JP2014059274A - Sr吸着材およびSr吸着材造粒物の製造方法 - Google Patents

Sr吸着材およびSr吸着材造粒物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉化や崩壊が起こらないSr吸着材造粒物の製造方法を提供する。この造粒物を焼成することにより、機械的強度に優れ、微粉等のリークの問題がなく、水処理材として取扱性に優れたSr吸着材を提供する。
【解決手段】チタン酸塩と水を混合して混練物を得る混合工程と、該混練物を造粒して造粒物を得る造粒工程を含むSr吸着材造粒物の製造方法において、前記造粒工程に先立ち、前記混練物の温度を低下させる放熱工程を有するSr吸着材造粒物の製造方法。製造されたSr吸着材造粒物を焼成してなるSr吸着材。
【選択図】図1

Description

本発明は、水中のSrイオンを吸着除去するためのSr吸着材と、このSr吸着材を製造するためのSr吸着材造粒物の製造方法に係り、特に排水中の放射性Srを効率よく吸着除去することができるSr吸着材と、このSr吸着材を製造するためのSr吸着材造粒物の製造方法に関する。
本発明はまた、このSr吸着材を用いたSr含有水の処理方法に関する。
チタン酸系吸着材は、Srの吸着能が高いことから、核燃料再処理における群分離のためのSr吸着材としての利用が検討されている。
チタン酸系Sr吸着材を用いるSrの吸着処理については、従来、いくつかの報告がなされており、非特許文献1には、チタン酸をバインダで造粒した場合に分配係数Kdや吸着速度が小さくなることが記載されている。
また、特許文献1には、放射性ストロンチウムを吸着するチタン酸ナトリウムイオン交換体の製造方法として、含水酸化チタンをアルコールと水酸化ナトリウムからなる液でスラリー化させて加熱し、濾過・乾燥した後に破砕・分級してナトリウム/チタンモル比が0.6以下の顆粒状のチタン酸ナトリウムを製造する方法が提案されている(特許文献1)。
特許第4428541号公報
「群分離法の開発:バインダで造粒したチタン酸へのSrの吸着挙動」JAERI−Research 98−026,1998年5月
非特許文献1では、バインダで造粒したチタン酸の記載はあるが、その造粒における課題については触れられていない。
一方、特許文献1に記載される、酸化チタンをスラリー状でチタネート化させ、乾燥させた後破砕する方法で製造された顆粒状のチタン酸ナトリウムは、一次粒子の凝集体であるため、強度が弱く、輸送中等に加えられる振動や衝撃等で粉砕されて微粉化したり、水中に投入すると凝集体の崩壊で一次粒子が脱落してしまう。このため、この微粉化した粒子や一次粒子が、吸着塔のストレーナーを閉塞させたり、吸着塔ストレーナーを通過して、放射線を帯びた微粉が吸着塔からリークしてしまうという課題があった。
本発明は、粉化や崩壊が起こらないSr吸着材造粒物の製造方法を提供することを課題とする。本発明はまた、この造粒物を焼成することにより、機械的強度に優れ、微粉等のリークの問題がなく、水処理材として取扱性に優れたSr吸着材を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、チタン酸塩と水を混合して造粒物を製造するに当たり、造粒に先立ち、チタン酸塩と水との混合時に発生した熱を十分に放熱させておくことにより、造粒時の水分蒸発を防止して、粉化や崩壊の起こらない高強度のSr吸着材造粒物を製造することができ、このSr吸着材造粒物を焼成することにより、機械的強度に優れ、微粉等のリークの問題がなく、水処理材として取扱性に優れたSr吸着材を得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] チタン酸塩と水を混合して混練物を得る混合工程と、該混練物を造粒して造粒物を得る造粒工程を含むSr吸着材造粒物の製造方法において、前記造粒工程に先立ち、前記混練物の温度を低下させる放熱工程を有することを特徴とするSr吸着材造粒物の製造方法。
[2] 前記放熱工程は、前記混練物を、所定時間が経過するまで、または所定温度以下になるまで、容器内で放置する工程であることを特徴とする[1]に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
[3] 前記混合工程は、混合機にチタン酸塩と水を投入して混合する工程であり、前記放熱工程は、該混合機内にて所定時間が経過するまで、または所定温度以下になるまで該混練物を放置する工程であることを特徴とする[2]に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
[4] 前記混合工程は、混練物の温度が60℃以上になるまでチタン酸塩と水を混合する工程であることを特徴とする[1]ないし[3]のいずれかに記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
[5] 前記放熱工程は、60℃以上の前記混練物が50℃以下になるまで放熱させる工程であることを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
[6] 前記放熱工程における放置時間は、10〜120分であることを特徴とする請[1]ないし[5]のいずれかに記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
[7] 前記放熱工程における放置時間を、前記造粒工程で得られる造粒物の含水率が20〜60%となるように設定することを特徴とする[1]ないし[6]のいずれかに記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
[8] 前記混合工程は、チタン酸塩と水と造粒助剤を混合して混練物を得る工程であることを特徴とする[1]ないし[7]のいずれかに記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
[9] 前記造粒助剤は、粘土鉱物および/またはケイ酸塩化合物であることを特徴とする[8]に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
[10] [1]ないし[9]のいずれかに記載の製造方法で製造されたSr吸着材造粒物を焼成してなることを特徴とするSr吸着材。
[11] [10]のSr吸着材をSr含有水と接触させて水中のSrを除去することを特徴とするSr含有水の処理方法。
本発明によれば、粉化や崩壊の起こらない高強度のSr吸着材造粒物を製造することができ、このSr吸着材造粒物を焼成することによって、機械的強度が高く、輸送中等に加えられる振動や衝撃等による破砕や、水に投入したときの一次粒子の脱落の問題のない取扱性に優れたSr吸着材を得ることができ、微粉粒子による吸着塔ストレーナーの閉塞や、放射線を帯びた微粉のリークを防止することができる。
本発明のSr吸着材造粒物及びSr吸着材の製造方法の実施の形態を示す工程図である。 実施例3および比較例2,3におけるカラム通水試験の処理水Sr濃度の経時変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、何ら本発明を限定するものではなく、本発明はその要旨を超えない範囲において、以下の実施形態に開示される各要素を種々変更して実施することができる。
[Sr吸着材造粒物の製造方法]
本発明のSr吸着材造粒物の製造方法は、チタン酸塩と水を混合して混練物を得る混合工程と、該混練物を造粒して造粒物を得る造粒工程を含むSr吸着材造粒物の製造方法において、前記造粒工程に先立ち、前記混練物の温度を低下させる放熱工程を有することを特徴とする。
図1は、本発明のSr吸着材造粒物の製造方法と、製造されたSr吸着材造粒物から本発明のSr吸着材を製造する一連の工程を示す工程図であって、チタン酸塩と水と造粒助剤を混合し、得られた混練物を放熱させた後造粒し、次いで、造粒物を整粒、乾燥した後分級し、焼成を行って、本発明のSr吸着材とする工程を示す。
<作用機構>
本発明のSr吸着材造粒物の製造方法は、混合工程と造粒工程との間に放熱工程を設けたことに特徴を有する。この放熱工程を設けることにより、強度の高いSr吸着材造粒物を製造することができる作用機構は、次の通り推定される。
チタン酸塩、例えば、チタン酸アルカリ金属塩は、造粒のために水と混合すると、層間に保持されているアルカリ金属と水との水和反応およびアルカリ金属水酸化物の溶解反応により発熱する。
下記式(1)および(2)は、それぞれアルカリ金属がカリウムの場合における水和反応と溶解反応の反応式である。
(1)水和反応:KOH(s)+HO(1)⇔KOH・HO(s)
(ΔH°=−38.31kJmol−1
(2)溶解反応:KOH(s)⇔+K(aq)+OH(aq)
(ΔH°=−57.61kJmol−1
本発明者らの研究により、上記反応は、混合時に強いせん断力をかけて二チタン酸アルカリ金属塩と水とを練ることにより十分に進行して温度が上昇するが、混合時のせん断力が足りないと、反応が十分に進まず、その後の造粒工程で反応が進むこととなり、造粒工程以降で水分蒸発による造粒不良が起こることが判明した。
本発明においては、造粒工程の前段で、ほぼ密閉状態でチタン酸塩と水との混練物の熱を十分に放熱させておき、温度が低下してから造粒工程に移行することにより、造粒工程での水分蒸発を防止して、水分を保持した状態で良好な造粒を行うことができる。
<チタン酸塩>
本発明において、Sr吸着材の吸着成分として用いるチタン酸塩は、MTi2n+1(n=1〜9)またはMTi2n+2(n=1,3,5,9)で表される。Mとしては、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましいが、吸着能の点でナトリウムまたはカリウムであることがより好ましい。
チタン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、カチオンMや組成式の異なる2種以上を併用してもよい。
<混練水>
本発明における混合工程でチタン酸塩と混合して混練物を得るための水は、得られる混練物中の含水率が20〜60質量%、特に30〜50質量%となるように添加することが好ましい。この混練水量は放熱工程後の混練物においても、混練物の含水率として維持されていることが好ましい。なお、混練物の含水率は、加熱乾燥・質量測定方式の水分計で測定することができる。
混練物の含水率が上記下限未満であっても、上記上限を超えても、良好な造粒物を得ることができない場合がある。
<造粒助剤・可塑剤>
本発明における混合工程では、チタン酸塩と水とを混合して混練物を得る際に、造粒助剤を用いることが好ましく、更に可塑剤を用いることが好ましい。
造粒助剤としては、例えば、ベントナイト、アタパルジャイト、セピオライト、アロフェン、ハロイサイト、イモゴライト、カオリナイト等の粘土鉱物;ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カルシウム、メタケイ酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどのケイ酸塩化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらのうち、造粒助剤としては、化成品であるケイ酸塩化合物よりも天然物である粘土鉱物を用いる方が安価に製造できる点で好ましく、さらに、粘土鉱物の中でも得られる粒状物の機械的強度の点でアタパルジャイトやセピオライト等の繊維状の粘土鉱物を用いることが好ましい。
また、造粒に必要な塑性を与える可塑剤も同様に添加することが好ましい。
可塑剤としては、例えば、デンプン、コーンスターチ、糖蜜、乳糖、セルロース、セルロース誘導体、ゼラチン、デキストリン、アラビアゴム、アルギン酸、ポリアクリル酸、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、メタノール、エタノール等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明によれば、チタン酸塩と造粒助剤と可塑剤を所定の混合比で混合した後、放熱後、造粒成形し、乾燥させた後、焼成することで、より一層機械的強度の高いSr吸着材を得ることができる。
造粒助剤の使用量は、特に限定されるものではなく、チタン酸塩1質量部に対し、0.1〜0.5質量部であることが好ましい。造粒助剤の使用量が多いほど得られる造粒物の強度が強くなるが、造粒助剤の量が多すぎるとチタン酸塩の純分量が減り、得られるSr吸着材のSr吸着量が小さくなり、好ましくない。
また、可塑剤の使用量は、特に限定されるものではなく、チタン酸塩1質量部に対し0.01〜0.1質量部であることが好ましい。可塑剤の使用量が上記範囲内であれば、チタン酸塩を効果的に造粒することができる。
<混合工程>
本発明における混合工程は、水分が放出されない密閉系内で、強いせん断力をかけて、チタン酸塩と水、好ましくは更に造粒助剤および可塑剤を混合することにより、十分に発熱させる工程であることが好ましい。
このように、強いせん断力をかけて混合するための混合機としては、高速底部撹拌式、ドラム回転式、単軸リボン形、複軸パドル形、回転鋤形、二軸遊星撹拌式、円錐遊星スクリュー形、連続回転円盤形、連続高速パドル形、固定パン式ローラ形、容器底部揺動式のものなどを使用することができ、特に高速底部撹拌式混合機を用いることにより、強いせん断力を与えることができる。
混合工程では、チタン酸塩と水の混練物、好ましくは更に、造粒助剤および可塑剤が混合された混練物が、60℃以上の温度となるまで混合することが好ましい。混合時に60℃以上まで温度が上昇していれば、後の造粒工程や整粒工程で再度温度が上昇して水分が蒸発する現象を防ぐことができる。
この混合工程での上昇温度は、より好ましくは65℃以上であるが、密閉系内の圧力上昇を防止するために100℃以下であることが好ましい。
<放熱工程>
本発明では、混合工程後には、混練物の温度を低下させる放熱工程を設ける。
放熱工程は、容器内で混練物を放置して放熱させる工程である。この際、混合機内で混練物を放置しても、混合機から別の放熱容器に混練物を移送して放置してもよい。いずれの場合であっても、温度の上昇した混練物から水分が上昇しないように、容器は密閉状態とすることが好ましい。ただし、混合機または放熱容器の内圧が上がらないように、適度な空気穴や隙間をあけておくことが好ましい。また、混合機または放熱容器に冷媒管を設置し、混合機または放熱容器を冷却できるようにすると、放熱の時間が短縮でき、混合、放熱、造粒、整粒の流れの中で放熱工程が律速となることを防ぐことができる。
放熱工程では、混練物の温度が50℃以下になるまで放熱させることが好ましい。この放熱後の温度が50℃よりも高いと、放熱工程を設けることによる本発明の強度向上効果を十分に得ることができない場合がある。
放熱工程における放置時間は、放熱効率にもよるが、自然放熱の場合には30〜120分、冷媒等による冷却を行う場合には10〜60分とすることが好ましい。
また、放熱工程の放置時間は、次の造粒工程で得られる造粒物の含水率が20〜60質量%、特に30〜50質量%となるように調整することが好ましい。
なお、混合機内で放熱させる場合には、混合機の混合を停止させておくのが、省エネルギーの観点から好ましい。
このような放熱工程で、混練物の温度を30〜50℃程度に低下させることが、次の造粒工程で得られる造粒物の含水率を適度な範囲に調整しやすいことから好ましい。
<造粒工程>
放熱工程で温度を低下させた混練物は、次いで造粒工程で造粒する。
造粒工程における造粒方法としては、具体的には、ドラム型造粒機、皿型造粒機等を使用した転動造粒法;フレキソミックス、バーティカルグラニュレーター等を使用した混合撹拌造粒法;スクリュー型押出造粒機、ロール型押出造粒機、ブレード型押出造粒機、自己成形型押出造粒機等を使用した押出造粒法;打錠形造粒機、ブリケット形造粒機等を使用した圧縮造粒法等が挙げられるが、量産性を考慮すると、押出造粒法が好ましい。
このようにして得られるSr吸着材造粒物の大きさは、粒径で150〜3000μm、特に300〜2000μmであることが好ましい。この造粒物の大きさが上記範囲よりも大きいと、表面積が小さくなってしまうため、Sr吸着能が低下し、小さいと吸着塔のストレーナーからリークする恐れがある。
なお、ここで、造粒物の粒径とは、造粒物が球状であればその直径に該当し、その他の形状の場合、当該造粒物を2枚の平行な板で挟んだとき、その板の間隔が最も大きくなる部位の長さ(2枚の板の間隔)をさす。
<整粒・乾燥・分級・焼成工程>
造粒工程で得られたSr吸着材造粒物は、必要に応じて整粒、乾燥、分級を行った後、空気雰囲気下で焼成することにより、水処理材として取扱性に優れたSr吸着材とすることができる。ここで、乾燥は70〜150℃で、焼成は500〜900℃で行うことが好ましい。
焼成処理において、焼成温度が500℃未満であると、未焼結部位が残存して粒子強度が弱くなり、900℃を超えるとチタン酸塩結晶の構造に影響を及ぼして吸着性能が低下してしまう。
焼成時間は、焼成温度、造粒物の大きさによっても異なるが、通常0.5〜10時間程度である。
[Sr含有水の処理方法]
本発明のSr吸着材をSr含有水、特に放射性Sr含有水に接触させることにより、水中のSrを効率的に吸着除去することができる。
本発明のSr吸着材を用いてSr含有水を処理する場合、本発明のSr吸着材は、例えば、下部又は上部にストレーナー構造を有した吸着容器又は吸着塔に充填して使用するのが好ましく、放射性Srを含有する汚染水を当該吸着容器又は吸着塔に通水して放射性Srを除去する水処理装置に有効に適用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において、製造されたSr吸着材の押し潰し強度は吸着材粒子に荷重をかけて、粒子が破壊した際の最大荷重を粒子30粒で平均したものを用いた。また、造粒物の含水率は、赤外線水分計により測定した。
[Sr吸着材の製造]
<比較例1>
チタン酸カリウム粉末3kgと水2.8L、造粒助剤としてアタパルジャイト0.6kgとPVA(前記水2.8Lに5質量%水溶液となるように溶解させた)を、ほぼ密閉された高速底部撹拌式混合機(空気孔を有するため、圧力上昇はなし)に投入し、1分間混合した。混合終了時の混練物の温度は67℃であった。得られた混練物を直ちにダイス径0.6mmのロール型押出造粒機に投入し、120rpmの負荷、140dry−kg/hrの造粒速度で造粒を行った。得られた造粒物は表面が乾燥しており、球形整流機で整粒しようとしたところ、微粉化し、造粒物が崩壊した。
<実施例1>
比較例1において、67℃の混練物を、高速底部撹拌式混合機内で1時間放置して放熱させ、48℃まで温度を低下させ、温度低下後の混練物をロール型押出造粒機に投入したこと以外は同様に混合、造粒を行った。得られた造粒物(含水率39質量%)は球形整粒器による整粒時に崩壊することはなく、ほぼ球形であった。整粒後の造粒物(粒径600μm)を流動層乾燥機で110℃で乾燥した後、篩で分級し、マッフル炉で800℃にて2時間焼成したところ、押し潰し強度が580g/粒の良好なSr吸着材が得られた。
<実施例2>
比較例1において、67℃の混練物を、高速底部撹拌式混合機から取り出して、水冷式熱交換器を備えたチャンバーに移送し、チャンバー内で20分間放置して放熱させ、36℃まで温度を低下させ、温度低下後の混練物をロール型押出造粒機に投入したこと以外は同様に混合、造粒を行った。得られた造粒物(含水率40質量%)は球形整粒器による整粒時に崩壊することはなく、ほぼ球形であった。整粒後の造粒物(粒径600μm)を流動層乾燥機で110℃で乾燥した後、篩で分級し、マッフル炉で800℃にて2時間焼成したところ、押し潰し強度が610g/粒の良好なSr吸着材が得られた。
[Sr吸着性能の確認]
<実施例3>
実施例1で得られたSr吸着材をカラムに充填し、下記水質の被処理原水を用いて、下記条件にてカラム通水試験を行い、処理水(カラム流出水)のSr濃度の経時変化を調べ、結果を図2に示した。
なお、このカラム通水試験において、差圧上昇等は見られず、微粉の発生や吸着材の崩壊はなかった。
・原水組成
pH:5.6〜5.8(脱イオン水調製)
Sr(安定同位体):50mg/L
Na:3900〜4200mg/L
Ca:10mg/L
Mg:1mg/L
・通水条件
カラム:φ14.8mm
充填層高:76mm
充填容量:13mL
SV:10/hr
LV:0.76m/hr
<比較例2>
実施例1のSr吸着材の代りに、市販のA型ゼオライトを用いて、実施例3と同様にカラム通水試験を行い、結果を図2に示した。
<比較例3>
実施例1のSr吸着材の代りに、市販のX型ゼオライトを用いて、実施例3と同様にカラム通水試験を行い、結果を図2に示した。
実施例3と比較例2、3の比較により、本発明のSr吸着材はゼオライトよりも良好なSr吸着性能を示すことが分かる。

Claims (11)

  1. チタン酸塩と水を混合して混練物を得る混合工程と、該混練物を造粒して造粒物を得る造粒工程を含むSr吸着材造粒物の製造方法において、前記造粒工程に先立ち、前記混練物の温度を低下させる放熱工程を有することを特徴とするSr吸着材造粒物の製造方法。
  2. 前記放熱工程は、前記混練物を、所定時間が経過するまで、または所定温度以下になるまで、容器内で放置する工程であることを特徴とする請求項1に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
  3. 前記混合工程は、混合機にチタン酸塩と水を投入して混合する工程であり、前記放熱工程は、該混合機内にて所定時間が経過するまで、または所定温度以下になるまで該混練物を放置する工程であることを特徴とする請求項2に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
  4. 前記混合工程は、混練物の温度が60℃以上になるまでチタン酸塩と水を混合する工程であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
  5. 前記放熱工程は、60℃以上の前記混練物が50℃以下になるまで放熱させる工程であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
  6. 前記放熱工程における放置時間は、10〜120分であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
  7. 前記放熱工程における放置時間を、前記造粒工程で得られる造粒物の含水率が20〜60%となるように設定することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
  8. 前記混合工程は、チタン酸塩と水と造粒助剤を混合して混練物を得る工程であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
  9. 前記造粒助剤は、粘土鉱物および/またはケイ酸塩化合物であることを特徴とする請求項8に記載のSr吸着材造粒物の製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたSr吸着材造粒物を焼成してなることを特徴とするSr吸着材。
  11. 請求項10のSr吸着材をSr含有水と接触させて水中のSrを除去することを特徴とするSr含有水の処理方法。
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