JP2012220780A - 撮像システム - Google Patents

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Abstract

【課題】気泡、ゴミ等の混入物、およびしわ等の段差があるサンプルの全体画像を取得する場合においても、サンプルにピントが合った画像を取得することができる。
【解決手段】スペクトル信号検出器114は第2の平面に受光された光学像のスペクトルに対応する第2の信号を出力する。コントラスト検出器113は第3の平面に受光された光学像のコントラストから第3の平面とサンプル101との光学的な距離に対応する第3の信号を出力する。スペクトル信号検出器114は、第2の信号に基づいて、第1の領域の中に第1の平面との間の光学的な距離が所定の距離以上異なる異常領域が存在するか否かを判定し、異常領域が存在すると判定した場合には異常信号を出力する。駆動部118は、第3の信号および異常信号に基づいて、少なくとも光学系111の光軸方向へのステージ102の移動を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像システムに関する。
従来、顕微鏡等の光学機器では、生物標本等のサンプルからの光を受光素子へ照射し、その受光素子から出力される信号からサンプルのコントラスト値を検出し、その検出したコントラスト値に基づいてサンプルの合焦点を決定するコントラストAF(Autofocus、オートフォーカス)制御が用いられている。例えば、コントラストAFの方式の一つとして、光軸方向に沿うレンズを移動させながら、撮像素子で取得した画像信号のコントラスト値をコントラスト検出器で検出し、そのコントラスト値が最大となる位置を合焦点と判定する山登りサーボ方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、コントラストAFの方式として、予定合焦点に対して前後2ヶ所に前ピンセンサと後ピンセンサとの受光素子を配置し、前ピンセンサと後ピンセンサとにおけるサンプルのコントラスト値の差分を検出し、検出したコントラスト値の差分が0となる位置を合焦点と判定する光路差方式が知られている(例えば、特許文献2参照)。
上記の光路差方式を用いたオートフォーカス処理について図11および図12を参照して説明する。図11は前ピンセンサと後ピンセンサとにおけるサンプルのコントラスト値の特性を示した図である。ここで、前ピンセンサはサンプルから予定合焦点に対して前の位置に配置された受光素子であり、後ピンセンサはサンプルから予定合焦点に対して後ろの位置に配置された受光素子である。図示するグラフの横軸はデフォーカス量を示しており、縦軸はコントラスト値を示している。曲線1001は、デフォーカス量と、前ピンセンサが出力するコントラスト値との関係を示している。また、曲線1002は、デフォーカス量と、後ピンセンサが出力するコントラスト値との関係を示している。また、破線1003は、前ピンセンサの合焦点を示している。また、破線1004は、後ピンセンサの合焦点を示している。また、破線1005は、予定合焦点を示している。
図12は、後ピンセンサのコントラスト値から前ピンセンサのコントラスト値を差分した値(以下、「差分コントラスト値」という)の特性を示した図である。図示するグラフの横軸はデフォーカス量を示し、縦軸は差分コントラスト値を示している。曲線1101は、デフォーカス量と、差分コントラスト値との関係を示している。また、破線1102は、予定合焦点を示している。
図11に示すように、前ピンセンサのコントラスト値は、予定合焦点1005よりもプラス方向へ離れた位置で最大となる。また、後ピンセンサのコントラスト値は、予定合焦点1005よりもマイナス方向へ離れた位置で最大となる。このとき、前ピンセンサと後ピンセンサとの位置を予定合焦点から等距離に配置すると、前ピンセンサと後ピンセンサのコントラスト値が最大となる位置は、それぞれ予定合焦点から等距離の位置となる。よって、前ピンセンサと後ピンセンサのコントラスト値が一致する位置は予定合焦点となる。
すなわち、図12に示すように、差分コントラスト値が0となる位置は予定合焦点となる。また、サンプルの位置が予定合焦点よりも近い位置に存在している場合には、差分コントラスト値は正の値となる。一方、サンプルの位置が予定合焦点よりも離れた位置に存在している場合には、差分コントラスト値は負の値となる。従って、光路差方式による合焦制御では、差分コントラスト値を算出して、その差分コントラスト値の極性に応じた方向にステージを移動させる処理を、差分コントラスト値が0に最接近するまで繰り返し行うことで、予定合焦点を検出することができる。
また、上述したコントラストAFを用いてサンプルの合焦点を検出し、観察対象であるサンプル全体を撮像する撮影システムとしてバーチャル顕微鏡装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。図13は、従来知られているバーチャル顕微鏡装置の構成を示した概略図である。図示するバーチャル顕微鏡装置900は、試料901が載置されるステージ902と、ステージ902を水平方向と光軸方向とに駆動させる駆動部909と、試料901を照明する透過光源903と、透過光源903の光を集光するコンデンサレンズ904と、試料901に対向するように複数のレンズで構成された対物レンズ905と、対物レンズ905の光軸に沿って配置された結像レンズ906と、試料901の光学像を撮像する撮像素子907と、試料901の位置が合焦位置となるように、試料901の合焦位置を特定する合焦信号解析部908とを備えている。
ステージ902に載置されているサンプル901には、透過光源903からの照明光がコンデンサレンズ904を通して照射されている。ステージ902は、駆動部909の駆動により水平方向(図中の直交するX軸方向とY軸方向)と光軸方向(図中のZ軸方向)とに移動する。サンプル901の透過光は、対物レンズ905と結像レンズ906とを通して、撮像素子907に入射する。撮像素子907は、結像レンズ906により撮像面上に結像されたサンプル901の所定の領域を分割撮像する。撮像素子907により撮像された撮影画像は、合焦信号解析部908に送信される。
合焦信号解析部908では、撮影画像を画像処理することによりコントラスト値を算出し、その算出結果から撮影領域におけるサンプル901の合焦点を検出する。また、合焦信号解析部908は、サンプル901の合焦点を検出した後、ステージ902をサンプル901の合焦点となる位置に移動させるために、ステージ902の光軸方向の移動量と方向を算出して、駆動信号を生成する。合焦信号解析部908により生成された駆動信号は、駆動部909に入力される。駆動部909は、入力された駆動信号に基づいてステージ902を光軸方向に移動させる。その後、撮像素子907は、サンプル901の所定の領域を分割撮像する。
次に、図示しない水平駆動信号生成部から送信された水平信号により、駆動部909は、ステージ902を水平方向に移動させる。駆動部909がステージ902を水平方向に移動させた後、合焦信号解析部908は、上述した動作によりサンプル901の合焦点を検出する。その後、撮像素子907は、サンプル901の所定の領域を分割撮像する。バーチャル顕微鏡装置は、上述した動作を繰り返し行い、撮像素子907により撮像されたそれぞれの分割画像を、図示しない画像処理部において貼り合わせることによって、サンプル901の全体を高精度に撮像した1枚のデジタル画像を生成する。
特開2004−170481号公報 特開平8−160284号公報 特開2009−17334号公報
コントラストAFを用いたバーチャル顕微鏡等の撮像システムでは、撮像領域において、気泡、ゴミ等の混入物、およびしわ等の段差があった場合に、サンプルのコントラスト値以外に、気泡、ゴミ、しわ等との境界のコントラスト値も検出される。サンプルのコントラスト値と比べて気泡、ゴミ、しわ等との境界のコントラスト値が非常に大きいために、サンプルのコントラスト値のみを精度良く検出することができない。そのため、気泡、ゴミ、しわ等との境界のコントラスト値が含まれたコントラスト値を解析して合焦点を検出した場合、実際のサンプルの合焦点と大きく異なる位置を合焦点として検出してしまう。具体的には、気泡、ゴミ、しわ等との境界部分を合焦点として検出してしまい、サンプルにピントが合わない。従って、気泡、ゴミ等の混入物、およびしわ等の段差があるサンプルの全体画像を取得する場合、一部の撮影領域において、精度良く合焦点を検出することができておらず、サンプルにピントが合っていない画像を取得してしまうという課題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、気泡、ゴミ等の混入物、およびしわ等の段差があるサンプルにおいても、より精度良く合焦点を検出し、サンプルにピントが合った画像を取得することができる撮像システムを提供することを目的とする。
本発明は、観察対象を保持するステージと、第1の平面を有し、前記第1の平面に受光された光学像に対応する第1の信号を出力する撮像部と、第2の平面を有し、前記第2の平面に受光された光学像のスペクトルに対応する第2の信号を出力するスペクトル信号検出部と、第3の平面を有し、前記第3の平面に受光された光学像のコントラストから前記第3の平面と前記観察対象との光学的な距離に対応する第3の信号を出力する合焦信号検出部と、前記観察対象の少なくとも一部の領域を含む第1の領域の光学像を前記第1の平面に受光させ、前記第1の領域に含まれる第2の領域の光学像を前記第2の平面に受光させ、前記第2の領域に含まれる第3の領域の光学像を前記第3の平面に受光させる光学系と、前記第2の信号に基づいて、前記第1の領域の中に前記第1の平面との間の光学的な距離が所定の距離以上異なる異常領域が存在するか否かを判定し、前記異常領域が存在すると判定した場合には異常信号を出力する異常検出部と、前記第3の信号および前記異常信号に基づいて、少なくとも前記光学系の光軸方向への前記ステージの移動を制御する駆動部と、を備えることを特徴とする撮像システムである。
また、本発明の撮像システムにおいて、前記スペクトル信号検出部は、前記第2の平面に受光された光学像のスペクトルのうち、第1の波長の光のスペクトルに対応する信号と、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光のスペクトルに対応する信号とを出力し、前記異常検出部は、前記第1の波長の光のスペクトルに対応する信号と、前記第2の波長の光のスペクトルに対応する信号との演算値と、予め定められた基準値とを比較することで、前記第1の領域の中に前記第1の平面との間の光学的な距離が所定の距離以上異なる異常領域が存在するか否かを判定することを特徴とする。
また、本発明は、前記第3の信号に基づいて、前記光学系の光軸方向への前記ステージの移動量を算出する算出部を備え、前記算出部が算出した前記光学系の光軸方向への前記ステージの移動量が所定の量を超え、かつ前記異常検出部が前記異常信号を出力した場合、前記駆動部は、前記光学系の光軸方向の前記ステージの位置が前記観察対象を前回撮像した際の位置と同じ位置となるように前記ステージの移動を制御することを特徴とする撮像システムである。
また、本発明の撮像システムにおいて、前記スペクトル信号検出部は複数の画素を有し、前記複数の画素の各々は光電変換素子とカラーフィルタを有し、前記複数の画素が有するカラーフィルタの各々は、互いに異なる特定の波長の光を透過させることを特徴とする。
また、本発明の撮像システムにおいて、前記第3の平面は前記第1の平面と同一の平面上に存在し、前記合焦信号検出部は、前記撮像部が出力する前記第1の信号に基づいて、前記第3の信号を出力することを特徴とする。
本発明によれば、ステージは観察対象を保持する。また、撮像部は、第1の平面を有し、第1の平面に受光された光学像に対応する第1の信号を出力する。また、スペクトル信号検出部は、第2の平面を有し、第2の平面に受光された光学像のスペクトルに対応する第2の信号を出力する。また、合焦信号検出部は、第3の平面を有し、第3の平面に受光された光学像のコントラストから第3の平面と観察対象との光学的な距離に対応する第3の信号を出力する。また、光学系は、観察対象の少なくとも一部の領域を含む第1の領域の光学像を第1の平面に受光させ、第1の領域に含まれる第2の領域の光学像を第2の平面に受光させ、第2の領域に含まれる第3の領域の光学像を第3の平面に受光させる。また、異常検出部は、第2の信号に基づいて、第1の領域の中に第1の平面との間の光学的な距離が所定の距離以上異なる異常領域が存在するか否かを判定し、異常領域が存在すると判定した場合には異常信号を出力する。また、駆動部は、第3の信号および異常信号に基づいて、少なくとも光学系の光軸方向へのステージの移動を制御する。
これにより、第1の領域の中に第1の平面との間の光学的な距離が所定の距離以上異なる異常領域が存在する場合においても、駆動部は、異常信号に基づいて、少なくとも光学系の光軸方向へのステージの移動を制御することができる。従って、観察対象にピントが合った画像を取得することができる。
本発明の一実施形態における撮像システムの構成を示した概略図である。 本実施形態におけるスペクトル信号検出器の断面図である。 本実施形態における光電変換素子に配置されたカラーフィルタの分光透過率を示したグラフである。 本実施形態において、撮像素子が分割画像を撮像する第1の領域と、コントラスト検出器がコントラストを検出する第2の領域と、スペクトル信号検出器がスペクトル信号を検出する第3の領域との関係を示した概略図である。 本実施形態において、封入剤下のサンプルの表面に焦点が合うように手動でステージの位置を調整して、気泡が混入したサンプルを撮像した際の全体画像を示した図である。 本実施形態におけるサンプルの透過スペクトル信号を実測した結果を示したグラフである。 本実施形態における領域A、領域Bおよび領域Cの除算スペクトル信号の値を示した図である。 本実施形態における基準値βと、合焦点である領域の除算スペクトル信号と、少なくとも合焦点ではない領域を含む領域の除算スペクトル信号との関係を示した図である。 本実施形態において、サンプルの染色方法毎に、基準値βと、除算スペクトル信号を算出するための第1の波長と第2の波長とを設定した値の例を示した図である。 本実施形態における撮像システムの合焦制御の動作手順を示したフローチャートである。 従来知られている、前ピンセンサと後ピンセンサとにおけるサンプルのコントラスト値の特性を示した図である。 従来知られている、後ピンセンサのコントラスト値から前ピンセンサのコントラスト値を減算した値の特性を示した図である。 従来知られているバーチャル顕微鏡装置の構成を示した概略図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における撮像システム1の構成を示した概略図である。図示する例では、撮像システム1は、ステージ102と、透過光源103と、コンデンサレンズ104と、光学系111と、撮像素子112(撮像部)と、コントラスト検出器113(合焦信号検出部)と、スペクトル信号検出器114(スペクトル信号検出部)と、合焦信号解析部115と、スペクトル信号解析部116(異常検出部)と、演算部117(算出部)と、駆動部118と、画像処理部119と、記憶部120とを備える。また、光学系111は、対物レンズ105と、第1の結像レンズ106と、第2の結像レンズ107と、第3の結像レンズ108と、第1の光路分割装置109と、第2の光路分割装置110とを備える。
ステージ102は、サンプル101を載置するための台であり、駆動部118の駆動により、水平方向(図中の直交するX軸方向とY軸方向)と光軸方向(図中のZ軸方向)とに移動する。透過光源103は、光を発し、サンプル101を透過照明する。コンデンサレンズ104は、透過光源103が発した光を集光してサンプル101に照射する。対物レンズ105は、複数のレンズで構成されており、サンプル101に対向するように配置されている。また、対物レンズ105はサンプル101からの光束を集光させる。
第1の光路分割装置109は、対物レンズ105の光軸上かつ対物レンズ105と第2の光路分割装置110との間に配置されている。また、第1の光路分割装置109は、対物レンズ105が集光した光の一部を透過して、一部を第2の結像レンズ107の方向に反射する。これにより、第1の光路分割装置109は、対物レンズ105が集光した光を、第2の光路分割装置110の方向と、第2の結像レンズ107の方向とに2分割する。第2の光路分割装置110は、対物レンズ105の光軸上かつ第1の光路分割装置109と第1の結像レンズ106との間に配置されている。また、第2の光路分割装置110は、第1の光路分割装置109が透過した光の一部を透過して、一部を第3の結像レンズ108の方向に反射する。これにより、第2の光路分割装置110は、第1の光路分割装置109が透過した光を、第1の結像レンズ106の方向と、第3の結像レンズ108の方向とに2分割する。
第1の結像レンズ106は、対物レンズ105の光軸に沿って配置されており、対物レンズ105が集光し、第1の光路分割装置109と第2の光路分割装置110とが透過した光を、撮像素子112の撮像面(第1の平面)上に結像させる。これにより、サンプル101の透過光の一部は、撮像素子112に導かれる。
第2の結像レンズ107は、対物レンズ105が集光し、第1の光路分割装置109が反射した光をコントラスト検出器113の受光面(第3の平面)上に結像させる。これにより、サンプル101の透過光の一部はコントラスト検出器113に導かれる。第3の結像レンズ108は、対物レンズ105が集光し、第1の光路分割装置109が透過し、第2の光路分割装置110が反射した光をスペクトル信号検出器114の受光面(第2の平面)上に結像させる。これにより、サンプル101の透過光の一部はスペクトル信号検出器114に導かれる。
コントラスト検出器113は、第2の結像レンズ107により結像されたサンプル101の透過光のコントラスト値を検出する。コントラスト検出器113により検出されたコントラスト値は、合焦信号解析部115に入力される。スペクトル信号検出器114は、第3の結像レンズ108により結像されたサンプル101の透過光のスペクトル信号を検出する。スペクトル信号検出器114により検出されたサンプル101のスペクトル信号は、スペクトル信号解析部116に入力される。
合焦信号解析部115は、コントラスト検出器113から入力されるコントラスト値を解析することによって、撮像領域におけるサンプル101の第1の合焦点を算出し、その算出結果から光軸方向におけるステージ102の移動量と方向とを算出する。そして、合焦信号解析部115は、ステージ102の移動量と方向とを示す第1の駆動信号を生成する。合焦信号解析部115により生成された第1の駆動信号は、演算部117と駆動部118とに入力される。ここで、第1の合焦点は、コントラスト値を解析することにより算出されたサンプル101の仮の合焦点である。
スペクトル信号解析部116は、スペクトル信号検出器114から入力されるスペクトル信号を解析することによって、合焦信号解析部115により算出された第1の合焦点が真の合焦点か偽の合焦点であるかを判定し、判定結果を示す判定信号を生成する。スペクトル信号解析部116により生成された判定信号は、演算部117に入力される。ここで、真の合焦点は、サンプル101の表面にピントが合っている合焦点である。また、偽の合焦点は、サンプル101の表面にピントが合っていない合焦点である。
演算部117は、第1の駆動信号と判定信号とを解析することによって、サンプル101の第2の合焦点を算出し、その算出結果から光軸方向におけるステージ102の移動量と方向とを算出する。そして、演算部117は、ステージ102の移動量と方向とを示す第2の駆動信号を生成する。演算部117により生成された第2の駆動信号は、駆動部118に入力される。ここで、第2の合焦点は、第1の駆動信号と判定信号とを解析することにより算出された、サンプル101の最終的な合焦点である。また、第2の駆動信号は、第1の駆動信号に基づいて移動したステージ102の位置が偽の合焦点であった場合に、ステージ102の位置を第1の合焦点から第2の合焦点に移動させるために生成される補正用駆動信号である。なお、合焦信号解析部115と、スペクトル信号解析部116と、演算部117とによる合焦制御の詳細な手順については後述する。
駆動部118は、合焦信号解析部115から入力された第1の駆動信号、または演算部117から入力された第2の駆動信号に基づいて、ステージ102を光軸方向(図中のZ方向)に移動させる。また、駆動部118は、図示しない水平駆動信号生成部から送信された水平信号により、ステージ102を水平方向(図中のX方向およびY方向)に移動させる。
撮像素子112は、合焦動作が完了した後に、第1の結像レンズ106により撮像面上に結像されたサンプル101の所定の領域の光学像を撮像し、サンプル101の分割画像を生成する。画像処理部119は、撮像素子112が撮像した複数枚の分割画像を貼り合わせる等の画像処理を行うことにより、サンプル101の全体画像を生成する。
次に、スペクトル信号検出器114の構成について説明する。図2は、本実施形態におけるスペクトル信号検出器114の断面図である。図示するように、スペクトル信号検出器114は列を成して直線上に配置された光電変換素子201〜205を備えている。また、光電変換素子201〜205の受光面の各々に、互いに分光透過率の異なるカラーフィルタ211〜215が配置されている。この構成により、スペクトル信号検出器114が備える各光電変換素子201〜205は、互いに異なる波長のスペクトル情報を検出することができる。
次に、光電変換素子201〜205に配置されたカラーフィルタ211〜215の分光透過率の特性について説明する。図3は、本実施形態における光電変換素子201〜205に配置されたカラーフィルタ211〜215の分光透過率を示したグラフである。図示するグラフの横軸は波長を示し、縦軸は透過率を示している。また、曲線1201は、光電変換素子201に配置されたカラーフィルタ211の透過率を示している。また、曲線1202は、光電変換素子202に配置されたカラーフィルタ212の透過率を示している。また、曲線1203は、光電変換素子203に配置されたカラーフィルタ213の透過率を示している。また、曲線1204は、光電変換素子204に配置されたカラーフィルタ214の透過率を示している。また、曲線1205は、光電変換素子205に配置されたカラーフィルタ215の透過率を示している。このように、カラーフィルタ211〜215を透過する光の波長は異なる。従って、光電変換素子201〜205が検出する光の波長もそれぞれ異なる。
次に、撮像素子112がサンプル101の分割画像を撮像する第1の領域と、スペクトル信号検出器114がスペクトル信号を検出する第2の領域と、コントラスト検出器113がコントラストを検出する第3の領域との関係について説明する。図4は、本実施形態において、撮像素子112が分割画像を撮像する第1の領域と、スペクトル信号検出器114がスペクトル信号を検出する第2の領域と、コントラスト検出器113がコントラストを検出する第3の領域との関係を示した概略図である。図示する例では、コントラスト検出器113がコントラストを検出する第3の領域403は、スペクトル信号検出器114がスペクトル信号を検出する第2の領域402に含まれている。また、スペクトル信号検出器114がスペクトル信号を検出する第2の領域402は、撮像素子112がサンプル101の分割画像を撮像する第1の領域に含まれている。
次に、サンプル101の全体を撮像した全体画像の例について説明する。図5は、本実施形態において、封入剤下のサンプル101の表面に焦点が合うように手動でステージ102の位置を調整して、気泡が混入したサンプル101を撮像した際の全体画像を示した図である。サンプル101は、保存性を高めるためにカバーガラスをかけて封入剤で固められるが、サンプル101の製作過程において封入剤の隙間に気泡が混入する場合がある。気泡の屈折率は1.00であり封入剤の屈折率は1.52〜1.57であるために、気泡下のサンプル101の表面から撮像素子112までの光学的距離と、封入剤下のサンプル101の表面から撮像素子112までの光学的距離とが異なる。図示する全体画像は、気泡下のサンプル101の表面ではなく、封入剤下のサンプル101の表面に焦点が合うように、ステージ102の光軸方向の位置を手動で移動して撮像した画像である。また、図中の曲線501,502は、気泡と封入剤との境界線である。
ここで、図5に図示した領域A、領域Bおよび領域Cは、それぞれスペクトル検出領域(第2の領域402)を含む撮像領域(第1の領域401)であるとする。領域Aは封入剤で覆われた領域であり、サンプル101の表面に焦点が合っている。領域Bは気泡で覆われた領域であり、サンプル101の表面に焦点が合っていない。領域Cは封入剤で覆われた領域と気泡で覆われた領域とを含んでおり、サンプル101の表面に焦点が合っている領域と焦点が合っていない領域とがある。よって、領域Bと領域Cとは、少なくともサンプル101の表面に焦点が合っていない領域を含んでいる。
また、図5に示したサンプル101は、細胞質と細胞核などの組織の形態を観察するために、ヘマトキシリンとエオジン(以下、「HE」という)によって染色された病理組織標本である。HE染色された病理組織標本中に含まれる色素は、染色色素であるヘマトキシリンとエオジンの色素、および生体内色素である赤血球がある。細胞核はヘマトキシリンによって青紫色に染色され、細胞質と赤血球とはエオジンによってピンク色に染色される。よって、HE染色されたサンプル101の透過スペクトル信号は、青紫色とピンク色の波長に極大値をもつ。
次に、サンプル101の透過スペクトル信号について説明する。図6は、図5に示したサンプル101の全体画像中の領域A、領域Bおよび領域Cにおける、サンプル101の透過スペクトル信号を実測した結果を示したグラフである。図示するグラフの横軸は波長を示し、縦軸は波長530nmにおけるサンプル101の光の透過スペクトル信号を1として規格化した値(以下、「規格化スペクトル値」という)を示している。また、信号(A)は、領域Aの透過スペクトル信号を示している。また、信号(B)は、領域Bの透過スペクトル信号を示している。また、信号(C)は、領域Cの透過スペクトル信号を示している。
図示するグラフより、スペクトル検出領域を含む撮像領域によって、サンプル101の透過スペクトル信号の波形が異なることが分かる。例えば、サンプル101の表面に合焦している領域Aにおいて検出された規格化スペクトル値は、少なくともサンプル101の表面に合焦していない領域を含む領域Bおよび領域Cにおいて検出された規格化スペクトル値よりも、400nm〜450nmと600nm〜700nmの波長範囲において大きな値であることが分かる。本実施形態では、上記の透過スペクトル信号の特性を利用することによって、スペクトル信号解析部116が、スペクトル検出領域を含む撮像領域においてステージ102の位置が真の合焦点であるか偽の合焦点であるかを判定する。
次に、図5中の領域A、領域Bおよび領域Cにおける合焦点(ステージ102の位置)が真の合焦点か偽の合焦点であるかを判定する方法について示す。以下、第1の波長530nmと第2の波長600nmを透過させるカラーフィルタを搭載したスペクトル信号検出器114により検出された、第1の波長における第1の透過スペクトル信号S1と、第2の波長における第2の透過スペクトル信号S2とを用いて、真の合焦点か偽の合焦点であるかを判定する方法について示す。ここで、第2の透過スペクトル信号S2を第1の透過スペクトル信号S1で割った値を「除算スペクトル信号」とする。なお、第1の波長と第2の波長とは任意に選択した波長であり、必ずしも第1の波長を530nm、第2の波長を600nmとする必要はない。
図7は、図6に示したグラフの値を用いて算出した図5中の領域A、領域Bおよび領域Cにおける除算スペクトル信号の値を示した図である。図示する例では、領域Aの除算スペクトル信号は4.93であり、領域Bの除算スペクトル信号は4.05であり、領域Cの除算スペクトル信号は3.85である。このように、スペクトル検出領域を含む撮像領域によって除算スペクトル信号が異なることが分かる。例えば、サンプル101の表面に焦点が合っている領域Aにおいて検出された除算スペクトル信号は、少なくともサンプル101の表面に焦点が合っていない領域を含む領域Bおよび領域Cにおいて検出された除算スペクトル信号よりも大きな値となる。従って、除算スペクトル信号が大きい領域は、サンプル101の表面に焦点が合っている領域であると判定することができる。
ここで、除算スペクトル信号に対する基準値βを設ける。図8は、本実施形態における基準値βと、合焦点である領域の除算スペクトル信号と、少なくとも合焦点ではない領域を含む領域の除算スペクトル信号との関係を示した図である。図示する例では、基準値β以上の除算スペクトル信号を検出した領域は、サンプル101の表面に焦点が合っている領域であり、基準値β未満の除算スペクトル信号を検出した領域は、少なくともサンプル101の表面に焦点が合っていない領域を含む領域であることを示している。
本実施形態では、スペクトル信号解析部116は、撮影領域の除算スペクトル信号と基準値βとの大小関係を比較することによって、撮像領域において、ステージ102の位置が真の合焦点であるか偽の合焦点であるかを判定する。図8に示すように、撮影領域の除算スペクトル信号が基準値β以上の場合には、スペクトル信号解析部116は、撮像領域において、ステージ102の位置を真の合焦点であると判定して正常信号を生成する。また、撮影領域の除算スペクトル信号が基準値β未満の場合には、スペクトル信号解析部116は、撮像領域において、ステージ102の位置を偽の合焦点であると判定して異常信号を生成する。
例えば、基準値βを4.5と設定した場合について説明する。このとき、領域Aの除算スペクトル信号「4.93」は基準値β以上であるので、スペクトル信号解析部116は、ステージ102の位置を真の合焦点であると判定して正常信号を生成する。また、領域Bの除算スペクトル信号「4.05」および領域Cの除算スペクトル信号「3.85」は基準値β未満であるので、スペクトル信号解析部116は、ステージ102の位置を偽の合焦点であると判定して異常信号を生成する。
なお、サンプル101の染色方法(染色液)によって透過スペクトル信号の特性が異なるため、サンプル101の染色方法毎に、基準値βと、除算スペクトル信号を算出するための第1の波長と第2の波長とを設定するようにしてもよい。そして、サンプル101を撮影する際に、サンプルの染色方法を指定することで、サンプルの染色方法に合致した基準値βと、第1の波長と、第2の波長とが設定されるようにしてもよい。このとき、基準値βの値は、サンプルの表面にピントが合っている領域の除算スペクトルよりも小さく、少なくともサンプルの表面にピントが合っていない領域を含む領域の除算スペクトルよりも大きな値とする。
図9は、本実施形態において、サンプル101の染色方法毎に、基準値βと、除算スペクトル信号を算出するための測定波長(第1の波長と第2の波長)とを設定した値の例を示した図である。図示する例では、サンプル101の染色方法が「HE染色」の場合には、基準値βを「4.5」と設定し、測定波長として第1の波長を「530nm」と設定し、第2の波長を「600nm」と設定している。また、図示する例では、染色方法「MT染色(マッソン・トリクローム染色)」と「パパニコロウ染色」等についても、それぞれ基準値βと、測定波長を設定している。
なお、MT染色は、筋繊維や幹細胞を赤色に染色し、コラーゲンや膠原線維を緑色に染色し、核を青紫色に染色する。また、パパニコロウ染色は、核を青紫色に染色し、細胞質(扁平上皮系細胞)のうち基底細胞を濃青緑色に染色し、中層細胞を淡青緑色に染色し、表層細胞を淡赤色〜橙黄色に染色する。このように、それぞれの染色方法において、何色に染色するかという情報は既知であるため、測定波長と基準値βとを記憶部120に記憶しておくことで、各染色方法で染色されたサンプル101に対しても、スペクトル情報を検出することにより、サンプル101の位置が合焦位置に存在するか否か(サンプル101の表面にピントが合っているか否か)を判定することができる。
次に、従来の撮像システムではサンプル101の表面にピントが合わない例について、図5を参照して説明する。コントラストAFを用いたバーチャル顕微鏡等の従来の撮像システムでは、撮像領域において気泡、ゴミ等の混入物、およびしわ等の段差があった場合に、サンプルのコントラスト値以外に、気泡、ゴミ、しわ等との境界のコントラスト値も検出される。サンプルのコントラスト値と比べて気泡、ゴミ、およびしわ等との境界のコントラスト値が非常に大きいために、サンプルのコントラスト値のみを精度良く検出することができない。そのため、気泡、ゴミ、しわ等との境界のコントラスト値が含まれたコントラスト値を解析して合焦点を検出した場合、実際のサンプルの合焦点と大きく異なる位置を合焦点として検出してしまう。例えば、従来の撮像システムで図5の領域Cの撮像を行った場合、封入剤と気泡との境界線のコントラスト値が高くなるため、封入剤と気泡との境界線にピントが合ってしまい、サンプル101の表面にピントが合わない。
そこで、本実施形態の撮像システム1では、サンプル101の表面にピントが合っているか否かを除算スペクトル信号と基準値βとを用いて判定し、サンプル101の表面にピントが合っていない場合に第2の駆動信号を生成して、ステージ102の位置をサンプル101の表面にピントが合う位置に移動させる。なお、分割画像を撮像する度に、サンプル101の表面にピントが合っているか否かを除算スペクトル信号と基準値βとを用いて判定してもよいが、本実施形態では処理の負荷を低減するために、前回分割画像を撮像してから今回分割画像を撮像する際に、ステージ102が所定量以上移動した場合にのみ、除算スペクトル信号と基準値βとを用いてサンプル101の表面にピントが合っているか否かを判定する。これは、サンプル101の表面はほぼ平らなので、前回分割画像を撮像してから今回分割画像を撮像する際にステージ102が所定量以上動いた場合、ピントが、サンプル101の表面から、気泡、ゴミ等の混入物、およびしわ等の段差との境界にずれた可能性が高いためである。
また、第2の駆動信号により、ステージ102の位置をサンプル101の表面にピントが合う位置に移動させる際には、ステージ102を、前回分割画像を撮影した際のステージ102の位置と同じ位置に移動させる。これは、サンプル101の表面はほぼ平らなので、前回撮影した分割画像においてサンプル101にピントが合っている場合、ステージ102の位置を、前回分割画像を撮影した際のステージ102の位置と同じ位置とすることで、サンプル101の表面にピントが合う可能性が高いためである。
次に、撮像システム1の合焦制御の動作手順について説明する。図10は、本実施形態における撮像システム1が第nショット目(nは2以上の整数)の処理を行う際の合焦制御の動作手順を示したフローチャートである。ここで、第nショット目の処理とは、撮像素子112がサンプル101の所定の領域の画像(分割画像)をn番目に撮像する処理を指す。また、第(n−1)ショット目の処理とは、第nショット目の処理を行う直前に、撮像素子112がサンプル101の分割画像を撮像する処理を指す。
なお、撮像システム1は、1枚目の分割画像を撮像する際(第1ショット目の処理を行う際)には、コントラストAFを用いて、最終合焦点にサンプル101の表面が移動するようにステージ102を光軸方向に移動させた後、サンプル101の分割画像を撮像する。
また、撮像システム1は、最終合焦点にサンプル101の表面が移動するようにステージ102を光軸方向に移動させた後、サンプル101の分割画像を撮像する。また、撮像システム1の記憶部120は、サンプル101の表面が最終合焦点に移動した際のステージ102の位置を記憶する。
(ステップS101)駆動部118は、第nショット目の処理の直前に行った分割画像の撮像処理(第n−1ショット目の処理)を完了した後、ステージ102を水平方向に移動させ、第nショット目の処理におけるサンプル101の合焦点の検出処理を開始する。その後、ステップS102の処理に進む。
(ステップS102)サンプル101の透過光は、光学系111を通してコントラスト検出器113に入射される。コントラスト検出器113は、コントラスト検出器113に入射された光の入射光量と蓄積時間に依存した画素信号を解析することによって、コントラスト値を検出する。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)コントラスト検出器113が検出したコントラスト値は、合焦信号解析部115に入力される。合焦信号解析部115は、従来技術で示した山登りサーボ方式等を用いて、コントラスト値が最大となる位置を第1の合焦点として算出し、その算出結果から光軸方向におけるステージ102の移動量と方向とを算出して第1の駆動信号を生成する。その後、ステップS104の処理に進む。
(ステップS104)合焦信号解析部115が生成した第1の駆動信号は、演算部117と駆動部118とに入力される。駆動部118は、合焦信号解析部115から入力された第1の駆動信号に基づいて、ステージ102を光軸方向に移動させる。その後、ステップS105の処理に進む。ここで、第nショット目の処理において、第1の駆動信号により移動した後におけるステージ102の光軸方向の位置を示す情報を「位置(n,1)」と表す。また、第nショット目の処理において、分割画像を撮像した際のステージ102の光軸方向の位置(最終合焦点)を示す情報を「位置(n,2)」と表す。従って、ステップS104の処理を終了した時点でのステージ102の位置情報は「位置(n,1)」である。なお、第nショット目の処理での光軸方向におけるステージ102の位置情報は、記憶部120が記憶する。
(ステップS105)演算部117は、(1)式を用いて、第n−1ショット目の処理における最終合焦点「位置(n−1,2)」から、第nショット目の処理においてステップS104の処理を終了した時点でのステージ102の位置情報「位置(n,1)」への光軸方向の移動量(以下、「差分移動量」という)の絶対値を算出し、基準値αとの大小関係を比較する。差分移動量の絶対値が基準値α以下であると演算部117が判定した場合にはステップS106の処理に進み、差分移動量の絶対値が基準値αよりも大きいと演算部117が判定した場合にはステップS107の処理に進む。なお、基準値αは、サンプル101の表面の凹凸のオーダーと同じ程度の値とする。すなわち、サンプル101の表面の低い所と高い所との差よりも、ステージ102の差分移動量が大きい場合は、サンプル101の表面以外にピントが合っている可能性が高いと判定する。
|位置(n,1)−位置(n−1,2)|≦基準値α ・・・(1)式
(ステップS106)演算部117は、差分移動量の絶対値が基準値α以下の場合には、撮像領域において、ステップS104の処理を終了した時点でのステージ102の位置「位置(n,1)」が真の合焦点であると判定する。このとき、演算部117は、補正用駆動信号である第2の駆動信号を生成せず、「位置(n,1)」で示されるステージ102の位置を、サンプル101の最終的な合焦点である最終合焦点「位置(n,2)」とする。記憶部120は、最終合焦点「位置(n,2)」を記憶する。その後、ステップS113の処理に進む。
(ステップS107)差分移動量の絶対値が基準値αよりも大きい場合には、ステップS103の処理で合焦信号解析部115が算出し、ステップS104の処理で移動したステージ102の位置「位置(n,1)」が真の合焦点であるか偽の合焦点であるかを判定するために、スペクトル信号検出器114は、サンプル101のスペクトル信号を検出する。その後、ステップS108の処理に進む。
(ステップS108)スペクトル信号検出器114がステップS107の処理で検出したスペクトル信号は、スペクトル信号解析部116に入力される。スペクトル信号解析部116は、入力されたスペクトル信号を解析することによって、ステップS103の処理で合焦信号解析部115が算出し、ステップS104の処理で移動したステージ102の位置「位置(n,1)」が真の合焦点であるか偽の合焦点であるかを判定する。そして、スペクトル信号解析部116は、スペクトル検出領域を含む撮像領域において、ステップS103の処理で合焦信号解析部115が算出し、ステップS104の処理で移動したステージ102の位置「位置(n,1)」が、真の合焦点であると判定した場合には判定信号として正常信号を生成し、偽の合焦点であると判定した場合には判定信号として異常信号を生成する。その後、ステップS109の処理に進む。なお、スペクトル信号解析部116における具体的な判定方法については上述した通りである。
(ステップS109)スペクトル信号解析部116がステップS108の処理で生成した判定信号(正常信号または異常信号)は、演算部117に入力される。演算部117は、スペクトル信号解析部116から入力された判定信号が正常信号であるか異常信号であるかを判定する。スペクトル信号解析部116から入力された判定信号は正常信号であると演算部117が判定した場合にはステップS110の処理に進み、スペクトル信号解析部116から入力された判定信号は異常信号であると演算部117が判定した場合にはステップS111の処理に進む。
(ステップS110)演算部117は、スペクトル信号解析部116から入力された判定信号が正常信号である場合には、撮像領域において、ステップS104の処理を終了した時点でのステージ102の位置「位置(n,1)」が真の合焦点であると判定する。このとき、演算部117は、補正用駆動信号である第2の駆動信号を生成せず、「位置(n,1)」で示されるステージ102の位置を、サンプル101の最終的な合焦点である最終合焦点「位置(n,2)」とする。記憶部120は、最終合焦点「位置(n,2)」を記憶する。その後、ステップS113の処理に進む。
(ステップS111)演算部117は、スペクトル信号解析部116から入力された判定信号が異常信号である場合には、撮像領域において、ステップS104の処理を終了した時点でのステージ102の位置「位置(n,1)」が偽の合焦点であると判定する。このとき、演算部117は、サンプル101の最終的な合焦点である最終合焦点「位置(n,2)」を、前ショット目の処理、すなわちn−1ショット目の処理における最終合焦点「位置(n−1,2)」と同じ位置と設定する。また、記憶部120は、最終合焦点「位置(n,2)」を記憶する。そして、演算部117は、ステップS104の処理で、「位置(n,1)」に移動させたステージ102を、「位置(n,2)」に戻すために、光軸方向におけるステージ102の移動量と方向とを算出し、補正駆動信号である第2の駆動信号を生成する。その後、ステップS112の処理に進む。なお、演算部117は、記憶部120に記憶されている前ショット目の光軸方向におけるステージ102の位置情報「位置(n−1,2)」を用いて、最終合焦点「位置(n,2)」を設定する。
(ステップS112)演算部117がステップS111の処理で生成した第2の駆動信号は、駆動部118に入力される。駆動部118は、演算部117から入力された第2の駆動信号に基づいて、ステージ102を光軸方向に移動させる。その後、ステップS113の処理に進む。
(ステップS113)ステップS106、ステップS110およびステップS112のうちいずれかの処理を完了した場合、第nショット目の処理におけるサンプル101の合焦制御を終了する。
なお、合焦制御が終了した場合、撮像素子112は、第nショット目の分割画像を撮像する。また、画像処理部119は、上記の処理を繰り返し実行して撮像素子112がサンプル101全体の部分画像の撮像を完了した場合、貼り合わせ等の画像処理を行い、サンプル101の全体を高精度に撮像した1枚のデジタル画像を生成する。
上述したとおり、本実施形態によれば、撮像システム1は、サンプル101の分割画像を撮像する際に、撮像領域である第1の領域に含まれる第3の領域のコントラスト値に基づいて、コントラストAFを用いてステージ102を移動させることによりサンプル101にピントを合わせる。このとき、前回分割画像を撮像してからステージ102が所定量以上移動した場合、サンプル101の表面以外にピントが合っている可能性があるため、第3の領域を含む第2の領域の除算スペクトル信号を算出する。そして、算出した除算スペクトル信号と基準値βとの大小関係を比較し、除算スペクトル信号が基準値β以上であれば、コントラストAFで合わせたピントは真の合焦点である(サンプル101の表面にピントが合っている)と判定し、サンプル101の分割画像を撮像する。また、除算スペクトル信号が基準値β未満であれば、コントラストAFで合わせたピントは偽の合焦点である(サンプル101の表面にピントが合っていない)と判定し、ステージ102の位置を、前回分割画像を撮像した際のステージ102の位置と同じ位置とする。これにより、コントラストAFによって気泡、ゴミ等の混入物、およびしわ等の段差との境界など、偽の合焦点にピントが合った場合においても、前回分割画像を撮像した際のステージ102の位置と同じ位置にステージ102を移動させるため、サンプル101にピントを合わせることができる。
具体的には、上述したステップS108の処理において、スペクトル信号解析部116は、合焦信号解析部115が算出した第1の合焦点が真の合焦点か偽の合焦点であるかを判定する。そして、偽の合焦点であると判定した場合には、ステージ102を、前ショット目の処理でサンプル101の分割画像を撮像した際のステージ102の位置と同じ位置に移動させて、サンプル101の分割画像を撮像する。従って、コントラストAFによって気泡、ゴミ等の混入物、およびしわ等の段差との境界などにピントが合った場合においても、サンプル101にピントを合わせることができる。
以下、図5に示した領域Bおよび領域Cの分割画像を撮像する際の動作を例に具体的な動作手順を説明する。図5に示した領域Bには気泡と封入剤との境界が存在しないために、領域Bの合焦点を検出する際には、ステップS103とステップS104との処理において、合焦信号解析部115は、第1の合焦点として気泡下のサンプル101の表面である合焦点を算出する。このとき、前ショット目の合焦点が封入剤下のサンプル101の表面である場合には、気泡と封入剤との屈折率の違いによって、気泡下のサンプル101の表面からコントラスト検出器113までの光学的距離と、封入剤下のサンプル101の表面からコントラスト検出器113までの光学的距離が異なるため、第1の合焦点が前ショット目の合焦点から大きく移動する。そのため、差分移動量が基準値αより大きいと判定される可能性がある。
しかしながら、仮に差分移動量が基準値αより大きいと判定された場合においても、サンプル101の表面にピントが合った場合には、除算スペクトル信号は基準値βよりも大きな値となる。そのため、スペクトル信号解析部116は、第1の合焦点を真の合焦点であると判定して正常信号を生成する。従って、撮像システム1は、サンプル101の表面にピントを合わせることができる。このことは、領域Aのように全てが封入剤に覆われている撮像領域についても同様にいえる。
一方、領域Cのように、封入剤と気泡に覆われており、封入剤と気泡との境界が存在する撮像領域では、領域Cの合焦点を検出する際には、ステップS103とステップS104との処理において、合焦信号解析部115は、第1の合焦点として気泡と封入剤との境界を合焦点と算出する。そのため、合焦信号解析部15は、サンプル101の表面とは大きく異なる光軸方向の位置を第1の合焦点と算出し、第1の駆動信号を生成する。このとき、サンプル101の表面とは大きく異なる点を第1の合焦点と算出したため、ステップS105の処理では、前ショット目の合焦点からの移動量である差分移動量が基準値αよりも大きいと判定される。
ここで、サンプル101の表面にピントが合っていない場合には、除算スペクトル信号が基準値βよりも小さな値となる。そのため、スペクトル信号解析部116は、第1の合焦点を偽の合焦点であると判定して異常信号を生成する。そして、ステップS109およびステップS111の処理により、演算部117は、ステージ102の位置を偽の合焦点である第1の合焦点から前ショット目の合焦点の位置に戻すための補正用駆動信号である第2の駆動信号を生成する。そして、ステップS112の処理により、駆動部118は、演算部117により生成された第2の駆動信号に基づいてステージ102の位置を真の合焦点に近づける。従って、撮像システム1は、封入剤と気泡との境界が存在する領域を撮像する際においても、サンプル101の表面にピントを合わせることができる。
上述した実施形態では、気泡が混入したサンプル101を例に用いて合焦点を検出する方法について示したが、ゴミ等の混入物や、しわ等の段差があるサンプル101に対しても、上述した方法を用いて、合焦点をサンプル101の表面とすることが可能である。具体的には、ゴミと封入剤との境界、または段差による境界によって、合焦信号解析部115がサンプル101の合焦点と大きく異なる光軸方向の位置を第1の合焦点と算出した場合においても、スペクトル信号解析部116は、第1の合焦点を偽の合焦点であると判定することができる。そして、演算部117は、ステージ102の位置を第1の合焦点から前ショット目の合焦点の位置に移動させるための補正用駆動信号である第2の駆動信号を生成する。そして、駆動部118は、第2の駆動信号に基づいてステージ102の位置を真の合焦点に近づける。従って、本実施形態のように構成された撮像システム1は、気泡、しわ、およびゴミ等の混入物や、段差があるサンプル101に対しても、精度良く合焦点を検出することが可能である。
以上、この発明の一実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、本実施形態では、コントラスト検出器113は、自装置に入射するサンプル101からの光に基づいてコントラストを検出しているが、これに限らない。例えば、コントラスト検出器113は、撮像素子112が撮像したサンプル101の画像を用いて、サンプル101の光学像のコントラストを検出するようにしてもよい。すなわち、第3の平面は、撮像素子1の受光面である第1の平面と同一の平面上に存在し、コントラスト検出器113は、撮像素子112の受光面に入射した光学像のコントラストを検出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、透過光源103によってサンプル101を照射しているが、これに限らない。例えば、落射光源や反射光源によってサンプル101を照射する構成としてもよい。この場合、光源によってスペクトル情報も変化するため、サンプル101を照射する光源に応じた基準値βおよび測定波長を設定する必要がある。
また、本実施形態では、駆動部118がステージ102の位置を移動させることにより、サンプル101に対する合焦動作を行っているが、これに限らない。例えば、対物レンズ105の位置を移動させることにより、サンプル101に対する合焦動作を行うようにしてもよい。また、本実施形態では、山登りサーボ方式により第1の合焦点を検出しているが、これに限らない。例えば、光路差方式により第1の合焦点を検出してもよい。また、本実施形態では、合焦信号解析部115がコントラスト値を検出しているが、これに限らない。例えば、撮像素子112が撮像した撮像画像を、画像処理部119が画像処理することによりコントラスト値を検出してもよい。
1・・・撮像システム、102・・・ステージ、103・・・透過光源、104・・・コンデンサレンズ、105・・・対物レンズ、106・・・第1の結像レンズ、107・・・第2の結像レンズ、108・・・第3の結像レンズ、109・・・第1の光路分割装置、110・・・第2の光路分割装置、111・・・光学系、112・・・撮像素子、113・・・コントラスト検出器、114・・・スペクトル信号検出器、115・・・合焦信号解析部、116・・・スペクトル信号解析部、117・・・演算部、118・・・駆動部、119・・・画像処理部、120・・・記憶部、201〜205・・・光電変換素子、211〜215・・・カラーフィルタ、401・・・第1の領域、402・・・第2の領域、403・・・第3の領域

Claims (5)

  1. 観察対象を保持するステージと、
    第1の平面を有し、前記第1の平面に受光された光学像に対応する第1の信号を出力する撮像部と、
    第2の平面を有し、前記第2の平面に受光された光学像のスペクトルに対応する第2の信号を出力するスペクトル信号検出部と、
    第3の平面を有し、前記第3の平面に受光された光学像のコントラストから前記第3の平面と前記観察対象との光学的な距離に対応する第3の信号を出力する合焦信号検出部と、
    前記観察対象の少なくとも一部の領域を含む第1の領域の光学像を前記第1の平面に受光させ、前記第1の領域に含まれる第2の領域の光学像を前記第2の平面に受光させ、前記第2の領域に含まれる第3の領域の光学像を前記第3の平面に受光させる光学系と、
    前記第2の信号に基づいて、前記第1の領域の中に前記第1の平面との間の光学的な距離が所定の距離以上異なる異常領域が存在するか否かを判定し、前記異常領域が存在すると判定した場合には異常信号を出力する異常検出部と、
    前記第3の信号および前記異常信号に基づいて、少なくとも前記光学系の光軸方向への前記ステージの移動を制御する駆動部と、
    を備えることを特徴とする撮像システム。
  2. 前記スペクトル信号検出部は、前記第2の平面に受光された光学像のスペクトルのうち、第1の波長の光のスペクトルに対応する信号と、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光のスペクトルに対応する信号とを出力し、
    前記異常検出部は、前記第1の波長の光のスペクトルに対応する信号と、前記第2の波長の光のスペクトルに対応する信号との演算値と、予め定められた基準値とを比較することで、前記第1の領域の中に前記第1の平面との間の光学的な距離が所定の距離以上異なる異常領域が存在するか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
  3. 前記第3の信号に基づいて、前記光学系の光軸方向への前記ステージの移動量を算出する算出部
    を備え、
    前記算出部が算出した前記光学系の光軸方向への前記ステージの移動量が所定の量を超え、かつ前記異常検出部が前記異常信号を出力した場合、前記駆動部は、前記光学系の光軸方向の前記ステージの位置が前記観察対象を前回撮像した際の位置と同じ位置となるように前記ステージの移動を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
  4. 前記スペクトル信号検出部は複数の画素を有し、前記複数の画素の各々は光電変換素子とカラーフィルタを有し、前記複数の画素が有するカラーフィルタの各々は、互いに異なる特定の波長の光を透過させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
  5. 前記第3の平面は前記第1の平面と同一の平面上に存在し、
    前記合焦信号検出部は、前記撮像部が出力する前記第1の信号に基づいて、前記第3の信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
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