410の撮像面に結像する。
第2の結像レンズ1408は、入射された光を集光する。第2の結像レンズ1408によって集光された光は、分割プリズム1409で2分割される。分光プリズム1409が2分割した光は、平行な状態でラインセンサ1411に入射される。なお、ラインセンサ1411に入射する光は、分割プリズム1409により、第2の結像レンズ1408の出射面からラインセンサ1411に至るまでの光路長が異なる。また、ラインセンサ1411の受光面は、第2の結像レンズ1408を含む結像光学系の予定合焦点に対する前後の光学的に共役な位置(前ピン共役面、後ピン共役面)に位置する。従って、ラインセンサ1411の受光面である前ピン共役面と後ピン共役面には、それぞれサンプル1401の像(前ピン像、後ピン像)が投影される。この2つのサンプル1401の像は、サンプル1401が合焦点に位置する時に、同一形状となる。ここで、サンプル1401の前ピン像が投影され、予定合焦点に対して後側に配置されたセンサを前ピンセンサ1413とする。また、サンプル1401の後ピン像が投影され、予定合焦点に対して前側に配置されたセンサを後ピンセンサ1414とする。
ラインセンサ1411は、投影された光像(前ピン像と後ピン像)の入射光量と蓄積時間に応じた信号を検出する。ラインセンサ1411が検出した信号は、合焦点検出部1412に送信される。合焦点検出部1412は、ラインセンサ1411から送信された信号から前ピン像と後ピン像のコントラスト値を検出し、そのコントラスト値に基づいてサンプル1401の合焦点を算出する。そして、合焦点検出部1412は、合焦点の算出結果に基づいて、光軸方向における対物レンズ1405の移動量と方向とを算出し、駆動信号を生成する。合焦点検出部1412が生成した駆動信号は、対物レンズ1405に送信される。対物レンズ1405は合焦点検出部1412が生成した駆動信号に基づいて光軸方向に移動し、合焦動作を完了する。撮像素子1410は、合焦動作完了後に、第1の結像レンズ1407により結像されたサンプル1401の所定の領域の像を撮像する。
前述した通り、光路差方式を用いてサンプル1401の合焦点を検出する方法は、結像光学系の予定合焦点に対して光学的に共役な前後の位置に配置される前ピンセンサと後ピンセンサのコントラスト値を検出し、前ピンセンサと後ピンセンサのコントラスト値が一致する位置に対物レンズが移動するように制御する方式である。
従って、光路差方式で検出した合焦点がサンプル1401の真の合焦点と一致するためには、サンプル1401と対物レンズ1405との相対的距離が合焦点から対物レンズ1405側に近づいた方向と、合焦点から対物レンズ1045とは反対側へ離れた方向とにおいて、それぞれ均等にコントラスト値が低下する必要がある。
図13は、従来知られている、スライドガラスに固定されたサンプル1401の断面を示した概略図である。図示する例では、サンプル1401には組織Aと組織Bとが含まれており、組織Aと組織Bとが光軸方向(Z軸方向)に重なっている。なお、組織Aと組織Bとでは組織分布が異なるため、前ピンと後ピンのコントラスト値が異なる。そのため、ラインセンサ1411が検出する組織Aのコントラスト値と組織Bのコントラスト値が異なる。
サンプル1401の真の合焦点1501を検出する位置となるように、サンプル1401と対物レンズ1405の相対的距離を移動させた場合には、前ピンセンサの合焦点1502と後ピンセンサの合焦点1503とは図示する位置となる。このとき、ラインセンサ1411の視野範囲であるAF検出領域において、前ピンセンサの合焦点1502には組織Bが多く含まれており、後ピンセンサの合焦点1503には組織Aのみが含まれている。すなわち、前ピンセンサには主に組織Bの光像が投影され、後ピンセンサには主に組織Aの光像が投影される。従って、前ピンセンサが検出するコントラスト値と後ピンセンサが検出するコントラスト値とは異なる。
図14は、従来知られているラインセンサ1411が、図13に示したサンプル1401のコントラスト値を検出した結果を示したグラフである。図示するグラフの横軸はデフォーカス量を示しており、縦軸はコントラスト値を示している。曲線1611は、デフォーカス量と、前ピンセンサが出力するコントラスト値との関係を示している。また、曲線1612は、デフォーカス量と、後ピンセンサが出力するコントラスト値との関係を示している。また、破線1502は、前ピンセンサの合焦点を示している。また、破線1503は、後ピンセンサの合焦点を示している。また、破線1501は、真の合焦点を示している。また、破線1601は、偽合焦点を示している。
図13に示したサンプル1401は、深さ方向に組織Aと組織Bとが存在するため、前ピンセンサが検出するコントラスト値は、前ピンセンサの合焦点1502から対物レンズ側に近づいた方向と離れた方向とでは不均等に低下する。同様に、後ピンセンサが検出するコントラスト値も、後ピンセンサの合焦点1503から対物レンズ側に近づいた方向と離れた方向とでは不均等に低下する。この場合、前ピンセンサが検出するコントラスト値と後ピンセンサが検出するコントラスト値とが一致する位置は、偽合焦点1601の位置であり、真の合焦点1501の位置とは異なる。従って、合焦点検出部1412は、偽合焦点1601をサンプル1401の合焦点として検出する。すなわち、合焦点検出部1412は、真の合焦点1501を合焦位置として判定することができない。
このように、深さ方向に異なる組織が存在し、前ピンセンサと後ピンセンサに異なる組織の光像が投影された場合、真の合焦点1501とは異なる位置である偽合焦点1601が合焦点として検出される。そのため、光路差方式による合焦動作では、図13に示したようなサンプル1401を撮像する際には、サンプル1401に合焦した画像を撮像することができない可能性があるという問題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、サンプルの深さ方向に異なる組織が存在する場合においてもサンプルの合焦点をより正確に算出し、サンプルに合焦した画像を撮像することができる顕微鏡装置を提供することを目的とする。
本発明は、組織を含むサンプルを載置するステージと、少なくとも前記サンプルの一部の領域を含む第1の領域の像を第1の平面に結像させる光学系と、前記第1の平面に結像された像を撮像する撮像素子と、前記第1の領域に含まれる第2の領域の第1の深さに存在する前記組織と、前記第2の領域の第2の深さに存在する前記組織とが一致しているか否かを判定し、前記組織が一致していると判定した前記第2の領域の光路差信号を出力する光路差検出部と、前記光路差検出部が出力する前記光路差信号に基づいて、前記ステージと前記光学系との相対位置を変えて前記第1の平面に結像させる前記第1の領域の像の合焦動作を行う合焦処理部と、を備えることを特徴とする顕微鏡装置である。
また、本発明の顕微鏡装置において、前記光学系は、前記第2の領域の前記第1の深さに存在する前記組織の像と、前記第2の領域の前記第2の深さに存在する前記組織の像とを第2の平面に結像させ、前記光路差検出部は、前記第2の平面に結像された、前記第2の領域の前記第1の深さに存在する前記組織の像に対応する第1の画素信号と前記第2の領域の前記第2の深さに存在する前記組織の像に対応する第2の画素信号とを生成する光路差センサと、当該第1の画素信号と当該第2の画素信号とに基づいて、前記第1の領域に含まれる前記第2の領域の前記第1の深さに存在する前記組織と前記第2の領域の前記第2の深さに存在する前記組織とが一致しているか否かを判定し、前記組織が一致していると判定した前記第2の領域の前記第1の画素信号と前記第2の画素信号とを前記光路差信号として出力する組織分布解析部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の顕微鏡装置において、前記光路差センサは、所定のカラーフィルタを有する複数の画素を含む絵素を複数備えることを特徴とする。
また、本発明の顕微鏡装置において、複数の前記画素は、前記サンプルの染色方法に応じたカラーフィルタを有することを特徴とする。
また、本発明の顕微鏡装置において、前記光路差センサはラインセンサであることを特徴とする。
また、本発明は、前記ステージを駆動させ、前記撮像素子の撮像領域に前記サンプルの一部の領域を順次提示するステージ駆動部と、前記撮像素子が撮像する画像を合成し、前記サンプルの画像を生成する画像処理部と、を備えることを特徴とする顕微鏡装置である。
本発明によれば、ステージは、組織を含むサンプルを載置する。また、光学系は、少なくともサンプルの一部の領域を含む第1の領域の像を第1の平面に結像させる。また、撮像素子は、第1の平面に結像された像を撮像する。また、光路差検出部は、第1の領域に含まれる第2の領域の第1の深さに存在する組織と、第2の領域の第2の深さに存在する組織とが一致しているか否かを判定し、組織が一致していると判定した第2の領域の光路差信号を出力する。合焦処理部は、光路差検出部が出力する光路差信号に基づいて、ステージと光学系との相対位置を変えて第1の平面に結像させる第1の領域の像の合焦動作を行う。
従って、合焦処理部は、組織が一致している第2の領域の光路差信号を用いて合焦動作を行うことができるため、サンプルの深さ方向に異なる組織が存在する場合においてもサンプルの合焦点をより正確に算出し、サンプルに合焦した画像を撮像することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における顕微鏡装置1の構成を示した概略図である。図示する例では、顕微鏡装置1は、ステージ102と、透過光源103と、コンデンサレンズ104と、対物レンズ105と、光路分割装置106と、第1の結像レンズ107と、第2の結像レンズ108と、撮像素子109と、分割プリズム110と、AF信号検出素子111と、組織分布解析部112と、合焦点検出部113と、対物レンズ駆動部114とを備えている。なお、対物レンズ105と、光路分割装置106と、第1の結像レンズ107と、第2の結像レンズ108と、分割プリズム110とを光学系200とする。また、図示する例では、透過光源103と、コンデンサレンズ104と、対物レンズ105と、光路分割装置106と、第1の結像レンズ107と、撮像素子109とが並んでいる方向、すなわち透過光源103が発光した光が撮像素子109に入射する方向(光軸方向)をZ軸方向とし、ステージ102の平面をXY平面とする。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における顕微鏡装置1の構成を示した概略図である。図示する例では、顕微鏡装置1は、ステージ102と、透過光源103と、コンデンサレンズ104と、対物レンズ105と、光路分割装置106と、第1の結像レンズ107と、第2の結像レンズ108と、撮像素子109と、分割プリズム110と、AF信号検出素子111と、組織分布解析部112と、合焦点検出部113と、対物レンズ駆動部114とを備えている。なお、対物レンズ105と、光路分割装置106と、第1の結像レンズ107と、第2の結像レンズ108と、分割プリズム110とを光学系200とする。また、図示する例では、透過光源103と、コンデンサレンズ104と、対物レンズ105と、光路分割装置106と、第1の結像レンズ107と、撮像素子109とが並んでいる方向、すなわち透過光源103が発光した光が撮像素子109に入射する方向(光軸方向)をZ軸方向とし、ステージ102の平面をXY平面とする。
ステージ102は、スライドガラス上に薄くスライスされて固定されたサンプル101を載置するための台である。ステージ102は、コンデンサレンズ104と対物レンズ105との間に配置されている。透過光源103は、サンプル101を照明する光を発光する。
コンデンサレンズ104は、透過光源103が照射した光を集光してサンプル101に対して照射する。対物レンズ105は、サンプル101に対向するように配置されている。また、対物レンズ105は、サンプル101からの光束を集光させ、集光させた光を光路分割装置106に対して照射する。光路分割装置106は、対物レンズ105と第1の結像レンズ107との間に配置されており、対物レンズ105からの光の一部を第2の結像レンズ108に対して照射し、残りの光を透過して第1の結像レンズ107に対して照射する。
第1の結像レンズ107は、対物レンズ105が集光した光のうち、光路分割装置106が透過した光を撮像素子109の撮像面(第1の平面)上に結像させる。これにより、サンプル101からの光は撮像素子109に導かれる。撮像素子109は、サンプル101からの光を受光し、受光した光を光電変換して撮像信号(電気信号)を生成する。また、撮像素子109は、生成した電気信号に基づいた画像を生成する。なお、撮像素子109は、後述する合焦処理が完了した後に光電変換を行い、画像を生成する。また、サンプル101の領域のうち、撮像素子109が生成する画像の領域(撮像素子109の撮像領域)を第1の領域とする。
第2の結像レンズ108は、対物レンズ105が集光した光のうち、光路分割装置106が反射した光を分割プリズム110に照射する。これにより、サンプル101からの光は、分割プリズム110に導かれる。
分割プリズム110は、照射されたサンプル101からの光の一部を透過し、一部を分割プリズム110内で反射させることで、サンプル101からの光を2分割し、分割した光を平行な状態でAF信号検出素子111の受光面(第2の平面)に照射する。なお、分割プリズム110が透過した光の光路を光路Aとし、分割プリズム110が反射した光の光路を光路Bとする。また、AF信号検出素子111が備える画素のうち、光路Aに導かれた光が入射する画素の集合を後ピンセンサ11とし、光路Bに導かれた光が入射する画素の集合を前ピンセンサ12とする。
また、光路Bは分割プリズム110内で光を反射する光路であるため、光路Bの光路長は光路Aの光路長よりも長い。そのため、光路Aに導かれ、AF信号検出素子111の後ピンセンサ11に結像する光は、サンプル101の表面より遠い位置に存在する組織からの光であり、光路Bに導かれ、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12に結像する光は、サンプル101の表面より近い位置に存在する組織からの光である。
AF信号検出素子111は、受光面に赤色の光を透過するカラーフィルタが配置され、赤色の波長の光を検出する画素(R画素)と、受光面に緑色の波長の光を透過するカラーフィルタが配置され、緑色の光を検出する画素(G画素)と、受光面に青色の波長の光を透過するカラーフィルタが配置され、青色の光を検出する画素(B画素)とを備えたラインセンサである。
図2は、本実施形態におけるAF信号検出素子111の構成を示した概略図である。図示する例では、AF信号検出素子111は、R画素と、G画素と、B画素とを備えている。また、AF信号検出素子111が備える各画素は、R画素、G画素、B画素の順に一列に配置されている。なお、隣接する1つのR画素と、1つのG画素と、1つのB画素との組を1画素(絵素)として扱う。すなわち、1画素には、1つのR画素と、1つのG画素と、1つのB画素とが含まれている。従って、AF信号検出素子111が備える1画素は、赤色の波長の光と、緑色の波長の光と、青色の波長の光とのスペクトル信号を検出する。これにより、組織分布解析部112は、AF信号検出素子111が検出した赤色の波長の光と、緑色の波長の光と、青色の波長の光とのスペクトル信号を解析することによって、任意の測定波長λにおけるスペクトル強度を算出することができる。
以下、図1の説明に戻る。AF信号検出素子111の後ピンセンサ11に含まれる各画素は光路A上に配置されており、光路Aに導かれたサンプル101からの光を受光し、受光した光を光の強さに応じた第1の画素信号に光電変換して出力する。また、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12に含まれる各画素は光路B上に配置されており、光路Bに導かれたサンプル101からの光を受光し、受光した光を光の強さに応じた第2の画素信号に光電変換して出力する。
なお、AF信号検出素子111の後ピンセンサ11に含まれる各画素は、R画素と、G画素と、B画素とを備えているため、後ピンセンサ11が出力する第1の画素信号に基づいて後ピンセンサ11に結像された光(像)のスペクトル強度を検出することができる。また、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12に含まれる各画素は、R画素と、G画素と、B画素とを備えているため、前ピンセンサ12が出力する第2の画素信号に基づいて前ピンセンサ12に結像された光(像)のスペクトル強度を検出することができる。
組織分布解析部112は、AF信号検出素子111の後ピンセンサ11に含まれる各画素が出力する第1の画素信号のスペクトル強度を算出することによって、後ピンセンサ11に含まれる各画素に投影されている組織を判定する。また、組織分布解析部112は、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12に含まれる各画素が出力する第2の画素信号のスペクトル強度を算出することによって、前ピンセンサ12に含まれる各画素に投影されている組織を判定する。そして、組織分布解析部112は、後ピンセンサ11に含まれる画素と前ピンセンサ12に含まれる画素とについて、対応する画素同士で同一の組織の像が投影されているか否かを判定する。なお、対応する画素同士とは、サンプル101のうち、同一の領域の光が入射する画素の組み合わせとする。また、各画素に投影されている組織の判定方法については後述する。
また、組織分布解析部112は、後ピンセンサ11に含まれる画素と前ピンセンサ12に含まれる画素とのうち、対応する画素同士で同一の組織の像が投影されていると判定した画素が出力する第1の画素信号と第2の画素信号とを合焦点検出部113に対して出力する。
合焦点検出部113は、組織分布解析部112から入力される第1の画素信号と第2の画素信号とに基づいて、光路Aに導かれてAF信号検出素子111の後ピンセンサ11に入射されるサンプル101からの光のコントラスト値と、光路Bに導かれてAF信号検出素子111の前ピンセンサ12に入射されるサンプル101からの光のコントラスト値とを算出する。また、合焦点検出部113は、算出したコントラスト値を用いて、サンプル101の合焦点を算出する。そして、合焦点検出部113は、サンプル101の合焦点の算出結果に基づいて、対物レンズ105の移動量と移動方向とを算出し、対物レンズ105の移動量と移動方向とを示す駆動信号を生成する。また、合焦点検出部113は、生成した駆動信号を対物レンズ駆動部114に対して出力する。なお、合焦点検出部113が第1の画素信号と第2の画素信号とに基づいて駆動信号を生成する方式は、光路差方式である。
対物レンズ駆動部114は、合焦点検出部113が出力する駆動信号に基づいて対物レンズ105を光軸方向(Z軸方向)に駆動する。なお、組織分布解析部112と、合焦点検出部113と、対物レンズ駆動部114とによる合焦動作の詳細な手順については後述する。
なお、AF信号検出素子111と組織分布解析部112とが、請求項に係る光路差検出部に相当する。また、合焦点検出部113と対物レンズ駆動部114とが、請求項に係る合焦処理部に相当する。
次に、組織分布解析部112が、後ピンセンサ11に含まれる画素と前ピンセンサ12に含まれる画素とについて、対応する画素同士で同一の組織の像が投影されているか否かを判定する方法について説明する。組織分布解析部112は、AF信号検出素子111の後ピンセンサ11に含まれる各画素が出力する第1の画素信号に基づいて、任意の測定波長λにおけるスペクトル強度の値を算出する。そして、算出したスペクトル強度の値に基づいて、後ピンセンサ11に含まれる各画素に投影されている組織を判定する。同様に、組織分布解析部112は、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12に含まれる各画素が出力する第2の画素信号に基づいて、任意の測定波長λにおけるスペクトル強度の値を算出する。そして、算出したスペクトル強度の値に基づいて、前ピンセンサ12に含まれる各画素に投影されている組織を判定する。そして、組織分布解析部112は、後ピンセンサ11に含まれる各画素と前ピンセンサ12に含まれる各画素とにおいて、対応する画素同士で同一の組織の像が投影されているか否かを判定する。
図3は、本実施形態におけるスペクトル強度と組織との関係を示したグラフである。図示する例では、検出した任意の測定波長λの光のスペクトル強度が基準値α以上の場合、この光は組織Aからの光であることを示している。また、図示する例では、検出した任意の測定波長λの光のスペクトル強度が基準値α未満の場合、この光は組織Bからの光であることを示している。
すなわち、組織分布解析部112は、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12および後ピンセンサ11に含まれる各画素が検出した任意の測定波長λの光のスペクトル強度が基準値α以上の場合には、各画素に結像された光は組織Aからの光であると判定する。また、組織分布解析部112は、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12および後ピンセンサ11に含まれる各画素が検出した任意の測定波長λの光のスペクトル強度が基準値α未満の場合には、各画素に結像された光は組織Bからの光であると判定する。
例えば、サンプル101が細胞質と細胞核などの組織であり、組織を観察するためにヘマトキシリンとエオジン(以下、「HE」という)によって染色された病理組織標本であるとする。HE染色された病理組織標本中に含まれる色素は、染色色素であるヘマトキシリンとエオジンの色素、および生体内色素である赤血球である。細胞核はヘマトキシリンによって青紫色に染色され、細胞質と赤血球とはエオジンによってピンク色に染色される。よって、HE染色されたサンプル101は、青紫色とピンク色の波長に極大値をもつスペクトル信号となる。
図4は、本実施形態における測定波長λ=600nmのスペクトル強度と、ヘマトキシリンによって染色された細胞質と、エオジンによって染色された細胞核との関係を示したグラフである。図示する例では、検出した測定波長λ=600nmの光のスペクトル強度が基準値α以上の場合、この光はピンク色に染色された組織、すなわち細胞質からの光であることを示している。また、図示する例では、検出した測定波長λ=600nmの光のスペクトル強度が基準値α未満の場合、この光は青紫色に染色された組織、すなわち細胞核からの光であることを示している。
従って、組織分布解析部112は、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12および後ピンセンサ11に含まれる各画素が検出した測定波長λ=600nmの光のスペクトル強度が基準値α以上の場合には、各画素に結像された光は細胞質からの光であると判定する。また、組織分布解析部112は、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12および後ピンセンサ11に含まれる各画素が検出した測定波長λ=600nmの光のスペクトル強度が基準値α未満の場合には、各画素に結像された光は細胞核からの光であると判定する。
このように、組織分布解析部112は、前ピンセンサ12と後ピンセンサ11とに含まれる各画素が検出した任意の測定波長λにおけるスペクトル強度の値に基づいて、前ピンセンサ12と後ピンセンサ11とに含まれる各画素にどのような組織の光像が投影されたかを判定することができる。従って、組織分布解析部112は、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12に含まれる各画素が出力する第2の画素信号と、後ピンセンサ11に含まれる各画素が出力する第1の画素信号とが、同一の組織の画素信号であるか否かを判定することができる。
なお、サンプル101の染色方法(染色液)によってAF信号検出素子111が検出するスペクトル信号の特性が異なるため、サンプル101の染色方法毎に、測定波長λと基準値αとを設定するようにしてもよい。例えば、HE染色以外でよく用いられる染色方法「MT染色(マッソン・トリクローム染色)」や「パパニコロウ染色」等についても、測定波長λと基準値αとを設定するようにしてもよい。
MT染色は、筋繊維や幹細胞を赤色に染色し、コラーゲンや膠原線維を緑色に染色し、核を青紫色に染色する。また、パパニコロウ染色は、核を青紫色に染色し、細胞質(扁平上皮系細胞)のうち基底細胞を濃青緑色に染色し、中層細胞を淡青緑色に染色し、表層細胞を淡赤色〜橙黄色に染色する。このように、それぞれの染色方法において、各組織を何色に染色するかという情報は既知である。そのため、測定波長λと基準値αとを図示していない記憶部に記憶しておくことで、各染色方法で染色されたサンプル101に対しても、スペクトル信号を検出することによって、前ピンセンサ12に含まれる各画素と、後ピンセンサ11に含まれる各画素とにどのような組織の光像が投影されたかを判定することができる。
次に、サンプル101の断面図と、前ピンセンサ12に光像が投影される組織と、後ピンセンサ11に光像が投影される組織との関係について説明する。図5は、本実施形態におけるサンプル101の断面図と、前ピンセンサ12に光像が投影される組織と、後ピンセンサ11に光像が投影される組織との関係を示した概略図である。図示する例では、サンプル101には組織Aと組織Bとが含まれており、組織Aはサンプル101の中央に位置し、組織Bはサンプル101の両端側に位置している。また、図示するサンプル101の例では、組織Aと組織Bとが光軸方向(Z軸方向)に重なっている箇所はない。
また、前ピンセンサ12に含まれている画素のうち、AF検出領域に含まれている画素を図中左側から画素601〜606とする。また、後ピンセンサ11に含まれている画素のうち、AF検出領域に含まれている画素を図中左側から画素611〜616とする。また、図示する例では、画素601と画素611とが対応する画素であり、画素602と画素612とが対応する画素であり、画素603と画素613とが対応する画素であり、画素604と画素614とが対応する画素であり、画素605と画素615とが対応する画素であり、画素606と画素616とが対応する画素である。
サンプル101の合焦点501を検出する位置となるように、サンプル101と対物レンズ105との相対的距離を移動させた場合には、前ピンセンサ12の合焦点502と後ピンセンサ11の合焦点503とは図示する位置となる。なお、サンプル101において、後ピンセンサ11の合焦点503の深さを第1の深さとし、前ピンセンサ12の合焦点502の深さを第2の深さとする。
このとき、AF信号検出素子111の視野範囲(第2の領域)であるAF検出領域において、前ピンセンサ12に含まれる画素602〜605には、第2の深さに存在する組織Aからの光像が投影されている。また、AF信号検出素子111の視野範囲であるAF検出領域において、前ピンセンサ12に含まれる画素601,606には、第2の深さに存在する組織Bからの光像が投影されている。また、AF信号検出素子111の視野範囲であるAF検出領域において、後ピンセンサ11に含まれる画素612〜615には、第1の深さに存在する組織Aからの光像が投影されている。また、AF信号検出素子111の視野範囲であるAF検出領域において、後ピンセンサ11に含まれる画素611,616には、第1の深さに存在する組織Bからの光像が投影されている。なお、AF信号検出素子111の視野範囲(第2の領域)は、撮像素子109の撮像領域(第1の領域)に含まれる領域である。
このように、図5に示す例では、前ピンセンサ12に含まれる画素601〜606と後ピンセンサ11に含まれる画素611〜616とにおいて、同一の領域の光を検出する各画素(対応する画素)には、サンプル101に含まれる同一の組織からの光像が投影されている。上述した通り、組織分布解析部112は、後ピンセンサ11に含まれる画素611〜616と前ピンセンサ12に含まれる画素601〜606とのうち、対応する画素同士で同一の組織の像が投影されていると判定した画素が出力する第1の画素信号と第2の画素信号とを合焦点検出部113に対して出力する。従って、この場合、組織分布解析部112は、画素601〜606が出力する第2の画素信号と、画素611〜616が出力する第1の画素信号とを合焦点検出部113に対して出力する。
図6は、本実施形態におけるサンプル101の断面図と、前ピンセンサ12に光像が投影される組織と、後ピンセンサ11に光像が投影される組織との関係を示した概略図である。図示する例では、サンプル101には組織Aと組織Bとが含まれており、組織Aはサンプル101の中央に位置し、組織Bはサンプル101の両端側に位置している。なお、図6に示す例は図5に示す例とは異なり、組織Aと組織Bとが光軸方向(深さ方向、Z軸方向)に重なっている箇所がある。すなわち、図6に示すサンプル101には、光軸方向(深さ方向、Z軸方向)に、異なる組織が存在している。なお、前ピンセンサ12に含まれている画素601〜606と後ピンセンサ11に含まれている画素611〜616とは図5に示した例と同様である。
サンプル101の合焦点501を検出する位置となるように、サンプル101と対物レンズ105との相対的距離を移動させた場合には、前ピンセンサ12の合焦点502と後ピンセンサ11の合焦点503とは図示する位置となる。このとき、AF信号検出素子111の視野範囲であるAF検出領域において、前ピンセンサ12に含まれる画素602〜605には、第2の深さに存在する組織Aからの光像が投影されている。また、AF信号検出素子111の視野範囲であるAF検出領域において、前ピンセンサ12に含まれる画素601,606には、第2の深さに存在する組織Bからの光像が投影されている。また、AF信号検出素子111の視野範囲であるAF検出領域において、後ピンセンサ11に含まれる画素613,614には、第1の深さに存在する組織Aからの光像が投影されている。また、AF信号検出素子111の視野範囲であるAF検出領域において、後ピンセンサ11に含まれる画素611,612,615,616には、第1の深さに存在する組織Bからの光像が投影されている。
このように、図6に示す例では、前ピンセンサ12に含まれる画素602と後ピンセンサ11に含まれる画素612とは同一の領域の光を検出するが、画素602には組織Aからの光像が投影されており、画素612には組織Bからの光像が投影されている。また、前ピンセンサ12に含まれる画素605と後ピンセンサ11に含まれる画素615とは同一の領域の光を検出するが、画素605には組織Aからの光像が投影されており、画素615には組織Bからの光像が投影されている。なお、画素602,605,612,615以外の画素については、図5に示した例と同様に、前ピンセンサ12に含まれる画素と後ピンセンサ11に含まれる画素とにおいて、同一の領域の光を検出する各画素には、サンプル101に含まれる同一の組織からの光像が投影されている。
すなわち、図6に示す例では、前ピンセンサ12に含まれる画素601,603,604,606と後ピンセンサ11に含まれる画素611,613,614,616とにおいて、同一の領域の光を検出する各画素(対応する画素)には、サンプル101に含まれる同一の組織からの光像が投影されている。また、前ピンセンサ12に含まれる画素602,605と後ピンセンサ11に含まれる画素612,615とにおいて、同一の領域の光を検出する各画素(対応する画素)には、サンプル101に含まれる異なる組織からの光像が投影されている。
上述した通り、組織分布解析部112は、後ピンセンサ11に含まれる画素と前ピンセンサ12に含まれる画素とのうち、対応する画素同士で同一の組織の像が投影されていると判定した画素が出力する第1の画素信号と第2の画素信号とを合焦点検出部113に対して出力する。従って、この場合、組織分布解析部112は、画素601,603,604,606が出力する第2の画素信号と、画素611,613,614,616が出力する第1の画素信号とを合焦点検出部113に対して出力する。これにより、合焦点検出部113に入力される第1の画素信号と第2の画素信号とは、同一の組織の画素信号となる。
次に、本実施形態における顕微鏡装置1の合焦動作の処理手順について説明する。本実施形態では2通りの合焦動作の処理手順について説明する。なお、撮像素子109は、合焦処理が完了した後に、サンプル101からの光を光電変換して、撮像信号を生成する。また、撮像素子109は生成した撮像信号に基づいて画像を生成する。図7は、本実施形態における顕微鏡装置1の第1の合焦動作の処理手順を示したフローチャートである。
(ステップS101)AF信号検出素子111の後ピンセンサ11に含まれる画素611〜616は、光路Aに導かれて入射される光の画素信号を、組織分布解析部112に対して出力する。また、AF信号検出素子111の前ピンセンサ12に含まれる画素601〜606は、光路Bに導かれて入射される光の画素信号を、組織分布解析部112に対して出力する。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)組織分布解析部112は、ステップS101の処理で入力された、後ピンセンサ11に含まれる画素611〜616が出力する第1の画素信号のスペクトル強度を画素611〜616毎に算出する。また、組織分布解析部112は、ステップS101の処理で入力された、前ピンセンサ12に含まれる画素601〜606が出力する第2の画素信号のスペクトル強度を画素601〜606毎に算出する。また、組織分布解析部112は、算出した画素601〜606,611〜616のスペクトル強度に基づいて、前ピンセンサ12に含まれる画素601〜606と後ピンセンサ11に含まれる画素611〜616とにおいて、同一の領域の光を検出する各画素(対応する画素)には、サンプル101に含まれる同一の組織からの光像が投影されているか否かを判定する。そして、組織分布解析部112は、後ピンセンサ11に含まれる画素611〜616と前ピンセンサ12に含まれる画素601〜606とのうち、対応する画素同士で同一の組織の像が投影されていると判定した画素が出力する第1の画素信号と第2の画素信号とを合焦点検出部113に対して出力する。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)合焦点検出部113は、ステップS102の処理で組織分布解析部112から入力された、光路Aに導かれてAF信号検出素子111の後ピンセンサ11に入射される光の画素信号に基づいて、後ピンセンサ11のコントラスト値を算出する。また、合焦点検出部113は、ステップS102の処理で組織分布解析部112から入力された、光路Bに導かれてAF信号検出素子111の前ピンセンサ12に入射される光の画素信号に基づいて、前ピンセンサ12のコントラスト値を算出する。その後、ステップS104の処理に進む。
(ステップS104)合焦点検出部113は、ステップS103の処理で算出した、後ピンセンサ11のコントラスト値と前ピンセンサ12のコントラスト値とに基づいて、サンプル101の合焦点を算出する。また、合焦点検出部113は、合焦点の算出結果に基づいて、対物レンズ105の移動量と移動方向とを算出し、対物レンズ105の移動量と移動方向とを示す駆動信号を生成する。また、合焦点検出部113は、生成した駆動信号を対物レンズ駆動部114に対して出力する。その後、ステップS105の処理に進む。
(ステップS105)対物レンズ駆動部114は、ステップS104の処理で入力された駆動信号に基づいて、対物レンズ105を光軸方向(Z軸方向)に駆動する。その後、処理を終了する。
図8は、本実施形態における顕微鏡装置1の第2の合焦動作の処理手順を示したフローチャートである。
ステップS201〜S203の処理は、ステップS101〜ステップS103の処理と同様である。
ステップS201〜S203の処理は、ステップS101〜ステップS103の処理と同様である。
(ステップS204)合焦点検出部113は、ステップS203の処理で算出した、後ピンセンサ11のコントラスト値と前ピンセンサ12のコントラスト値とに基づいて、対物レンズ105は合焦位置に存在するか否かを判定する。対物レンズ105は合焦位置に存在すると合焦点検出部113が判定した場合には処理を終了し、それ以外の場合にはステップS205の処理に進む。
(ステップS205)合焦点検出部113は、ステップS203の処理で算出した、後ピンセンサ11のコントラスト値と前ピンセンサ12のコントラスト値とに基づいて、再度サンプル101の合焦点を算出する。また、合焦点検出部113は、合焦点の算出結果に基づいて、対物レンズ105の移動量と移動方向とを算出し、対物レンズ105の移動量と移動方向とを示す駆動信号を生成する。また、合焦点検出部113は、生成した駆動信号を対物レンズ駆動部114に対して出力する。その後、ステップS206の処理に進む。
(ステップS206)対物レンズ駆動部114は、ステップS205の処理で入力された駆動信号に基づいて、対物レンズ105を光軸方向(Z軸方向)に駆動する。その後、ステップS201の処理に戻る。
(ステップS206)対物レンズ駆動部114は、ステップS205の処理で入力された駆動信号に基づいて、対物レンズ105を光軸方向(Z軸方向)に駆動する。その後、ステップS201の処理に戻る。
上述した通り、本実施形態によれば、顕微鏡装置1は、前ピンセンサ12に含まれる各画素が出力する第2の画素信号と、後ピンセンサ11に含まれる各画素が出力する第1の画素信号とのうち、対応する画素同士で同一の組織の画素信号を検出した画素が出力する画素信号のみを用いて光路差方式のコントラストAFを行う。これにより、顕微鏡装置1は、サンプル101の深さ方向(光軸方向、Z軸方向)に異なる組織が存在したサンプル101の場合においても、サンプル101の合焦点をより正確に算出し、サンプル101に合焦した画像を撮像することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における顕微鏡装置は、サンプル101の部分画像を撮像し、撮像した部分画像を合成して1枚の全体画像を生成するバーチャル顕微鏡装置である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態における顕微鏡装置は、サンプル101の部分画像を撮像し、撮像した部分画像を合成して1枚の全体画像を生成するバーチャル顕微鏡装置である。
図9は、本実施形態における顕微鏡装置2の構成を示した概略図である。図示する例では、顕微鏡装置2は、ステージ102と、透過光源103と、コンデンサレンズ104と、対物レンズ105と、光路分割装置106と、第1の結像レンズ107と、第2の結像レンズ108と、撮像素子109と、分割プリズム110と、AF信号検出素子111と、組織分布解析部112と、合焦点検出部113と、対物レンズ駆動部114と、水平駆動信号生成部201と、ステージ駆動部202とを備えている。なお、対物レンズ105と、光路分割装置106と、第1の結像レンズ107と、第2の結像レンズ108と、分割プリズム110とを光学系200とする。また、図示する例では、透過光源103と、コンデンサレンズ104と、対物レンズ105と、光路分割装置106と、第1の結像レンズ107と、撮像素子109とが並んでいる方向、すなわち透過光源103が発光した光が撮像素子109に入射する方向(光軸方向)をZ軸方向とし、ステージ102の平面をXY平面とする。
ステージ102と、透過光源103と、コンデンサレンズ104と、対物レンズ105と、光路分割装置106と、第1の結像レンズ107と、第2の結像レンズ108と、撮像素子109と、分割プリズム110と、AF信号検出素子111と、組織分布解析部112と、合焦点検出部113と、対物レンズ駆動部114とは、第1の実施形態における各部と同様である。
水平駆動信号生成部201は、撮像素子109がサンプル101の各部分画像を撮像する際のステージ102の位置を算出する。そして、水平駆動信号生成部201は、算出したステージ102の位置に基づいて、ステージ102の移動量と移動方向とを算出し、ステージ102の移動量と移動方向とを示す水平駆動信号を生成する。また、水平駆動信号生成部201は、生成した水平駆動信号をステージ駆動部202に対して出力する。ステージ駆動部202は、水平駆動信号生成部201が出力する水平駆動信号に基づいてステージ102を水平方向(X軸方向およびY軸方向)に駆動する。ここで、ステージ102は、撮像素子109が撮像する部分画像を合成することによってサンプル101の全体画像を取得することができるように駆動される。つまり、ステージ102のX軸方向およびY軸方向の移動間隔は、撮像素子109が撮影するサンプル101の部分画像の撮像領域同士が重なり合うか、もしくは隣り合うように調整される。画像処理部115は、撮像素子109が撮像した部分画像を合成し、1枚の全体画像を生成する。
次に、本実施形態における顕微鏡装置2の合焦動作の処理手順について説明する。本実施形態の合焦動作の処理手順は、第1の実施形態における合焦動作の処理手順と同様の処理手順である。また、撮像素子109は、合焦動作が完了した後に、第1の結像レンズ107により撮像面上に結像されたサンプル101の所定の領域を分割撮像する。
従って、顕微鏡装置2は、前ピンセンサ12に含まれる各画素が出力する第2の画素信号と、後ピンセンサ11に含まれる各画素が出力する第1の画素信号とのうち、対応する画素同士で同一の組織の画素信号を検出した画素が出力する画素信号のみを用いて光路差方式のコントラストAFを行う。これにより、顕微鏡装置1は、サンプル101の深さ方向(光軸方向、Z軸方向)に異なる組織が存在したサンプル101の場合においても、サンプル101の合焦点をより正確に算出し、サンプル101に合焦した画像を撮像することができる。
以上、この発明の第1の実施形態および第2の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、透過光源103によってサンプル101を照射しているが、落射光源および反射光源によってサンプル101を照射してもよい。また、上述した実施形態では、対物レンズ105を駆動させることにより、サンプル101に対する合焦動作を行っているが、ステージ102を駆動させることにより、サンプル101に対する合焦動作を行ってもよい。
また、上述した実施形態では、組織分布解析部112は、後ピンセンサ11に含まれる画素611〜616と前ピンセンサ12に含まれる画素601〜606とのうち、対応する画素同士で同一の組織の像が投影されているか否かを判定し、対応する画素同士で同一の組織の画素信号を検出した画素が出力する画素信号のみを用いて光路差方式のコントラストAFを行っているが、これに限らない。例えば、複数の画素からなる対応する領域同士で同一の組織の像が投影されているか否かを判定し、対応する領域同士で同一の組織の画素信号を検出した領域に含まれる画素が出力する画素信号のみを用いて光路差方式のコントラストAFを行うようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、AF信号検出素子111は、受光面に赤色の光を透過するカラーフィルタが配置され、赤色の波長の光を検出する画素(R画素)と、受光面に緑色の波長の光を透過するカラーフィルタが配置され、緑色の光を検出する画素(G画素)と、受光面に青色の波長の光を透過するカラーフィルタが配置され、青色の光を検出する画素(B画素)とを備えたラインセンサであるがこれに限らず、サンプル101の染色方法に合わせて任意のカラーフィルタを配置するようにしてもよい。
1・・・顕微鏡装置、2・・・顕微鏡装置、11・・・後ピンセンサ、12・・・前ピンセンサ、101・・・サンプル、102・・・ステージ、103・・・透過光源、104・・・コンデンサレンズ、105・・・対物レンズ、106・・・光路分割装置、107・・・第1の結像レンズ、108・・・第2の結像レンズ、109・・・撮像素子、110・・・分割プリズム、111・・・AF信号検出素子、112・・・組織分布解析部、113・・・合焦点検出部、114・・・対物レンズ駆動部、115・・・画像処理部、200・・・光学系、201・・・水平駆動信号生成部、202・・・ステージ駆動部、601〜606,611〜616・・・画素
Claims (6)
- 組織を含むサンプルを載置するステージと、
少なくとも前記サンプルの一部の領域を含む第1の領域の像を第1の平面に結像させる光学系と、
前記第1の平面に結像された像を撮像する撮像素子と、
前記第1の領域に含まれる第2の領域の第1の深さに存在する前記組織と、前記第2の領域の第2の深さに存在する前記組織とが一致しているか否かを判定し、前記組織が一致していると判定した前記第2の領域の光路差信号を出力する光路差検出部と、
前記光路差検出部が出力する前記光路差信号に基づいて、前記ステージと前記光学系との相対位置を変えて前記第1の平面に結像させる前記第1の領域の像の合焦動作を行う合焦処理部と、
を備えることを特徴とする顕微鏡装置。 - 前記光学系は、前記第2の領域の前記第1の深さに存在する前記組織の像と、前記第2の領域の前記第2の深さに存在する前記組織の像とを第2の平面に結像させ、
前記光路差検出部は、前記第2の平面に結像された、前記第2の領域の前記第1の深さに存在する前記組織の像に対応する第1の画素信号と前記第2の領域の前記第2の深さに存在する前記組織の像に対応する第2の画素信号とを生成する光路差センサと、当該第1の画素信号と当該第2の画素信号とに基づいて、前記第1の領域に含まれる前記第2の領域の前記第1の深さに存在する前記組織と前記第2の領域の前記第2の深さに存在する前記組織とが一致しているか否かを判定し、前記組織が一致していると判定した前記第2の領域の前記第1の画素信号と前記第2の画素信号とを前記光路差信号として出力する組織分布解析部とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。 - 前記光路差センサは、所定のカラーフィルタを有する複数の画素を含む絵素を複数備える
ことを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡装置。 - 複数の前記画素は、前記サンプルの染色方法に応じたカラーフィルタを有する
ことを特徴とする請求項3に記載の顕微鏡装置。 - 前記光路差センサはラインセンサである
ことを特徴とする請求項2に記載の顕微鏡装置。 - 前記ステージを駆動させ、前記撮像素子の撮像領域に前記サンプルの一部の領域を順次提示するステージ駆動部と、
前記撮像素子が撮像する画像を合成し、前記サンプルの画像を生成する画像処理部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
Priority Applications (1)
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JP2012093903A JP2013222086A (ja) | 2012-04-17 | 2012-04-17 | 顕微鏡装置 |
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JP2012093903A JP2013222086A (ja) | 2012-04-17 | 2012-04-17 | 顕微鏡装置 |
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JP2013222086A true JP2013222086A (ja) | 2013-10-28 |
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Family Applications (1)
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JP2012093903A Pending JP2013222086A (ja) | 2012-04-17 | 2012-04-17 | 顕微鏡装置 |
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2012
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